JP6550916B2 - 化粧板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーがあり、優れた意匠性を有する化粧板に関する。また、本発明は、当該化粧板の製造方法に関する。
従来、建築物の内外装、自動車等の車両の内外装、電気製品のハウジング剤、家具等に、意匠性を付与するために、金属板等の耐熱性基板を用いた化粧板が使用されている。また、近年、化粧板の意匠性の向上に対する要望の高まりを受けて、様々な意匠性を備える化粧板が提案されている。化粧板の意匠性を高める1つの手法として、表面に凹凸感を備えさせることによって立体感を付与する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、化粧板の基剤の表面に互いに独立した島状であって表面が平坦面からなる凸部領域を形成し、当該凸部領域において、平面視形状が半島状突出部と湾状嵌入部とからなる閉曲線状の輪郭線を備えさせると共に、周縁部に丸みを帯びさせることによって、化粧板に凹凸模様を付与できることが報告されている。しかしながら、特許文献1の手法では、凸部領域の形成には、シルクスクリーン印刷で盛上げ印刷を行うことを要するため、単調な凹凸模様しか表現できず、木目や石目といった柄の繊細な凹凸を表現し難いという欠点がある。
また、特許文献2には、金属製品の木目模様焼付塗装工程において、熱膨脹性マイクロカプセルを所定量配合した熱硬化型塗料を木目状に塗装して焼付け乾燥することにより、膨脹破裂したマイクロカプセルによって木目模様に立体感とザラザラ感を付与できることが報告されている。しかしながら、特許文献2の手法では、膨脹破裂したマイクロカプセルによって表面のザラザラ感が強くなり、より本物らしい触感が得難いという欠点がある。
金属板等の耐熱性基板を用いた化粧板において表現された凹凸模様が、視覚的のみならず、凹凸に対する感触的にも実感できる表面テクスチャーを備えさせることができれば、木目や石目等の絵柄にリアル感を付与でき、意匠性の向上が期待される。しかしながら、従来技術では、このような凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーを備える技術については十分に検討されていない。更に、金属板等の耐熱性基板を用いた化粧板における凹凸模様について、感触性に優れた表面テクスチャーのみならず、光沢が高い部分(表面グロス領域)と光沢が低い部分(表面マット領域)との相対的な光沢差が明瞭に現われるグロスマット効果をも備えさせることができれば、その意匠性をより一層向上させることができ、近年の意匠性の向上に対する消費者の要望に十分に応えることもできる。
特開2001−328227号公報 特開平6−99133号公報 特開2004−154698号公報
本発明の目的は、金属板等の耐熱性基板を用いた化粧板において、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーを付与して、優れた意匠性を備えさせる技術を提供することである。本発明の他の目的は、金属板等の耐熱性基板を用いた化粧板において、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーと共に、相対的な光沢差による優れたグロスマット効果を備えさせる技術を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、耐熱性基板に、少なくともベースコート層と、第1柄印刷層と、表面コート層とがこの順に積層された化粧板において、当該ベースコート層を、熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成し、当該第1柄印刷層を、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物で形成し、且つ当該表面コート層の十点平均粗さを20μm以上にすることによって、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーが付与され、優れた意匠性を備え得ることを見出した。更に、前記第1柄印刷層において、平均粒子径が5μm以下の粒子を含有させることにより、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーだけでなく、相対的な光沢差による優れたグロスマット効果をも備え得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 耐熱性基板に、少なくともベースコート層と、第1柄印刷層と、表面コート層とがこの順に積層されており、
前記ベースコート層が、熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成されており、
前記第1柄印刷層が、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物で形成されており、且つ
前記表面コート層の十点平均粗さが20μm以上である、
ことを特徴とする、化粧板。
項2. 前記第1柄印刷層が、平均粒子径が5μm以下の粒子を含む、項1に記載の化粧板。
項3. 前記第1柄印刷層に含まれる平均粒子径が10〜30μmの粒子が、樹脂粒子である、項1又は2に記載の化粧板。
項4. 前記第1柄印刷層に含まれる平均粒子径が5μm以下の粒子が、無機粒子である、項1〜3のいずれかに記載の化粧板。
項5. 前記表面コート層の十点平均粗さが20〜30μmである、項1〜4のいずれかに記載の化粧板。
項6. 前記表面コート層の中心線平均粗さが2〜4μmである、項1〜5のいずれかに記載の化粧板。
項7. 前記第1柄印刷層が、着色剤を含む、項1〜6のいずれかに記載の化粧板。
項8. 前記ベースコート層と前記表面コート層との間に、第2柄印刷層が設けられている、項1〜7のいずれかに記載の化粧板。
項9. 前記耐熱性基板と前記ベースコート層との間に、プライマー層が設けられている、項1〜8のいずれかに記載の化粧板。
項10. 耐熱性基板に、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を塗布し、最高到達温度が180〜225℃となる温度条件で焼き付けを行い、ベースコート層を形成する工程、及び
前記で形成したベースコート層上に、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物を印刷し、第1柄印刷層を形成する工程
を含む、化粧板の製造方法。
