JP2000305253A - フィルター付きペリクルおよびその製造方法 - Google Patents

フィルター付きペリクルおよびその製造方法

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JP2000305253A
JP2000305253A JP11411999A JP11411999A JP2000305253A JP 2000305253 A JP2000305253 A JP 2000305253A JP 11411999 A JP11411999 A JP 11411999A JP 11411999 A JP11411999 A JP 11411999A JP 2000305253 A JP2000305253 A JP 2000305253A
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filter
pressure
foreign matter
resin
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Taku Matsuoka
卓 松岡
Yuichi Hamada
裕一 浜田
Shu Kashida
周 樫田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物捕獲性能と通気性能を両立させたフィル
ター付きペリクルとその製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも一つの気圧調整用の通気孔と
該通気孔を覆うようにフィルターが貼り付けられている
ペリクルフレームを有するペリクルにおいて、ペリクル
を露光原版に大気圧760mmHgの環境下で貼り付け
た後、環境気圧を500mmHgまで減圧させて保持し
た時に、膨らんだペリクル膜が元の状態に復元するのに
要する時間が5分から180分であることを特徴とする
フィルター付きペリクル、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部の気圧変化に
よりペリクル膜に膨らみやへこみが生じないように、ペ
リクルフレームの側面に設けた気圧調整用の通気孔から
異物が侵入するのを防止するためのフィルターを有する
ペリクルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSI、超LSIなどの半導体用デバイ
スまたは液晶表示用デバイスの製造においては、シリコ
ンウエーハなどの半導体ウエーハまたは液晶用原版上に
露光原版(本明細書中ではフォトマスク、レチクル等を
総称した意味で用いる)を配置し、この露光原版に光を
照射してこれを透過した光によりパターンを転写するこ
と、すなわちリソグラフィーが行われている。
【0003】しかしながら、このような工程において露
光原版に異物(以下、ゴミ、塵埃ということがある)が
付着していると、この異物が光を吸収したり光を曲げて
しまうため、半導体ウエーハや液晶用原版上に転写され
るパターンが変形したり、エッジががさついたものとな
るほか、白地が黒く汚れたりして、寸法、品質、外観な
どが損なわれる。その結果、半導体用デバイスや液晶表
示用デバイスの性能や製造歩留りの低下をもたらすとい
った問題が生じる。
【0004】このような問題を回避するため、通常、リ
ソグラフィーは、クリーンルーム内で行われる。しかし
ながら、クリーンルーム内でも露光原版を完全に清浄に
保つことは困難である。そこで、露光原版の表面に異物
等が付着しないように、露光用の光を良く透過させるペ
リクルを装着する方法が採られている。このようにペリ
クルを装着した場合、異物は露光原版の表面には直接付
着せずにペリクル膜上に付着する。したがって、リソグ
ラフィー時に焦点を露光原版のパターン上に合わせてお
けば、このような異物の存在は転写とは無関係となり、
上述した問題が生じることはない。
【0005】上記ペリクルは、露光原版上に異物が付着
することを防止するために設けられるものであるから、
ペリクルが露光原版に装着された場合は、ペリクル外部
の異物がペリクル内に侵入しないように、通常ペリクル
は露光原版に密着され、ペリクルの外部と内部とは通気
性がない。その結果、この露光原版とペリクルにより形
成される空間は気密な空間とされる。
【0006】一方、ペリクルは、通常大気圧下で使用す
るものであるが、使用場所の高度や季節、気象の変化に
よりいくらかの気圧の変化を受けることがある。さらに
減圧下での使用も考えられる。ペリクルが露光原版に取
り付けられた状態で、このように周囲の気圧が変化する
と、上述したように露光原版とペリクルにより形成され
る空間は気密な空間であるので、ペリクル膜が膨らんだ
りへこんだりしてペリクル膜の高さに変動が生じる。そ
の結果、例えばペリクル膜が膨らんで露光用の装置の一
部にペリクル膜が接触したり、ペリクル膜上の異物検査
