JP2014213464A - スクラッチシート - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明において、「高屈折率透明樹脂層」とは、「高い屈折率を持つ透明な樹脂層」を意味し、ここでは、屈折率nが1.7を超える透明な樹脂層をいう。
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ケームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目どの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層と基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
本発明のスクラッチシートの第1の態様は、
基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチシートであって、前記秘密情報を覆うように、レリーフホログラム形成層及びスクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするものである。
基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチシートであって、前記秘密情報を覆うように、レリーフホログラム形成層及びスクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチシートを提供することができ、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、そのホログラムの存在を確認できるという高い偽造防止性と、スクラッチ後には、隠蔽した秘密情報とその鮮明なホログラムデザインを重ねて視認できるという高い意匠性、さらには、そのホログラムが存在するか否かを目視によって判定するという真正性判定の簡易性をも併せ持つスクラッチシートを提供することができる。
前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とするものである。
前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とする第1の態様のスクラッチシートを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチシートを提供することができる。
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする第1の態様または第2の態様のスクラッチシートを提供することができ、スクラッチ隠蔽層の変造を防止し、より偽造防止性を高めたスクラッチシートを提供することができる。
前記レリーフホログラム形成層が高屈折率透明樹脂層であって、前記レリーフホログラム形成層の屈折率が、1.7より大きいことを特徴とするものである。
前記レリーフホログラム形成層が高屈折率透明樹脂層であって、前記レリーフホログラム形成層の屈折率が、1.7より大きいことを特徴とする第1から第3の態様のスクラッチシートを提供することができ、鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチシートを提供することができる。
前記基材とレリーフホログラム形成層との間に、接着層が設けられていることを特徴とするものである。
前記基材とレリーフホログラム形成層との間に、接着層が設けられていることを特徴とする第1から第4の態様のスクラッチシートを提供することができ、より安定したスクラッチを可能とするスクラッチシートを提供することができる。
前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記基材側に設けられていることを特徴とするものである。
前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記基材側に設けられていることを特徴とする第1から第5の態様のスクラッチシートを提供することができ、そのレリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面とは反対側の面を、「スクラッチにより引っ掻かれる面」とすることにより、スクラッチ後のホログラムレリーフの劣化を阻止して、ホログラム再生像の劣化を防ぎ、その意匠性と偽造防止性をより安定したものとするスクラッチシートを提供することができる。
前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とするものである。
前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とする第6の態様のスクラッチシートを提供することができ、さらに鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチシートを提供することができる。
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする第1から第7の態様のスクラッチシートを提供することができ、スクラッチシートを不正に湾曲させると、スクラッチ隠蔽層にその剥離痕が残り、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチシートを提供する。
前記スクラッチ隠蔽層が、少なくとも前記レリーフホログラム形成層を覆うように設けられていることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層が、少なくとも前記レリーフホログラム形成層を覆うように設けられていることを特徴とする第1から第8の態様のスクラッチシートを提供することができ、ホログラム層の存在をさらに秘匿して、その偽造防止性をより高めたスクラッチシートを提供する。
秘密情報表示部を設けることができるものであれば、あらゆる材料、すなわち、プラスチック材料、金属材料、セラミック材料、生体材料、それらの複合材料、さらには、それらを多層構造としたものなどを用いることができる。
プリペイドカード等のように、薄く強靭な素材を用いた場合には、その基材を容易に湾曲させることができるため、その基材の中央部分に設けることを避け、その右端、もしくは、左端、さらには、上端、もしくは、下端に設けることが望ましい。(湾曲した際に、スクラッチ隠蔽層にその変形圧力が掛からないように配慮するという意味。)もしくは、湾曲した際の比較的曲がっていない部分に、2箇所またはそれ以上の箇所に分散して設けてもよい。
