JP4078637B2 - コンテナ付き冊子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナ付き冊子およびその製造方法に関し、特に、コンテナが接着された表紙カバーに、冊子を剥離性を有する接着剤で接着したコンテナ付き冊子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、消費者のニーズの多様化により、雑誌や書籍などの出版の分野において、消費者による様々な種類の出版物の需要が高まっている。その中の1つに、音楽CDなど書籍以外の収納物品とセットで提供される出版物があった。また、広告ツールとして、カタログやパンフレット等に試供品やプレミアムをベタ付けして消費者に配布されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冊子形状の雑誌などに付属可能な収納物品の形状は限定されており、雑誌とセットで提供されることにより効果を発揮する収納物品を、雑誌に付属させることが困難である場合があった。また、雑誌などと収納物品とを所定の箱に格納して販売すると、消費者は雑誌などの内容を確認することが困難であり、購買の機会を逃すことがあった。さらに、試供品などをベタ付けしたカタログなどでは、流通段階で試供品が脱離または破損したりして広告イメージを悪くしてしまうこともあった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、冊子に、様々な形状の物品を容易かつ安定して付属させることが可能なコンテナ付き冊子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、冊子と、物品が収納されるコンテナと、前記冊子およびコンテナを覆う表紙カバーとにより構成されるコンテナ付き冊子であって、前記表紙カバーは、2面の表紙面と前記2面の表紙面を連接する背表紙面からなり、前記冊子は、前記表紙カバーの表紙面の一方の内側と剥離可能に接着され、前記コンテナは、一定の剛性を有する紙を素材とし、側面を所定の厚みとし、表面および裏面が前記冊子と略同じ大きさに形成され、前記表面および裏面のいずれかに前記物品を収納するための窓が設けられ、前記表紙カバーの他方の表紙面の内側に接着固定され、さらに、互いに略平行な2本のミシン目と、該ミシン目の垂線上に設けられた切り込みと、該切り込み上の所定位置に設けられた穴部とが形成され、前記ミシン目は、前記コンテナの窓に対応する部分の周囲に開口用に設けられ、前記窓に前記物品が収納されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項記載の発明は、冊子と、物品が収納されるコンテナと、前記冊子およびコンテナを覆う表紙カバーとにより構成されるコンテナ付き冊子の製造方法であって、一定の剛性を有する紙を素材とし、側面を所定の厚みとし、表面および裏面を前記冊子と略同じ大きさとし、前記表面および裏面のいずれかに前記物品を収納するための窓が設けられ、さらに、互いに略平行な2本のミシン目と、該ミシン目の垂線上に設けられた切り込みと、該切り込み上の所定位置に設けられた穴部とが形成され、前記ミシン目は、前記コンテナの窓に対応する部分の周囲に開口用に設けられるように前記素材とした紙を加工して前記コンテナを製函する工程と、前記冊子を印刷および製本して製造する工程と、前記表紙カバーの一方の表紙面の内側に剥離性の接着剤を塗布して前記表紙カバーと前記冊子とを剥離可能に接着する工程と、前記表紙カバーの他方の表紙面の内側に接着剤を塗布して前記表紙カバーと前記コンテナとを接着固定する工程と、前記製函されたコンテナに前記物品を収納する工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるコンテナ付き冊子を示す図である。図1に示されているように、コンテナ付き冊子は、流通時または販売時においては、冊子1、コンテナ2、および表紙カバー3が一体となっている。
【0011】
図2は、本発明の第1の実施形態におけるコンテナ付き冊子を示す図であって、図1に示されるコンテナ付き冊子の表紙カバー3を開いたものである。冊子形状の雑誌などである冊子1は、表紙カバー3と分離可能となっている。なお、表紙カバー3における冊子1との接触面(表紙部31の内側)には、剥離性のある糊が塗布されている。また、冊子1における表紙カバー3との接触面には、PP加工またはプレスコート加工が施されている。冊子1を表紙カバー3から分離しても、表紙カバー3に塗布された剥離性を有する接着剤は、冊子1に付着せず、表紙カバー3に残存したままとなる。従って、冊子1は、表紙カバー3と分離後も繰り返し接着することが可能となっている。
【0012】
