JP5219437B2 - 冊子 - Google Patents

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本発明は、例えば商品のカタログや宣伝用のパンフレットなどとして好適に用いられる冊子に係わり、特に店頭や路上、種々のイベント会場などで、来客や歩行者に配布したり、ダイレクトメールとして取引先の企業や一般家庭などに宅配したりするのに適した冊子に関するものである。
上記のようなカタログやパンフレットとしては、その目的や配布対象に応じて種々のものが考えられるが、その情報量やアピール力、保管性などの観点から、一般には複数の紙片を綴じて製本した冊子状のものとすることが望ましい。
このような冊子状のカタログやパンフレットを来客や歩行者に配布する場合、特にダイレクトメールとして郵送や宅配する場合には、搬送時にカタログやパンフレットのページが開いてしまわないように、これらを封筒のような袋状のものに入れる必要があるが、このような袋詰め作業には手間と費用がかかると共に、上記封筒などは早晩捨てられることになるため資源の無駄となる。
このような観点から、例えば特許文献1には、二つ折りされた表紙用紙の中央部にこれよりもやや小さい小冊子の本体を挟んで取付け、上記表紙用紙の周縁部を剥離可能に貼着することによって、封筒を使用することなく安価に郵送することができる郵送用小冊子が記載されている。
特開平9−39450号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の小冊子は、印刷から、糊付け、圧着に到るほとんど全ての工程を自動ラインで処理することができ、発送作業を簡略化することができるものの、郵送を前提とするものであるからして、その大きさや厚さに自ずと制限があって、より大型のカタログやパンフレットであっても、封筒などを用いることなく、しかも手渡し時や搬送途中でページが開くような不具合を生じることなく、そのまま配布することができる冊子が求められていた。また、冊子の頁数が増すにしたがって、各頁の記載内容を頁を開くことなく確認できるようなことも望まれており、このような要望に答えることが課題となっていた。
本発明は、カタログやパンフレットなどとして配布される冊子における上記のような課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、上記したように、封筒などを用いることなくそのまま配布したり、宅配したりすることができ、手渡し時や搬送途中でページが開くようなことがなく、しかも記事の記載位置を容易に確認することができる冊子を提供することにある。
本発明の冊子は、ステープラーにより中綴じ製本された冊子の表紙及び裏表紙のいずれか一方の自由端側に、折り線を介して連続する封着片が設けてあり、該封着片が上記表紙及び裏表紙の他方に剥離可能に貼着されており、上記表紙及び裏表紙以外の冊子本体部分を構成する少なくとも1頁の頁幅がこれよりも表紙側に位置する頁の幅よりも大きく、表紙側頁から露出した部分がインデックスとなっていると共に、連続する上記表紙及び裏表紙の折り線上に切り離し用のミシン目が形成されていることを特徴としており、当該冊子の好適形態としては、上記表紙又は裏表紙の裏面が返信用のファックス用紙になっていることを特徴とする。
また、本発明の他の好適形態としては、上記表紙及び裏表紙の他方の内面に、当該冊子の綴じ目側に開口するポケット状の収納部が形成されていることを特徴とし、該収納部は、例えば上記表紙及び裏表紙の他方の自由端側に連続する紙片を内側に折り返すことによって形成されていることをを特徴としている。そして、当該収納部には、例えば返信用のはがき又は封筒を収納することができる。
そして、本発明の冊子のさらに他の好適形態としては、当該冊子がカタログであることを特徴としている。
本発明によれば、ステープラーにより中綴じ製本された冊子の表紙及び裏表紙のいずれか一方の自由端側に、折り線を介して連続する封着片が設けてあり、この封着片が上記表紙及び裏表紙の他方に剥離可能に貼着されているので、冊子の搬送途中や配布時にページが開くのを防止することができ、封筒などを用いることなく、そのまま手渡ししたり、宅配したりすることができるので、包装の手間や資源、コストの無駄を解消することができる。
