JP4202554B2 - 半導体リソグラフィ用ペリクル - Google Patents

半導体リソグラフィ用ペリクル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSI、超LSIなどの半導体装置あるいは液晶表示版を製造する際のリソグラフィ用マスクのゴミよけとして使用される、リソグラフィ用ペリクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI、超LSIなどの半導体製造或いは液晶表示版などの製造においては、半導体ウエーハ或いは液晶用原版に光を照射してパターンを作製するのであるが、この場合に用いる露光用原版(本明細書中ではフォトマスク、レチクル等を総称した意味で用いる)にゴミが付着していると、このゴミが光を吸収したり、光を曲げてしまうために、転写したパターンが変形したり、エッジががさついたものとなるほか、下地が黒く汚れたりして、寸法、品質、外観などが損なわれるという問題があった。
【0003】
このため、これらの作業は通常クリーンルームで行われているが、このクリーンルーム内でも露光用原版を常に清浄に保つ事が難しいので、露光用原版の表面にゴミよけのための露光用の光をよく透過させるペリクルを貼り付ける方法が採用されている。
【0004】
この場合、ゴミは露光用原版の表面には直接付着せず、ペリクル膜上に付着するため、リソグラフィー時に焦点を露光用原版のパターン上に合わせておけば、ペリクル膜上のゴミは転写に無関係となる。
【0005】
一般にペリクルの基本的な構成は、図1に示したように、露光に用いる光をよく透過させるニトロセルロース、酢酸セルロースなどからなる透明なペリクル膜2をアルミニウム、ステンレス、ポリエチレンなどからなるペリクルフレーム1(以下、「フレーム」という場合がある。)の上部にペリクル膜の良溶媒を塗布し、風乾して接着する(特開昭58−219023号公報参照)か、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等のペリクル膜接着剤層5を介して接着し(米国特許第4861402号明細書、特公昭63−27707号公報参照)、更に、ペリクルフレームの下部には露光用原版が装着されるために、ポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等からなる露光用原版接着剤層3、及び該接着剤層の保護を目的とした離型層4で構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ペリクルは、半導体リソグラフィの工程で使用されるため、ペリクル膜、ペリクルフレーム、接着剤等に高い清浄性が要求される。ペリクル膜に関しては、基本的に異物、汚れ等があってはならないし、ペリクルフレームについても、異物の付着はもとより、表面の汚れ、シミ等も問題とされる。
また、不要膜切断に溶剤を用いて行う場合に、従来膜面の溶剤による汚れが起こる場合があり、製品として使用できなくなることがあった。
更に、不要膜の切断除去中に溶剤がフレーム外側面にたれてフレーム外側面を汚したり、その他の場所を汚して、ひいては発塵や露光用原版の汚染の原因となる場合がある。
【0007】
また、ペリクルは、自動の貼り付け装置(オートマウンター)によって露光用原版に貼り付けられる場合もあれば、手動でハンドリングされ貼り付けられる場合もある。手動で貼り付ける場合、即ち手で持ってハンドリングする場合には、ペリクルフレームが薄い物であるためにどうしても露光用原版接着剤部分に手で触れてしまう事があり、汚染や貼り付けトラブルを起こすことがあった。
【0008】
ところで、特公平8−12418号公報には、ペリクル膜が貼り付けられる端面と内側面或いは外側面が交わる角のうち、内側面と交わる角及び外側面と交わる角を面取りすることが提案されている。これは、ペリクル膜接着時にペリクル膜接着剤を故意にC面部分にはみ出させ、接着剤を塗布した際に接着剤が盛り上がって枠際で膜が膨らみ、ハンドリング時には膨らみに膜が引っ掛かって膜が破けたりすることを防止する物である。
【0009】
