JP6398188B2 - 隠ぺいホログラムシート - Google Patents
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インキ組成物として、ゴム系天然樹脂、ジエン系樹脂、アクリル系樹脂や、ビニル系樹脂を樹脂成分とし、隠蔽性とスクラッチ性を得るために、金属系微粉末やそれらの酸化微粉末等の顔料成分を固形分全体の20〜80%の割合で含有するものを用い、この組成物を適宜な溶剤で希釈したものを、「ホログラム層」上に、その「ホログラム層」の最表面の「光学的な鏡面」性を劣化させることなく、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の中から、適宜な印刷方式を用い、乾燥後の厚さとして、5μm〜50μmの厚さで形成した「隠ぺい層」であって、印刷適性とスクラッチ性との双方を満足させることが容易であり、且つ、「スクラッチ隠蔽層」を「スクラッチ」した後の「最表面」を「光学的な鏡面」とすることができる「隠ぺい層」である。
本発明において、「秘密情報」とは、「その秘密情報を知り得る正当な権利者にのみ開示されるべき情報」を意味し、その「秘密情報」を「ホログラム層」上に設ける手段は、適宜な印刷方法や、「個別情報」を形成できるインクジェット方式を用いた方法、さらには、レーザー印字等、その「情報」としての文字、図形、記号、その他の、少なくとも目視認識可能な、あらゆる「情報」を形成可能な方法を用いることができるものである。
一般に、ホログラムは、立体的な再生像を出現することが可能など、その特異な視覚効果を提供できることから、単純な用途としては、「美術品」としてホログラム単体で、もしくは、「装飾」目的で、あらゆる物品上に設けられ、その付加価値を高めることなどに用いられてきた。
(先行技術)
本出願人は、特開平5−342428号公報(特許文献1)において、磁気カード上にホログラム層を設け、そのホログラム層を「隠ぺい層」で覆う技術を開示している。
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層と基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献5または6参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
前記第一隠ぺい層及び前記第二隠ぺい層の少なくともいずれか一方が、スクラッチ隠蔽層であることを特徴とするものである。
前記第一隠ぺい層及び前記第二隠ぺい層の少なくともいずれか一方が、スクラッチ隠蔽層であることを特徴とする第1の態様または第2の態様の隠ぺいホログラムシートを提供することができ、物理的な剥離をより安定、且つ、確実とした隠ぺいホログラムシートを提供することができる。
前記ホログラム層が、レリーフホログラム形成層、または、体積ホログラム形成層であることを特徴とするものである。
前記ホログラム層が、レリーフホログラム形成層、または、体積ホログラム形成層であることを特徴とする第1の態様の隠ぺいホログラムシートを提供することができ、ホログラムデザインに適した記録再生方法を選択でき、より意匠性に優れた隠ぺいホログラムシートを提供することができる。
前記ホログラム層の前記第一面上、及び/又は、前記第二面上に、秘密情報が形成されていることを特徴とするものである。
前記ホログラム層の前記第一面上、及び/又は、前記第二面上に、秘密情報が形成されていることを特徴とする第1から第4の態様の隠ぺいホログラムシートを提供することができ、鮮明なホログラム再生像と秘密情報を併せて視認することを可能とし、その意匠性と偽造防止性を高めた隠ぺいホログラムシートを提供することができる。
この場合において、記録媒体中の「物体光」と「参照光」との相互作用は、屈折率の変化する材料の屈折率変化という「フリンジ(干渉縞)」を形成するが、このフリンジは、記録用媒体の面に対して、ほぼ平行な面となる。
ホログラムの原理で作製される「ホログラフ鏡」は、「反射型ホログラム」の最も簡単なものである。これは、2つのコヒーレントな平面波を、記録用媒体に対して反対の方向から投射し、記録用媒体中でその2つのコヒーレントな平面波が交差する、ホログラムである。これは単一のレーザー光を分割し記録用媒体の所で両光を合体させるか、あるいは分割しないレーザー光を、記録用媒体を通して、その後ろの「平面鏡」上に投射することにより作ることができる。これにより均一な間隔のフリンジの「一組」が形成され、投射された2つの光間の鈍角の2等分線に対して平行に配列され、三角関数の強度を有することになる。
「実質的に固体」とは塗布された皮膜が、溶剤を除去した後に、一般的に固体材料の有している諸特性(例えば寸法安定性)を有していることを意味している。
体積ホログラム形成層は、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、5.0μm〜50μm、さらには10μm〜30μmの厚さで形成する。
しかし、スクラッチ隠蔽層のホログラム層と接している面とは反対の面(隠ぺいホログラムシートとしての最表面)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。このため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、スクラッチ隠蔽層のホログラム層と接している面を「光学的な鏡面」とする。