を行った際に例えば照明用のレーザーのフォーカスがず
れて誤検出したりする等の、使用上の大きな問題となっ
ていた。
【0007】このような場合、ペリクルの外部と内部と
の気圧を調整するだけであれば通気孔を設ければよいの
であるが、単に通気孔を設けるだけでは通気孔からの空
気の流入に伴って異物が侵入してしまうことになり、ペ
リクル内部の露光原版表面への異物の付着防止というペ
リクル本来の目的を損なうことになってしまうことにな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような観点から、
ペリクル枠の側面に通気孔を設けると共にこの通気孔の
外側にフィルターを設けることにより、異物の侵入を防
止しつつペリクル内外の気圧調整を行う方法が提案され
た(実公昭63−39703号公報参照)。このよう
に、小さな通気孔を設け、その外側にフィルターを貼り
付ける方法では、リソグラフィーを行う上で問題となる
サイズの異物の侵入を防止するために、通常は想定され
る異物径と同等か、これよりも小さな径の孔を多数設け
た樹脂板、または金属板がフィルターとして使用されて
いる。
【0009】ところで、このフィルターをペリクルフレ
ームに貼り付ける際に、屈曲、擦れ等によりフィルター
の表面や内部が損傷を受け異物が発生する恐れがある。
また、フィルターの製造時からフィルターの微細な孔に
潜在していた異物が内外の気圧差による空気の流れ(通
気)によってペリクル内部に放出されることがあった。
この点を解決するためにフィルターの一部に粘着剤を付
けてフィルターからの発塵を抑える方法(特開平9−6
8792号、特開平9−160223号公報参照)が提
案されている。
【0010】しかしながら、現実には、LSIのパター
ンルールはサブハーフミクロンへと微細化が進んでお
り、マスクパターン面の付着許容異物のサイズもより微
細なものとなってきている。そのような状況下におい
て、ペリクルの使用に際してはさらなるクリーン化への
要求が強く、フィルターの異物捕獲性能を追求した場合
にはフィルターの通気性能が低くなり、気圧調整機能の
面で満足した性能が得られないという問題があった。逆
にフィルターの通気性能を重視した場合には、フィルタ
ーの異物捕獲性能が相対的に低下し、ペリクル膜と露光
原版によって形成される空間内への異物の侵入を許すこ
とになってしまうという矛盾を生じることになる。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、異物捕獲性能と通気性能を両立させたフィル
ター付きペリクルとその製造方法を提供することを主目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載した発明は、少なくとも一
つの気圧調整用の通気孔と該通気孔を覆うようにフィル
ターが貼り付けられているペリクルフレームを有するペ
リクルにおいて、ペリクルを露光原版に大気圧760m
mHgの環境下で貼り付けた後、環境気圧を500mm
Hgまで減圧させて保持した時に、膨らんだペリクル膜
が元の状態に復元するのに要する時間が、5分から18
0分であることを特徴とするフィルター付きペリクルで
ある。
【0013】このようにフィルターの通気性能を測定す
る測定方法と測定条件を設定し、その測定結果が所定の
条件、すなわち、膨らんだペリクル膜が元の状態に復元
するのに要する時間(以下、膜の復元時間ということが
ある)が5分から180分となる条件を満たすように作
製されたフィルター付きペリクルは、フィルターの異物
捕獲性能は極めて優れたものとなり、フィルター外部か
ら侵入してくる異物は勿論のこと、内外気圧差による通
気によってフィルター内部に潜在していた異物が存在し
ても、空気流と樹脂との摩擦で発生する静電気や微細孔
によって確実に捕捉され、ペリクル内部に放出されるこ
とは殆どなくなった。しかも、この通気性能であれば、
ペリクルの実用上の気圧調整機能も充分確保されたもの
となっており、通気性能と異物捕獲性能を兼ね備えたバ
ランスのとれたフィルター付きペリクルである。
【0014】そして、本発明の請求項2に記載した発明
は、フィルターが樹脂で処理されていることを特徴とす
るフィルター付きペリクルであり、請求項3のようにフ
ィルターを処理する樹脂が粘着性を有することが好まし
く、請求項4のように樹脂で処理したフィルターが、液
化樹脂をフィルター表面に塗布する方法および/または
液化樹脂中にフィルターを浸漬する方法で作製されたフ
ィルター付きペリクルとするのが好ましい。このように
フィルターを樹脂で処理すると、通気性能を低下させる
ことなく、異物捕獲性能を向上させることができる。
【0015】次に、本発明の請求項5に記載した発明
は、少なくとも一つの気圧調整用の通気孔を設けたペリ
クルフレームを有するフィルター付きペリクルの製造方
法において、ペリクルを露光原版に大気圧760mmH
gの環境下で貼り付けた後、環境気圧を500mmHg