しかしながら、上記のような方法の場合、面取りはペリクルフレームのペリクル膜接着面とフレーム内外側面とのなす角部(ペリクルフレームの上部の角部)にしかなされていないため、ペリクルフレームのハンドリング時に露光用原版接着剤に触れて露光用原版接着剤やその他の部分の機能を損なったり、汚染したりすることがあるという問題点があった。
また、上記ではペリクル膜接着剤がフレーム内外側に押し出され、押し出された接着剤はC面部分にはみ出て吸収されるとしているが、一旦ペリクル膜接着剤がC面部分にはみ出ると、不要膜切断時の溶剤による膜面、及びフレーム外側面の汚染は避けられなかった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ペリクルの製造工程において、ペリクル膜切断工程を容易に行い、更には、ペリクルフレームのハンドリングも容易に行うことができる半導体リソグラフィ用ペリクルを提供することを主目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を解決するために鋭意検討を重ねた結果なされたもので、本発明は、少なくともペリクルフレームの一端面にペリクル膜接着剤を介してペリクル膜を張設し、別な一端面に露光用原版接着剤を設けてなる半導体リソグラフィ用ペリクルにおいて、前記ペリクルフレームのペリクル膜接着面及び露光用原版接着面とフレーム内外側面とのなす角部にC面取りがなされており、該面取りの寸法をC0.25より大きくC0.35以下とすることを特徴とする半導体リソグラフィ用ペリクルである。
【0012】
このように、ペリクルフレームのペリクル膜接着面及び露光用原版接着面とフレーム内外側面とのなす角部(ペリクルフレームの上下の角部)にC面取りがなされており、該面取りの寸法をC0.25より大きくC0.35以下とすることによって、不要膜切断時の溶剤による膜面、及びフレーム外側面の汚染を防止することができる。また、露光用原版接着剤の塗布位置では、ペリクルフレームのハンドリング時に露光用原版接着剤に触れて露光用原版接着剤やその他の部分の機能を損なったり、汚染したりすることも防止することができる。ここでC0.25以下である場合、上記効果はなく、C0.35より大きい場合は、ペリクルフレームの接着面が小さくなり、十分な接着力が得られない。
【0013】
本発明は、C面取りをペリクルフレームのペリクル膜接着面及び露光用原版接着面とフレーム内外側面とのなす角部(ペリクルフレームの上下の角部)になされた物であるため、ペリクル膜の接着方法、接着剤塗布、接着の形態、及び不要膜切断の方法において、前記従来の発明(特公平8−12418)とは技術的思想を全く異にする物である。
【0014】
この場合、前記ペリクル膜接着剤がペリクル膜接着面よりC面側にはみ出さないように形成され、前記露光用原版接着剤が露光用原版接着面よりC面側にはみ出さないように形成されていることが好ましい。
【0015】
このように、ペリクル膜接着剤がペリクル膜接着面よりC面側にはみ出さないように形成され、露光用原版接着剤が露光用原版接着面よりC面側にはみ出さないように形成されていれば、不要膜切断時の溶剤による膜面、及びフレーム外側面の汚染を確実に防止することができる。これと共に、露光用原版接着剤の塗布位置が確実に内側となるため、ペリクルフレームのハンドリング時に、露光用原版接着剤に触れて露光用原版接着剤やその他の部分の機能を損なったり、汚染したりすることもない。
【0016】
また、前記ペリクルフレームの材質が、表面をアルマイト処理したアルミニウム合金であることが好ましい。
【0017】
このように、ペリクルフレームの材質が表面をアルマイト処理したアルミニウム合金を用いれば、黒色化して迷光防止が可能な、軽量で高強度のペリクルフレームが経済的に製造することができる。
従って、このようなペリクルフレームに本発明の面取りを施せば、極めて有用なペリクルとすることができる。
【0018】
更に、前記ペリクル膜がフッ素系ポリマーであり、前記ペリクル膜接着剤がテトラフルオロエチレンと環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマーとの重合体からなる接着剤であることが好ましい。
【0019】
