JP5381411B2 - 立体表示画像、および回折格子記録媒体 - Google Patents

立体表示画像、および回折格子記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、立体表示画像に関し、特にホログラム技術を用いて構成された立体的な回折格子及び、その回折格子が付された媒体(回折格子記録媒体)であって、
その回折格子は、両眼視差によって、3次元空間において、一定方向に並び、且つ浮いて観察され、且つ、観察者がその観察角度を連続的に少し変化させるだけで、その回折格子の上をその並びの方向に定まった速度で光が動く、偽造防止性に優れた、立体表示画像およびその画像が付された媒体(回折格子記録媒体)に関するものである。
その回折格子及び、その回折格子が付された媒体が真正なものであることを、その回折格子の「3次元空間における光の動き」によって判定するため、判定者が、その動きを判定しやすい大きさ及び間隔で一定の方向に回折格子領域が並んでいる必要がある。
もちろん、「一定の方向」とは、直線方向のみならず、折線状、曲線状、さらには、同時に複数の方向であってもよく、また、同時に逆の方向であってもよい。
この方向が複雑なものであればあるほど、その真正性判定の信頼性が増し、セキュリティ性が向上する。
さらに、「光の動き」の速度も変化させることができ、これらの「3次元空間における光の動き」をあらかじめ観察者である真正性の判定者に伝えておくことで、その判定を容易且つ確実なものとすることができる。
本発明は、商品券、証券、株券などの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、IDカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、各種証明書、鑑定書、認証書、公共競技投票券、ビデオソフト、パソコン用ソフトなど(以下、セキュリティ対象物という。)に使用されている真偽判定シート、シール、転写箔、スレッドなどの種々の偽造防止用媒体に用いられる。
一般に可視領域は、「紫」:380nm〜450nm、「青」:450nm〜495nm、「緑」:495nm〜570nm、「黄色」:570nm〜590nm、「橙色」:590nm〜620nm、「赤色」:620nm〜750nmと分けられているがその変化は連続的であり、この分類は一例とされる。
光学的方法若しくは電子線描画法等のホログラム技術を用いて構成された回折格子は、その回折格子を太陽光や、白色蛍光灯などの白色光源を用いて観察すると、その回折格子のもつ「回折格子角度」や「回折格子周期(ピッチ)」に応じて、その波長成分を分離した後、所定の角度に回折するため、観察者からはその観察する角度に応じた様々な色調の光を観察することができる。
通常は、その回折格子の一次回折光を観察しており、媒体上に設けられた所定の回折格子模様(回折格子領域で形作られた彩紋等の形状を意味する。)をある角度で「赤色の模様」として認識した後、観察角度を10度程度ずつずらすことによって、「黄色」、「緑色」、「青色」とその光の色の変化を確認することができる。
この回折格子上の光(回折光を意味する。)もしくは光の色調の移動する速さ(同一色調で回折する場所が移動する。)は、観察する角度を変化させる速度に応じたものであって、回折格子を連続的に変化させて形成(回折格子角度や回折格子周期を、照明光源の位置及び観察する角度に応じて、連続的に変化させる。)すると、同一色調の光の領域が回折格子形成面を所定の速度で移動するように観察され、細かく連続的に変化させれば、その変化が滑らかなものとなる。
本発明は、この回折格子を両眼視差による立体視を生じるように形成して、回折格子を回折格子形成面から離して、3次元空間内に浮き上がらせ、且つ、この空間に浮いている立体的な回折格子上を、その回折格子を一定の方向に連続的に形成(空間内に所定の間隔で断続的に形成することで、一定方向に連なる回折格子群の回折格子面上を一定速度で滑るような効果を発現させる。)することにより、その観察角度を少しずつずらせた際、その回折格子上の光が、その観察角度変化に応じて、3次元空間内のその軌道上を移動する動きとして、また、「赤色」から「青色」への色調変化と連動して、発現させることができるものである。
この確認、すなわち「判定」は、白色光源下でも十分可能であるが、LED等の単色光源を用いることにより、さらに正確、且つ、確実に実施することができる。
この動きを分析して同一のものを作成するためには、3次元空間の動きを数値化した上で、計算機合成ホログラム技術に類似した複雑な処理を必要とするため、偽造することが非常に困難であるにも拘らず、あらかじめその3次元の動きを「真正性の証明パターン」として定義してあることで、また、その再現精度も高いことから、目視にて容易にその真正性を判定することができる、高い利便性と高い偽造防止性を有する偽造防止媒体を提供する。
(主なる用途)
本発明の微細線からなる立体表示画像の主なる用途としては、偽造防止分野、具体的には、クレジットカード等の、偽造されて使用されると、カード保持者やカード会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、各種証明書、鑑定書、認証書、入学試験等の各種受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、証券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関や各種電話用のプリペイドカード等がある。
これらはいずれも、経済的、もしくは社会的な価値を有する情報や、本人識別等の情報を保持した情報記録体であり、偽造による損害を防止する目的で、記録体そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれるが、その中でも、その確認方法が目視であって、その目視判定の真正性を証明する機能を有することが特に望まれるものに適用される。
また、上記した用途以外であっても、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等も偽造され得るものである。また、量産品でも有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等、または、それらに吊り下げられるタグも、偽造の対象となりやすい。
さらに、著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体、またはそれらのケース等も、やはり偽造の対象となり得る。また、プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などにも、偽造による損害を防止する目的で、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
