JP4100813B2 - ペリクルフレームおよびこれを用いたリソグラフィー用ペリクル - Google Patents

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    • G03F1/84Inspecting

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペリクルフレームおよびこれを用いたリソグラフィー用ペリクル、特にLSI、超LSI等の半導体装置あるいは液晶表示板等を製造する際のゴミよけとして使用され、かつ500nm以下の光を用いる露光方式に使用されるペリクルフレームおよびこれを用いたリソグラフィー用ペリクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、LSI、超LSI等の半導体装置あるいは液晶表示板等の製造においては、半導体ウェーハあるいは液晶用原版に光を照射してパターニングをするのであるが、この場合に用いる露光用原版にゴミが付着していると、ゴミが光を吸収したり、光を曲げてしまうため、転写したパターンが変形したり、エッジが、がさついたものとなるほか、白地が黒く汚れたりして、寸法、品質、外観等が損なわれ、半導体装置や液晶表示板等の性能や製造歩留りの低下を来すという問題があった。
【0003】
このため、これらの作業は通常クリーンルームで行われているが、このクリンルーム内でも露光用原版を常に清浄に保つことが難しいので、露光用原版の表面にゴミよけのための露光用の光をよく通過させるペリクルを貼着けする方法が行われている。
【0004】
この場合、ゴミは露光用原版の表面には直接付着せず、ペリクル上に付着するため、リソグラフィー時に焦点を露光用原版のパターン上に合わせておけば、ペリクル上のゴミは転写に無関係となる。このペリクルのペリクル膜は光をよく通過させるニトロセルロース、酢酸セルロース等からなる透明な膜をアルミニウム、ステンレス、ポリエチレン等からなるペリクル枠の上部にペリクル膜の良溶媒を塗布し、風乾して接着する(特開昭58−219023号公報参照)か、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の接着剤で接着し(米国特許第4861402号公報、特公昭63−27707号公報参照)、ペリクル枠の下部には露光用原版が装着されるために、ポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等からなる粘着層、および粘着層の保護を目的としたセパレーターで構成されている。
【0005】
ところで、このペリクルを構成する粘着層は、上記のようにペリクルを使用する前に露光用原版に貼り付けに供されるものであり極めて重要である。
近年、ペリクルサイズの拡大に伴い、歪みや変形を防止するためペリクルフレーム(以下、「フレーム」という場合がある。)の幅が広くなりつつある。そのため、ペリクル貼付後のパターン面で、検査装置によって検査できないエリア(以下、「ダークエリア」という。)が増加する傾向がある。そこで、このダークエリアを減らすことを目的として、ペリクルフレームの断面形状が図6に示すような台形であって、ペリクル内側に裾野を持ち、露光用原版とフレーム11との貼り付けに供する面(フレームの底面)の幅の広いペリクルが製造されるようになってきた。
【0006】
このようなペリクルフレーム11と露光用原版とを粘着剤12を用いて貼り付ける場合には、当然ペリクル貼付内部の清浄度を確保するため、粘着剤12はフレーム11底面の内側いっぱいに寄せて塗布することが必要である。そして、このフレーム11にペリクル膜10を貼り付けてペリクルが得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この場合、粘着剤を塗布する層の幅が必要以上に広すぎると、貼付時にエアーだまり(以下、「エアパス」という。)が発生し易くなるだけでなく、ペリクルを交換するため露光用原版からペリクルを剥離する時に、粘着剤層の接着面積が増加することによって剥離が非常に困難になることがある。さらに、この場合、剥離する時強い力が必要になって、無理な剥離が原因で露光用原版あるいはペリクルを傷つけてしまう危険性もある。また、剥離後の粘着剤の糊残りが増大し洗浄工程の負担が増加するといった問題も発生した。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、ペリクルと露光用原版とを貼り付けする場合に必要十分な貼り付け力を確保すると共に、貼り付け時に生じ易いエアーだまりの発生を防止し、露光用原版からペリクルを容易に剥離することができるペリクルフレームおよびこれを用いたリソグラフィー用ペリクルを提供することを主目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明記載した発明は、上面にペリクル膜を、底面に露光用原版を貼り付けるペリクルフレームにおいて、該底面の全周に溝、突起または段差を設けたことを特徴とするペリクルフレームである。