本発明の化粧板によれば、第1柄印刷層3が設けられた領域による凸部と、第1柄印刷層3が設けられていない領域による凹部とによって形成される凹凸が、視覚的のみならず、触覚的にも感じられ、感触性に優れた表面テクスチャーを備えているので、優れた意匠効果を奏することができる。更に、本発明の化粧板の好適な一態様では、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーに加えて、相対的な光沢差による優れたグロスマット効果を奏することもできるので、意匠性をより一層向上させることもできる。
本発明の化粧板の一例の略図的断面図である。 本発明の化粧板の一例の略図的断面図である。 本発明の化粧板の一例の略図的断面図である。
本発明の化粧板は、耐熱性基板に、少なくともベースコート層と、第1柄印刷層と、表面コート層とがこの順に積層されており、当該ベースコート層が、熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成されており、当該第1柄印刷層が、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物で形成されており、且つ当該表面コート層の十点平均粗さが20μm以上であることを特徴とする。
本発明の化粧板では、第1柄印刷層3が設けられた領域による凸部と、第1柄印刷層3が設けられていない領域による凹部によって凹凸模様が形成される。本発明の化粧板は、熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成したベースコート層上に、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物によって第1柄印刷層3を部分的に設け、且つ表面コート層の十点平均粗さを20μm以上にすることによって、前記凹凸模様の感触性が向上し、優れた表面テクスチャーを備えることが可能になる。以下、本発明の化粧板について詳述する。
化粧板の積層構造
本発明の化粧板は、図1に示すように、耐熱性基板1に、少なくともベースコート層2と、第1柄印刷層3と、表面コート層4とがこの順に積層とがこの順に積層された積層構造を有する。
本発明の化粧板には、耐熱性基板1とベースコート層2との間には、これらの接着性を向上させるために、必要に応じてプライマー層5が設けられていてもよい。
更に、本発明の化粧板は、第1柄印刷層3と共に柄を付与して意匠性を高めるために、必要に応じて、ベースコート層2と表面コート層4との間には、第2柄印刷層6が設けられていてもよい。第2柄印刷層6を設ける場合、第1柄印刷層3は、第2柄印刷層6の上、及び/又は第2柄印刷層6設けられていないベースコート層2の領域上に設けられていればよい。
図2に、本発明の化粧板の積層構造の一態様として、耐熱性基板1と、プライマー層5と、ベースコート層2と、第2柄印刷層6と、第1柄印刷層3と、表面コート層4とがこの順に積層された化粧板の略図的断面図を示す。また、図3に、本発明の化粧板の積層構造の一態様として、耐熱性基板1と、プライマー層5と、ベースコート層2と、第2柄印刷層6及び第1柄印刷層3と、表面コート層4とがこの順に積層された化粧板の略図的断面図を示す。図2の態様では、第2柄印刷層6上に第1柄印刷層3が積層されているのに対して、図3の態様では、ベースコート層2上に、第1柄印刷層3と第2柄印刷層6がそれぞれ独立して積層されている。
化粧板を形成する各層の組成
[耐熱性基板1]
耐熱性基板1は、本発明の化粧板において、支持部材としての役割を果たす。ここで、「耐熱性基板」とは、後述する表面コート層2と表面印刷層3を形成する際の焼き付けに耐え得る耐熱性を備えていることを指し、具体的には、180℃、好ましくは230℃、260℃の温度条件に5分間晒しても、熱変性(熱による劣化や変性)が生じない基板を指す。
耐熱性基板1としては、具体的には、鋼板、アルミニウム板、ジュラルミン板、ステンレス鋼板等の金属板;石膏板、ケイ酸カルシウム板、ガラス板、セメント板等の無機非金属系板;木材の単板、合板、集成材、パーチクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質板等が挙げられる。これらの耐熱性基板の中でも、好ましくは金属板が挙げられる。
耐熱性基板1として金属板を使用する場合、当該金属板は、防錆性等を付与するために、亜鉛、錫、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル等の1種又は2種以上でめっきがなされていてもよい。2種以上のめっきとしては、例えば、鉄と亜鉛の合金めっき、アルミニウムと亜鉛とマグネシウムの合金めっき等が挙げられる。めっきが施された金属板としては、具体的には、電気亜鉛めっき鋼板、合金溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム合金溶融亜鉛めっき鋼板、合金電気めっき鋼板、制振鋼板等が挙げられる。また、耐熱性基板1に耐食性や密着性等を付与する為に、必要に応じて、クロム酸、リン酸亜鉛等の化成処理を施しておいてもよい。
耐熱性基板1の厚みについては、特に制限されず、耐熱性基板1の素材や化粧板の用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.3〜5mm、好ましくは0.4〜3mmが挙げられる。
[ベースコート層2]
ベースコート層2は、耐熱性基板1と第1柄印刷層3との間に設けられる層である。ベースコート層2は、表面コート層4に対して後述する十点平均粗さを充足させる役割を果たし、本発明の化粧板において凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーの付与に寄与する。
ベースコート層2は、隠蔽層(不透明層)、半透明層、又は透明層のいずれであってもよい。ベースコート層2を隠蔽層(不透明層)として形成すると、耐熱性基板1を隠蔽して意図する色彩を付与する役割も果たし、またベースコート層2を半透明層又は透明層として形成すると、耐熱性基板1が持っている模様や色彩を活かすことができる。
ベースコート層2は、熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物を用いて形成される。このような特定の熱硬化性樹脂を利用してベースコート層2を形成することにより、表面コート層4に対して後述する十点平均粗さを好適に充足させ、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーを付与することが可能になる。
