JP5223124B2 - 空調用レジスタ - Google Patents
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Description
(1)請求項1に記載の発明は、空調用空気の導管としての断面略長方形筒状のリテーナと、前記リテーナの内部にて回動可能に設けられて空調用空気の吹出し方向を可変とする断面略長方形筒状のバレルとを備え、前記バレルの空気下流側の開口部を空調用空気の吹き出る内側吹出口とするとともに、前記リテーナの空気下流側の開口部において同リテーナの内周面と同内周面に対向する前記バレルの外周面とによって形成される開口部を空調用空気の吹き出る外側吹出口とする空調用レジスタにおいて、前記リテーナの内周面において略長方形の長辺を含む一対の内周面を第1内周面とするとともに短辺を含む一対の内周面を第2内周面とし、前記バレルの外周面において略長方形の長辺を含む一対の外周面を第1外周面とするとき、前記バレルは、前記バレルの第1外周面が前記リテーナの第1内周面に沿うように、且つ前記リテーナの前記第2内周面に対して直交する軸を中心に回動可能に設けられ、中立位置からの前記バレルの回動に連動して、前記リテーナの一対の第1内周面において当該バレルの回動に伴い同バレルの空気上流側の開口部が離間する部位と前記バレルとの間に位置するように変位して、前記バレルの空気上流側の開口部への空調用空気の流入をガイドするガイド機構を備え、前記ガイド機構は、前記バレルの空気上流側の開口部よりも空気上流側に位置する板状のガイド板と、前記リテーナの前記第2内周面に対して直交する軸であって前記ガイド板の一端且つ前記リテーナの第1内周面近傍に設けられて該ガイド板を回動可能に支持する回動軸と、前記バレルの回動に連動して前記ガイド板が回動するように作動させる作動機構とを備え、前記ガイド板及び前記回動軸は前記リテーナの一対の第1内周面に対応してそれぞれ設けられており、前記作動機構は、前記バレルの回動に連動する前記ガイド板を、前記リテーナの第1内周面において当該バレルの回動に伴い同バレルの空気上流側の開口部が離間する面と前記バレルとの間に位置するように回動させるとともに、前記一対のガイド板において対応する一方のガイド板を前記バレルの回動に連動して回動させる一方、他方のガイド板についてはその全体を当該リテーナの第1内周面に当接させた状態に維持するものであり、前記作動機構は、同ガイド板と一体且つ前記回動軸の軸線方向に平行に形成される作動軸と、前記バレルの略長方形の短辺を含む部位に形成されて前記作動軸が挿通される作動孔とを含み、同作動孔は、前記バレルの回動中心とされる軸を中心とした円弧状をなす円弧部と、同円弧部の一端に接続されるとともに前記バレルが中立位置にある状態において前記一対のガイド板において対応する一方のガイド板の回動軸に向けて延びる第1部と、同円弧部の他端に接続されるとともに前記バレルが中立位置にある状態において他方のガイド板の回動軸に向けて延びる第2部とを有することをその要旨としている。
リテーナ及びバレルの双方が断面略長方形の筒状をなすものであって、バレルが、バレルの第1外周面がリテーナの第1内周面に沿うように、且つリテーナの第2内周面に対して直交する軸を中心に回動可能に設けられる空調用レジスタがある。こうした空調用レジスタでは、リテーナの空気下流側の開口部においてリテーナの第1内周面とバレルの第1外周面とによって形成される開口部が空調用空気の吹き出る外側吹出口となる。ここで、こうした長尺構造を有する空調用レジスタにあって、バレルの回動により外側吹出口の面積が小さくなることに起因して、当該外側吹出口を通じて吹き出される空調用空気によって内側吹出口を通じて吹き出される空調用空気の流れが乱されるといった問題が特に顕著なものとなる。この点、こうした構成を備える空調用レジスタに対して請求項1に記載の発明を適用すれば、中立位置からバレルが回動されている場合であれ、吹出口から吹き出される空調用空気の指向性を的確に向上させることができるようになる。
また、中立位置からバレルが回動すると、上記対応する一方のガイド板についてはこれを、リテーナの一対の第1内周面において当該バレルの回動に伴い同バレルの空気上流側の開口部が離間する面とバレルとの間に位置するように回動する一方、上記対応しない他方のガイド板についてはその全体がリテーナの第1内周面に当接するようにする。このため、上記対応しない他方のガイド板の位置に起因して、リテーナの内部における空調用空気の流れが乱されることを回避することができるようになる。