【0010】
このように、ペリクルフレームの底面全周に溝、突起または段差を設ければ、露光用原版との貼り付けに供されるフレーム底面の面積を減少させることができると共に、貼り付けに使用される粘着剤溶液の広がりを防止することができるので、粘着層の幅を減少させることができる。従って、エアパスの発生や露光用原版からペリクルを剥離する際の力を軽減することができる。
【0011】
また、発明は、粘着剤を塗布して露光用原版に貼り付けるペリクルフレームにおいて、該ペリクルフレームの底面に形成された粘着剤層が、底面全周に亘って内側から障壁となる構造までを覆うように設けられたものであることを特徴とするペリクルフレームである。
【0012】
このように、ペリクルフレームの底面に形成された粘着剤層が、底面全周に亘って内側から所定の幅となるように障壁となる構造を設ければ、粘着剤がフレーム底面全体に広がることを防止することができるため、容易に所望の幅を有する粘着層を形成させることができる。また、必要十分な粘着剤層をペリクルフレーム底面内側から形成させることができるため、貼り付けの精度の向上や接着力のコントロールが可能となる。従って、エアパスの発生の防止や露光用原版からペリクルを剥離する際の力を軽減させることができる。
【0013】
この場合、本発明に記載したように、障壁となる構造を、溝、突起または段差とすることができる。
このように、障壁となる構造を、溝、突起または段差とすれば、上記効果を簡単かつ確実に奏することができる。
【0014】
そして、本発明記載した発明は、ペリクルフレームの底面の幅が、上面よりも広いことを特徴とするリクルフレームである。
このように、ペリクルフレームの底面の幅が上面よりも広ければ、ペリクル貼り付け後のパターン面の検査で、ダークエリアの少ないペリクルとすることができるので、検査を正確かつ迅速に行うことができると共に、大型のペリクルフレームであっても必要強度を保つことができる。
【0015】
そして、本発明に記載されたペリクルフレームにペリクル膜を貼り付けたリソグラフィー用ペリクルとすれば、ペリクルと露光用原版とを貼り付けする場合に必要十分な貼り付け力を確保できると共に、貼り付け時に生じ易いエアーだまりの発生を防止し、露光用原版からペリクルを剥離する時に露光用原版を傷つけてしまう危険性を回避されたペリクルとすることができる
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、ペリクルフレーム底面に形成される粘着剤層の幅を適正にコントロールしながらも底面の内側いっぱいまで形成するため種々検討した結果、ペリクルフレームの底面に所定の構造を施せば、粘着溶液の塗布面積を減少させるだけでなく、該構造に基づく面の変わり目で表面張力等により、粘着剤溶液の広がりが抑制されることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、ペリクルフレームの底面全周に障害物としての溝、突起または段差を設けることにより、粘着剤層が底面全面に亘って広がることを防止することができ、例えば内側にのみ形成することが可能となるため、エアパスの発生や露光用原版からペリクルを剥離する際の力を軽減することが達成された。
【0017】
以下、本発明のペリクルフレームを詳細に説明する。
まず、ペリクルフレームの底面全周に溝を設けた場合の例としては、図1に示すようなものが挙げられる。一般に粘着剤溶液は、面の変わり目で表面張力等により、液の広がりが抑制される傾向にある。従って、溝1は粘着剤溶液塗布時に粘着剤の流出、広がりをくい止め、粘着剤層を塗布面2の領域に限定することができる。この溝1の断面形状は三角形のみならず、これと同様な効果を奏する形状、例えば四角形、半円形あるいは楕円形等であっても構わない。
