JP2005211707A - 硬化性樹脂エンボス化粧板及びその製造方法 - Google Patents

硬化性樹脂エンボス化粧板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂の塗膜にエンボス加工で凹凸模様を賦形しても、製造時や使用時に凹凸模様が平坦化せずその形状の耐久性が良く、また表面の耐久性も良好で、高意匠も可能な化粧板を得る。
【解決手段】基板1上に、好ましくは予め熱硬化性樹脂の下塗塗膜2を塗布形成後、熱硬化性樹脂の上塗塗膜3を不完全硬化状態として塗布形成し、この表面にエンボス版を押圧するエンボス加工で、凹部4bでも上塗塗膜が有限の塗膜厚みtを有する凹凸模様4を賦形し、この後、上塗塗膜等の熱硬化性樹脂を熱により完全硬化させて、熱硬化性樹脂エンボス化粧板10とする。上塗塗膜は着色とし、上塗塗膜の完全硬化前又は後に、凹凸模様の凸部4a上のみに上塗塗膜と別色調のインキ層5を印刷形成するとより高意匠となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂の塗膜にエンボス加工によって凹凸模様が賦形された化粧板と、その製造方法に関する。
凹凸模様による表面凹凸意匠を有する化粧板とその製造方法としては、各種形態が従来知られている。例えば、次の(1)〜(4)等の形態である。
(1)金属等からなる基板を用い、樹脂皮膜に凹凸模様を賦形する場合、従来は熱可塑性樹脂塗料を用い、それを基板に塗布し、加熱乾燥させ成膜して塗装板とした後、塗膜が熱軟化した状態を維持させ、この塗膜に、ロール表面に凹凸模様を設けたエンボス版(エンボスロール等)を押圧することで、塗膜表面に凹凸模様を賦形して化粧板とする方法。
(2)ポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いた化粧フィルムを(フィルム製膜時、或いは化粧フィルムに加工した後)加熱軟化させ、エンボス版を押圧して、化粧フィルムに凹凸模様を賦形し、これを鋼板等の基板に貼付けて化粧板とする方法。
(3)金属等からなる基板に、塗装(常温硬化型樹脂塗料、熱硬化性樹脂塗料等)を施した塗装板に、エンボス版を押圧して、基板ごと賦形して化粧板とする方法。
(4)基板上にポリエチレン等の熱可塑性樹脂層をエンボス加工時に変形可能な受容層として設けた上で、この上に熱硬化性樹脂塗料を塗布し加熱し完全硬化状態(或いは不完全硬化状態)の塗膜に対して、塗膜表面からエンボス加工で熱可塑性樹脂層にまで至る凹凸模様を賦形して化粧板とする方法(特許文献1)。
(5)シルクスクリーン印刷による盛上げ印刷で、インキの厚みを利用して凹凸模様を賦与させて化粧板とする方法。
特開平11−309807号公報
しかしながら、上記(1)の形態では、金属板等の基板を用い、塗装方式で塗膜を形成させる場合、熱可塑性樹脂(或いは熱軟化性の樹脂)を用いていたが、熱可塑性樹脂で一般的な塩化ビニル樹脂の場合は、塗装板となったときの加工性、エンボス賦形性は良好だが、塗膜中の可塑剤及び燃焼時のダイオキシン発生等の、環境を配慮した製品設計を考慮する必要が有る。
また、上記(2)の熱可塑性樹脂の化粧フィルムを用いた形態でも、熱可塑性樹脂に一般的な塩化ビニル樹脂を用いれば上記(1)と同様の考慮が必要となる。そこで、基板が鋼板の場合等では、熱可塑性樹脂にオレフィン樹脂を用いた化粧フィルムを使用するのが一般的であるが、加工性が悪く、燃焼性試験における着火等の防火性が劣るという問題を解決する必要が有る。
また、上記(1)及び(2)共に、エンボス加工後、再度、加工時、環境下の加熱より、残留応力が解放され凹凸模様が平坦化する傾向があり、また、表面の耐擦傷性等の耐久性も不足気味となる。
また、上記(3)の塗装板を経る形態では、上記(1)及び(2)の課題は解決するが、常温硬化型塗料を採用する場合においては、エンボス版として型紙を使用し、硬化途中で該型紙に施した凹凸模様を賦形し、硬化させる手法が有るが、硬化時間が長い上、また、広い面積にわたって連続した凹凸模様の表現は難しい。一方、熱硬化型塗料を採用する場合においては、加熱乾燥を行う為、未硬化時は塗膜が液状又は粘着状態で有りでエンボス不能であり、また硬化時に於いては硬化皮膜にはエンボスロールでの凹凸模様の賦形は困難であり、十分な形状のものが得られ無い。