コンテナ2は、一定の剛性を有するダンボール紙などを素材としている。コンテナ2の表面には、所定の収納物品を収納するための窪み状の窓21が設けられている。また、図2に示されているように、窓21には、収納物品を収納保持するための突起22a、22bが設けられている。なお、図2には、窓21の左右に1個ずつ、対向するように計2個の突起が設けられているが、突起の数、形状、および設けられる位置は、図により限定されないものとする。
【0013】
また、コンテナ2の裏面(表面に対向する面)には、コンテナ2に収納されている収納物品を視認するための小窓171が設けられている。小窓171の面積は、窓21よりも小さいものとする。
【0014】
また、コンテナ2は、側面を所定の厚みとし、表面および裏面が冊子1および表紙カバー3の裏表紙部32と略同じ大きさに形成されている。また、コンテナ付き冊子を数冊積み重ねて、バンドやひも等で結束する場合、結束で冊子1の周辺が押圧されて損傷しないようにコンテナ2の表裏面を冊子1の表裏面より多少幅広とする。また、コンテナ2の側面には、所定の文字、デザイン等が印刷されている。例えば、表紙カバー3の背表紙部33には縦書きまたは横書きの表題等(ABC)、一方、コンテナ2の側面には横書きまたは縦書きの表題等(ABC)を印刷しておくと、書店での配置が書棚であっても段積みであっても対応可能となる。
【0015】
冊子1とコンテナ2内の収納物品との組み合わせとしては、以下のようなものであってもよい。例えば、冊子1を所定の雑誌とし、収納物品を冊子1の内容に関連するフィギュア模型(人形)または関連する図柄が示されたカード類などの景品としてもよい。また、冊子1を商品のカタログやパンフレット、その他の情報誌とし、収納物品を冊子1に掲載されている商品のサンプル品として、コンテナ付き冊子を商品の販売促進用に用いてもよい。また、冊子1の内容に関連するものであれば、他のものであってもよい。本実施形態では、以下、収納物品をフィギュアとして説明を進める。
【0016】
図3は、本発明の第1の実施形態におけるコンテナ2の展開平面図を示す。以下、図3を用いて、本実施形態におけるコンテナ2について説明する。
【0017】
長方形の底面部101の長辺側の一端には折り目111を介して側面112が連設され、側面112には折り目113を介して上面114が連設され、上面114の中央部には折り目115、172を介して支持片116が連設され、支持片116には折り目117を介して支持片118が連設されている。上面114の両端部には折り目119を介して差し込み片120が、折り目121を介して差し込み片122が、それぞれ連設されている。また、支持片116には、切り込み174が設けられている。
【0018】
同様に、底面部101の長辺側の他端には折り目131を介して側面132が連設され、側面132には折り目133を介して上面134が連設され、上面134の中央部には折り目135、173を介して支持片136が連設され、支持片136には折り目137を介して支持片138が連設されている。上面134の両端部には折り目139を介して差し込み片140が、折り目141を介して差し込み片142が、それぞれ連設されている。また、支持片136には、切り込み175が設けられている。
【0019】
さらに、底面部101の短辺側の一端には折り目151を介して側面152が連設され、側面152には折り目153を介して上面154が連設され、上面154には折り目155を介して側面156が連設され、側面156には折り目157を介して貼着片158が連設されている。上面154には中央部に差し込み溝159が設けられている。
【0020】
同様に、底面部101の短辺側の他端には折り目161を介して側面162が連設され、側面162には折り目163を介して上面164が連設され、上面164には折り目165を介して側面166が連設され、側面166には折り目167を介して貼着片168が連設されている。上面164には中央部に差し込み溝169が設けられている。
【0021】
また、底面部101の中央部分には、小窓171が形成されている。
【0022】
次にコンテナ2の組み立てについて説明する。
まず、折り目151、153、155を内側に折り曲げるとともに、折り目157を外側に折り曲げ、貼着片158を底面部101に糊などの接着剤で貼着する。同様に、折り目161、163、165を内側に折り曲げるとともに、折り目167を外側に折り曲げ、貼着片168を底面部101に糊などの接着剤で貼着する。これにより上面154および164が底面部101から所定の高さに固定される。
【0023】
次に、折り目111、113、115、117、119、121、172を内側に折り曲げ支持片118を底面部101上に接触させ、差し込み片120を差し込み溝159に挿入し、差し込み片122を差し込み溝169に挿入する。同様に、折り目131、133、135、137、139、141、173を内側に折り曲げ支持片138を底面部101上に接触させ、差し込み片140を差し込み溝159に挿入し、差し込み片142を差し込み溝169に挿入する。
【0024】