レリーフホログラム形成層は、スクラッチ隠蔽層を溶解しない溶剤を用いて、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、1.0μm〜50μm、さらには3.0μm〜20μmの厚さで形成する。
このような適宜な透明基材を設ける場合には、上記した隠ぺいホログラムシートの作成手順において、適宜な剥離性フィルムを用いず、この透明基材の一方の面に第一のスクラッチ隠蔽層を設け、その透明基材の他方の面にレリーフホログラム形成層、及び、第二のスクラッチ隠蔽層、さらには、この上に、粘着層を、この順序で設けることで、適宜な剥離性フィルムを用いずとも、本発明の隠ぺいホログラムシート、さらには、粘着層付き隠ぺいホログラムシートを得ることができる。
さらに、第一のスクラッチ隠蔽層を、一旦、上記した原版のホログラムレリーフ面上にインキ組成物の状態で設けた後に乾燥して形成し、原版のホログラムレリーフ面形状を高い精度で第一のスクラッチ隠蔽層上に再現させ(低粘度のスクラッチ隠蔽層用インキ組成物の状態でホログラムレリーフ面上の設け、インキ内の顔料や樹脂材料の移動による、高い面形状再現性を発現させるという意味。)、その原版から上記した適宜な剥離性フィルムへ第一のスクラッチ隠蔽層を転移させる方法も、ホログラムレリーフ面の「光学的な鏡面」性を維持することで、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させるために好適である。
(第一隠ぺい層、第二隠ぺい層、第一のスクラッチ隠蔽層、及び、第二のスクラッチ隠蔽層)
本発明の隠ぺいホログラムシートH0は、第一隠ぺい層H1、ホログラム層H2、及び、第二隠ぺい層H3からなる3層積層体であり(図1参照。)、且つ、第一隠ぺい層H1、または、第二隠ぺい層H3は、ホログラム層H2から、物理的に剥離することが可能であって、その物理的な剥離後のホログラム層H2の空気中に露出する最表面が、「光学的な鏡面」となっているものである。(「物理的に剥離」する図、及び、露出した最表面が「光学的な鏡面」となっている図は、示していない。)
このホログラム層H2には、レリーフホログラム形成層2(図2〜図4参照。図2〜図4において、ホログラム層H2は、レリーフホログラム形成層2を例示している。)、または、体積ホログラム形成層(図示せず。層構成図としては、図1と同様の構成となり、この意味において、「体積ホログラム形成層」は、図1中の「H2」と同様の位置づけとなる。)を用いることができる。
樹脂材料中にその樹脂の屈折率とは異なる屈折率を有する「別の樹脂」を「紛体」状として分散させた材料(「別の樹脂」の混入割合=10〜30%。「紛体」の大きさ=1.0〜10μm。)、
樹脂材料とは相溶性の低い「別の樹脂」を適宜な溶剤にて相溶させた後その溶剤を徐々に蒸発させて「別の樹脂」をその樹脂材料内に「微結晶状として析出」させた材料(析出する「別の樹脂」の混入割合=10〜30%。「微結晶樹脂」の大きさ=1.0〜0.1μmである。)、
さらには、樹脂材料中に多数の気泡(空洞を意味する)を有する材料(空洞の大きさは、最大直径で、1.0μm以上であって、「第一隠ぺい層H1、もしくは、第二隠ぺい層H3の厚さの1/3以下程度である。)などを用いることができる。
第一隠ぺい層H1、または、第二隠ぺい層H3が、「フィルム状」である場合には、ホログラム層H2に対するラミネーション方式や、平板プレス圧着方式等を用いることができるが、特には、ホログラム層H2の二つの最表面の「光学的な鏡面」性を維持するため、低溶解性、且つ、高揮発性の溶媒をその界面に含め、ゴム状ローラーでラミネートしつつ、その溶媒を排出して、その界面を「真空」状態とする方式が最も好ましい。
スクラッチ隠蔽層1または4は、爪やコイン等を用いて、容易に、「物理的な剥離」をすることができ、特に好ましい。
以下に、本発明の隠ぺいホログラムシートH0において、「隠ぺい層H1またはH3」を「スクラッチ隠蔽層1または4」とし、且つ、「ホログラム層H2」を「レリーフホログラム形成層2」とした、本発明の隠ぺいホログラムシートH、H´もしくは、H´´(以下、H〜H´´ともいう。)につき、詳述する。(図2〜図4参照。)
この隠ぺいホログラムシートH〜H´´のスクラッチ隠蔽層1または4に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独あるいは共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミドや、ポリイミド等を挙げることができる。また、スクラッチオフ性を満足する範囲でこれらの樹脂に硬化剤等を混合して、擦れ等によるスクラッチ隠蔽層1または4の表面の不要な剥離や、剥がれを防止してもよい。(図2〜図4参照。)
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層1または4用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、レリーフホログラム形成層2の上にスクラッチ隠蔽層1または4を設ける手順とする場合に、そのレリーフホログラム形成層2の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