これらのセキュリティ対象物に、目視判定可能な偽造防止体等を貼付等の形で付加し、その目視判定によって、そのセキュリティ対象物の真正性を証明する。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準である。
(背景技術)
従来、証券、紙幣等の金券には、偽造防止のために印刷による彩紋が使われている。従来の彩紋は、波状線等の細い線を複雑に組み合わせて作った幾何学的模様からなる。しかし、カラーコピー機の高解像度化、色再現性の向上により、こうした金券が偽造されることが増えてきた。
また、偽造防止性を高めるために、回折格子を用いた彩紋も実用化している。回折格子による彩紋は、光の動きを表現でき、また、2次元画像ではあるが高解像度で微細なパターンを表現できるため、高度な偽造防止手段として利用されることが多い。
しかし、従来、高度な偽造防止技術と思われていた回折格子の彩紋パターンでさえも、現在では、顕微鏡による観察や光の動きの観察で記録されているパターンが分かり、また、レーザー2光束干渉による回折格子画像作成装置が普及してきたため、偽造が増えてきた。
ところで、従来、立体像が再生可能な計算機合成ホログラム(CGH)が知られている。そのようなCGHの作成手法には、概略2つの方法があり、その1つは非特許文献1、2等で知られた物体表面を点光源の集合で置き換える方法である。もう1つは、特許文献1、非特許文献3等で知られたホログラフィック・ステレオグラムの方法である。
ここで、代表的なものとして、前者の物体表面を点光源の集合で置き換える方法を説明する。CGHの例として、干渉縞の強度分布を記録したバイナリホログラムであって、再生像が水平方向の視差のみを持ち、上方からの白色光で観察される場合について、その概要を説明すると、図1に示すように、ステップST1で、CGH化する物体の形状で定義される。次いで、ステップST2で、物体、CGH面、参照光の空間配置が定義される。次いで、ステップST3で、物体は、水平面でのスライスにより垂直方向に分割され、さらにスライス面上で点光源の集合に置き換えられる。そして、ステップST4で、これらの空間配置に基き、CGH面上に定義された各サンプル点において、物体を構成する各点光源から到達する光と参照光との干渉縞の強度が演算により求められ、干渉縞データが得られる。次に、ステップST5で、得られた干渉縞データは量子化された後、ステップST6で、EB描画用矩形データに変換され、ステップST7で、EB描画装置により媒体に記録され、CGHが得られる。
この干渉縞の計算の際に、隠面消去処理等が行われる。この隠面消去処理とは、ある視点から物体を観察したときに、手前の物体に隠される部分を見えないようにする処理であり、この処理により物体の重なり合いの情報が網膜像に付加され、立体感を得ることができる処理である。
なお、このような物体表面を点光源の集合で置き換える方法によるGGHにおいて、白色光で再生した場合にカラーを再現するものも、特許文献2で提案している。
さらに、このような立体彩紋を転写箔あるいはラベルとして構成し、これを転写あるいは貼り付けた証券、紙幣等の書類とすることもできる。
特許第3,155,263号公報 特開2000−214751号公報
「画像ラボ」1997年4月号(Vol.8,No.4)34〜37頁 「3次元画像コンファレンス'99−3D Image Conference'99−」講演論文集CD−ROM(1999年6月30日〜7月1日 工学院大学新宿校舎)、論文「EB描画によるイメージ型バイナリCGH(3)−隠面消去・陰影付けによる立体感の向上−」 ホログラフィック・ディスプレイ研究会(日本光学会、応用物理学会)主催「第3回Hodic講演会講演論文集」(平成8年11月15日、日本大学駿河台キャンパス1号館第二会議室)、論文「ホログラフィック・ステレオグラムのための2次元画像列生成の高速化」
以上述べた回折格子等による彩紋は、その形成面上に固定されたものであり、部分的には光の動きを表現できるものの、その光の動きは、固定された彩紋デザイン上を、照明光源の形をした光る領域部分(例えば、線状の蛍光灯の場合は線状の領域となる等。)が、「虹」の移動のように動くのみであり、記録した彩紋は立体感をもたず、光の動きと真正性判定とはなんら関連性を持たない。
以上のように、偽造防止用の回折格子等は、例えれば、従来技術である紙面上への凹版印刷等と同様に、彩紋が媒体(紙面)上に固定されており、その印刷厚さの微妙な変化を有するのみであって、カラーコピー機による複写が困難ではあるものの、「同一物の作製が困難」というハードルを持つものに過ぎず、目視にて観察する上で、その見え方に大きな変化はなく、目視判定によってその真正性の判定が容易に確実に可能という観点ではややセキュリティ性に劣っていた。
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、これまでの目視判定用の回折格子等には存在しない新たな効果を奏するものであって、観察する角度を少しずらすだけで、回折格子上を光が定まった動きをするものである。そして、両眼視差による擬似立体感を利用することによって、3次元物体そのものの計算機合成ホログラム処理よりもその処理負担を低減でき、且つ、立体像そのものがより明るく鮮明なものとなり、さらに、その「光の動き」として、3次元空間内を定めた速さ、位置関係において高い再現性を有する「動き」を発現することが可能となり、目視にて容易に信頼性の高い真正性の判定ができる、立体表示画像及び、その立体表示画像が付された媒体を提供する。
上記の課題を解決するために、
本発明の第1の態様は、
折格子角度回折格子周期を有する回折格子によって表される形状を持つ回折格子領域が一定の方向に並べて複数(n個:n≧2)形成され、且つ、当該回折格子領域のそれぞれに隣接して、当該回折格子領域と組となり、当該回折格子領域と同一形状の隣接回折格子領域が少なくとも一つ設けられている立体表示画像(回折格子領域と隣接回折格子領域を一つの組としてn組からなる)において、
各回折格子領域と、組となる隣接回折格子領域とは、領域と領域の一部が重なるよう配置され、
回折格子領域の回折格子角度θn及び回折格子周期dnが、当該一定の方向に、所定の割合の回折格子角度θ0及び回折格子周期d0で変化するとともに、
前記各回折格子領域と組となる隣接回折格子領域の回折格子の回折格子角度が、当該回折格子領域の回折格子角度θnよりαだけ異なる(回折格子角度=θn+α)ことを特徴とする
本発明の第2の態様は、