折り目115、172が内側に折り曲げられると、切り込み174部分において、突起22aが形成される。また、折り目135、173が内側に折り曲げられると、切り込み175部分においても突起22bが形成される。
【0025】
このように組み立てることにより図4に示すようなコンテナ2が出来上がる。コンテナ2の上面には景品などを入れるための窓21が形成される。コンテナ2が組み立てられた後、窓21から景品(収納物品)のフィギュアが入れられる。なお、コンテナ2内の収納物品を視認する必要がない場合には、特に小窓171を設けなくてもよい。
【0026】
また、コンテナ2の窓21が設けられている面と向かい合う面には、窓21に入れられた収納物品の外見が確認できるように、小窓171が設けられている。小窓171は、透明性を有するシート状のものであってもよい。また、収納物品が透明性を有する容器4に格納されている場合には、コンテナ2をくり抜いて形成するとしてもよい。なお、収納物品または容器4が小窓171から取り出すことができないように、小窓171の面積は、窓21の面積よりも小さいこととする。また、コンテナ2内の収納物品を視認する必要がない場合には、特に小窓171を設けなくてもよい。
【0027】
また、図4に示されているように、窓21には、可撓性を有する素材からなる突起22a、22bが設けられている。横幅が、窓21の横幅よりも短く、突起22a、22bの頂点を結ぶ線分よりも長い収納物品を、窓21に収納する際、突起22a、22bを撓ませて収納物品を窓21に押入する。収納物品が窓21内に完全に収納されると、撓んでいた突起22a、22bは復元し、収納物品を収納保持する。
【0028】
図5は、本発明の第1の実施形態における表紙カバー3を示す図である。以下、図5を用いて、表紙カバー3について説明する。
【0029】
表紙カバー3は、表紙部31に折り目34を介して背表紙部33が連設され、背表紙部33に折り目35を介して裏表紙部32が連設されている。表紙部31、背表紙部33、裏表紙部32にはそれぞれ所定の文字(ABC)、デザイン等が印刷されている。背表紙部33の幅は、コンテナ2と冊子の厚みの総和とする。
【0030】
表紙部31上のPP加工されていない接着剤塗布領域37には、剥離性の接着剤が塗布される。なお、図5では、表紙部31上に4箇所接着剤を塗布したが、塗布する箇所の数および位置は、図により限定されない。
【0031】
裏表紙部32上の接着剤塗布領域38には、接着剤が塗布される。なお、図5では、裏表紙部32上に4箇所接着剤を塗布したが、塗布する箇所の数および位置は、図により限定されない。また、背表紙部33の内面で冊子1とコンテナ2を剥離可能に接着してもよい。
【0032】
また、裏表紙部32の中央部分には、コンテナ2内の収納物品を確認するための小窓36が設けられている。小窓36は、透明性を有するシート状の素材により形成されてもよい。また、収納物品が容器4に格納されている場合、あるいはコンテナ2の小窓171が透明性を有するシート状の素材により形成される場合には、裏表紙部32をくり抜いて小窓36を形成するとしてもよい。また、小窓36が透明性を有するシート状の素材で形成されている場合、コンテナ2の小窓171はくり抜かれて形成されるとしてもよい。なお、収納物品または容器4が小窓36から取り出すことができないように、小窓36の面積は、小窓171と同様に、窓21よりも小さいものとする。コンテナ2と表紙カバー3との接着時には、小窓36と小窓171との位置は、ほぼ重なるものとする。
【0033】
図6は、本発明の第1の実施形態におけるコンテナ付き冊子の製造工程を示す図である。以下、図6に沿って、本実施形態におけるコンテナ付き冊子の製造工程について説明する。
【0034】
図6の(a)に示されているように、まず、表紙カバー3の表紙部31上に、冊子1を載置する。表紙部31上には、剥離性を有する接着剤が塗布されており、冊子1を、表紙カバー3の表紙部31に接着する。なお、上記の剥離性を有する接着剤は、エマルジョン系のホットメルト接着剤であってもよい。また、剥離性を有する接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体などによるホットメルト接着剤であってもよい。冊子1は、表紙カバー3と繰り返し容易に接着・分離することが可能となる。
【0035】
次に、図6の(b)に示されているように、表紙カバー3の裏表紙部32上に、コンテナ2を載置する。裏表紙部32上には、接着剤が塗布されており、コンテナ2において窓21が設けられている面に対向する面を表紙カバー3の裏表紙部32に接着し、固定する。また、この際、表紙カバー3における小窓36の位置とコンテナ2における小窓171の位置は、ほぼ重なっているものとする。
【0036】
次に、図6の(c)に示されているように、フィギュアなどの収納物品が格納された容器4をコンテナ2の窓21内に入れる。容器4は、ブリスターパックなどの透明性を有する容器であってもよいし、ピロー包装などであってもよい。なお、収納物品を容器4に入れずに直接窓21に入れてもよい。