なお、溝1の深さおよび幅は、ペリクルフレームの大きさによって異なるため一概に言うことはできないが、溝の深さは、1.0μm以上とすることが好ましい。また、溝の幅は、1.0μm以上とすることが好ましい。
【0018】
また、粘着剤溶液の広がりを、より一層効果的に防止することを望む場合には、図2に示すような突起1をペリクルフレームの底面全周に設けることができる。この断面形状も、溝と同様に三角形のみならず、これと同様な効果を奏する形状、例えば四角形、半円形あるいは楕円形等とすることができる。
なお、突起1の高さは、高すぎるとペリクルの貼り付けが良好に行うことができなくなるため、粘着剤層の厚み以下とする必要がある。また、突起1の幅は、1.0μm以上とすることが好ましい。
【0019】
さらに、ペリクルフレームの底面全周に段差を設けるようにしてもよい。この場合も上記同様の効果を得ることが可能である。この断面形状は、図3に示すようなペリクル内側が段差1により高くなっている形状のみならず、より一層所望の効果が得られる図4に示すペリクル内側が低くなっている形状とすることもできる。
なお、図4の場合、段差1の高さは、粘着剤層の厚み以下とすることが必要である。
【0020】
そして、ペリクルフレームと露光用原版との貼り付ける際の精度を向上させると共に、所望の接着力を獲得し、かつコントロールできるようにするには、粘着剤層が底面全周に亘って内側から所定の幅となるように、ペリクルフレームの底面に設けられた構造を所定の位置に設ければよい。
【0021】
すなわち、これらの構造をペリクルフレームに施す位置は、いずれの構造であっても、粘着剤層の幅2を十分得ると共に、必要以上の幅とならないようにすることによって上記効果を確実に奏するため、ペリクルフレームの内側から0.5〜2mm離れていることが好ましい。
さらに、このような構造とすることにより、ペリクルフレーム内側いっぱいから所定の構造までの幅に粘着剤を塗布することができることから、ペリクルを露光用原版から剥離した後の糊残りや剥離力の軽減を確実に達成できると共に、露光用原版への異物の混入も最小限に押さえることが出来る。
【0022】
また、本発明のペリクルフレームは、該底面の幅が、上面よりも広い、角錐台であることが好ましい。特に、このような角錐台であって、ペリクルの内側に裾野を持った形状であれば、ペリクル貼り付け後のパターン面の検査で、ダークエリアの少ないペリクルとすることができるので、検査を正確かつ迅速に行うことができるからである。また、近年のペリクルの大型化にも十分対応した強度を有するものとなる。
【0023】
なお、本発明のペリクルフレームの材質として、従来公知のアルミニウム、ステンレスまたはジュラルミン等を使用することができる。また、必要に応じてアルマイト等で表面を処理しても構わない。
【0024】
上記本発明のペリクルフレームを用いたリソグラフィー用ペリクルは、上面に従来公知のシリコーン系接着剤等の接着剤を用いてパーフルオロポリマー等からなるペリクル膜を貼り付け、底面に所定の構造を設けたペリクルフレームに粘着剤を塗布して露光用原版に貼り付けて用いられるが、ペリクルフレームと露光用原版とを貼り付けする場合に必要十分な貼り付け力を確保できると共に、貼り付け時に生じ易いエアーだまりの発生を防止し、露光用原版からペリクルを剥離する時に露光用原版を傷つけてしまう危険性を回避することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。
【0026】
(実施例1)
高さが4mm、上面2mm、底面6mm、外周が縦122mm、横149mmであって、表面をアルマイト処理したジュラルミン製のペリクルフレームの底面に、内側から2mmのところに、幅0.5mm、深さ0.55mmの図1に示すような溝1を設けた。
【0027】
このフレーム底面に設けた溝1で仕切られた内側に、粘着剤としてシリコーン粘着剤X−40−3068(信越化学工業(株)製)の60%トルエン溶液を、内径0.8mmのニードルを用い、厚みが0.8mmで表面が平滑になるようにディスペンサーを用いて塗布した。次いで、120℃にて30分間加熱し粘着剤をキュアしたところ、粘着剤層はフレームの全周に亘り内側から溝端まで最大幅1.8mmで、きれいに形成されていた。
【0028】
一方、フレームの上面に接着剤としてシリコーン系接着剤を塗布し、ペリクル膜として1.62μm厚のサイトップCTX−S type(旭硝子(株)製)の薄膜を固定した。
