JP2013246367A - 画像表示体及び情報媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】特徴的な視覚効果を有し、より高い偽造防止効果を発揮させることにある。
【解決手段】光透過性基材11と、この基材の少なくとも一方の面上に設けられ、回折格子13r,13g,13bが形成された複数の回折格子領域12a及び方向の揃った複数の直線状の凹部,凸部等の光散乱構造13dが形成された複数の光散乱領域12aと、これら各散乱領域を画像表示可能にマトリクス状に配置された領域配置手段とを備え、
複数の回折格子の一部は、該回折格子の方向が直線状の凹部,凸部の方向と同一であり、かつ、異なる色を表す空間周波数SR,SG,SBの要素回折格子を有し、これら三種類の空間周波数SR,SG,SBは、1.11SR≦SG≦1.48SR、1.03SG≦SB≦1.26SGなる式を満足し、光散乱構造の空間周波数SSは、SS<SR、SB<SSの少なくとも一方の式を満足する画像表示体である。
【選択図】図13

Description

本発明は、肉眼で真偽判定が容易なセキュリティ性の高い偽造防止機能を備えた画像表示体及び情報媒体に関する。
一般に、商品券及び小切手などの有価証券類、クレジットカード、キャッシュカード及びIDカードなどのカード類、並びにパスポート及び免許証などの証明書類には、それらの偽造を防止するために、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する表示体が貼り付けられている。また、近年、これら以外の物品についても、偽造品の流通が社会問題化している。そのため、多くの偽造対象物品に対しても、同様の偽造防止技術を適用する機会が増えてきている。
ところで、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する表示体としては、複数の溝を並べてなる回折格子を含んだ表示体が知られている。この表示体には、例えば、観察条件に応じて変化する像を表示させるとか、立体像を表示させることができる。また、回折格子が表現する虹色に輝く分光色は、通常の印刷技術では表現することができない。そのため、回折格子を含んだ表示体は、偽造防止対策が必要な物品に広く用いられている。
例えば、偽造防止対策用に用いる表示体としては、溝の長さ方向又は格子定数(即ち溝のピッチ)が異なる複数の回折格子を配置させて絵柄として表示するものが提案されている(特許文献1)。
この表示体は、回折格子に対する観察者又は光源の相対的な位置が変化すると、観察者の眼に到達する回折光の波長が変化する。従って、この構成を採用すると、虹色に変化する画像を表現することができる。
このような回折格子を利用した表示体では、複数の溝を形成してなるレリーフ型の回折格子を使用することが一般的である。レリーフ型回折格子は、通常、フォトリソグラフィを利用して製造した原版から複製することにより得られる。
前述する特許文献1におけるレリーフ型回折格子の原版の作製方法は、一方の主面に感光性レジストを塗布した平板状の基板をXYステージ上に載置し、コンピュータ制御のもとにステージを移動させながら感光性レジストに電子ビームを照射することにより、感光性レジストをパターン露光する方法である。また、回折格子の原版は、二光束干渉を利用して形成することもある。
レリーフ型回折格子の製造方法は、通常、まず、前述する手順に従って原版を作り、そこから電鋳等の方法で金属製のスタンパを作製する。次に、金属製スタンパを母型として用いて、レリーフ型の回折格子を複製する。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)からなるフィルム又はシート状の薄い透明基材上に、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂を塗布する。引き続き、塗膜に金属製スタンパを密着させ、この状態で樹脂層に熱又は光を与える。樹脂硬化後、その硬化した樹脂から金属製スタンパを剥離することにより、レリーフ型回折格子の複製物を得る。
一般に、レリーフ型回折格子は透明である。従って、通常、レリーフ構造を設けた樹脂層上には、蒸着法を用いてアルミニウムなどの金属又は誘電体を単層又は多層に堆積させることにより反射層を形成し、表示体を得る。
その後、反射層の形成された表示体を、例えば紙又はプラスチックフィルムから成る基材上に接着層又は粘着層を介して貼り付けることにより、偽造防止対策を施した表示体を得るものである。
レリーフ型回折格子を含んだ表示体の製造に使用する原版は、それ自体の製造が困難である。また、金属製スタンパから樹脂層へのレリーフ構造の転写は、高い精度で行う必要がある。よって、レリーフ型回折格子を含んだ表示体の製造には、高い技術が要求される。
しかしながら、近年、偽造防止対策が必要な多くの物品でレリーフ型回折格子を含んだ表示体が用いられるようになった結果、この技術が広く認知され、それに伴って、表示体自体の偽造の発生も増加する傾向にある。その結果、回折光によって虹色の光を呈することのみを特徴とする表示体は、充分な偽造防止効果を達成することが難しくなってきている。
また、回折格子を有する別の表示体としては、回折格子パターンと光散乱パターンとの組み合わせにより絵柄を表示するものが提案されている(特許文献2)。
この表示体は、虹色に変化する画像のみでなく、光の散乱で表現した画像も表示することが可能となる。その結果、特許文献2に記載のディスプレイは、従来の回折格子パターンが有する虹色とは大きく異なる視覚効果を有する。ゆえに、より高い偽造防止効果を期待することができる。
米国特許第5058992号明細書 特許第2751721号公報
ところで、公知の技術としては、光の三原色であるR、G、Bの組み合わせによってフルカラー表示をする方法がある。この方法は、回折格子を有する表示体においても適用できる。例えば、ある特定の角度でそれぞれR、G、Bの色に対応した波長の回折光を射出する回折格子を三種類用いることで、ある特定の角度で所望のフルカラー画像を表示することができる。