【0037】
また、コンテナ2の窓21が設けられている面と向かい合う面には、窓21に入れられた収納物品の外見が確認できるように、小窓171が設けられている。小窓171は、透明性を有するシート状の素材により形成されてもよい。また、収納物品が容器4に格納されている場合には、コンテナ2をくり抜いて形成するとしてもよい。なお、収納物品または容器4が小窓171から取り出すことができないように、小窓171の面積は、窓21の面積よりも小さいこととする。
【0038】
図6の(d)は、容器4格納後のコンテナ付き冊子を示す図である。容器4格納後、折り目34、35をそれぞれ内側に折り曲げて、表紙カバー3を閉じることにより、図1に示されるようなコンテナ付き冊子が形成される。
【0039】
図7の(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態におけるコンテナ付き冊子の断面図であって、図6の(c)に示される一点鎖線23により示される部分のコンテナ付き冊子の断面を示す図である。以下、図7を用いて、本実施形態における容器4の窓21への収納工程について説明する。
【0040】
図7の(a)では、収納物品が格納された容器4が、コンテナ2の窓21に収納される前の状態を示している。図7の(a)に示されているように、容器4の幅W1は、突起22a、22b間の距離W2よりも長く、窓21の幅W3よりも短いものとする。
【0041】
図7の(b)に示されているように、容器4をコンテナ2の突起22a、22b上に載置し、載置した容器4に一定以上の圧力を加えると、可撓性を有する突起22a、22bは撓み、突起22a、22b間の距離W2が長くなる。さらに容器4に圧力を加え続けると、突起22a、22b間の距離W2が容器4の幅W1と等しくなり、図7の(c)に示されるように、容器4は、窓21内に収納される。容器4収納後、撓んでいた突起22a、22bは元の位置に復元する。突起復元後、容器4の幅W1は、突起22a、22b間の距離W2よりも長くなるため、突起22a、22bは、容器4を窓21内に収納保持することが可能となる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、表紙カバー3の表紙部31の内側の面に剥離性を有するホットメルト接着剤を塗布し、表紙カバー3と冊子1とを接着する。従って、冊子1と表紙カバー3とを容易に接着、剥離することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態によれば、コンテナ2に窓21を設け、窓21に収納物品を収納する。従って、冊子1に関連するあらゆる形状の物品を、冊子1に容易に付属させ、消費者のニーズに応えた多様な出版物を提供することが可能となる。
【0044】
また、本実施形態によれば、小窓36、171を設ける。従って、コンテナ2に収納された物品の内容を容易に確認することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態によれば、例えば、折り目111、113、115、117、119、121、172を内側に折り曲げ支持片118を底面部101上に接触させ、差し込み片120を差し込み溝159に挿入し、差し込み片122を差し込み溝169に挿入する。同様に、折り目131、133、135、137、139、141、173を内側に折り曲げ支持片138を底面部101上に接触させ、差し込み片140を差し込み溝159に挿入し、差し込み片142を差し込み溝169に挿入する。従って、コンテナ付き冊子の流通時に所定数積み重ねるだけのコンテナ2の強度が保証される。
【0046】
また、コンテナ2に設けられた突起22a、22bが収納物品(または容器4)を収納保持する。従って、収納物品が、コンテナ2から飛び出てしまうことを抑制することが可能となる。
【0047】
(第2の実施形態)
本実施形態におけるコンテナ付き冊子は、第1の実施形態におけるコンテナ付き冊子と比べてコンテナ2の形状が異なっている。本実施形態では、ミシン目を切断することによりコンテナ2の窓21部分が現出し、窓21に収納されている収納物品が取り出し可能となる構成がコンテナ2に設けられている。以下、特記しない限り、本実施形態におけるコンテナ付き冊子の構成は、第1の実施形態におけるコンテナ付き冊子と同様であるとして説明を進める。
【0048】
図8は、本発明の第2の実施形態におけるコンテナ2の展開平面図を示す。以下、図8を用いて、本実施形態におけるコンテナ2について説明する。
【0049】
