JP2021091133A - 化粧板、化粧板の製造方法 - Google Patents

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小笠原 幹之
Mikiyuki Ogasawara
幹之 小笠原
菜月 宮井
Natsuki Miyai
菜月 宮井
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Abstract

【課題】意匠性を向上させることが可能な化粧板と、化粧板の製造方法を提供する。【解決手段】化粧板10が、金属板1と、金属板1の一方の面に積層され、且つ絵柄を印刷した絵柄印刷層7を備え、金属板1と絵柄印刷層7との積層体には、エンボス加工により、一方の面に凹部10aが形成され、且つ他方の面に凸部10aが形成されており、絵柄印刷層7の厚さは均一であり、エンボス加工は、金属板1の一方の面に絵柄印刷層7を印刷した後に、積層体のうち絵柄印刷層7の厚さが均一となるように行う。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板等の鋼板やアルミ板等の金属板に、塗装や印刷によって化粧が施された化粧板と、化粧板の製造方法に関する。
金属板に化粧が施された化粧板の技術としては、例えば、特許文献1に開示されている技術がある。特許文献1に開示されている技術では、金属板の一方の面上に、プライマー層と、ベースコート層と、絵柄層と、絵柄層の上に設けられて凹凸を形成するマット印刷層と、マット印刷層の凹凸を埋めるクリヤコート層が形成されている。
特開2017−164924号公報
特許文献1に開示されている技術では、玄関ドアや外壁等、屋外で使用する化粧板については、意匠性を向上させるために、エンボスによって意匠が形成されたシート(エンボスシート)を、鋼板にラミネートする方法を用いる必要がある。
しかしながら、エンボスシートを鋼板にラミネートする方法では、鋼板のラミネート時に、エンボスシートに対して高温による加熱やプレスをするため、エンボスシートの意匠性が低下し、化粧板の意匠性を向上させることが困難であるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、意匠性を向上させることが可能な化粧板と、化粧板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、金属板と、金属板の一方の面に積層され、且つ絵柄を印刷して形成した絵柄印刷層とを備える化粧板である。また、金属板と絵柄印刷層との積層体には、一方の面に凹部が形成され、且つ他方の面に凸部が形成されており、絵柄印刷層の厚さは、均一である。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、金属板と、金属板の一方の面に積層され、且つ絵柄を印刷して形成した絵柄印刷層とを備える化粧板の製造方法である。また、金属板と絵柄印刷層との積層体には、エンボス加工により一方の面に凹部が形成され、且つエンボス加工により他方の面に凸部が形成され、絵柄印刷層の厚さが均一である。そして、化粧板の製造方法では、エンボス加工は、絵柄印刷層を形成した後に、絵柄印刷層の厚さが均一となるように行う。
本発明の一態様によれば、金属板と絵柄印刷層との積層体に形成された凹部及び凸部を含め、積層体の厚さが均一であるため、凹部及び凸部によって形成される意匠を保持することが可能となる。これにより、意匠性を向上させることが可能な化粧板と、化粧板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態における化粧板の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本技術の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、下記の実施形態に例示した装置や方法に特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(第1実施形態)
以下、図1を参照して、化粧板10の構成について説明する。
化粧板10は、図1に示すように、金属板1と、第一化成処理層2と、第二化成処理層3と、裏面コート層4と、プライマー層5と、ベースコート層6と、絵柄印刷層7と、マット印刷層8と、トップコート層9を備える。
(金属板)
