JPH07205387A - 艶消し化粧材 - Google Patents

艶消し化粧材

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JPH07205387A
JPH07205387A JP6017758A JP1775894A JPH07205387A JP H07205387 A JPH07205387 A JP H07205387A JP 6017758 A JP6017758 A JP 6017758A JP 1775894 A JP1775894 A JP 1775894A JP H07205387 A JPH07205387 A JP H07205387A
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JP
Japan
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matte
ionizing radiation
layer
radiation curable
curable resin
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JP6017758A
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Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光沢が抑えられ、防眩性、透明性に優れ、且
つ耐摩擦性、耐スクラッチ性に優れた艶消し化粧材を提
供する。 【構成】 艶消し化粧材1の表面の艶消し層2を重合性
不飽和結合を有す合成樹脂ビーズの艶消し剤6と電離放
射線硬化性樹脂とを主体に構成する。電離放射線照射に
よる艶消し層の硬化形成時に、合成樹脂ビーズの重合性
不飽和結合と電離放射線硬化性樹脂の重合性不飽和結合
とが有機結合して合成樹脂ビーズと電離放射線硬化性樹
脂との強固な結合が得られる結果、艶消し層の厚みより
大なる粒径の合成樹脂ビーズを用いる場合においても耐
摩擦性、耐スクラッチ性が優れる。また、合成樹脂ビー
ズと電離放射線硬化性樹脂との屈折率差を零又は小さく
すると透明性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、艶消し化粧材に関し、
光沢が抑えられ、防眩性、透明性に優れ、且つ耐摩擦性
及び耐スクラッチ性に優れた艶消し化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種化粧材において表面の耐摩擦
性や塗装感の向上手段として化粧材の表面に紫外線や電
子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂からなる層を設け
た化粧材が使われている。これらの電離放射線硬化性樹
脂を表面に用いた化粧材は、溶剤乾燥型の樹脂層を設け
たものに比べ、無溶剤での加工が可能で対環境面で優れ
ているのみならず、光沢感、塗装感に富んだ意匠表現が
可能で、且つ樹脂表面を極めて硬質にできるため耐摩擦
性に優れた化粧材が得られるという優れた利点がある。
しかし、光沢感は用途によっては好まれるが、係る化粧
材表面の平面性が高すぎると鏡面反射のため見る角度に
よっては下地の模様が見えず邪魔になることもある。こ
のため、光沢感を抑えた艶消しの化粧板も望まれ、艶消
し剤を表面の樹脂層に混入した化粧板も作られてきた。
このような目的で従来使用される艶消し剤は、例えば粒
径が0.1〜10μm程度の炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、シリカ、アルミナ、ガラスバルーン、ポリエチレ
ンビーズ等の微粉末であった。
【0003】ところが、艶消し剤を用いると表面の樹脂
層の透明性が低下して若干白化した様になりやすく、下
地の化粧模様がぼやけた感じになったり、樹脂層の厚み
むらがあると白さのムラとなって見えてしまう等の欠点
があった。また、艶消し剤を添加する表面の樹脂に電離
放射線硬化性樹脂を用いると表面硬度が高く耐摩擦性に
優れた物性が得られるが、以上のような従来の艶消し剤
を使用した化粧材では、引っかき傷が付きやすく耐スク
ラッチが十分に得られなかった。それは表面の樹脂層に
埋め込まれた艶消し剤と樹脂層との結合が強固でない為
にスクラッチにより艶消し剤が樹脂層から脱落するため
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような欠点を解
消し、耐摩擦性等の電離放射線硬化性樹脂の優れた性能
を充分に生かしつつ、艶消し効果があり且つ耐スクラッ
チ性、透明性にも優れた表面層とすることにより、従来
にない極めて優れた表面物性、及び意匠感を表現できる
