JP2013166334A - セキュリティ用光学物品とその製造方法ならびに印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】特殊な視覚効果を持ち、かつ偽造防止効果の高い光学物品を提供する。
【解決手段】光学物品11は、光透過性基材からなる基板50と、基板50の一方の表面上に形成された凹凸構造層55とを備えている。凹凸構造層55は複数の凸部又は凹部又は凸部と凹部の両方をレリーフ型ホログラム又は回折格子よりも大きい周期で一次元的又は二次元的に配列してなる複数の万線模様を有し、該万線模様がモアレパターンを形成している。
【選択図】図1
【解決手段】光学物品11は、光透過性基材からなる基板50と、基板50の一方の表面上に形成された凹凸構造層55とを備えている。凹凸構造層55は複数の凸部又は凹部又は凸部と凹部の両方をレリーフ型ホログラム又は回折格子よりも大きい周期で一次元的又は二次元的に配列してなる複数の万線模様を有し、該万線模様がモアレパターンを形成している。
【選択図】図1
Description
本発明は、偽造防止効果の高いセキュリティ用光学物品とその製造方法ならびに印刷物に関する。
一般に、商品券及び小切手などの有価証券類、クレジットカード、キャッシュカード及びIDカードなどのカード類、並びにパスポート及び免許証などの証明書類には、それらの偽造を防止するために、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する表示体が貼り付けられている。また、近年、これら以外の物品についても、偽造品の流通が社会問題化している。そのため、そのような物品に対しても、同様の偽造防止技術を適用する機会が増えてきている。
通常の印刷物とは異なる視覚効果を有している光学物品としては、複数の溝を並べてなる回折格子を含んだ光学物品が知られている(例えば、特許文献1参照)。この光学物品には、例えば観察条件に応じて変化する像を表示させることや、立体像を表示させることができる。また、回折格子が表現する虹色に輝く分光色は、通常の印刷技術では表現することができない。そのため、回折格子を含んだ光学物品は、偽造防止対策が必要な物品に広く用いられている。
この光学物品では、複数の溝を形成してなるレリーフ型の回折格子を使用することが一般的である。
レリーフ型回折格子の製造では、通常、原版として所望の凹凸構造が形成されている金属版を作成し、この金属版を母型として用いて、レリーフ型の回折格子を複製する。
この光学物品では、複数の溝を形成してなるレリーフ型の回折格子を使用することが一般的である。
レリーフ型回折格子の製造では、通常、原版として所望の凹凸構造が形成されている金属版を作成し、この金属版を母型として用いて、レリーフ型の回折格子を複製する。
一般に、このレリーフ型回折格子は透明である。従って、通常、レリーフ構造を設けた樹脂層上には、蒸着法を用いてアルミニウムなどの金属又は誘電体を単層又は多層に堆積させることにより反射層を形成する。
その後、このようにして得られた光学物品を、例えば紙又はプラスチックフィルムからなる基材上に接着層又は粘着層を介して貼り付ける。以上のようにして、偽造防止対策を施した印刷物を得る。
レリーフ型回折格子を含んだ光学物品の製造に使用する原版は、それ自体の製造が困難であり、また、金属製版から樹脂層へのレリーフ構造の転写は高い精度で行わなければならない。即ち、レリーフ型回折格子を含んだ光学物品の製造には高い技術が要求される。
その後、このようにして得られた光学物品を、例えば紙又はプラスチックフィルムからなる基材上に接着層又は粘着層を介して貼り付ける。以上のようにして、偽造防止対策を施した印刷物を得る。
レリーフ型回折格子を含んだ光学物品の製造に使用する原版は、それ自体の製造が困難であり、また、金属製版から樹脂層へのレリーフ構造の転写は高い精度で行わなければならない。即ち、レリーフ型回折格子を含んだ光学物品の製造には高い技術が要求される。
しかしながら、偽造防止対策が必要な光学物品の多くでレリーフ型回折格子を含んだ光学物品が用いられるようになった結果、この技術が広く認知され、これに伴い、偽造品の発生も増加する傾向にある。そのため、回折光によって虹色の光を呈することのみを特徴とした光学物品を用いて十分な偽造防止効果を達成することが難しくなってきており、高い偽造防止技術が望まれている。そのためには、まず一般的なレリーフ型回折格子を用いた光学物品とは一線を画した視覚効果を持ち、なおかつ偽造が困難な光学物品が必要となる。