長方形の底面部101の長辺側の一端には折り目111を介して側面112が連設され、側面112には折り目113を介して上面114が連設され、上面114の中央部には折り目115、ミシン目181、182が設けられ、上面114の両端部には折り目119を介して差し込み片120が、折り目121を介して差し込み片122が、それぞれ連設されている。また、上面114の長辺側のうち、折り目119、121が設けられている側には、円弧状の切り込み185が設けられている。
【0050】
同様に、底面部101の長辺側の他端には折り目131を介して側面132が連設され、側面132には折り目133を介して上面134が連設され、上面134の中央部には折り目135、ミシン目183、184が設けられ、上面134の両端部には折り目139を介して差し込み片140が、折り目141を介して差し込み片142が、それぞれ連設されている。また、上面134の長辺側のうち、折り目139、141が設けられている側には、円弧状の切り込み186が設けられている。
【0051】
さらに、底面部101の短辺側の一端には折り目151を介して側面152が連設され、側面152には折り目153を介して上面154が連設され、上面154には折り目155を介して側面156が連設され、側面156には折り目157を介して貼着片158が連設されている。上面154には中央部に差し込み溝159が設けられている。
【0052】
同様に、底面部101の短辺側の他端には折り目161を介して側面162が連設され、側面162には折り目163を介して上面164が連設され、上面164には折り目165を介して側面166が連設され、側面166には折り目167を介して貼着片168が連設されている。上面164には中央部に差し込み溝169が設けられている。
【0053】
また、底面部101の中央部分には、小窓171が形成されている。
【0054】
次にコンテナ2の組み立てについて説明する。
まず、折り目151、153、155を内側に折り曲げるとともに、折り目157を外側に折り曲げ、貼着片158を底面部101に糊などの接着剤で貼着する。同様に、折り目161、163、165を内側に折り曲げるとともに、折り目167を外側に折り曲げ、貼着片168を底面部101に糊などの接着剤で貼着する。これにより上面154および164が底面部101から所定の高さに固定される。ここで、小窓171が形成されている底面部101の中央部分に収納物品または収納物品が格納された容器4を載置する。
【0055】
次に、折り目111、113、119、121を内側に折り曲げ、差し込み片120を差し込み溝159に挿入し、差し込み片122を差し込み溝169に挿入する。同様に、折り目131、133、139、141を内側に折り曲げ、差し込み片140を差し込み溝159に挿入し、差し込み片142を差し込み溝169に挿入する。収納物品または容器4は、コンテナ2内に収納される。
【0056】
このように組み立てることにより図9に示すようなコンテナ2が出来上がる。図9に示されるように、コンテナ2の表面(表紙カバー3との接触面と向かい合う面)において、ミシン目181とミシン目182、ミシン目183とミシン目184は、それぞれ互いに略平行に形成され、ミシン目181、182、183、184の垂線上にはコンテナ2製函時に切り込み24が形成される。また、図9に示されるように、ミシン目181、182、183、184、折り目115、135に囲まれた部分における切り込み24上には、円弧状の切り込み185、186により指などが挿入可能な円(楕円)形状の穴部が形成されている。なお、ミシン目、折り目、および穴部が形成される位置は、図により限定されないものとする。また、穴部の形状についても図により限定されないものとする。
【0057】
また、コンテナ2の切り込み185、186が設けられている面と向かい合う面には、コンテナ1内に収納された収納物品の外見が確認できるように、小窓171が設けられている。小窓171は、透明性を有するシート状のものであってもよい。また、収納物品が透明性を有する容器4に格納されている場合には、コンテナ2をくり抜いて形成するとしてもよい。なお、収納物品または容器4が小窓171から取り出すことができないように、小窓171の面積は、窓21の面積よりも小さいこととする。また、コンテナ2内の収納物品を視認する必要がない場合には、特に小窓171を設けなくてもよい。
【0058】
図10は、本発明の第2の実施形態におけるコンテナ2の表面を示す図である。以下、図10を用いて、本実施形態におけるコンテナ2から収納物品を取り出す際の工程について説明する。
【0059】
図10の(a)は、組み立て直後のコンテナ2の表面を示す図である。図10の(a)に示されているように、コンテナ2の表面には、折り目115、135、ミシン目181、182、183、184、および切り込み24が設けられている。また、折り目115、135、ミシン目181、182、183、184に囲まれた部分には、円弧状の切り込み185、186により穴部が形成される。
【0060】