化粧材が望まれており、これらを実現することが本発明
の課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の化粧板で
は、上記課題を解決し目的を達成するために、化粧基材
の少なくとも片面に艶消し層が積層された艶消し化粧材
において、艶消し層が重合性不飽和結合を有する合成樹
脂ビーズの艶消し剤と電離放射線硬化性樹脂を主体とす
る組成物の電離放射線による硬化反応にて形成されてお
り、艶消し剤と電離放射線硬化性樹脂とが、艶消し剤が
含有する重合性不飽和結合と電離放射線硬化性樹脂が含
有する重合性不飽和結合との反応による有機結合により
結合されていることを特徴とする艶消し化粧材としたも
のである。また、艶消し層の層厚よりも大きい粒径の微
粒子を含有する艶消し剤であることを特徴とする艶消し
化粧材としたものでもある。
【0006】以下、図面に従って本発明を詳述する。図
2は本発明に係る艶消し化粧材の一実施例を示す縦断面
図である。本発明に係る艶消し化粧材1は化粧基材3の
少なくとも片面に艶消し層2を積層した構成であり、図
2では化粧基材3の上面に艶消し層2を設けた構成であ
る。化粧基材3は、通常は図1のようにプラスチック、
フィルム、紙、金属箔、木材等の基材5に印刷等による
絵柄の化粧層4を設けたものである。化粧基材3は基材
自身が有している模様を生かした突板のような天然木材
そのものであってもよく、この場合には化粧層4は無く
てもよい。また、化粧基材は不透明、半透明、又は透明
のいずれであってもよく、特に限定されるものではな
い。以下、各層について詳細に説明する。
【0007】艶消し層2は重合性不飽和結合を有する合
成樹脂ビーズを艶消し剤として使用した電離放射線硬化
性樹脂からなり、当該艶消し剤と電離放射線硬化性樹脂
を主体とする組成物の電離放射線による硬化反応にて形
成されたものである。本発明は用いる艶消し剤に特徴が
あり、艶消し剤たる合成樹脂ビーズの少なくとも表面に
重合性不飽和結合を有したものである。このため、前記
硬化反応の際に、合成樹脂ビーズの重合性不飽和結合が
電離放射線硬化性樹脂の不飽和結合と有機結合反応を起
こし、合成樹脂ビーズと電離放射線硬化性樹脂との強固
な結合が得られることになる。係る重合性不飽和結合を
有する合成樹脂ビーズを得るには、例えば、カルボキシ
ル基、水酸基、アミノ基等の活性水素を有する官能基を
持つビニルモノマーをコモノマーとして、懸濁重合を行
って樹脂ビーズを得て、この樹脂ビーズに対して、樹脂
ビーズが含有する前記官能基と反応性を有する、例えば
イソシアネート基、エポキシ基等の官能基を持つビニル
モノマー、あるいはγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤等
とを反応させる方法が挙げられる。また、室温以上に融
点がある室温で固体の電離放射線硬化性樹脂の組成物を
非溶媒中で加熱溶融して、混合攪拌して未硬化の電離放
射線硬化性樹脂の粒子を作り、次いでこれに紫外線を照
射して半硬化状態にまで適度な架橋反応を起こさせて重
合性不飽和結合を有する樹脂ビーズとする方法が挙げら
れる。あるいは、通常の樹脂ビーズに重合性不飽和結合
を有するアクリル酸、メタクリル酸等のモノマー、オリ
ゴマーを吸収、膨潤させて、これらを樹脂ビーズのマト
リックス中に保持させた形態とした重合性不飽和結合を
有する樹脂ビーズとする方法等も挙げられる。このよう
な重合性不飽和結合有する合成樹脂ビーズを形成する樹
脂として電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、追っ
て述べる合成樹脂ビーズとともに艶消し層の形成に使用
する電離放射線硬化性樹脂に用いられるもののうち、ア
クリロイル基、メタクリロイル基等の重合性不飽和結合
を有するものを使用することが出来る。
【0008】また、合成樹脂ビーズの粒径は0.5〜1
00μm程度、好ましくは3〜50μmの範囲が良く、
3μm未満であると耐スクラッチ性が低下し、50μm
を越えると十分な艶消し効果が得られない。あるいは、
合成樹脂ビーズの粒径に、艶消し層の層厚よりも大きい
微粒子を使用する時は、追って述べる艶消層の層厚との
関係で係る粒径を選定する。この場合、使用する合成樹
脂ビーズの微粒子の全てが層厚よりも大きい粒径である
必要はない。層厚よりも大きい粒径の微粒子を含んでい
ればよい。合成樹脂ビーズの配合量は、電離放射線硬化
性樹脂に対して5〜30wt%程度が好ましい。5wt
%未満であると十分な艶消し効果が得られず、30wt
%を越えると耐スクラッチ性が低下し好ましくない。
【0009】また、本発明では艶消し剤に無機微粉末で
なく、艶消し層2の主体を成す樹脂と同じ樹脂製の艶消
し剤を用いているために、係る合成樹脂ビーズの屈折率
は電離放射線硬化性樹脂の屈折率と近くなり、且つ双方
