JP5211806B2 - 印刷物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に視的及び触感的にも美的な凹凸を有していて意匠性に優れており、且つ、摩耗による着色剤の剥離が抑制された印刷物及びその製造方法に関する。
従来、玄関ドア、間仕切り等の建築物の内外装材、車輌の内装材、家電製品などの表面材等には、化粧材が用いられている。該化粧材としては、例えば鋼板等の金属基材や樹脂系基材などに印刷模様を施した化粧材や、樹脂シートを鋼板等の基材に接合してなる化粧材が知られている。
近年、消費者の高級品志向により、化粧材にも高級感が求められており、高級感を付与する手法として、化粧材に視的及び触感的に凹凸感を与えるなどの工夫がなされている。このように、凹凸感を与える方法としては、表面保護層に樹脂ビーズを含有させる方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。
特開平7−205387号公報 特開平10−109392号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の化粧材では、保護層によって凹凸感を付与しており、内部の着色層(特許文献1では化粧層、特許文献2では印刷層に相当する。)には凹凸が無い。近年、さらに高級感を高め、優れた意匠性を有する化粧材が望まれているため、本発明者等は、保護層で凹凸感を出すのではなく、内部の着色層の製造時に樹脂ビーズ等を混合することにより、保護層は薄くしながら着色層の上部表面に凹凸を付与し、高級感及び高い意匠性を持たせた。しかし、着色層上に透明保護層を有するものの、通常の使用で表面が摩耗することにより着色層から突出している樹脂ビーズ等の一部が化粧材の表面に現れてしまい、樹脂ビーズに付着している着色剤が剥れて汚れの原因となる問題が新たに生じた。
本発明はこのような状況下になされたもので、上記の問題点を解決し、視的及び触感的にも凹凸感があって高級感及び高い意匠性があり、且つ着色汚染性の無い印刷物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、被印刷物上に、少なくとも(1)特定の微粒子を含有し、少なくとも1つの微粒子が層から突出している着色ベースコート層、及び該着色ベースコート層の上に、(2)特定の樹脂ビーズ及び/又はガラスビーズを含有する、好ましくは厚さ1〜5μmの透明保護層を有する印刷物であれば、高級感と低着色汚染性の両者を満足し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1]被印刷物上に、少なくとも着色ベースコート層及びその上に透明保護層を有する印刷物であって、着色ベースコート層及び透明保護層はそれぞれ微粒子を含有し、着色ベースコート層中の少なくとも一部の微粒子は着色ベースコート層表面から突出しており、透明保護層中の微粒子は、その平均粒径が着色ベースコート層表面から突出した微粒子部分の高さの最大値より大きく、且つ透明保護層の表面に凸部を形成していることを特徴とする印刷物、
[2]透明保護層の厚さ(微粒子による凸部は考慮しない。)が1〜5μmである、上記[1]に記載の印刷物、
[3]着色ベースコート層表面から突出した微粒子部分の高さの最大値が1〜30μmである、上記[1]又は[2]に記載の印刷物、
[4]透明保護層中の微粒子の平均粒径が、着色ベースコート層から突出した微粒子部分の高さの最大値よりも5〜70μm大きい、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の印刷物、
[5]着色ベースコート層中の微粒子及び透明保護層中の微粒子が、それぞれ樹脂ビーズ、ガラスビーズ及び艶消し剤からなる群から選ばれる少なくとも1つである、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の印刷物、
[6]被印刷物と着色ベースコート層の間にプライマー層を有する、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の印刷物、
[7]着色ベースコート層と透明保護層の間に柄印刷層を有する、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の印刷物、
[8]被印刷物が、鋼板、樹脂シート又は樹脂フィルムである、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の印刷物、
[9]玄関ドア用又は間仕切り用である、上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の印刷物、
[10]被印刷物上に、少なくとも着色ベースコート層及びその上に透明保護層を有する印刷物の製造方法であって、少なくとも一部の微粒子が着色ベースコート層表面から突出するようにカーテンフローコート法又はロールコート法により着色ベースコート層を製造する工程、及び着色ベースコート層表面から突出した微粒子部分の高さの最大値より大きい平均粒径の微粒子を含有する透明インクをグラビア印刷、グラビアオフセット印刷又はロールコート法により塗付することにより、微粒子が表面に凸部を形成した保護層を製造する工程、を含有する印刷物の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、視的及び触感的にも凹凸感があって高級感があり、且つ着色剤等の剥がれによる着色汚染の問題の生じない印刷物を提供することができる。