また、上記(4)の形態では、上記(1)〜(3)の課題をまとめて解決し、凹凸模様の賦形性、凹凸模様の耐熱堅牢度、難燃性、及び環境安全性を兼備させることを目差すものであったが、現実には、熱硬化性樹脂の塗膜と基板間に介在させる熱可塑性樹脂層は、その上に施す塗膜の硬化時の加熱により、再度、軟化・流動して残留応力を解放し、凹凸模様は平坦化する。また、熱可塑性樹脂層は加熱時の流動性が良すぎて、薄い塗膜が過剰に変形して、硬化性樹脂からなる塗膜にエンボス加工時に亀裂を生じ易い。更に、塗膜を完全硬化させる場合は、該亀裂が更に生じ易い。
また、上記(5)のシルクスクリーン印刷による凹凸模様では、凹凸模様の凹部は印刷面が露出し、凹部は印刷面にする基調塗膜面が露出し凹部の基調色と凸部(凹凸模様)の印刷色とのコントラストが影の様に表現される事で奥行き感の有る意匠を得られるが、木目柄では導管が太くなり、繊細な凹凸感は得られない等、凸部と凹部の境界が不自然に強調されて感じられて粗雑な凹凸意匠感となり、高級感は得られない。
すなわち、本発明の課題は、上記(1)〜(5)の形態に於ける欠点を解消でき、熱硬化性樹脂の塗膜にエンボス加工で凹凸模様を賦形しても、凹凸模様が平坦化せず、また表面の耐久性も良好で、意匠性の高い凹凸模様が得られる様にすることである。
上記課題を解決すべく、本発明の硬化性樹脂エンボス化粧板の製造方法は、基板上に、熱可塑性樹脂層は介さずに、熱硬化性樹脂からなる上塗塗膜を不完全硬化状態として形成した後、該上塗塗膜の表面にエンボス版を押圧するエンボス加工により、凹凸模様の凹部に於いても該上塗塗膜が有限の塗膜厚みを有する凹凸模様を賦形し、この後、少なくとも該上塗塗膜中の熱硬化性樹脂を熱により完全硬化させる様にした。
この様な構成の製造方法とすることで、化粧板表面に耐久性が得られ熱硬化性樹脂を採用しても、エンボス加工による凹凸模様が付与でき、しかも、その凹凸模様の形状の耐久性も得られる。従って、化粧板表面の耐擦傷性等の表面物性の耐久性と、凹凸模様の形状の耐久性の両者を両立させ共に良好にできる。また、凹凸模様のある上塗塗膜は凸部も凹部も連続した層としてあるので、凹部周縁部隆起やエンボス版への塗膜転移を防げる上、凹凸模様の外観上に於いても、凹凸模様による凹凸意匠感に高級感を付与することもできる。
また、本発明の硬化性樹脂エンボス化粧板の製造方法は、上記製造方法に於いて更に、不完全硬化状態の前記上塗塗膜の形成に先立ち、基板上に予め、熱硬化性樹脂からなる下塗塗膜を形成する様にした。
この様な構成の製造方法とすることで、下塗塗膜ではプライマー層として上塗塗膜と基板との密着性向上等が図れる。しかも、下塗塗膜の樹脂は熱可塑性樹脂では無く熱硬化性樹脂である為に、熱可塑性樹脂層を介在させた場合にエンボス加工時の熱で起こる下塗塗膜(熱可塑性樹脂層)の過剰流動性を防げる。この為、該過剰流動性によって、薄い上塗塗膜が過剰に変形して該塗膜に亀裂が生じる事が無い。また、下塗塗膜は熱可塑性樹脂では無く熱硬化性樹脂である為に、化粧板となった後も、使用環境下の熱で凹凸模様の形状が平坦化する事がなく、形状の耐久性も維持できる。
また、本発明の硬化性樹脂エンボス化粧板の製造方法は、上記製造方法に於いて更に、下塗塗膜はプライマー層として形成し且つ上塗塗膜は着色層として形成し、上塗塗膜の熱硬化性樹脂が未だ完全硬化しない間に、上塗塗膜の凹凸模様に於ける凸部上のみに上塗塗膜と別色調のインキ層を形成する様にした。
この様な構成の製造方法とすることで、インキ層で意匠全体の基調色を表現できる上、凹凸模様と同調した柄表現にて高級感が得られる。また、塗装品や化粧フィルムラミネート品等の従来品に似た意匠表現も可能となる。
そして、本発明の硬化性樹脂エンボス化粧板は、基板上に、熱可塑性樹脂層は介さずに、完全硬化した熱硬化性樹脂からなり表面に凹凸模様を有し且つ該凹凸模様の凹部に於いても有限の塗膜厚みを有する上塗塗膜が形成されている構成とした。
この様な構成の化粧板とすることで、化粧板表面の耐擦傷性等の表面物性の耐久性と、凹凸模様の形状の耐久性の両者を両立させ共に良好にできる。また、凹凸模様のある上塗塗膜は凸部も凹部も連続した層としてあるので、凹凸模様による凹凸意匠感に高級感を付与することもできる。
また、本発明の硬化性樹脂エンボス化粧板は、上記構成に於いて更に、上記上塗塗膜が、完全硬化した熱硬化性樹脂からなる下塗塗膜を介して形成されている構成とした。