金属板1は、亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、ステンレス、アルミのうちいずれかを用いて形成されている。
第1実施形態では、一例として、金属板1が、亜鉛めっき鋼板のうち、SGCC又はSGLCCを用いて形成されている場合について説明する。
(第一化成処理層)
第一化成処理層2は、金属板1の一方の面(図1では、上側の面)に積層されている。
また、第一化成処理層2は、環境への影響を考慮して、クロメートフリー処理を用いて形成されている。
(第二化成処理層)
第二化成処理層3は、金属板1の他方の面(図1では、下側の面)に積層されている。
また、第二化成処理層3は、第一化成処理層2と同様、環境への影響を考慮して、クロメートフリー処理を用いて形成されている。
(裏面コート層)
裏面コート層4は、第二化成処理層3の金属板1と対向する面と反対の面(図1では、下側の面)に積層されている。すなわち、裏面コート層4は、金属板1の他方の面に積層された層である。
また、裏面コート層4は、例えば、エポキシ系樹脂やポリエステル系樹脂等を用いて形成されている。
さらに、裏面コート層4は、防錆剤が添加されている。
(プライマー層)
プライマー層5は、下地となる層であって、金属板との密着性・耐食性を向上させるために形成する。また、
また、プライマー層5は、第一化成処理層2の金属板1と対向する面と反対の面(図1では、上側の面)に積層されている。
さらに、プライマー層5は、例えば、ポリエステル系樹脂、有機添加剤、顔料等を用いて形成されている。
第1実施形態では、一例として、ポリエステル系樹脂の含有率を約57[%]とし、有機添加剤の含有率を約1[%]とし、顔料の含有率を約42[%]とした場合について説明する。
なお、プライマー層5には、耐食性を向上させる目的で防錆顔料を配合しても良い。
プライマー層5の厚さは、例えば、1[μm]以上10[μm]以下の範囲内である。
(ベースコート層)
ベースコート層6は、全体の色調のベースとなる単色のコート層であり、プライマー層5の第一化成処理層2と対向する面と反対の面(図1では、上側の面)に積層されている。すなわち、ベースコート層6は、金属板1と絵柄印刷層7との間に配置された層である。
また、ベースコート層6は、例えば、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、顔料等を用いて形成されている。
第1実施形態では、一例として、ポリエステル系樹脂の含有率を約45[%]とし、メラミン系樹脂の含有率を約15[%]とし、顔料の含有率を約40[%]とした場合について説明する。
さらに、ベースコート層6は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されている。
これに加え、ベースコート層6は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂及び防錆剤のうち少なくとも一つが添加されている。
ベースコート層6の厚さは、例えば、10[μm]以上30[μm]以下の範囲内である。
(絵柄印刷層)
絵柄印刷層7は、印刷によって絵柄を印刷した層であり、ベースコート層6のプライマー層5と対向する面と反対の面(図1では、上側の面)に積層されている。すなわち、絵柄印刷層7は、金属板1の一方の面に積層されている。
また、絵柄印刷層7は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されている。
絵柄印刷層7を形成する塗料は、バインダ樹脂及び顔料を含む塗料を用いることが可能である。バインダ樹脂としては、公知のバインダ樹脂を使用すればよいが、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂得、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化型樹脂を用いることが好適である。
顔料としては、公知の顔料、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、有機顔料、メタリック顔料、パール顔料等を用いることが可能である。
絵柄印刷層7が形成する絵柄模様については、特に限定するものではない。第1実施形態では、一例として、絵柄印刷層7が形成する絵柄模様を、木目模様の絵柄とした場合について説明する。
絵柄印刷層7の厚さは、例えば、0.1[μm]以上1.0[μm]以下の範囲内である。
(マット印刷層)