熱硬化性フッ素樹脂としては、具体的には、架橋性反応基が導入されたフッ素樹脂が挙げられる。架橋性反応基が導入されるフッ素樹脂の種類については、特に制限されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレンペルフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、四フッ化エチレン・エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニルフロライド等が挙げられる。また、フッ素樹脂に導入する架橋性反応基の種類については、熱によって架橋可能であることを限度として、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、スルホ基、イソシアネート基、水酸基、活性ハロゲン原子(臭素、ヨウ素等)等が挙げられる。ベースコート層2の形成において、1種の熱硬化性フッ素樹脂を単独で使用してもよく、また2種以上の熱硬化性フッ素樹脂を組み合わせて使用してもよい。
また、熱硬化性ポリエステル樹脂としては、具体的には、架橋性反応基が導入されたポリエステル樹脂が挙げられる。また、ポリエステル樹脂に導入する架橋性反応基の種類については、熱によって架橋可能であることを限度として、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、スルホ基、イソシアネート基、水酸基、活性ハロゲン原子(臭素、ヨウ素等)等が挙げられる。
硬化性フッ素樹脂及び熱硬化性ポリエステル樹脂の製造方法は公知であり、また硬化性フッ素樹脂及び熱硬化性ポリエステル樹脂は市販もされているので、本発明では、硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂として、公知の方法で製造したもの又は市販品を使用すればよい。ベースコート層2の形成において、1種の熱硬化性ポリエステル樹脂を単独で使用してもよく、また2種以上の熱硬化性ポリエステル樹脂を組み合わせて使用してもよい。
ベースコート層2の形成において、硬化性フッ素樹脂又は熱硬化性ポリエステル樹脂のいずれか一方のみを使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。
ベースコート層2の形成に使用される樹脂組成物には熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂を硬化させるために、硬化剤が含まれていてもよい。硬化剤の種類については、熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂に導入されている架橋性反応基の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、イソシアネート系硬化剤、メラミン樹脂、アミノ樹脂、カルボジイミド、ピリジン系硬化剤、ホスフィン系硬化剤等が挙げられる。硬化剤の含有量については、熱硬化性樹脂の架橋性反応基の価数等に応じて適宜設定すればよい。
また、ベースコート層2を隠蔽層としての役割も果たさせる場合には、ベースコート層2を形成する樹脂組成物は、前記熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂と共に、顔料や染料等の着色剤が含まれていればよい。ベースコート層2に配合される着色剤の種類については、特に制限されないが、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなるメタリック顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなるパール顔料等が挙げられる。これらの着色料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組わせて使用してもよい。
ベースコート層2の形成に使用される樹脂組成物には、熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて他の樹脂が含まれていてもよい。このような樹脂としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂脂等の熱可塑性樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、アミド官能性共重合体等の硬化性樹脂等が挙げられる。なお、ここで、硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、2液型硬化性樹脂等が含まれる。
また、ベースコート層2には、前記成分の他、備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候性改善剤、光沢調整剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
ベースコート層2の厚みについては、特に制限されないが、例えば5〜40μm、好ましくは10〜30μmが挙げられる。
[第1柄印刷層3]
第1柄印刷層3は、ベースコート層2と表面コート層3との間に部分的に設けられ、柄を形成すると共に、第1柄印刷層3が設けられた領域は凸部、第1柄印刷層3が設けられていない領域は凹部になり、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーを付与する役割を果たす。
第1柄印刷層3は、ベースコート層2と表面コート層3との間で柄を形成するように部分的に設けられていてもよい。第1柄印刷層3によって形成する柄については、特に制限されないが、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽象模様等が挙げられる。
また、第1柄印刷層3は、後述する第2柄印刷層6を設ける場合には、当該第2柄印刷層6による柄と同調するように、第2柄印刷層6の上に設けることにより、より一層優れた意匠性を付与することもできる。例えば、第2柄印刷層6によって形成された柄において、凸感による表面テクスチャーを強調したい領域に第1柄印刷層3を設けることにより、部分的に凸感が強調された柄を表出することができる。また、例えば、第1柄印刷層3に平均粒子径が5μm以下の粒子を含有させて相対的な光沢度を低下させつつ、第2柄印刷層6の暗色部分に同調するように第1柄印刷層3による柄を形成すると、当該暗色部分を強調させることができる。
第1柄印刷層3は、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物で形成される。このようにバインダー樹脂としてフッ素樹脂を選択し、且つ特定の平均粒径の粒子を組み合わせて、第1柄印刷層3を形成することによって、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーを付与することが可能になる。