このレリーフホログラム形成層を構成するための透明樹脂層として、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。(電離放射線とは、電子線及び紫外線を意味する。)
レリーフホログラム形成層は、「秘密情報」表示部を溶解したり、変質させたりしない溶剤を用いて、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、1.0μm〜50μm、さらには3.0μm〜20μmの厚さで形成する。
しかし、スクラッチ隠蔽層の最表面(レリーフホログラム形成層と接している面と反対の面。)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。
もしくは、スクラッチシートの基材上に、「秘密情報」、及び、それを覆うように設けた接着層とレリーフホログラム形成層(その接着層とレリーフホログラム形成層との界面にホログラムレリーフが形成してある。)を設けた積層体の「平坦な面」を、スクラッチ隠蔽層のその「光学的な鏡面」に、その鏡面性を維持したままで、積層することができる。
上記した目的から、このスクラッチ隠蔽層を、一旦、剥離性フィルムに設ける手順とする場合には、その剥離性フィルムの表面を、平均表面粗さRaで、1.0μm〜30μm、もしくはそれ以上の粗さに設定した「粗面」としておくことも、スクラッチ時の破壊性を均一、且つ、容易化することができ、スクラッチオフ適正の向上に寄与する。
さらに、スクラッチシートの基材上に、「秘密情報」を設け、その「秘密情報」を覆うように、レリーフホログラム形成層を設けた後、その上に、スクラッチ隠蔽層を設ける際に、そのスクラッチ隠蔽層をレリーフホログラム形成層をも覆うように設けて、レリーフホログラム形成層の存在をさらに秘匿する。
(基材、及び、「秘密情報」形成部)
本発明のスクラッチシートH1〜H5、及び9に用いられる基材1としては、「秘密情報」2表示部を設けることができるものであれば、あらゆる材料、すなわち、プラスチック材料、金属材料、セラミック材料、生体材料、それらの複合材料、さらには、それらを多層構造としたり、さらに複雑に組み合わせたりしたものなどを用いることができる。且つ、その表面や裏面に、本発明のスクラッチシートH1〜H5、9の用途に応じた印刷等の手段による適宜な表示を設けたものであってもよい。(図1〜図8参照。図6〜図8では、基材1の表面に「☆スクラッチカード☆」などの印刷を施している。)
その形状も、あらゆる形状、すなわち、シート状、フィルム状、板状、立方体状、直方体状、カード形状(磁気カード、ICカード、非接触ICカード、ポストカード、グリーティングカード、名刺、ポイントカード、ライセンスカード、遊戯用カード等の形形状)、はがき形状、リーフ形状、帳票形状、伝票形状、Sメール形状、ラベル形状、シール形状、証券類形状、通帳形状、パスポート形状、郵便物形状、配送物形状、封筒状、袋状、箱状、ケース状、円盤状、ディスク状、楕円体状、球体状、曲面形状、棒状、及びこれらの組み合わせや、これらに変形、切断、穴あけ、接着等の加工処理を施したものなどを採用することができる。さらには、電子端末や、携帯用端末等、あらゆる工業製品やあらゆる商品をも基材1として採用することができる。
赤外線照射に対しては、さらに赤外線吸収剤等を、紫外線照射に対しては、さらに紫外線吸収剤等を、X線照射に対しては、金属板の中でも鉛材料等を、電子線等の粒子線照射に対しては、それらの粒子線を吸収する素材を混在させることで、その効果を増すことができる。
これらは、既に、全世界に大量に頒布され、普及しているため、そのハンドリングや、保持することに抵抗感がなく、また、それらを携帯したり、使用したりする場合の周辺機器や、関連グッズ等も既に普及しているため、これらのものへの適用もスムースであって好適である。
本発明のスクラッチシートH1〜H5、及び9が秘匿する「秘密情報」2としては、文字、図形、記号、模様、マーク、形状、立体、もしくは、これらの結合、または、これらと色彩との結合その他、さらには、識別コード、識別番号、識別文字等のあらゆる識別情報、その他何らかの手段によって識別することが可能なものであれば、特に制限はなく、採用することができる。(図1〜図7参照。)
この識別手段としては、目視識別、携帯カメラ認識やバーコード認識等の光学的識別、機械識別、その他の物理的識別手段等をいう。
これらの「秘密情報」2をスクラッチシートH1〜H5、及び9の基材1上に設ける方法としては、可変情報を形成する方式として、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、光学的もしくは物理的直接描画方式、電子写真方式及び、インクジェット方式等があり、固定情報を形成する方式としては、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式等がある。(図1〜図7参照。)
もちろん、電子端末のディスプレー上に「秘密情報」2を表示するものであってもよい。
感熱発色材料としては、発色剤、顕色剤、及び、増感剤からなる系を用いることができ、発色剤としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、クリスタルバイオレットラクトン等のフタリド化合物等、顕色剤としては、4−4´ビフェノール、1−ナフトール等の酸など、さらに、増感剤としては、4−ベンジルビフェニル、フルオレン等を用いる。
(レリーフホログラム形成層、及び、ホログラムレリーフ)
本発明のスクラッチシートH1〜H5、及び9の基材1上に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、レリーフホログラム形成層3を基材1上に設ける。(図1〜図5参照。)
本発明のスクラッチシートH1〜H5、及び9のレリーフホログラム形成層3を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、フェノール樹脂(n=1.60)、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等が挙げられる。(図1〜図5参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ4となる。
この場合には、本発明のスクラッチシートH4の基材1上に、「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、接着層7を基材1上に設けた後、この接着層7の露出している面に、上記と同様の方法を用いて、ホログラムレリーフ4を複製し、そのホログラムレリーフ4を埋めるように、レリーフホログラム形成層3を、上記と同様の材料、及び、方法を用いて、同様の厚さに形成する。(図4参照。)