穴部に指などを挿入し、切り込み185に指をかけて所定の方向に(例えば手前に)所定以上の力を加えると、図10の(b)に示されているように、ミシン目181、182の一部が切断される。また、同様に、切り込み186に指をかけて、所定方向に所定以上の力を加えると(手前に引くと)、ミシン目183、184の一部が切断される。
【0061】
ミシン目181、182、183、184切断後、さらに所定方向に力を加えると、ミシン目181、182、183、184が完全に切断され、折り目115、135が内側に折り曲げられて、図10の(c)に示されるように、コンテナ2の上面に窪み状の窓21が現出する。窓21内には収納物品または容器4が収納されており、ミシン目181、182、183、184が切断されることにより、コンテナ2に収納されている収納物品または容器4を容易に取り出すことが可能となる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンテナ2組み立て完成時において、収納物品または容器4は、コンテナ2内に完全に収納されるので、収納物品がコンテナ2から脱離することを抑制することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態によれば、円弧状の切り込み185、186に指などをかけて手前に引くことにより、コンテナ2の表面に設けられているミシン目181、182、183、184が切断され、収納物品または容器4が現出する。従って、コンテナ2内に収納されている収納物品または容器4を容易に取り出すことが可能となる。
【0064】
(第3の実施形態)
本実施形態におけるコンテナ付き冊子は、コンテナ2の窓が設けられている表面(表紙カバー3との接触面と向かい合う面)に、窓21に収納されている収納物品が脱離しないようにコンテナ蓋部材を接着させたものである。以下、特記しない限り、本実施形態におけるコンテナ付き冊子は、第1の実施形態のものと同様であるとして説明を進める。
【0065】
図11は、本発明の第3の実施形態におけるコンテナ2の展開平面図である。以下、図11を用いて、本実施形態におけるコンテナ2について説明する。
【0066】
長方形の底面部101の長辺側の一端には折り目111を介して側面112が連設され、側面112には折り目113を介して上面114が連設され、上面114の中央部には折り目115を介して支持片116が連設され、支持片116には折り目117を介して支持片118が連設されている。上面114の両端部には折り目119を介して差し込み片120が、折り目121を介して差し込み片122が、それぞれ連設されている。
【0067】
同様に、底面部101の長辺側の他端には折り目131を介して側面132が連設され、側面132には折り目133を介して上面134が連設され、上面134の中央部には折り目135を介して支持片136が連設され、支持片136には折り目137を介して支持片138が連設されている。上面134の両端部には折り目139を介して差し込み片140が、折り目141を介して差し込み片142が、それぞれ連設されている。
【0068】
さらに、底面部101の短辺側の一端には折り目151を介して側面152が連設され、側面152には折り目153を介して上面154が連設され、上面154には折り目155を介して側面156が連設され、側面156には折り目157を介して貼着片158が連設されている。上面154には中央部に差し込み溝159が設けられている。
【0069】
同様に、底面部101の短辺側の他端には折り目161を介して側面162が連設され、側面162には折り目163を介して上面164が連設され、上面164には折り目165を介して側面166が連設され、側面166には折り目167を介して貼着片168が連設されている。上面164には中央部に差し込み溝169が設けられている。
【0070】
また、底面部101の中央部分には、小窓171が形成されている。
【0071】
次にコンテナ2の組み立てについて説明する。
まず、折り目151、153、155を内側に折り曲げるとともに、折り目157を外側に折り曲げ、貼着片158を底面部101に糊などの接着剤で貼着する。同様に、折り目161、163、165を内側に折り曲げるとともに、折り目167を外側に折り曲げ、貼着片168を底面部101に糊などの接着剤で貼着する。これにより上面154および164が底面部101から所定の高さに固定される。
【0072】
次に、折り目111、113、115、117、119、121を内側に折り曲げ支持片118を底面部101上に接触させ、差し込み片120を差し込み溝159に挿入し、差し込み片122を差し込み溝169に挿入する。同様に、折り目131、133、135、137、139、141を内側に折り曲げ支持片138を底面部101上に接触させ、差し込み片140を差し込み溝159に挿入し、差し込み片142を差し込み溝169に挿入する。
【0073】