折格子角度回折格子周期を有する回折格子によって表される形状を持つ回折格子領域が一定の方向に並べて複数個(n個:n≧2)形成され、且つ、当該回折格子領域のそれぞれに隣接して、当該回折格子領域と組となり、当該回折格子領域と同一形状の隣接回折格子領域が少なくとも一つ設けられている立体表示画像(回折格子領域と隣接回折格子領域を一つの組としてn組からなる)において、
各回折格子領域と、組となる隣接回折格子領域とは、領域と領域の一部が重なるよう配置され、
回折格子領域の回折格子角度θn及び回折格子周期dnが、当該一定の方向に、所定の割合の回折格子角度θ0及び回折格子周期d0で変化するとともに、
前記各回折格子領域と組となる隣接回折格子領域の回折格子の回折格子周期が、当該回折格子領域の回折格子周期dnよりβだけ異なる(回折格子周期=dn+β)とを特徴とする
本発明の第の態様は、
第1、第2の態様のいずれかに記載の立体表示画像が形成された回折格子記録媒体である
彩紋とは、直線、曲線、波線状、弧、又は円などを組み合わせた幾何学的な模様をいい、そのデザインの複雑さ、さらには、凹版印刷による彩紋のように、細線の太さが徐々に細くなったり、筆毛書きのように複数の線に分かれたりしたものをいい、コピー牽制機能や、同一のものを作成し難いという偽造防止機能を持つ。
ホログラムや回折格子のモチーフとしては、平面的な図柄を用いて、回折格子等形成面上又は、その奥側若しくは手前側に配置し、立体感を表現する方法が用いられるが、その図柄としては、その用途に応じて、自然物を表す芸術的なものから、偽造防止用の文字、記号、幾何学模様、彩紋等が使われる。
しかし、この場合も、所定の照明光源下において、虹色に輝かせるか、カラー表現とするのみであり、やはりコピー牽制機能や、同一のものを作成し難いという偽造防止機能を持つのみである。もちろん、これらのものを観察する際、照明光源を移動させる等により、色調や、輝線が移動する現象がみられるが、この変化を真正性証明の手段とするものはなく、ましてや、3次元的な動きを規定するものではない。
これに対して、本発明における「1の回折格子角度及び1の回折格子周期を有する回折格子によって表される形状を持つ回折格子領域」における「形状」とは、上記したホログラムや回折格子のモチーフの中の個々の文字、記号や図形を意味するが、この「形状」の並びの中で、「形状」から次の「形状」へと「光」が移動し、しかも、その光を発する「形状」が3次元空間内に浮いているため、その「光」の動きが、3次元空間内を所定の3次元的な軌道を描いて所定の速さで移動するものである。
この「形状」は、彩紋や、セキュリティ用途に用いられる平面的に形成された回折格子や、3次元立体像を形成したホログラム画像等と同様に、セキュリティ対象物上に設けられて、そのセキュリティ対象物が真正であることを判定(証明)するものであるため、セキュリティ対象物に関連する情報、例えば、セキュリティ対象物を発行した者を示す社名や、製造メーカー名、商品等サービス名等を表す「ロゴ」や、識別ナンバー、管理ナンバー、さらには、真正品に用いられる共通のキーワード、その他のセキュリティ対象物に関連する文字、記号、図形等のあらかじめ定められたものが好適に用いられる。
さらに、その「形状」から隣の「形状」へと次々に所定の速さで「光が移動する」状況を正確に判定する必要があるため、その「形状」の並びは、「光の移動」(光の軌道)を把握しやすく、ほぼ同一の大きさのものであって、目視判定可能な面積(軌道としての幅)を有し、その動く速度を認識できる間隔(間があくと、次の位置を見失うため。)で並んでいる必要がある。
その「形状」の数は、2つ以上であれば、判定としては成り立つが、「3次元空間内で、光が動く方向及びその動く早さ」をその「真正性判定」に用いることから、多数あるほうがより複雑な動きを表現できる点や、判定の信頼性を向上する意味で望ましい。さらには、その「形状」群の中の一部分のみが「判定用」であって、他の部分はカモフラージュという位置づけとすることもできる。
但し、観察者が目視にて観察した際、いろいろな光の中で、判定用の「光の動き」を独立して容易に特定できる必要があるため、一つの「光の動き」を表す並びと別の「光の動き」を表す並びは距離を置いて、誤った判定とならない配置とする必要がある。
特に、一般的な観察環境(例えば、商品取引場所、事務手続き場所等。)での複数の蛍光灯下や、拡散光源の下では、この「形状」の並びに対して、照明光源の数だけの「光」が発生し、観察者の判定を難しくする。従って、観察者は、白色光源でも1本のみの蛍光灯下や、1つの白熱電球、ハンディタイプのLED、さらには、簡易なペンライト程度の光源で判定することになるが、その場合においても、「形状」が一面に一様に形成されていると、複数の光の動きを認識してしまい、「判定用の光の動き」を特定することができなくなる。
そのため、セキュリティ対象物上に設けられた本発明の立体表示画像もしくは、回折格子記録媒体を、想定される真正性判定場面、例えば、上方の白色点光源もしくは、一本の白色蛍光灯のもとに、そのセキュリティ対象物を45度傾けて、そのセキュリティ対象物から30〜40cm離れた位置から目視にて観察した際、そのセキュリティ対象物をゆるやかに−30度〜+30度へと連続的に傾けたときに、その「形状」から「形状」へと移動する「光の動き」を確実に認識でき、その「動き」が「判定パターン」としてあらかじめ観察者である判定者に伝えられているものと「同一」であることを精度よく判断できるものとするため、「形状」の大きさは、300μm以上であって、30μm以上の線幅で表されたものとし、「形状」と「形状」の間隔は、その「形状」の大きさより小さいものとする。さらには、「光が動く」一定の方向に対してのみ「形状」が並んでおり、他の方向には少なくとも「形状」の大きさ以上の間隔があけられているものとする。
「形状」の一定の方向とは、「水平方向、左から右へ」という直線的なものでもよいし、2次曲線や、3次曲線、その他の高次曲線等のアップダウンのある動きであってもよい。また、3つの「光の動き」が、真ん中は直線方向、上下は、それぞれ上及び下へと分かれていくものであってもよい。
さらには、一つの「光」が左から右へ動くと同時にもう一つの「光」が右から左へ動くというように同時に両方向に動くものであってもよい。
本発明の「形状」は、両眼視差を用いた立体視により、回折格子等の形成面から3次元空間内に浮いており、上記した光の動きは、これら空中に浮いた「形状」の上を、3次元空間中の3次元的な軌道を描きながら、所定の速度で移動することになる。
「光の動き」の速さは、「形状」を表す回折格子領域の回折格子角度θn及び回折格子周期dnが、一定の方向(その動きの方向)に、変化する所定の割合θ0及びd0で決まる。
θ0は、「形状」間の間隔の大きさによるが、±3度〜±20度とする。変化の大きさが3度未満では、その動きが遅いため特定しづらく、20度を超えると、その動きが離散的なものとなって、その速さを捉えづらい。特に5度〜10度が滑らかな動きとなるため、判定に好適である。