そして、スクラッチ隠蔽層1または4の上に、もしくは、スクラッチ隠蔽層1または4及びそれらの地紋印刷9の上に、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、これらの共重合体さらには電離放射線硬化樹脂等の保護層を、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、インクジェット方式で、1〜3μm厚さに形成して、「秘密情報」H4の隠蔽をさらに強化してもよい。(「秘密情報」H4は、本発明の隠ぺいホログラムシートH0において、第一隠ぺい層H1とホログラム層H2との間、第二隠ぺい層H3とホログラム層H2との間、及び/または、ホログラム層H2の内部に設ける。図1において、「秘密情報」H4を、第一隠ぺい層H1とホログラム層H2との間に設けた例を図示している。図2〜図4においても同様。)
(ホログラム層、レリーフホログラム形成層、ホログラムレリーフ、体積ホログラム形成層、及び秘密情報)
本発明の隠ぺいホログラムシートH0のホログラム層H2には、レリーフホログラム形成層2、または、体積ホログラム形成層を用いる。(図1及び図2〜図4参照。体積ホログラム形成層は図示せず。)
ホログラム層H2の第一隠ぺい層H1と接する面が、第一面であって、ホログラム層H2に記録されたホログラムの内、この第一面を通過して視認されるホログラム再生像が、第一ホログラム再生像であって、その記録されているホログラムが、第一ホログラムとなる。また、ホログラム層H2の第二隠ぺい層H3と接する面が、第二面であって、ホログラム層H2に記録されたホログラムの内、この第二面を通過して視認されるホログラム再生像が、第二ホログラム再生像であって、その記録されているホログラムが、第二ホログラムとなる。(図示せず。)
そして、ホログラム層H2の第一面上、及び/または、第二面上に「秘密情報」H4を設ける。(図1参照。図1には、ホログラム層H2の第一面上、すなわち、第一隠ぺい層H1とホログラム層H2との間に、「秘密情報」H4を設けた例を図示している。)
このとき、「秘密情報」H4を設ける手順として、ホログラム層H2の第一面、もしくは、第二面に、直接、「秘密情報」H4を設ける手順としてもよいし、または、あらかじめ、第一隠ぺいH1や、第二隠ぺい層H3上に、「秘密情報」H4を設けておき、その「秘密情報」H4を間に挟みこむように、ホログラム層H2を設ける手順としてもよい。
そして、上記した体積ホログラム形成層には、上記した第一ホログラムや第二ホログラムとして、「透過型ホログラム」や「反射型ホログラム」を記録することができる。(これらのホログラムは「体積ホログラム」ともいう。)
これらのホログラム、すなわち、「体積ホログラム」を記録(形成)する、体積ホログラム形成層には、銀塩写真乳剤、重クロム酸ゼラチン、フォトレジスト、フォトポリマー材料、無機材料からなるフォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料等及び、それらの材料からなるフィルムを用い、上記した形成手段を用いて、5.0〜50μm、特には、10〜30μmの厚さで設ける。
本発明における隠ぺいホログラムシートH0の「第一隠ぺい層H1」または「第二隠ぺい層H3」には、以下に説明する第一のスクラッチ隠蔽層1または第二のスクラッチ隠蔽層4(「スクラッチ隠蔽層1または4」。)を採用し、「ホログラム層H2」には、レリーフホログラム形成層2を採用し、且つ、そのレリーフホログラム形成層2の一方面にホログラムレリーフ3を形成した例を詳述する。(図1及び図2〜図4参照。図2〜図4において、「ホログラム層H2」は、「レリーフホログラム形成層2」を例示している。)
もちろん、レリーフホログラム形成層2の両面にそれぞれ異なるデザイン、もしくは、同一デザインのホログラムレリーフを設けることもその意匠性や偽造防止性を高める効果があり好ましい。(図示せず。)
本発明の隠ぺいホログラムシートH〜H´´のレリーフホログラム形成層2を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、フェノール樹脂(n=1.60)、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等が挙げられる。(図2〜図4参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ3となる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3。)として使用できる。
(反射性薄膜層)
本発明の隠ぺいホログラムシートH´のレリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3に接して、且つ、追従するように反射性薄膜層5を形成する。この反射性薄膜層5は、入射した光を反射する必要があるため、レリーフホログラム形成層2よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。(図3参照。)
反射性薄膜層5としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層の場合には、「秘密情報」8を視認可能とする目的で、金属光沢反射層の「秘密情報」8に該当する領域を開口部とした「部分形成」としてもよく、透明反射層の場合は、「全面形成」であっても、「部分形成」としてもよい。