マット印刷層8は、絵柄印刷層7のベースコート層6と対向する面と反対の面(図1では、上側の面)に積層されている。すなわち、マット印刷層8は、絵柄印刷層7の金属板1と対向する面と反対の面に積層されている。
また、マット印刷層8は、細かい骨材(マット)を用いた印刷(マット印刷)により凹凸形状を形成した層である。
マットとしては、例えば、アクリルビーズ、ガラスビーズ、尿素樹脂等を用いることが可能である。マットとして、アクリルビーズ、ガラスビーズ、尿素樹脂等を用いる理由は、後述するエンボス加工の圧力に耐えるためである。
凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャー、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
第1実施形態のマット印刷層8は、導管部を構成するように凹凸形状を形成する。導管模様を形成する凸部は、絵柄印刷層7の絵柄と同調して配置されることが好ましい。なお、同調とは、表面側からみて、絵柄と導管とが50[%]以上の範囲で重なるように形成することである。
マット印刷層8を印刷する印刷版は、例えば、高版深(50[μm]以上120[μm]以下の範囲内)を使用する。
また、マット印刷層8で形成される凸部の高さは、例えば、5[μm]以上30[μm]以下の範囲内に設定することが好ましい。
さらに、マット印刷層8で形成される凸部の高さは、トップコート層9の厚さの100%以上200%未満の範囲内となるように設定する。なお、マット印刷層8で形成される凸部の高さは、例えば、マットの粒径をトップコート層9の厚さの100%以上200%未満の範囲内として設定する。したがって、マット印刷層8の一部は、トップコート層9から突出している。
ここで、マット印刷層8は、シリカ等のマット剤が添加することで白っぽくなる可能性がある。このため、マット印刷層8には、墨やブラックカーボン等の着色顔料を混合することが好ましい。墨を添加することで濃い茶色っぽい色となり、よりリアルな木目を表現可能となる。
(トップコート層)
トップコート層9は、マット印刷層8の絵柄印刷層7と対向する面と反対の面(図1では、上側の面)に積層されている。すなわち、トップコート層9は、化粧板10において、金属板1の一方の面の側における、最も外側の層を形成する層である。
また、トップコート層9は、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、有機添加剤、無機添加剤等を用いて形成されている。
第1実施形態では、一例として、ポリエステル系樹脂の含有率を約84[%]とし、有機添加剤の含有率を約7[%]とし、無機添加剤の含有率を約9[%]とした場合について説明する。
さらに、トップコート層9は、樹脂ビーズ及びシリカのうち少なくとも一方が添加されている。
これに加え、トップコート層9は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されている。
トップコート層9の厚さは、例えば、5[μm]以上15[μm]以下の範囲内である。
(積層体)
上述したように、化粧板10は、裏面コート層4、第二化成処理層3、金属板1、第一化成処理層2、プライマー層5、ベースコート層6、絵柄印刷層7、マット印刷層8、トップコート層9を順に積層した積層体により構成されている。
化粧板10を構成する積層体には、図1に示すように、一方の面(図1では、上側の面)に複数の凹部10aが形成され、他方の面(図1では、下側の面)に、それぞれ、凸部10bが形成されている。
複数の凹部10a及び複数の凸部10bは、エンボス加工により形成されている。
また、積層体を厚さ方向から見て、一組の凹部10a及び凸部10bとが重なる位置に形成されることで、凹凸形状を形成している。
さらに、積層体のうち、絵柄印刷層7の厚さは、均一である。なお、「絵柄印刷層7の厚さが均一」とは、例えば、積層体に対するエンボス加工によって絵柄印刷層7が引き伸ばされた場合であっても、絵柄印刷層7は層全体が引き伸ばされるため、結果として、絵柄印刷層7全体の厚さが均一となる場合を含んでもよい。また、「絵柄印刷層7の厚さが均一」とは、例えば、絵柄印刷層7の一部の厚さが、他の部分の厚さを基準として90%以上100%未満の範囲内の厚さである場合を含んでもよい。
凹部10aの深さ(化粧板10の表面(図1では、上側の面)のうち、凹部10aが形成されていない部分と凹部10aの最も深い部分との、化粧板10の厚さ方向に沿った長さ)は、金属板1の厚さの5倍以下である。