以下、本発明に係る空調用レジスタを具体化した第1実施形態について図1〜図7を参照して詳細に説明する。尚、本実施形態の空調用レジスタは、車両の運転席と助手席との間にあってインストルメントパネルの一部を構成するセンタークラスタに設けられている。具体的には、センタークラスの上部には、ナビゲーションシステムのためのディスプレイ装置が設けられており、空調用レジスタは、車幅方向においてディスプレイ装置の両側に設けられている。
図1に示すように、水平方向の長さに対して鉛直方向の長さが大きい構造、いわゆる長尺構造を有する空調用レジスタは、リテーナ2、バレル4、一対のガイドフィン7、支持部材8、及びカバー3を備えている。
<リテーナ2>
空調用空気の導管としてのリテーナ2は、空気上流側に配置される上流側リテーナ20と、上流側リテーナ20の空気下流側に配置される下流側リテーナ21とを備えている。上流側リテーナ20及び下流側リテーナ21は共に、断面略長方形の筒状をなしている。
底部27における空気下流側の端部近傍には、後に詳述するバレル4の回動軸48を回動可能に支持するための孔28が形成されている。また、底部27における空気上流側の端部には、後に詳述する一対のガイドフィン7を回動可能に支持するための一対の孔29が形成されている。尚、同図においては孔29のうちの一方のみを図示している。
バレル4は、下流側リテーナ21の内部にて回動可能に設けられて空気の吹出し方向を可変とするものであり、断面略長方形の筒状をなすバレル本体40と、バレル本体40の内部に設けられるフィン群50と、フィン群50を連結するロッド60とを備えている。
バレル本体40の頂部41には、同頂部41に対して直交する軸であって、同頂部41からこれに対向する下流側リテーナ21の第2内周面24に向けて延びる回動軸42が形成されている。すなわち、バレル本体40が下流側リテーナ21に組み付けられた状態において、回動軸42は下流側リテーナ21の第2内周面24に対して直交する。また、頂部41において回動軸42よりも空気上流側には、後に詳述するガイドフィン7の作動軸72を挿通するための作動孔43が形成されている。
フィン群50は、略平板状をなす6つのフィン本体51からなり、バレル本体40の頂部41及び底部47に沿うように設けられる。フィン本体51には、バレル本体40の側部44に形成された孔46に挿通される回動軸52、フィン本体51の空気上流側の端部から空気上流側に向けて突出するアーム部55、アーム部55の先端部から延びるとともに回動軸52の延びる方向に沿うように形成される突部53が形成されている。また、6つのフィン本体51のうちの1つにおいて、その空気下流側の端部には、操作ノブ54が形成されている。
バレル本体40の孔46にフィン本体51の回動軸52が挿通されるとともに、ロッド60の孔61にフィン本体51の突部53が挿通されることにより、これらバレル本体40、フィン群50、及びロッド60が組み付けられる。
ガイドフィン7は、ガイド板73、頂部70及び底部74を備えており、下流側リテーナ21の内部において、バレル本体40の空気上流側の開口部よりも空気上流側に設けられる。
頂部70は平板状、より詳しくは扇状をなしており、ガイド板73の長手方向の端部(同図中において上端)においてガイド板73に対して直交する態様にて接続されている。具体的には、頂部70において扇の円弧に対応する部分が空気下流側に位置するように、頂部70において扇の半径に対応する部分がガイド板73に接続されている。頂部70において扇の中心に対応する部分には、下流側リテーナ21の頂部22に向けて(同図中において上方に向けて)突出する回動軸71が形成されている。また、頂部70においてガイド板73の端部から最も離間した部分には、下流側リテーナ21の底部27に向けて(同図中において下方に向けて)突出する作動軸72が形成されている。
支持部材8は、下流側リテーナ21の頂部22に形成された溝部23に取り付けられるとともに、バレル4及びガイドフィン7をそれぞれ回動可能に支持するものである。支持部材8は、下流側リテーナ21の一対の側部25間に延びる平板状の基部81と、基部81から空気下流側に向けて延びる延出部83とを有しており、全体として略T字状をなしている。基部81の各端部には、ガイドフィン7の回動軸71を回動可能に支持するための孔82がそれぞれ形成されている。延出部83の先端部には、バレル本体40の回動軸42を回動可能に支持するための孔84が形成されている。ちなみに、支持部材8は、下流側リテーナ21の内部にバレル4及びガイドフィン7を組み付けた後に下流側リテーナ21の外側から頂部22の溝部23に取り付けられる。