(粘着層)
粘着層としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
粘着層の粘着力は、レリーフホログラム形成層2、もしくは、反射性薄膜層5と粘着層との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm幅の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
いずれの場合も、目視では、本発明の隠ぺいホログラムシートHで覆われた「秘密情報」8を、視認することはできず、また、これらの外観からは、その隠ぺいホログラムシートHの中にレリーフホログラム形成層2が存在することはとても知り得ない状態であった。
そして、本発明の隠ぺいホログラムシートHの第一のスクラッチ隠蔽層1、もしくは、地紋印刷9と第一のスクラッチ隠蔽層1を、コインを用いて部分的に削り取ると、その削り取った領域から、レリーフホログラム形成層2によるホログラム再生像及び「秘密情報」H4を同時に視認でき、さらに、レリーフホログラム形成層2及び第二のスクラッチ隠蔽層4を、同様に、コインを用いて部分的に削り取ると、その削り取った領域から、その下に隠れていた「秘密情報」8を視認することができた。
(実施例1)
表面をフッ素樹脂にて離形処理し、且つ、粗面化処理を施した38μm厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシート(表面粗さを3μm〜10μmとした剥離性フィルム。)上に、下記組成の第一隠蔽層H1用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、乾燥条件を「低温乾燥」として、第一隠蔽層H1に「白化処理」を施しつつ、乾燥後の厚さ30μmの「隠ぺい性」性を有する第一隠蔽層H1を形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<第一隠蔽層H1用インキ組成物>
塩化ビニルー酢酸ビニル樹脂 20部
アクリル樹脂 10部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
メチルエチルケトン 5部
トルエン 5部
エチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 10部
酢酸エチル 30部
第3級アミン 1部
ブチルセルソルブ 10部
次いで、この第一隠蔽層H1上に、表面平滑性の高い(平均表面粗さRaが0.1μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、第一隠蔽層H1の表面を平滑とした。(この表面が「光学的な鏡面」となる。)
ここで、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上に、膜厚20μmのフォトポリマー層(ホログラム層H2となる層。)、及び、保護フィルムとして、厚さ23μmポリエチレンテレフタレートフイルムが積層されたフォトポリマーシート(デュポン社製「HRF705」)を用い、反射型ホログラムとして、クリプトンレーザー(発光波長647nm)を光源とし、所定の反射型ホログラム撮影光学系(図示せず。)を用いて、10mm×30mmサイズの「絵画モチーフ1」を反射型ホログラムとして、その結像位置を、記録面から2mm後方の位置として撮影し、且つ、所定の透過型ホログラム撮影光学系(図示せず。)を用いて、10mm×30mmサイズの「絵画モチーフ2」を透過型ホログラムとして、その結像位置を、記録面から5mm後方の位置として重ねて(多重露光を意味する。)に撮影した。
そして、そのホログラム層H2上に、下記組成の第二隠蔽層H3用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、乾燥条件を「低温乾燥」として、第二隠蔽層H3に「白化処理」を施しつつ、乾燥後の厚さ30μmの「隠ぺい性」性を有する第二隠蔽層H3を形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<第二隠蔽層H4用インキ組成物>
塩化ビニルー酢酸ビニル樹脂 20部
アクリル樹脂 10部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
トルエン 5部
エチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 25部
酢酸エチル 20部
第3級アミン 1部
ブチルセルソルブ 10部
さらに、この第一隠蔽層H1、ホログラム層H2、及び第二隠蔽層H3の3層積層体を、表面平滑性の高い平板プレス用のステンレス金属平板(平均表面粗さRaが0.1μm。)を用いて、60℃の加熱、107Paの平圧にて平板プレス処理を施して、ホログラム層H2の第一隠蔽層H1及び第二隠蔽層H3との界面、すなわち、ホログラム層H2の2つの最表面を「光学的な鏡面」として仕上げ、この第一隠蔽層H1、ホログラム層H2、及び第二隠蔽層H3の積層物を、タテ20mm×横50mmのサイズにカットし、剥離性フィルムから剥離して、本発明の実施例1の隠ぺいホログラムシートH0(「秘密情報」H4は設けていない。以下、本実施例において同様。)を得た。(図1参照。図1において、「秘密情報」H4を設けていない層構成となる。以下、本実施例において同様。)