このように、前記ペリクル膜がフッ素系ポリマーを用いれば、光透過率、耐光性に優れたペリクル膜が得られる。更に、前記ペリクル膜接着剤がテトラフルオロエチレンと環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマーとの重合体からなる接着剤を用いることで、膜材質が離型性の強いフッ素系ポリマーであっても、接着強度が高く光劣化したり分解することがないため、長寿命で高性能なペリクルを製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、前述した問題点を解決すべく種々調査、検討を重ねた結果、半導体リソグラフィ用ペリクルにおいて、ペリクルフレームのペリクル膜接着面及び露光用原版接着面とフレーム内外側面とのなす角部にC面取りを施し、該面取りの寸法をC0.25より大きくC0.35以下とすることが極めて有効であることを見出し、精査して本発明を完成させた。
【0021】
以下、本発明のペリクルフレームを詳細に説明する。
本発明のペリクルの基本構成は、前記図1に示したものとほぼ同様であり、ペリクルフレーム1の上端面にペリクル膜接着剤層5を介してペリクル膜2を張設したもので、下端面には露光用原版接着剤層3(以下、本案では、露光用原版の一例として「レチクル」を挙げる)が形成され、該露光用原版接着剤層3の下端面に離型層4が剥離可能に貼り付けてなる物である。
【0022】
このようなペリクルにおいて、本発明は、例えば図2にその断面拡大図を示したように、ペリクルフレームの上下の角部にC面取りがなされていると共に、該面取りの寸法をC0.25より大きくC0.35以下と規定したことに特徴を有する。 即ち、C面取りは、ペリクルフレームのペリクル膜接着面、及び露光用原版接着面とフレーム内外側面とのなす角部になされており、ペリクルフレームの上下部に4面存在する。そして該面取りの寸法をC0.25より大きくC0.35以下と規定したことによって、不要膜切断時の溶剤による膜面、及びフレーム外側面の汚染を防止することができる。また、露光用原版接着剤の塗布位置では、ペリクルフレームのハンドリング時に、露光用原版接着剤に触れて露光用原版接着剤やその他の部分の機能を損なったり、汚染したりすることも防止することができる。
【0023】
更に、ペリクル膜接着剤、及び露光用原版接着剤は、各々の接着面よりC面側(特にフレーム外側面のC面a部分及びb部分)にはみ出さないように形成されており、これによって、不要膜切断時の溶剤による膜面、及びフレーム外側面の汚染を確実に防止することができる。これと共に、露光用原版接着剤の塗布位置が確実に内側となるため、ペリクルフレームのハンドリング時に、露光用原版接着剤に触れて露光用原版接着剤やその他の部分の機能を損なったり、汚染したりすることもない。
【0024】
この場合、これらペリクル構成部材の大きさは通常のペリクルと同様であり、また、その材質も前述したようにな公知の材質とすることができる。この点を更に詳述すると、ペリクル膜の種類については特に制限はなく、例えば従来使用されている、ニトロセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、非晶質フッ素系ポリマー等が用いられるが、中でもフッ素系ポリマーを用いると特によい。
非晶質フッ素系ポリマーの例としては、サイトップ(旭硝子(株)製商品名)、テフロンAF(デュポン(株)製商品名)等が挙げられる。
これらのポリマーは、ペリクル膜作製時に必要に応じて溶媒に溶解して使用してもよく、例えばフッ素系溶媒などで適宜溶解し得る。
【0025】
本発明において使用されるペリクルフレームについても特に制限はなく、その材質としては、従来使用されているアルミニウム合金材(A7075−T651等の7000系アルミニウム合金)等に陽極酸化処理を行った物、ステンレス、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリル樹脂等の樹脂、青板ガラス等が挙げられるが、中でも表面をアルマイト処理したアルミニウム合金材が特によい。
そして、ペリクルフレーム表面については、通常サンドブラストや化学研磨によって粗面化される。例えば、アルミ材を使用した場合には、カーボランダム、ガラスビーズ等によって表面をブラスト処理し、さらにNaOH等によって化学研磨を行い表面を粗面化する方法が知られている。