第1柄印刷層3の形成に使用される平均粒子径が10〜30μmの粒子の種類については、特に制限されず、樹脂粒子又は無機粒子のいずれであってもよい。第1柄印刷層3の形成に使用される粒子として、具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素系樹脂等の樹脂粒子;シリカ、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、ケイ酸微粉末等の無機粒子が挙げられる。これらの粒子は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの粒子の中でも、凹凸模様の感触性をより一層向上させるという観点からは、好ましくは樹脂粒子、更に好ましくはアクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、特に好ましくはアクリル樹脂粒子が挙げられる。
第1柄印刷層3の形成に使用される粒子は、平均粒子径が10〜30μmである。このような平均粒子径を備えることによって、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーを付与することが可能になる。当該表面テクスチャーをより一層向上させるという観点から、第1柄印刷層3の形成に使用される粒子の平均粒子径として、好ましくは15〜30μm、更に好ましくは20〜30μmが挙げられる。ここで、粒子の平均粒子径とは、レーザー回析散乱式粒度分布測定法によって測定される体積累積粒径D50(体積累積50%における粒径)である。
第1柄印刷層3において、平均粒子径が10〜30μmの粒子の含有量としては、例えば20〜40質量%、好ましくは25〜35質量%が挙げられる。
第1柄印刷層3の形成に使用されるフッ素樹脂の種類については、特に制限されず、硬化性フッ素樹脂又は熱可塑性フッ素樹脂のいずれであってもよいが、好ましくは硬化性フッ素樹脂が挙げられる。
硬化性フッ素樹脂は、熱硬化型、電離放射線硬化型、2液硬化型等のいずれであってもよいが、好ましくは熱硬化性フッ素樹脂が挙げられる。
硬化性フッ素樹脂としては、具体的には、架橋性反応基が導入されたフッ素樹脂が挙げられる。架橋性反応基が導入されるフッ素樹脂の種類については、特に制限されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレンペルフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、四フッ化エチレン・エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニルフロライド等が挙げられる。また、フッ素樹脂に導入する架橋性反応基の種類については、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、スルホ基、イソシアネート基、水酸基、活性ハロゲン原子(臭素、ヨウ素等)等が挙げられる。
硬化性フッ素樹脂の製造方法は公知であり、また硬化性フッ素樹脂は市販もされているので、本発明では、硬化性フッ素樹脂として、公知の方法で製造したもの又は市販品を使用すればよい。
第1柄印刷層3には、1種のフッ素樹脂を単独で含まれていてもよく、また2種以上のフッ素樹脂が組み合わされて含まれていてもよい。
第1柄印刷層3におけるフッ素樹脂の含有量としては、例えば50〜80質量%、好ましくは65〜80質量%が挙げられる。
第1柄印刷層3において、バインダー樹脂として硬化性フッ素樹脂を使用する場合であれば、更に硬化剤が含まれていてもよい。硬化剤の種類については、硬化性フッ素樹脂に導入されている架橋性反応基の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、イソシアネート系硬化剤、メラミン樹脂、アミノ樹脂、カルボジイミド、ピリジン系硬化剤、ホスフィン系硬化剤等が挙げられる。硬化剤の含有量については、硬化性フッ素樹脂の架橋性反応基の価数等に応じて適宜設定すればよい。
第1柄印刷層3には、平均粒子径が10〜30μmの粒子以外に、平均粒子径が5μm以下の粒子が含まれていてもよい。このように、平均粒子径が5μm以下の粒子が含まれている場合には、第1柄印刷層3の光沢度が低下し、第1柄印刷層3が設けられている領域が相対的に低い光沢を表出しつつ、第1柄印刷層3が設けられていない領域が相対的に高い光沢を表出するので、優れたグロスマット効果によって意匠性をより一層向上させることも可能になる。
第1柄印刷層3に平均粒子径が5μm以下の粒子を含有させる場合、当該粒子の種類については、特に制限されず、樹脂粒子又は無機粒子のいずれであってもよい。平均粒子径が5μm以下の粒子として、具体的には、シリカ、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、ケイ酸微粉末等の無機粒子;アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素系樹脂等の樹脂粒子が挙げられる。これらの粒子は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの粒子の中でも、相対的により低い光沢を表出させて、グロスマット効果をより一層向上さるという観点から、好ましくは無機粒子、更に好ましくはシリカ粒子が挙げられる。
第1柄印刷層3に平均粒子径が5μm以下の粒子を含有させる場合、当該粒子の平均粒子径は、5μm以下であることを限度として特に制限されないが、グロスマット効果をより一層高めるという観点から、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下が挙げられる。また、当該粒子の平均粒子径の下限値については、所望のグロスマット効果を備えさせ得ることを限度として、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上が挙げられる。ここで、粒子の平均粒子径とは、レーザー回析散乱式粒度分布測定法によって測定される体積累積粒径D50(体積累積50%における粒径)である。
第1柄印刷層3に平均粒子径が5μm以下の粒子を含有させる場合、当該粒子の含有量としては、備えさせるべきグロスマット効果の程度に応じて適宜設定すればよいが、例えば1.5〜7質量%、好ましくは2〜5質量%が挙げられる。
第1柄印刷層3には、着色による絵柄模様を形成させるために、必要に応じて、着色剤が含まれていてもよい。第1柄印刷層3の形成に使用される着色剤の種類については、特に制限されず、前記ベースコート層2で例示した着色剤と同様のものを使用すればよい。
第1柄印刷層3に着色剤を含有させる場合、その含有量については、使用する着色剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば2〜10質量%、好ましくは5〜10質量%が挙げられる。