この隠ぺいホログラムシートH0を観察すると、表裏とも「乳白色」を呈しており、「単なる乳白色のシート」として観察できるのみであり、その中に形成されている、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。
(実施例2)
実施例1において、第一隠ぺい層H1上の所定の位置に、インクジェットプリンターにて、「秘密情報」H4として、「ホログラム」の文字(各文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mm。)を印字した後、カレンダー処理を施して、「秘密情報」H4を含む、第一隠蔽層H1の表面を平滑とした(この「秘密情報」H4を含む、第一隠蔽層H1の表面が「光学的な鏡面」となる。)こと、以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2の隠ぺいホログラムシートH0を得た。(図1参照。)
この実施例2の隠ぺいホログラムシートH0を、実施例1と同様に評価したところ、第一隠蔽層H1の削れた部分から、「秘密情報」H4と同時に、ホログラム層H2による反射型の鮮明なホログラム再生像「絵画モチーフ1」を視認でき、且つ、その第一隠蔽層H1の削れた部分に対応する第二隠蔽層H3の削れた部分から、その「秘密情報」H4と同時に、ホログラム層H2による、反射型及び透過型の鮮明なホログラム再生像「『絵画モチーフ1』及び『絵画モチーフ2』」を視認できたこと以外は、実施例1と同様の意外性、高い意匠性、及び、高度な偽造防止性を確認できた。
(実施例3)
表面をフッ素樹脂にて離形処理し、且つ、粗面化処理を施した38μm厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシート(表面粗さを3μm〜10μmとした剥離性フィルム。)上に、下記組成の第一のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、第一のスクラッチ隠蔽層1を30μmの厚さで形成した。(図2参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<第一のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
次いで、この第一のスクラッチ隠蔽層1上に、表面平滑性の高い(平均表面粗さRaが0.1μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、第一のスクラッチ隠蔽層1の表面を平滑とし(この表面が「光学的な鏡面」となる。)、その上に、下記組成のレリーフホログラム形成層2用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、レリーフホログラム形成層2を10μmの厚さで形成した。(図2参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
メラミン樹脂 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 10部
ブチルセルソルブ 20部
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したレリーフホログラム形成層2に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度10m/分)にて、ホログラムレリーフ3(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層2上に形成した。(図2参照。剥離性フィルムは図示せず。)
そして、そのレリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3面上に、下記組成の第二のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、第二のスクラッチ隠蔽層4を30μmの厚さで形成した。(図2参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<第二のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 5部
酢酸エチル 10部
ブチルセルソルブ
さらに、この第一のスクラッチ隠蔽層1、レリーフホログラム形成層2、及び第二のスクラッチ隠蔽層4の3層積層体を、表面平滑性の高い平板プレス用のステンレス金属平板(平均表面粗さRaが0.1μm。)を用いて、100℃の加熱、109Paの平圧にて平板プレス処理を施して、レリーフホログラム形成層2の第一のスクラッチ隠蔽層1及び第二のスクラッチ隠蔽層4との界面、すなわち、レリーフホログラム形成層2の2つの最表面を「光学的な鏡面」として仕上げ、本発明の第3実施例の隠ぺいホログラムシートH(「秘密情報」H4は設けていない。以下、本実施例において同様。)を得た。(図2参照。図2において、「秘密情報」H4を設けていない層構成となる。以下、本実施例において同様。)