このようにして得られたペリクルを露光用原版上に置き、ペリクルフレーム上端面に20kgの荷重で貼り付けた。
【0029】
このような条件で貼り付けを行っても、露光用原版とフレームとの接着面にエアーパス等の隙間は見られなかった。さらに、1カ月後にこの接着面を観察したところ、良好な状態を保っていた。
次に、剥離性を調べるため、露光用原版上に2ccのIPAをフレームに沿って滴下し、1分後にペリクルを剥離したところ、剥離スピード3mm/分で0.92kgの力で剥離することが出来た。露光用原版上に残った糊残りの痕も非常に少ないもので、洗浄により容易に除去可能であった。
【0030】
(実施例2)
表面をアルマイト処理したジュラルミン製のペリクルフレームの底面に、内側から2mmのところに、幅0.5mm、高さ0.5mmの図2に示すような突起1を設けた以外、実施例1と同一のペリクルフレームを用意した。
このフレーム底面に設けた突起1で仕切られた内側に、実施例1と同様にしてシリコーン粘着剤を塗布し、120℃にて30分間加熱し粘着剤をキュアしたところ、粘着剤層はフレーム内側から最大幅1.7mmで全周に亘って形成されていた。
【0031】
実施例1と同様にして、フレームの上面にペリクル膜として1.62μm厚のサイトップCTX−S type(旭硝子(株)製)の薄膜を固定し、次いで、得られたペリクルを露光用原版上に置き、ペリクルフレーム上端面に20kgの荷重で貼り付けたところ、露光用原版とフレームとの接着面にエアーパス等の隙間は見られなかった。さらに、1カ月後にこの接着面を観察したところ、良好な状態を保っていた。
次に、剥離性を調べるため、実施例1と同様にして、ペリクルを剥離したところ、剥離スピード3mm/分で0.85kgの力で剥離することが出来た。露光用原版上に残った糊残りの痕も非常に少ないもので、洗浄により容易に除去可能であった。
【0032】
(実施例3)
表面をアルマイト処理したジュラルミン製のペリクルフレームの底面に、図3に示すように、内側から2mmのところに段差1を設けて内側が高くなっていること以外、実施例1と同一のペリクルフレームを用意した。なお、この段差1は、高さを0.5mm、傾斜を45°とした。
このフレーム底面に設けた段差1によって仕切られた内側に、実施例1と同様にしてシリコーン粘着剤を塗布し、120℃にて30分間加熱し粘着剤をキュアしたところ、粘着剤層はフレーム内側から最大幅1.7mmで全周に亘って形成されていた。
【0033】
実施例1と同様にして、フレームの上面にペリクル膜として1.62μm厚のサイトップCTX−S type(旭硝子(株)製)の薄膜を固定し、次いで、得られたペリクルを露光用原版上に置き、ペリクルフレーム上端面に20kgの荷重で貼り付けたところ、露光用原版とフレームとの接着面にエアーパス等の隙間は見られなかった。さらに、1カ月後にこの接着面を観察したところ、良好な状態を保っていた。
次に、剥離性を調べるため、実施例1と同様にして、ペリクルを剥離したところ、剥離スピード3mm/分で0.87kgの力で剥離することが出来た。露光用原版上に残った糊残りの痕も非常に少ないもので、洗浄により容易に除去可能であった。
【0034】
(実施例4)
表面をアルマイト処理したジュラルミン製のペリクルフレームの底面に、図4に示すように、内側から2mmのところに段差1を設けて内側が低くなっていること以外、実施例1と同一のペリクルフレームを用意した。なお、この段差1は、高さを0.5mm、傾斜を45°とした。
このフレーム底面に設けた段差1で仕切られた内側に、実施例1と同様にしてシリコーン粘着剤を塗布し、120℃にて30分間加熱し粘着剤をキュアしたところ、粘着剤層はフレーム内側から最大幅1.9mmで全周に亘って形成されていた。
【0035】
実施例1と同様にして、フレームの上面にペリクル膜として1.62μm厚のサイトップCTX−S type(旭硝子(株)製)の薄膜を固定し、次いで、得られたペリクルを露光用原版上に置き、ペリクルフレーム上端面に20kgの荷重で貼り付けたところ、露光用原版とフレームとの接着面にエアーパス等の隙間は見られなかった。さらに、1カ月後にこの接着面を観察したところ、良好な状態を保っていた。
次に、剥離性を調べるため、実施例1と同様にして、ペリクルを剥離したところ、剥離スピード3mm/分で1.1kgの力で剥離することが出来た。露光用原版上に残った糊残りの痕も非常に少ないもので、洗浄により容易に除去可能であった。