この構成の場合には、レリーフホログラム形成層3とその上に設けられるスクラッチ隠蔽層5との界面が、平坦な面となるとともに、スクラッチ隠蔽層5をスクラッチオフする際に、この平坦な面上をコインや爪が引っ掻くこととなり、比較的、スクラッチ隠蔽層5が削れやすく、また、スクラッチシートをの削り残りが発生し難くなって、スクラッチオフ適正に優れるものとなる。
(スクラッチ隠蔽層、及び、地紋印刷)
本発明のスクラッチシートH1〜H5、及び9の基材1上に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、レリーフホログラム形成層3を基材1上に設けた後、そのレリーフホログラム形成層3上に、もしくは、そのレリーフホログラム形成層3を覆うようにスクラッチ隠蔽層5を設ける。(図1〜図5参照。)
本発明のスクラッチシートH1〜H5のスクラッチ隠蔽層5に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独あるいは共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のビニル共重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミドや、ポリイミド等を挙げることができる。また、スクラッチオフ性を満足する範囲でこれらの樹脂に硬化剤等を混合して、擦れ等によるスクラッチ隠蔽層5の最表面の不要な剥離や、剥がれを防止してもよい。(図1〜図5参照。)
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、レリーフホログラム形成層3の上にスクラッチ隠蔽層5を設ける際に、そのレリーフホログラム形成層3の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
もちろん、接着層7を設けた構成の場合には、スクラッチ隠蔽層5は、レリーフホログラム形成層3及び接着層7の断面の両方を覆って秘匿することとなる。(図示せず。)
いずれの場合にも、スクラッチ隠蔽層5のレリーフホログラム形成層3からはみ出す部分は、基材1面と直接、接着することとなる。
スクラッチ隠蔽層5の上に、この地紋印刷8以外の通常デザイン(主要なデザイン模様等)の印刷を施し、その意匠性を高めることができることは言うまでもない。
但し、スクラッチ隠蔽層5の表面が、上記したように、「粗い」面であるため、この凹凸に追従して印刷可能なインクジェット方式や、この凹凸に影響され難い感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて地紋印刷8を行ってもよい。さらに、このような感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて、スクラッチ隠蔽層5の凹凸の凸部のみに印刷を行い、不正なスクラッチにより非常に容易に地紋印刷8が破壊されるようにすることもできる。
(反射性薄膜層)
本発明のスクラッチシートH3のレリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4に接して、且つ、追従するように反射性薄膜層6を形成する。この反射性薄膜層6は、入射した光を反射する必要があるため、レリーフホログラム形成層3よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。(図2参照。)
反射性薄膜層6としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層の場合には、「秘密情報」2を視認可能(もしくは、所定の識別を可能)とする目的で、金属光沢反射層の「秘密情報」2に該当する領域を開口部とした「部分形成」とする。透明反射層の場合は、「全面形成」であっても、「部分形成」としてもよいが、「秘密情報」2を視認可能な(もしくは、所定の識別が可能な)透明性を持つことが必須である。
(接着層)
接着層7としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。(図3及び図4参照。)
接着層7に用いられる溶剤としては、溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ等。)等を用いることができる。
接着層7の接着力は、基材1、「秘密情報」2、及び、レリーフホログラム形成層3、さらには、反射性薄膜層6と、接着層7との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
この場合、接着層7の屈折率を、レリーフホログラム形成層3の屈折率よりも、0.3以上大きくなるように、さらには、その屈折率差が0.5〜1.0となるように設計する。
この際、基材1上の所定の位置に、「秘密情報」2として、連続数字1〜8が印字されており(図7参照。図7には、その所定の位置を示す枠が便宜上表示されている。)、その「秘密情報」2を覆うように、接着層7、レリーフホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層5、さらには、反射性薄膜層6が設けられることとなる。(図1〜図6参照。)
また、本発明のスクラッチシート9のスクラッチ隠蔽層5上に、幾何学模様からなる地紋印刷8を施した。(図8参照。)
いずれの場合も、目視では、スクラッチ隠蔽層5で覆われた「秘密情報」2を、視認することはできず、また、これらの外観からは、そのスクラッチシートH1〜H5、及び9の中にレリーフホログラム形成層3が存在することはとても知り得ない状態であった。
(実施例1)
スクラッチシート9の基材1として、厚さ188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートシート(カードサイズ)に、所定のデザインをオフセット印刷にて施し、(図1及び、図6参照。)、インクジェットプリンターにて、基材1の所定の領域に、「秘密情報」2として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mmm。)を印字した。(図1及び、図7参照。)
その基材1上の所定の位置に、且つ、その「秘密情報」2を覆うように、下記組成のレリーフホログラム形成層3用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、タテ10mm×横30mmのサイズで形成し、乾燥後の厚さとして、レリーフホログラム形成層3を10μmの厚さで形成した。(図1参照。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物>