しかしながら、回折格子によるフルカラー画像の表示体では、ある特定の狭い角度範囲においてのみ所望のフルカラー画像を表示することができる一方、それ以外の角度では回折光の虹色に変化する射出光が観察される。そのため、観察者が所望のフルカラー画像を認識するためには、予め観察方法を理解しておく必要があり、さもなければ、所望のフルカラー画像を認識するのは困難であり、従来の回折格子パターンと同等の外観であると認識してしまう。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、特徴的な視覚効果、より高い偽造防止効果及びより高い意匠性を併せ持つ画像表示体及び情報媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に対応する発明は、光透過性の基材と、この基材の少なくとも一方の面上に設けられ、回折格子が形成された複数の回折格子領域及び方向の揃った複数の直線状の凹部及び/又は凸部からなる光散乱構造が形成された複数の光散乱領域と、複数の回折格子領域及び複数の光散乱領域を画像表示可能にマトリクス状に配置された領域配置手段とを備え、
複数の回折格子領域にそれぞれ形成される複数の回折格子の少なくとも一部は、当該回折格子の方向が光散乱領域に形成される複数の直線状の凹部及び/又は凸部の方向と同一であり、かつ、少なくとも三種類の色R,G,Bの中の何れか異なる色を表す空間周波数SR,SG,SBの要素回折格子であり、
前記要素回折格子のうち、三種類の色R,G,Bの空間周波数SR,SG,SBは、以下の式A及び式Bを満足し、
前記光散乱構造の空間周波数SSは、以下の式C及び式Dの少なくとも一方を満足することを特徴とする画像表示体である。
1.11SR≦SG≦1.48SR ……(式A)
1.03SG≦SB≦1.26SG ……(式B)
SS<SR ……(式C)
SB<SS ……(式D)
従って、請求項1に対応する発明によれば、複数の回折格子領域にそれぞれ形成される複数の回折格子の一部である要素回折格子のうち、異なる三種類の色R,G,Bの空間周波数SR,SG,SBは、上記式A及び式Bを満足させることにより、光散乱構造で形成される白色の画像と回折格子で形成されるフルカラー画像が切り替わり、かつ、画像が虹色に変化する様子を観察出来無くすることが可能となる。
また、光散乱構造の空間周波数SSは、上記式C及び式Dの少なくとも一方を満足させることにより、入射光の入射角度、観察者の観察角度を変えることで、光散乱構造で形成されるモノクロ画像と回折格子で形成されるフルカラー画像が切り替わることにより、効果的に視覚効果を高めることができる。
請求項2に対応する発明は、光散乱構造の空間周波数SSとして、下記の式E及び式Fの少なくとも一方を満足することを特徴とする請求項1に対応する発明に記載の画像表示体である。
1.18SS<SR ……(式E)
1.08SB<SS ……(式F)
請求項2に対応する発明によれば、光散乱構造で形成されるモノクロ画像と回折格子で形成されるフルカラー画像がより効果的に切り替わることにより、光散乱構造のR、G、B成分に相当する波長の射出光を射出出来なくすることができる。
請求項3に対応する発明は、前記光散乱構造の空間周波数SSとして、下記の式G及び式Hの少なくとも一方を満足することを特徴とする前記請求項1又は請求項2に対応する発明に記載の画像表示体である。
1.2SS<SR ……(式G)
1.28SB<SS……(式H)
請求項3に対応する発明によれば、フルカラー画像を正規の色と指定観察できる角度範囲において、光散乱構造が可視光を射出出来なくでき、よってモノクロ画像とフルカラー画像がより効果的に切り替わる効果を高めることができる。
請求項4に対応する発明は、前記光散乱構造の空間周波数SSとして、前記式C,式E,式Gの少なくとも1つの式を満足し、かつ式D,式F,式Hの何れの式も満足しないことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項に対応する発明に記載の画像表示体である。
請求項4に対応する発明によれば、前記式C,式E,式Gを満たすよう光散乱構造の空間周波数SSとすることにより、モノクロ画像とフルカラー画像が切り替わる間の角度範囲において虹色に変化する状態を観察でき無くすることができる。
請求項5に対応する発明は、要素回折格子の空間周波数SRとして、適宜な長さ、面積を有する光源下での観察時、1287本/mm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか一項に対応する発明に記載の画像表示体である。
請求項5に対応する発明によれば、点光源でなく、蛍光灯などの実際の光源下の観察時において、フルカラー画像が虹色に変化する様子を観察されなくすることができる。
次に、請求項6に対応する発明は、要素回折格子の空間周波数SRとして、白色光入射による観察時、1351本/mm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一項に対応する発明に記載の画像表示体である。
請求項6に対応する発明によれば、白色光の垂直入射による観察時において、フルカラー画像が虹色に変化する様子を観察されなくすることができる。
次に、請求項7に対応する発明は、前記要素回折格子を備える前記複数の回折格子領域の総面積が前記複数の光散乱領域の総面積よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか一項に対応する発明に記載の画像表示体である。
請求項7に対応する発明によれば、回折格子で構成されるフルカラー画像と、光散乱構造で構成されるモノクロ画像の切り替わりがより鮮明となる、より高品位な画像表示体を提供することが可能となる。
次に、請求項8に対応する発明は、前記要素回折格子を備える前記複数の回折格子領域で構成される画像と前記複数の光散乱領域で構成される画像が同一であることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか一項に対応する発明に記載の画像表示体である。
請求項8に対応する発明によれば、虹色に変化する画像が観察できる効果を低減し、画像の切り替わりがより鮮明となる、より高品位な画像表示体を提供することが可能となる。
さらに、請求項9に対応する発明は、前記請求項1ないし前記請求項8の何れか一項に対応する発明に記載された構成の画像表示体と、一部の領域に前記画像表示体を支持した物品とを具備したことを特徴とする情報媒体である。
請求項9に対応する発明によれば、物品の領域の一部に画像表示体を貼付けなどで支持した情報媒体とすることにより、当該情報媒体の偽造又は模造を困難にすることができ、セキュリティ性の向上を高めることができる。
本発明によれば、従来の回折格子パターン特有の虹色とは大きく異なる視覚効果を有し、より高い偽造防止効果及びより高い意匠性を併せ持つ画像表示体及び情報媒体を提供することが可能となる。