の樹脂を適宜選択することにより、屈折率を同一又は極
めて近い値にすることが可能となる。その結果、艶消し
層2の透明性を得ることができる。合成樹脂ビーズと電
離放射線硬化性樹脂の屈折率差は、通常0.05以下に
すると好ましい透明性が得られる。
【0010】艶消し層2に用いる電離放射線硬化性樹脂
としては、例えば、分子中に複数のアクリロイル基、メ
タクリロイル基等の重合性不飽和結合またはエポキシ基
を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又は単量体を
適宜混合した組成物を用いることができる。
【0011】前記プレポリマー、オリゴマーとしては、
例えば、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物
等の不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリエステ
ルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリ
オールメタクリレート、メラミンメタクリレート、シリ
コンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステ
ルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアク
リレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアク
リレート、メラミンアクリレート、シリコンアクリレー
ト等のアクリレート類等があげられる。
【0012】また、前記単量体としては、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アク
リル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アク
リル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル
酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等の
メタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−
ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N、N
−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N
−ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−
(N、N−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸−2−
(N、N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和酸の置
換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタ
クリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド等の単官能の
単量体、エチレングリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコ
ールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、プロピ
レングリコールジメタクリレート等の2官能の単量体、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等
の3官能以上の単量体等の多官能性化合物、あるいは分
子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合
物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレ
ート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、
ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等が挙げら
れる。
【0013】なお、ここで電離放射線とは電磁波又は荷
電粒子線のうち分子を重合架橋し得るエネルギー量子を
有するものを意味し、通常は紫外線、電子線が用いられ
る。特に、紫外線によって硬化させる場合には、前記電
離放射線硬化性樹脂の組成物に光重合開始剤として、ア
セトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイ
ルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメ
チルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類、及
び/又は光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチル
アミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用い
ることもできる。
【0014】以上のプレポリマー、オリゴマー、単量体
を必要に応じて1種もしくは2種以上と、艶消し剤、さ
らに必要に応じて光重合開始剤、光増感剤、溶剤等を混
合した組成物を調整して艶消し層塗液として使用する
が、塗液に通常の塗工適性を付与するために、前記プレ
ポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記単量体及
び/又はポリチオールを95重量%以下とすることが好
ましい。
【0015】単量体の選定に際しては、耐摩擦性、耐ス
クラッチ性、及び合成樹脂ビーズの多孔質構造内への進
入のし易さの点から、エポシキアクリレート、ウレタン
アクリレート、シリコンアクリレート等を用い、塗工適
性上支障の無い範囲で単量体の量を多めにし、また3官
能以上のアクリレート系単量体を用いて高架橋密度とす
ることが好ましい。単官能の単量体、2,3官能以上の
多官能の単量体の混合比を適宜選択して粘度、塗工適
性、硬化物の物性を調整する。また、電離放射線による
硬化に支障を来さない範囲で、他の添加剤、例えば、電
離放射線の照射前の硬化防止のためのハイドロキノンモ
ノメチルエーテル等の重合禁止剤、あるいは、ウレタン
樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ブチラール樹
脂等の電離放射線非硬化性の熱可塑性樹脂、シリコーン
やポリエチレンワックス等の滑剤等を配合してもよい。
【0016】艶消し層2の形成は、上記した組成物から
なる艶消し層塗液を公知の塗工方法によって塗工すれば
よい。例えば、ロールコート、カーテンフローコート、
ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコー
ト、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キ
スコート、ブレードコート、スムーズコート、コンマコ
ート、刷毛塗り、スプレーコート等の方法を用いる。ま
た、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット
印刷等の公知の印刷方法によって、艶消し層2を部分的
に形成し模様状とすることもできる。
【0017】艶消し層2の厚みは、用途、深み等の表現
する意匠感、物性等より適宜選択すればよいが、通常3
〜50μm程度であり、好ましくは3〜30μmの範囲
がよい。3μmよりも薄いと耐擦傷性、耐スクラッチ性
等の表面物性が不十分となり、30μmよりも厚いと、
艶消し効果が低下し、また硬化にも時間を要すと共に樹
脂量も増え不経済である。なお、ここで、艶消し剤の粒
径が艶消し層の厚み(以下、「層厚」とする。)よりも
大きい場合の意味、及び層厚の意味について明確にして
おく。本来、艶消し剤は艶消し層に含まれる物質である
ので、層厚の概念は当然に艶消し剤を含めて厚みを捉え
れるべきものであり、艶消し剤の粒径未満の層厚はあり
得ない。しかし、ここでの層厚とは、図3に例示する如
く、艶消し層2を平面的に且つ粒径オーダーでミクロ的
に観察した場合に、艶消し剤の微粒子6が少なくとも表
面近傍に存在しないミクロ的な部分の層厚が、艶消し剤
の微粒子が表面近傍に存在するミクロ的な部分よりも凹
であった場合に、その凹部を形成する前記粒径未満の部
分の厚みを層厚とする。また、艶消し層2に含まれる艶
消し剤の微粒子6のいずれの粒径も層厚よりも相対的に
小さい場合には、上記のようにミクロ的な厚みで捉え
ず、それら表面の凸部及び凹部を含めたミクロ的な全て
の厚みの平均として通常のようにに捉えれば良い。
【0018】ここで、本発明の艶消し化粧材の特徴の一
つに、図3に例示するような艶消し剤の微粒子の粒径が
層厚よりも相対的に大とする仕様がある。この場合、艶
消し層の表面微小凹凸形状は、艶消し剤の微粒子の形状
をかなり反映したものとなり、格別顕著な微小凹凸を形
成できものである。従来より、このような微粒子の粒径
を層厚よりも大とする仕様は、理論的形態的には作りう
るものであった。しかし、微粒子を艶消し層に固定する
固着力が不足し、耐擦傷性、耐スクラッチ性にも優れた
艶消し層は得られなかった。ところが、本発明では、特
定の性質の樹脂ビーズを艶消し剤に用いることで、前記
固着力を確実なものとして、耐擦傷性、耐スクラッチ性
に優れた実用的な艶消し層が得られるものである。
