JP4765471B2 - エンボス化粧板 - Google Patents

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本発明は、エンボス化粧板に関する。
従来から、枯渇により入手が困難になりつつある天然木材の代替品として木材の木目模様を再現したエンボス化粧板が多種開発されている。例えば、転写シートにより木目模様を転写した化粧板、木目模様を印刷した化粧フィルムをラミネートとした化粧板、或いはダイレクト印刷法により木目模様を設けた化粧板が一般的に知られている。更に、近年では、木材表面の導管溝(木目)等を再現するために、基材にエンボス加工を施して木目に類似した凹凸模様を施した化粧板の開発が行われている。(特許文献1)。
特開平9−104096号公報
しかしながら、エンボス加工を施すことによって木目に類似した凹凸模様を形成した場合であっても、その凹凸模様の凹部には、物理的にへこみが形成され、凹部以外の凸部には木目柄の着色インキで印刷が施されているだけであって、木目に類似してはいるが、天然木材との差があり、見た目も安っぽいものであった。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、木目をリアルに再現することができ、天然木材としての深みまでも再現することができる意匠性の高いエンボス化粧板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、基板と、当該基板上に設けられ、表面に凹凸模様を有する上塗塗膜と、を有するエンボス化粧板において、前記凹凸模様の凸部は、着色層と、マット透明層と、マット着色層と、が形成されている。
これによれば、化粧板にエンボス加工を施し物理的にへこんだ部分である凹部を形成し物理的な凹凸を設け、更に凹部以外の凸部には、着色層のみならず、マット透明層とマット着色層とを形成し、視覚的な凹凸を設けることによって、木目をリアルに再現することができ、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記マット透明層の光沢値と、前記マット着色層の光沢値に差があってもよい。
これによれば、マット透明層とマット着色層の光沢値に差を設けることによって、マット透明層又はマット着色層を介して見える着色層の見え方を異ならせることができ、凸部に形成された視覚的凹凸を強調することができ、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記マット透明層と、前記マット着色層との光沢値の差が5グロス以上であってもよい。
これによれば、マット透明層とマット着色層の光沢値の差の最小値を特定することにより、光沢値の差がその値以上であると、マット透明層又はマット着色層を介して見える着色層の見え方をより異ならせることができ、視覚的凹凸を更に強調し、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記マット透明層は、平均粒径が2〜10μmのマット材を含有していてもよい。
これによれば、マット透明層の平均粒径を特定することによって、マット透明層とマット着色層の光沢値に差を設けることができ、視覚的凹凸を更に強調し、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記マット着色層は、平均粒径が2〜5μmのマット材を含有していてもよい。
これによれば、マット着色層の平均粒径を特定することによって、マット透明層とマット着色層の光沢値に差を設けることができ、視覚的凹凸を更に強調し、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記マット透明層を形成する塗工液に対する前記マット材の含有率は、5〜10%であってもよい。
これによれば、マット透明層を形成する塗工液に対するマット材の含有量を特定することによって、マット透明層とマット着色層の光沢値に差を設けることができ、視覚的凹凸を更に強調し、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記マット着色層を形成する塗工液に対する前記マット材の含有率は、10〜20%であってもよい。
これによれば、マット着色層を形成する塗工液に対するマット材の含有量を特定することによって、マット透明層とマット着色層の光沢値に差を設けることができ、視覚的凹凸を更に強調し、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記マット透明層に含有されているマット材は、シリカ又は、微粒ビーズであってもよい。
これによれば、マット透明層に含有されているマット材を特定することによって、マット透明層とマット着色層の光沢値に差を設けることができ、視覚的凹凸を更に強調し、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記マット着色層に含有されているマット材は、シリカであってもよい。
これによれば、マット着色層に含有されているマット材を特定することによって、マット透明層とマット着色層の光沢値に差を設けることができ、視覚的凹凸を更に強調し、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
