JP4459558B2 - 冊子封緘物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、冊子を包装せずに生活者へ送付する際に、小口部分が開かないように固定する冊子封緘物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のページからなる冊子を生活者へ送付する場合には、その冊子の大きさや内容,位置付けなどにより市販の封筒に入れたり、フィルムや紙などで包装し、送付されている。
【0003】
一方、簡易な送付形態として、小口部分を再剥離可能な粘着剤を有した帯状のテープで封緘する方法も知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方、企業が行う生活者への販促(販売促進)活動として、DM(ダイレクトメール)は大きな位置を占めており、多くの企業が、訴求性が高く低コストなDM作りに力を注いでいる。
【0005】
【特許文献1】
特願平10−260026号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法によると、冊子に備えられた封緘テープは、冊子を生活者に送付した後には不要となり、捨てられてしまうので、環境問題に対応していなかった。
【0007】
また、近年、販促活動のコストを削減するために、異業種の企業間で販促印刷物を同封しあうタイアップDMが見られるが、これには封筒や包装が必要であり、その分コストアップにつながっていた。
【0008】
さらに、冊子を生活者に送付する場合、その生活者の過去の購買実績に応じた割引設定や、クーポン券の発行、エリア毎のキャンペーン告知などといった、生活者個々人に対応した内容の添付を行うことがある。この場合に、冊子の内容を生活者ごとに変えると、膨大な作業時間となってしまい、また、顧客リストや個人情報などの番号が1つずれて冊子が印刷されると、生活者に対応している情報もずれてしまい、ずれた後の冊子はつかいものにならなくなっていた。
【0009】
本発明の課題は、環境問題を低減しつつ、低コストであり、製造工程に対応しやすい冊子封緘物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、複数のページからなる冊子(11)と、複数の区画線(12)で折畳まれた情報部(13)が設けられ、前記冊子(11)の小口部分を封緘する封緘用折畳み情報片(14)と、を備える冊子封緘物である。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載された冊子封緘物において、前記封緘用折畳み情報片(14)は、前記冊子(11)の表表紙及び裏表紙と少なくとも一部又は全面で接着していること、を特徴とする冊子封緘物である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載された冊子封緘物において、前記封緘用折畳み情報片(14)の天地長さは、前記冊子(11)の天地長さより短いこと、を特徴とする冊子封緘物である。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された冊子封緘物において、前記封緘用折畳み情報片(14)は、前記冊子(11)と接着されていない未接着領域に分離予定線(15)が設けられていること、を特徴とする冊子封緘物である。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された冊子封緘物において、前記封緘用折畳み情報片(14)は、一部に一端から他端へジグザグに折畳む蛇腹折り部(19)を備えていること、を特徴とする冊子封緘物である。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5に記載された冊子封緘物において、前記蛇腹折り部(19)の天地長さは、前記封緘用折畳み情報片(14)の前記冊子(11)と接着される面の天地長さより短いこと、を特徴とする冊子封緘物である。
【0016】
請求項7の発明は、請求項4に記載された冊子封緘物において、前記封緘用折畳み情報片(14)は、一部に一端から他端へジグザグに折畳む蛇腹折り部を備え、前記分離予定線(15)は、折畳まれた前記蛇腹折り部(19)の端部付近と重なる位置に設けられていること、を特徴とする冊子封緘物である。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された冊子封緘物において、前記封緘用折畳み情報片(14A)は、一部に一端から他端へ一方向に折畳む巻折り部(19A)を備えていること、を特徴とする冊子封緘物である。