d0は、±0.03μm〜±0.3μmとする。変化の大きさが0.03μm未満では、その動きが遅いため特定しづらく、0.3μmを超えると、その動きが離散的なものとなって、その速さを捉えづらい。特に0.05μm〜0.10μmが滑らかな動きとなるため、判定に好適である。
観察するセキュリティ対象物から30cm〜40cmの距離で観察する場合において、両眼視差を発現するためには、隣接回折格子領域における回折格子角度に対して、元の回折格子領域の回折角度θnに加える回折格子角度αは、±5度〜±45度とする。比較的広い視野でより安定した両眼視差を得るためには、10度〜25度増加させるか、もしくは減じることが好適。5度未満、もしくは45度を超えると、もはや両眼視差を認識しづらい。5度以下の変化では、やや立体感に乏しく、45度以上の変化では、別の回折格子領域と認識しやすくなる。さらに、この範囲内でも、15度〜20度が最適である。
但し、観察距離が上記した設定値より小さい距離であったり、遠い距離である場合には、より小さいかより大きい角度変化を使用することが望ましい。
同様に、隣接回折格子領域における回折格子周期に対して、元の回折格子領域の回折周期dnに加える回折格子周期βは、±0.05μm〜±0.40μmとする。変化の大きさが0.05μm未満、もしくは0.4μmを超えるともはや両眼視差を認識しづらい。0.05μm未満の変化では、やや立体感に乏しく、0.4μmを超える変化では、別の回折格子領域と認識しやすくなる。さらに、この範囲内でも、0.10μm〜0.20μmが最適である。
立体視によって回折格子形成面から浮き上がる(奥側へ遠ざかる、もしくは、手前側へ近づく。)距離は、所定の移動Dにより定まる。このDは、40μm〜400μmとする。
所定の移動Dも観察距離により左右されるが、隣接回折格子領域が1つである場合は、その領域間の距離は、10μm〜500μmの範囲内でも両眼視差が発現する。微細線が複数ある場合、複雑に設定する場合には、いずれもこの範囲内に入るように設ける。
但し、上記した観察環境下では、40μm〜400μmにおいて安定した立体感が得られる。さらには、回折格子やその形状によるが、40μm〜200μmがさらに望ましい。
このDは、「形状」の位置(上部、中部、下部等。)によって任意の値をとることができるが、それらの値の組を、他の「形状」と同一の組として一定値することができる。その場合は、空間中に奥行き方向に傾いたり、「形状」そのものが手前や奥へ変形したものと観察される「形状」が、同一の傾きや変形状態を維持しつつ、次々と光るように観察される。この場合は、白色光源下で個々の「形状」がより複雑な色調に見えるものの、手前側と奥側に所定の変形をしたまま一定の速度で移動するように観察されるとは予想もつかず、その意外性を高めることができる。
さらに、所定の移動Dを個々の「形状」において、ランダムに設定すると、この空間中に奥行き方向に傾いたり、「形状」そのものが手前や奥へ変形したものと観察される「動き」は「形状」が手前や奥に切り替わるだけでなく、「形状」そのものが複雑な変形を示すなど、非常に不思議な動きを示し、且つ、その「動き」を光源による観察から解析することは物理的に不可能なレベルにすることができる。
しかも、真正性判定者は、その「動き」に関する情報をあらかじめ知っているため、その移動速度を確認してもよいし、部分的な動きを確認して、若しくはその組み合わせを持って確認してその真正性を判定することができるため、偽造防止性が高く、目視判定の容易な立体的な回折格子模様及び、その回折格子模様が付された媒体を提供することができる。
いすれにしても、その浮き上がる距離は、±10mm以内とする。±10mmを超えると「形状」の明るさが減少するため、観察者が判定を誤る可能性がでてくる。回折格子形成面から離れれば離れるほど、明るさが低下するため、±5mm以内がより望ましい。
但し、この明るさの減少を考慮して、「形状」を構成する回折格子線幅を10%〜30%太くして明るさを調整することも好適である。
上記したように、隣接回折格子領域を1つ設けると両眼視差が発生し、その中間領域に形成面から浮き上がった位置にその回折格子領域からなる一つの「形状」を観察することができるが、2つ以上、すなわち、4つ、6つ乃至は8つ、若しくは、元の回折格子領域の左右に一つずつ、2つずつ、乃至は4つずつ同様にして回折格子領域を形成することで、その立体感を重厚なものとするとともに視野角を拡大することができるが、回折格子領域と隣接回折格子領域の重なり部分が、2重、3重さらには9重と多重となり、明るさの均一化を図るための均一分割(2重部分は、10μm〜50μm角の回折格子の領域をそれぞれの回折格子によって市松模様状に交互に形成する。10μm角以下では、その領域内にある回折格子群の干渉効果が望めず、回折光が暗いものとなる。50μm角以上では、その市松模様が目視にて明るさのムラのように観察され、真正性判定に不向きである。3重部分は、市松模様において、3つの領域に一つずつ形成する等。)によって、全体的に明るさが低下するため、個々の回折格子として高い回折効率(20%以上)のものを使用するとしても、隣接回折格子領域は、1つ乃至は3つであることが望ましい。
好適には、元の回折格子領域の左右に一つずつ形成する(隣接回折格子が2つの場合。)ことで、明るさを確保した上で、立体感を十分なものとし、且つ、重なり部分を最小限に抑えることができる。
隣接する移動Dは、観察する環境を想定して、水平方向に移動することが望ましいが、観察の仕方や「形状」の形に合わせて、右下(左下)乃至は右上(右下)へ10度〜30度等、角度をつけて移動することも望ましい。
また、「光の動き」そのものを交差させる場合には、回折格子の重なる部分(多重記録領域)について、同様に、明るさが大きく変動しないように多重記録処理することで、各「形状」の明るさを確保することができる。
また、個々の「形状」の配置を、一定間隔とせず、部分的に変化させることで、「光の動き」の速度も変化させることができ、これらの「3次元空間における光の動き」をあらかじめ観察者である真正性の判定者に伝えておくことで、その判定を容易且つ確実なものとすることができる。
さらに高度な偽造防止方法として、観察角度をゆっくり変えると、一瞬、判定用の「形状」の並びの中の少なくとも1つの「形状」が消える角度を存在させることも可能であり、その存在を確実に判定可能とするため、観察角度幅で5度〜10度程度の間、画像再生がされないように、回折格子領域の回折格子角度(10度〜20度)もしくは、回折格子周期(0.2μm〜0.4μm)を不連続(この範囲内のものを使用しないという意味。)とすることができる。
また、観察角度をゆっくり変えると、光の動きが止まる角度が存在するように、同一の回折格子条件を設定しておくこともできる。