【0026】
レチクル接着剤の下端面に貼り付けられる離型層(セパレーター)としても公知の物でよい。
【0027】
ペリクル膜接着剤としては、フッ素系ポリマーがよく、中でもテトラフルオロエチレンと環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマーとの重合体を使用するのが特によい。具体的には、フッ素系ポリマーCT69(旭硝子(株)製商品名)が挙げられる。
【0028】
レチクル接着剤としては、両面粘着テープ、シリコーン樹脂粘着剤、アクリル系粘着剤等を挙げることができる。
【0029】
本発明のペリクルは、通常の方法でペリクルフレームの上端面にペリクル膜接着剤を介してペリクル膜を張設し、下端面にレチクル接着剤層を形成し、このレチクル接着剤層の下端面に離型層を剥離可能に貼り付けすることで製造することができる。
ここで、ペリクル膜接着剤層は、必要により溶媒で希釈してペリクルフレームの上端面に塗布し、加熱して乾燥し硬化させることにより形成することができる。この場合、接着剤の塗布方法としては、刷毛塗り、スプレー、自動ディスペンサーによる方法等が採用される。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例を挙げて説明する。
(実施例1)
始めに、ペリクルフレームとして、フレームの外寸100mm×100mm×幅6mm、厚さ2mmのアルミニウム合金製フレームを用意した。図2に示すようにフレームにC面取りを施し、アルミニウム合金製フレームのC面寸法は、全てC0.3とした。これを表面洗浄した後、粒径90μmのガラスビーズを使用し吐出圧1.5kgのサンドブラスト装置にて10分間表面処理し表面を粗面化した。
次いで、NaOH処理浴中にて10秒間処理し洗浄した後、陽極酸化、黒色染色、封孔処理して表面に黒色の酸化被膜を形成した。
【0031】
このアルミニウム合金製フレームを純水と超音波洗浄装置を併用して洗浄した。
次いで、このフレームの内壁面にスプレーコーティング装置を用いて、シリコーン系粘着剤を1μmコーティングした。
【0032】
次いで、テフロンAF1600(米国デュポン社製商品名)をフッ素系溶剤・フロリナートFC−75(米国スリーエム社製商品名)に溶解させて濃度8%の溶液を調整した。
その後、この溶液により、直径200mm、厚さ600μmの鏡面研磨したシリコン基板面に、スピンコーターを用いて膜の厚みが0.8μmの透明膜を形成させた。
次に、この膜上に外径200mm×幅5mm、厚さ5mmの枠を、エポキシ系接着剤アラルダイトラピッド(昭和高分子(株)製商品名)を用いて接着し剥離した。
【0033】
次に、前記のようにして準備したアルミニウム合金製フレームを、CT−69(旭硝子(株)製商品名)を用いて、成膜したテフロンAF1600の膜表面に接触させ、100℃で10分間加熱して接着した。二つのフレームはペリクルフレームの接着面を上向きにして固定用の治具に取り付けて、相対的に位置がずれないように固定した。次いで、ペリクルフレーム外側の枠を引き上げて固定し、ペリクルフレーム外側の膜部に0.5g/cmの張力を与えた。
【0034】
また、別に膜切断用の器具として、スカラーロボットにステンレス製カッター、厚さ0.25mmを取り付けした。このカッターにチューブ式ディスペンサを用いて、フロリナートFC75(米国デュポン社製商品名)を毎分10μl滴下しながら、前記ペリクルフレームの接着剤部分の周辺部に沿ってカッターを移動しながら、ペリクルフレーム外側の不要膜部分を切断除去した。
【0035】
次に、でき上がったペリクル膜の表面を集光ランプ(照度30万ルクス)を用いて暗室内にて検査を行ったが、図2のC面a部分にペリクル膜接着剤ははみ出さず、ペリクル膜表面に汚れはなかった。
【0036】
また、でき上がったペリクルの外側面を持ってハンドリングを行い、ダミーのフォトマスク基板上に置いて貼り付けを行ったが、図2のC面b部分にレチクル接着剤ははみ出さず、レチクル接着面を汚したりすることはなかった。
【0037】