【0018】
請求項9の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された冊子封緘物において、前記封緘用折畳み情報片(14B)は、一部に両端から中央方向へ順に巻込むように折畳む観音折り部(19B)を備えていること、を特徴とする冊子封緘物である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による冊子封緘物の第1実施形態を示す模式図であって、図1(A)〜(F)は、DMが折畳まれ、冊子に貼り付けられる模式図であり、図1(G)は、完成した冊子封緘物の表面の模式図であり、図1(H)は、完成した冊子封緘物の裏面の模式図である。
第1実施形態による冊子封緘物10は、複数のページからなる冊子11と、複数の折り線12で折畳まれた情報部13が設けられ、冊子11の小口部分を封緘するDM14(封緘用折畳み情報片)と、冊子11とDM14との未接着領域におけるDM14に設けられた2本のミシン目15(分離予定線)と、封筒部を形成する剥離不可能な接着糊16と、冊子11とDM14とを接着する剥離不可能な接着糊17と、送付先の住所や氏名などが記載されている宛名欄18と、ジグザグに折畳まれた蛇腹折り部19などとを備える。
DM14の天地長さは、冊子11の天地長さより短く、蛇腹折り部19の天地長さは、DM14が冊子11と接着される面の天地長さより短く、2本中1本のミシン目15は、折畳まれた蛇腹折り部19の端部付近と重なる位置に設けられている。ここでの端部付近とは、図1(C)に示すように、折畳まれた蛇腹折り部19における右側の端部付近のことである。
【0020】
なお、冊子11とDM14とは、販促情報などの様々な情報が印刷されており、冊子11の表表紙と裏表紙とは、冊子が配送中に折り曲がらない程度の剛性を有し、加工適性を満足する、100〜160グラム/m2の用紙を用いた。
また、剥離不可能な接着糊16,17には、エマルジョン系の強接着性のものを用いた。
【0021】
次に、第1実施形態による冊子封緘物10の製造方法を説明する。
まず、図1(A)に示すように、DM14に使用する横長の紙を用意し、情報部13には、返信ハガキやクーポン券などの送付時に隠蔽したい情報を、それ以外の領域には、販促情報や送付先情報などを印刷する。4つの情報部13を備えた蛇腹折り部19は、封筒部を形成する接着糊16と接着しないようにDM14の天地長さより短くし、折畳むための折り線12、開封するための2本のミシン目15を設け、接着糊16を塗布する。
【0022】
ついで、図1(B)に示すように、蛇腹折り部19をジグザグに折畳み、図1(C)に示すように、蛇腹折り部19を一つに折畳む。
【0023】
さらに、図1(D)に示すように、蛇腹折り部19が折畳まれている紙片を内側に折り返し、図1(E)に示すように、完成したDM14の裏面に、冊子11の表表紙と裏表紙と接着させるための剥離不可能な接着糊17を塗布する。
なお、冊子11の小口部分に対向する部分と、ミシン目付近と、2つのミシン目の間には、接着糊17は塗布しない。
この状態で、2本存在する右側のミシン目15は、折り返された紙片によって、DM14の裏面からは目視できなくなっており、この右側のミシン目15は、冊子11の表表紙又は裏表紙となる面上に配置されるミシン目15となり、DM14の裏面から目視できる左側のミシン目15は、冊子11の角付近(小口部分と表表紙又は裏表紙との間)に配置されるミシン目15となる。
【0024】
最後に、図1(F)に示すように、冊子11にDM14を貼り付けることによって、図1(G)に示すように、冊子封緘物10が完成し、図1(H)に示すように、冊子11の表表紙又は裏表紙までDM14がまたがって接着されているので、冊子11の小口部分は、DM14によって封緘される。
【0025】
以上のようにして、図1(G)に示した状態の冊子封緘物10が完成したら、冊子封緘物10は、郵送や宅配便などの配送手段によって、宛名欄18に記載された生活者に届けられる。
また、宛名欄18を設けない場合には、指定されたエリアの生活者宅への投げ込みを行うポスティングも行える。
【0026】
ここで、冊子封緘物10の開封方法について説明する。
図2は、本発明による冊子封緘物の第1実施形態の開封方法を示す模式図であって、図2(A)は、DMをミシン目で開封している模式図であり、図2(B)は、DMをミシン目で完全に開封した模式図であり、図2(C)は、蛇腹折り部を引き出した模式図である。
まず、図2(A)に示すように、冊子封緘物10が届いたら、生活者側では、2本のミシン目15を用いて開封してゆく。
【0027】