まで減圧させて保持した時に、膨らんだペリクル膜が元
の状態に復元するのに要する時間(復元時間)が、5分
から180分となるように孔径を調整したフィルター
を、前記通気孔を覆うように貼り付けることを特徴とす
るフィルター付きペリクルの製造方法である。
【0016】このようにしてフィルター付きペリクルを
製造するには、予めフィルターの孔径と膜の復元時間、
異物捕獲性能(例えば、通気性能測定試験でペリクル内
に増加した異物の数)との関係を実験的に詳しく求め、
要求される膜の復元時間(通気性能)と異物捕獲性能に
応じてそれに対応する孔径を有するフィルターを選択
し、これを通気孔を覆うように貼り付ければよい。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本
発明者等は、異物捕獲性能と通気性能を両立させたフィ
ルター付きペリクルを作製するには、気圧調整用通気孔
からの異物の侵入防止のために設けたフィルターの通気
性能と異物捕獲性能とがバランスのとれたものであれば
よいことを見出し、フィルターの孔径と通気性能、異物
捕獲性能との関係を精査して本発明を完成させた。
【0018】先ず、フィルター付きペリクルを図面に基
づいて説明する。ここで図1は、フィルター付きペリク
ルの構成概要を説明するための概略説明図であり、図2
はそのA−A線断面図である。
【0019】このペリクル1は、ペリクルフレーム2
と、このペリクルフレーム2の上端面に接着されたペリ
クル膜3とから概略構成されてなるものである。このペ
リクル膜3は通常ペリクルフレーム2の上端面に接着剤
層(不図示)を介して接着される。また、ペリクルフレ
ーム2の下端面には、ペリクル1をフォトマスク10に
密着させるための粘着層6が設けられ、その表面には粘
着層6を保護するためのライナー(不図示)が貼り付け
られている。リソグラフィー時には、このライナーを剥
してペリクル1をフォトマスク10上に置き、密着させ
る。これにはまた、気圧調整用の通気孔5をペリクルフ
レーム2の側面に設け、フィルター4でこの通気孔5を
覆うように貼り付けて、異物の通気孔からペリクル内へ
の侵入を防止している。
【0020】本発明の異物捕獲性能と通気性能を両立さ
せたフィルター付きペリクルは、気圧調整用通気孔から
の異物の侵入防止のために設けたフィルターの通気性能
と異物捕獲性能とがバランスのとれたものであればよ
く、フィルターの孔径別に、フィルターの通気性能と異
物捕獲性能との関係を実験的に求めてフィルターの通気
性能を次のように設定した。
【0021】少なくとも一つの気圧調整用の通気孔と該
通気孔を覆うようにフィルターが貼り付けられているペ
リクルフレームを有するペリクルにおいて、ペリクルを
露光原版に大気圧760mmHgの環境下で貼り付けた
後、環境気圧を500mmHgまで減圧させて保持した
時に、膨らんだペリクル膜が元の状態に復元するのに要
する時間が5分から180分までの範囲に収まるようフ
ィルターの通気性能を設定する。
【0022】ここで、ペリクル膜の復元時間が5分未満
であるとフィルターと通気孔の気圧調整機能は優れてい
るものの、フレームの通気孔を通過する空気の流速が高
速になり易く、また通気性能を上げるためにフィルター
の孔径を大きくせざるを得ないので、ペリクル内部への
異物の侵入を許すことになる。これと反対にペリクル膜
の復元時間が180分を越えるものはフィルターの孔径
が小さく、異物捕獲性能は優れているものの、外部の気
圧変動に対応することが難しくなる。従って、ペリクル
膜の復元時間を5分〜180分の範囲内に収まるように
設定し、これに対応した孔径を持つフィルターを選択す
れば、フィルターの異物捕獲性能に優れ、さらに実用的
な気圧調整機能を兼備したフィルター付きペリクルとな
る。
【0023】このようなフィルター付きペリクルを製造
するには、予め使用材質毎にフィルターの孔径とペリク
ル膜の復元時間、異物捕獲性能(例えば、通気性能測定
試験でペリクル内に増加した異物の数)との関係を実験
的に詳細に求めておくことが必要である。そして、要求
される膜の復元時間(通気性能)と異物捕獲性能に応じ
てそれに対応する孔径を有するフィルターを選択し、こ
れを気圧調整用の通気孔を覆うように貼り付ければよ
い。
【0024】このフィルターの通気性能・異物捕獲性能
試験は、実用化されているペリクルを使用して行われて
おり、例えば次のような測定条件を設定している。通気
性能試験は、試料フィルターを0.5mmφの通気孔を
覆うように貼り付けたペリクルを、30kgの荷重で石
英基板に貼り付け、減圧チャンバー内にセットし、常圧
760mmHgから500mmHgまで10秒間で減圧
し、その気圧を保持したままペリクル膜の膨らみを観察
して、膨らんだペリクル膜が元の状態に復元するのに要
する時間を測定する。
【0025】異物捕獲性能試験は、上記通気性能試験に
引き続き、このペリクルを再び減圧容器中に設置した