上記発明においては、前記凹凸模様の凹部は、前記マット透明層を形成する塗工液によって被覆されていてもよい。
これによれば、凹凸模様の凸部に着色層、マット透明層、マット着色層を形成するだけではなく、凹部がマット透明層を形成する塗工液によって被覆されていることにより、視覚的な凹凸を更に設けることができ、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
本発明によれば、化粧板にエンボス加工を施し物理的にへこんだ部分である凹部を形成し物理的な凹凸を設け、更に凹部以外の凸部には、着色層のみならず、マット透明層とマット着色層とを形成し、視覚的な凹凸を設けることによって、木目をリアルに再現することができ、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明によるエンボス化粧板を示す概略断面図である。
本発明のエンボス化粧板Eは、図1に示すように、基板1と、上塗塗膜3と、から構成されており、更に、上塗塗膜3の表面に形成されている凹凸模様の凸部には、着色層4と、マット透明層5と、マット着色層6が形成されている。なお、基板1と上塗塗膜3の間に必須の構成要素ではないが、下塗塗膜2が形成されていることが好ましい。
まず、基板1について説明する。
基板1は、後述するように、上塗塗膜3をエンボス加工する際に生じる熱や、下塗塗膜2、上塗塗膜3を加熱硬化する際に生じる熱に耐え得る耐熱性を備えるものであれば特に限定されることはなく、例えば、従来公知の化粧板における各種材料を用途に応じて適宜採用すれば良い。具体的には、金属系、無機非金属系(セラミック系、非セラミック窯業系)の材料を用いることが可能である。ここで、金属系の材料としては、例えば、鉄、鋼、アルミニウム等の各種金属が挙げられる。更に、耐熱性が許せば樹脂系等の材料を用いることも可能である。樹脂系の材料としては、例えば、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂であっても良い。
基板1の形状は、板状が好ましく、基板1の厚みは用途によっても異なるが、例えば0.3〜2.0mm程度が好ましく、更に、0.4mm〜0.6mmであることが特に好ましい。
次に、基板1上に形成される下塗塗膜2について説明する。
下塗塗膜2は、基板1上に上塗塗膜3を施す前に予め形成し、基板1と上塗塗膜3との間に介在させる層であるが、本発明において必須の構成要素ではないが、基材1と上塗塗膜3との密着性を付与させる目的で設けることが好ましい。この下塗塗膜2は、プライマー層として機能させることにより上塗塗膜3と基板1との密着性向上等の為に形成されるものであり、その密着性向上等を果たすためには、厚みが最大5μm程度であることが好ましく、更に、2〜3μmが特にこのましい。また、下塗塗膜2には、十分に燃焼硬化させた上に、上塗塗膜3を形成させる。このような下塗塗膜2に用いる塗料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂からなる公知の硬化性塗料を、用途等に応じて適宜採用することができる。特に、下塗塗膜2は、密着性を付与させる機能と合わせて防錆機能を併せ持たせることで、耐食性の向上を図ることができる。添加物としては、酸化チタン系、クロム酸系、亜鉛系化合物を添加することができる。
下塗塗膜2の形成方法は、塗工法や印刷法等の公知の形成方法で形成すれば良い。塗工法としては、例えば、ロールコート、フローコート、スプレーコート等が挙げられる。なお、下塗塗膜2の厚みは、用途に応じた用途に応じて異なるが、通常、1〜5μm程度であり、特に、2〜3μmであることが特に好ましい。
次に、下塗塗膜2上に形成される上塗塗膜3について説明する。
上塗塗膜3は、熱硬化性樹脂で形成されており、その表面にエンボス加工を行い、凹凸模様を形成する層である。
上塗塗膜3に用いる塗料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂からなる公知の硬化性塗料を用途等に応じて適宜採用することができる。また、上塗塗膜3に好適なエンボス加工適性を付与するには、平均分子量が約7000〜10000のポリエステル樹脂とメラミン樹脂とからなる熱硬化性ポリエステル樹脂系塗料を使用する事が望ましい。平均分子量がこの範囲を外れるとエンボス加工を行う際に硬すぎたり軟らか過ぎたりしてエンボス加工適性が低下する。また、上塗塗膜3と下塗塗膜2の樹脂は同種、異種のいずれでも良いが、同じ樹脂系を用いる方が相互の密着性の点では好ましい。上塗塗膜3は、表現する意匠により、不透明或いは透明、着色或いは無着色のいずれでもよく、着色する場合には、公知の着色剤を適宜選択使用することができる。公知の着色材としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、群青、メタリック顔料、パール顔料等を用いることができる。