一方、連続する表紙及び裏表紙の折り線上、すなわちステープラーによる中綴じ部分には、ミシン目が形成されているので、当該冊子を受け取った側では、貼着された封紙片を剥離させた後、ミシン目によって表紙と裏表紙を切離せば、冊子から表紙及び裏表紙を取り除くことができ、これによって、冊子の本体部分のみを保管することができる。そして、表紙及び裏表紙を除いた冊子の本体部分については、当該本体部分を構成する少なくとも1頁の頁幅がこれよりも表紙側に位置する頁の幅よりも大きくしてあり、表紙側頁から露出した部分がインデックスとなっていることから、当該冊子本体部に記載された記事の位置を容易に知ることができ、所望の記事の記載ページを速やかに開くことができるようになる。
以下、本発明の冊子の実施形態などについて、さらに詳細に説明する。
本発明の冊子は、上記したように、表紙及び裏表紙の一方に設けた封着片を介して表紙と裏表紙を見開き側で剥離可能に連結し、もって当該冊子を閉じた状態に保持するようにしており、封筒などを用いることなく配布を可能にしたものであって、本体部分の頁幅を変えることによってインデックスが形成されており、所望記事の記載ページを容易に確認することができるので、とりわけ取引先などに配布するカタログに好適に用いられるものである。
このとき、上記封着片を表紙又は裏表紙にミシン目を介して連設することによって、当該封着片を冊子から除去した状態で、冊子のみを保管することができる。
特に、当該冊子を宅配する場合には、この封着片上に配布先の住所、氏名などの宛名書きを記載することが望ましく、これによって宛名表示を冊子から封着片と共に除去することができ、受け取った冊子を宛名記載のない状態で保管することができる。なお、ここで言う宛名の記載とは、手書きによるもののみならず、タイプやプリンタによるもの、宛名ラベルの貼り付けによるものなどをも含むことは言うまでもない。
当該冊子がステープラーによって中綴じされたものの場合には、上記ミシン目を連続する表紙及び裏表紙用紙片の折り目上、すなわち冊子の背の部分に形成するようにすることができ、当該ミシン目から表紙及び裏表紙を切り離すことによって、冊子本体から表紙と裏表紙を除去して本体部分のみを保管することができるようになる。
そして、切り離した裏表紙や、表紙の裏面側は、当該冊子の内容に応じた返信用紙、例えば注文用紙やアンケート用紙として利用することができ、このようなフォームを印刷したファックス用紙とすることも望ましい。
また、表紙及び裏表紙の他方、すなわち上記封着片を設けなかった側の内面に、当該冊子の綴じ目側に開口するポケット状の収納部を形成することもでき、この収納部には、例えばアンケートや注文用紙のフォームを印刷したはがきや、返信用の封筒などを入れておくことができる。
そして、上記収納部は、表紙や裏表紙を形成する紙片とは別の紙片を接着することによって設けることもできるが、工程をより簡略化するためには、表紙及び裏表紙の他方の自由端側に折り線を介して連続する紙片を一体的に設け、この紙片を折り線から内側に折り返した状態で、天地側両辺の周縁部を接着することによって形成することが望ましい。
なお、この収納部は、開口部と綴じ目との距離を収納物の寸法に対して十分に小さなものとすれば、当該冊子の天地両端が開いていても、収納部から収納物が脱落するようなことはない。
上記封着片を表紙及び裏表紙の他方に剥離可能に貼着するには、例えば市販の液状剥離性接着剤を用い、これをスプレー塗布した後、封着片を折り重ねて圧着することによって貼着することができる。
また、例えばポリオレフィン系共重合樹脂及び酢酸ビニル系樹脂を適量の添加剤と共に水に混合した低強度接着剤を封着部分に塗布した後、乾燥させ、封着片を折り重ねた状態で熱圧着するようになすこともできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。
参考例)
図1(a)に示すように、ほぼA3サイズをなす3枚の用紙2,3,4を中綴じして、表紙及び裏表紙と、都合8ページから成る本体部分を備えたA4(210mm×297mm)版の冊子1を製造した。