後、常圧760mmHgから500mmHgまで10秒
間で減圧し、5分後に再び常圧まで10秒間で加圧、5
分間保持するという減圧−加圧サイクルを5回繰り返し
た。この試験後60分経過して膜の膨らみが完全になく
なってから、ペリクル膜に付着した異物について、照度
30万ルクスの集光ランプを用いて目視により、このサ
イクル試験によるペリクル膜上の異物の増加した個数を
計測する。
【0026】以上の試験結果からフィルターの性能を評
価するが、本発明では、評価基準として、通気性能につ
いては、膜の復元時間が5分〜180分の範囲内にあれ
ば、実用上の気圧調整機能は充分あるものとして合格と
した。また、異物捕獲性能については、上記サイクル試
験によりペリクル膜上の異物が増加した場合は、不合格
とした。
【0027】ここで用いられるフィルターの材質として
は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やナイロ
ン66等の樹脂、316Lステンレス等の金属、アルミ
ナ、チッ化アルミ等のセラミックス等を挙げることがで
きるが、いずれにしろ多孔質であり、通気性を有するも
のであれば特に限定されるものではない。
【0028】さらにこのフィルターには、通気孔を覆う
ように貼り付けるための粘着層が設けられている。この
粘着層は、フィルターの内側表面、すなわち、フィルタ
ーを通気孔を覆うようにペリクルフレームに貼り付けた
時にフレーム側になる面の周辺に、通気面積をつぶさな
いように粘着剤を塗布して形成される。粘着層を形成す
る材料としては、両面粘着テープ、シリコーン樹脂粘着
剤、アクリル系粘着剤等を挙げることができる。
【0029】また、このフィルターには、フィルターを
機械的衝撃や物理的外圧から守るために、フィルター本
体の外側表面にフィルター保護材を装着している。この
フィルター保護材としては、適度な強度とクッション
性、通気性を有する多孔質プラスチックシートが使用さ
れ、材質には、例えばシリコーン樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリウレタン等が挙げられる。
【0030】次に、フィルターの通気性能をあまり損な
わずに異物捕獲性能を向上させることができるフィルタ
ーの樹脂処理を説明しておく。具体的な処理方法として
は、樹脂を加熱溶融し、あるいは溶媒に溶解し、さらに
水に乳化分散させる等の方法で液化した液化樹脂液中に
フィルターを浸漬したり、あるいはスプレーで表面を塗
装し、微細孔に侵入させて孔内面をコーティングする等
の方法が挙げられるが、実際に処理後のフィルターに樹
脂が残留するような方法であれば、特に方法を限定する
ものではない。処理に使用する樹脂についても、特に限
定を設けるものではないが、ペリクルの使用目的から、
紫外線に対する耐光性が高く、フィルター本体に含浸し
易く、フィルター材質との密着性の高いものが望まし
い。
【0031】このような処理を施したフィルターは、フ
ィルター内に潜在する異物の放出が抑えられ、フィルタ
ーから異物が発生することは殆どない。さらに処理する
樹脂を粘着剤とすれば、外部から侵入してくる異物の捕
獲性能にも優れたフィルターとなる。そして、この程度
の樹脂の処理量であれば、フィルターの実用上の通気性
は充分確保されたものとなっている。
【0032】以下、本発明のペリクルを構成する材料に
ついて説明する。本発明に用いられるペリクル膜を形成
する材料としては、光をよく通過させる材料であれば特
に限定されるものではないが、例えばニトロセルロー
ス、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、変性ポ
リビニルアルコール、フッ素系ポリマーなどが好まし
く、特に好ましくはフッ素系ポリマー、中でもテトラフ
ルオロエチレンとフッ化ビニリデンとの共重合体、テト
ラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ
化ビニリデンとの三元共重合体、テトラフルオロエチレ
ンと環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノ
マーとの共重合体等の非晶質フッ素系ポリマーが好まし
い。
【0033】このような非晶質フッ素系ポリマーは、高
い光線透過率を有しており、短波長から長波長領域まで
広く使用することができ、耐光性も優れているからであ
る。市販されている非晶質フッ素系ポリマーとしては、
サイトップ(旭硝子(株)製、商品名)、テフロンAF
(デュポン(株)製、商品名)等を挙げることができ
る。これらのポリマーは、ペリクル膜作製時に必要に応
じて溶媒に溶解して使用してもよく、例えばフッ素系の
溶媒などで適宜溶解した後、シリコン基板等に塗布して
膜を形成するようにしてもよい。
【0034】本発明においては、上記ペリクル膜をペリ
クルフレームに接着するために、通常ペリクルフレーム
の上端面に接着剤層が設けられる。この接着剤層に用い