上塗塗膜3の形成方法は、塗工法や印刷法の公知の形成方法で形成すれば良い。塗工法として、例えば、ロールコート、フローコート、スプレーコート等が挙げられ、印刷法としては、例えば、グラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。
なお、上塗塗膜3の厚みは、エンボス加工により形成される凹凸模様の凹部Bの深さよりも大きな厚みとすれば良い。具合的には、凹部Bの深さにもよるが例えば10〜50μm程度であることが好ましい。
[物理的凹凸について]
次に、上塗塗膜3にエンボス加工を施す方法について説明する。
熱硬化性樹脂からなる上塗塗膜3の表面に、エンボス加工で凹凸模様を形成するには、公知のエンボス版を用いた方法で良い。この際、エンボス版としては特に限定されるものではなく、平版のものでも良いが、特にロール上のもの、つまりエンボスロールの方が連続生産性、及び広い面積にわたって連続した凹凸模様を形成できる点で好ましい。
また、エンボス加工時の温度条件は、上塗塗膜3の樹脂組成や硬化の進行度等による柔軟性、形成する凹凸模様の凹部深さ等にもよるが、例えば、120〜170℃程度が好ましい。上塗塗膜3の温度がこの温度範囲より低くなると、熱による上塗塗膜3の軟化度合いが大きく、又は硬化度合いが小さく、エンボス版で加圧しても、凹凸模様が形成され易いが、塗膜がエンボス版に取られる作業ができない。また、上塗塗膜3の温度がこの温度範囲よりも高くなると、今度は硬化反応が進みすぎてこれにより上塗塗膜3の軟化度合いが低下し、柔軟性が低下する為にエンボス版で加圧しても、凹凸模様が形成され難くなる。
また、エンボスロールで連続的に上塗塗膜3に凹凸模様を形成し続ける事で、エンボスロールが加熱状態の上塗塗膜3によって熱を帯び、エンボスロール温度が約100℃を超えると、上塗塗膜3表面のエンボスロールによる冷却効果が低下し、上塗塗膜3表面の冷却による粘着性低下が少なくなる為、場合によってはエンボスロールに上塗塗膜3が転移し、外観不良となることがある。そこで、このような場合には、エンボスロールの蓄熱を抑える為、エンボスロールの内部に冷却水を循環し、更にエンボスロール表面に冷却を掛ける等してエンボスロールの温度上昇を抑制することが好ましい。この温度上昇抑制によって、上塗塗膜3をエンボスロールに転移させずに、上塗塗膜3に凹凸模様を安定的に連続して形成させることができる。
凹部Bの深さについても、本発明は特に限定することはないが、前述したように、上塗塗膜3の厚さを50μm程度とした場合には、凹部Bの深さを20〜30μmとすることが好ましい。20μmよりも浅いと凹凸間が少なくなり、また40μmよりも深いと、凹部Bと下塗層2との厚みが薄くなり、耐食性等の性能が低下する可能性がある。
上塗塗膜3にエンボス加工を施すと、凹部Bで排除された上塗塗膜3の樹脂が凹部B周辺部で隆起するが、これはエンボス版の凸部の形状に工夫を凝らすことで隆起部の盛りあがりを少なくすることができる。
エンボス加工適性の点では、凹部Bが形成されている部分における上塗塗膜3の厚さ10μm以上確報しておくのが望ましい。なお、凹部厚みの上限は特に無いが、その分、凹凸模様を表現するに関与しない部分の上塗塗膜の厚みが増して、生産費用が多くかかることになるので、上記のような表面性能、或いは凹凸模様等の意匠性等の要求特性に応じて適宜な厚みに抑えるのが好ましい。
なお、凹凸模様の模様としては、木目模様(導管溝、年齢、髄綿等)以外であっても、石目模様(花崗岩の劈開面等)、布目模様、皮目模様、タイル貼り模様(目地溝を含む)、煉瓦積模様(目地模様を含む)、砂目模様、梨地模様、光綿彫模様、幾何学模様、文字、図形、規則的模様、抽象柄模様等、要求される意匠により適宜模様とすれば良い。
[視覚的凹凸について]
(I)上塗塗膜3の凸部の構成について
本発明のエンボス化粧板における凸部には、視覚的凹凸を形成するために、着色層4と、マット透明層5と、マット着色層6とが、任意のパターンで形成されていることに特徴を有している。
まず、着色層4について説明する。
着色層4は、従来公知の着色層(印刷層やインキ層と呼ばれるもの)であり、例えばバインダーとなる樹脂に何らかの着色剤を含有せしめることで構成されていてもよい。バインダー樹脂としては、例えば、上塗塗膜で列記した様な、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が好ましい。また、着色剤としては、公知の着色剤、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、メタリック顔料、パール顔料等を用いることができる。ここで、着色層4は一層である必要はなく、図示するように、複数の着色層4を任意のパターンで積層することによって、色彩に差を設けてもよい。例えば、図1に示すように、第一の着色層4aを凸部全面に形成し、第二の着色層4bを前記第一の着色層4a上に部分的に形成し、さらに第三の着色層4cを前記第二の着色層4bが形成されていない部分に形成してもよい。このように着色層4を三層構造とすることによって、エンボス化粧板Eを上部から見た場合に、凹凸模様の凸部の色彩が場所によって異なるように形成することができ、意匠性を向上せしめることができる。
着色層4の形成方法としては、印刷法として、例えばグラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。