カバー3は、断面略長方形の筒状をなすとともに、空調用レジスタの意匠面を構成する。カバー3の空気下流側の開口部30は、下流側リテーナ21の空気下流側の開口部よりも若干小さくされており、空調用レジスタの実質的な空気の吹出口とされる。カバー3の空気下流側の端部は、下流側リテーナ21の側部25における空気下流側の端部及びバレル本体40の側部44における空気下流側の端部の形状に対応して略円弧状に形成されている。
図3に、組み付けられた状態における空調用レジスタの正面構造を示す。
図4に、組み付けられた状態における空調用レジスタの平面構造を示す。
図2及び図3に併せ示すように、バレル4の空気下流側の開口部が空調用空気の吹き出る内側吹出口Aとなる。また、下流側リテーナ21の空気下流側の開口部において下流側リテーナ21の第1内周面26と同内周面26に対向するバレル本体40の第1外周面45とによって形成される開口部が空調用空気の吹き出る外側吹出口Bとなる。
図6は、図3のD−D断面構造を示す断面図である。尚、図6(a)は、バレル4が中立位置にあるときの状態を示しており、図6(b)は、バレル4が中立位置から右方に回動された状態を示している。以下、一対のガイドフィン7において、同図中左側に位置するものを左側ガイドフィン7Lと称するとともに、同図中右側に位置するものを右側ガイドフィン7Rと称することとする。また、下流側リテーナ21の一対の第1内周面26において、同図中左側に位置するものを符号「26L」にて示すとともに、同図中右側に位置するものを符号「26R」にて示す。
図7は、図3のE−E断面構造を示す断面図である。尚、図7(a)は、バレル4が中立位置にあるときの状態を示しており、図7(b)は、バレル4が中立位置から右方に回動された状態を示している。また、図7(c)は、バレル4が中立位置から左方に回動された状態を示している。
(1)空調用レジスタは、空調用空気の導管としての筒状の下流側リテーナ21と、下流側リテーナ21の内部にて回動可能に設けられて空調用空気の吹出し方向を可変とするバレル4とを備えるものとした。具体的には、下流側リテーナ21及びバレル4の双方は断面略長方形の筒状をなすものとした。また、バレル4は、バレル4の第1外周面45が下流側リテーナ21の第1内周面26に沿うように、且つ下流側リテーナ21の第2内周面24に対して直交する回動軸42、48を中心に回動可能に設けられるものとした。そして、中立位置からのバレル4の回動に連動して、下流側リテーナ21の一対の第1内周面26において当該バレル4の回動に伴いバレル4の空気上流側の開口部が離間する面とバレル4との間に位置するように変位して、バレル4の空気上流側の開口部への空調用空気の流入をガイドするガイドフィン7を備えるものとした。具体的には、ガイドフィン7は、バレル4の空気上流側の開口部よりも空気上流側に位置する板状のガイド板73と、下流側リテーナ21の第2内周面24に対して直交する軸であってガイド板73を回動可能に支持する回動軸71、76と、バレル4の回動に連動してガイド板73が回動するように作動させる作動機構とを備えるものとした。
以下、本発明に係る空調用レジスタを具体化した第2実施形態について図8を参照して説明する。本実施形態において、先の第1実施形態の構成と対応する構成については、「200」を加算した符号を付すことにより重複する説明を割愛する。
リテーナ202は、上流側リテーナ220及び下流側リテーナ221を備えている。
上流側リテーナ220は、一対の側部の内周面である第1内周面220L,220Rの距離が空気下流側に向けて徐々に大きくなるように形成されている。
バレル204を構成するバレル本体240は、その一対の側部244の内周面が互いに平行に形成されている。また、側部244において空気上流側の端部には作動孔243L,243Rが形成されている。
図8(b)に示すように、ガイドフィン207L(207R)は、ガイド板273L(273R)を有しており、ガイド板273L(273R)は上流側リテーナ220の第1内周面220L(220R)の形状に沿った形状を有している。具体的には、ガイド板273Lが第1内周面220Lに当接している状態において、ガイド板273Lは、空気上流側に位置する略板状の上流側部分と、その空気下流側に接続されて空気下流側ほど外側に位置する略板状の下流側部分とを有している。