第1実施形態では、一例として、凹部10aの深さを、金属板1の厚さの2.5倍以下とした場合について説明する。
凸部10bの突出量(化粧板10の裏面(図1では、下側の面)のうち、凸部10bが形成されていない部分と凸部10bの最も突出した部分との、化粧板10の厚さ方向に沿った長さ)は、金属板1の厚さの5倍以下である。
第1実施形態では、一例として、凸部10bの突出量を、金属板1の厚さの2.5倍以下とした場合について説明する。
(化粧板10の製造方法)
以下、図1を参照して、第1実施形態の化粧板10を製造するための製造方法(化粧板10の製造方法)を説明する。
化粧板10の製造方法では、まず、金属板1の両面に第一化成処理層2と第二化成処理層3を形成した後、裏面コート層4を形成する。次に、200[℃]以上の温度により焼付け乾燥を実施した後、プライマー層5を形成する。
さらに、ベースコート層6を形成し、200[℃]以上の温度により焼付け乾燥を実施した後、絵柄印刷層7を形成する。なお、絵柄印刷層7は、印刷柄を多色化(2,3色化)することが好適である。また、絵柄印刷層7は、輝度の高いパールやメタリック塗料を用いて、印刷柄を印刷することが好適である。
そして、絵柄印刷層7の上にマット印刷層8を形成することで、艶差にて立体感を出した後、トップコート層9を形成し、200[℃]以上の温度により焼付け乾燥を実施する。
その後、化粧板10を構成する積層体にエンボス加工を行うことにより、積層体の一方の面に複数の凹部10aを形成するとともに、積層体の他方の面に複数の凸部10bを形成することで、凹凸感を出す。また、エンボス加工は、絵柄印刷層7の厚さが均一となるように行う。
すなわち、化粧板10の製造方法では、金属板1に絵柄印刷層7を形成した後に、絵柄印刷層7の厚さが均一となるようにエンボス加工を行う。
なお、上述した第1実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第1実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態の化粧板10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)金属板1と、金属板1の一方の面に積層され、且つ絵柄を印刷した絵柄印刷層7を備え、金属板1と絵柄印刷層7との積層体には、両面に凹部10a及び凸部10bが形成されている。これに加え、金属板1と絵柄印刷層7との積層体のうち、絵柄印刷層7の厚さが、均一である。
このため、金属板1と絵柄印刷層7との積層体に形成された凹部10a及び凸部10bを含め、絵柄印刷層7の厚さが均一であるため、凹部10a及び凸部10bによって形成される意匠を保持することが可能となる。
その結果、金属板1と絵柄印刷層7との積層体を高温で加熱する場合と比較して、絵柄印刷層7の熱により変形を抑制することが可能となり、意匠性の低下を抑制することが可能となる。これにより、意匠性を向上させることが可能な化粧板10を提供することが可能となる。
また、従来のようなエンボスシートを鋼板にラミネートする方法において、鋼板のラミネート時に、エンボスシートに接着剤を塗布する場合と比較して、化粧板10を構成する金属板1や各層との密着性を向上させることが可能となる。これに加え、接着剤を使用せずに化粧板10を形成するため、有機物の質量を低減させることが可能となり、化粧板10の防火性能を向上させることが可能となる。
(2)金属板1と絵柄印刷層7との積層体に形成されている凹部10aの深さと凸部10bの突出量が、金属板1の厚さの2.5倍以下である。
その結果、エンボス加工の後に行う曲げ加工に対して、加工性を向上させることが可能となる。
(3)金属板1が、SGCC又はSGLCCを用いて形成されている。
その結果、金属板1の抗張力が低くなるため、エンボス加工に対する加工性を向上させることが可能となる。
(4)絵柄印刷層7の金属板1と対向する面と反対の面に積層され、且つ凹凸形状を形成したマット印刷層8をさらに備える。
その結果、化粧板10に、凹凸形状による意匠性を付与することが可能となる。
また、例えば、木目柄の導管のような、幅1[mm]以下の意匠を表現した化粧板10を提供することが可能となり、化粧板10の意匠性を向上させることが可能となる。なお、木目柄としては、例えば、名栗調、釿仕上げ、竹平貼、網代、浮造り等がある。
(5)マット印刷層8に形成した凹凸形状は、マットを用いた印刷により形成されている。これに加え、マット印刷層8で形成される凸部の高さは、トップコート層9の厚さの、100%以上200%未満の範囲内である。
