JP5862074B2 - 加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents
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Description
<光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように該光源及び該加飾シートを配置し、第二絵柄層の絵柄部と非絵柄部との色差について、該光源を消灯した時の色差をΔE1とし、該光源を点灯した時の色差をΔE2とする。>
2.支持シート層、第二絵柄層、基材シート層、及び第一絵柄層をこの順に有し、該第一絵柄層が該第二絵柄層より観察者側に配置され、該第一絵柄層の絵柄が該第二絵柄層の絵柄の少なくとも一部と重なっており、第一絵柄層の厚さが1〜10μmであり、第二絵柄層の厚さが0.5〜5μmであり、第一絵柄層が第二絵柄層よりも厚く、下記に定義する消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きい加飾シートに、該加飾シートの第二絵柄層が設けられる面側に射出樹脂層を有することを特徴とする加飾樹脂成形品。
<光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように該光源及び該加飾シートを配置し、第二絵柄層の絵柄部と非絵柄部との色差について、該光源を消灯した時の色差をΔE1とし、該光源を点灯した時の色差をΔE2とする。>
本発明の加飾シートは、基材シート層、第一絵柄層及び第二絵柄層を少なくとも有し、該第一絵柄層が該第二絵柄層より観察者側に配置される加飾シートであって、該第一絵柄層の絵柄が該第二絵柄層の絵柄の少なくとも一部と重なっており、下記に定義する消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを特徴とするものである。以下、本発明の加飾シートについて、図1〜7を用いて詳説する。
基材シート層1を形成する基材シートとしては、樹脂製の基材シートが好ましく挙げられる。基材シートを形成する材料は、透明性、三次元成形性、形状安定性、耐薬品性などを考慮して適宜決定されるが、代表的には熱可塑性樹脂のシートが好ましく使用される。該熱可塑性樹脂としては、一般的には、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」という)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂などが好ましく用いられ、これらの樹脂シートを単独で、又は複数を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、耐傷付き性、耐薬品性の観点から、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましく、ポリエステル樹脂がさらに好ましい。
本発明において、着色された基材シートの色としては特に限定されず、例えば、白、黒、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、茶などをはじめとし、その他の色やこれらを混ぜて得られる色などが挙げられる。また、基材シート層に用いられる着色剤としては特に限定されないが、150℃以上の高温下にあっても変色しない着色剤が好ましく、既存のドライカラー、ペーストカラー、マスターバッチ樹脂組成物などを用いればよい。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
第一絵柄層2は、加飾樹脂成形品に装飾性を与える層であり、後述する第二絵柄層3より観察者側に配置される層である。
また、第一絵柄層2の絵柄は、後述する第二絵柄層3の絵柄の少なくとも一部と重なっていることを要する。第一絵柄層2の絵柄は、後述する第二絵柄層3の絵柄と少なくとも一部重なっていれば特に制限はなく、図1、3〜7に示されるように絵柄層2Aであってもよいし、図2、5〜7に示されるような加飾シートの全面に渡って均一一様に着色されるようなベタ着色層2Bであってもよし、図5〜7に示されるように絵柄層2Aとベタ着色層2Bとが同時に形成されていてもよい。また、多様な意匠感を得る観点から、絵柄層2A及びベタ着色層2Bは、各々複数の絵柄層及びベタ着色層、あるいはこれらを組み合わせた複数の層からなるものであってもよい。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
第二絵柄層3は、光源の消灯時には第一絵柄層2と重なる部分は視認することはできないが、光源を点灯すると、当該部分がより明確に視認できる絵柄を発現させる層であり、上記した第一絵柄層2との相乗効果により、多様な意匠感を得ることができる。第二絵柄層3は、第一絵柄層2がより観察者側に設けられていればよく、例えば図1、2、5〜7のように、基材フィルム層1を介して第一絵柄層2とは反対側に設けられてもよいし、図3及び4のように同じ側に設けられていてもよい。
第二絵柄層3に採用される絵柄としては、第一絵柄層2の絵柄との関係で適宜選択すればよく、第一絵柄層2の絵柄として例示したもののなかから選択すればよい。ただし、多様な意匠感を容易に得る観点から、第二絵柄層3で採用される絵柄としては、ベタ着色以外のものであることがより好ましい。
また、形成方法(印刷方法)や使用するインキ組成物や着色剤は、第一絵柄層2に用いられるものとして例示したもののなかから適宜選択することができる。多様な意匠感を得る観点から、第一絵柄層2と第二絵柄層3は同系色で構成されることが好ましい。