本発明に係る画像表示体の一実施の形態を概略的に示す平面図。 図1のA−A線に沿う画像表示体の断面図。 回折格子が射出する回折光を説明する概略図。 別の回折格子が射出する回折光を説明する概略図。 さらに別の回折格子が射出する回折光を説明する概略図。 画像表示体が射出する回折光を説明する概略図。 光散乱構造が射出する散乱光を説明する概略図。 本発明に係る画像表示体の実施の形態における光散乱構造の凹凸構造を概略的に示す平面図。 本発明に係る画像表示体の実施の形態における散乱構造の凹凸構造を概略的に示す平面図。 図8に示す平面図をフーリエ変換して得られる画像を示す図。 図9に示す平面図をフーリエ変換して得られる画像を示す図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体が射出する回折光及び散乱光を説明する概略図。 本発明の別の実施形態に係る画像表示体が射出する回折光及び散乱光を説明する概略図。 本発明に係る画像表示体を用いた情報媒体の一実施形態を示す概略的な平面図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には全て同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明に係る画像表示体の一実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は画像表示体を概略的に示す平面図、図2は図1に示す画像表示体のA−A線に沿う断面図である。
画像表示体10は、光透過層11と光反射層14とを含む構成である。光透過層11の一方の面には、複数の構造領域12a及び非構造領域12bが設けられている。これら複数の構造領域12a及び非構造領域12bを有する面上には光反射層14が施されている。
前記複数の構造領域12aは、空間周波数の値がそれぞれSR、SG、SBである回折格子13r、13g、13b及び光散乱構造13dを備えている。
例えば、空間周波数の値がSR、SG、SBの回折格子13r、13g、13bは、それぞれある特定の角度においてR、G、Bの射出光を射出するとき、それらの回折格子13r、13g、13bを備える構造領域12aの配置方法によってフルカラー画像を表現することができる。
以下、空間周波数の値がSR、SG、SBである回折格子13r、13g、13bは、それぞれフルカラー画像表示におけるR、G、B成分を担当する回折格子(要素回折格子とも呼ぶ)であるとして説明する。
図1及び図2に示す例では、画像表示体10としては、6つの構造領域12aを備えているが、複数であればよく、6つの領域に限るものではない。また、光反射層14は、構造領域12a及び非構造領域12bの全体を覆うように説明したが、構造領域12aの少なくとも一部を覆うように施されていればよい。
図1及び図2に示す例では、構造領域12aが、凹部のみから成るが、実際には凸部のみから成っていてもよく、あるいは凹部と凸部の両方から成っていてもよい。また、各構造領域12a内の各凹部の深さは、それぞれ異なっているが、同一であってもよい。
さらに、光透過層11自体に複数の凹部が形成されているが、実際には平坦な光透過層11の一方の面上に光透過性の層を積層した後、当該光透過性の層に凹部及び/又は凸部を施すようにしてもよい。
光透過層11の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の光硬化性樹脂、またはアクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、またはポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
前記光透過層11の材料については、所望の凹凸構造を賦型して硬化させることにより、凹凸構造を成型することができる。なお、これら樹脂材料の硬化物は何れも光透過性であり、屈折率は一般的に1.5程度である。
光反射層14の材料としては、透明被膜もしくは、金属被膜等を用いることができる。透明材料の場合、光透過層11と屈折率が異なる誘電体層、誘電体多層膜、もしくは高屈折率材料を使用する。例えば、屈折率が2.0以上であるZnS、TiO2、PbTiO2、ZrO、ZnTe、PbCrO4等が好ましい。これは、光透過層11との屈折率が小さい場合、凹凸構造からの射出光の視覚効果が弱まってしまうためである。具体的には、光透過層11と透明被膜との屈折率差は少なくとも0.5以上あると良い。
また、金属被膜である場合、クロム、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銀、金、銅の中から選択される単体又はそれらの混合物、合金等を用いることができる。
次に、本発明に係る画像表示体10を説明するにあたり、まず、回折格子13r、13g、13bのピッチ及び照明光の波長と、照明光入射角及び回折光の射出角との関係について説明する。
照明光源を用いて回折格子13r、13g、13bに照明光を照射したとき、回折格子13r、13g、13bからは入射光である照明光の進行方向に対応して特定の方向に強い回折光が射出される。
今、m次回折光(m=0、±1、±2、・・・)の射出角をβとすると、回折格子の格子線に垂直な面内で光が進行する場合、m次回折光の射出角βは次の式1から算出することができる。
mλ=d(sinα−sinβ) ……(式1)
上式1において、dは回折格子の格子定数(格子周期、ピッチ)、mは回折次数、λは入射光及び回折光の波長を表している。また、αは0次回折光、即ち、正反射光RLの射出角を表している。換言すれば、αの絶対値は照明光の入射角と等しく、反射型回折格子の場合には、照明光の入射方向と正反射光の射出方向とは、回折格子が設けられた界面の法線NLに関して対称である。
なお、回折格子13r、13g、13bが反射型である場合、角度αは、0°以上であり、かつ、90°未満である。また、回折格子13r、13g、13bが設けられた界面に対して斜め方向から照明光を照射し、法線方向の角度、即ち0°を境界値とする2つの角度範囲を考えると、角度βは、回折光の射出方向と正反射光の射出方向とが同じ角度範囲内にあるときには正の値であり、回折光の射出方向と照明光の入射方向とが同じ角度範囲内にあるときには負の値である。
次に、図3乃至図5は、回折格子が射出する回折光を説明する概略図である。
図3はフルカラー画像表示においてR成分に相当する回折格子13rから射出する回折光を説明する概略図である。