その結果、マット印刷層8で形成される凸部の高さをトップコート層9の厚さの100%以上とすることで、マット印刷層8の凹凸形状による意匠性の低減を抑制することが可能となる。これに加え、マット印刷層8で形成される凸部の高さをトップコート層9の厚さの200%未満とすることで、マット印刷層8、特に、マットがトップコート層9から突出することなく、化粧板10の表面に対し、平坦度を向上させることが可能となる。さらに、マットの脱落を大幅に抑制することが可能となる。
(6)金属板1の一方の面の側における最も外側の層を形成するトップコート層9は、樹脂ビーズ及びシリカのうち少なくとも一方が添加されている。
その結果、化粧板10の意匠や艶を調整することが可能となる。
(7)金属板1の一方の面の側における最も外側の層を形成するトップコート層9は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されている。
その結果、化粧板10の耐候性を向上させることが可能となる。
(8)金属板1の他方の面に積層された裏面コート層4は、防錆剤が添加されている。
その結果、化粧板10の耐食性を向上させることが可能となる。
(9)金属板1と絵柄印刷層7との間に配置されたベースコート層6は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されている。
ベースコート層6に添加する添加剤を調整することで、化粧板10の構成を、要求される性能に応じた構成とすることが可能となる。
(10)金属板1と絵柄印刷層7との間に配置されたベースコート層6は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂及び防錆剤のうち少なくとも一つが添加されている。
その結果、化粧板10の耐食性を向上させることが可能となる。
(11)絵柄印刷層7は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されている。
絵柄印刷層7に添加する添加剤を調整することで、化粧板10の構成を、要求される性能に応じた構成とすることが可能となる。
また、第1実施形態の化粧板10の製造方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(12)金属板1と絵柄印刷層7との積層体の両面に凹部10a及び凸部10bを形成するエンボス加工を、金属板1の一方の面に絵柄印刷層7を印刷した後に行う。これに加え、エンボス加工は、積層体のうち、絵柄印刷層7の厚さが均一となるように行う。
このため、金属板1と絵柄印刷層7との積層体に形成された凹部10a及び凸部10bを含め、絵柄印刷層7の厚さが均一であるため、凹部10a及び凸部10bによって形成される意匠を保持することが可能となる。
その結果、金属板1と絵柄印刷層7との積層体を高温で加熱する場合と比較して、絵柄印刷層7の熱により変形を抑制することが可能となり、意匠性の低下を抑制することが可能となる。これにより、意匠性を向上させることが可能な化粧板10の製造方法を提供することが可能となる。
また、従来のようなエンボスシートを鋼板にラミネートする方法において、鋼板のラミネート時に、エンボスシートに接着剤を塗布する場合と比較して、化粧板10を構成する金属板1や各層との密着性を向上させることが可能となる。これに加え、接着剤を使用せずに化粧板10を形成するため、有機物の質量を低減させることが可能となり、化粧板10の防火性能を向上させることが可能となる。
(変形例)
(1)第1実施形態では、金属板1と絵柄印刷層7との積層体に形成されている凹部10aの深さと凸部10bの突出量を、金属板1の厚さの2.5倍以下としたが、これに限定するものではない。すなわち、金属板1と絵柄印刷層7との積層体に形成されている凹部10aの深さと凸部10bの突出量を、金属板1の厚さの5倍以下としてもよい。この構成であっても、エンボス加工の後に行う曲げ加工に対して、加工性を向上させることが可能となる。
(2)第1実施形態では、金属板1の構成を、SGCC又はSGLCCを用いて形成されている構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、金属板1の構成を、例えば、SGC400やSGC440等の高張力材や、アルミ、ステンレスを用いて形成されている構成としてもよい。なお、高張力材を用いて金属板1を形成した場合、SGCC又はSGLCCを用いて形成金属板1を形成した場合と比較して、エンボス表現は弱くなるものの、エンボス加工は可能である。