本発明の加飾シート10は、多様な意匠感を得るために、下記に定義する消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを要する。
消灯時色差(ΔE1)は、光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように光源及び加飾シートを配置し、該光源を消灯した時の第二絵柄層3の絵柄部と非絵柄部との色差であり、点灯時色差(ΔE2)は、該光源を点灯した時の第二絵柄層3の絵柄部と非絵柄部との色差である。この色差は、CIE1976L*a*b*表色系により規定される色差(ΔE)であり、分光光度計によりL*、a*及びb*を測定し、算出することが可能である。より具体的には、第二絵柄層3の絵柄部及び非絵柄部のL*、a*及びb*を測定し、各々の差であるΔL*、Δa*及びΔb*を用いて次式により算出される値を色差(ΔE)とする。
ΔE=〔(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2〕1/2
ここで、第二絵柄層3の絵柄部のL*、a*及びb*は、光源の光線が第二絵柄層3を形成するインキ組成物により着色が施された部分と第一絵柄層2の着色が施された部分とを通過する箇所で測定した値であり、第二絵柄層3の非絵柄部のL*、a*及びb*は、光源の光線が第二絵柄層3を形成するインキ組成物により着色が施されていない部分と第一絵柄層2の着色が施された部分とを通過する箇所で測定した値である。
また、多様な意匠感を得る観点から、点灯時色差(ΔE2)は点灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを要し、0.1以上大きいことが好ましく、より好ましくは0.2以上である。
例えば、第二絵柄層3の厚さを一定にした場合、第一絵柄層2を第二絵柄層3よりも厚く設定すると、所定の消灯時色差(ΔE1)及び、点灯時色差(ΔE2)に調整しうる傾向にあり、第一絵柄層2を厚くしすぎると第二絵柄層3が見えにくくなる傾向にある。また、着色剤については、上記したように、基材機能を有する第一絵柄層2と第二絵柄層3とでは同系色のものを選定することが、多様な意匠感を得る観点からは好ましい。
本発明の加飾シート10は、各層同士の密着性の向上の観点から、プライマー層4を有することが好ましい。プライマー層4としては、例えば、図4〜6に示されるように、基材シート層1と第一絵柄層2との密着性を向上させるために設けられるプライマー層4Aのほか、基材シート層1と第二絵柄層3との密着性を向上させるためのプライマー層4B、あるいは第一絵柄層2と後述する表面保護層5との密着性を向上させるためにプライマー層3Cなどが好ましく挙げられる。
表面保護層5は、本発明の加飾シート10に、優れた表面特性を付与するために所望により設けられる層である。表面保護層5は、通常硬化性樹脂組成物により形成される。硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂成分としては、特に制限はないが、例えば、メラミン系、ユリア系、エポキシ系、ケトン系、ジアリルフタレート系、不飽和ポリエステル系、及びフェノール系等の熱硬化性樹脂、あるいは電離放射線硬化性樹脂が好ましく挙げられる。これらのなかでも、硬化性樹脂成分としては、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物とは、硬化性樹脂成分として電離放射線硬化性樹脂を含有する組成物のことである。電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。ここで、電離放射線は、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含むものである。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体が好適であり、なかでも分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有するような多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いて用いればよい。官能基数としては、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。
また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。また、本発明のポリマーの表面保護層5としての性能(耐傷付き性と三次元成形性)を損なわない程度に共重合して使用することもできる。
本発明の加飾シート10は、特にインサート成形に適用する場合には、図5あるいは6に示されるように、支持シート層6を有することが好ましい。該支持シート層6を形成する材料は、三次元成形性や射出樹脂との相性など考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが好ましく使用される。該熱可塑性樹脂としては、一般的には、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」という)、アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸エステル樹脂(「以下「ASA樹脂」という」、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂などが好ましく使用される。なかでも、ABS樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。樹脂シートとしては、上記した樹脂製の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを採用することができる。