られる接着剤の種類については、特に制限はなく、接着
を加熱して行う場合は熱可塑性の樹脂や熱硬化性の樹脂
が接着剤として用いられ、光硬化を利用して接着を行う
場合は、光硬化型樹脂が接着剤として用いられる。この
ような接着剤の例としては、アクリル樹脂接着剤、エポ
キシ樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、含フッ素シリ
コーン接着剤等のフッ素系ポリマー等を挙げることがで
き、中でもフッ素系ポリマーが好ましい。具体的には、
フッ素系ポリマーCT69(旭硝子(株)製、商品名)
等を挙げることができる。
【0035】さらに、本発明においては、上記ペリクル
フレームの下端面側に、露光原版に装着するための粘着
層とこれを保護するためのライナーを設けてもよい。粘
着層を形成する材料としては、両面粘着テープ、シリコ
ーン樹脂粘着剤、アクリル系粘着剤等を挙げることがで
きる。また、ライナーに用いられる材料としては、例え
ばポリエチレンテレフタレート(PET)、PTFE、
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PFA)、ポリエ
チレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、塩化ビニ
ル、ポリプロピレン(PP)等を挙げることができる。
【0036】次に、このようなフィルター付きペリクル
の製造方法について説明する。まず、4辺の内、少なく
とも一辺の側面中央に気圧調整用の通気孔を有する四角
形ペリクルフレームを準備する。ここで用いらるペリク
ルフレームとしては、円形のものでも方形のものでもよ
く、またその材質は特に限定されるものではなく、例え
ばアルミ材に陽極酸化処理を行ったもの、ステンレスな
どの金属、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)、アクリル樹脂、ポリエ
チレンなどの樹脂、青板ガラス等の材料を挙げることが
できる。
【0037】ついで、このようなペリクルフレームに本
発明の孔径を調整したフィルターを、フレームの側面中
央に設けた通気孔を覆うように貼り付ける。次に、フィ
ルターを取り付けたペリクルフレームにペリクル膜を張
設する。ペリクル膜のペリクルフレームへの接着は、従
来より行われている方法により行うことができ、例えば
熱融着法、光硬化法等接着剤の特性によって使い分けら
れる。また、ペリクルフレームの下端面には、フォトマ
スクに接着するための粘着層を形成し、この粘着層の表
面には粘着層を保護するためのライナーが貼り付けられ
ることにより、本発明のフィルター付きペリクルは製造
される。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて本発
明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定さ
れるものではない。 (実施例1)表面をアルマイト処理した、枠外寸120
mm角×6.3mm高さ、枠内寸110mm角、一辺の
中央部に0.5mmφの通気孔を有するアルミニウム合
金製ペリクルフレームを用意した。この下端面にシリコ
ーン粘着剤KR−120(信越化学工業(株)社製商品
名)を厚みが0.6mmのテープ状となるように塗布し
て120℃、30分間キュアして粘着層を形成した。さ
らに、フレームの上端面には、フッ素変性シリコーン接
着剤によって透明な非晶質フッ素樹脂製の厚さ1.62
μmのペリクル膜を接着した。次いで、孔径3μm、大
きさ10mm×3mmのポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)製のフィルターを、上記ペリクルフレーム
の0.5mmφの通気孔を覆うように貼り付けた。
【0039】以上のようにして仕上げたペリクルを、3
0kgの荷重で石英基板に貼り付け、減圧チャンバー内
にセットし、常圧760mmHgから500mmHgま
で10秒間で減圧し、その気圧を保持したままペリクル
膜の膨らみを観察したところ、減圧完了直後には通常時
に比べ、6mmの膨らみがあったが、35分後に膜の膨
らみは解消されて0mmとなり、フィルターの通気性は
実用上問題のないことを確認した。
【0040】次にこのペリクルを減圧容器中に設置した
後、常圧760mmHgから500mmHgまで10秒
間で減圧し、5分後に再び常圧まで10秒間で加圧、5
分間保持するという減圧−加圧サイクルを5回繰り返し
た。この試験後60分経過して膜の膨らみが完全になく
なってから、ペリクル膜に付着した異物について、照度
30万ルクスの集光ランプを用いて目視で計測したとこ
ろ、このサイクル試験によるペリクル膜上の異物の増加
は見られなかった。以上のテスト結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】(比較例1)孔径10μm、大きさ10m