図3は、入射光1Lが回折格子13rを有する構造領域12aに垂直な方向、すなわちZ軸に平行な方向で入射し、0次回折光RL及び複数の回折角度をもった回折光DLr(DLrr、DLrg、DLrb)を射出する様子を示している。入射光1Lは複数の波長成分を含む白色光であるとする。これは以降の説明でも同様であるとする。
なお、回折格子13rから射出する回折光は、式1に示すように複数の次数の回折光が存在するが、ここでは説明を簡略化するために1次回折光のみを図示して説明する。これは以降の説明でも同様であるとする。
ここで、回折光DLrrは、回折光DLrを赤色として観察できる方向を示しており、その法線NLと成す角度、すなわち回折角度はβrrとなる。また、同様に回折光DLrg、DLrbは、それぞれ回折光DLrを緑色、青色として観察できる方向を示しており、それぞれの回折角度はβrg、βrbとなる。なお、回折角度βrgの記載は省略してある。
このとき、前述した赤色、青色がそれぞれ可視光線の最長波長、最短波長であるとする(これは以降の説明でも同様であるとする)と、回折格子13rから射出する回折光の射出角度はβrb乃至βrrの範囲となる。
回折格子13rは、フルカラー画像表示におけるR成分に相当するので、フルカラー画像を観察できる角度はβrrとなる。図3ではDLrの記載を省略し、DLrr、DLrg、DLrbを示しているが、回折光が射出されるのはDLrr、DLrg、DLrbの方向のみでなく、それぞれの間の角度においても回折光が射出しており、角度に応じて虹色に変化している。
また、実際には赤色、緑色、青色として観察できる波長は、ある特定の値の波長に限られず、それぞれ一定の波長範囲を有する。ここでは、説明を簡略化するために代表的な回折光としてDLrr、DLrg、DLrbのみを示している。これは以降の説明でも同様である。
なお、実際にはフルカラー画像の表示に用いる赤色、青色として可視光線の最長波長、最短波長を用いることはないが、ここでは説明を簡略化するためにそうであるとする。
図4はフルカラー画像表示においてG成分に相当する回折格子13gから射出する回折光を説明する概略図である。
すなわち、図4は、入射光1Lが回折格子13gを有する構造領域12aに垂直な方向、すなわちZ軸に平行な方向で入射し、0次回折光RL及び複数の回折角度をもった回折光DLg(DLgr、DLgg、DLgb)を射出する様子を示している。
ここで、回折光DLgr、DLgg、DLgbは、それぞれ回折光DLgを赤色、緑色、青色で観察できる方向を示しており、それぞれの回折角度はβgr、βgg、βgbである。なお、回折角度βgr、βgg、βgbの記載は省略してある。このとき、回折格子13gから射出する回折光の射出角度はβgb乃至βgrの範囲となる。
回折格子13gは、フルカラー画像表示におけるG成分に相当するので、フルカラー画像を観察できる角度はβggとなる。
図5はフルカラー画像表示においてB成分に相当する回折格子13bから射出する回折光を説明する概略図である。
図5は、入射光1Lが回折格子13bを有する構造領域12aに垂直な方向、すなわちZ軸に平行な方向で入射し、0次回折光RL及び複数の回折光DLb(DLbr、DLbg、DLbb)を射出する様子を示している。
ここで、回折光DLbr、DLbg、DLbbは、それぞれ回折光DLbを赤色、緑色、青色で観察できる方向を示しており、それぞれの回折角度はβbr、βbg、βbbである。なお、回折角度βbr、βbg、βbbの記載は省略してある。このとき、回折格子13bから射出する回折光の射出角度はβbb乃至βbrの範囲となる。
回折格子13bは、フルカラー画像表示におけるB成分に相当するので、フルカラー画像を観察できる角度はβbbとなる。
従って、図3乃至図5を用いて説明したように、回折格子13r、13g、13bを用いてフルカラー画像を表示するとき、画像を所望の色で観察できる角度はβrr=βgg=βbbとなる。
次に、図6は回折格子13r、13g、13bを備える画像表示体10から射出する回折光を説明する概略図である。なお、図6は回折光や回折角度に関して理解をして頂くために便宜的に示した説明図であって、図6に示す画像表示体10自体は本発明を限定するものではない。また、回折格子13r、13g、13bの記載は省略してある。
図6は、図3乃至図5に示す回折光を同一面に合わせて描いた図であるが、図3乃至図5で説明した回折光(DLrr、DLrg等)や回折角度(βrr、βrg等)の全ては図示しておらず、説明に用いる最低限のみを図示している。
前述したように、画像表示体10を所望の色で観察できる角度は、βrr=βgg=βbbとなるが、当該画像表示体10から射出する回折光の射出角度はβrb乃至βbrの範囲となる。
ゆえに、画像表示体10の各構造領域12aに形成される回折格子13r、13g、13bを組み合わせることによってフルカラー画像の表示が可能となる一方で、フルカラー画像を所望の色として認識できる角度は狭い範囲に限定されており、かつ、それ以外の広い角度範囲では虹色に変化する画像を観察することができる。
すなわち、観察方法について無知の状態で画像表示体10を一瞥した場合、フルカラー画像を所望の色として認識するのは非常に困難である。ゆえに、この画像表示体10の外観は従来からある虹色に変化する回折格子パターンと同等のものとして観察される。
図7は光散乱構造13dが射出する散乱光を説明する概略図である。
図1から明らかなように、回折格子13r、13g、13bは凹凸構造の間隔が一定となっているが、光散乱構造13dは直線状の凹部及び/又は凸部の間隔は一定ではなく、複数の値を有している。
前述したように、回折格子13r、13g、13bから射出される回折光は、式1に示すように、その波長に応じて射出角度は特定の角度に定まる。一方、光散乱構造13dは式1における格子定数dを複数有していると見なすことができるため、何れの波長においても射出角度はある一定の角度範囲を有することとなる。
ゆえに、図7に示すように、散乱光がβd1乃至βd2の角度範囲で射出するとき、角度に因らず白色の光を観察できる。なぜならば、前述したように何れの観察角度においても複数の波長の光の混色を観察できる状態にある為である。その結果、かかる観察角度では、虹色に変化することなく、かつ広い角度範囲において白色を表示する点が回折格子13r、13g、13bとは異なる光散乱構造13d特有の視覚効果と言える。
図8及び図9は本発明に係る画像表示体における光散乱構造13dの凹凸構造を概略的に示す平面図である。
