JP7225635B2 - 化粧材 - Google Patents
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[2]前記基材と、前記模様層及び前記少なくとも一の層との間に、更に浸透層を有する上記[1]に記載の化粧材。
[3]前記基材と、前記模様層及び前記少なくとも一の層との間に、更に装飾層を有する上記[1]又は[2]に記載の化粧材。
本発明の化粧材は、基材と、模様層と、浸透防止層及び触感付与層から選ばれる少なくとも一の層と、表面層とを有し、該模様層及び該少なくとも一の層が該基材の一方の面側の同一面上の一部に設けられ、該表面層が該模様層と該少なくとも一の層とを覆うように全面にわたって設けられ、該表面層の表面に、該模様層が設けられる領域の直上部に表面領域1と、該浸透防止層が設けられる領域の直上部に表面領域2及び該触感付与層が設けられる領域の直上部に表面領域3から選ばれる少なくとも一の表面領域と、該模様層、該浸透防止層及び該触感付与層が設けられていない領域の直上部に表面領域4と、を有し、該表面領域1と該表面領域2及び該表面領域3から選ばれる少なくとも一の表面領域と、該表面領域4とにより形成される模様を有するというものである。
(1-1)の化粧材においては、表面層15を形成する樹脂組成物の、該表面層15に接する層への浸透性は、模様層12、基材11、浸透防止層13の順となるため、該表面層15の表面領域の同一面(この場合は、基材の一方の面11f)を基準とした高さは、模様層12が設けられている領域の直上部の表面領域1(15a)、基材11の直上部、すなわち模様層12及び浸透防止層13が設けられていない領域の直上部の表面領域4(15d)、浸透防止層13が設けられている領域の直上部の表面領域2(15b)の順に高くなっている。このように、本発明の化粧材は、表面層15を形成する樹脂組成物の、各層に対する浸透性の違いに応じて表面領域の高さを調整することにより、多段階の階調表現を可能とし、高い意匠性を有するものとなる。
以下、本発明の化粧材を構成する各層について、説明する。
基材は、通常化粧材の基材として用いられるものを制限なく採用することができ、例えば、紙、不織布又は織布、樹脂、木材、金属、非金属無機材料等からなる基材が代表的に挙げられる。基材の厚みも特に制限はなく、フィルム、シート、又は板状の形態のものを所望に応じて適宜用いることができるが、通常は、フィルム又はシートとして20~300μm程度、板としては500μm~10cm程度のものが用いられる。
これらの基材は、表面層を形成する樹脂組成物を基材に浸透させて階調表現を行おうとする場合には、紙、不織布又は織布のような液体浸透性を有する基材を選択すればよいし、基材に浸透させることによる階調表現が不要であれば樹脂基材のような液体浸透性が低い基材を選択すればよい。
紙基材としては、例えばクラフト紙、チタン紙、リンター紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、樹脂含浸紙、薄葉紙、和紙等が挙げられる。不織布又は織布の基材としては、例えばガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機繊維、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の各種合成樹脂の有機繊維で構成される不織布又は織布、またこれらの複合体等の基材が挙げられる。
金属としては、鉄、アルミニウム、銅、錫、チタニウム、これらの金属を少なくとも一種含む合金(例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ジュラルミン、真鍮、青銅等)等からなる金属基材が挙げられる。
また、非金属無機材料としては、セメント、石膏、珪酸カルシウム、陶磁器、各種セラミックス等が挙げられる。
木材の着色の場合は、染料による染色、あるいは塗膜形成のいずれかの手段、又はこれらの併用により行うことができる。金属の着色の場合、塗膜形成の他、陽極酸化法を用いて表面に金属酸化物皮膜を形成する解着色法等を採用することができる。また、非金属無機材料の場合、塗膜形成、あるいは基材中への添加のいずれかの手段、又はこれらの併用により行うことができる。
紫外線吸収剤としては、化粧材に汎用される紫外線吸収剤を特に制限なく用いることができ、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としても、化粧材に汎用される紫外線吸収剤を特に制限なく用いることができ、例えばピペリジニルセバケート系光安定剤等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。また、これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、分子中に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有するものであってもよい。