【0019】化粧基材3は、通常はプラスチック、フィ
ルム、紙、金属箔、木材等の基材5に公知の技術で絵柄
を印刷して化粧層4としたものである。化粧基材3は突
板のような天然木材そのものであってもよく、この場合
には化粧層4は無くてもよい。また、化粧基材は不透
明、半透明、又は透明のいずれであってもよく、用途に
応じて適宜選択し、特に限定されるものではない。基材
5としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル
系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸
メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、トリアセ
チルセルロース、セロハン、ポリカーボネート等の樹脂
のフィルム又はシート、あるいは薄葉紙、クラフト紙、
チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、
コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメン
ト紙、パラフィン紙等の紙、あるいはアルミニウム、
鉄、ステンレス、銅等の金属箔、木材単板、木材合板、
パーチクルボード、MDF(中密度繊維板)、突板等の
木材、あるいはガラス繊維、合成繊維等による布又は不
織布、あるいは石膏スレート板、コンクリート板、陶器
等のセラミック板、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の樹脂
板、FRP板、あるいはこれらの複合物、樹脂成形品
等、特に限定されるものではない。
【0020】化粧層4は、前記基材5に公知の方法によ
って絵柄等を印刷法などにより形成したものであり、基
材5の材質及び、上層となる艶消し層との関連におい
て、適宜選択した公知の印刷インキにより形成すればよ
い。このようなインキとしては、例えばビヒクルに必要
に応じて、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安
定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものを用
いる。ビヒクルとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、電離放射線硬化性樹脂等の中から、用途、必要な物
性、印刷適性等に応じて適宜選択したものを用いる。印
刷は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリー
ン印刷等の公知の印刷手段を用いる。なお、化粧層3と
基材5の間、化粧層3と艶消し層2の間に、樹脂層やフ
ィルム層などの介在層があってもよい。
【0021】以上のようにして、本発明に係る艶消し化
粧材1が得られる。本発明に係る艶消し化粧材は、フィ
ルム、シート又は紙状、あるいは板状、ブロック状等、
形状は特に形状は限定されず、いずれでもよい。また、
艶消し層2は化粧基材3の両面にあっても良く、さらに
化粧基材3及び化粧層4に透明なものを用いることによ
り、艶消し層2の透明性を生かして一部又は全面が透明
又は着色透明な透明化粧材とすることもできる。
【0022】
【作用】本発明に係る艶消し化粧材は、艶消し層を重合
性不飽和結合を有する合成樹脂ビーズと電離放射線硬化
性樹脂とを主体とする組成物に電離放射線を照射して硬
化反応を起こして形成する。このため、合成樹脂ビーズ
の重合性不飽和結合と電離放射線硬化性樹脂の重合性不
飽和結合が重合反応を起こして有機結合で結ばれ、艶消
し剤が電離放射線硬化性樹脂に強固に結合される。その
結果、表面のスクラッチ等に対しても艶消し剤が艶消し
層から脱落せず、耐スクラッチ性に優れた艶消し化粧材
が得られる。また、艶消し層の厚みに対して相対的に大
きな粒径の樹脂ビーズを用いる場合には、樹脂ビーズが
表面により露出気味になり、顕著な表面の微小凹凸が得
られる。さらに、両者の屈折率差を零又は小さくするこ
とで、従来みられた艶消し剤による不透明感が解消し、
透明性のある艶消し層が得られ、化粧基材の模様を引き
立てる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。配
合中、部とあるのは重量部を意味する。
【0024】《実施例1》基材として厚さ0.15mmの
着色ポリ塩化ビニルフィルムを用い、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体/アクリル樹脂系のインキを用いて木目
の絵柄模様をグラビア印刷により多色刷りして化粧層を
形成し、化粧基材とした。この化粧基材に電離放射線硬
化性性樹脂と合成樹脂ビーズとからなる下記の艶消し塗