さらには、上記、消える角度、止まる角度が、セキュリティ対象物上の印刷等のデザインと同調し、デザイン上の特定の数字や文字等を示す位置でこの現象を起こし、その数字や文字が、何らかのさらなる「隠し情報」を示唆するものとなっている等の応用も可能である。
例えば、印刷されたランダムな数字の上に重ねて本発明の立体表示媒体を形成し、光の動きがその数字上を移動するようにして、上記消える角度乃至は、止まる角度に該当する「数字」が、その「隠し情報」となっているようにして使うこともできる。
両眼視差による立体視は、計算機合成ホログラムにより3次元空間に立体配置する物体の干渉縞を記録面に形成した場合と異なり、非常に明るく、安定しており、「光の動き」を真正性判定に使用することに適している。
例えば、線幅1mm、文字高さ5mm、文字幅4mmのアルファベットの文字列「ABCDEF」をその「形状」群とし、それぞれ1つの隣接する隣接回折格子領域を持つとすると、個々の回折格子の仕様として、
(回折格子周期dn、回折格子角度θn、所定の移動D、周期変化d0、角度変化θ0、隣接回折格子領域の角度変化α、d0=0.1μm、θ0=6度)
A:d1=0.7μm、θ1=−24度、D= 80μm
Aの隣接領域(α=15度):周期=0.7μm、角度=θ1+α=−9度
B:d2=0.8μm、θ2=−18度、D=120μm
Bの隣接領域(α=15度):周期=0.8μm、角度=θ2+α=−3度
C:d3=0.9μm、θ3=−12度、D=160μm
Cの隣接領域(α=15度):周期=0.9μm、角度=θ3+α= 3度
D:d4=1.0μm、θ4= −6度、D=160μm
Dの隣接領域(α=15度):周期=1.0μm、角度=θ4+α= 9度
E:d5=1.1μm、θ5= 0度、D=120μm
Eの隣接領域(α=15度):周期=1.1μm、角度=θ5+α=15度
F:d6=1.2μm、θ6= 6度、D= 80μm
Fの隣接領域(α=15度):周期=1.2μm、角度=θ6+α=21度
とし、「形状」間の距離を2mmとして水平方向に並べて、立体表示画像を形成する。
この立体表示画像を上記した観察条件において、観察すると、左から右に「一定速度で光が動く」とともに、それぞれの「形状」が、形成面から離れた3次元空間の位置から、さらに遠ざかり、再び近づく「遠近方向の光の動き」、すなわち、「立体的な光の動き」を確認することができる。
回折格子領域と隣接回折格子領域の対応する部分とは高い精度で同一の幅とする必要がある。この幅が異なると、両眼視差による立体視において、回折格子形成面からの距離感が不安定となる。
従って、線幅や、距離感、そして動きを精度よく観察可能とするためには、電子線描画による高いパターン形状精度及び、回折効率を一定とする高精度なフォトレジスト工程による凹凸形状の均一性、さらには、高精度な物理的凹凸の複製工程、そして、均一な反射性を有する反射膜形成工程等が必要となる。回折効率にして数%異なると判定精度に影響がでる。
目視判定をするため、参照光原は、可視領域(例えば380nm〜750nm。)のものを想定し、その照明下における立体表示画像における光の動き観察する。
遠近方向の光の動きを含めることにより、同一の動きを観察手段のみから再現することは、物理的に不可能であり、そういう意味で偽造防止性が高いものとなっている。
しかも、その動きは、設計段階で詳細に決定可能であり、出来上がった後は、その詳細な動きを真贋判定において容易に確認することができる。
上記の例では、線幅1mmのアルファベット文字を想定し、その線上の回折格子の仕様を定め、隣接回折格子領域の回折格子仕様変化を回折格子角度α(=15度)としたが、この回折格子仕様変化を回折格子周期β(例えばβ=0.2μm)とできる。
これらの選択は、回折効率の高さと一定性を考慮して行う。
本発明の第1〜10の態様において、その回折格子は、所定の「形状」に対して設定する空間配置等により算出した回折格子に関するデータを、電子線描画データ編集PCに入力して、電子線描画装置の電子線描画データに編集し、電子線装置を用いて、電子線描画レジスト上に記録し、現像処理を行って、回折格子原盤を得る。この回折格子原盤を、基材と透明樹脂を積層したレリーフ形成用シート上に重ねて、所定の加熱・加圧により複製を行い、透明樹脂上に所定の回折格子のレリーフ(立体的な回折格子模様)を形成した後、反射性薄膜を形成し、粘着剤を塗布して回折格子ラベル(回折格子模様が付された媒体)すなわち、回折格子記録媒体とすることができる。もちろん、転写箔として転写形成することもできるし、スレッドとして、紙媒体等に漉き込むこともできる。
この回折格子記録媒体は、種々のセキュリティ対象物に貼付等することができ、セキュリティ対象物の真正性判定に用いることができる。
本発明によれば、これまでの目視判定用の回折格子等には存在しない新たな効果を奏するものであって、観察する角度を少しずつずらしていくだけで、回折格子領域で表した「形状」上を、「光」が所定の速度で、定まった「動き」をするものであり、且つ、両眼視差による擬似立体感を利用して、3次元物体そのものの計算機合成ホログラム処理よりもその処理負担を大幅に低減でき、立体像そのものがより明るく隅々まで鮮明なものとなり、さらに、その「動き」が、3次元空間内を定めた速さ、定めた位置関係において高い再現性を持って動くものであって、簡易な光源もしくは、一般環境下において照明環境を選ぶことにより、目視にて容易に信頼性の高い真正性の判定ができる、微細線からなる立体表示画像及び、その立体表示画像が付された媒体を提供する。
計算機合成ホログラム(CGH)による物体表面を点光源の集合で置き換える方法 本発明の回折格子によって表される形状を持つ回折格子領域の一実施例 (アルファベットの文字列「ABCDEF」である「形状」群) 本発明の立体表示画像の一実施例 (両眼視差を発現する例。アルファベットAのみ。残りの部分省略。) 本発明の回折格子記録媒体の作成方法。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
本発明に用いられる回折格子は、可視光光源(例えば380nm〜750nmの波長を持つ光源。)に対して回折現象を生じるものであり、回折格子周期は0.6μm〜1.6μmであって、その回折格子深さは、0.1μm〜0.4μmの凹凸構造をしており、その回折格子領域を10mm角内に一様に形成した際、回折効率が20%以上であるものを用いる。
回折格子は、図4に示す回折格子記録媒体作成工程により、作成される。
本発明の実施形態を説明するため、以下では、図2の回折格子によって表される形状を持つ回折格子領域の一実施例(アルファベットの文字列「ABCDEF」である「形状」群)を一例として用いる。