また、第1柄印刷層3には、フッ素樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて他のバインダー樹脂が含まれていてもよい。このようなバインダー樹脂としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂脂等の熱可塑性樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、アミド官能性共重合体等の硬化性樹脂等が挙げられる。なお、ここで、硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、2液型硬化性樹脂等が含まれる。
第1柄印刷層3には、前述する成分の他、備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。また、表面印刷層3の形成に硬化性樹脂を使用する場合であれば、硬化剤が含まれていてもよい。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
第1柄印刷層3の厚みについては、付与すべき表面テクスチャー(凹凸模様の感触性)の程度に応じて適宜設定すればよい。
第1柄印刷層3の印刷に使用される版材については、特に制限されないが、前記平均粒子径の粒子を含むインキ組成物の転写性、凹凸模様の感触性の効果的な付与等の観点から、間口長さ100〜300μm、深さ50〜200μmの四角柱状セル、好ましくは間口長さ150〜250μm、深さ60〜150μmの四角柱状セルを有する版材が挙げられる。
[表面コート層4]
表面コート層4は、第1柄印刷層3上に設けられ、本発明の化粧板の最表面層を形成する。表面コート層4は、前述するベースコート層2と第1柄印刷層3との相互作用によって、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーを付与する役割を果たす。また、表面コート層4は、本発明の化粧板の表面に滑らかさを付与し、第1柄印刷層を保護する役割も果たす。
表面コート層4は、樹脂を用いて形成される。表面コート層4の形成に使用される樹脂の種類については、特に制限されず、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂のいずれであってもよい。表面コート層4の形成に使用される樹脂としては、具体的には、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂脂等の熱可塑性樹脂;フッ素樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。なお、ここで、硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、2液型硬化性樹脂等が含まれる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの樹脂の中でも、後述する十点平均粗さを好適に充足させ、凹凸模様の感触性をより一層向上させるという観点から、好ましくは硬化性樹脂、更に好ましくは硬化性アクリル樹脂、特に好ましくは熱硬化性アクリル樹脂が挙げられる。
表面コート層4における樹脂の含有量については、特に制限されないが、例えば50〜100質量%、好ましくは60〜100質量%が挙げられる。
表面コート層4において、硬化性アクリル樹脂等の硬化性樹脂を使用する場合であれば、硬化剤が含まれていてもよい。硬化剤の種類については、硬化性フッ素樹脂に導入されている架橋性反応基の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、イソシアネート系硬化剤、メラミン樹脂、アミノ樹脂、カルボジイミド、ピリジン系硬化剤、ホスフィン系硬化剤等が挙げられる。硬化剤の含有量については、硬化性フッ素樹脂の架橋性反応基の価数等に応じて適宜設定すればよい。
更に、表面コート層4には、前述する成分の他に、備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候性改善剤、光沢調整剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
表面コート層4は、その十点平均粗さ(Rz)は20μm以上を充足するように設けられる。このような十点平均粗さを充足することによって、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーを付与することが可能になる。凹凸模様の感触性をより一層向上させるという観点から、表面コート層4の十点平均粗さとして、好ましくは20〜30μm、更に好ましくは25〜30μmが挙げられる。ここで、表面コート層4の「十点平均粗さ(Rz)」は、JIS B 0633−2001に準拠して、評価長さを、第1柄印刷層3が形成されている領域を少なくとも1つと第1柄印刷層3が形成されていない領域を少なくとも1つ含む範囲で12.5mmに設定し、カットオフ値(λc)を2.5mmとして測定される値である。
また、表面コート層4の中心線平均粗さ(Ra)については、特に制限されないが、凹凸模様の感触性がある表面テクスチャーをより一層向上させるという観点から、好ましくは2〜4μm、更に好ましくは3〜4μmが挙げられる。ここで、表面コート層4の「中心線平均粗さ(Ra)」は、JIS B 0633−2001に準拠して、評価長さを、第1柄印刷層3が形成されている領域を少なくとも1つと第1柄印刷層3が形成されていない領域を少なくとも1つ含む範囲で12.5mmに設定し、カットオフ値(λc)を2.5mmとして測定される値である。
表面コート層4において、前述する十点平均粗さ及び中心線平均粗さ(Ra)を備えさせるには、ベースコート層2の形成において前述する特定の熱硬化性樹脂を使用することに加え、その焼き付け条件を後述する範囲に設定することが重要であり、その上で、更に表面コート層4の厚み、表面コート層4形成時の塗布方法等を適宜調節すればよい。
また、表面コート層4の厚みについては、前記十点平均粗さを充足する範囲であればよいが、例えば1〜4μm、好ましくは2〜3μmが挙げられる。ここで、表面コート層4の厚みとは、第1柄印刷層3と第2柄印刷層6が設けられていない領域のベースコート層2と表面コート層4の接面部分を基準として、面方向に対して垂直方向での表面コート層4の最表面部分までの距離である。
[プライマー層5]
プライマー層5は、耐熱性基板1とベースコート層2との接着性を向上させるために、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。
プライマー層5はバインダー樹脂によって形成される。プライマー層5の形成に使用されるバインダー樹脂の種類については、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