図において、用紙2は、A3より若干大きなサイズを有し、表紙2a及び裏表紙2bとなるものであって、この実施例においては、裏表紙2bの自由端側(綴じ目の反対側であって、冊子の見開き側)に、約50mm幅の封着片2cが一体的に設けてあり、裏表紙2bとの境界には、切り取り線となるミシン目Cが形成してある。
一方、用紙3及び4は、当該冊子1の本体部分を構成するものであって、それぞれの折り目位置(中綴じ位置)をずらすことによって、各ページ3a、4a、4b、3bの頁幅がこの順に、言い換えると図中の下方側、つまり裏表紙側に行くほど、約10mmずつ大きくなるようにしてある。
なお、上記裏表紙2b及びページ3bについては、ほぼA4サイズをなし、表紙2aの頁幅は、ページ3aよりも約10mmだけ小さなものとなっている。
図1(b)は、上記各用紙2〜4が中綴じされた状態を示す平面図であって、表紙2a、裏表紙2b、本体部分の各ページの頁幅を上記のようにすることによって、各ページの右端部分が、上側(表紙側)のページに隠れることなく、から露出することになるので、この露出部分に当該ページの記述内容を記載しておくことによって、各ページのインデックスとして機能することになる。
当該実施例においては、製本方法については特に限定されず、例えばステープラーを用いた中綴じを採用することができるが、紙資源のリサイクル効率を高める観点からは、このような針金を用いることなく、のり綴じなどによる中綴じを採用することが望ましい。
次に、上記封着片2cの端部寄りの位置に、液状の低強度剥離性接着剤A1をスプレー塗布したのち、当該封着片2cをミシン目Cから折り曲げ、表紙2aの上に重ねて圧着することによって、この封着片2cが表紙2aに剥離可能に貼着され、図1(c)に示すような冊子1が得られる。
このようにして得られた冊子1においては、封着片2cによって表紙2aと裏表紙2bとが見開き側において連結されているので、閉じた状態に保持することができ、配布や搬送途中でページが開くことによって、汚れたり、破損したりすることがないので、封筒などに入れることなく、そのまま手渡したり、宅配することができ、準備の手間やコスト、資源の無駄を省くことができる。
一方、受け取った側では、封着片2cを剥がし、ミシン目Cに沿って切り離すことによって通常の形態の冊子となることから、保管や閲覧に適したものとなり、このとき発生する紙くずも、幅50mm程度の最小限のものとすることができる。
また、閲覧に際しては、各ページの端部がインデックスとなっているので、各ページの記載内容を知ることができ、所望のページを速やかに開くことができ、特にページ数の多いカタログなどに好適なものとなる。なお、ページ数が特に多い場合には、インデックスとなるページ端辺を段付き形状にすることもできる。
また、当該冊子1を、例えば商品カタログとして、顧客に宅配するような場合には、当該冊子1の送付先を印字した宛名ラベル5を上記封着片2cの上に貼ることが望ましい。 この場合、受け取った側では、封着片2cをミシン目Cから切り離すことによって宛名ラベル5を封着片2cと共に冊子1から取り除くことができ、封筒などを用いていないにも拘わらず、当該冊子1に宛名記載を残すことなく保管しておくことができる。
(実施例1)
同様の冊子を製造するに際して、図2(a)に示すように、表紙2a及び裏表紙2bとなる用紙2について、表紙2aと裏表紙2bの間の折り線(中綴じ部分)上に切り離し用のミシン目Cを形成する一方、裏表紙2bと封着片2cの間にミシン目に替えて折り線Fを形成すると共に、中綴じに際してステープラーSを使用しており、これ以外は、上記実施例1と基本的に変わるところはなく、図2(b)及び(c)に示すように、封着片2cを折り線Fから折り曲げ、同様の接着剤A1によって、表紙2aの上に圧着することによって、この封着片2cが表紙2aに剥離可能に貼着され、冊子11が得られる。
このような冊子11を受け取った側では、図3に示すように、封着片2cを剥がしたのち、表紙2aと裏表紙2bとをミシン目Cから切り離すことができ、これによって用紙3及び4から成る冊子の本体部分を分離して保管することができるようになり、保管や閲覧により適したものとなる。
そして、切り離した裏表紙2bや表紙2aの裏面側は、アンケート用紙や、注文用紙などの返信用の用紙や、このような内容のファックス用紙とすることができる。なお、この場合には、裏表紙2bと封着片2cの間の折り線Fに沿って、ミシン目を設けておくようにすることも可能である。
(実施例
上記実施例と同様の冊子を製造するに際して、図4(a)に示すように、用紙2に関して、裏表紙2bの自由端側には、封着片2cを同様に設けると共に、表紙2aの自由端側には、折り線Fを介して約120mm幅の折り返し片2dを一体的に設けた。
次に、図4(b)に示すように、折り返し片2dを折り線Fから内側に折り曲げて表紙2aの上に重ね、表紙2aの上下端縁部に接着剤A2を塗布して、当該折り返し片2dの上下端部のみを表紙2aに剥離不能に接着し、表紙2aの内側にポケット状の収納部6を形成した。
そして、この収納部6に、例えば注文書のフォームを印刷したはがき7を入れた状態で、表紙2aを他ページの重ね、同様に封着片2cを表紙2aに剥離可能に貼着することによって本例の冊子を得た。
このようにして得られた本例の冊子1においては、上記実施例と同様の効果に加えて、表紙2aに設けた収納部6に、当該冊子の記述内容に応じた種々の物品を収納した状態で配布することができ、例えば上記のように注文書のフォームを印刷したはがきを入れておくことによって、顧客の反応を直接把握することができる。
なお、上記の場合、収納部6の深さ寸法(折り返し片2dの幅寸法)が約120mmであって、はがき7(100×148mm)を十分に収納できると共に、開口部から綴じ目までの寸法が約90mmとなることから、配送途中ではがき7が当該収納部6から脱落するようなこともない。
本発明の冊子は、例えばカタログや、各種商品の宣伝用や会員制クラブなどへの勧誘用ダイレクトメール、同窓会や各種クラブへの会員名簿付きの開催案内状、展示会や頒布会など各種イベントへの展示品リスト付きの案内状などに広く適用することができる。
また、表紙や裏表紙に収納部を設けた場合の収納物としては、厚みのない比較的平面状のものであれば特に限定されず、上記した注文書の他には、アンケート用紙や、入会申込書、会合への出欠確認票、イベント会場への入場券や地図、割引券、景品などの引き換え券、抽選券、駐車券などのカード状のもののみならず、デモソフトやサンプルプログラムを収納したCDROMのようなも収納することができる。
(a)〜(c)は参考例に係わる冊子の製造手順を説明する工程図である。 (a)〜(c)は本発明の第の実施例に係わる冊子の製造手順を説明する工程図である。 図2に示した冊子における表紙及び裏表紙の取り外し要領を説明する斜視図である。 (a)及び(b)は本発明の第の実施例に係わる冊子の製造手順を説明する工程図である。
符号の説明
1、11 冊子
2a 表紙
2b 裏表紙
2c 封着片
5 宛名ラベル
6 収納部
C ミシン目
F 折り線
S ステープラー

Claims (6)

  1. ステープラーにより中綴じ製本された冊子の表紙及び裏表紙のいずれか一方の自由端側に、折り線を介して連続する封着片が設けてあり、該封着片が上記表紙及び裏表紙の他方に剥離可能に貼着されており、上記表紙及び裏表紙以外の冊子本体部分を構成する少なくとも1頁の頁幅がこれよりも表紙側に位置する頁の幅よりも大きく、表紙側頁から露出した部分がインデックスとなっていると共に、連続する上記表紙及び裏表紙の折り線上に切り離し用のミシン目が形成されていることを特徴とする冊子。
  2. 上記表紙の裏面又は裏表紙が返信用のファックス用紙になっていることを特徴とする請求項に記載の冊子。
  3. 上記表紙及び裏表紙の他方の内面に、当該冊子の綴じ目側に開口するポケット状の収納部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の冊子。
  4. 上記表紙及び裏表紙の他方の自由端側に連続する紙片を内側に折り返すことによって上記収納部が形成されていることをを特徴とする請求項に記載の冊子。
  5. 上記収納部に返信用のはがき又は封筒が収納されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つの項に記載の冊子。
  6. カタログであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つの項に記載の冊子。
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