JP6171477B2 - スクラッチ転写シート - Google Patents
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Description
また、本発明において、「高屈折率透明樹脂層」とは、「高い屈折率を持つ透明な樹脂層」を意味し、ここでは、屈折率nが1.7を超える透明な樹脂層をいう。
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ケームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目どの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層と基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
本発明のスクラッチ転写シートの第1の態様は、
転写用基材、スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、及び転写後に透明化する白化処理がされた接着層がこの順序で構成されたスクラッチ転写シートであって、基材上に設けられた秘密情報の上に転写されて、前記秘密情報を隠蔽し、前記転写用基材の剥離後、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするものである。
転写用基材、スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、及び転写後に透明化する白化処理がされた接着層がこの順序で構成されたスクラッチ転写シートであって、基材上に設けられた秘密情報の上に転写されて、前記秘密情報を隠蔽し、前記転写用基材の剥離後、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチ転写シートを提供することができ、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、そのホログラムの存在を確認できるという高い偽造防止性と、スクラッチ後には、隠蔽した秘密情報とその鮮明なホログラムデザインを重ねて視認できるという高い意匠性、さらには、そのホログラムが存在するか否かを目視によって判定するという真正性判定の簡易性をも併せ持つスクラッチ転写シートを提供することができる。
本発明のスクラッチ転写シートの第2の態様は、
前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とするものである。
前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とする第1の態様のスクラッチ転写シートを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチ転写シートを提供することができる。
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする第1の態様または第2の態様のスクラッチ転写シートを提供することができ、スクラッチ隠蔽層の変造を防止し、より偽造防止性を高めたスクラッチ転写シートを提供することができる。
前記スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間に、透明基材が設けられていることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間に、透明基材が設けられていることを特徴とする第1から第3の態様のスクラッチ転写シートを提供することができ、より安定したスクラッチを可能とするスクラッチ転写シートを提供することができる。
前記接着層が高屈折率透明樹脂層であって、前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とするものである。
前記接着層が高屈折率透明樹脂層であって、前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とする第1から第4の態様のスクラッチ転写シートを提供することができ、さらに鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチ転写シートを提供することができる。
前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記接着層と接している面とは反対側に設けられていることを特徴とするものである。
前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記接着層と接している面とは反対側に設けられていることを特徴とする第1から第5の態様のスクラッチ転写シートを提供することができ、ホログラムレリーフ面をスクラッチにより引っ掻かれる面とすることにより、ホログラム層に対して高度なスクラッチ耐性を要求して、同一の機能を持つホログラム層の偽造を困難とし、その偽造防止性をさらに高めたスクラッチ転写シートを提供することができる。
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする第1から第6の態様のスクラッチ転写シートを提供することができ、スクラッチ転写シートを剥がそうとすると、スクラッチ隠蔽層にその剥離痕が残り、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチ転写シートを提供する。
前記接着層が、前記白化処理に起因して、前記転写の前においては不透明であって、100℃〜200℃の加熱、及び/または1g/mm 2 〜100g/mm 2 の加圧条件で転写後には透明となることを特徴とするものである。
前記接着層が、前記白化処理に起因して、前記転写の前においては不透明であって、100℃〜200℃の加熱、及び/または1g/mm 2 〜100g/mm 2 の加圧条件で転写後には透明となることを特徴とする第1から第7の態様のスクラッチ転写シートを提供することができ、転写シートの状態、及び、転写後の状態においても、ホログラムの存在を秘匿可能とし、非常に高い偽造防止性を有するスクラッチ転写シートを提供する。
本発明のスクラッチ転写シートが秘匿する「秘密情報」としては、暗証番号、個人認証番号、口座番号、その他の個人特有の番号または記号や、抽選番号または記号、管理番号または記号等、もしくは、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であってスクラッチカード等の基材を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を意味する。もちろん、スクラッチカード等のシステム設計者や、スクラッチカード発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は物理的に見ることができないよう設定される番号または記号等がある。