本実施例と同じ操作を50回繰り返し行ったが、ペリクル膜面の切断に使用している溶剤を原因とする膜の破れ、汚れは認められなかった。また、ペリクルフレームのハンドリング時に、レチクル接着剤に触れてレチクル接着剤やその他の部分の機能を損なったり、汚染したりすることもなかった。
【0038】
(比較例1)
始めに、ペリクルフレームとして、フレームの外寸100mm×100mm×幅6mm、厚さ2mmのアルミニウム合金製フレームを用意した。ペリクルフレームのペリクル膜接着面とフレーム内外側面とのなす角部(ペリクルフレームの上部の角部)にしかC面取りを施さず、アルミニウム合金製フレームのC面寸法は、C0.15とした。この場合、図2のC面b部分は存在しない。これを表面洗浄した後、粒径90μmのガラスビーズを使用し吐出圧1.5kgのサンドブラスト装置にて10分間表面処理し表面を粗面化した。
次いで、NaOH処理浴中にて10秒間処理し洗浄した後、陽極酸化、黒色染色、封孔処理して表面に黒色の酸化被膜を形成した。
【0039】
このアルミニウム合金製フレームを純水と超音波洗浄装置を併用して洗浄した。
次いで、このフレームの内壁面にスプレーコーティング装置を用いて、シリコーン系粘着剤を1μmコーティングした。
【0040】
次いで、テフロンAF1600(米国デュポン社製商品名)をフッ素系溶剤・フロリナートFC−75(米国スリーエム社製商品名)に溶解させて濃度8%の溶液を調整した。
その後、この溶液により、直径200mm、厚さ600μmの鏡面研磨したシリコン基板面に、スピンコーターを用いて膜の厚みが0.8μmの透明膜を形成させた。
次に、この膜上に外径200mm×幅5mm、厚さ5mmの枠を、エポキシ系接着剤アラルダイトラピッド(昭和高分子(株)製商品名)を用いて接着し剥離した。
【0041】
次に、前記のようにして準備したアルミニウム合金製フレームを、CT−69(旭硝子(株)製商品名)を用いて、成膜したテフロンAF1600の膜表面に接触させ、100℃で10分間加熱して接着した。二つのフレームはペリクルフレームの接着面を上向きにして固定用の治具に取り付けて、相対的に位置がずれないように固定した。次いで、ペリクルフレーム外側の枠を引き上げて固定し、ペリクルフレーム外側の膜部に0.5g/cmの張力を与えた。
【0042】
また、別に膜切断用の器具として、スカラーロボットにステンレス製カッター、厚さ0.25mmを取り付けした。このカッターにチューブ式ディスペンサを用いて、フロリナートFC75(米国デュポン社製商品名)を毎分10μl滴下しながら、前記ペリクルフレームの接着剤部分の周辺部に沿ってカッターを移動しながら、ペリクルフレーム外側の不要膜部分を切断除去した。
【0043】
次に、でき上がったペリクル膜の表面を集光ランプ(照度30万ルクス)を用いて暗室内にて検査を行ったが、C面a部側(外側)外側面に溶剤のたれによる、汚れが見られ、わずかに膜表面に溶剤による汚れが認められた。
【0044】
次に、でき上がったペリクルの外側面を持ってハンドリングを行い、ダミーのフォトマスク基板上に置いて貼り付けを行ったが、全数でハンドリングの跡(異物)がレチクル接着剤に残ったり、レチクル接着剤が手袋に付着してしまったりした。
【0045】
本比較例と同じ操作を50回繰り返し行ったが、ペリクル膜面の切断に使用している溶剤を原因とする膜の破れ、汚れがいくつかで認められた。また、ペリクルフレームのハンドリング時に、レチクル接着剤に触れてレチクル接着剤やその他の部分の機能は損なわれ、汚染した。
以上の結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
Figure 0004202554
【0047】
表1より明らかなように、アルミニウム合金製フレームの上下の角部にC面取りを施すと共に、該C面寸法を全てC0.3とした実施例1において得られたペリクルでは、不要膜切断時の溶剤による膜面、及びフレーム外側面の汚染を防止することができた。これと共に、ペリクルフレームのハンドリング時にレチクル接着剤に触れてレチクル接着剤やその他の部分の機能を損なったり、汚染したりすることも防止することができた。
【0048】