本発明の印刷物は、上記の通り、被印刷物上に、少なくとも着色ベースコート層及びその上に透明保護層を有する印刷物であって、
着色ベースコート層及び透明保護層はそれぞれ微粒子を含有し、着色ベースコート層中の少なくとも一部の微粒子は着色ベースコート層表面から突出しており、
透明保護層中の微粒子は、その平均粒径が着色ベースコート層表面から突出した微粒子部分の高さの最大値より大きく、且つ透明保護層の表面に凸部を形成している、
ことを特徴とする印刷物である。
以下、かかる印刷物及びその製造方法について詳細に説明する。
[被印刷物]
被印刷物の材料としては、金属系材料、無機非金属系(セラミックス系、非セラミックス窯業系等)材料が代表的であるが、この他、樹脂系材料や木質系材料等でもよく、これらの混合系材料、積層物等の複合系材料等でもよい。これらの中でも、金属系材料が好ましい。
上記金属系材料としては、例えば鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられ、板状(金属板)であることが好ましい。
かかる金属板としては、例えば、軟鋼板、電鋳鉄箔、ステンレス鋼板、アルミニウム板、ジュラルミン板、鋼板等の板材、あるいはこれらに亜鉛、錫、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル等の1種又は2種以上でめっきしたもの等が挙げられる。2種以上のめっきとしては、例えば、鉄と亜鉛の合金めっき、アルミニウムと亜鉛の合金めっき等がある。めっきした金属板の具体例としては、例えば、電気亜鉛めっき鋼板、合金溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム合金溶融亜鉛めっき鋼板などが挙げられる。これら金属板の厚みに特に制限は無いが、通常、0.3〜2mmの厚さのものを好ましく使用でき、より具体的には、0.4mm、0.5mm、0.6mm等の厚さのものを好ましく使用できる。
樹脂系材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ABS、ポリスチレン等の樹脂を挙げられる。これらは市販品を使用すればよい。樹脂系材料は、シート状又はフィルム状であることが好ましい。
[プライマー層]
本発明の印刷物は、被印刷物上に着色ベースコート層を有するが、それらの密着性を向上させるために、被印刷物と着色ベースコート層の間にプライマー層を有していてもよい。プライマー層の材料としては、被印刷物と着色ベースコート層との密着性を向上させるものであれば特に制限はないが、例えばアルキド樹脂などのポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する公知の樹脂に架橋剤を添加した硬化性塗料を用いることができる。特に、スルホン酸塩系の硬化触媒を用いた不飽和ポリエステル樹脂にメラミン系架橋剤を加えたものが好ましい。
プライマー層は、被印刷物にロールコート法により上記材料を塗付・乾燥し、耐熱性基材の場合は、さらに200〜250℃で焼付け乾燥させることにより形成することができる。こうして得られるプライマー層の厚さには特に制限は無いが、通常、好ましくは1〜10μmであり、より好ましくは1〜3μmである。
また、プライマー層を設ける代わりに、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理などの表面処理を施してもよい。
[着色ベースコート層]
被印刷物上又はプライマー層上の着色ベースコート層は、得られる印刷物の意匠全体の基調色を表現する層である。
かかる着色ベースコート層は、少なくとも(a)バインダー樹脂、(b)着色剤、(c)微粒子(5)(数字は図1の符号に対応する。)[それぞれ、成分(a)、成分(b)、成分(c)と略称することがある。]によって形成される。着色ベースコート層には、必要に応じて、体質顔料、耐候性剤、耐光性剤、表面滑性ワックス等を加えてもよい。
(a)バインダー樹脂としては、被印刷物が金属系材料からなる場合、熱硬化性樹脂が好ましい。この熱硬化性樹脂としては、例えばアルキド樹脂などのポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アミノプラスト系樹脂などが挙げられる。得られる印刷物に曲げ加工などを施す場合には、重量平均分子量が8000以上のポリエステル樹脂が好適である。
(b)着色剤としては、公知の着色剤を使用でき、例えば、被印刷物が金属系材料からなる場合、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、チタン黄、黄色酸化鉄、アンチモン白、酸化亜鉛、弁柄、紺青、コバルトブルー等の無機顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。
これらの着色剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
成分(b)の使用量は、バインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは1〜25質量%である。