ここで、上記のように上塗塗膜3の全面に第一の着色層4aを均一に塗ることによって、凸部の色を凹部B(上塗塗膜3の色調)と異なる色にすることができることによって、より意匠効果を強調することができる。一方、上塗塗膜3に第一の着色層4aを部分的に塗り、4b、4cをその上に印刷することによって、上塗塗膜3の色調が上部から見えることになるため、凹部と同調させた効果を得ることができる。
次に、着色層4の上にマット透明層5と、マット着色層6を形成するが、マット透明層5の光沢値とマット着色層6の光沢値に差があることが好ましい。マット透明層5とマット着色層6の光沢値に差を設けることによって、視覚的凹凸(マット透明層5又はマット着色層6を介して着色層4を見る際に、着色層4の見える方を異ならせることになる)を形成することができ、意匠性を向上することができる。
まず、マット透明層5について説明する。
マット透明層5は、マット(つや消し)感があり、かつその下に形成されている着色層の色が透視できるような透明度を有する層であり、当該層を前記着色層4と併せて凸部に形成することにより、凸部の意匠性を向上することができる。
ここで、上述したように視覚的凹凸を形成するために、マット透明層5とマット着色層6の光沢値に差を設けることが好ましいが、光沢値とは、JIS5680法等により計測されるものであり、マット透明層5の光沢がどれくらいであるかを示したものである。更に最適には、マット透明層とマット着色層の光沢値の差が5グロス以上であることが好ましい。ここで、本願における「グロス」という単位は、所定の光(光束)を鏡面基準板に入射角が60°となるように照射し、当該鏡面基準板で反射された光(光束)の量を測定し、これを100グロスとする単位である。したがって、ある対象物についてのグロスを知る場合には、前述した方法と同様の方法により当該対象物で反射される光(光束)の量を計測し、前記100グロスを基準にその割合を算出することで求められる。
本願においては、マット透明層5とマット着色層6のそれぞれに所定の光を照射し、反射した光を測定し、それぞれについて100を基準にその割合を算出し、それぞれの「グロス」の差が5以上となっていることが好ましい。
マット透明層5とマット着色層6の光沢値の差の最小値を特定することにより、光沢値の差がその値以上であると、マット透明層5又はマット着色層6を介して見える着色層4の見え方をより異ならせることができ、視覚的凹凸を更に強調することができる。ここで、光沢値は、マット材の粒径、マット材の含有率によって決定することができ、マット透明層5に含有されているマット材の平均粒径は2〜10μm程度が好ましく、マット透明層を形成する塗工液に対するマット材の含有率は、5〜10%が程度が好ましい。
このようなマット透明層5の具体的な構成としては、例えば、バインダー樹脂として、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂を用い、これにマット材として微粒シリカ又は、微粒ビーズを含有せしめてもよい。
当該マット透明層5を形成する位置については、本発明は特に限定することはなく、凸部平面部全体に塗布する。
マット透明層5の形成方法は、塗工法や印刷法等の公知の形成方法で形成すれば良い。印刷法として、例えばグラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。
次に、マット着色層6について説明する。
マット着色層6は、前記着色層4およびマット透明層5と共に凸部に形成される層である。マット透明層5と同様にマット(つや消し)感があり、かつその下に形成されている着色層4、マット透明層5と併せて凸部に形成することにより、凸部の意匠性を向上することができる。
上述したように視覚的凹凸を形成するために、マット透明層5とマット着色層6の光沢値に差を設け、更に最適には、マット透明層5とマット着色層6の光沢値の差が5グロス以上であることが好ましいため、マット着色層6に含有されているマット材の平均粒径は2〜5μm程度であることが好ましい。また、マット着色層6を形成する塗工液に対する前記マット材の含有率は、10〜20%であることが好ましい。
なお、上述したように、マット透明層5とマット着色層6との差が5グロス以上になることが好ましいが、マット透明層5とマット着色層6の光沢値の大小は特に限定することはなく、マット透明層5より更にマット着色層6のマット感を強くすると、マット透明層5の上にマット着色層6を形成したことによる視覚的な凹凸を強調することができる。
このようなマット着色層6の具体的な構成としては、例えば、バインダー樹脂として、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等を用い、これに、着色剤として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、群青、メタリック顔料、パール顔料等を用いることができる。更にマット材として微粒シリカを含有せしめてもよい。
当該マット透明層5を形成する位置については、本発明は特に限定する必要はなく、凹部以外の凸部平面全体を考慮して、任意のパターンで形成すればよく、例えば図1に示すようにマット透明層5の上に所定のパターンで形成してもよい。