この様な構成の化粧板とすることで、間に介在する下塗塗膜はプライマー層として機能させて、上塗塗膜と基板との密着性向上が図れる。しかも、上塗塗膜と基板間に介在させる下塗塗膜の樹脂は熱可塑性樹脂ではない為に、熱可塑性樹脂の場合に化粧板使用環境下の熱等で起こる、エンボス時の残留応力の解放による凹凸模様の平坦化が無く、形状に耐久性のある凹凸模様となる。
また、本発明の硬化性樹脂エンボス化粧板は、上記構成に於いて更に、下塗塗膜はプライマー層として形成され且つ上塗塗膜は着色層として形成され、上塗塗膜の凹凸模様に於ける凸部上のみに上塗塗膜とは別色調のインキ層が形成されている構成とした。
この様な構成の化粧板とすることで、インキ層で意匠全体の基調色を表現できる上、凹凸模様と同調した柄表現により、高級感を付与できる。また、従来からある塗装品や化粧フィルムラミネート品に似た意匠表現も可能となる。
(1)本発明によれば、熱硬化性樹脂塗膜による凹凸模様でも、製造過程や使用環境下で凹凸模様が平坦化せず、凹凸模様による凹凸意匠の耐久性が良好で、また、化粧板表面の耐久性も良好で、これらを両立できる。また、高意匠な凹凸模様が可能となる。
(2)また、基板に予め特定の下塗塗膜を設ければ、プライマー層として機能させて上塗塗膜と基板との密着性向上も図れる。しかも、凹凸模様の形状の耐久性も得られる。
(3)また、下塗塗膜はプライマー層、上塗塗膜は着色層として、上塗塗膜の凹凸模様に於ける凸部上のみに上塗塗膜とは別色調のインキ層を設ければ、インキ層で意匠全体の基調色等を表現できる上、凹凸模様と位置同調した絵柄を再現出来、高級感を付与できる。また、従来からある塗装品や化粧フィルムラミネート品に似た意匠表現を、熱硬化性樹脂塗膜でも可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を、説明する。なお、図1は本発明による化粧板の形態例を示す断面図であり、図2は本発明による化粧板の別の形態例を示す断面図である。なお、図1及び図2中の符号は、1は基板、2は下塗塗膜、3は上塗塗膜、4は凹凸模様(このうち4aが凸部、4bが凹部)、5はインキ層、6はオーバーコート層等と呼ばれる最表面の表面保護層である。以下、基板から順に説明する。
〔基板〕
基板1としては、エンボス加工時の熱や、上塗塗膜や下塗塗膜の加熱硬化時の熱に、耐え得る耐熱性を備えるものであれば基本的には特に制限は無く、例えば従来公知の化粧板に於ける各種材料を、用途に応じて適宜採用すれば良い。従って、例えば、基板の材料としては、金属系、無機非金属系(セラミック系、非セラミックス窯業系等)が代表的であるが、この他、木質系、耐熱性が許せば樹脂系等でも良い。また、基板はこれらの混合系、積層物等の複合系等でも良い。なお、基板の形状は、板状が代表的であるが、この他、立体物等でもよい。
基板の材料について具体例を更に挙げれば、金属系では、鉄、銅、アルミニウム等の各種金属が挙げられ、また、無機非金属系の材料としては、例えば、押し出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非セラミックス窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス系材料等が挙げられる。なお、木質系の材料としては、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる、単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等の木質材料が挙げられる。また、耐熱性を期待できる樹脂系としては、例えば、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、硝子繊維等の各種繊維との複合物である繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。
これら基板のなかで、金属板等は好ましい基板の一例であるが、金属板としては、例えば、軟鋼板、電鋳鉄箔、ステンレス鋼板、アルミニウム板、ジュラルミン板、銅板等の板材、或いはこれらに亜鉛、錫、鉛、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル等の一種又は二種以上をめっきしたもの等が挙げられる。二種以上のめっきは、例えば、鉄と亜鉛の合金めっき、アルミニウムと亜鉛の合金めっき等がある。この様な金属板の具体例としては、例えば、電気亜鉛めっき鋼板、合金溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミ合金溶融亜鉛めっき鋼板、合金電気めっき鋼板、制振鋼板等が挙げられる。これら金属板はの厚みは用途によるが、例えば0.3〜2.0mm程度で、具体例を挙げれば、0.4mm、0.5mm、0.6mm等である。