(c)微粒子(5)としては、例えばガラスビーズ、艶消し剤、樹脂ビーズなどが好ましく挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
該艶消し剤としては、例えばシリカ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウムなどが好ましく挙げられる。これらは市販品を使用すればよい。
樹脂ビーズとしては、例えば熱硬化性アクリル系樹脂ビーズ、熱硬化性ウレタン系樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒド縮合物ビーズ、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド縮合物ビーズ、尿素系樹脂ビーズ、ナイロン系樹脂ビーズや、熱可塑性樹脂ビーズ、例えばポリアミド系ビーズ、アクリル系ビーズ、ポリオレフィン系ビーズ、ポリカーボネート系ビーズ、ポリスチレン系ビーズなどが挙げられる。こられの中でも、ナイロン系樹脂ビーズが好ましい。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
微粒子(5)は、好ましくは平均粒径が10〜30μmである微粒子であり、より好ましくは平均粒径が15〜25μmである微粒子である。さらに、平均粒径が5μm以下の微粒子、平均粒径が30μmを超える微粒子を併用してもよい。特に、粒径分布において、2つ以上の粒子群を示すピークをもつ微粒子が好ましく、平均粒径5〜13μmの微粒子と平均粒径18〜25μmの微粒子の2種を併用することがより好ましい。
成分(c)の使用量は、着色ベースコート層を形成する全成分に対して、好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。
少なくとも上記成分(a)〜(c)を混合して得られる基調色塗料を、カーテンフローコート法又はロールコート法を用いて被印刷物上又はプライマー層上に塗付し、触れた時にべとつきの無い程度に乾燥させることにより、着色ベースコート層を形成することができる。こうして得られる着色ベースコート層は、着色剤が付着した微粒子の一部が上側表面から乱雑に突出している。かかる突出した部分の高さの最大値は、1〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましく、成分(b)の使用量と成分(c)の使用量を適宜調整することにより、この範囲にすることができる。この微粒子(5)の着色ベースコート層からの突出や微粒子に起因する光の屈折や指触による触感等により、最終的に得られる印刷物に美的な、そして高級感のある凹凸を付与することができる。
着色ベースコート層の厚さ(上記微粒子の突出部分は含まない。)には特に制限は無いが、通常、好ましくは10〜50μmであり、着色ベースコート層表面からの微粒子の突出を顕著にする観点からは、より好ましくは15〜30μm、さらに好ましくは15〜25μmである。
[柄印刷層]
意匠性を高める目的等で、上記着色ベースコート層上に柄印刷層を設けてもよい。
柄印刷層形成用の塗料としては、以下のバインダー樹脂及び着色剤を含むものを使用できる。バインダー樹脂としては、例えばアルキド樹脂などのポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂が表面物性等の点で好ましい。また、着色剤としては、公知の着色剤、例えばカーボンブラック、鉄黒、チタン白、チタン黄、アンチモン白、酸化亜鉛、弁柄、紺青、コバルトブルー等の無機顔料;アルミニウム粉、プロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらバインダー樹脂及び着色剤は、市販品を使用すればよい。
絵柄としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼り模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象柄、全面ベタなどが挙げられる。柄印刷層の厚さは、好ましくは1〜3μm、より好ましくは1〜2μmである。なお、柄付けはグラビアオフセット印刷法を用いることができる。
[透明保護層]
上記着色ベースコート層上又は柄印刷層上には、微粒子(7)(数字は図1の符号に対応する。)と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂との混合物によって透明保護層を形成する。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化性ポリエステル樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられ、被印刷物が金属系材料などの耐熱性材料である場合に好ましく使用される。これらは市販品を使用すればよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、被印刷物が非耐熱性材料である場合に好ましく使用される。これらは市販品を使用すればよい。