ついで、図2(B)に示すように、DM14を完全に開封すると、蛇腹折り部19の端部が表出し、また、DM14による封緘の機能がなくなるので、冊子11の内容を確認できる。
【0028】
最後に、図2(C)に示すように、蛇腹折り部19を引き出して、情報部13の記載内容を確認する。
【0029】
このように、第1実施形態によれば、DM14を冊子11の封緘手段に用い、冊子11とDM14とを一体化させたので、冊子11を封緘するための封緘片をあらためて作成する必要がなく、その作成の手間と費用を抑えることができ、それによって、従来の廃棄されるだけの封緘用の封筒やフィルムをなくし、環境にやさしい送付形態を実現することができた。
【0030】
また、DM14の天地長さが、冊子11の天地長さより短いので、DM14を開封しなくても、冊子11の内容の一部を確認でき、どちらも開封してみたくなる訴求効果を高めることができた。しかも、折畳まれた蛇腹折り部19の端部付近と重なる位置にミシン目15を設けたので、冊子11を開封すれば、DM14も開封でき、それと同時に蛇腹折り部19の端部が表出するので、蛇腹折り部19が引き出しやすくなり、蛇腹折り部19の天地長さをDM14の天地長さより短くしたので、蛇腹折り部19が、より引き出しやすくなった。
【0031】
さらに、冊子11とDM14とを一体化させて送付することができるので、封筒代や冊子11とDM14との両方にかかっていた送付代を削減することができ、剥離不可能に一体化されていることによって、開封後は、冊子11とDM14とが分離しないので、両方を一体にして保管することができた。
【0032】
さらにまた、タイアップDMの場合には、例えば、送付費用を2企業で分割することもでき、また、DM14のみを片方の企業が作成し、異なる企業の冊子11を添付して送付することが可能になるので、冊子11を作る手間が省け、いずれにしても、販促費用を削減することができた。
【0033】
一方、冊子11を生活者に送付する場合、生活者個々人に対応した内容を冊子側でなくDM側に記載することによって、冊子11の内容を変化させる必要がなくなり、冊子11の製造工程がシンプルになった。
【0034】
(第2実施形態)
図3は、本発明による冊子封緘物の第2実施形態を示す模式図である。
なお、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
第2実施形態の冊子封緘物10Aにおける、第1実施形態の冊子封緘物10と異なる点は、DM14Aの折畳み方法が、一端から他端へ一方向に折畳む巻折りで折畳まれている点と、巻折り部19Aの天地部分に、仮止め用の再剥離可能な再剥離糊16Aを塗布した点と、ミシン目15が冊子11の小口部分と対向するDM14の面に設けられた点と、冊子11とDM14Aとを一体化する接着剤に、再剥離可能な再剥離糊17Aを用い、この再剥離糊17Aをミシン目近傍以外の周縁部に塗布した点である。
なお、再剥離可能な再剥離糊16Aには、生活者が容易に剥離可能なゴム系の弱接着性のものを用いた。
【0035】
このように、第2実施形態によれば、DM14Aの折畳み方法が、巻折りになったので、製造工程が容易になった。
また、再剥離糊16Aによって、巻折り部19Aが仮止めされているので、巻折り部19A自体がしっかりと固定され、不用意な剥離を防止できた。
さらに、ミシン目15が冊子11の小口部分と対向するDM14の面に設けられたので、開封しやすくなった。
さらにまた、生活者に冊子封緘物10Aが送られてきた後は、冊子11とDM14Aとを分離することができるので、DM14Aが冊子11に接着されている部分にも情報を記載することができ、第1実施形態よりも情報量を多くできた。
【0036】
(第3実施形態)
図4は、本発明による冊子封緘物の第3実施形態を示す模式図である。
第3実施形態の冊子封緘物10Bは、第2実施形態に近いが(図3参照)、第2実施形態の冊子封緘物10Aとは異なり、DM14Bが両端から中央方向へ順に巻込むように折畳む観音折りで折畳まれている。
【0037】
このように、第3実施形態によれば、ミシン目15で開封した場合に、DM14Bが二つ分割されるので、片方を返信用のハガキ、もう片方をクーポン券などといった情報部を2つに分けて、生活者に開封させたい場合には好適に利用できる。
【0038】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1) 上述した各実施形態で、分離予定線は、ミシン目としたが、マイクロミシン目やハーフカットなどの他のカット線でもよく、また、ミシン目を2本設ける例で説明したが、1本でも3本以上でもよい。
【0039】