この第一のスクラッチ隠蔽層1、レリーフホログラム形成層2、及び第二のスクラッチ隠蔽層4の積層物を、タテ10mm×横30mmのサイズにカットし、剥離性フィルムから剥離して、本発明の第3実施例の隠ぺいホログラムシートHを得た。(図2参照。)
この隠ぺいホログラムシートHを観察すると、表裏とも「銀色」を呈しており、「単なる銀色のシート」として観察できるのみであり、その中に形成されている、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。
(実施例4)
スクラッチカード6の基材7として、厚さ188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートシート(カードサイズ)に、所定のデザインをオフセット印刷にて施し、(図5参照。)、インクジェットプリンターにて、基材7の所定の領域に、「別の『秘密情報』」8として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mm。)を印字した。
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
次いで、このスクラッチ隠蔽層1上に、表面平滑性の高い(平均表面粗さRaが0.1μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、スクラッチ隠蔽層1の表面を平滑とし、その上に、下記組成のレリーフホログラム形成層2用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、レリーフホログラム形成層2を10μmの厚さで形成した。(図2参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
メラミン樹脂 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したレリーフホログラム形成層2に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度10m/分)にて、ホログラムレリーフ3(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層2上に形成した。(図2参照。剥離性フィルムは図示せず。)
そして、そのレリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3面上に、下記組成の第二のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、第二のスクラッチ隠蔽層4を30μmの厚さで形成した。(図2参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<第二のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 5部
酢酸エチル 10部
ブチルセルソルブ
さらに、この第一のスクラッチ隠蔽層1、レリーフホログラム形成層2、及び第二のスクラッチ隠蔽層4の3層積層体を、表面平滑性の高い平板プレス用のステンレス金属平板(平均表面粗さRaが0.1μm。)を用いて、100℃の加熱、109Paの平圧にて平板プレス処理を施して、レリーフホログラム形成層2の第一のスクラッチ隠蔽層1及び第二のスクラッチ隠蔽層4との界面、すなわち、レリーフホログラム形成層2の2つの最表面を「光学的な鏡面」として仕上げ、本発明の実施例4の隠ぺいホログラムシートH(「秘密情報」H4は設けていない。以下、本実施例において同様。)を得た。(図2参照。図2において、「秘密情報」H4を設けていない層構成となる。以下、本実施例において同様。)
そして、この実施例4のホログラムシートHの、第二のスクラッチ隠蔽層4上に、下記組成の粘着層用粘着剤組成物をステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、粘着層を30μmの厚さで形成した。(図示せず。)
・<粘着層用粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
トルエン 10部
イソプロピルアルコール 20部
酢酸ビニル 30部
エチルセルソルブ 10部
この第一のスクラッチ隠蔽層1、レリーフホログラム形成層2、第二のスクラッチ隠蔽層4及び粘着層の積層物を、タテ10mm×横30mmのサイズにカットし、剥離性フィルムから剥離して、本発明の実施例4の粘着層付き隠ぺいホログラムシートHを得た。(図2参照。粘着層は図示していない。また、「秘密情報」HAは設けていない。)
この粘着層付き隠ぺいホログラムシートHを、最初に準備してあった、スクラッチカード6の基材7上の所定の位置に、その基材7上に印字してある「秘密情報」8を覆うように、貼着したところ、スクラッチカード6上にて、「銀色のラベル」を観察できるのみであり、その下、及びその中に形成されている、「秘密情報」8や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図5参照。)