電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した組成物が用いられる。これらの組成物としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート、シロキサン等の珪素樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。被印刷物が金属系材料などの耐熱性材料である場合に好ましく使用される。これらは市販品を使用すればよい。
微粒子(7)としては、例えばガラスビーズ、樹脂ビーズなどが挙げられ、ガラスビーズ、樹脂ビーズが好ましく、樹脂ビーズが特に好ましい。また、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、微粒子は透明又は半透明のものが用いられる。
樹脂ビーズとしては、例えばアクリル系樹脂ビーズ、ウレタン系樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒド縮合物ビーズ、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド縮合物ビーズ、尿素系樹脂ビーズ、ナイロン系樹脂ビーズや、熱可塑性樹脂ビーズ、例えばポリアミド系ビーズ、アクリル系ビーズ、ポリオレフィン系ビーズ、ポリカーボネート系ビーズ、ポリスチレン系ビーズなどが挙げられる。こられの中でも、ナイロン系樹脂ビーズ、ウレタン系樹脂ビーズが、指触による触感、視覚的な意匠性を付与できる点で好ましい。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
透明保護層に含有させる微粒子(7)の平均粒径は、着色ベースコート層から突出した微粒子部分の高さの最大値よりも、好ましくは5〜70μm大きく、より好ましくは10〜50μm大きく、さらに好ましくは10〜30μm大きく、通常、好ましくは平均粒径10〜75μmであり、より好ましくは平均粒径10〜50μmであり、さらに好ましくは平均粒径15〜30μmである。
なお、本透明保護層には、光沢を調整するために、微粒子(7)の平均粒径より小さい平均粒径を有する微粒子(8)(数字は図1の符号に対応する。)を含有させることが好ましく、該微粒子(8)の平均粒径は5μm以下であることが最も好ましい。該微粒子(8)を含有させることにより、透明保護層中で微粒子(7)が存在する部分と、存在しない部分で起こる艶消し効果のムラが少なくなり、均一な艶消し面を有する印刷物が得ることができる。微粒子(8)としては、艶消し効果を付与できるものであれば従来公知の材料が使用でき、例えばシリカ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウムなどが好ましく挙げられる。
また、透明保護層には、平均粒径5μm以下のアクリル系樹脂ビーズ、ウレタン系樹脂ビーズ、ナイロン系樹脂ビーズなどを含有させてもよい。
微粒子(7)の使用量[平均粒径が異なる微粒子(8)を併用する場合には、それらの合計使用量]は、前記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5〜40質量%であり、より好ましくは、0.5〜20質量%である。
本透明保護層に上記微粒子(7)が含まれることで、得られる印刷物の表面の摩耗により、着色ベースコート層に含有される微粒子(5)の表面に存在する着色剤による、着色汚染の問題が低減できる。
上記微粒子と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂との混合物を、ロールコート法、フローコート法、スプレーコート法などの公知の塗工法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法などの公知の印刷法により、着色ベースコート層上又は柄印刷層上に塗付し、乾燥させた後、電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、紫外線や電子線を照射して完全硬化させ、一方、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の場合であって、被印刷物が鋼板または耐熱性樹脂板の場合は、例えば熱風加熱、遠赤外線加熱などの公知の加熱方式により雰囲気温度180〜280℃、好ましくは200〜250℃で加熱処理することにより、各層を完全硬化させ、表面に透明保護層を有する印刷物を得ることができる。
本発明では、透明保護層の厚さ(微粒子の高さを考慮しない。)は、美的な凹凸感を損なわないようにするため、好ましくは1〜5μmであり、より好ましくは1〜4μmであり、さらに好ましくは1〜3μmである。
本発明の印刷物は、着色ベースコート層中の微粒子(5)や透明保護層中の微粒子(7)、またさらに透明保護層中の微粒子(8)によって、光の屈折や指触による触感等を付与することができ、得られた印刷物は、視覚的に高意匠性を有し、そして凹凸の触感を有する印刷物となる。
以下、図1を用いて本発明の印刷物の構成例を簡単に説明するが、特に図1によって本発明が制限されるものではない。
図1は、被印刷物(2)の上にプライマー層(3)を形成し、その上に、着色剤が付着した微粒子(5)の一部が層から突出した着色ベースコート層(4)を形成し、さらにその上に微粒子(7)及び微粒子(8)を含有する透明保護層(6)を形成した印刷物(1)の一例である。微粒子(7)は、着色ベースコート層(4)から突出している微粒子部分の高さ(A)よりも十分な大きさとなっている。これにより、高級感及び高い意匠性を保ちつつ、同時に着色汚染を予防することができている。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