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、特殊な視覚効果を持ち、かつ偽造防止効果の高い光学物品を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、光透過性基材からなる基板と、該基板の一方の表面上に形成された凹凸構造層とを備えた光学物品であって、前記凹凸構造層が複数の凸部又は凹部又は凸部と凹部の両方をレリーフ型ホログラム又は回折格子よりも大きい周期で一次元的又は二次元的に配列してなる複数の万線模様を有し、該万線模様がモアレパターンを形成していることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、前記万線模様が平行線模様、曲線模様、同心円状模様のいずれかであることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記凹凸構造層が微小面積を有する複数のドット状セルを前記基板の一方の表面上に設けることで形成され、前記万線模様が前記ドットを構成要素として形成されていることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記凹凸構造層が微小面積を有する複数のドット状セルを前記基板の一方の表面上に設けることで形成され、前記万線模様が前記ドットを構成要素として形成されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記凹凸構造層の上に前記複数の万線模様を接着層により全面的または部分的に重ねて前記モアレパターンが形成されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記複数の万線模様のうち観察者側から最も離れた万線模様が前記凹凸構造層に金属からなる光反射性被覆層を設けて形成され、他の万線模様が前記凹凸構造層に屈折率が2.0以上の透明高屈折率材料からなる光反射性被膜層を設けて形成されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記複数の万線模様のうち観察者側から最も離れた万線模様が前記凹凸構造層に金属からなる光反射性被覆層を設けて形成され、他の万線模様が前記凹凸構造層に屈折率が2.0以上の透明高屈折率材料からなる光反射性被膜層を設けて形成されていることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、前記凹凸構造層に屈折率が2.0以上の透明高屈折率材料からなる光反射性被膜層を設けて前記万線模様が形成されていることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様の光学物品を有することを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第1〜第6の態様の光学物品を製造する方法であって、光透過性基材からなる基板の一方の表面上に剥離層、凹凸構造層、光反射性被覆層および接着層を順に積層して転写箔を形成し、該転写箔から前記基板の表面上に微小面積を有する複数のドット状セルをサーマルヘッド熱転写によって転写して設けることで前記万線模様を形成し、かつ前記接着層を介して前記ドット状セルを少なくとも部分的に重ねることで、前記ドット状セルを構成要素としたモアレパターンを形成することを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様の光学物品を有することを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第1〜第6の態様の光学物品を製造する方法であって、光透過性基材からなる基板の一方の表面上に剥離層、凹凸構造層、光反射性被覆層および接着層を順に積層して転写箔を形成し、該転写箔から前記基板の表面上に微小面積を有する複数のドット状セルをサーマルヘッド熱転写によって転写して設けることで前記万線模様を形成し、かつ前記接着層を介して前記ドット状セルを少なくとも部分的に重ねることで、前記ドット状セルを構成要素としたモアレパターンを形成することを特徴とする。
本発明によれば、回折光による虹色の光のみでなく、万線模様の重ねあわせによって発生する幾何学的なモアレパターンとの組み合わせにより、独特の視覚効果を有するとともに、偽造が困難な光学物品が提供できる。
また、金属の光反射性被膜層を用いることにより、より視認性を向上させることができる。
また、ホログラム転写箔を用いることで容易に所望の万線模様を形成することが可能となり、かつ、ホログラムをドット状にして重ねて転写できるため、より偽造、改竄防止効果の高い光学物品が提供できる。
また、金属の光反射性被膜層を用いることにより、より視認性を向上させることができる。
また、ホログラム転写箔を用いることで容易に所望の万線模様を形成することが可能となり、かつ、ホログラムをドット状にして重ねて転写できるため、より偽造、改竄防止効果の高い光学物品が提供できる。
本発明の光学物品の一例としては、透明の中間箔上にホログラム転写箔を熱転写することで、微小面積のドット状セルをパターン状に設けて万線模様を形成し、かつ部分的にホログラム転写箔を同様の方法で重ねることで万線模様の重なりによるモアレパターンを形成したものがある。また本発明の光学物品は、必要に応じて他の媒体およびプロセスを有しても良いものである。以下、本発明に係る光学部品の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光学部品の第1実施形態を示す断面図である。図1に示される光学物品11は光透過性基板50と、この光透過性基板50の一方の表面上に剥離層51及び受像層52を介して形成された凹凸構造層55とを具備し、光透過性基板50は10〜100μm程度の厚みを有するプラスチックシートから形成されている。
光透過性基板50を形成するプラスチックシートの素材としては、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)等の光透過性プラスチックが挙げられる。