しかし、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面(スクラッチ転写シート転写後、その転写用基材を剥がした際の最表面)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。このため、転写用基材等の上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面を「光学的な鏡面」とする。
レリーフホログラム形成層は、スクラッチ隠蔽層を溶解しない溶剤を用いて、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、1.0μm〜50μm、さらには3.0μm〜20μmの厚さで形成する。
この厚さが、その盛り上がり高さの2.0倍未満であると、その吸収性が不十分となり、5.0倍を超えると、不必要な厚さとなり、やはり、スクラッチ転写シートの総厚さに悪影響を与えることとなる。
この転写用基材の上に設けたスクラッチ隠蔽層の露出面は、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との界面であるホログラムレリーフ面となり、且つ、スクラッチ転写シートを構成して「スクラッチカード等の基材」に転写後に、転写用基材を剥離し、スクラッチ隠蔽層を部分的にスクラッチオフした際には、そのスクラッチ隠蔽層が除去された領域において、「秘密情報」、及び、ホログラムレリーフ面によるレリーフホログラム再生像を視認することとなるため、それらの視認性を確実なものとすることを目的として、そのスクラッチ隠蔽層の露出面を、いわゆる「光学的な鏡面」とすることが求められる。
すなわち、このような構成における、スクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面は、既に説明した「『スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との平面状の界面』を『光学的な鏡面』」とする場合よりも、「さらに高い精度での『光学的な鏡面』」とする必要がある。
このため、転写用基材等の上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、150〜250℃の加熱、及び、108〜1011Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して5.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接する面を「さらに高い精度での『光学的な鏡面』」とする。
この際、スクラッチ隠蔽層のスクラッチ適正を維持するために、原版を透明な材料とし、その電離放射線を原版側から照射して、スクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面のみを重点的に硬化させる。(スクラッチ隠蔽層内の顔料等による電離放射線の遮蔽効果を利用して、照射側の表面の硬化度を高め、裏面側の硬化度を低めとするという意味。)
そして、この場合における、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面は、スクラッチ隠蔽層をスクラッチオフする際の、コインや爪が引っ掻く面となるため、このスクラッチオフによっても、そのホログラムレリーフ面に、その面形状の不要な変形や、その面の性質の不要な変質、もしくは、劣化を招かないように、レリーフホログラム形成層中に、シリコン樹脂、シリコンオイル、またはフッ素樹脂等の離型性付与剤を10〜30%含めることが好適である。しかも、スクラッチオフした後は、このホログラムレリーフ面と空気(屈折率n=1.0)との屈折率差により、この面での反射光がレリーフホログラム再生像を出現させるため、その面の背後となるレリーフホログラム形成層に対する光学的透明性の要求は緩和され、光学的透明性の低下を招くような「離形性付与剤」や、「屈折率の高い顔料」を、さらに多く、例えば、30%〜60%添加とすることも可能である。
このため、そのインキ組成物に、粒子径の大きい顔料群と、微粒子顔料群の比率を、10対1〜10対5として配合することで、スクラッチ隠蔽層の塑性変形をし易くすることはこの手順においても好ましいものとなる。
また、この構成において、スクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が設けられている場合には、スクラッチを行う爪やコイン等が、直接、この反射性薄膜層の面を引っ掻くこととなるため、この反射性薄膜層の物理的強度は高いことが望ましく、そのため、真空薄膜法における材料加熱温度を通常の1.5〜2.0倍としたり、電子線加熱蒸着方式、マグネトロンスパッタ方式や、ECR(電子サイクロトロン共鳴)方式を用いたり、メッキ等の湿式法を用いて、反射性薄膜層内の金属結合や化合物結合をより強いものとする。さらに、上記した「反射性薄膜層の厚さ」を、非常に厚く、1.0μm〜10.0μmとすることでもその目的を達成することができる。
また、接着層用インキ組成物として、上記した樹脂を用い、その樹脂に対して、セルソルブ系溶剤、第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の、比較的沸点が高く(沸点が、100℃以上、好ましくは、150℃以上。)、且つ、極性の大きいもの(アルコール類の極性より大きいもの。)を、0.1%〜5.0%添加し、且つ、接着層形成時の乾燥条件を冷風乾燥等の低温にて行うことにより、接着層に対して、「白化処理(ブラッシング処理、もしくは、白濁化処理ともいう。)」を施すことも好適である。
(転写用基材、スクラッチ隠蔽層、地紋印刷、及び透明基材)
本発明のスクラッチ転写シートH、H´もしくは、H´´(以下、H〜H´´ともいう。)の転写用基材1としては、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、スクラッチ転写シートH〜H´´を製造する際の処理や加工に適した耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましく、さらに、スクラッチ隠蔽層2との剥離性を有するもの(転写用基材1を容易に剥離することができるという意味。)とする。(図1〜図3参照。)