マット透明層5の形成方法としては、前記マット透明層5と同様の方法を用いることができる。
このような本発明のエンボス化粧板によれば、図1に示す(1)の部分は、凹凸模様の凸部の部分はマット透明層5の色彩と着色層4(着色層4a+4b)の色彩を混合した模様として観者の目に映り、一方、(2)の部分は、マット着色層6とマット透明層5と着色層(4a+4b)、3つの層の色彩を混合した模様として観者の目に映ることとなる。
その結果、単純に凹部を形成して凸部に淡色の着色層が設けられた従来からのエンボス化粧板に比べて、視覚的凹凸を表現した意匠性を向上させることができる。
(II)上塗塗膜3の凹部の構成について
本発明のエンボス化粧板における凹部Bは、マット透明層5を形成する塗工液によって被覆されているが、本発明において必須の構成要件ではない。しかし、視覚的な凹凸を更に設けることができ、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができるという効果を発揮することができるため、上記のような構成であることが望ましい。
ここで、マット透明層5を形成する塗工液の具体的な説明は、マット透明層5の記載において説明したため省略する。
次に、凹凸模様の凹部Bがマット透明層5を形成する塗工液によって被覆される方法について説明する。
上述したように、凸部にマット透明層5を形成する方法として塗工法や印刷法等をあげたが、これらの方法により凸部にマット透明層5を形成する際同時に凹部Bにも塗工液を流し込むことによって、マット透明層5を形成する塗工液により凹部Bを被覆することができる。
ここで、凸部に対して凹部Bの深さがあまり深くない場合には、上述したように凸部にマット透明層5を形成するために用いられる塗工液を、凸部にマット透明層5を形成する際同時に凹部Bにも流し込むことによって、凹部Bを被覆することができる。
一方、凸部に対して凹部Bの深さが深く、凸部にマット透明層5を形成する際同時に凹部Bに流し込むことができない場合には、凸部にマット透明層5を形成する際とは別途、マット透明層5を形成する塗工液によって凹部Bを被覆すればよい。
このように、凹凸模様の凸部に着色層4、マット透明層5、マット着色層6を形成するだけではなく、凹部Bがマット透明層5を形成する塗工液によって被覆されていることにより、視覚的な凹凸を更に設けることができ、意匠性の高いエンボス化粧板を製造することができる。
本発明のエンボス化粧板を示す概略断面図である。
符号の説明
E・・・エンボス化粧板
B・・・凹部
1・・・基板
2・・・下塗塗膜
3・・・上塗塗膜
4・・・着色層
4a・・・第一の着色層
4b・・・第二の着色層
4c・・・第三の着色層
5・・・マット透明層
6・・マット着色層

Claims (10)

  1. 基板と、当該基板上に設けられ、表面に凹凸模様を有する上塗塗膜と、を有するエンボス化粧板において、
    前記凹凸模様の凸部は、着色層と、マット透明層と、マット着色層とが、パターンで形成され、
    かつ、前記上塗塗膜が、熱硬化性樹脂からなる硬化膜であることを特徴とするエンボス化粧板。
  2. 前記マット透明層の光沢値と、前記マット着色層の光沢値に差があることを特徴とする請求項1に記載のエンボス化粧板。
  3. 前記マット透明層と、前記マット着色層との光沢値の差が5グロス以上であることを特徴とする請求項2に記載のエンボス化粧板。
  4. 前記マット透明層は、平均粒径が2〜10μmのマット材を含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のエンボス化粧板。
  5. 前記マット着色層は、平均粒径が2〜5μmのマット材を含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエンボス化粧板。
  6. 前記マット透明層を形成する塗工液に対する前記マット材の含有率は、5〜10%であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のエンボス化粧板。
  7. 前記マット着色層を形成する塗工液に対する前記マット材の含有率は、10〜20%であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のエンボス化粧板。
  8. 前記マット透明層に含有されているマット材は、シリカ又は、微粒ビーズであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のエンボス化粧板。
  9. 前記マット着色層に含有されているマット材は、シリカであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のエンボス化粧板。
  10. 前記凹凸模様の凹部は、前記マット透明層を形成する塗工液によって被覆されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のエンボス化粧板。
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