これらの紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤、その他各種添加剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
基材の厚さは、耐候性、耐傷性等の表面特性、加工特性、取扱の容易さ等を考慮すると、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、40μm以上が更に好ましい。上限としては、200μm以下が好ましく、160μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。
酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が、表面処理の効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また、基材と他の層との層間密着性の向上、各種の被着材との接着性の強化等のために、基材にプライマー層、裏面プライマー層を形成する等の処理を施してもよい。
模様層は、本発明の化粧材に意匠性を付与する層である。模様層は、好ましくは表面層を形成する樹脂組成物に対して浸透性を有する層であり、該模様層が設けられる領域の直上部に表面領域1を形成し、該表面領域1と他の領域の直上部に形成する表面領域とによる優れた階調表現による模様を形成することができる。模様層は好ましくは他の層よりも浸透性を有することから、該模様層が設けられる領域の直上部の表面領域1は、他の領域の直上部に形成する表面領域よりも相対的に低く、凹部を形成しやすい表面領域となる。
また、イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環式)イソシアネート;などのポリイソシアネートが用いられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も用いられる。
浸透防止層は、表面層を形成する樹脂組成物の浸透を防止する層であり、該浸透防止層が設けられる領域の直上部に表面領域2を形成し、該表面領域2と模様層等が設けられる他の領域の直上部の表面領域とによる優れた階調表現による模様を形成することができる。
浸透防止層は他の層よりも浸透性が低いことから、該浸透防止層が設けられる領域の直上部の表面領域2は、他の領域の直上部に形成する表面領域よりも相対的に高く、凸部を形成しやすい表面領域となる。
触感付与層は、本発明の化粧材に触感を付与する層であり、触感の付与効果は該触感付与層が設けられる領域の直上部の表面領域3により発現するものである。触感を付与する手法としては、表面領域3を凸形状とする盛り上げによる方法、触感付与層中に粒子を含有させて、該粒子の頭出しによる方法が挙げられる。表面領域3は、触感の付与の観点から、表面層における他の表面領域よりも相対的に高く、凸形状を形成していることが好ましい。このように、触感付与層は、より優れた階調表現により模様を形成することもできることから、触感の付与効果とともに、より優れた階調表現による優れた意匠性も発現し得る層であるといえる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト等の粒子が挙げられる。
樹脂ビーズとしては、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド縮合物、尿素樹脂、また、熱可塑性樹脂、例えばナイロン等のポリアミド、アクリル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン等のビーズが挙げられる。
表面層は、上記模様層、浸透防止層及び触感付与層が設けられる直上部の表面領域、またこれらの層が設けられない表面領域により形成される模様を有する、本発明の化粧材に意匠性を付与する層であるとともに、これらの層を覆うように全面にわたって設けられることから、これらの層を保護し、かつ耐汚染性、耐傷性、耐擦傷性、耐候性等の各種表面特性をも付与し得る層である。
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
また、これと同様の観点から、重合性モノマーの官能基数は好ましくは2以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。これらの多官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
また、これと同様の観点から、これらの重合性オリゴマーの重量平均分子量は、2,500以上が好ましく、3,000以上がより好ましく、3,500以上が更に好ましい。また、上限としては、15,000以下が好ましく、12,500以下がより好ましく、11,000以下が更に好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
これらの表面領域は高さが異なることから物理的に凹凸形状を形成しており、高さが低くなるにつれて凹形状を形成することとなり、これと同時に、高さHが最も低い表面領域1は、同一色で比較した場合、他の表面領域より暗く視認され、高さHが高くなるにつれてより明るく視認されるという視覚的特徴を有することとなる。すなわち、本発明の化粧材の上記の好ましい態様においては、表面領域3、表面領域2、表面領域4、表面領域1の順に暗く視認されることとなる。