これに対して、ペリクルフレームのペリクル膜接着面とフレーム内外側面とのなす角部(ペリクルフレームの上部の角部)にしかC面取りを施さず、アルミニウム合金製フレームの該C面寸法をC0.15とした比較例1において得られたペリクルでは、不要膜切断時の溶剤による膜面、及びフレーム外側面の汚染を完全には防止することができなかった。また、ペリクルフレームのレチクル接着面とフレーム内外側面とのなす角部(ペリクルフレームの下部の角部)にC面取りがなされていないため、ペリクルフレームのハンドリング時にレチクル接着剤に触れてレチクル接着剤やその他の部分の機能は損なわれ、汚染した。
この場合、ペリクルフレームの不要膜切断工程、及び特にハンドリングによる取り扱いは困難である。
【0049】
そして、ペリクルフレームの材質に表面をアルマイト処理したアルミニウム合金、ペリクル膜にフッ素系ポリマー、及びペリクル膜接着剤にテトラフルオロエチレンと環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマーとの重合体からなる接着剤を使用することで、ペリクル膜切断工程を溶剤の制御性を向上させて容易に行い、更には、ペリクルフレームのハンドリングも容易に且つ確実に行うことができることが判る。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、ペリクルフレームの上下の角部にC面取りを施し、該面取りの寸法をC0.25より大きくC0.35以下とし、更に、ペリクル膜接着剤、及び露光用原版接着剤が各々の接着面よりC面側にはみ出さないように形成されることによって、不要膜切断時の溶剤による膜面、及びフレーム外側面の汚染を防止することができる。これと共に、露光用原版接着剤の塗布位置では、ペリクルフレームのハンドリング時に、露光用原版接着剤に触れて露光用原版接着剤やその他の部分の機能を損い、汚染することも防止することができる。
【0052】
このようにして、ペリクルフレーム周辺の不要膜切断工程において、不要膜切断のための溶剤の制御性を向上させると共に、ペリクルフレームのハンドリングを容易に且つ確実にすることが可能となる。
従って、本発明の半導体リソグラフィ用ペリクルを利用してフォトリソグラフィを行えば、正常な転写パターンが得られるようになり、その結果、半導体装置あるいは液晶表示版の性能や製造歩留りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なペリクルの構成例を示した概略図である。
【図2】本発明のペリクルの断面拡大図である。
【符号の説明】
1…ペリクルフレーム、 2…ペリクル膜、 3…露光用原版接着剤層、 4…離型層、 5…ペリクル膜接着剤層。
C面a部分…ペリクル膜接着面とフレーム外側面とのなす角部(ペリクルフレームの上部の角部)になされた面取り部分、
C面b部分…露光用原版接着面とフレーム外側面とのなす角部(ペリクルフレームの下部の角部)になされた面取り部分。

Claims (3)

  1. 少なくともペリクルフレームの一端面にペリクル膜接着剤を介してペリクル膜を張設し、別な一端面に露光用原版接着剤を設けてなる半導体リソグラフィ用ペリクルにおいて、前記ペリクルフレームのペリクル膜接着面及び露光用原版接着面とフレーム内外側面とのなす角部にC面取りがなされており、該面取りの寸法をC0.25より大きくC0.35以下とし、前記ペリクル膜接着剤がペリクル膜接着面よりC面側にはみ出さないように形成され、前記露光用原版接着剤が露光用原版接着面よりC面側にはみ出さないように形成されていることを特徴とする半導体リソグラフィ用ペリクル。
  2. 前記ペリクルフレームの材質が、表面をアルマイト処理したアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の半導体リソグラフィ用ペリクル。
  3. 前記ペリクル膜がフッ素系ポリマーであり、前記ペリクル膜接着剤がテトラフルオロエチレンと環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマーとの重合体からなる接着剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体リソグラフィ用ペリクル。
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