光透過性基板50を形成するプラスチックシートの素材としては、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)等の光透過性プラスチックが挙げられる。
剥離層51の素材としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂にシリコーンやフッ素系の添加剤を加えたものが挙げられ、中でも基板50から剥離しやすいフッ素系アクリル樹脂やシリコーン系アクリル系樹脂等を選出することが望ましい。
受像層52の素材としては、一般的に接着剤として用いられる樹脂との密着力があり、加刷性のあるものであれば、特に限定されないが、例えばプロプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。また、受像層52の膜厚も特に限定は無いが、5.0〜10.0μm程度であることが好ましい。さらに、最終的に印刷物等の被転写基材へ熱転写する際に密着する接着剤としての機能を兼ね備えているものが良い。
凹凸構造層55は、受像層52の表面上に微小面積を有する複数のドット状セル53,54をサーマルヘッド熱転写等の方法により転写して形成されている。この凹凸構造層55を形成するドット状セル53,54は受像層52の表面上に万線模様をそれぞれ形成し、ドット状セル53,54により形成された万線模様はモアレパターンを形成している。
図2は、本発明に係る光学物品の第2実施形態を示す断面図である。図2に示される光学物品12は図1に示した光学物品11と異なり、剥離層51と受像層52との間に固定柄凹凸形成層60と光反射被膜層61を有している。
図2は、本発明に係る光学物品の第2実施形態を示す断面図である。図2に示される光学物品12は図1に示した光学物品11と異なり、剥離層51と受像層52との間に固定柄凹凸形成層60と光反射被膜層61を有している。
固定柄凹凸形成層60は例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の光硬化性樹脂、またはアクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、またはプロプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等からなり、剥離層51の表面上に形成されている。また、固定柄凹凸形成層60により形成される凹凸のパターンとしては、回折格子状の凹凸で所望の万線模様を描いた固定デザイン柄であることが好ましい。
光反射被膜層61は受像層52との屈折率差が小さいと受像層52による回折光の視覚効果が弱まってしまうため、屈折率が2.0以上の透明樹脂(例えばZnS、TiO2、PbTiO2、ZrO、ZnTe、PbCrO4等)からなり、固定柄凹凸形成層60の表面上に形成されている。
図2に示される光学物品12は、受像層52の表面上に微小面積を有するドット状セル54を複数並べて別の万線模様を形成し、万線模様の重なりでモアレパターンを形成した構成となっている。なお、図示を省略したが、固定柄凹凸形成層60を二つ以上重ねた構成にしても良い。
図2に示される光学物品12は、受像層52の表面上に微小面積を有するドット状セル54を複数並べて別の万線模様を形成し、万線模様の重なりでモアレパターンを形成した構成となっている。なお、図示を省略したが、固定柄凹凸形成層60を二つ以上重ねた構成にしても良い。
図3は、ホログラム転写箔を熱転写することで形成されたドット状セル53、54の詳細な構造を示す断面図である。ドット状セル53は受像層52の表面上に形成された接着層73を有し、この接着層73の素材としては、受像層52との密着性が良好な接着剤(例えば、エステル系樹脂とエポキシ系樹脂との混合材料など)を用いることができる。
ドット状セル53は、また、接着層73の上に積層された光反射被膜層72を有し、この光反射被膜層72を有し、この光反射被膜層72の素材としては、光反射被膜層61と同等の材料を用いることができる。また、光反射被膜層72は受像層52との屈折率差が少なくとも0.5以上であることが望ましく、膜厚は50nm〜100nmであることが好ましい。
ドット状セル53は、また、接着層73の上に積層された光反射被膜層72を有し、この光反射被膜層72を有し、この光反射被膜層72の素材としては、光反射被膜層61と同等の材料を用いることができる。また、光反射被膜層72は受像層52との屈折率差が少なくとも0.5以上であることが望ましく、膜厚は50nm〜100nmであることが好ましい。
ドット状セル53は、光反射被膜層72の上に積層された凹凸形成層71をさらに有している。この凹凸形成層71の素材としては例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の光硬化性樹脂、またはアクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、またはプロプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いることができ、これらの材料に所望の凹凸を賦型することにより凹凸形成層71を形成することができる。