プライマー層5には、バインダー樹脂の他、備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、硬化剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
プライマー層5の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.5〜8μm、好ましくは0.5〜5μmが挙げられる。
[第2柄印刷層6]
第2柄印刷層6は、絵柄等を付与して意匠性を高めるために、必要に応じて、ベースコート層2と表面コート層4との間に設けられる層である。第2柄印刷層6は、第1柄印刷層3と表面コート層2との間に配置されていてもよく、また、第1柄印刷層3が設けられていない、ベースコート層2の領域上に設けられていてもよい。第2柄印刷層6は、所定の層の上に、所望の絵柄を形成するように部分的に設けられる。
第2柄印刷層6によって形成される絵柄については、特に制限されず、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
第2柄印刷層6は、バインダー樹脂と着色剤を含むインキ組成物によって形成される。絵柄層6の形成に使用されるバインダー樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂脂等の熱可塑性樹脂;フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、アミド官能性共重合体等の硬化性樹脂等が挙げられる。なお、ここで、硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、2液型硬化性樹脂等が含まれる。これらのバインダー樹脂の中でも、より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、好ましくはフッ素樹脂、更に好ましくは硬化性フッ素樹脂が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
第2柄印刷層6の形成に使用される着色剤の種類については、特に制限されず、前記ベースコート層2で例示した着色剤と同様のものを使用すればよい。
第2柄印刷層6には、バインダー樹脂及び着色剤に加えて、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候性改善剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤等が含まれていてもよい。また、絵柄層6のバインダー樹脂として硬化性樹脂を使用する場合であれば、硬化剤が含まれていてもよい。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
第2柄印刷層6の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.5〜8μm、好ましくは0.5〜1.5μmが挙げられる。
化粧板の用途
本発明の化粧板は、建築部材、建具、車両等の内装部材又は外装部材の表面化粧版として使用できる。本発明の化粧板の用途として、具体的には、屋根、壁、床、ベランダの目隠し、(軒下)天井等の外装用建築部材の表面化粧板;玄関ドア、扉、窓枠、手すり、周り縁、モール等の外装用建具の表面化粧板;自動車、電車等の車両の外装材;壁、床、天井等の内装用建築部材の表面化粧板;間仕切り、扉、窓枠、手すり、周り縁等の内装用建具の表面化粧板;自動車、電車等の車両の内装材等が挙げられる。
化粧板の製造方法
本発明の化粧板の製造方法については、前述する層構造と各層の組成及び特性を備え得ることを限度として特に制限されないが、例えば、耐熱性基板1に対して、必要に応じてプライマー層5の形成、ベースコート層2の形成、必要に応じて第2柄印刷層6の形成、第1柄印刷層3の形成、及び表面コート層4の形成を順次行えばよい。
本発明の化粧板の製造方法において、各層の形成手法の好適な態様について、以下に説明する。
(プライマー層5の形成)
プライマー層5を設ける場合には、先ず、耐熱性基板1上にプライマー層5を形成する。プライマー層5の形成は、具体的には、バインダー樹脂、必要に応じて添加される添加剤を含むプライマー層用塗工液を耐熱性基板1上に塗布して、乾燥又は硬化させることにより行われる。プライマー層用塗工液を耐熱性基板1上に塗布する方法としては、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の塗布方法が挙げられる。プライマー層5のバインダー樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合であれば、前記プライマー層用塗工液の塗布後に、焼き付けを行うことによって硬化させればよい。当該焼き付けの条件としては、使用するバインダー樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば160〜250℃、好ましくは200〜230℃で、1〜10分間、好ましくは1〜5分間が挙げられる。
(ベースコート層2の形成)
ベースコート層2の形成は、当該ベースコート層2の形成に使用される樹脂組成物を含むベースコート層用塗工液を、耐熱性基板1上又はプライマー層5上に塗布して、焼き付けし硬化させることにより行われる。ベースコート層用塗工液の塗布は、前記プライマー層用塗工液の塗布方法と同様の方法で行うことができる。
ベースコート層2の形成において、前記焼き付けは、最高到達温度が180〜225℃となる温度条件下で行う。このような温度条件で焼き付けることによって形成したベースコート層2を使用することにより、その上に形成される表面コート層4に対して前述する十点平均粗さを備えさせることが可能になる。表面コート層4に対してより一層好適に前述する十点平均粗さを充足させるという観点から、ベースコート層2の形成の際の焼き付け時の最高到達温度として、好ましくは190〜225℃、更に好ましくは200〜225℃が挙げられる。また、ベースコート層2の形成の際の焼き付け時間については、前記最高到達温度に達するまでの時間が、1〜10分間程度、好ましくは1〜5分程度であればよい。
(第2柄印刷層6の形成)
第2柄印刷層6を設ける場合には、ベースコート層5上に、第2柄印刷層6を形成する。第2柄印刷層6の形成は、バインダー樹脂、着色剤、及び必要に応じて添加される他の添加剤を含む第2柄印刷層用インキを、所望の柄を形成するように印刷機で印刷することにより行うことができる。グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の輪転印刷、枚葉印刷等のいずれであってもよいが、複雑な柄を表現するにはグラビア印刷が好適であり、特に印刷適性の観点からはグラビアオフセット印刷が好ましい。