メラミン樹脂 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したレリーフホログラム形成層3に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度10m/分)にて、ホログラムレリーフ4(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層3上に形成した。(図1〜図5参照。剥離性フィルムは図示せず。)
次いで、このレリーフホログラム形成層3上に、そのホログラムレリーフ4を埋めるように、下記組成のスクラッチ隠蔽層5用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層5を30μmの厚さで形成し、実施例1のスクラッチシートH1、もしくは、9を得た。(図1及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
<スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
この実施例1のスクラッチシートH1、もしくは9を、通常の蛍光灯下で観察したところ、スクラッチシートH1、もしくは9上にて、「銀色の印刷層」を観察できるのみであり、その下、及びその中に形成されている、「秘密情報」2や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図1及び図6参照。)
次いで、このスクラッチシートH1、もしくは9上の「銀色の印刷層」をコインで引っ掻くと、スクラッチ隠蔽層5が部分的に削れ、その削れた部分から、「秘密情報」2の一部を視認でき、同時に、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」が出現して、このスクラッチシートH1、もしくは9を偽造することは、困難と思われた。(図示せず。)
(実施例2)
実施例1のホログラムレリーフ4面上に、電子線加熱式真空蒸着機を使用して、TiOx薄膜を、200nmの厚さで形成して、反射性薄膜層6とし、その反射性薄膜層6の上に、スクラッチ隠蔽層5を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のスクラッチシートH2を得た。(図2及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜6」となる。)
このスクラッチシートH2、もしくは、9上のスクラッチシートH2を実施離1と同様に評価したところ、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」がより鮮明に出現し(図示せず。)、このシートを偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例1と同様の良好な結果を得た。
実施例1のスクラッチ隠蔽層5のレリーフホログラム形成層3と接している面とは反対の面(スクラッチ隠蔽層5の露出している面)上に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷8を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のスクラッチシートH1、もしくは9を得た。(図1、図6及び図8参照。図1において、地紋印刷8は図示していない。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
このスクラッチシートH1、もしくは9を実施離1と同様に評価したところ、地紋印刷8が独特の風合いを呈して金色に観察されたこと、及び、コインでスクラッチしたところ、地紋印刷8とスクラッチ隠蔽層5が同時に削れ、このシートの偽造が、より困難と思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例4)
実施例1において、レリーフホログラム形成層3を下記組成のレリーフホログラム形成層3用インキ組成物を用いて形成し、屈折率n=1.71の高屈折率樹脂層としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のスクラッチシートH1、もしくは、9を得た。(図1及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物:>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.63) 30部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
5部
トルエン 5部
イソプロピルアルコール 34部
ブチルセルソルブ 25部
このスクラッチシートH1、もしくは9を実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチしたときのレリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明に出現したこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例5)
実施例1において、その基材1及び、その「秘密情報」2を覆うように、下記組成の接着層7用接着剤組成物をステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、接着層7を30μmの厚さで形成し、(図3参照。)その上に、レリーフホログラム形成層3を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のスクラッチシートH3、もしくは9を得た。(図3、及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5、及び7」となる。)
このスクラッチシートH3、もしくは9を実施離1と同様に評価したところ、「秘密情報」2が接着層7で、基材1以上にしっかりと固定されており、スクラッチオフ適正に優れると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
・<接着層7用接着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
トルエン 10部
イソプロピルアルコール 20部
酢酸エチル 30部
エチルセルソルブ 10部
(実施例6)