図2のA〜Fは、個々の回折格子領域、すなわち、それぞれ所定の回折格子で表された「形状」であって、図3に例示してあるように、それぞれの回折格子領域に隣接して、同一形状の回折格子が設けられている。図3では、文字「A」に水平方向の部分があるため、右斜め下方向に隣接して、両眼視差による立体視をより認識しやすくしてある。
これらの文字列の形成条件は、上記した通りである。図3における実線で囲まれた領域と破線で囲まれた領域は、多重記録領域である。この領域は多重記録処理(図示せず。)してあるため、単純に明るさが半減するため、重ならない領域について同様の処理(市松模様のうち、片方の領域をブランクとする。)を行うことにより、回折格子の明るさを均一なものとすることができる。
これらの文字列を所定の照明下(白色光源でも1本のみの蛍光灯下や、1つの白熱電球、さらには、簡易なペンライト程度の光源の下。)で観察すると、回折格子形成面よりそれぞれの距離だけ浮き上がった位置に、各文字を認識することができ、観察角度を少しずつずらすと特定の色調を持つ明るい部分(光の領域)が空中に浮いているA上に見え、一定の速さでB〜Fへ移動するとともに、一旦遠ざかって、再び近づいてくる動きを確実に、再現よく確認することができる。この立体的な光の動きが、あらかじめ知らされていた「光の動きの情報」と同一であることで、この立体表示画像が真正なものであると目視にて容易に判定することができる。
このことは、各文字の上部と下部の所定の移動Dの変化を同一(上部250→200→150等々、下部350→300→250等々。図示せず。)として形成すると、空中に浮いている各文字がその遠近方向に傾きつつ、回折格子形成面に近づいたり遠ざかったりする動きを観察することができる。
また、このA〜Fをもう一組、これらの形成位置より20mm離して平行に設け、光の動きを逆とし、かつ、浮き上がり距離も逆とすると、上の一組についての「光の動き」と、下の一組についての「光の動き」を対称的なものとなって、同時に観察することができ、真正性判定の精度を高めることができる。
もちろん、このA〜Fの並びを、なだらかな曲線を描くように配列してもよく、2つの組を交差させてもよい。交差部分における回折格子が重なる部分は、上記した多重記録処理を行う。
両眼視差による立体視について、隣接する「形状」を一つ設け、1対とする方法を上述したが、より立体感を醸し出すため、2対〜4対とすることもできる。いずれも、左右対称とすることが望ましく、2対であれば、その4つの「形状」の所定の距離Dを、例えば、左から120μm、150μm、120μmと、4対であれば、50μm、50μm、55μm、60μm、55μm、50μm、50μmとする。
また、一つの「形状」を中心として、同様に左右に1対〜4対を形成することもできる。中心に「形状」があることで、より明るさ及び安定性が増す。
この隣接回折格子領域の回折格子仕様は、1対であれば、左側を−15度とし、右側を+15度、2対であれば、左側を−20度と、−10度、右側を+10度、+20度と対象にする。3対、4対も同様に設定できる。
元の「形状」を中心に置く場合は、これらの中心に、例えば、回折格子角度0度のものを設定する。
また、回折格子周期により立体視をさせる場合には、1対であれば、左側と右側の周期差を0.2μm(1.0μmと1.2μm。)、2対であれば、左側と右側の周期差を0.1μm、0.2μm(0.95μm、1.0μm、1.1μm、1.15μm。)とする。3対、4対及び、元の「形状」を中心に置く場合も同様に設定することができる。
次に、図4のごとく、これら所定の回折格子に対して設定する「形状」の空間配置等により算出した隣接回折格子を含む全回折格子に関するデータを、電子線描画データ編集PC(パーソナルコンピューター)に入力して、電子線描画装置を動作させる電子線描画データに編集し、編集データを電子線装置に入力することにより、あらかじめ準備した電子線描画レジスト上に、電子線描画装置を用いて、所定の露光(記録)を行い、現像処理を行って、回折格子原盤を得る。
生成した凹凸形状を精密に写し取るため、金属薄膜等を介せず、直接、硬化タイプの樹脂を用いて精密複製を行い、電子線レジスト上の凹凸を忠実に再現した複製原盤を得る。
(回折格子記録媒体)
回折格子記録媒体を作成するためには、まず透明基材上に、上記した凹凸を精密に複製可能な透明樹脂をコーティングした複製用シートを用いる。
透明基材としては、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、回折格子記録媒体のシート、ラベル、及び転写シートを製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するものを使用する。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
透明基材の厚さは、同様の配慮から、5〜50μm、特に5〜15μmとすることが望ましい。転写シートを形成する際、透明基材に、通常用いられる酢酸セルロース樹脂やメタクリル樹脂等からなる剥離層を設けても良い。
(回折格子形成層)
回折格子形成層を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
回折格子形成層は、上記した複製用原盤の型面を上記の樹脂材料に押し付けることによる賦型によって形成する。
型面に未硬化の熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を密着させたまま、加熱または電離放射線照射により硬化を行い、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面に精密な回折格子の微細凹凸を形成することができる。
電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、好ましくはポリエチレンワックスを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示できる。具体的には、MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。
(回折格子形成層の形成)
回折格子形成層の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂を主成分とし、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、透明基材上に、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどコーティング方法で塗布し乾燥して、微細凹凸を賦型後に電離放射線で反応(硬化)させればよい。回折格子形成層の厚さは、通常、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μmである。