液をロールコーターを用いて塗布し、175kV,3M
radの条件で電子線を照射し電離放射線硬化性樹脂を
硬化させて厚さ25μmの艶消し層を形成し、本発明に
係る艶消し化粧材を得た。 艶消し塗液 重合性不飽和結合含有アクリル樹脂ビーズ 5部 (平均粒径μm,最大粒径20μm) ウレタンアクリレートオリゴマー 35部 アクリレートモノマー 15部 溶剤(イソプロピルアルコール/酢酸ブチル=1/1) 45部
【0025】《実施例2》基材として厚さ0.1mm,可
塑剤含有量23phrの着色ポリ塩化ビニルフィルムを
用い、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体/アクリル樹脂
系のインキを用いて木目の絵柄模様をグラビア印刷によ
り多色刷りし、さらにこれに厚さ0.1mm,可塑剤含有
量23phrの透明ポリ塩化ビニルフィルムをダブリン
グエンボス加工により積層して、得られた表面の凹部に
ワイピング加工により導管柄を形成して、着色ポリ塩化
ビニルフィルムの基材上に複層の化粧層を形成した化粧
基材とした。この化粧基材に電離放射線硬化性性樹脂と
合成樹脂ビーズとからなる下記の艶消し塗液をロールコ
ーターを用いて塗布し、20 m/minの送り速度下で高圧
水銀灯(160W/cm,2灯)から紫外線を照射して、電
離放射線硬化性樹脂を硬化させて厚さ15μmの艶消し
層を形成し、本発明に係る艶消し化粧材を得た。 艶消し塗液 重合性不飽和結合含有アクリル樹脂ビーズ 4部 (平均粒径20μm) ウレタンアクリレートオリゴマー 29部 2−エチルヘキシルアクリレート 7部 エチルカルビトールアクリレート 8部 ポリエチレングリコール200ジアクリレート 6部 光開始剤 2部 (チバガイギー社製 イルガキュアー184) 滑剤(メタクリル変性シリコーン) 0.5部 溶剤(イソプロピルアルコール/酢酸ブチル=1/1) 46部
【0026】《比較例1》実施例1において、艶消し剤
として重合性不飽和結合を有しない通常の合成樹脂ビー
ズ(平均粒径8μm,最大粒径20μm)を用いた他
は、実施例1と同様にして艶消し化粧材を得た。
【0027】《比較例2》実施例1において、艶消し剤
としてシリカ微粉末(平均粒径8μm)を用いた他は、
実施例1と同様にして艶消し化粧材を得た。
【0028】《比較例3》実施例2において、艶消し剤
として重合性不飽和結合を有しない通常の合成樹脂ビー
ズ(平均粒径20μm)を用いた他は、実施例2と同様
にして艶消し化粧材を得た。
【0029】得られた艶消し化粧材の表面物性を評価し
たところ表1の様に、本発明に係る艶消し化粧材は優れ
た性能を示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので次のような効果を奏する。艶消し層に重合性不
飽和結合有する合成樹脂ビーズの艶消し剤と電離放射線
硬化性樹脂とを用いるために、艶消し剤が艶消し層に強
固に固定され、耐摩擦性と耐スクラッチ性を両立させつ
つ、表面の光沢を抑え、優れた防眩性が得られる。また
透明性にも優れるので下層の模様が明確に見え、新規な
意匠感の化粧材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の艶消し化粧材の一実施例の縦断面図
【図2】本発明の艶消し化粧材の他の実施例の縦断面図
【図3】本発明の艶消し化粧材の他の実施例の縦断面図
【符号の説明】
1 艶消し化粧材 2 艶消し層 3 化粧基材 4 化粧層 5 基材 6 艶消し剤
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/16 8413−4F 27/20 Z 8413−4F E04F 13/08 A 9127−2E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧基材の少なくとも片面に艶消し層が
    積層された艶消し化粧材において、艶消し層が重合性不
    飽和結合を有する合成樹脂ビーズの艶消し剤と電離放射
    線硬化性樹脂を主体とする組成物の電離放射線による硬
    化反応にて形成されており、艶消し剤と電離放射線硬化
    性樹脂とが、艶消し剤が含有する重合性不飽和結合と電
    離放射線硬化性樹脂が含有する重合性不飽和結合との反
    応による有機結合により結合されていることを特徴とす
    る艶消し化粧材。
  2. 【請求項2】 艶消し層の層厚よりも大きい粒径の微粒
    子を含有する艶消し剤であることを特徴とする請求項1
    記載の艶消し化粧材。
JP6017758A 1994-01-19 1994-01-19 艶消し化粧材 Withdrawn JPH07205387A (ja)

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