次いで、このスクラッチカード6上の「銀色のラベル」をコインで引っ掻くと、スクラッチ隠蔽層1が部分的に削れ、その削れた部分から、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」が出現し、さらに、このレリーフホログラム形成層2及び第二のスクラッチ隠蔽層4を、コインで引っ掻き、レリーフホログラム形成層2及び第二のスクラッチ隠蔽層4を部分的に削ると、その削れた部分から、「秘密情報」8を視認でき、この「銀色のラベル」及び、この「ラベル」を貼着したスクラッチカード6を偽造することは、困難と思われた。(この評価状況は図示せず。)
(実施例5)
実施例4において、第一のスクラッチ隠蔽層1上の所定の位置に、インクジェットプリンターにて、「秘密情報」H4として、「ホログラム」の文字(各文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mm。)を印字した後、カレンダー処理を施して、「秘密情報」H4を含む、第一隠蔽層H1の表面を平滑とした(この「秘密情報」H4を含む、第一隠蔽層H1の表面が「光学的な鏡面」となる。)こと、以外は、実施例4と同様にして、本発明の実施例5の粘着層付き隠ぺいホログラムシートHを得た。(図2参照。粘着層は図示していない。)
この実施例5の粘着層付き隠ぺいホログラムシートHを、実施例4と同様に評価したところ、第一のスクラッチ隠蔽層1の削れた部分から、「秘密情報」H4と同時に、レリーフホログラム形成層2による反射型の鮮明なレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」を視認でき、且つ、その第一のスクラッチ隠蔽層1の削れた部分に対応する第二のスクラッチ隠蔽層4の削れた部分から、その「秘密情報」H4と同時に、ホログラム層H2による、透過型の鮮明なレリーフホログラム再生像「『先のホログラムに対して鏡像関係にある』ホログラム」を視認できたこと以外は、実施例4と同様の意外性、高い意匠性、及び、高度な偽造防止性を確認できた。(この評価状況は図示せず。)
(実施例6)
実施例3のホログラムレリーフ3面上に、電子線加熱式真空蒸着機を使用して、TiOx薄膜を、200nmの厚さで形成して、反射性薄膜層5とし、その反射性薄膜層5の上に、粘着層を設けたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例6の隠ぺいホログラムシートH´を得た。(図3及び、図5参照。図3において、「秘密情報」H4は設けていない。以下、本実施例において同様。)
この実施例6の隠ぺいホログラムシートH´を実施例3と同様に評価したところ、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」がより鮮明に出現し(図示せず。)、このシートを偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例3と同様の良好な結果を得た。
実施例4の第一のスクラッチ隠蔽層1のレリーフホログラム形成層2と接している面とは反対の面に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷9を設けた。(この印刷面は、剥離性フィルムと接していた面であり、剥離フィルムを剥離後に形成した。)こと以外は、実施例4と同様にして、実施例7の隠ぺいホログラムシートHを得た。(図2、図5及び図7参照)
このスクラッチカード6上の隠ぺいホログラムシートHを実施例4と同様に評価したところ、地紋印刷9が独特の風合いを呈して金色に観察されたこと、及び、コインでスクラッチしたところ、地紋印刷9と第一のスクラッチ隠蔽層1が同時に削れ、このシートの偽造が、より困難と思われたこと以外は、実施例4と同様の良好な結果を得た。(評価状況は図示せず。)
(実施例8)
実施例5において、剥離フィルムを用いずに、透明基材として、厚さ16μmの透明ポリエチレンテレフタレートシートを用い(図示せず。)、その一方の面に、第一のスクラッチ隠蔽層1を同様の方法、及び、同様の厚さで形成し、その他方の面に、レリーフホログラム形成層2をやはり同様の方法、同様の厚さで形成後、同様のホログラム複製方法でその表面にホログラムレリーフ3を形成し、そのホログラムレリーフ3面上に、第二のスクラッチ隠蔽層4を同様の方法、及び、同様の厚さで形成し、さらに、その上に、粘着層を同様の方法、同様の厚さで形成したこと以外は、実施例5と同様にして、実施例8の粘着層付き隠ぺいホログラムシートを得た。(この構成の隠ぺいホログラムシートは図示せず。隠ぺいホログラムシートをスクラッチカード6に貼着した状態は、図5参照。)
このスクラッチカード6上の隠ぺいホログラムシートを実施例5と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、第一のスクラッチ隠蔽層1が、その透明基材面から削り残渣が残らずきれいに除去でき、スクラッチオフが安定して実施できると思われたこと、及び、そのため、出現したホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例5と同様の良好な結果を得た。(評価状況は図示せず。)
(実施例9)