図8(a)、(b)に示す光散乱構造13d1、13d2は、何れもY軸に平行な直線状の凹凸構造が配置されている。ゆえに、この凹凸構造に入射光が入射すると、入射光を含み、かつZX平面に平行な面内で拡がりを持つ散乱光が射出される。
図9(a)に示す光散乱構造13d3は、Y軸に平行な直線状の凹凸構造が配置されている。しかし、図8(a)、(b)は、全ての凹凸構造が同一の長さとなっているが、図9(a)に示す凹凸構造は異なっている。
また、図9(b)に示す光散乱構造13d4は、図8(a)、(b)及び図9(a)に示す凹凸構造と比較すると、構造の配向性が低い。しかし、凹凸構造は概ねY軸に平行な直線状の構造と捉えることができる。
よって、図9(a)、(b)に示す光散乱構造13d3、13d4の凹凸構造は、Y軸に平行な直線状の構造といえる。よって、図9(a)、(b)の凹凸構造も本発明の実施形態として採用することができる。
図10及び図11は、それぞれ図8、図9に示す平面図をフーリエ変換して得られる画像を示す図である。すなわち、図10(a)は図8(a)の平面図を、図10(b)は図8(b)の平面図を、図11(a)は図9(a)の平面図を、図11(b)は図9(b)の平面図を、それぞれフーリエ変換して得られる画像を示す図である。
ここで、フーリエ変換して得られる画像とは、光学的には、フーリエ変換前の凹凸構造から射出するフラウンホーファー回折の空間周波数分布を示しており、それはすなわち、回折光の射出範囲の分布でもある。この点を踏まえると、図10及び図11からも、図8及び図9に示す凹凸構造はいずれも指向性を持った散乱光を射出することがわかる。
ところで、図10及び図11から明らかなように、図8及び図9に示す光散乱構造13d1、13d2、13d3、13d4の凹凸構造から射出される散乱光は、何れもX軸方向の指向性を有する分布となっているが、それぞれの空間周波数分布は異なっていることがわかる。
このように、本発明に係る光散乱構造13d1、13d2、13d3、13d4が射出する散乱光は、凹凸構造の配置パターンを変えることで射出範囲を制御することができる。
図12は本発明の実施形態に係る画像表示体が射出する回折光及び散乱光を説明する概略図である。
この画像表示体10は、回折格子13r、13g、13b及び光散乱構造13dを備えている。なお、同図に記載の符号は図3乃至図6に示すものと同一である。なお、回折光及び散乱光の射出角度の記載は一部省略してある。
光散乱構造13dが射出する散乱光の角度範囲はβd1乃至βd2であり、回折格子13r、13g、13bで構成される画像を所望のフルカラーで観察できる角度はβrr(=βgg=βbb)となるが、回折格子13r、13g、13bが射出する回折光の角度範囲は該回折格子の範囲を合わせるとβrb乃至βbrである。
回折光の射出角度と散乱光の射出角度の大小関係は、図示する通りであって、すなわち、βd1<βrbかつβd2<βrbの関係にあるとする。このとき、観察者は、観察角度がβd1乃至βd2のとき、光散乱構造13dで形成される画像を観察でき、観察角度がβrb乃至βrrまたはβrr乃至βbrのとき、回折格子13r、13g、13bで形成される画像が観察角度に応じて虹色に変化する様子を観察でき、観察角度がβrrのとき、回折格子13r、13g、13bで形成されるフルカラー画像を所望の色で観察できる。
すなわち、本発明によれば、入射光の入射角度及び/又は観察者の観察角度を変えることによって、光散乱構造13dで形成されるモノクロの画像と回折格子で形成されるフルカラー画像が切り替わる画像表示体を提供することが可能となる。
図13は本発明の別の実施形態に係る画像表示体が射出する回折光及び散乱光を説明する概略図である。
この画像表示体10は、回折格子13r、13g、13b及び光散乱構造13dを備えている。同図中に記載の符号は図3乃至図6及び図12に示すものと同一である。なお、回折光及び散乱光の射出角度の記載は一部省略してある。
光散乱構造13dが射出する散乱光の角度範囲はβd1乃至βd2及びβd3乃至βd4であるとする。
ここで、回折光の射出角度と散乱光の射出角度の大小関係はβd1<βrb<βd2<βrr<βd3<βbr<βd4であるとする。
このとき、観察者は、観察角度がβd1乃至βd2及びβd3乃至βd4のとき、光散乱構造13dで形成される画像を観察でき、観察角度がβd2乃至βrr又はβrr乃至βd3のとき、回折格子13r、13g、13bで形成される画像が観察角度に応じて虹色に変化する様子を観察でき、観察角度がβrrのとき、回折格子13r、13g、13bで形成される画像を所望の色で観察できる。
図12に示す画像表示体10では、観察者が、回折格子13r、13g、13bで形成される画像が観察角度に応じて虹色に変化する様子を観察できる観察角度はβrb乃至βrr、又はβrr乃至βbrである。
一方、図13に示す画像表示体10では、観察者が、回折格子13r、13g、13bで形成される画像が観察角度に応じて虹色に変化する様子を観察できる観察角度はβd2乃至βrr又はβrr乃至βd3である。すなわち、観察角度に応じて虹色に変化する画像を観察できる角度範囲は、図12よりも図13の画像表示体10の方が狭くなっている。
これは、回折格子13r、13g、13bから射出する射出光の射出領域と光散乱構造13dから射出する散乱光の射出範囲が少なくとも一部で重なっていることにより、白色の画像とフルカラー画像が切り替わる視覚効果を維持しつつ、観察角度に応じて虹色に変化する画像を観察し難く、又は観察出来なくすることが可能となる。
ゆえに、本発明によれば、光散乱構造13dで形成される白色の画像と回折格子13r、13g、13bで形成されるフルカラー画像が切り替わり、かつ、画像が虹色に変化する様子を観察し難く、又は観察出来なくすることにより、一般的な回折格子と大きく異なる視覚効果を有する画像表示体を提供することが可能となる。
ここで、フルカラー画像を構成する回折格子13r、13g、13bの空間周波数の数値について考える。
一般的に、可視光線の波長域は、概ね380nm乃至750nmである。また、R、G、Bの波長域は、それぞれ625nm乃至740nm、500nm乃至565nm、450nm乃至485nmである。
空間周波数の値がSR、SG、SBの三種類の回折格子13r、13g、13bを用いてフルカラー画像を表現する場合、それぞれの回折格子13r、13g、13bから射出される回折光をそれぞれ、R、G、Bとして観察される必要がある。すなわち、ある特定の角度においてフルカラー画像を表示するとき、その角度において、空間周波数の値がSRの回折格子から射出される射出光の波長が625nm乃至740nm、かつ、空間周波数の値がSGの回折格子から射出される射出光の波長が500nm乃至565nm、かつ、空間周波数の値がSBの回折格子から射出される射出光の波長が450nm乃至485nmである必要がある。