(3)第1実施形態では、裏面コート層4の構成を、防錆剤が添加されている構成としたが、これに限定するものではなく、裏面コート層4の構成を、防錆剤が添加されていない構成としてもよい。
(4)第1実施形態では、ベースコート層6の構成を、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されている構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、ベースコート層6の構成を、紫外線吸収剤や光安定剤等耐候剤が添加されていない構成としてもよい。
(5)第1実施形態では、ベースコート層6の構成を、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂及び防錆剤のうち少なくとも一つが添加されている構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、ベースコート層6の構成を、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、防錆剤が添加されていない構成としてもよい。
(6)第1実施形態では、化粧板10を、裏面コート層4、第二化成処理層3、金属板1、第一化成処理層2、プライマー層5、ベースコート層6、絵柄印刷層7、マット印刷層8、トップコート層9を積層した積層体により構成したが、これに限定するものではない。すなわち、化粧板10を、裏面コート層4、第二化成処理層3、金属板1、第一化成処理層2、プライマー層5、ベースコート層6、絵柄印刷層7、トップコート層9を積層した積層体により構成としてもよい。
第1実施形態を参照しつつ、以下、実施例1及び2の化粧板と、比較例1から3の化粧板について説明する。
(実施例1)
金属板として、JIS‐G3302に準拠した、厚さが0.4[mm]の溶融亜鉛めっき鋼板を用いた。
絵柄印刷層に、2色で印刷した絵柄を形成した。
マット印刷層は、形成していない。
トップコート層は、平均粒径が15[μm]の骨材を含有させて形成した。
裏面コート層、第二化成処理層、金属板、第一化成処理層、プライマー層、ベースコート層、絵柄印刷層、トップコート層を順に積層した積層体をエンボス加工することで、積層体の両面に凹部及び凸部を形成し、実施例1の化粧板を製造した。
(実施例2)
マット印刷層を形成した点と、トップコート層を平均粒径が8[μm]の骨材を含有させて形成した点を除き、実施例1と同様に形成して、実施例2の化粧板を製造した。
(比較例1)
裏面コート層、第二化成処理層、金属板、第一化成処理層、プライマー層、ベースコート層、絵柄印刷層、トップコート層を順に積層した積層体をエンボス加工しない点を除き、実施例1と同様に形成して、比較例1の化粧板を製造した。
(比較例2)
絵柄印刷層に、2色及びパール印刷で印刷した絵柄を形成した点を除き、比較例1と同様に形成して、比較例2の化粧板を製造した。
(比較例3)
絵柄印刷層に、トップコート層を平均粒径が8[μm]の骨材を含有させて形成した点を除き、比較例1と同様に形成して、比較例3の化粧板を製造した。
(性能評価、評価結果)
実施例1及び2の化粧板と、比較例1から3の化粧板に対し、それぞれ、加工性、耐溶剤性、耐沸騰水性、耐食性、手触り感、意匠性を評価した。評価方法としては、以下に記載した方法を用いた。
<加工性>
化粧板に対し、180[°]の曲げ加工と90[°]の曲げ加工を行い、加工性を評価した。
<耐溶剤性>
MEK綿棒にて、ラビングを30往復行い、耐溶剤性を評価した。
<耐沸騰水性>
5時間の煮沸を行った後、外観を確認することで、耐沸騰水性を評価した。
<耐食性>
サンシャインウェザーメーターを500時間照射した後の色変化を、色差計にて測定することで、耐食性を評価した。
<手触り感>
化粧板の手触り感を、10人の試験員による官能試験にて評価した。評価基準は、良好と判定した試験員が0人であった場合を「×」、良好と判定した試験員が1〜5人であった場合を「△」、良好と判定した試験員が6〜8人であった場合を「○」、良好と判定した試験員が9〜10人であった場合を「◎」とした。
<意匠性>
化粧板の外観を、10人の試験員による官能試験にて評価した。評価基準は、良好と判定した試験員が0人であった場合を「×」、良好と判定した試験員が1〜5人であった場合を「△」、良好と判定した試験員が6〜8人であった場合を「○」、良好と判定した試験員が9〜10人であった場合を「◎」とした。