実施例5において、第一のスクラッチ隠蔽層1を、表面平滑性の非常に高い(平均表面粗さRaが0.01μm。)厚さ11μmの透明ポリエチレンテレフタレートシート上に仮形成した後、剥離性フィルム上に転写して、剥離性フィルム上の第一のスクラッチ隠蔽層1の露出している面の平均表面粗さRaを0.01μmとし、その露出面に、Ni原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度200℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力10000kg/m、複製速度2m/分)にて、ホログラムレリーフ3(Ni原版のレリーフ形状)を第一のスクラッチ隠蔽層1上に形成し、そのホログラムレリーフ3面上に、レリーフホログラム形成層2を同様の方式で同様の厚さで設け、そのレリーフホログラム形成層2上に、第二のスクラッチ隠蔽層4及び粘着層をやはり、同様の方式で同様の厚さで設けたこと以外は、実施例5と同様にして、実施例9の粘着層付き隠ぺいホログラムシートH´´を得た。(図4及び図5参照。図4において、粘着層は図示していない。)
このスクラッチカード6上の隠ぺいホログラムシートH´´を実施例5と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、ホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となって出現するとともに、ホログラムレリーフ3面が露出しており、この「ラベル」を偽造することは、到底、困難と思われたこと以外は、実施例5と同様の良好な結果を得た。(評価状況は図示せず。)
(実施例10)
実施例5において、下記組成の第一のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物及び第二のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、第一のスクラッチ隠蔽層1及び第二のスクラッチ隠蔽層4を形成したこと以外は、実施例5と同様にして、実施例10の粘着層付き隠ぺいホログラムシートHを得た。(図2参照。図2において、粘着層は図示していない。)
<第一のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
<第二のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 3部
酢酸エチル 10部
エチルセルソルブ 2部
ブチルセルソルブ 5部
このスクラッチカード6上の隠ぺいホログラムシートHを実施例5と同様に評価し、さらに、その隠ぺいホログラムシートHを剥がそうとしたところ、実施例5と同様の良好な結果に加え、第一のスクラッチ隠蔽層1のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」が発生したことから(さらに確認すると、第二のスクラッチ隠蔽層4にもやはり「剥離痕」が生じていた。)、この「ラベル」の偽造が非常に困難であると思われた。(評価方法は図示せず。)
(比較例)
実施例5において、レリーフホログラム形成層2を設けず、隠ぺいラベル(スクラッチラベル)を形成したこと以外は、実施例5と同様にして比較例の隠ぺいラベル(スクラッチラベル)を得た。
H4 「秘密情報」
H1または、1 第一のスクラッチ隠蔽層
H2または、2 レリーフホログラム形成層
3 レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ
H3または、4 第二のスクラッチ隠蔽層
5 反射性薄膜層
6 スクラッチカード
7 基材
8 別の「秘密情報」
9 地紋印刷
Claims (5)
- 第一隠ぺい層、ホログラム層、及び第二隠ぺい層からなる隠ぺいホログラムシートであって、
前記ホログラム層には、前記ホログラム層が前記第一隠ぺい層と接している第一面を通して第一ホログラム再生像を視認できる第一ホログラム、及び前記ホログラム層が前記第二隠ぺい層と接している第二面を通して第二ホログラム再生像を視認できる第二ホログラムが記録されており、前記第一隠ぺい層を物理的に剥離することによって、前記第一ホログラム再生像が視認可能になり、前記第二隠ぺい層を物理的に剥離することによって、前記第二ホログラム再生像が視認可能になることを特徴とする隠ぺいホログラムシート。 - 第一隠ぺい層、レリーフホログラム層、第二隠ぺい層及び粘着層からなる隠ぺいホログラムシートであって、
前記レリーフホログラム層には、前記レリーフホログラム層が前記第一隠ぺい層と接している第一面を通して再生像を視認できるレリーフホログラムが記録されており、当該ホログラムシートをスクラッチカード基材の上の秘密情報を覆うように、前記粘着層により貼着した後、第一隠ぺい層を物理的に剥離することによって、前記レリーフホログラム再生像が視認可能になり、さらにレリーフホログラム形成層及び前記第二隠ぺい層を物理的に剥離することによって、スクラッチカード基材上の秘密情報が視認可能になることを特徴とする隠ぺいホログラムシート。 - 前記第一隠ぺい層及び前記第二隠ぺい層の少なくともいずれか一方が、スクラッチ隠蔽層であることを特徴とする請求項1または2に記載の隠ぺいホログラムシート。
- 前記ホログラム層が、レリーフホログラム形成層、または、体積ホログラム形成層であることを特徴とする請求項1記載の隠ぺいホログラムシート。
- 前記ホログラム層の前記第一面上、及び/又は、前記第二面上に、秘密情報が形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の隠ぺいホログラムシート。
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