凹凸形成層71を形成する樹脂は全て光透過性を有し、屈折率は一般的には1.5程度である。凹凸形成層71により形成される凹凸のパターンとしては、一定面積内で均一の回折格子状の凹凸が形成されているベタ柄パターンが好ましい。
ドット状セル53は、また、凹凸形成層71の上に積層された剥離層70を有し、この剥離層70の素材としては、基本的には剥離層51に近い性能を持った材料を用いることができる。また、好ましくはドット状セル54と一部重ねることができるように、より好ましくは受像層52と共に光透過性基板50の上に転写できるように、他基材や他樹脂との密着性も兼ね備えているものが良い。密着性が無い場合、別途接着層を一層介して被転写基材と接着させても良い。具体的な材料としては、一般的に他の材料と密着性の出るアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
ドット状セル53は、また、凹凸形成層71の上に積層された剥離層70を有し、この剥離層70の素材としては、基本的には剥離層51に近い性能を持った材料を用いることができる。また、好ましくはドット状セル54と一部重ねることができるように、より好ましくは受像層52と共に光透過性基板50の上に転写できるように、他基材や他樹脂との密着性も兼ね備えているものが良い。密着性が無い場合、別途接着層を一層介して被転写基材と接着させても良い。具体的な材料としては、一般的に他の材料と密着性の出るアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
ドット状セル54も基本的にはドット状セル53と同様の材料であるが、光反射被膜層72としてアルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ、ニッケル等の金属蒸着膜を形成して視認性を高くしても良い。
モアレとは、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことである。モアレそのものも周期を持ち、この周期は元になる模様の周期の組み合わせで決まる。
モアレとは、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことである。モアレそのものも周期を持ち、この周期は元になる模様の周期の組み合わせで決まる。
図4は図1及び図2に示すドット状セル53により形成される万線模様の一例を示す図、図5は図1に示すドット状セル54により形成される万線模様の一例を示す図、図6は図4及び図5に示す2つの万線模様を重ね合わせて形成されるモアレパターンの一例を示す図である。
上記のように、二つ以上の万線模様を重ね合わせることにより、様々なモアレパターンを形成することができ、かつ万線模様そのものが回折格子状の凹凸からなる微小面積のドットを構成要素として形成されるため、回折格子凹凸の形状によっても光り方、モアレの見え方等を変化させることができ、従来のレリーフ型回折格子とは異なった特有の視覚効果をもたらす偽造防止効果の高い光学物品を提供することが可能となる。
上記のように、二つ以上の万線模様を重ね合わせることにより、様々なモアレパターンを形成することができ、かつ万線模様そのものが回折格子状の凹凸からなる微小面積のドットを構成要素として形成されるため、回折格子凹凸の形状によっても光り方、モアレの見え方等を変化させることができ、従来のレリーフ型回折格子とは異なった特有の視覚効果をもたらす偽造防止効果の高い光学物品を提供することが可能となる。
以下、本発明に係る光学物品として、図1に示す光学物品11を製造する手順について説明する。
まず、光透過性基板50として厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、剥離層51、受像層52の順にグラビアコーターで印刷を行った。オーブンでの乾燥後、剥離層51の膜厚は0.6μm、受像層52の膜厚は6μmであった。
まず、光透過性基板50として厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、剥離層51、受像層52の順にグラビアコーターで印刷を行った。オーブンでの乾燥後、剥離層51の膜厚は0.6μm、受像層52の膜厚は6μmであった。
次に、ホログラム転写箔を作成した。基材として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、剥離層70、凹凸形成層71の順にグラビアコーターで印刷を行った。オーブンでの乾燥後、剥離層70の膜厚は0.6μm、凹凸形成層71の膜厚は0.7μmであった。
このフィルムを、空間周波数1140mm(Rの回折光が出る設計)、空間周波数1310mm(Gの回折光が出る設計)、空間周波数1540mm(Bの回折光が出る設計)の三種類からなる回折格子状ホログラムのベタ柄が50mm×50mmの正方形になって順番に並んでいる版を用いてロールエンボス装置にて熱プレスを行い、凹凸形成層71の上にベタ柄ホログラムを成形した。
このフィルムを、空間周波数1140mm(Rの回折光が出る設計)、空間周波数1310mm(Gの回折光が出る設計)、空間周波数1540mm(Bの回折光が出る設計)の三種類からなる回折格子状ホログラムのベタ柄が50mm×50mmの正方形になって順番に並んでいる版を用いてロールエンボス装置にて熱プレスを行い、凹凸形成層71の上にベタ柄ホログラムを成形した。