本発明の化粧材は、基材と、模様層並びに浸透防止層及び触感付与層から選ばれる少なくとも一層との間に、更に浸透層を有することができる。浸透層を有する層構成は、図2の(2-1)及び(2-2)に示されており、これらの図には、浸透層16が化粧材10の全面にわたって設けられていることが示されており、後述する装飾層17を有する場合は、該装飾層17の絵柄層17aを覆うように設けられていることが示されている。絵柄層17aは通常化粧材の一部に設けられるため、その残部は装飾層17が埋めることとなる。
本発明の化粧材は、基材と、模様層及び少なくとも一層、すなわち浸透防止層及び触感付与層から選ばれる少なくとも一層との間に、更に装飾層を有することができる。装飾層を有することで、表面領域により形成される模様による意匠性を更に向上させることができる。装飾層を有する層構成は、図2の(2-2)に示されており、(2-2)には、装飾層17が絵柄層17aと化粧材10の全面にわたって設けられる着色層17bとにより構成される層であることが示されている。
バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アルキッド樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
上記のとおり、木目模様はより低光沢の導管部分、より高光沢の春材部分、更に高光沢の秋材部分(照り部分)等により構成され、視覚的にも触感的にも木の質感に近い質感を有する、極めて優れた意匠性を得る観点から、模様層を導管部分に同調するように設け、浸透防止層及び触感付与層から選ばれる少なくとも一の層を秋材部分に同調するように設けることが好ましい。これと同じ観点から、装飾層は模様層と同調していることが好ましく、更に浸透防止層及び触感付与層から選ばれる少なくとも一の層とも同調していることが好ましい。このように同調させることにより、模様層、浸透防止層及び触感付与層から選ばれる少なくとも一の層が設けられない部分(基材又は浸透層)も結果として装飾層と同調することとなる。より具体的には、装飾層の絵柄層が木目模様である場合、該絵柄層の導管部分と模様層(及び表面領域1)とは同調していることが好ましく、更に該絵柄層の秋材部分と浸透防止層及び触感付与層から選ばれる少なくとも一の層とは同調していることが好ましい。この好ましい態様は、図(2-2)に示されており、本図には、絵柄層17aのうち最も暗い部分(導管部分)と同調するように模様層12が設けられ、より明るい部分(春材部分)と同調するように浸透防止層13が設けられ、更に明るい部分(秋材部分)と同調するように触感付与層14が設けられた化粧材が示されている。
本発明の化粧材の製造方法について、本発明の化粧材として好ましい態様の一つである、基材、装飾層、浸透層、模様層、浸透防止層、触感付与層及び表面層を順に有する化粧材を例にとって、その製造方法を説明する。
本発明の化粧材は、例えば、基材に装飾層を設ける工程(1)、該装飾層上に浸透層を設ける工程(2)、及び該浸透層上に模様層、浸透防止層、触感付与層を設ける工程(3)、硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面層を形成する工程(4)を順に経ることにより製造することができる。上記の通り、本発明の化粧材の表面に多段階の高さを有する凹凸を付与するに際しては、エンボス加工による賦型工程は不要である。
表面層は、2液硬化性樹脂、好ましくは電離放射線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂組成物を、模様層、浸透防止層、触感付与層を設けた面に、これらの層を覆うように全面にわたって塗布し、硬化させて得られる。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190~380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
本発明の化粧材は、例えば、被着材と上記の本発明の化粧材とを積層させて、化粧部材として用いることができる。具体的には、被着材の装飾を要する面と、化粧材の基材側の面とを対向させて積層し、化粧部材とすることができる。図3に、本発明の化粧材の好ましい態様の一例の断面を示す模式図を示す。図3に示される本発明の化粧部材20は、被着材21、接着剤層22、及び本発明の化粧材10を順に有している。
被着材としては、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(又はフィルム)等が挙げられる。例えば、杉、檜、松、ラワン等の各種木材からなる木材単板、木材合板、集成材、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質部材;鉄、炭素鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタニウム等の金属からなる板材、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏、珪酸カルシウム等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる樹脂部材等が挙げられる。また、これらの部材は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