使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層2用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、レリーフホログラム形成層3の上にスクラッチ隠蔽層2を設ける手順とする場合に、そのレリーフホログラム形成層3の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
もちろん、スクラッチ転写シートH〜H´´を形成した後の、そのスクラッチ隠蔽層2上に改めて、同様の印刷方式を用いて地紋印刷10を設けてもよい。
さらに、スクラッチ隠蔽層2の上に、または、スクラッチ隠蔽層2及び地紋印刷10の上に、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、これらの共重合体さらには電離放射線硬化樹脂等の保護層を、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、インクジェット方式で、1〜3μm厚さに形成して、「秘密情報」9の隠蔽をさらに強化してもよい。(図示せず。)
また、スクラッチ隠蔽層2に熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を添加して、その面に、より精密なホログラムレリーフ4を形成する場合には、型面に未硬化のスクラッチ隠蔽層2用インキ組成物を設けて型面に密着させたまま、原版からの加熱もしくは原版(電離放射線に対する透明性を付与してある。)からの電離放射線照射により、スクラッチ隠蔽層2用インキ組成物の硬化を行わせ、十分に硬化させた後に、型面からスクラッチ隠蔽層2の面を剥離することによって、硬化したスクラッチ隠蔽層2の面に、レリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ4となる。
(レリーフホログラム形成層、及び、ホログラムレリーフ)
本発明のスクラッチ転写シートH〜H´´のレリーフホログラム形成層3を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、フェノール樹脂(n=1.60)、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等が挙げられる。(図1〜図3参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ4となる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4。)として使用できる。
(反射性薄膜層)
本発明のスクラッチ転写シートH〜H´´のレリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4、もしくは、スクラッチ隠蔽層2のホログラムレリーフ4に、接して、且つ、追従するように反射性薄膜層6を形成する。この反射性薄膜層6は、入射した光を反射する必要があるため、レリーフホログラム形成層2の屈折率よりも大きい屈折率を有する薄膜層、もしくは、空気の屈折率(n=1.0)より大きい屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。(図1〜図3参照。以下、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4上に設ける場合につき、説明する。)
反射性薄膜層6としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、ラベル転写後にそのラベルに覆われた被転写体上の画像などがホログラムを通して観察できるので好ましい。
(接着層)
接着層5としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ等。)等を用いることができる。
接着層5の接着力は、レリーフホログラム形成層3、もしくは、反射性薄膜層6と接着層5との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
この場合、接着層5である高屈折率樹脂層の屈折率を、レリーフホログラム形成層3の屈折率よりも、0.3以上大きくなるように設計する。さらには、その屈折率差が0.5〜1.0となるようにする。
この際、基材8上の所定の位置に、「秘密情報」9として、連続数字1〜8が印字されており(図5参照。図5には、その所定の位置を示す枠が便宜上表示されている。)、その「秘密情報」9を覆うように、本発明のスクラッチ転写シートHが転写されている。
いずれの場合も、目視では、本発明のスクラッチ転写シートHで覆われた「秘密情報」9を、視認することはできず、また、これらの外観からは、そのスクラッチ転写シートHの中にレリーフホログラム形成層3が存在することはとても知り得ない状態であった。
(実施例1)
スクラッチカード7の基材8として、厚さ188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートシート(カードサイズ)に、所定のデザインをオフセット印刷にて施し、(図4(a)、(b)参照。)、インクジェットプリンターにて、基材8の所定の領域に、「秘密情報」9として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mmm。)を印字した。(図5参照。)
これとは別に、転写用基材1として、表面をフッ素樹脂にて離型処理した38μm厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシートを用い、その離型処理面上に、下記組成のスクラッチ隠蔽層2用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層2を30μmの厚さで形成した。(図1参照。)
<スクラッチ隠蔽層2用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
次いで、このスクラッチ隠蔽層2上に、表面平滑性の高い(平均表面粗さRaが0.1μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、スクラッチ隠蔽層2の表面を平滑とし、その上に、下記組成のレリーフホログラム形成層3用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、レリーフホログラム形成層3を10μmの厚さで形成した。(図1参照。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物>