このように組み立てることにより図12に示すようなコンテナ2が出来上がる。コンテナ2の表面には収納物品などを入れるための窓21が形成される。コンテナ2が組み立てられた後、窓21からフィギュアなどの収納物品が入れられる。底面部101には入れられた収納物品などを見るための小窓を設けてもよい。
【0074】
図13は、本発明の第3の実施形態におけるコンテナ蓋部材5を示す図である。コンテナ蓋部材5は、例えば、印刷済みのシート状紙素材(化粧紙)により形成されるとしてもよい。コンテナ蓋部材5上には、ミシン目51が1周するように設けられている。また、ミシン目51により囲まれている部分内には、穴部52が設けられている。コンテナ蓋部材5の大きさは、コンテナ2の窓21を覆う大きさがあれば充分であり、図14の場合、コンテナ2と略同形としている。コンテナ2を包みこむような断面コ字状としてもよい。
【0075】
窓21に収納物品を収納させた後に、コンテナ2の表面に接着剤塗布領域25に接着剤を塗布する。次に、ミシン目51が窓21に対応する位置の周囲に配置されるように、コンテナ2の表面上にコンテナ蓋部材5を載置して、コンテナ2とコンテナ蓋部材5とを接着させる。なお、接着剤を塗布する位置はコンテナ2の大きさにより適宜決定され、図により限定されないものとする。
【0076】
図14は、本発明の第3の実施形態におけるコンテナ蓋部材5が接着されたコンテナ2を示す図である。穴部52に指を挿入し、ミシン目51により囲まれている部分の裏側に指をかけて引くと、ミシン目51に沿ってコンテナ蓋部材5が切断され、窓21および収納物品が現出し、窓21に格納されている収納物品を取り出すことが可能となる。なお、コンテナ蓋部材5表面において、ミシン目51により囲まれている部分が占める割合および形状は、図により限定されないものとする。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンテナ2の窓21が設けられている面上にコンテナ蓋部材5が接着されている。従って、収納されている収納物品がコンテナ2から脱離することを抑制することが可能となる。また、コンテナ蓋部材5に設けられているミシン目51を切断すると、収納物品が現出し、容易に収納物品を取り出すことが可能となる。
【0078】
なお、上記の実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、表紙カバーに剥離性を有する接着剤を塗布し、冊子と表紙カバーとを接着する。また、表紙カバーに接着剤を塗布し、コンテナと表紙カバーとを接着および固定する。従って、冊子とコンテナが接着された表紙カバーとを容易に接着、剥離することが可能となり、また、コンテナの側面を利用して種々の告知が可能となり、縦列や段積みに対応できる。
【0080】
また、本発明によれば、コンテナに窓を設け、窓に物品を収納する。従って、冊子に関連するあらゆる形状の物品を、冊子に容易に付属させ、消費者のニーズに応えた多様な出版物を提供することが可能となり、また、すべて紙製であるため、焼却処分やリサイクルが可能となる。
【0081】
また、本発明によれば、コンテナに小窓を設ける。従って、コンテナに収納された物品の内容を容易に確認することが可能となる。
【0082】
また、本発明によれば、コンテナ組み立て完成時において、物品は、コンテナ内に完全に収納されるので、物品がコンテナから脱離することを抑制することが可能となる。
【0083】
また、本発明によれば、円弧状の切り込みに指などをかけて手前に引くことにより、コンテナの表面に設けられているミシン目が切断され、物品が現出する。従って、コンテナ内に収納されている物品を容易に取り出すことが可能となる。
【0084】
また、本発明によれば、コンテナの窓が設けられている面上にコンテナ蓋部材が接着されている。従って、収納されている物品がコンテナから脱離することを抑制することが可能となる。また、コンテナ蓋部材に設けられているミシン目を切断すると、収納物品が現出し、容易に収納物品を取り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるコンテナ付き冊子を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における表紙カバーを開いたコンテナ付き冊子を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるコンテナの展開平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるコンテナの組み立て完成図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における表紙カバーの展開平面図である。
【図6】(a)は、本発明の第1の実施形態における冊子と表紙カバーとを接着する工程を示す図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態におけるコンテナと表紙カバーとを接着する工程を示す図であり、(c)は、本発明の第1の実施形態におけるコンテナに容器を収納させる工程を示す図であり、(d)は、本発明の第1の実施形態におけるコンテナ付き冊子の完成図である。