被着材と化粧シートとは、優れた接着性を得るため、接着剤層を介して貼り合わせられることが好ましい。すなわち、本発明の化粧材は、少なくとも被着材、接着剤層、基材、及び表面層を順に有する部材であることが好ましい。
また、接着剤層には、粘着剤を用いることもできる。粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。
接着剤層の厚さは特に制限はないが、優れた接着性を得る観点から、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましく、10μm以上30μm以下が更に好ましい。
化粧部材は、化粧材と被着材とを積層する工程を経て製造することができる。
本工程は、被着材と、本発明の化粧材とを積層する工程であり、被着材の装飾を要する面と、化粧材の基材側の面とを対向させて積層する。被着材と化粧材との積層する方法としては、例えば、接着剤を間に介して化粧材を板状の被着材に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法、接着剤を間に介して化粧材を供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被着材を構成する複数の側面に順次化粧材を加圧接着して積層していくラッピング加工、また、固定枠に固定した化粧材が軟化する所定の温度になるまでシリコーンゴムシートを介してヒーターで加熱し、加熱され軟化した化粧材に真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し化粧材を真空成形金型に密着させる真空成形加工等が好ましく挙げられる。
(評価及び測定方法)
(1)意匠性の評価
各実施例及び比較例で得られた化粧材について、任意の成人20人に、その意匠性について、高さが多段階の階調表現により、高い意匠性を有しているか否かについて目視評価をさせた。C以上であれば合格である。
A:高い意匠性を有すると答えた人が20人中18人以上であった。
B:高い意匠性を有すると答えた人が20人中16人以上であった。
C:高い意匠性を有すると答えた人が20人中14人以上であった。
D:高い意匠性を有すると答えた人が20人中13以下であった。
(2)触感の評価
各実施例及び比較例で得られた化粧材について、任意の成人20人に、その意匠性について、凹凸形状により、高い触感を有しているか否かについて目視評価をさせた。C以上であれば合格である。
A:高い触感を有すると答えた人が20人中18人以上であった。
B:高い触感を有すると答えた人が20人中16人以上であった。
C:高い触感を有すると答えた人が20人中14人以上であった。
D:高い触感を有すると答えた人が20人中13人以下であった。
易接着処理された建材用着色単層PETシート(東洋紡株式会社製、「A4100(型番)」、厚さ:50μm)を基材とし、該基材の一方の面に、アクリル樹脂とウレタン樹脂との混合樹脂をバインダーとする印刷インキをグラビア印刷法で塗布して厚さ20μmの着色層(ベタ層)を形成し、硝化綿とアルキッド樹脂との混合樹脂をバインダーとする印刷インキをグラビア印刷法で塗布し、木目模様(導管部分、春材部分、秋材部分を有する)の厚さ10μmの装飾層としての絵柄層を形成した。
次いで、絵柄層上に、2液硬化性樹脂(主剤:アクリルポリオール、硬化剤;ヘキサメチレンジイソシアネート)及び充填剤を含む浸透層形成用の樹脂組成物(昭和インク株式会社製、「EBFプライマー(商品名)」、平均粒径:1.3μm、充填剤含有量:樹脂分100質量部に対してシリカ粒子を40質量部)を塗布して、厚さ5μmの浸透層を形成した。
次いで、該浸透層上に、1液硬化型樹脂及び充填剤を含む模様層形成用の樹脂組成物(ウレタン樹脂及びシリカ粒子含有組成物、「導管MINI(D)(商品名)」、DICグラフィックス社製)を、木目模様の導管部分に同調するようにパターン印刷を行い、アクリル樹脂を含む浸透防止層形成用の樹脂組成物(充填剤は含まない。)を、木目模様の秋材部分に同調するようにパターン印刷を行い、厚さ4μmの模様層及び浸透防止層を形成した。
次いで、電離放射線硬化性樹脂組成物(電離放射線硬化性樹脂:電子線硬化性アクリレート樹脂、その他添加剤:シリコーン、シリカ、体質顔料)を全面にわたって、ロールコート法により塗布して未硬化樹脂層を形成し、電子線(加圧電圧:175KeV、5Mrad(50kGy))を照射して未硬化樹脂層を硬化させて、表面層(厚さ:5μm)を得た。その後、70℃で24時間の加熱養生を行い、実施例1の化粧材を得た。得られた化粧材について、上記の評価を行った。その評価結果を第1表に示す。
実施例1において、浸透防止層の代わりに、触感付与層形成用樹脂組成物(2液硬化型樹脂(主剤:アクリルポリオール、硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート)、触感付与粒子(シリカ粒子、平均粒径:12μm、該2液硬化型樹脂100質量部に対して50質量部))を、版深90μmのパターン版を用いて、厚さ15μmとなるように、木目模様の秋材部分(照り表現部分)に同調するようにパターン印刷を行い、触感付与層を形成し、化粧材を得た。得られた化粧材について、上記の評価を行った。その評価結果を第1表に示す。
実施例1において、浸透防止層を木目模様の春材部分に同調するように設け、更に、触感付与層形成用樹脂組成物(2液硬化型樹脂(主剤:アクリルポリオール、硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート)、シリカ粒子(平均粒径:12μm、該2液硬化型樹脂100質量部に対して50質量部))を、版深90μmのパターン版を用いて、厚さ15μmとなるように、木目模様の秋材部分(照り表現部分)に同調するようにパターン印刷を行い、触感付与層を形成し、化粧材を得た。得られた化粧材について、上記の評価を行った。その評価結果を第1表に示す。
実施例2において、触感付与層形成用樹脂組成物中の触感付与粒子を、第1表に示される充填剤とした以外は、実施例2と同様にして化粧材を得た。
実施例1において、浸透防止層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして化粧材を得た。
・触感付与粒子a:シリカ粒子(平均粒径:12μm)
・触感付与粒子b:水酸化アルミニウム粒子(平均粒径:4μm)
・触感付与粒子c:アクリルビーズ(平均粒径:20μm)
・触感付与粒子d:アクリルビーズ(平均粒径:30μm)
一方、浸透防止層及び触感付与層を有しない比較例1の化粧材は、意匠性、触感の何れの評価も優れているとはいえないものとなった。
11.基材
12.模様層
13.浸透防止層
14.触感付与層
14a.触感付与粒子
15.表面層
15a.表面領域1
15b.表面領域2
15c.表面領域3
15d.表面領域4
16.浸透層
17.装飾層
17a.絵柄層
17b.着色層
Claims (12)
- 基材と、模様層と、浸透防止層及び触感付与層から選ばれる少なくとも一の層と、表面層とを有し、
前記模様層、記浸透防止層及び前記触感付与層が、少なくとも樹脂を含む樹脂組成物から形成され、
前記模様層は、充填剤を含有し、前記充填剤の含有量が、前記模様層を形成する樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上であり、
前記充填剤のJIS K 5101-13-1:2004に準拠して測定した吸油量が、50mL/100g以上であり、
該模様層及び該少なくとも一の層が該基材の一方の面側の同一面上の一部に設けられ、
該表面層が該模様層と該少なくとも一の層とを覆うように全面にわたって設けられ、
該表面層の表面に、
該模様層が設けられる領域の直上部に表面領域1と、
該浸透防止層が設けられる領域の直上部に表面領域2及び該触感付与層が設けられる領域の直上部に表面領域3から選ばれる少なくとも一の表面領域と、
該模様層、該浸透防止層及び該触感付与層が設けられていない領域の直上部に表面領域4と、を有し、
同一面を基準とした前記表面領域1の高さをH1、前記表面領域4の高さをH4としたときに、H4>H1の関係を有し、
該表面領域1と該表面領域2及び該表面領域3から選ばれる少なくとも一の表面領域と、該表面領域4とにより形成される模様を有し、エンボス加工による凹凸を有しない化粧材。 - 前記模様層が含有する充填剤が、シリカ粒子を含む請求項1に記載の化粧材。
- 前記基材と、前記模様層及び前記少なくとも一の層との間に、更に浸透層を有する請求項1又は2に記載の化粧材。
- 前記基材と、前記模様層及び前記少なくとも一の層との間に、更に装飾層を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧材。
- 前記模様層と前記装飾層とが同調している請求項4に記載の化粧材。
- 前記装飾層が木目模様を形成する請求項4又は5に記載の化粧材。
- 前記表面領域3が凸形状を形成する請求項1~6のいずれか1項に記載の化粧材。
- 前記基材と、前記模様層と、前記浸透防止層と、前記表面層とを有する請求項1~7のいずれか1項に記載の化粧材。
- 前記基材と、前記模様層と、前記触感付与層と、前記表面層とを有する請求項1~7のいずれか1項に記載の化粧材。
- 前記基材と、前記模様層と、前記浸透防止層と、前記触感付与層と、前記表面層とを有する請求項1~9のいずれか1項に記載の化粧材。
- 同一面を基準とした前記表面領域2の高さをH2、前記表面領域3の高さをH3としたときに、H3>H2>H4>H1の関係を有する請求項10に記載の化粧材。
- 前記触感付与層が、触感付与粒子を含有する請求項10又は11に記載の化粧材。
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