【0036】
(比較例1)
表面をアルマイト処理したジュラルミン製のペリクルフレームの底面に、図5に示すように、特定の構造を設けなかったこと以外、実施例1と同一のペリクルフレームを用意した。
このフレーム底面の内側に、粘着剤としてシリコーン粘着剤X−40−3068(信越化学工業(株)製)の60%トルエン溶液を、内径2.5mmのニードルを用い、厚みが0.8mmで表面が平滑になるようにディスペンサーを用いて塗布した。次いで、120℃にて30分間加熱し粘着剤をキュアしたところ、粘着剤層はフレーム内側から外側まで完全に形成されており、最大幅は6.0mmであった。
【0037】
実施例1と同様にして、フレームの上面にペリクル膜として1.62μm厚のサイトップCTX−S type(旭硝子(株)製)の薄膜を固定した。次いで、得られたペリクルを露光用原版上に置き、ペリクルフレーム上端面に20kgの荷重で貼り付けたところ、露光用原版とフレームとの接着面に、最大2mmものエアーパス等の隙間が3箇所見られた。さらに、1カ月後にこの接着面を観察したところ、エアーパス等の隙間が最大2.5mmに拡大していた。
次に、剥離性を調べるため、実施例1と同様にして、ペリクルを剥離したところ、剥離スピード3mm/分で4.0kgの力をかけないと剥離することが出来なかった。露光用原版上に残った糊残りの痕も非常に多く、通常の洗浄条件では完全に除去することができなかった。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0039】
例えば、本発明において、粘着剤層をペリクルフレームの底面の内側から所定の幅に形成させる構造として、溝、突起あるいは段差について具体的に説明したが、粘着剤溶液の広がりを防止する効果を奏する形状であれば他の形状であってもよく本発明の技術的範囲に包含される。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ペリクルフレーム底面の所定の位置に溝、突起あるいは段差等を設けることで、幅の広い底面のフレームに対しても必要十分な幅の粘着剤層を底面内側に塗布することが可能である。
従って、ペリクルフレームを露光用原版に貼り付ける際の精度向上、ペリクルフレームの露光用原版への接着力をコントロールすることができ、ペリクルの剥離後の糊残り及び剥離力の低減が可能で、露光用原版に対する悪影響を最小限に押さえることが出来る。
加えて、ペリクルフレーム端面内側いっぱいに粘着剤が塗布可能なことから、パターンエリアへの異物の混入も最小限に押さえることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、底面に溝を設けた本発明のペリクルフレームの底面図、(B)は、断面図の一例である。
【図2】(A)は、底面に突起を設けた本発明のペリクルフレームの底面図、(B)は、断面図の一例である。
【図3】(A)は、底面に段差を設けた本発明のペリクルフレームの底面図、(B)は、断面図の一例である。
【図4】(A)は、底面に段差を設けた本発明のペリクルフレームの底面図、(B)は、断面図の他の例である。
【図5】(A)は、従来のペリクルフレームの底面図、(B)は、従来のペリクルフレームの断面図の一例である。
【図6】従来のリソグラフィー用ペリクルの断面図の一例である。
【符号の説明】
1 ・・・障壁となる構造、 2 ・・・粘着剤塗布面(粘着剤層の幅)、
10 ・・・ペリクル膜、 11 ・・・ペリクルフレーム、 12 ・・・粘着剤。

Claims (4)

  1. 粘着剤を塗布して露光用原版に貼り付けるペリクルフレームにおいて、該ペリクルフレームの底面に形成された粘着剤層が、底面全周に亘って内側から障壁となる構造までを覆うように設けられたものであることを特徴とするペリクルフレーム。
  2. 前記障壁となる構造が、溝、突起または段差であることを特徴とする請求項に記載のペリクルフレーム。
  3. 前記ペリクルフレームの底面の幅が、上面よりも広いことを特徴とする請求項1または請求項に記載のペリクルフレーム。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のペリクルフレームにペリクル膜を貼り付けたものであることを特徴とするリソグラフィー用ペリクル。
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