(第1柄印刷層3の形成)
第1柄印刷層3の形成は、ベースコート層5上又は第2柄印刷層6上に、平均粒子径が10〜30μmの粒子、フッ素樹脂、及び必要に応じて添加される他の添加剤を含むインキ組成物からなる第1柄印刷層用インキを、所望の柄を形成するように印刷機で印刷することにより行うことができる。印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の輪転印刷、枚葉印刷等のいずれであってもよいが、複雑な柄を表現するにはグラビア印刷が好適であり、特に印刷適性の観点からはグラビアオフセット印刷が好ましい。
(表面コート層4の形成)
表面コート層4の形成は、樹脂、必要に応じて添加される他の添加剤を含む表面コート層用塗工液を第1柄印刷層3上に塗布して、乾燥又は硬化させることにより行われる。表面コート層用塗工液の塗布は、前記プライマー層用塗工液の塗布方法と同様の方法の他、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の輪転印刷、枚葉印刷等の印刷方法によって行うことができる。表面コート層4において熱硬化性樹脂を使用する場合であれば、前記ベースコート層用塗工液の塗布後に、焼き付けを行うことによって硬化させればよい。当該焼き付けの条件としては、使用する熱硬化性脂の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば210〜260℃、好ましくは220〜230℃で、1〜10分間、好ましくは1〜5分間が挙げられる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
1.化粧板の製造
電気亜鉛めっき鋼板(厚み0.6mm)からなる耐熱性基板の上に、下記プライマー層用塗工液を焼付後の厚さが2μmとなるようにバーコート法にて塗布した後に、耐熱性基板の表面温度が224℃となる条件で2分間焼付を行い、耐熱性基板上の全面にプライマー層を形成した。
(プライマー層用塗工液)
ポリエステル系プライマー塗料を、有機溶剤にて希釈して、これをプライマー層塗工液として使用した。
ポリエステル系プライマー塗料には、熱硬化性ポリエステル樹脂、硬化剤(メラミン)、防錆剤(リン酸亜鉛)が含まれており、固形分濃度が42質量%である。
次いで、前記で形成したプライマー層上に、下記ベースコート層用塗工液を焼き付け後の厚さが18μmとなるようにバーコート法にて塗布した後に、耐熱性基板の表面の最高到達温度が表1〜5に示す温度、且つ最高到達温度に達するまでの時間を3分間に設定して焼き付けを行い、耐熱性基板上の全面に隠蔽性を有するベースコート層を形成した。但し、比較例1、5、及び10の場合には、ベースコート層の形成は行わなかった。
(ベースコート層用塗工液)
ポリエステル系着色(グレー系色)塗料、フッ素系着色(グレー系色)塗料、又はアクリル系着色(グレー系色)塗料を、キシレン及びシクロヘキサンの混合溶剤(質量比1:1)にて希釈して、これをベースコート層用塗工液として使用した。
ポリエステル系着色(グレー系色)塗料には、熱硬化性ポリエステル樹脂、硬化剤(メラミン)、及びグレー系着色顔料(酸化チタン、カーボンブラック)が含まれており、固形分濃度が35質量%であり、その内着色顔料分は11質量%である。
フッ素系着色(グレー系色)塗料には、熱硬化性フッ素樹脂、硬化剤(イソシアネート)、及びグレー系着色顔料(酸化チタン、酸化クロム)が含まれており、固形分濃度が40質量%であり、その内着色顔料分は10質量%である。
アクリル系着色(グレー系色)塗料には、熱硬化性アクリル樹脂、硬化剤(メラミン)、及びグレー系着色顔料(酸化チタン、酸化クロム)が含まれており、固形分濃度が46質量%であり、その内着色顔料分は10質量%である。
次いで、実施例18の場合には、前記で形成したベースコート層上に、下記第2柄印刷層用インキを用いて、グラビアオフセット印刷によって印刷した。第2柄印刷層は、ベースコート層上で、木目模様形成するように部分的に設け、その形成には、間口長さ184μm、版深65μmの四角柱部の形状のセルで木目模様を設けられた版を使用した。実施例1〜17及び比較例1〜29の場合には、第2柄印刷層は形成しなかった。
(第2柄印刷層用インキ)
ポリエステル系インキを、キシレン及びシクロヘキサノンの混合溶剤(質量比1:1)にて希釈して、これを第2柄印刷用インキとして使用した。
ポリエステル系インキには、熱硬化性ポリエステル樹脂、硬化剤(メラミン)、及び黒着色顔料(カーボンブラック)が含まれており、固形分濃度が37質量%で有り、その内着色顔料分は10質量%である。
その後、前記で形成したベースコート層上に、下記第1柄印刷層用インキを用いて、グラビアオフセット印刷によって印刷した。第1柄印刷層は、ベースコート層上で、木目模様形成するように部分的に設け、その形成には、間口長さ184μm、版深65μmの四角柱部の形状のセルで木目模様を設けられた版を使用した。但し、実施例18の場合には、第2柄印刷層が形成されたベースコート層上に、前記と同条件で第1柄印刷層の形成を行い、第2柄印刷層上と第2柄印刷層が設けられていないベースコート層上の双方に第1柄印刷層を部分的に設けた。また、比較例1、5、及び10の場合には、プライマー層上に、前記と同条件で第1柄印刷層の形成を行った。
(第1柄印刷層用インキ)
フッ素系クリヤ塗料、ポリエステル系クリヤ塗料、又はアクリル系クリヤ塗料と、表1〜5に示す粒子と、表1〜7に示す他の顔料を、キシレン及びシクロヘキサノンの混合溶剤(質量比1:1)にて希釈して、これを表面印刷用インキとして使用した。
フッ素系クリア塗料には、熱硬化性フッ素樹脂、及び硬化剤(イソシアネート)が含まれており、固形分濃度が32質量%である。フッ素系クリア塗料には、着色剤は含まれていない。
ポリエステル系クリヤ塗料には、熱硬化性ポリエステル樹脂、及び硬化剤(メラミン)が含まれており、固形分濃度が35質量%である。ポリエステル系クリア塗料には、着色剤は含まれていない。
アクリル系クリヤ塗料には、熱硬化性アクリル樹脂、及び硬化剤(イソシアネート)が含まれており、固形分濃度が45質量%である。アクリル系クリア塗料には、着色剤は含まれていない。
次いで、前記で形成した第1柄印刷層上に、下記表面コート層用塗工液を、焼き付け後の厚さが2〜3μmの厚さになるように、グラビアオフセット法にて塗布した後に、耐熱性基板の表面温度が224℃になる条件で2分間焼き付けを行い、全面に表面コート層を形成した。
(表面コート層用塗工液)
アクリル系クリヤ塗料を、キシレン及びシクロヘキサノンの混合溶剤(質量比1:1)にて希釈して、これを表面コート層用塗工液として使用した。
アクリル系クリヤ塗料には、熱硬化性アクリル樹脂、及び硬化剤(イソシアネート)が含まれており、固形分濃度が45質量%である。フッ素系クリア塗料には、着色剤は含まれていない。