ゆえに、式1から、フルカラー画像を表現するためには、三種類の空間周波数SR、SG、SBの値は、下記の式2及び式3の条件を満たす必要がある。
1.11SR≦SG≦1.48SR ……(式2)
1.03SG≦SB≦1.26SG ……(式3)
次に、光散乱構造13dの空間周波数SSの数値について考える。
前述したように、回折格子13r、13g、13bの空間周波数はある特定の値SR、SG、SBを有するが、光散乱構造13dの空間周波数はある特定の数値幅を有する値となる。従って、ここでの光散乱構造13dの空間周波数SSは、ある特定の数値幅を有する値であるとする。
前述したように、入射光の入射角度及び/又は観察者の観察角度を変えることによって、光散乱構造13dで形成されるモノクロ画像と回折格子13r、13g、13bで形成されるフルカラー画像が切り替わる視覚効果をより効果的とするためには、モノクロ画像とフルカラー画像のそれぞれを観察できる角度範囲がなるべく重なっていないことが好ましい。すなわち、モノクロ画像とフルカラー画像のそれぞれを形成する光散乱構造13d、回折格子13r、13g、13bの空間周波数は、式4及び/又は式5を満たすことが好ましい。
SS<SR ……(式4)
SB<SS ……(式5)
光散乱構造13dで形成されるモノクロ画像と回折格子13r、13g、13bで形成されるフルカラー画像が切り替わる効果をより効果的とするためには、以上の点に加え、フルカラー画像を視認できる角度範囲がより広いことが好ましい。つまり、フルカラー画像を正規の色として観察できる角度範囲、すなわち、それは、空間周波数の値がSRの回折格子13rから射出される射出光の波長が625nm乃至740nm、かつ、空間周波数の値がSGの回折格子13gから射出される射出光の波長が500nm乃至565nm、かつ、空間周波数の値がSBの回折格子13bから射出される射出光の波長が450nm乃至485nmである角度範囲において、光散乱構造13dのR、G、B成分に相当する波長の射出光が射出されないことである。
ゆえに、式1より、光散乱構造13dの空間周波数SSが、下記の式6及び/又は式7を満たすことが好ましい。
1.18SS<SR ……(式6)
1.08SB<SS ……(式7)
更に、モノクロ画像とフルカラー画像が切り替わる効果をより効果的とするためには、フルカラー画像を正規の色として観察できる角度範囲において、光散乱構造13dは可視光を射出しないことが好ましい。
前述したように、光散乱構造13dのR、G、B成分に相当する波長の光が射出されないことで、画像表示体10の視覚効果は充分効果的とすることが出来る。なぜならば、可視光域のうち、R成分より小さい波長域、及びB成分より大きい波長域、すなわち380nm乃至450nm及び740nm乃至750nmの波長の光は、一般的には可視光域ではあるものの、R、G、Bの波長域の光と比較すると、その分光視感効率は著しく低いからである。ゆえに、式6及び/又は式7を満たせば、フルカラー画像を正規の色として観察できる角度範囲においてモノクロ画像が観察されてしまうことは殆ど無い。
しかし、フルカラー画像を正規の色と指定観察できる角度範囲において光散乱構造13dが可視光を射出できないパターンとすることによって、より一層、モノクロ画像とフルカラー画像が切り替わる効果を効果的とすることが可能となる。
ゆえに、式1より、光散乱構造13dの空間周波数SSが、下記の式8及び/又は式9を満たすことが好ましい。
1.2SS<SR ……(式8)
1.28SB<SS ……(式9)
ところで、回折格子13r、13g、13bの空間周波数と光散乱構造13dの空間周波数の大小関係について考える。
例えば、回折格子13r、13g、13bで構成されるフルカラー画像と、光散乱構造13dで構成される画像のそれぞれ一種類ずつが観察角度に応じて画像の切り替わる画像表示体において、光散乱構造13dで構成される画像を最も明るく観察できる角度は、フルカラー画像を観察できる角度より大きい場合、又は小さい場合、又はその両方の何れかとなる。なお、双方の角度が同一となる場合は画像の切り替わりの解り難い画像表示体となるので考えないものとする。
式1より、0次回折光の射出角度、すなわち入射光の入射角度や、射出光の射出角度、すなわち観察角度の変化に応じて観察できる波長が異なることは明らかである。ここで、回折格子の格子定数dがより小さい程、すなわち空間周波数がより大きい程、入射角度及び/又は観察角度の変化に応じた波長の変化はより小さくなる。
画像表示体10を観察する場合、理想的な点光源下で観察することは実際には難しく、有る程度の大きさ(幅・長さ)や面積を持った線光源や面光源で観察することが多い。更には、複数の光源を有する環境下で観察することも少なくない。ゆえに、入射光の入射角度や観察角度の変化に対する波長の変化がより小さいということは、より劣悪な観察環境においても視覚効果を安定して発揮することが可能であると言える。
また、観察角度の変化に対する波長の変化が小さいということは、観察角度による色変化が小さいということである。これはすなわち、観察角度が変化してもより色が変化しにくく、フルカラー画像を所望の色で観察可能な角度範囲がより広いと言える。これは、フルカラー画像をより認識し易いことにも繋がる。
前述したように、回折格子の格子定数dがより小さい程、すなわち空間周波数がより大きい程、入射角度の変化に応じた波長の変化はより小さくなる。これを逆に捉えると、空間周波数がより小さいほど、入射角度の変化に応じて波長の変化はより大きくなると言える。
従って、本発明における光散乱構造13dは、複数の波長の光の混色によって白色を表現しているが、各々の波長の光は回折光であるため、完全な白色を表現するのは難しく、若干の虹色の変化は見えてしまう。しかし、空間周波数がより小さいほど入射角度や観察角度の変化に応じた波長の変化がより大きくなるということは、より空間周波数が低い程、虹色が見える作用を低減することが出来る。
つまり、回折格子13r、13g、13bで構成されるフルカラー画像と光散乱構造13dで構成される画像を比較すると、光散乱構造13dで構成される画像の方が、より正反射方向に近い角度で観察するのに適しており、かつ、回折格子13r、13g、13bで構成されるフルカラー画像の方が、より正反射方向から遠い角度で観察するのに適している。
