JP6291762B2 - スクラッチラベル - Google Patents
スクラッチラベル Download PDFInfo
- Publication number
- JP6291762B2 JP6291762B2 JP2013196683A JP2013196683A JP6291762B2 JP 6291762 B2 JP6291762 B2 JP 6291762B2 JP 2013196683 A JP2013196683 A JP 2013196683A JP 2013196683 A JP2013196683 A JP 2013196683A JP 6291762 B2 JP6291762 B2 JP 6291762B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- scratch
- relief
- hologram
- label
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Credit Cards Or The Like (AREA)
Description
また、本発明において、「端部領域1もしくは2」とは、本発明のスクラッチラベルの周辺(ラベル形状とするために切断された「断面」を意味する。)を、「スクラッチラベルの端面」とし、この「端面」からスクラッチラベルの内側に向かって、0mm〜0.1mm、乃至は、0mm〜5.0mmの領域を指す。
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ゲームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目どの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層と基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
しかし、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面(スクラッチラベルとしての最表面)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。このため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面を「光学的な鏡面」とする。
レリーフホログラム形成層は、スクラッチ隠蔽層を溶解しない溶剤を用いて、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、1.0μm〜50μm、さらには3.0μm〜20μmの厚さで形成する。
さらに、スクラッチ隠蔽層を、一旦、上記した原版のホログラムレリーフ1面上に形成して、原版のホログラムレリーフ1面形状を高い精度でスクラッチ隠蔽層上に再現させ(低粘度のスクラッチ隠蔽層用インキ組成物の状態でホログラムレリーフ1面上に設け、インキ内の顔料や樹脂材料の移動による、高い面形状再現性を発現させるという意味。)、その原版から上記した適宜な剥離性フィルムへスクラッチ隠蔽層を転移させる方法も、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させるためには好適である。
(スクラッチ隠蔽層、及び地紋印刷)
スクラッチラベルH、H´もしくは、H´´(以下、H〜H´´ともいう。)のスクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独あるいは共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のビニル共重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミドや、ポリイミド等を挙げることができる。また、スクラッチオフ性を満足する範囲でこれらの樹脂に硬化剤等を混合して、擦れ等によるスクラッチ隠蔽層1の最表面の不要な剥離や、剥がれを防止してもよい。(図1〜図3参照。)
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、レリーフホログラム形成層2の上にスクラッチ隠蔽層1を設ける手順とする場合に、そのレリーフホログラム形成層2の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
(レリーフホログラム形成層、ホログラムレリーフ、界面1、界面2、端部領域1、端部領域2、及び「離型性」付与)
本発明のスクラッチラベルH〜H´´のレリーフホログラム形成層2を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、フェノール樹脂(n=1.60)、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等が挙げられる。(図1〜図3参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
いずれにしても、レリーフホログラム形成層2を構成する樹脂材料として、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸が「ホログラムレリーフ2」3、もしくは、「ホログラムレリーフ1」7となる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、レリーフホログラム形成層2の「ホログラムレリーフ2」3、もしくは、「ホログラムレリーフ1」7。)として使用できる。
この際の、硬化度は、95%以上とし、剥離強度は、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜200g/25mm巾、より好適には、1.0〜50g/25mm巾とする。
(反射性薄膜層)
スクラッチラベルH〜H´´のレリーフホログラム形成層2の「ホログラムレリーフ2」3、もしくは、「ホログラムレリーフ1」7に接して、且つ、追従するように反射性薄膜層6を形成する。この反射性薄膜層6は、入射した光を反射する必要があるため、レリーフホログラム形成層2よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。(図2参照。図2においては、「ホログラムレリーフ2」3に追従して接するように反射性薄膜層6を設けた例を示している。)
反射性薄膜層6としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層の場合には、「秘密情報」11を視認可能とする目的で、金属光沢反射層の「秘密情報」11に該当する領域を開口部とした「部分形成」とする。透明反射層の場合は、「全面形成」であっても、「部分形成」としてもよい。
(粘着層)