2.化粧板の評価
前記で得られた各化粧板について、以下の方法に従って、凹凸模様の感触性(表面テクスチャー)、グロスマット感、中心線平均粗さ(Ra)、及び十点平均粗さ(Rz)について評価した。
<凹凸模様の感触性>
各化粧板の表面を触り、以下の判定基準に従って、凹凸模様の感触性を評価した。
◎=凹凸感を十分に感じられ、しかも表面が滑らかであり、極めて良好な表面テクスチャーが認められた。
○=凹凸感が感じられ、表面が滑らかであり、良好な表面テクスチャーが認められた。
△=表面が滑らかであったが、凹凸感が僅かにしか感じられず、表面テクスチャーは不十分であった。
×=表面が滑らかであったが、凹凸感が全く感じられず、表面テクスチャーは不十分であった。
<グロスマット効果>
各化粧板を目視にて観察し、以下の判定基準に従って、グロスマット効果を評価した。
◎:第1柄印刷層がある部分と第1柄印刷層がない部分との相対的な光沢差によるグロスマット効果が顕著に感じられた。
○:第1柄印刷層がある部分と第1柄印刷層がない部分との相対的な光沢差によるグロスマット効果が感じられた。
△:第1柄印刷層がある部分と第1柄印刷層がない部分との相対的な光沢差によるグロスマット効果が僅かに感じられた。
×:第1柄印刷層がある部分と第1柄印刷層がない部分との相対的な光沢差によるグロスマット効果が殆ど感じられなかった。
<中心線平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)>
各化粧板の表面(表面コート層)について、表面粗さ測定器(「サーフコーダSE−40C(型番)」、株式会社小坂研究所製)を使用し、中心線平均粗さRa(μm)及び十点平均粗さ(Rz)を測定した。なお、中心線平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)の測定は、JIS B 0633−2001に準拠して行い、十点平均粗さ(Rz)の測定において、評価長さを12.5mmとし、カットオフ値(λc)を2.5mmに設定した。
各化粧板の評価結果を表1〜7に示す。この結果から、ベースコート層が、熱硬化性フッ素樹脂又は熱硬化性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成され、且つ第1柄印刷層が、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物で形成されている場合において、表面コート層の十点平均粗さが20μm以上になり、凹凸感が感じられ、表面が滑らかであり、良好な表面テクスチャーが認められた。これに対して、第1柄印刷層の形成においてフッ素樹脂以外のバインダー樹脂を使用した場合には、十点平均粗さが低くなり、凹凸感が殆ど感じられず、触感性に優れた表面テクスチャーを備えることができなかった。また、第1柄印刷層を、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物で形成した場合であっても、ベースコート層の形成において、熱硬化性フッ素樹脂及び熱硬化性ポリエステル樹脂以外の熱硬化性樹脂を使用すると、十点平均粗さが20μm未満になり、凹凸感が殆ど感じられず、触感性に優れた表面テクスチャーを備えることができなかった。
また、本結果から、ベースコート層の形成において、熱硬化性フッ素樹脂及び熱硬化性ポリエステル樹脂を使用し、その焼き付けの最高到達温度を180〜225℃に設定し、且つ第1柄印刷層を平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物で形成した場合には、表面コート層の十点平均粗さが20μm以上になり、凹凸模様の感触性に優れた表面テクスチャーが得られることも明らかとなった。
更に、本結果から、第1柄印刷層に更に平均粒径が5μm以下のシリカ粒子を含有させることにより、第1柄印刷層の相対的な光沢度が低下し、その結果、第1柄印刷層が設けられた領域と第1柄印刷層が設けられていない領域との相対的な光沢差によるグロスマット効果が奏されることも明らかとなった。
1 耐熱性基板
2 ベースコート層
3 第1柄印刷層
4 表面コート層
5 プライマー層
6 第2柄印刷層

Claims (10)

  1. 耐熱性基板に、少なくともベースコート層と、第1柄印刷層と、表面コート層とがこの順に積層されており、
    前記ベースコート層が、熱硬化性フッ素樹脂及び/又は熱硬化性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成されており、
    前記第1柄印刷層が、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物で形成されており、且つ
    前記表面コート層の十点平均粗さが20μm以上である、
    ことを特徴とする、化粧板。
  2. 前記第1柄印刷層が、平均粒子径が5μm以下の粒子を含む、請求項1に記載の化粧板。
  3. 前記第1柄印刷層に含まれる平均粒子径が10〜30μmの粒子が、樹脂粒子である、請求項1又は2に記載の化粧板。
  4. 前記第1柄印刷層に含まれる平均粒子径が5μm以下の粒子が、無機粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧板。
  5. 前記表面コート層の十点平均粗さが20〜30μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧板。
  6. 前記表面コート層の中心線平均粗さが2〜4μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧板。
  7. 前記第1柄印刷層が、着色剤を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧板。
  8. 前記ベースコート層と前記表面コート層との間に、第2柄印刷層が設けられている、請求項1〜7のいずれかに記載の化粧板。
  9. 前記耐熱性基板と前記ベースコート層との間に、プライマー層が設けられている、請求項1〜8のいずれかに記載の化粧板。
  10. 耐熱性基板に、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を塗布し、最高到達温度が180〜225℃となる温度条件で焼き付けを行い、ベースコート層を形成する工程、及び
    前記で形成したベースコート層上に、平均粒子径が10〜30μmの粒子及びフッ素樹脂を含むインキ組成物を印刷し、第1柄印刷層を形成する工程
    を含む、化粧板の製造方法。
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