Figure 2021091133
上述した方法を用いて、各種の性能を評価した結果、実施例1及び2の化粧板は、いずれの評価試験においても優れた性能を示したが、比較例1から3の化粧板は、いずれの評価試験においても、実施例1及び2の化粧板と比較して性能が劣る結果となった。
1…金属板、2…第一化成処理層、3…第二化成処理層、4…裏面コート層、5…プライマー層、6…ベースコート層、7…絵柄印刷層、8…マット印刷層、9…、10…化粧板、10a…凹部、10b…凸部

Claims (13)

  1. 金属板と、
    前記金属板の一方の面に積層され、且つ絵柄を印刷して形成した絵柄印刷層と、を備え、
    前記金属板と前記絵柄印刷層との積層体には、一方の面に凹部が形成され、且つ他方の面に凸部が形成され、
    前記絵柄印刷層の厚さは、均一であることを特徴とする化粧板。
  2. 前記凹部の深さ及び前記凸部の突出量は、前記金属板の厚さの5倍以下であることを特徴とする請求項1に記載した化粧板。
  3. 前記凹部の深さ及び前記凸部の突出量は、前記金属板の厚さの2.5倍以下であることを特徴とする請求項2に記載した化粧板。
  4. 前記金属板は、SGCC又はSGLCCを用いて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した化粧板。
  5. 前記絵柄印刷層の前記金属板と対向する面と反対の面に積層され、且つ凹凸形状を形成したマット印刷層をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した化粧板。
  6. 前記金属板の一方の面の側における最も外側の層を形成するトップコート層をさらに備え、
    前記凹凸形状は、マットを用いた印刷により形成され、
    前記マット印刷層で形成される凸部の高さは、前記トップコート層の厚さの100%以上200%未満の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載した化粧板。
  7. 前記金属板の一方の面の側における最も外側の層を形成するトップコート層をさらに備え、
    前記トップコート層は、樹脂ビーズ及びシリカのうち少なくとも一方が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載した化粧板。
  8. 前記金属板の一方の面の側における最も外側の層を形成するトップコート層をさらに備え、
    前記トップコート層は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載した化粧板。
  9. 前記金属板の他方の面に積層された裏面コート層をさらに備え、
    前記裏面コート層は、防錆剤が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載した化粧板。
  10. 前記金属板と前記絵柄印刷層との間に配置されたベースコート層をさらに備え、
    前記ベースコート層は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載した化粧板。
  11. 前記金属板と前記絵柄印刷層との間に配置されたベースコート層をさらに備え、
    前記ベースコート層は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂及び防錆剤のうち少なくとも一つが添加されていることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載した化粧板。
  12. 前記絵柄印刷層は、紫外線吸収剤及び光安定剤等耐候剤のうち少なくとも一方が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載した化粧板。
  13. 金属板と、前記金属板の一方の面に積層され、且つ絵柄を印刷して形成した絵柄印刷層と、を備え、前記金属板と前記絵柄印刷層との積層体には、エンボス加工により一方の面に凹部が形成され、且つ前記エンボス加工により他方の面に凸部が形成され、前記絵柄印刷層の厚さが均一である化粧板の製造方法であって、
    前記エンボス加工は、前記絵柄印刷層を形成した後に、前記絵柄印刷層の厚さが均一となるように行うことを特徴とする化粧板の製造方法。
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