粘着層4としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ等。)等を用いることができる。
粘着層4の粘着力は、レリーフホログラム形成層2、もしくは、反射性薄膜層6と粘着層4との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
この場合、粘着層4である高屈折率樹脂層の屈折率を、レリーフホログラム形成層2の屈折率よりも、0.3以上大きくなるように設計する。さらには、その屈折率差が0.5〜1.0となるようにする。
いずれの場合も、目視では、スクラッチラベルHで覆われた「秘密情報」11を、視認することはできず、また、これらの外観からは、そのスクラッチラベルHの中にレリーフホログラム形成層2が存在することは、到底、知り得ない状態であった。
さらに、上記にて、一部を削り取られたスクラッチラベルHの端面から、レリーフホログラム形成層2と粘着層4の「界面2」に爪を入れて、「端部領域2」5を剥離したところ、「端部領域2」5の「界面2」が容易に剥離して、粘着層4の「ホログラムレリーフ2」3が一部露出し、その露出している「ホログラムレリーフ2」3の一部分によるレリーフホログラム再生像を視認することができ、このスクラッチラベルH、及び、そのスクラッチラベルHが貼着されたスクラッチカード9を偽造することは、非常に困難と思われた。(詳細状況は、図示せず。)(スクラッチラベルH´の場合には、「反射性薄膜層6と粘着層4の界面2の端部領域2」に爪を入れることとなり、本発明のスクラッチラベルH´´の場合には、「スクラッチ隠蔽層1とレリーフホログラム形成層2の界面1の端部領域1」に爪を入れることとなる。それらの効果は、同様であった。)
(参考例1)
スクラッチカード9の基材10として、厚さ188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートシート(カードサイズ)に、所定のデザインをオフセット印刷にて施し、(図4参照。)、インクジェットプリンターにて、基材10の所定の領域に、「秘密情報」11として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mm。)を印字した。
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
次いで、このスクラッチ隠蔽層1上に、表面平滑性の高い(平均表面粗さRaが0.1μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、スクラッチ隠蔽層1の表面を平滑とし、その上に、下記組成のレリーフホログラム形成層2用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、レリーフホログラム形成層2を10μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
メラミン樹脂 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したレリーフホログラム形成層2に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度10m/分)にて、「ホログラムレリーフ2」3(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層2上に形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
そして、そのレリーフホログラム形成層2の「ホログラムレリーフ2」3面上の「端部領域2」5(「ラベル」形成後に、「タテ10mm×横30mmのサイズ」にカットするが、そのカット位置が「端面」となり、その「端面」から横方向に、左右5.0mmまでの領域、すなわち、「ラベル」の左右両端に位置する、タテ10mm×横5.0mmの2つの領域となる。)の位置に、ステンレススクリーン印刷方式にて、乾燥後の厚さとして、0.5μmの厚さの「離型層」を設けた。(図1参照。図1では、「端部領域2」5に設けた「離型層」の位置のみを示し、「離型層」の断面形状は省略している。)
・<「離型層」用インキ組成物>
シリコン樹脂 5質量部
トルエン 25質量部
イソプロピルアルコール 20質量部
酢酸ビニル 40質量部
エチルセルソルブ 10質量部
そして、その「離型層」を覆って、且つ、「離型層」の形成していない領域では、レリーフホログラム形成層2の「ホログラムレリーフ2」3面上に、下記組成の粘着層4用粘着剤組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、粘着層4を、30μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
・<粘着層4用粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
イソホロンジイソシアネート 0.1質量部
トルエン 10質量部
イソプロピルアルコール 20質量部 酢酸ビニル 30質量部
エチルセルソルブ 10質量部
このスクラッチ隠蔽層1、レリーフホログラム形成層2、「離型層」(「離型層」の位置のみ、「端部領域2」5として図示。)、及び粘着層4の積層物を、タテ10mm×横30mmのサイズにカットし、剥離性フィルムから剥離して、スクラッチラベルHを得た。(図1参照。「カット」位置のブレを考慮して、「端部領域2」5を、「端面」から1mmはみ出すように、タテ10mm×横6.0mmとすることも好適である。)
このスクラッチラベルHを、最初に準備してあった、スクラッチカード9の基材10上の所定の位置に、その基材10上に印字してある「秘密情報」11を覆うように、貼着したところ、スクラッチカード9上にて、「銀色のラベル」を観察できるのみであり、その下、及びその中に形成されている、「秘密情報」11や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図4参照。)
次いで、このスクラッチカード9上の「銀色のラベル」をコインで引っ掻くと、「スクラッチ隠蔽層1、レリーフホログラム形成層2及び粘着層4」が部分的に削れ、その削れた部分から、「秘密情報」11の一部を視認できた。
(参考例2)
参考例1の「ホログラムレリーフ2」3面上に、電子線加熱式真空蒸着機を使用して、TiOx薄膜を、200nmの厚さで形成して、反射性薄膜層6とし、その反射性薄膜層6の上に、参考例1の「離型層」と粘着層4を設けたこと以外は、参考例1と同様にして、参考例2のスクラッチラベルH´を得た。(図2及び、図4参照。)
このスクラッチカード9上のスクラッチラベルH´を参考例1と同様に評価したところ、レリーフホログラム形成層2の「ホログラムレリーフ2」3によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」がより鮮明に出現し(図示せず。)、このラベルを偽造することは、より困難と思われたこと以外は参考例1と同様の良好な結果を得た。