メラミン樹脂 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したレリーフホログラム形成層3に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度10m/分)にて、ホログラムレリーフ4(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層3上に形成した。(図1参照。)
そして、そのレリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4面上に、下記組成の接着層5用接着剤組成物をステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、接着層5を30μmの厚さで形成し、実施例1のスクラッチ転写シートHを得た。(図1参照。)
・<接着層5用接着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
イソホロンジイソシアネート 0.1質量部
トルエン 10質量部
イソプロピルアルコール 20質量部
酢酸ビニル 30質量部
エチルセルソルブ 10質量部
このスクラッチ転写シートHを、タテ10mm×横30mmのサイズにカットし、最初に準備してあった、スクラッチカード7の基材8上の所定の位置に、その基材8上に印字してある「秘密情報」9を覆うように、100℃、且つ、5.0g/平方ミリメートルの加熱及び加圧条件で転写し、その転写用基材1を剥離したところ、スクラッチカード7上にて、「銀色のラベル」を観察できるのみであり、その下、及びその中に形成されている、「秘密情報」9や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図4(a)、(b)参照。)
次いで、このスクラッチカード7上の「銀色の層」をコインで引っ掻くと、スクラッチ隠蔽層2が部分的に削れ、その削れた部分から、「秘密情報」9の一部を視認でき、同時に、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」が出現して、この「銀色の層」を偽造することは、困難と思われた。(図示せず。)
(実施例2)
実施例1のホログラムレリーフ4面上に、電子線加熱式真空蒸着機を使用して、TiOx薄膜を、200nmの厚さで形成して、反射性薄膜層6とし、その反射性薄膜層6の上に、接着層5を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のスクラッチ転写シートH´を得た。(図2及び、図4参照。)
このスクラッチカード7上のスクラッチ転写シートH´を実施離1と同様に評価したところ、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」がより鮮明に出現し(図示せず。)、このラベルを偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例1と同様の良好な結果を得た。
実施例1のスクラッチ隠蔽層2のレリーフホログラム形成層3と接している面とは反対の面に、地紋印刷10を設けるため、転写用基材1の離型処理面上に実施例1のスクラッチ隠蔽層2を設ける前に、その離型処理面上に感熱転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷10を行い、その地紋印刷10を覆うようにそのスクラッチ隠蔽層2を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のスクラッチ転写シートHを得た。(図1、図4及び図6参照。)
このスクラッチカード7上のスクラッチ転写シートHを実施離1と同様に評価したところ、地紋印刷10が独特の風合いを呈して金色に観察されたこと、及び、コインでスクラッチしたところ、地紋印刷10とスクラッチ隠蔽層2が同時に削れ、このラベルの偽造が、より困難と思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例4)
実施例1において、透明基材として、厚さ16μmの透明ポリエチレンテレフタレートシートを用い(図示せず。)、その一方の面に、スクラッチ隠蔽層2を同様の方法、及び、同様の厚さで形成し、その他方の面に、レリーフホログラム形成層2をやはり同様の方法、同様の厚さで形成後、同様のホログラム複製方法でその表面にホログラムレリーフ4を形成し、そのホログラムレリーフ4面上に、接着層5を同様の方法、同様の厚さで形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のスクラッチ転写シートを得た。(この構成のスクラッチ転写シートは図示せず。スクラッチ転写シートをスクラッチカード7に転写した状態は、図4参照。)
このスクラッチカード7上のスクラッチ転写シートを実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、スクラッチ隠蔽層2が、その透明基材面から削り残渣が残らずきれいに除去でき、スクラッチオフが安定して実施できると思われたこと、及び、そのため、出現したホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例5)
実施例1のレリーフホログラム形成層3、及び、接着層5として、下記組成のインキ組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のスクラッチ転写シートHを得た。(図1及び図4参照。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物>
ポリブチルアクリレート(n=1.44) 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
・<接着層5用インキ組成物:屈折率n=1.85の高屈折率透明樹脂層>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.60) 30質量部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
6質量部
トルエン 5質量部
イソプロピルアルコール 34質量部
ブチルセルソルブ 2 5質量部
このスクラッチカード7上のスクラッチ転写シートHを実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、ホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例6)