(2) 上述した各実施形態で、封緘用折畳み情報片は、DMとしたが、スーパーの広告やチラシなどでもよく、また、大きな紙片を折畳んだものでもよい。
【0040】
(3) 2本のミシン目の間や各折り部の情報部以外の領域に、広告や宣伝などの情報を設けてもよい。
【0041】
(4) 上述した各実施形態で、宛名欄18は、DM14に直接印刷することにより形成したが、別途作製したラベルを貼り込むことによって形成してもよい。
【0042】
(5) 冊子11の表表紙と裏表紙とは、PP(ポリプロピレン)加工したものであってもよい。
【0043】
(6) 上述した各実施形態で、3種類の折り部を例にあげて説明したが、折畳む紙片数は、必要に応じて増減させてよい。
【0044】
(7) 第2,3実施形態では、DM14の折畳んだ面が内側になるように、冊子11とDM14とを貼り合わせたが、折畳んだ面を外側にして貼り合わせてもよい。つまり、図3(E),図4(D)の段階で、再剥離可能な再剥離糊17A,17BをDM14A,14Bの反対側の面に塗布して、冊子11と貼り合わせてもよい。
【0045】
(8) 第1実施形態の剥離不可能な接着糊17は、再剥離可能な再剥離糊でもよく、また、第2,3実施形態の再剥離可能な再剥離糊17A,17Bは、剥離不可能な接着糊でもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、冊子と封緘用折畳み情報片を一体化させ、廃棄されるだけの封緘用の封筒やフィルムをなくすことができたので、低コストで、かつ、環境問題を低減でき、しかも、様々な市場のニーズに対応しやすい冊子封緘物が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冊子封緘物の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】冊子封緘物の開封方法を示す模式図である。
【図3】本発明による冊子封緘物の第2実施形態を示す模式図である。
【図4】本発明による冊子封緘物の第3実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
10 冊子封緘物
11 冊子
12 折り線
13 情報部
14 DM(ダイレクトメール)
15 ミシン目
16 接着糊
16A 再剥離糊
17 接着糊
17A 再剥離糊
17B 再剥離糊
18 宛名欄
19 蛇腹折り部
Claims (9)
- 複数のページからなる冊子と、
複数の区画線で折畳まれた情報部が設けられ、前記冊子の小口部分を封緘する封緘用折畳み情報片と、
を備える冊子封緘物。 - 請求項1に記載された冊子封緘物において、
前記封緘用折畳み情報片は、前記冊子の表表紙及び裏表紙と少なくとも一部又は全面で接着していること、
を特徴とする冊子封緘物。 - 請求項1又は請求項2に記載された冊子封緘物において、
前記封緘用折畳み情報片の天地長さは、前記冊子の天地長さより短いこと、
を特徴とする冊子封緘物。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された冊子封緘物において、
前記封緘用折畳み情報片は、前記冊子と接着されていない未接着領域に分離予定線が設けられていること、
を特徴とする冊子封緘物。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された冊子封緘物において、
前記封緘用折畳み情報片は、一部に一端から他端へジグザグに折畳む蛇腹折り部を備えていること、
を特徴とする冊子封緘物。 - 請求項5に記載された冊子封緘物において、
前記蛇腹折り部の天地長さは、前記封緘用折畳み情報片の前記冊子と接着される面の天地長さより短いこと、
を特徴とする冊子封緘物。 - 請求項4に記載された冊子封緘物において、
前記封緘用折畳み情報片は、一部に一端から他端へジグザグに折畳む蛇腹折り部を備え、
前記分離予定線は、折畳まれた前記蛇腹折り部の端部付近と重なる位置に設けられていること、
を特徴とする冊子封緘物。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された冊子封緘物において、
前記封緘用折畳み情報片は、一部に一端から他端へ一方向に折畳む巻折り部を備えていること、
を特徴とする冊子封緘物。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された冊子封緘物において、
前記封緘用折畳み情報片は、一部に両端から中央方向へ順に巻込むように折畳む観音折り部を備えていること、
を特徴とする冊子封緘物。
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