参考例1のスクラッチ隠蔽層1のレリーフホログラム形成層2と接している面とは反対の面に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷12を行った。(この印刷面は、剥離性フィルムと接していた面であり、剥離フィルムを剥離後に形成した。)こと以外は、参考例1と同様にして、参考例3のスクラッチラベルHを得た。(図1、図4及び図6参照。)
このスクラッチカード9上のスクラッチラベルHを参考例1と同様に評価したところ、地紋印刷12が独特の風合いを呈して金色に観察されたこと、及び、コインでスクラッチしたところ、地紋印刷12とスクラッチ隠蔽層1が同時に削れ、このラベルの偽造が、より困難と思われたこと以外は、参考例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(参考例4)
参考例1のレリーフホログラム形成層2、及び、粘着層4として、下記組成のインキ組成物を用いたこと以外は、参考例1と同様にして、参考例4のスクラッチラベルHを得た。(図1及び図4参照。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
ポリブチルアクリレート(n=1.44) 30部 トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
・<粘着層4用インキ組成物:屈折率n=1.85の高屈折率透明樹脂層>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.60) 30質量部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
6質量部
トルエン 5質量部
イソプロピルアルコール 34質量部
ブチルセルソルブ 2 5質量部
このスクラッチカード9上のスクラッチラベルHを参考例1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、「ホログラムレリーフ2」3によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、参考例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例1)
参考例1において、スクラッチ隠蔽層1を、表面平滑性の非常に高い(平均表面粗さRaが0.01μm。)厚さ11μmの透明ポリエチレンテレフタレートシート上に仮形成した後、剥離性フィルム上に転写して、剥離性フィルム上のスクラッチ隠蔽層1の露出している面の平均表面粗さRaを0.01μmとし、その露出面に、Ni原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度200℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力10000kg/m、複製速度2m/分)にて、「ホログラムレリーフ1」7(Ni原版のレリーフ形状)を形成し、その「ホログラムレリーフ1」7面上の「端部領域1」8の位置(位置関係は、参考例1の「端部領域2」5と同様。)に、参考例1の「離型層」及び、その「離型層」を覆うように、レリーフホログラム形成層2を同様の方式で同様の厚さで設け、そのレリーフホログラム形成層2上に、粘着層4を、やはり、同様の方式で同様の厚さで設けたこと以外は、参考例1と同様にして、実施例1のスクラッチラベルH´´を得た。(図3及び図4参照。図3において、スクラッチ隠蔽層1とレリーフホログラム形成層2の界面1の左右両端に、「端部領域1」8が位置している。図3では、この界面1の「端部領域1」8は、模式的に示した「ホログラムレリーフ1」7の凹凸面を含んでいないように表現されているが、実際には、この界面1の「端部領域1」8は、「ホログラムレリーフ1」7の凹凸面を含んでおり、「ホログラムレリーフ1」7の一部が露出する。)
このスクラッチカード9上のスクラッチラベルH´´を、参考例1と同様に評価したところ、「界面1」の「端部領域1」8を爪で剥離した際に、「ホログラムレリーフ1」7によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となって出現し、このラベルを偽造することは、到底、困難と思われたこと以外は、参考例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(参考例5)
参考例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層1を形成したこと以外は、参考例1と同様にして、参考例5のスクラッチラベルHを得た。(図1参照。)
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部 トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
このスクラッチカード9上のスクラッチラベルHを、参考例1と同様に評価し、さらに、そのスクラッチラベルHを剥がそうとしたところ、参考例1と同様の良好な結果に加え、スクラッチ隠蔽層1のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」が発生したことから、このラベルの偽造が非常に困難であると思われた。(図示せず。)
(比較例)
参考例1において、「離型層」を設けず、スクラッチラベルを形成したこと以外は、参考例1と同様にして比較例のスクラッチラベルを得た。
1 スクラッチ隠蔽層
2 レリーフホログラム形成層
3 ホログラムレリーフ2
4 粘着層
5 端部領域2
6 反射性薄膜層
7 ホログラムレリーフ1
8 端部領域1
9 スクラッチカード
10 基材
11 「秘密情報」
12 地紋印刷
Claims (6)
- 基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、
スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、及び粘着層がこの順序で構成され、
前記スクラッチ隠蔽層と前記レリーフホログラム形成層との界面1にホログラムレリーフ1が形成されており、スクラッチオフにより、少なくとも前記スクラッチ隠蔽層、及び前記レリーフホログラム形成層が同時に除去されて、前記秘密情報が視認可能となり、且つ、前記界面1の端部領域1が離型性を有し、前記端部領域1を端面から剥離することによって、前記スクラッチ隠蔽層と前記レリーフホログラム形成層との界面1が剥離して、前記レリーフホログラム形成層の端部領域1における前記ホログラムレリーフ1から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチラベル。 - 請求項1に記載のスクラッチラベルにおいて、