被印刷物として、厚みが0.6mmの鉄−亜鉛合金溶融メッキ鋼板(シルバーアロイ)を用い、該鋼板の表面に、熱硬化性ポリエステル樹脂系プライマーをロールコート法により塗付・乾燥させて、厚み2μmのプライマー層を形成した後、約230〜240℃で焼付け乾燥を行なった。次いで、重量平均分子量8000以上の熱硬化性ポリエステル樹脂とカーボンブラック、チタン白、弁柄及び黄色酸化鉄からなるブラウン系塗料[バインダー樹脂:着色剤=100:20(質量比)]と、微粒子として平均粒径10μmのナイロン系透明樹脂ビーズ及び平均粒径20μmのナイロン系透明樹脂ビーズ[およそ3:1(質量比)]を混合し[前記ブラウン系塗料:樹脂ビーズ合計=100:4(質量比)]、こうして得られた基調色塗料をカーテンフローコート法により塗装し、指触にて塗料が指に付着しない程度に乾燥させ、厚さ20μmの着色ベースコート層を形成した。ここで、着色ベースコート層から突出している微粒子部分の高さの最大値が7μmであることを確認した。該着色ベースコート層上に、ポリエステル系樹脂のインクを用い、グラビアオフセット印刷法により木目模様の厚さ2μmの柄印刷層を形成した。さらに、平均粒径20μmのナイロン系透明樹脂ビーズを混合した熱硬化性ポリエステル樹脂[熱硬化性ポリエステル樹脂:樹脂ビーズ=10:15(質量比)]をグラビアオフセット印刷法により塗付・乾燥し、3μm(樹脂ビーズは考慮しない。)の透明保護層を形成した。最後に、250℃にて加熱乾燥し、各層を完全に硬化させた。
こうして得られた印刷物の表面(保護層部位)は、保護層が薄いにも関らず、通常の使用における摩耗によっても、着色ベースコート層から突出している微粒子が現れることはなく、微粒子に付着している着色剤が問題となることはなかった。
本発明の印刷物は、視的及び触感的にも凹凸感があって高級感及び高い意匠性があり、且つ着色汚染性の無い印刷物であり、そのまま化粧材として、あるいは被着体に積層し、化粧材となして、種々の用途に好適に利用され得る。
本発明の印刷物の層構成の一例である。
符号の説明
1 印刷物
2 被印刷物
3 プライマーコート層
4 着色ベースコート層
5 微粒子
6 透明保護層
7 微粒子
8 微粒子
A 着色ベースコート層から突出している微粒子部分の高さ

Claims (10)

  1. 被印刷物上に、少なくとも着色ベースコート層及びその上に透明保護層を有する印刷物であって、着色ベースコート層及び透明保護層はそれぞれ微粒子を含有し、着色ベースコート層中の少なくとも一部の微粒子は着色ベースコート層表面から突出しており、透明保護層中の微粒子は、その平均粒径が着色ベースコート層表面から突出した微粒子部分の高さの最大値より大きく、且つ透明保護層の表面に凸部を形成していることを特徴とする印刷物。
  2. 透明保護層の厚さ(微粒子による凸部は考慮しない。)が1〜5μmである、請求項1に記載の印刷物。
  3. 着色ベースコート層表面から突出した微粒子部分の高さの最大値が1〜30μmである、請求項1又は2に記載の印刷物。
  4. 透明保護層中の微粒子の平均粒径が、着色ベースコート層から突出した微粒子部分の高さの最大値よりも5〜70μm大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷物。
  5. 着色ベースコート層中の微粒子及び透明保護層中の微粒子が、それぞれ樹脂ビーズ、ガラスビーズ及び艶消し剤からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷物。
  6. 被印刷物と着色ベースコート層の間にプライマー層を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷物。
  7. 着色ベースコート層と透明保護層の間に柄印刷層を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷物。
  8. 被印刷物が、鋼板、樹脂シート又は樹脂フィルムである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷物。
  9. 玄関ドア用又は間仕切り用である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷物。
  10. 被印刷物上に、少なくとも着色ベースコート層及びその上に透明保護層を有する印刷物の製造方法であって、
    少なくとも一部の微粒子が着色ベースコート層表面から突出するようにカーテンフローコート法又はロールコート法により着色ベースコート層を製造する工程、及び
    着色ベースコート層表面から突出した微粒子部分の高さの最大値より大きい平均粒径の微粒子を含有する透明インクをグラビア印刷、グラビアオフセット印刷又はロールコート法により塗付することにより、微粒子が表面に凸部を形成した保護層を製造する工程、
    を含有する印刷物の製造方法。
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