本発明の加飾シート10は、図5及び6に示されるように、支持シート層6の密着性を向上させるため、所望により接着剤層8を設けることができる。接着剤層8には、射出樹脂に応じて、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型の接着剤も好ましく用いられる。例えばポリオールとしてはアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオールなどが挙げられ、イソシアネートとしては4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族イソシアネートやイソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)などの脂肪族(又は脂環式)イソシアネートなどが好ましく挙げられる。
本発明の加飾シート10は、本発明の効果を阻害しない範囲で、意匠性の向上のため、必要に応じて着色層(図示せず)を設けてもよい。着色層は、絵柄を呈していても、全面に渡って均一一様に着色されるようなベタ着色を呈していてもよく、その色は、上記した基材シート層1の色として例示したもののなかから適宜選択すればよい。また、着色層は、いずれの層の上に設けてもよい。
本発明の加飾樹脂成形品11は、基材シート層、第一絵柄層及び第二絵柄層を少なくとも有し、該第一絵柄層がより観察者側に配置され、該第一絵柄層の絵柄が該第二絵柄層の絵柄の少なくとも一部と重なっており、消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを特徴とする加飾シート10、及び該加飾シート10の第二絵柄層3が設けられる面側に射出樹脂層7を有するもの、すなわち本発明の加飾シート10を用いて作製されるものである。より具体的には、本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シート10を用いて、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法などの各種射出成形法、好ましくはインサート成形法及び射出成形同時加飾法により作製される。
なお、射出成形同時加飾法では、射出樹脂による熱圧を加飾シートが受けるため、平板に近く、加飾シートの絞りが小さい場合には、加飾シートは予熱してもしなくてもよい。
なお、ここで用いる射出樹脂としてはインサート成形法で説明したものと同様のものを用いることができる。
(1)色差(消灯時色差(ΔE1)及び点灯時色差(ΔE2))の測定
各実施例及び比較例で得られた加飾シートについて、光源の消灯時及び点灯時の第二絵柄層の絵柄部、及び非絵柄部のΔL*、Δa*及びΔb*を分光光度計(「SpectroEye(型番)」,GretagMacbeth社製)を用いて測定し、光源消灯時の消灯時色差(ΔE1)及び光源点灯時の点灯時色差(ΔE2)を測定した。なお、光源は、加飾シートの表面が照度7000Luxとなるように設置した。
(2)外観評価(光源消灯時)
上記(1)の明度の測定の際に、光源消灯時の外観について、以下の基準で評価した。
◎ 第二絵柄層の絵柄が全く確認できなかった
○ 第二絵柄層の絵柄がほとんど確認できなかった
△ 第二絵柄層の絵柄が確認されたが、目立たない程度であった
× 第二絵柄層の絵柄が確認された
(3)外観評価(光源点灯時)
上記(1)の明度の測定の際に、光源点灯時の外観について、以下の基準で評価した。
◎ 第二絵柄層の絵柄が明確に確認された
○ 第二絵柄層の絵柄が確認された
△ 第二絵柄層の絵柄が目立たないものの確認された
× 第二絵柄層の絵柄が確認されなかった
(4)三次元成形性(真空成形)
各実施例及び比較例で得られた加飾シートについて以下に示す方法で真空成形を行い、成形後の外観にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎;表面保護層に塗膜割れや白化が全く見られず、良好に型の形状に追従した。
○;三次元形状部又は最大延伸部の一部に微細な塗膜割れ又は白化が認められたが実用上問題なし。
△;三次元形状部又は最大延伸部の一部に軽微な塗膜割れ又は白化が発生した。
×;型の形状に追従できずに表面保護層に塗膜割れや白化が見られた。
<真空成形>
加飾シートを赤外線ヒーターで180℃に加熱し、軟化させる。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率:100%)、型の内部形状に成形する。シートを冷却後、型より加飾シートを離型する。
(5)耐傷付き性
各実施例及び比較例で得られた加飾シートについて、#0000スチールウールを用いて荷重1.5kgfで5回往復後の試験片の外観を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎;傷付きがなかった。
○;表面に微細な傷が認められたが、塗膜の削れや白化はなかった。
△;表面に軽微な傷があった。
×;表面に著しい傷があった。