実施例1において、スクラッチ隠蔽層2を、表面平滑性の非常に高い(平均表面粗さRaが0.01μm。)厚さ11μmの透明ポリエチレンテレフタレートシート上に仮形成した後、転写用基材1上に転写して、転写用基材1上のスクラッチ隠蔽層2の露出している面の平均表面粗さRaを0.01μmとし、その露出面に、Ni原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度200℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力10000kg/m、複製速度2m/分)にて、ホログラムレリーフ4(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層3上に形成し、そのホログラムレリーフ4面上に、レリーフホログラム形成層3を同様の方式で同様の厚さで設け、そのレリーフホログラム形成層3上に、接着層5をやはり、同様の方式で同様の厚さで設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のスクラッチ転写シートH´´を得た。(図3及び図4参照。)
このスクラッチカード7上のスクラッチ転写シートH´´を実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、ホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となって出現するとともに、ホログラムレリーフ4面が露出しており、このラベルを偽造することは、到底、困難と思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例7)
実施例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層2用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層2を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のスクラッチ転写シートHを得た。(図1参照。)
<スクラッチ隠蔽層2用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
このスクラッチカード7上のスクラッチ転写シートHを実施離1と同様に評価し、さらに、そのスクラッチ転写シートHを剥がそうとしたところ、実施例1と同様の良好な結果に加え、スクラッチ隠蔽層2のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」が発生したことから、このラベルの偽造が非常に困難であると思われた。(図示せず。)
(実施例8)
実施例1において、下記組成の接着層4用接着剤組成物を用いて、乾燥条件を「低温乾燥」として、接着層4に「白化処理」を施したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のスクラッチ転写シートHを得た。(図1参照。)
・<接着層4用接着剤組成物>
塩化ビニルー酢酸ビニル樹脂 20部
アクリル樹脂 10部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
メチルエチルケトン 5部
トルエン 5部
エチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 10部
酢酸ビニル 30部
第3級アミン 1部
ブチルセルソルブ 9部
このスクラッチカード6上のスクラッチ転写シートHを、150℃、且つ、7.0g/平方ミリメートルの加熱及び加圧条件で転写したこと以外は、実施離1と同様に評価したところ、スクラッチ転写シートHの状態で、その中にあるホログラムレリーフ面3を視認することができず、且つ、スクラッチ隠蔽層2をスクラッチオフした部分から、「秘密情報」8の一部を視認できたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(比較例)
実施例1において、レリーフホログラム形成層2を設けず、スクラッチ転写シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチ転写シートを得た。
1 転写用基材
2 スクラッチ隠蔽層
3 レリーフホログラム形成層
4 レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ
5 接着層
6 反射性薄膜層
7 スクラッチカード
8 基材
9 「秘密情報」(「秘密情報」として、「12345678」が形成され ており、それを模式的に示している。)
10 地紋印刷
Claims (8)
- 転写用基材、スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、及び転写後に透明化する白化処理がされた接着層がこの順序で構成されたスクラッチ転写シートであって、
基材上に設けられた秘密情報の上に転写されて、前記秘密情報を隠蔽し、
前記転写用基材の剥離後、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチ転写シート。 - 前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチ転写シート。
- 前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクラッチ転写シート。
- 前記スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間に、透明基材が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスクラッチ転写シート。
- 前記接着層が高屈折率透明樹脂層であって、前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスクラッチ転写シート。
- 前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記接着層と接している面とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスクラッチ転写シート。
- 前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のスクラッチ転写シート。
- 前記接着層が、前記白化処理に起因して、前記転写の前においては不透明であって、100℃〜200℃の加熱、及び/または1g/mm 2 〜100g/mm 2 の加圧条件で転写後には透明となることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のスクラッチ転写シート。
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