ゆえに、本発明によれば、光散乱構造13dを構成する複数の直線状の凹部及び/又は凸部の空間周波数成分の最大値が前記回折格子13r、13g、13bの空間周波数よりも小さくあることによって、より高精細で、かつ、よりフルカラー画像を視認し易い画像表示体10を提供することが可能となる。
そこで、ここで、回折格子13r、13g、13bの空間周波数について改めて考えてみる。
前述したように、モノクロ画像を形成する光散乱構造13dの空間周波数SSは、フルカラー画像を形成する回折格子13r、13g、13bの空間周波数SR、SG、SBよりも小さくあることが好ましい。
このとき、フルカラー画像が光源の入射角度や観察角度の変化に応じて虹色に変化してしまう様子を観察し難く、又は観察されなくするためには、前記した式4乃至式9を満たすことが好ましい。モノクロ画像を形成する光散乱構造の空間周波数SSがフルカラー画像を形成する回折格子の空間周波数SR、SG、SBよりも小さくあることに着目すると、式4乃至式9のうち、特に式4、式6、式8を満たすことが好ましい。
式4、式6、式8を満たす場合、モノクロ画像とフルカラー画像が切り替わる間の角度範囲(例えば、図13におけるβd2乃至βrrの角度範囲)において虹色に変化する様子を観察し難く、又は観察されなくすることができる。
一方、図13におけるβrrより大きい角度範囲においては光散乱構造13dの射出光は射出されないため、βrrより大きい角度範囲において、画像が虹色に変化する様子が観察されてしまう。
ここで、一般的な観察条件について考える。一般的な観察条件としては、画像表示体10に対して、白色光が垂直に入射しているとする。
このとき、前記した画像が虹色に変化する様子が観察されないためには、フルカラー画像を正規の色として観察できる範囲がより広ければよい。それはすなわち、空間周波数の値がSRの回折格子13rから射出される射出光の波長が625nm乃至740nm、かつ、空間周波数の値がSGの回折格子13gから射出される射出光の波長が500nm乃至565nm、かつ、空間周波数の値がSBの回折格子13bから射出される射出光の波長が450nm乃至485nm、以外の波長の射出光が観察されなければよい。
ゆえに、式1より、例えばSRの値が1351本/mmのとき、空間周波数の値がSRの回折格子13rから射出される射出光をRとして観察できる角度範囲は約58°乃至89°となる。つまり、SRが1351本/mmよりも大きくあれば、フルカラー画像が虹色に変化する様子を観察されなくすることができる。
実際の観察条件としては、理想的な点光源下で観察する場面は少なく、ある程度の大きさ(幅・長さ)、面積を有する線光源、面光源下で観察する場面の方が多い。
例えば、150mm間隔で配置された2本の蛍光灯下において画像表示体10を観察するとする。光源面と画像表示体10の距離は1500mmとする。また、蛍光灯方向と回折格子例えば13rの方向は平行とする。
このとき、式1より、例えばSRの値が1287本/mmのときに、空間周波数の値がSRの回折格子13rから射出される射出光のうち、波長が740nmの成分は最大で89°の角度へ射出される。つまり、点光源下ではなく、蛍光灯下というより一般的な観察環境下において、SRが1287本/mmよりも大きくあれば、フルカラー画像が虹色に変化する様子を観察されなくすることができる。
ところで、回折格子13r、13g、13bから射出される回折光と光散乱構造13dから射出される散乱光の射出角度の角度範囲を比較すると、光散乱構造13dから射出される散乱光の射出角度範囲の方が広いことは前述した通りである。
入射光の入射光強度、波長分布が同一である入射光が、同一の面積から成る、回折格子13r、13g、13bを備える構造領域12a、光散乱構造13dを備える構造領域12aそれぞれに入射する場合、光散乱構造13dを備える構造領域12aから射出する散乱光の射出範囲の方が広いのは明らかである。その一方で、射出範囲が広いということは、入射光のエネルギーがより多方向に分散されているということであり、観察時の明るさは、光散乱構造13dを備える構造領域12aの方が暗い。
ゆえに、光散乱構造13dで構成される画像と回折格子13r、13g、13bで構成される画像との両方を適切な明るさで観察するためには、回折格子13r、13g、13bを備える構造領域12aの総面積よりも光散乱構造13dを備える構造領域12aの総面積の方が大きくあることが好ましい。
よって、本発明によれば、回折格子13r、13g、13bを備える複数の構造領域12aの総面積が光散乱構造13dを備える複数の構造領域12aの総面積よりも小さくあることによって、回折格子13r、13g、13bで構成される画像と光散乱構造13dで構成される画像の切り替わりがより鮮明である、より高品位な画像表示体10を提供することが可能となる。
ところで、前述したように、回折格子13r、13g、13bで構成されるフルカラー画像は、特定の角度において所望の色で観察できるものの、それ以外の角度では虹色に変化する画像が観察される。
ここで、回折格子13r、13g、13bで構成される画像と光散乱構造13dで構成される画像が同一である場合、回折格子13r、13g、13bで構成される画像の全ての画素において、光散乱構造13dが殆ど同一の配列で配置されていることになるため、フルカラー画像を所望の色で観察できない全ての観察角度、すなわち、虹色に変化する画像が観察されてしまう全ての観察角度において、光散乱構造13dで構成される同一の画像を観察できる。つまり、観察角度に応じて虹色に変化する画像をより観察し難く、又は観察出来なくすることができる。
ゆえに、本発明によれば、回折格子13r、13g、13bを備える複数の構造領域12aで構成される画像と光散乱構造13dを備える複数の構造領域12aで構成される画像が同一であることによって、虹色に変化する画像が観察される効果を低減し、画像がより鮮明に切り替わる、より高品位な画像表示体10を提供することが可能となる。
図14は本発明に係る情報媒体の一実施の形態を示す概略的な平面図である。
この情報媒体200は、物品としての例えば磁気カードであって、基材51を含んでいる。基材51は例えば、プラスチックから成る。基材51には印刷層52と、帯状の磁気記録層53とが形成されている。更に、基材51には画像表示体10が偽造防止用ラベルとして貼り付けられている。
従って、この情報媒体200は、画像表示体10を含んでいることから、当該情報媒体200の偽造又は模造することは非常に困難なものとなる。