回折格子形成層には、反射層を設けてもよい。その凹凸面に追従するように反射性薄膜層を形成する。この薄膜層は、入射した光を反射する必要があるため、回折格子形成層よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。
反射性薄膜層としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより形成される金属薄膜などの可視光をほぼ全波長域に渡り反射する金属光沢反射層、又は、特定の波長の光のみを反射するため、観察方向等により透明に見える透明反射層のいずれも用いることができるが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、その透明反射層を通してセキュリティ対象物のデザイン等を確認できるので好ましい。
反射性薄膜層を形成するための金属材料としては、Al、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Mg、Sb、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、もしくはRb等の金属、またはそれら金属の酸化物もしくは窒化物等を用いることができ、これらのうちから1種もしくは2種以上を組み合わせ用いることができる。これらの中でも、Al、Cr、Ni、Ag、またはAu等が特に好ましく、その膜厚としては1nm〜10,000nmが好ましく、より好ましくは2nm〜200nmである。
また、反射性を高めるために、透明反射層を付加してもよい。透明反射層は、微細凹凸面へ、透明反射層へ設けることにより、回折効果を高める。透明反射層としては、真空薄膜法などによる透明反射層である。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率が回折格子形成層形成層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できる。例えば、回折格子形成層形成層よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上混合したもの等が例示できる。透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、回折格子形成面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
(粘着層・接着層)
接着層としては、公知の、加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
粘着性樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、酢酪酸ビニル樹脂、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ウレタン樹脂等がある。
もしくは、熱接着性と共に、粘着性をも有する粘着性接着層としては、粘着性と熱接着性を有するアクリル系樹脂やゴム系樹脂、又は粘着性樹脂と熱接着性樹脂との混合物などが適用できる。
これらの樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ1〜30μmの層を得る。セキュリティ対象物の表面がフィルムシートの様に平滑な場合は、1〜5μmの厚さが好適。
セキュリティ対象物の表面が、紙や布のように30μm以上の表面粗さを持つ場合には、粘着層・接着層の厚さとしては、5μm〜30μmの厚さ、さらには、20μm〜30μmの厚さが好適となる。
剥離層を有す転写シート構成の場合は、セキュリティ対象物の表面の所定の位置に、転写シートを重ね、所定の加熱・加圧後、透明基材を剥離して、所望の形で回折格子形成層を転写することにより、回折格子記録媒体を転写することができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶剤を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
1の回折格子角度及び1の回折格子周期を有する回折格子によって表される形状を持つ回折格子領域を、線幅1mm、文字高さ5mm、文字幅4mmのアルファベットの文字列「A」「B」「C」「D」「E」「F」(n=6。6個の「形状」群。)とし、それぞれの「形状」が、その「形状」と同一「形状」の1つの隣接する隣接回折格子領域をそれぞれ下記した所定の移動(距離)Dを持ち、元の「A〜F」の回折格子仕様及び、各文字の水平方向領域が多いことから、隣接する方向を右斜め下方向(30度下方。)に移動し、それぞれ下記の仕様にて回折格子を設定した。実線領域と破線領域の重なる部分は、多重記録処理として、50μm角の市松模様のエリアに区切り、実線領域の回折格子と破線領域の回折格子を互い違いに設定した。さらに、重ならない部分も、同様の市松模様のエリアに区切り、一つ飛ばしに所定の回折格子を設定した。
個々の仕様は以下とした。
回折格子周期dn、回折格子角度θn、所定の移動D、周期変化d0、角度変化θ0、
隣接回折格子領域の角度変化α、d0=0.1μm、θ0=6度。
A:d1=0.7μm、θ1=−24度、D= 80μm
Aの隣接領域(α=15度):周期=0.7μm、角度=θ1+α=−9度
B:d2=0.8μm、θ2=−18度、D=120μm
Bの隣接領域(α=15度):周期=0.8μm、角度=θ2+α=−3度
C:d3=0.9μm、θ3=−12度、D=160μm
Cの隣接領域(α=15度):周期=0.9μm、角度=θ3+α= 3度
D:d4=1.0μm、θ4= −6度、D=160μm
Dの隣接領域(α=15度):周期=1.0μm、角度=θ4+α= 9度
E:d5=1.1μm、θ5= 0度、D=120μm
Eの隣接領域(α=15度):周期=1.1μm、角度=θ5+α=15度
F:d6=1.2μm、θ6= 6度、D= 80μm
Fの隣接領域(α=15度):周期=1.2μm、角度=θ6+α=21度
とし、6個の「形状」間の距離を2mmとして水平方向に並べて、立体表示画像を設定した。
これらの回折格子に関するデータを、電子線描画データ編集PC(パーソナルコンピューター)に入力して、電子線描画装置を動作させる電子線描画データに編集し、編集データを電子線装置に入力することにより、あらかじめ準備した電子線描画レジスト上に、電子線描画装置を用いて、所定の露光(記録)を行い、現像処理を行って、回折格子原盤を得た。