基材シート層1として無色透明の成型性PETシート(厚さ:50μm,伸張弾性率(100℃):9.5MPa)を用い、その両面に、プライマー組成物(主剤:アクリルポリオール、硬化剤:イソシアネート化合物)を用いグラビア印刷により厚さ1μmのプライマー層4A及び4Bを形成し、該プライマー層4Aの上に、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂組成物からなる印刷インキを用いグラビア印刷により第一絵柄層2としてベタ着色層2B(厚さ:2μm)を形成し、さらに該プライマー層4Bの面に塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂組成物からなる印刷インキを用いグラビア印刷によりストライプ柄(2cm幅)の第二絵柄層3(厚さ:1μm)を形成した。次いで、ポリエステルポリオール系の接着剤を塗布して(塗布量:10g/m2)、支持シート層6となる半透明のABSシート(厚さ:400μm)をドライラミネートし、40℃で3日間養生して、加飾シート10を得た。得られた加飾シート10について、上記方法により評価した。評価結果を第1表に示す。
基材シート層1として無色透明の成型性PETシート(厚さ:50μm,伸張弾性率(100℃):9.5MPa)を用い、その両面に、プライマー組成物(主剤:アクリルポリオール、硬化剤:イソシアネート化合物)を用いグラビア印刷により厚さ1μmのプライマー層4A及び4Bを形成し、該プライマー層4Aの上に、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂組成物からなる印刷インキを用いグラビア印刷により第一絵柄層2としてベタ着色層2B(厚さ:2μm)を形成し、さらに該プライマー層4Bの面に塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂組成物からなる印刷インキを用いグラビア印刷によりストライプ柄(2cm幅)の第二絵柄層3(厚さ:1μm)を形成し、該第一絵柄層2の面にプライマー組成物(主剤:アクリルポリオール、硬化剤:イソシアネート化合物)を用いグラビア印刷により厚さ1μmのプライマー層4Cを形成した。次いで、該プライマー層4Cの面に、電離放射線硬化性樹脂組成物(2官能ポリカーボネートアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:10000)と6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:6000)とを94:6(質量比)の割合で混合した樹脂組成物)を硬化後の厚さが10μmとなるように塗布し未硬化樹脂層を形成し、該未硬化樹脂層に加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて表面保護層を形成した。その後、ポリエステルポリオール系の接着剤を塗布して(塗布量:10g/m2)、支持シート層6となる半透明のABSシート(厚さ:400μm)をドライラミネートし、40℃で3日間養生して加飾シート10を得た。得られた加飾シート10について、上記方法により評価した。評価結果を第1表に示す。
実施例2において、第一絵柄層及び第二絵柄層の厚さを第1表に示される厚さにした以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。得られた加飾シートについて、上記方法により評価した。
2.第一絵柄層
2A.絵柄層
2B.ベタ着色層
3.第二絵柄層
4.プライマー層
4A.プライマー層
4B.プライマー層
4C.プライマー層
5.表面保護層
6.支持シート層
7.射出樹脂層
8.接着剤層
10.加飾シート
11.加飾樹脂成形品
Claims (3)
- 支持シート層、第二絵柄層、基材シート層、及び第一絵柄層をこの順に有し、該第一絵柄層が該第二絵柄層より観察者側に配置される加飾シートであって、該第一絵柄層の絵柄が該第二絵柄層の絵柄の少なくとも一部と重なっており、第一絵柄層の厚さが1〜10μmであり、第二絵柄層の厚さが0.5〜5μmであり、第一絵柄層が第二絵柄層よりも厚く、下記に定義する消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きいことを特徴とする加飾シート。
<光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように該光源及び該加飾シートを配置し、第二絵柄層の絵柄部と非絵柄部との色差について、該光源を消灯した時の色差をΔE1とし、該光源を点灯した時の色差をΔE2とする。> - 点灯時色差(ΔE2)が、消灯時色差(ΔE1)よりも0.2以上大きい請求項1に記載の加飾シート。
- 支持シート層、第二絵柄層、基材シート層、及び第一絵柄層をこの順に有し、該第一絵柄層が該第二絵柄層より観察者側に配置され、該第一絵柄層の絵柄が該第二絵柄層の絵柄の少なくとも一部と重なっており、第一絵柄層の厚さが1〜10μmであり、第二絵柄層の厚さが0.5〜5μmであり、第一絵柄層が第二絵柄層よりも厚く、下記に定義する消灯時色差(ΔE1)が1以下であり、かつ下記に定義する点灯時色差(ΔE2)が該消灯時色差(ΔE1)よりも大きい加飾シートに、該加飾シートの第二絵柄層が設けられる面側に射出樹脂層を有することを特徴とする加飾樹脂成形品。
<光源を点灯した時の加飾シート表面の照度が7000Luxとなるように該光源及び該加飾シートを配置し、第二絵柄層の絵柄部と非絵柄部との色差について、該光源を消灯した時の色差をΔE1とし、該光源を点灯した時の色差をΔE2とする。>
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