なお、物品としては、クレジットカード、キャッシュカード及びIDカードなどの磁気カード類に限らず、有価証券類、パスポート及び免許証などの証明書類、その他偽造防止用の多くの物品を対象とするものである
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
さらに、上記実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
10…画像表示体、11…光透過層、12a…構造領域、12b…非構造領域、13d,13d1,13d2,13d3,13d4…光散乱構造、13r…空間周波数の値がSRである回折格子、13g…空間周波数の値がSGである回折格子、13b…空間周波数の値がSBである回折格子、14…光反射層、15a,15b,15c,15d…フーリエ変換画像、51…基材、52…印刷層、53…磁気記録層、200…情報媒体、IL…入射光、NL…回折格子が設けられた界面の法線、RL…0次回折光、βd1、βd2、βd3、βd4…散乱光の射出角度、βrr…R成分に相当する回折格子から射出される回折光を赤色として観察できる観察角度、βrg…R成分に相当する回折格子から射出される回折光を緑色として観察できる観察角度、βrb…R成分に相当する回折格子から射出される回折光を青色として観察できる観察角度、βgr…G成分に相当する回折格子から射出される回折光を赤色として観察できる観察角度、βgg…G成分に相当する回折格子から射出される回折光を緑色として観察できる観察角度、βgb…G成分に相当する回折格子から射出される回折光を青色として観察できる観察角度、βbr…B成分に相当する回折格子から射出される回折光を赤色として観察できる観察角度、βbg…B成分に相当する回折格子から射出される回折光を緑色として観察できる観察角度、βbb…B成分に相当する回折格子から射出される回折光を青色として観察できる観察角度、DLd…散乱光、DLr…R成分に相当する回折格子から射出される回折光、DLrr…R成分に相当する回折格子から射出される回折光を赤色として観察できる観察方向、DLrg…R成分に相当する回折格子から射出される回折光を緑色として観察できる観察方向、DLrb…R成分に相当する回折格子から射出される回折光を青色として観察できる観察方向、DLg…G成分に相当する回折格子から射出される回折光、DLgr…G成分に相当する回折格子から射出される回折光を赤色として観察できる観察方向、DLgg…G成分に相当する回折格子から射出される回折光を緑色として観察できる観察方向、DLgb…G成分に相当する回折格子から射出される回折光を青色として観察できる観察方向、DLb…B成分に相当する回折格子から射出される回折光、DLbr…B成分に相当する回折格子から射出される回折光を赤色として観察できる観察方向、DLbg…B成分に相当する回折格子から射出される回折光を緑色として観察できる観察方向、DLbb…B成分に相当する回折格子から射出される回折光を青色として観察できる観察方向。

Claims (9)

  1. 光透過性の基材と、この基材の少なくとも一方の面上に設けられ、回折格子が形成された複数の回折格子領域及び方向の揃った複数の直線状の凹部及び/又は凸部からなる光散乱構造が形成された複数の光散乱領域と、前記複数の回折格子領域及び前記複数の光散乱領域を画像表示可能にマトリクス状に配置された領域配置手段とを備え、
    前記複数の回折格子領域にそれぞれ形成される複数の回折格子の少なくとも一部は、該回折格子の方向が前記光散乱領域に形成される複数の直線状の凹部及び/又は凸部の方向と同一であり、かつ、少なくとも三種類の色R,G,Bの中の何れか異なる色を表す空間周波数SR,SG,SBの要素回折格子を有し、
    前記要素回折格子のうち、三種類の色R,G,Bの空間周波数SR,SG,SBは、後記する式A及び式Bを満足し、
    前記光散乱構造の空間周波数SSは、後記する式C及び式Dの少なくとも一方を満足することを特徴とする画像表示体。
    1.11SR≦SG≦1.48SR ……(式A)
    1.03SG≦SB≦1.26SG ……(式B)
    SS<SR ……(式C)
    SB<SS ……(式D)
  2. 前記光散乱構造の空間周波数SSは、後記する式E及び式Fの少なくとも一方を満足することを特徴とする請求項1に記載の画像表示体。
    1.18SS<SR ……(式E)
    1.08SB<SS ……(式F)
  3. 前記光散乱構造の空間周波数SSは、後記する式G及び式Hの少なくとも一方を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示体。
    1.2SS<SR ……(式G)
    1.28SB<SS……(式H)
  4. 前記光散乱構造の空間周波数SSは、前記式C,式E,式Gの少なくとも1つの式を満足し、かつ式D,式F,式Hの何れの式も満足しないことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の画像表示体。
  5. 前記要素回折格子の空間周波数SRは、適宜な長さ、面積を有する光源下での観察時、1287本/mm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の画像表示体。
  6. 前記要素回折格子の空間周波数SRは、白色光入射による観察時、1351本/mm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の画像表示体。
  7. 前記要素回折格子を備える前記複数の回折格子領域の総面積が前記複数の光散乱領域の総面積よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載の画像表示体。
  8. 前記要素回折格子を備える前記複数の回折格子領域で構成される画像と前記複数の光散乱領域で構成される画像が同一であることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の画像表示体。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか一項に記載された構成の画像表示体と、この画像表示体を一部の領域に支持した物品とを具備したことを特徴とする情報媒体。
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