図8(a)に示すように、バレル4が中立位置にあるときには、各ガイドフィン207L,207Rは、それらのガイド板273L,273Rが上流側リテーナ220の第1内周面220L,220Rから離間するとともに、ガイド板273L,273Rの下流側部分が互いに平行となる。すなわち、ガイド板273L,273Rの下流側部分が上流側リテーナ220の軸線方向、すなわちバレル本体240の側部244に沿うように位置する。
尚、本発明にかかる空調用レジスタは、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
Claims (4)
- 空調用空気の導管としての断面略長方形筒状のリテーナと、前記リテーナの内部にて回動可能に設けられて空調用空気の吹出し方向を可変とする断面略長方形筒状のバレルとを備え、前記バレルの空気下流側の開口部を空調用空気の吹き出る内側吹出口とするとともに、前記リテーナの空気下流側の開口部において同リテーナの内周面と同内周面に対向する前記バレルの外周面とによって形成される開口部を空調用空気の吹き出る外側吹出口とする空調用レジスタにおいて、
前記リテーナの内周面において略長方形の長辺を含む一対の内周面を第1内周面とするとともに短辺を含む一対の内周面を第2内周面とし、前記バレルの外周面において略長方形の長辺を含む一対の外周面を第1外周面とするとき、
前記バレルは、前記バレルの第1外周面が前記リテーナの第1内周面に沿うように、且つ前記リテーナの前記第2内周面に対して直交する軸を中心に回動可能に設けられ、
中立位置からの前記バレルの回動に連動して、前記リテーナの一対の第1内周面において当該バレルの回動に伴い同バレルの空気上流側の開口部が離間する部位と前記バレルとの間に位置するように変位して、前記バレルの空気上流側の開口部への空調用空気の流入をガイドするガイド機構を備え、
前記ガイド機構は、前記バレルの空気上流側の開口部よりも空気上流側に位置する板状のガイド板と、前記リテーナの前記第2内周面に対して直交する軸であって前記ガイド板の一端且つ前記リテーナの第1内周面近傍に設けられて該ガイド板を回動可能に支持する回動軸と、前記バレルの回動に連動して前記ガイド板が回動するように作動させる作動機構とを備え、
前記ガイド板及び前記回動軸は前記リテーナの一対の第1内周面に対応してそれぞれ設けられており、
前記作動機構は、前記バレルの回動に連動する前記ガイド板を、前記リテーナの第1内周面において当該バレルの回動に伴い同バレルの空気上流側の開口部が離間する面と前記バレルとの間に位置するように回動させるとともに、前記一対のガイド板において対応する一方のガイド板を前記バレルの回動に連動して回動させる一方、他方のガイド板についてはその全体を当該リテーナの第1内周面に当接させた状態に維持するものであり、
前記作動機構は、同ガイド板と一体且つ前記回動軸の軸線方向に平行に形成される作動軸と、前記バレルの略長方形の短辺を含む部位に形成されて前記作動軸が挿通される作動孔とを含み、同作動孔は、前記バレルの回動中心とされる軸を中心とした円弧状をなす円弧部と、同円弧部の一端に接続されるとともに前記バレルが中立位置にある状態において前記一対のガイド板において対応する一方のガイド板の回動軸に向けて延びる第1部と、同円弧部の他端に接続されるとともに前記バレルが中立位置にある状態において他方のガイド板の回動軸に向けて延びる第2部とを有する
ことを特徴とする空調用レジスタ。 - 請求項1に記載の空調用レジスタにおいて、
前記ガイド板は、前記バレルが中立位置にあるときには前記リテーナの軸線方向に沿うように位置する
ことを特徴とする空調用レジスタ。 - 請求項1又は請求項2に記載の空調用レジスタにおいて、
前記ガイド板は前記リテーナの内部において前記バレルの略長方形の長辺全体にわたって延びる
ことを特徴とする空調用レジスタ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の空調用レジスタにおいて、
前記作動機構は、前記バレルが中立位置にあるときには前記ガイド板の全体を前記リテーナの第1内周面に当接させる
ことを特徴とする空調用レジスタ。
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