m×3mmのPTFE製フィルターをペリクルフレーム
に通気孔を覆うように貼り付けたこと以外は実施例1と
同様の条件でペリクルを作製し、実施例1と同じ試験を
行った。その結果、ペリクル膜の膨らみの解消時間は3
分と非常に短かったものの、減圧−加圧サイクル後では
大きさ0.3μm以上の異物が5個、ペリクル膜上に増
加していることが確認され、異物捕捉性能が劣っている
ことが判った。試験結果をまとめて表1に併記した。
【0043】(比較例2)孔径0.3μm、大きさ10
mm×3mmのPTFE製フィルターをペリクルフレー
ムに通気孔を覆うように貼り付けたこと以外は実施例1
と同様の条件でペリクルを作製し、実施例1と同じ試験
を行った。その結果、減圧−加圧サイクル後に異物の増
加はなかったが、ペリクル膜の膨らみの解消時間は21
0分と非常に長くなり、このペリクルが実用上充分な気
圧調整機能を持っていないことが判明した。試験結果を
まとめて表1に併記した。
【0044】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルター外部から侵入してくる異物も、フィルター内
部から発生する異物もほぼ完全に捕獲し固定化できる異
物捕獲性能を持つと共に、実用上充分な気圧調整機能で
ある通気性能を両立させたフィルター付きペリクルを提
供することができる。従って、本発明のフィルター付き
ペリクルを使用してフォトリソグラフィーを行えば、正
常な転写パターンが得られるようになり、その結果、半
導体用デバイスや液晶表示用デバイスの性能や製造歩留
りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルター付きペリクルの一例を示す斜視図で
ある。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1…ペリクル、 2…ペリクルフレーム、 3…ペリク
ル膜、4…フィルター、 5…通気孔、 6…粘着層、
10…フォトマスク(露光原版)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫田 周 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 2H095 BB30 BC31 BC38 BC39

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの気圧調整用の通気孔と
    該通気孔を覆うようにフィルターが貼り付けられている
    ペリクルフレームを有するペリクルにおいて、ペリクル
    を露光原版に大気圧760mmHgの環境下で貼り付け
    た後、環境気圧を500mmHgまで減圧させて保持し
    た時に、膨らんだペリクル膜が元の状態に復元するのに
    要する時間が5分から180分であることを特徴とする
    フィルター付きペリクル。
  2. 【請求項2】 前記フィルターが樹脂で処理されている
    ことを特徴とする請求項1に記載したフィルター付きペ
    リクル。
  3. 【請求項3】 前記フィルターを処理する樹脂が粘着性
    を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載したフィルター付きペリクル。
  4. 【請求項4】 前記樹脂で処理したフィルターが、液化
    樹脂をフィルター表面に塗布する方法および/または液
    化樹脂中にフィルターを浸漬する方法で作製されたもの
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいず
    れか1項に記載したフィルター付きペリクル。
  5. 【請求項5】 少なくとも一つの気圧調整用の通気孔を
    設けたペリクルフレームを有するフィルター付きペリク
    ルにおいて、ペリクルを露光原版に大気圧760mmH
    gの環境下で貼り付けた後、環境気圧を500mmHg
    まで減圧させて保持した時に、膨らんだペリクル膜が元
    の状態に復元するのに要する時間が5分から180分と
    なるように孔径を調整したフィルターを、前記通気孔を
    覆うように貼り付けることを特徴とするフィルター付き
    ペリクルの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005049443A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Yamaha Corp ペリクル装着装置、ペリクルおよびペリクル装着方法
JP2006184817A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Fujitsu Ltd ペリクル及び転写基板

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