次いで、厚さ50μmの透明基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に物理特性の高い電子線硬化性樹脂組成物を塗布し、上記回折格子原盤の型面を接触させたまま電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、厚さ5μmの回折格子形成層及び回折格子の微細凹凸を形成した。この微細凹凸の上に、反射性アルミニウム薄膜100nmを真空蒸着法により設け、この反射性アルミニウム薄膜形成面に、下記組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が20μmになるように、塗工し70℃で乾燥させて、粘着層を形成した後、直径25mmの円形シール状として、実施例1の回折格子記録媒体を得た。
・<粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
トルエン 40質量部
酢酸ビニル 40質量部
これを、商品券の上に貼付し、拡散板を介した複数の蛍光灯下で観察すると、6つの文字が虹色に見えるのみであったが、簡易なペンライトで観察すると、回折格子記録媒体を傾ける動きに応じて、6つの文字上の輝線が、AからFへ一定の速さで移動しつつ、一定の速さで形成面から遠ざかって元に戻る「動き」を鮮明に確認することができた。
この「動き」の仕方により、その商品券が真正なものであると判定できた。
(実施例2)
隣接回折格子領域の角度変化αを、隣接回折格子の周期変化β=0.2μmとした以外は実施例1と同様として、実施例2を得た。
観察結果は、実施例1と同様であった。
(実施例3)
所定の移動Dを、
文字Aの上部において+20μm、下部において−20μm
文字Bの上部において+40μm、下部において−40μm
文字Cの上部において−40μm、下部において+40μm
文字Dの上部において+20μm、下部において−20μm
文字Eの上部において−60μm、下部において−60μm
文字Fの上部において+20μm、下部において−20μm
とした以外は、実施例1と同様として実施例3を得た。
観察結果は、各文字が奥側に傾いて光ったり、手前に傾いて光ったりしつつ、形成面から遠ざかって元に戻り、且つ、光が左から右へ一定の速さで移動する「動き」を鮮明に確認することができた。
この「動き」の仕方により、その商品券が真正なものであると判定できた。
(実施例4)
各隣接回折格子領域において、所定の移動Dを反対方向としたもう一つずつの隣接回折格子領域を設定し、且つ、その隣接回折格子領域の角度変化αを(−15度)として設定した以外は実施例1と同様にして実施例4を得た。
観察結果は、実施例1と同様であったが、光の輝度がより強く、立体視可能な視野角もより広く確認することができた。
(比較例1)
文字A〜Fに、隣接回折格子を設けなかったこと以外は全て、実施例1と同様にして、比較例1を得た。
実施例1と同様に観察したところ、回折格子記録媒体を傾ける動きに応じて、輝線が、AからFへ一定の速さで移動したものの、立体的な動きはなく、その商品券が真正なものであると判定することはできなかった。
(比較例2)
文字A〜Fの隣接回折格子の所定の移動Dを、
移動D :100、200、400、600、800、1000μm
と設定した以外は全て、実施例1と同様にして、比較例2を得た。
実施例1と同様に観察したところ、回折格子記録媒体を傾ける動きに応じて、光の輝線が、AからFへ一定の速さで移動したものの、A、B、Cまでは立体的に動く様子を確認できたが、D、E、Fは、立体的な動きではなく、文字が膨らんで輝いているのみと観察されその商品券が真正なものであると判定することはできなかった。
(比較例3)
隣接回折格子領域の角度変化αを
A=5度、B=25度、C=40度、D=50度、E=60度、F=75度
と設定した以外は全て、実施例1と同様にして、比較例3を得た。
実施例1と同様に観察したところ、回折格子記録媒体を傾ける動きに応じて、光の輝線が、AからFへ一定の速さで移動したものの、A、B、Cまで立体的に動く様子を確認できたが、D、E、Fでは、立体的な動きではなく、文字が膨らんで輝いているのみと観察され、その商品券が真正なものであると判定することはできなかった。
(評価結果)
実施例1〜4は、光が立体的に移動する動きを確実に判定することができた。特に実施例4はより明るい光の動きを確認でき、且つ、視野角の広がりをも確認することができた。
また、観察光源として、一本の蛍光灯下、一つの白熱灯下、ハンディタイプのLED光源においても判定が可能であった。
比較例1は、立体的な動きが全く無く、比較例2及び3も一部立体感を確認できたものの一部は立体視できず、真正性確認には不十分と思われた。
ST1〜ST7 :計算機合成ホログラム(CGH)作成のための各工程
A,B,C,D,E,F :各形状の回折格子領域
1 実線領域(回折格子領域)
2 破線領域(隣接回折格子領域)
3 重複領域(多重記録領域)
ST10〜ST18 :回折格子記録媒体作成のための各工程

Claims (3)

  1. 折格子角度回折格子周期を有する回折格子によって表される形状を持つ回折格子領域が一定の方向に並べて複数個形成され、且つ、当該回折格子領域のそれぞれに隣接して、当該回折格子領域と組となり、当該回折格子領域と同一形状の隣接回折格子領域が少なくとも一つ設けられているn組の回折格子領域からなる立体表示画像において、
    各回折格子領域と、組となる隣接回折格子領域とは、領域と領域の一部が重なるよう配置され、
    回折格子領域の回折格子角度θn及び回折格子周期dnが、当該一定の方向に、所定の割合の回折格子角度θ0及び回折格子周期d0で変化するとともに、
    前記各回折格子領域と組となる隣接回折格子領域の回折格子の回折格子角度が、当該回折格子領域の回折格子角度θnよりαだけ異なることを特徴とする立体表示画像。
  2. 折格子角度回折格子周期を有する回折格子によって表される形状を持つ回折格子領域が一定の方向に並べて複数個形成され、且つ、当該回折格子領域のそれぞれに隣接して、当該回折格子領域と組となり、当該回折格子領域と同一形状の隣接回折格子領域が少なくとも一つ設けられているn組の回折格子領域からなる立体表示画像において、
    各回折格子領域と、組となる隣接回折格子領域とは、領域と領域の一部が重なるよう配置され、
    回折格子領域の回折格子角度θn及び回折格子周期dnが、当該一定の方向に、所定の割合の回折格子角度θ0及び回折格子周期d0で変化するとともに、
    前記各回折格子領域と組となる隣接回折格子領域の回折格子の回折格子周期が、当該回折格子領域の回折格子周期dnよりβだけ異なることを特徴とする立体表示画像。
  3. 請求項1または2に記載の立体表示画像が形成された回折格子記録媒体。
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