凹凸形成層71の凹凸面上にZnS蒸着を行い、光反射被膜層72を形成した。ZnS蒸着の膜厚は80nmであった。
このフィルムに接着層73の印刷をグラビアコーターにより行った。接着層73の膜厚は0.6μmであった。
上記フィルムをスリットして小分けし、リボン状に加工した。
サーマルヘッドを用いて、受像層52の上にホログラム転写箔を転写し、万線模様を形成した。
このフィルムに接着層73の印刷をグラビアコーターにより行った。接着層73の膜厚は0.6μmであった。
上記フィルムをスリットして小分けし、リボン状に加工した。
サーマルヘッドを用いて、受像層52の上にホログラム転写箔を転写し、万線模様を形成した。
なお、予め所望の万線模様データをコンピューターのプログラム上にインプットし、そのデータをサーマルヘッド熱転写装置のプログラムにアウトプットし、ホログラム転写箔の空間周波数1140mm(Rの回折光が出る設計)の部分を用いて微小面積のドット状に転写していき、万線模様を形成した。この際の解像度は、300dpi(1ドットの一辺の長さが0.084mm)で行った。
続けて、上記の万線模様上に重ねるように、同様の方法で、ホログラム転写箔の空間周波数1310mm(Gの回折光が出る設計)の部分を用いて微小面積のドット状に転写していき、上記と異なる万線模様を形成し、モアレパターンを形成した。赤色の回折光と緑色の回折光が混ざり合った独特な光り方をするモアレパターンが観察できた。
以上のように、従来のレリーフ型回折格子とは異なった特有の視覚効果をもたらす偽造防止効果の高い光学物品を提供することが可能となった。
以上のように、従来のレリーフ型回折格子とは異なった特有の視覚効果をもたらす偽造防止効果の高い光学物品を提供することが可能となった。
10…観察者方向
11,12…光学物品
50…光透過性基
51…剥離層
52…受像層
55…凹凸構造層
53,54…ドット状セル
60…固定柄凹凸形成層
61…光反射被膜層
70…剥離層
71…凹凸形成層
72…光反射性被膜層
73…接着層
11,12…光学物品
50…光透過性基
51…剥離層
52…受像層
55…凹凸構造層
53,54…ドット状セル
60…固定柄凹凸形成層
61…光反射被膜層
70…剥離層
71…凹凸形成層
72…光反射性被膜層
73…接着層
Claims (8)
- 光透過性基材からなる基板と、該基板の一方の表面上に形成された凹凸構造層とを備えた光学物品であって、前記凹凸構造層が複数の凸部又は凹部又は凸部と凹部の両方をレリーフ型ホログラム又は回折格子よりも大きい周期で一次元的又は二次元的に配列してなる複数の万線模様を有し、該万線模様がモアレパターンを形成していることを特徴とする光学物品。
- 前記万線模様が平行線模様、曲線模様、同心円状模様のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の光学物品。
- 前記凹凸構造層が微小面積を有する複数のドット状セルを前記基板の一方の表面上に設けることで形成され、前記万線模様が前記ドット状セルを構成要素として形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学物品。
- 前記凹凸構造層の上に前記複数の万線模様を接着層により全面的または部分的に重ねて前記モアレパターンが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学物品。
- 前記複数の万線模様のうち観察者側から最も離れた万線模様が前記凹凸構造層に金属からなる光反射性被覆層を設けて形成され、他の万線模様が前記凹凸構造層に屈折率が2.0以上の透明高屈折率材料からなる光反射性被膜層を設けて形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学物品。
- 前記凹凸構造層に屈折率が2.0以上の透明高屈折率材料からなる光反射性被膜層を設けて前記万線模様が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学物品。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学物品を有することを特徴とする印刷物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法であって、光透過性基材からなる基板の一方の表面上に剥離層、凹凸構造層、光反射性被覆層および接着層を順に積層して転写箔を形成し、該転写箔から前記基板の表面上に微小面積を有する複数のドット状セルをサーマルヘッド熱転写によって転写して設けることで前記万線模様を形成し、かつ前記接着層を介して前記ドット状セルを少なくとも部分的に重ねることで、前記ドット状セルを構成要素としたモアレパターンを形成することを特徴とする光学物品の製造方法。
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2012
- 2012-02-16 JP JP2012031657A patent/JP2013166334A/ja active Pending
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