前記レリーフホログラム形成層が、前記ホログラムレリーフ1、及び/または、前記ホログラムレリーフ2に追従するように接して設けられている反射性薄膜層を含むことを特徴とするスクラッチラベル。 - 請求項1に記載のスクラッチラベルにおいて、
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするスクラッチラベル。 - 請求項1に記載のスクラッチラベルにおいて、
少なくとも、前記界面1の前記端部領域1、または、前記界面2の前記端部領域2に、離型層が挿入して設けられていることを特徴とするスクラッチラベル。 - 請求項1に記載のスクラッチラベルにおいて、
前記粘着層が高屈折率透明樹脂層であって、前記粘着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とするスクラッチラベル。 - 請求項1に記載のスクラッチラベルにおいて、
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするスクラッチラベル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013196683A JP6291762B2 (ja) | 2013-09-24 | 2013-09-24 | スクラッチラベル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013196683A JP6291762B2 (ja) | 2013-09-24 | 2013-09-24 | スクラッチラベル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015063014A JP2015063014A (ja) | 2015-04-09 |
JP6291762B2 true JP6291762B2 (ja) | 2018-03-14 |
Family
ID=52831350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013196683A Active JP6291762B2 (ja) | 2013-09-24 | 2013-09-24 | スクラッチラベル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6291762B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2827800B2 (ja) * | 1993-03-26 | 1998-11-25 | 凸版印刷株式会社 | 抽選券 |
GB0202646D0 (en) * | 2002-02-05 | 2002-03-20 | Optaglio Ltd | Secure hidden data protection optically variable label |
DE202006015989U1 (de) * | 2006-10-19 | 2007-02-08 | Leonhard Kurz Gmbh & Co. Kg | Sicherheitsdokument mit abkratzbarer Sicherheitsschicht sowie Transferfolie |
-
2013
- 2013-09-24 JP JP2013196683A patent/JP6291762B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015063014A (ja) | 2015-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6286979B2 (ja) | スクラッチラベル | |
JP6314367B2 (ja) | スクラッチラベル | |
JP6136574B2 (ja) | スクラッチカード | |
JP6136643B2 (ja) | スクラッチカード | |
JP6379936B2 (ja) | スクラッチカード | |
JP2015025861A (ja) | スクラッチラベル | |
JP6225452B2 (ja) | スクラッチ転写シート | |
JP2015194520A (ja) | スクラッチラベル | |
JP6217122B2 (ja) | スクラッチラベル | |
JP6379622B2 (ja) | スクラッチラベル | |
JP2016071290A (ja) | スクラッチラベル | |
JP6291762B2 (ja) | スクラッチラベル | |
JP6108091B2 (ja) | スクラッチラベル | |
JP6171477B2 (ja) | スクラッチ転写シート | |
JP2014228856A (ja) | スクラッチラベル | |
JP2015025860A (ja) | スクラッチラベル | |
JP6225481B2 (ja) | スクラッチカード | |
JP2015009404A (ja) | スクラッチカード | |
JP6229490B2 (ja) | スクラッチカード | |
JP2015123646A (ja) | 隠ぺいホログラムシート | |
JP2016071080A (ja) | スクラッチラベル | |
JP2015009405A (ja) | スクラッチカード | |
JP2016068355A (ja) | スクラッチカード | |
JP2014215321A (ja) | スクラッチラベル | |
JP2014213464A (ja) | スクラッチシート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160721 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170829 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171020 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171226 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180116 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180129 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6291762 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |