JP5862075B2 - 加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は加飾シート及び加飾樹脂成形品に関する。
成形品の表面に加飾シートを積層することで加飾した加飾樹脂成形品が、車両内装部品などの各種用途で使用されている。このような加飾樹脂成形品の成形方法としては、加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形しておき、該成形シートを射出成形型に挿入し、流動状態の樹脂を型内に射出して樹脂と成形シートを一体化するインサート成形法、あるいは射出成形の際に金型内に挿入された加飾シートを、キャビティ内に射出注入された溶融樹脂と一体化させ、樹脂成形体表面に加飾を施す射出成形同時加飾法などが挙げられる。
このような成形方法により得られる加飾樹脂成形品は、上記したように車両内装部品などの各種用途で使用されるため、三次元成形に十分追従しうる三次元成形性や、表面の耐傷付き性などの表面特性に加え、近年の消費者の嗜好の多様化に伴い、多様な意匠感が求められるようになっている。例えば、樹脂成形品に対して、模様の特定の部分に合わせて艶消しや凹凸を付与することによる質感の付与を行うなどの開発が進められてきた(例えば、特許文献1)。しかし、特許文献1に示される成形品は、木目柄及びその質感の表現に優れているものの、近年の消費者の嗜好の多様化には十分対応しきれていない場合があった。また、多様な意匠感を有するものとして、変化する意匠面を備えた合成樹脂成形部品が提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、特許文献2には具体的な手法についての開示はなく、そのような意匠面を実現化することは困難であった。
特開2009−132145号公報 特開2010−125817号公報
本発明は、このような状況下で、光源の点灯時と消灯時とで異なる意匠を発現する多様な意匠感を有する加飾シート及び加飾樹脂成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、下記の加飾シート及び加飾成形品を提供するものである。
1.支持シート層、第一絵柄層、及び着色基材シート層を順に有し、該着色基材シート層が該第一絵柄層より観察者側に配置される加飾シートであって、下記に定義する消灯時色差(ΔE)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE)が該消灯時色差(ΔE)よりも大きく、該着色基材シート層の可視光線領域における光線透過率が0.3%以上30%以下であり、かつ第一絵柄層の厚さが1〜4.5μmであることを特徴とする加飾シート。
<光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように該光源及び該加飾シートを配置し、第一絵柄層の絵柄部と非絵柄部との色差について、該光源を消灯した時の色差をΔEとし、該光源を点灯した時の色差をΔEとする。>
2.支持シート層、第一絵柄層、及び着色基材シート層を順に有し、該着色基材シート層が該第一絵柄層より観察者側に配置され、下記に定義する消灯時色差(ΔE)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE)が該消灯時色差(ΔE)よりも大きく、該着色基材シート層の可視光線領域における光線透過率が0.3%以上30%以下であり、かつ第一絵柄層の厚さが1〜4.5μmである加飾シートに、該加飾シートの第一絵柄層が設けられる面側に射出樹脂層を有することを特徴とする加飾樹脂成形品。
<光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように該光源及び該加飾シートを配置し、第一絵柄層の絵柄部と非絵柄部との色差について、該光源を消灯した時の色差をΔEとし、該光源を点灯した時の色差をΔEとする。>
本発明によれば、光源の点灯時と消灯時とで異なる意匠を発現する多様な意匠感を有する加飾シート及び加飾樹脂成形品を得ることができる。
本発明の加飾シートの一態様の断面を示す模式図である。 本発明の加飾シートの一態様の断面を示す模式図である。 本発明の加飾シートの一態様の断面を示す模式図である。 本発明の加飾シートの一態様の断面を示す模式図である。 本発明の加飾シートの一態様の断面を示す模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の一態様の断面を示す模式図である。
[加飾シート]
本発明の加飾シートは、着色基材シート層、及び第一絵柄層を少なくとも有し、該着色基材シート層が該第一絵柄層より観察者側に配置される加飾シートであって、下記に定義する消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを特徴とするものである。以下、本発明の加飾シートについて、図1〜6を用いて詳説する。
≪着色基材シート層1≫
着色基材シート層1は、後述する第一絵柄層2より観察者側に配置される層であり、該着色基材シート層1を形成する基材シートは、それ自体が着色されていることを要し、樹脂製の着色基材シートが好ましく挙げられる。基材シートを形成する材料は、透明性、三次元成形性、形状安定性、耐薬品性などを考慮して適宜決定されるが、代表的には熱可塑性樹脂のシートが好ましく使用される。該熱可塑性樹脂としては、一般的には、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」という)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂などが好ましく用いられ、これらの樹脂シートを単独で、又は複数を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、耐傷付き性、耐薬品性の観点から、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましく、ポリエステル樹脂がさらに好ましい。
本発明において採用される基材シートは、光源の点灯時と消灯時とで異なる意匠を発現させて多様な意匠感を容易に得る観点から、それ自体が着色されたものを用いることを要し、上記した樹脂製で、着色された基材シートが採用される。
本発明において、着色基材シートの色としては特に限定されず、例えば、白、黒、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、茶などをはじめとし、その他の色やこれらを混ぜて得られる色などが挙げられる。また、着色基材シート層に用いられる着色剤としては特に限定されないが、150℃以上の高温下にあっても変色しない着色剤が好ましく、既存のドライカラー、ペーストカラー、マスターバッチ樹脂組成物などを用いればよい。
着色基材シート層1は、上記したような樹脂製で、着色された基材シートが採用されるが、該基材シートは光源の消灯時に後述する第一絵柄層2が見えすぎず、かつ光源の点灯時に該第一絵柄層2が良好に視認できるものを選定することが、光源の消灯時と点灯時とでの意匠の違いが容易に得られるので好ましい。このような観点から、着色基材シート層1の可視光線領域における光線透過率は、30%以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは20%である。また、光線透過率の下限は0.05%以上程度が好ましく、より好ましくは0.3%以上である。
着色基材シート層1の厚さは、特に限定されるわけではないが、コスト、三次元成形性、形状安定性などを考慮すると、10〜200μmが好ましく、15〜150μmがより好ましい。
また、着色基材シート層1を形成する基材シートは、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
≪第一絵柄層2≫
第一絵柄層2は、光源の消灯時には視認することはできないが、光源を点灯すると、視認できる絵柄を発現させる層であり、上記した着色基材シート層1との相乗効果により、光源の点灯時と消灯時とで異なる意匠を発現し、本発明の加飾シートに多様な意匠感を付与することができる。
第一絵柄層2は、所望の意匠に応じて各種の層構成により形成することができ、絵柄層2Aや全面に渡って均一一様に着色されるようなベタ着色層2Bにより形成される。本発明においては、第一絵柄層2は少なくとも絵柄模様を有する絵柄層2Aを含むことを要する。本発明においては、第一絵柄層2は絵柄層2Aを有すれば特に制限はなく、例えば、図1に示されるように絵柄層2Aのみからなるものであってもよいし、図2に示されるように複数の絵柄層2Aからなるものであってもよいし、図3に示されるように絵柄層2Aとベタ着色層2Bとを組み合わせたものであってもよい。
第一絵柄層2は、種々の絵柄模様をインキ組成物を用いて、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写による印刷、インクジェット印刷などの通常の印刷方法により形成される。絵柄層2Aの絵柄模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)などの岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様などがあり、これらを複合した寄木、パッチワークなどの模様もある。また、第一絵柄層2の一態様として、上記したように全面に渡って均一一様に着色したようなベタ着色層2Bも挙げられる。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷などによっても形成される。
第一絵柄層2に用いるインキ組成物としては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
また、多様な意匠感を得る観点から、着色基材シート層1と第一絵柄層2とは同系色で構成されることが好ましい。
第一絵柄層2の厚さは、本発明で規定する色差の範囲内となるように上記した着色基材シート層1との関係を考慮しながら適宜調整すればよいが、好ましくは1〜10μmの範囲内であり、より好ましくは1.5〜4.5μmの範囲内である。
≪色差≫
本発明の加飾シート10は、多様な意匠感を得るために、下記に定義する消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを要する。
消灯時色差(ΔE1)は、光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように光源及び加飾シートを配置し、該光源を消灯した時の第一絵柄層2の絵柄部と非絵柄部との色差であり、点灯時色差(ΔE2)は、該光源を点灯した時の第一絵柄層2の絵柄部と非絵柄部との色差である。この色差は、CIE1976L***表色系により規定される色差(ΔE)であり、分光光度計によりL*、a*及びb*を測定し、算出することが可能である。より具体的には、第一絵柄層2の絵柄部及び非絵柄部のL*、a*及びb*を測定し、各々の差であるΔL*、Δa*及びΔb*を用いて次式により算出される値を色差(ΔE)とする。
ΔE=〔(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
ここで、第一絵柄層2の絵柄部のL*、a*及びb*は、光源の光線が第一絵柄層2を形成するインキ組成物により着色が施された部分、複数の層からなる場合はその全ての層で着色が施された部分を通過する箇所で測定した値であり、第一絵柄層2の非絵柄部のL*、a*及びb*は、光源の光線が第一絵柄層2を形成するインキ組成物により着色が施されていない部分を通過する箇所で測定した値である。なお、第一絵柄層2がベタ着色層2Bを有するときは、第一絵柄層2の非絵柄部のL*、a*及びb*はベタ着色層2Bを通過してもよい。
多様な意匠感を得る観点から、消灯時色差(ΔE1)の1以下であることを要し、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。
また、多様な意匠感を得る観点から、点灯時色差(ΔE2)は点灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを要し、0.1以上大きいことが好ましく、より好ましくは0.2以上である。
消灯時色差(ΔE1)及び、点灯時色差(ΔE2)の調整は、着色基材シート層1の選定、着色剤の種類やその使用量、第一絵柄層2の厚さを選定することで可能であり、これらのなかでも第一絵柄層2の厚さを選定して調整することが容易である。
≪プライマー層3≫
本発明の加飾シート10は、各層同士の密着性の向上の観点から、プライマー層3を有することが好ましい。プライマー層3としては、例えば、図4〜6に示されるように、着色基材シート層1と第一絵柄層2との密着性を向上させるために設けられるプライマー層3Aのほか、着色基材シート層1と後述する表面保護層4との密着性を向上させるために設けられるプライマー層3Bなどが好ましく挙げられる。
プライマー層3の厚さは0.1〜10μmの範囲内であることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。プライマー層3の厚さが上記範囲内であると、優れた層間密着性が得られるとともに、プライマー層3の形成の際に塗膜の乾燥、硬化が安定するので三次元成形性が変動することがなく、またプライマー層3Bであれば表面保護層4の割れ、破断、白化などを防ぐ効果が有効に得られる。
このようなプライマー層3を構成するプライマー組成物としては、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル/ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどをバインダー樹脂とするものが好ましく用いられ、これらの樹脂は一種又は二種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル/ウレタン共重合体樹脂が好ましい。また、プライマー層3の形成においては、各種イソシアネートなどの架橋剤を用いてもよい。
プライマー層3は、プライマー組成物を、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコートなどの通常の塗工方法や転写コーティング法により形成される。
≪表面保護層4≫
表面保護層4は、本発明の加飾シート10に、優れた表面特性を付与するために所望により設けられる層である。表面保護層4は、通常硬化性樹脂組成物により形成される。硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂成分としては、特に制限はないが、例えば、メラミン系、ユリア系、エポキシ系、ケトン系、ジアリルフタレート系、不飽和ポリエステル系、及びフェノール系などの熱硬化性樹脂、あるいは電離放射線硬化性樹脂が好ましく挙げられる。これらのなかでも、硬化性樹脂成分としては、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
<電離放射線硬化性樹脂組成物>
電離放射線硬化性樹脂組成物とは、硬化性樹脂成分として電離放射線硬化性樹脂を含有する組成物のことである。電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。ここで、電離放射線は、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含むものである。
電離放射線硬化性樹脂は、慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体が好適であり、なかでも分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有するような多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いて用いればよい。官能基数としては、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばウレタン(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、アクリル(メタ)アクリレート系、ポリカーボネート(メタ)アクリレート系、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート系、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート系などのオリゴマーが挙げられる。これらのオリゴマーのうち、多官能性の重合性オリゴマーが好ましく、官能基数としては、2〜16が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテルなどの分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。これらの重合性オリゴマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる重合性オリゴマーの分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、2,000を超えることがさらに好ましい。重合性オリゴマーの重量平均分子量の上限は特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御する観点から100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましい。耐傷付き性と三次元成形性とを両立させる観点から、さらに好ましくは、2,000を超え50,000以下であり、特に好ましくは、5,000〜20,000である。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を調整するなどの目的で、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本発明における表面保護層4を構成する電離放射線硬化性樹脂組成物には、得られる硬化樹脂層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤などの耐候性改善剤や、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、艶消し剤などが挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。また、本発明のポリマーの表面保護層4としての性能(耐傷付き性と三次元成形性)を損なわない程度に共重合して使用することもできる。
表面保護層4は、上述の硬化性樹脂組成物を含有する塗布液を調製し、該塗布液を塗布し、硬化することで得ることが好ましい。硬化性樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚さが好ましくは1〜50μm程度になるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗付し、未硬化樹脂層を形成する。次いで、該未硬化樹脂層について、硬化性樹脂が熱硬化性樹脂の場合は熱処理を施し、また硬化性樹脂が電離放射線硬化性樹脂の場合は電子線や紫外線などの電離放射線を照射して硬化させて表面保護層4を形成する。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐傷付き性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
本発明においては、表面保護層4の厚さは1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。表面保護層4の厚さが上記範囲内であると、耐傷付き性、耐候性などの保護層としての十分な表面特性が得られ、かつ良好な三次元成形性も得られるので、自動車内装用途などの複雑な3次元形状への高い追従性を得ることができる。
≪支持シート層5≫
本発明の加飾シート10は、特にインサート成形に適用する場合には、図5あるいは6に示されるように、支持シート層5を有することが好ましい。該支持シート層5を形成する材料は、三次元成形性や射出樹脂との相性など考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが好ましく使用される。該熱可塑性樹脂としては、一般的には、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」という)、アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸エステル樹脂(「以下「ASA樹脂」という」、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂などが好ましく使用される。なかでも、ABS樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。樹脂シートとしては、上記した樹脂製の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを採用することができる。
これらの樹脂シートは、本発明の加飾シートが光源からの光を透過しうる程度の光透過性を有することが好ましく、これを阻害しない範囲内であれば着色されていてもよい。このような観点から、支持シート層5に用いられる樹脂シートは、無色透明、あるいは着色透明又は半透明のものであることが好ましい。
支持シート層5は、25℃における曲げ弾性率500〜4,000MPaが好ましく、750〜3,000MPaがより好ましい。ここで、曲げ弾性率は、JIS K7171に準拠して測定された値である。曲げ弾性率が500MPa以上であると、加飾シート10は十分な剛性を有することとなり、優れた表面特性と成形性が得られる。また、3,000MPa以下であると、ロール・トゥ・ロールで製造する場合に十分な張力をかけることができ、たるみが発生しにくくなるため、絵柄がずれることなく重ねて印刷することができる、すなわち絵柄見当が良好となる。
支持シート層5の厚さは、用途に応じて適宜選択されるが、通常50〜1000μm程度であり、100〜700μmがより好ましく、100〜500μmがさらに好ましい。支持シート層5の厚さが上記範囲内であると、優れた表面物性、三次元成形性及び意匠性に加えて、印刷作業性(生産性)も得られ、コストの観点からも有利である。
また、支持シート層5は、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。これらの処理としては、上記した基材シート層に施しうる処理と同じものが好ましく例示される。
≪接着剤層7≫
本発明の加飾シート10は、図5及び6に示されるように、支持シート層5の密着性を向上させるため、所望により接着剤層7を設けることができる。接着剤層7には、射出樹脂に応じて、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型の接着剤も好ましく用いられる。例えばポリオールとしてはアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオールなどが挙げられ、イソシアネートとしては4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族イソシアネートやイソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)などの脂肪族(又は脂環式)イソシアネートなどが好ましく挙げられる。
≪着色層≫
本発明の加飾シート10は、本発明の効果を阻害しない範囲で、意匠性の向上のため、必要に応じて着色層(図示せず)を設けてもよい。着色層は、絵柄を呈していても、全面に渡って均一一様に着色されるようなベタ着色を呈していてもよく、その色は、上記した着色基材シート層1の色として例示したもののなかから適宜選択すればよい。また、着色層は、いずれの層の上に設けてもよい。
以上詳説してきた本発明の加飾シート10は、各種射出成形法による加飾樹脂成形品の製造に好ましく用いられる。そして、本発明の加飾シート10は、加飾樹脂成形品に、三次元成形性や、表面の耐傷付き性、耐薬品性といった加飾シートに要求される基本性能を付与することができる。また、本発明の加飾シート10は、光源の消灯時には観察者により近い着色基材シート層1が主に視認され、第一絵柄層2は視認することはできないが、光源を点灯すると、該第一絵柄層2がより明確に視認できるようになるため、光源の点灯時と消灯時とで異なる多様な意匠感をも加飾樹脂成形品に付与しうる。
[加飾樹脂成形品]
本発明の加飾樹脂成形品11は、着色基材シート層1、及び第一絵柄層2を少なくとも有し、該着色基材シート層1が該第一絵柄層2より観察者側に配置される加飾シートであって、消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを特徴とする加飾シート10、及び該加飾シート10の第一絵柄層2が設けられる面側に射出樹脂層6を有するもの、すなわち本発明の加飾シート10を用いて作製されるものである。より具体的には、本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シート10を用いて、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法などの各種射出成形法、好ましくはインサート成形法及び射出成形同時加飾法により作製される。
インサート成形法では、真空成形工程において、本発明の加飾シート10を真空成形型により予め成形品表面形状に真空成形(オフライン予備成形)し、次いで必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る。この成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シート10を一体化させ、加飾シート10と射出樹脂層6とからなる加飾樹脂成形品11を製造する。
射出樹脂層6の形成に使用される射出樹脂は用途に応じた樹脂が使用され、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂が代表的である。また、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂なども用途に応じ用いることができる。
次に、射出成形同時加飾法においては、本発明の加飾シート10を射出成形の吸引孔が設けられた真空成形型との兼用雌型に配置し、この雌型で予備成形(インライン予備成形)を行った後、射出成形型を型締めして、流動状態の樹脂を型内に射出充填し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シート10を一体化させ、加飾シート10と射出樹脂層6とからなる加飾樹脂成形品11を製造する。
なお、射出成形同時加飾法では、射出樹脂による熱圧を加飾シートが受けるため、平板に近く、加飾シートの絞りが小さい場合には、加飾シートは予熱してもしなくてもよい。
なお、ここで用いる射出樹脂としてはインサート成形法で説明したものと同様のものを用いることができる。
以上のようにして製造された加飾樹脂成形品は、三次元成形性や、表面の耐傷付き性、耐薬品性といった加飾シートに要求される基本性能を有している。また、本発明の加飾樹脂成形品は、上記したような光源の点灯時と消灯時とで異なる意匠を発現する多様な意匠感をも有する成形品である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
評価方法
(1)色差(消灯時色差(ΔE1)及び点灯時色差(ΔE2))の測定
各実施例及び比較例で得られた加飾シートについて、光源の消灯時及び点灯時の第一絵柄層の絵柄部、及び非絵柄部のΔL*、Δa*及びΔb*を分光光度計(「SpectroEye(型番)」,GretagMacbeth社製)を用いて測定し、光源消灯時の消灯時色差(ΔE1)及び光源点灯時の点灯時色差(ΔE2)を測定した。なお、光源は、加飾シートの表面が照度7000Luxとなるように設置した。
(2)外観評価(光源消灯時)
上記(1)の明度の測定の際に、光源消灯時の外観について、以下の基準で評価した。
◎;第一絵柄層の絵柄が全く確認できなかった
○;第一絵柄層の絵柄がほとんど確認できなかった
△;第一絵柄層の絵柄が確認されたが、目立たない程度であった
×;第一絵柄層の絵柄が確認された
(3)外観評価(光源点灯時)
上記(1)の明度の測定の際に、光源点灯時の外観について、以下の基準で評価した。
◎;第一絵柄層の絵柄が明確に確認された
○;第一絵柄層の絵柄が確認された
△;第一絵柄層の絵柄が目立たないものの確認された
×;第一絵柄層の絵柄が確認されなかった
(4)三次元成形性(真空成形)
各実施例及び比較例で得られた加飾シートについて以下に示す方法で真空成形を行い、成形後の外観にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎;表面保護層に塗膜割れや白化が全く見られず、良好に型の形状に追従した。
○;三次元形状部又は最大延伸部の一部に微細な塗膜割れ又は白化が認められたが実用上問題なし。
△;三次元形状部又は最大延伸部の一部に軽微な塗膜割れ又は白化が発生した。
×;型の形状に追従できずに表面保護層に塗膜割れや白化が見られた。
<真空成形>
加飾シートを赤外線ヒーターで180℃に加熱し、軟化させる。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率:100%)、型の内部形状に成形する。シートを冷却後、型より加飾シートを離型する。
(5)耐傷付き性
各実施例及び比較例で得られた加飾シートについて、#0000スチールウールを用いて荷重1.5kgfで5回往復後の試験片の外観を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎;傷付きがなかった。
○;表面に微細な傷が認められたが、塗膜の削れや白化はなかった。
△;表面に軽微な傷があった。
×;表面に著しい傷があった。
実施例1
着色基材シート層1として茶色のポリプロピレンシート(厚さ:50μm,光線透過率:7.0%)を用い、該着色基材シート層1の一方の面に、プライマー組成物(主剤:アクリルポリオール、硬化剤:イソシアネート化合物)を用いグラビア印刷により厚さ1μmのプライマー層3Aを形成し、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂組成物からなる印刷インキを用いグラビア印刷によりストライプ柄(2cm幅)の第一絵柄層2(厚さ:2μm)を形成し、さらにポリエステルポリオール系の接着剤を塗布して(塗布量:10g/m2)、支持シート層5となる半透明のABSシート(厚さ:400μm)をドライラミネートし、40℃で3日間養生して加飾シート10を得た。得られた加飾シートについて、上記方法により評価した。評価結果を第1表に示す。
実施例2
着色基材シート層1として茶色のポリプロピレンシート(厚さ:50μm,光線透過率:7.0%)を用い、該着色基材シート層の一方の面に、プライマー組成物(主剤:アクリルポリオール、硬化剤:イソシアネート化合物)を用いグラビア印刷により厚さ1μmのプライマー層3Aを形成し、その上に塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂組成物からなる印刷インキを用いグラビア印刷によりストライプ柄(2cm幅)の第一絵柄層2(厚さ:2μm)を形成した。次いで、該樹脂シートの第一絵柄層2を設けた面の反対側の面に、プライマー組成物(主剤:アクリルポリオール、硬化剤:イソシアネート化合物)を用いグラビア印刷によりプライマー層3Bを形成し、その上に電離放射線硬化性樹脂組成物(2官能ポリカーボネートアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:10000)と6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:6000)とを94:6(質量比)の割合で混合した樹脂組成物)を硬化後の厚さが10μmとなるように塗布し未硬化樹脂層を形成し、該未硬化樹脂層に加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて表面保護層4を形成した。その後、第一絵柄層2の上にポリエステルポリオール系の接着剤を塗布して(塗布量:10g/m2)、支持シート層5となる半透明のABSシート(厚さ:400μm)をドライラミネートし、40℃で3日間養生して加飾シート10を得た。得られた加飾シートについて、上記方法により評価した。評価結果を第1表に示す。
実施例3、4、比較例1及び2
実施例2において、第一絵柄層2の厚さを第1表に示される厚さにした以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。得られた加飾シートについて、上記方法により評価した。
Figure 0005862075
本発明の加飾シートは、通常のインサート成形法や射出成形同時加飾法において、180℃程度の加熱温度から金型に接触時の温度まで急激な温度低下と急激な伸張速度、高伸張度の条件であってもクラックや割れが発生することがなく、三次元成形性が良好であり、製造された加飾樹脂成形品の表面は、優れた耐傷付き性を有することが確認された。また、本発明の加飾シートは、上記したような優れた特性を有しつつ、光源の点灯時と消灯時とで異なる意匠を発現する多様な意匠感を有することが確認された。
本発明の加飾シートは各種加飾樹脂成形品に用いられ、例えば、自動車などの車両の内装材又は外装材、幅木、回縁などの造作部材、窓枠、扉枠などの建具、壁、床、天井などの建築物の内装材、テレビ受像機、空調機などの家電製品の筐体、容器などの用途の加飾樹脂成形品に好適に用いられる。
1.着色基材シート層
2.第一絵柄層
2A.絵柄層
2B.ベタ着色層
3.プライマー層
3A.プライマー層
3B.プライマー層
4.表面保護層
5.支持シート層
6.射出樹脂層
7.接着剤層
10.加飾シート
11.加飾樹脂成形品

Claims (3)

  1. 支持シート層、第一絵柄層、及び着色基材シート層を順に有し、該着色基材シート層が該第一絵柄層より観察者側に配置される加飾シートであって、下記に定義する消灯時色差(ΔE)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE)が該消灯時色差(ΔE)よりも大きく、該着色基材シート層の可視光線領域における光線透過率が0.3%以上30%以下であり、かつ第一絵柄層の厚さが1〜4.5μmであることを特徴とする加飾シート。
    <光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように該光源及び該加飾シートを配置し、第一絵柄層の絵柄部と非絵柄部との色差について、該光源を消灯した時の色差をΔEとし、該光源を点灯した時の色差をΔEとする。>
  2. 点灯時色差(ΔE)が、消灯時色差(ΔE)よりも0.2以上大きい請求項1に記載の加飾シート。
  3. 支持シート層、第一絵柄層、及び着色基材シート層を順に有し、該着色基材シート層が該第一絵柄層より観察者側に配置され、下記に定義する消灯時色差(ΔE)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE)が該消灯時色差(ΔE)よりも大きく、該着色基材シート層の可視光線領域における光線透過率が0.3%以上30%以下であり、かつ第一絵柄層の厚さが1〜4.5μmである加飾シートに、該加飾シートの第一絵柄層が設けられる面側に射出樹脂層を有することを特徴とする加飾樹脂成形品。
    <光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように該光源及び該加飾シートを配置し、第一絵柄層の絵柄部と非絵柄部との色差について、該光源を消灯した時の色差をΔEとし、該光源を点灯した時の色差をΔEとする。>
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