実施例5のレリーフホログラム形成層2、及び、接着層7として、下記組成のインキ組成物を用いたこと、さらに、ホログラムレリーフ4の複製を、レリーフホログラム形成層3上にではなく、接着層7上に施したこと、そして、その接着層7上のホログラムレリーフ4を埋めるようにレリーフホログラム形成層3を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のスクラッチシートH4もしくは9を得た。(図4及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5、及び7」となる。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物>
ポリブチルアクリレート(n=1.44) 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
・<接着層7用インキ組成物:屈折率n=1.85の高い屈折率を持つ層>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.60) 30部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
6部
トルエン 5部
イソプロピルアルコール 34部
ブチルセルソルブ 25部
このスクラッチシートH4もしくは9を実施離5と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、コインがレリーフホログラム形成層3の平坦な面上を擦ることとなり、スクラッチ隠蔽層5の削り残りが発生することなく、きれいに除去することができ、スクラッチオフ適正に優れると思われたこと、及び、ホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例5と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例7)
実施例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層5用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層5を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のスクラッチシートH1、もしくは9を得た。(図1及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
<スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
このスクラッチシートH1、もしくは9を実施離1と同様に評価し、さらに、そのスクラッチ隠蔽層5を剥がすべく、基材1を100度以上の角度で湾曲させたところ、実施例1と同様の良好な結果に加え、スクラッチ隠蔽層5のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」状のシワが発生し、そのシワが基材1を再び平らな状態に戻しても消えず(逆に、シワが発生した部分に、一部、裂け目まで発生。)、固定化してしまったことから、このシートの偽造が非常に困難であると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例8)
実施例1において、スクラッチ隠蔽層5の印刷サイズを、タテ12mm×横32mmのサイズで、レリーフホログラム形成層3の天地左右に1mmずつはみ出すように形成したこと、及び、レリーフホログラム形成層3の厚さを3.0μmとし、且つ、スクラッチ隠蔽層5の厚さを50.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のスクラッチシートH5、もしくは9を得た。(図5及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
このスクラッチシートH5、もしくは9を実施例1と同様に評価したところ、スクラッチシートH5、もしくは9上において、レリーフホログラム形成層3の断面を視認することができず、レリーフホログラム形成層3の秘匿性が増したと感じたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(比較例)
実施例1において、レリーフホログラム形成層3を設けず、スクラッチシートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチシートを得た。
1 基材
2 「秘密情報」(「秘密情報」2として、「12345678」が形成さ れており、それを模式的に示している。)
3 レリーフホログラム形成層
4 ホログラムレリーフ
5 スクラッチ隠蔽層
6 反射性薄膜層
7 接着層
8 地紋印刷
Claims (9)
- 基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチシートであって、
前記秘密情報を覆うように、レリーフホログラム形成層及びスクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチシート。
- 前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチシート。
- 前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクラッチシート。
- 前記レリーフホログラム形成層が高屈折率透明樹脂層であって、前記レリーフホログラム形成層の屈折率が、1.7より大きいことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスクラッチシート。
- 前記基材とレリーフホログラム形成層との間に、接着層が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスクラッチシート。
- 前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記基材側に設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスクラッチシート。
- 前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とする請求項6に記載のスクラッチシート。
- 前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のスクラッチシート。
- 前記スクラッチ隠蔽層が、少なくとも前記レリーフホログラム形成層を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のスクラッチシート。
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