【図7】(a)は、本発明の第1の実施形態における収納前の容器およびコンテナを示す図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態における容器をコンテナに収納させている状態を示す図であり、(c)は、本発明の第1の実施形態における容器をコンテナに収納させた後の状態を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるコンテナの展開図である。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるコンテナの組み立て完成図である。
【図10】(a)は、本発明の第2の実施形態におけるコンテナの表面を示す図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態におけるミシン目が一部切断されたコンテナの表面を示す図であり、(c)は、本発明の第2の実施形態におけるミシン目が完全に切断されたコンテナの表面を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるコンテナの展開図である。
【図12】本発明の第3の実施形態におけるコンテナの組み立て完成図である。
【図13】本発明の第3の実施形態におけるコンテナ蓋部材を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態におけるコンテナ蓋部材が接着されたコンテナを示す図である。
【符号の説明】
1 冊子
2 コンテナ
3 表紙カバー
4 容器
5 コンテナ蓋部材
21 窓
22a、22b 突起
23 一点鎖線
24、174、175、185、186 切り込み
25、37、38 接着剤塗布領域
31 表紙部
32 裏表紙部
33 背表紙部
34、35、111、113、115、117、119、121、131、133、135、137、139、141、151、153、155、157、161、163、165、167、172、173 折り目
36、171 小窓
51、181、182、183、184 ミシン目
52 穴部
101 底面部
112、132、152、156、162、166 側面
114、134、154、164 上面
116、118、136、138 支持片
120、122、140、142 差し込み片
158、168 貼着片
159、169 差し込み溝
W1 容器の幅
W2 突起間の距離
W3 窓の幅

Claims (2)

  1. 冊子と、物品が収納されるコンテナと、前記冊子およびコンテナを覆う表紙カバーとにより構成されるコンテナ付き冊子であって、
    前記表紙カバーは、2面の表紙面と前記2面の表紙面を連接する背表紙面からなり、
    前記冊子は、前記表紙カバーの表紙面の一方の内側と剥離可能に接着され、
    前記コンテナは、一定の剛性を有する紙を素材とし、側面を所定の厚みとし、表面および裏面が前記冊子と略同じ大きさに形成され、前記表面および裏面のいずれかに前記物品を収納するための窓が設けられ、前記表紙カバーの他方の表紙面の内側に接着固定され、さらに、互いに略平行な2本のミシン目と、該ミシン目の垂線上に設けられた切り込みと、該切り込み上の所定位置に設けられた穴部とが形成され、
    前記ミシン目は、前記コンテナの窓に対応する部分の周囲に開口用に設けられ、
    前記窓に前記物品が収納されることを特徴とするコンテナ付き冊子。
  2. 冊子と、物品が収納されるコンテナと、前記冊子およびコンテナを覆う表紙カバーとにより構成されるコンテナ付き冊子の製造方法であって、
    一定の剛性を有する紙を素材とし、側面を所定の厚みとし、表面および裏面を前記冊子と略同じ大きさとし、前記表面および裏面のいずれかに前記物品を収納するための窓が設けられ、さらに、互いに略平行な2本のミシン目と、該ミシン目の垂線上に設けられた切り込みと、該切り込み上の所定位置に設けられた穴部とが形成され、前記ミシン目は、前記コンテナの窓に対応する部分の周囲に開口用に設けられるように前記素材とした紙を加工して前記コンテナを製函する工程と、
    前記冊子を印刷および製本して製造する工程と、
    前記表紙カバーの一方の表紙面の内側に剥離性の接着剤を塗布して前記表紙カバーと前記冊子とを剥離可能に接着する工程と、
    前記表紙カバーの他方の表紙面の内側に接着剤を塗布して前記表紙カバーと前記コンテナとを接着固定する工程と、
    前記製函されたコンテナに前記物品を収納する工程と、
    を有することを特徴とするコンテナ付き冊子の製造方法。
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