〔下塗塗膜〕
下塗塗膜2は、基板1に上塗塗膜3を施す前に予め形成し、基板1と上塗塗膜間に介在させる層である。本発明では、基板と上塗塗膜間に樹脂層を介在させる場合に於いて、熱可塑性樹脂の層としてでは無く、この下塗塗膜2を熱硬化性樹脂の通常は完全硬化状態の層として形成しておく。また下塗塗膜はその密着性向上等の目的から厚みが通常最大でも10μm程度でもあるので、下塗塗膜をエンボスの受容層としては機能させる事が出来ないが、その代わりに、基板と上塗塗膜間に熱可塑性樹脂層を介在させてこれをエンボスの受容層とする構成に対して、エンボス加工で形成する凹凸模様は、その形状の耐久性が良好となる。
下塗塗膜2は、好ましくは設ける層であるが、代表的にはプライマー層として機能させて上塗塗膜と基板との密着性向上等の目的の為に設ける。通常、下塗塗膜には着色剤は無添加だが、着色剤を添加して下塗塗膜を着色層として形成しても良い。
この様な下塗塗膜に用いる塗料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂からなる公知の硬化性塗料を、用途等に応じて適宜採用することができる。特に、代表的には、スルホン酸塩系の硬化触媒を用いた不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。
なお、下塗塗膜を着色層として機能させる為には、顔料、染料等の着色剤を添加して、着色すれば良い。着色剤としては、公知の着色剤、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、黄鉛、酸化クロム、群青、メタリック顔料、パール顔料等を用いることができる。
下塗塗膜の形成は、塗工法や印刷法等の公知の形成方法で形成すれば良い。塗工法としては、例えば、ロールコート、フローコート、スプレーコート等、印刷法としては、例えば、グラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷等である。なお、下塗塗膜の厚みは、用途に応じた適宜厚みとすれば良く、例えば、1〜10μm程度である。
〔上塗塗膜〕
上塗塗膜3は、その塗膜にエンボス加工によって凹凸模様が賦形される層である。本発明は、上記した下塗塗膜を設ける場合でも、該下塗塗膜は、エンボス加工時の熱及び応力で流動しない程度に硬化させ、この硬化状態の下塗塗膜の上に、上塗塗膜を形成してエンボス加工することにより、エンボス時の上塗塗膜の過剰な変形による亀裂発生等を解消し、また、その代わり上塗塗膜の厚みを凹凸模様の凹部での深さ(凸部と凹部との高低差)よりも大とし、上塗塗膜は不完全硬化状態としておけば、支障無く凹凸模様をエンボス加工で賦形すること可能であると判明して、本発明に至ったものである。
なお、本発明で不完全硬化状態とは、硬化反応の進行度が0%超過且つ100%未満の状態であり、更に尚且つ、(エンボス版に上塗塗膜が取られない様に)指触乾燥状態を呈する状態を意味する。
そして、上塗塗膜はエンボス加工後、その不完全硬化状態を完全硬化状態にまで硬化させることで、化粧板使用時に於いて、凹凸模様の形状の耐久性と共に、化粧板表面の耐擦傷性等の表面物性の耐久性も得られ、これらを良好な性能で両立できる事になる。
この様な上塗塗膜に用いる塗料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂からなる公知の硬化性塗料を、用途等に応じて適宜採用することができる。特に、代表的には、スルホン酸塩系の硬化触媒を用いた不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。また、上塗塗膜に好適なエンボス加工適性を付与するには、平均分子量が約7000〜10000のポリエステル樹脂とメラミン樹脂とからなる熱硬化性のポリエステル樹脂系塗料を使用する事が望ましい。該平均分子量がこの範囲を外れるとエンボス加工時に硬過ぎたり軟らか過ぎたりしてエンボス加工適性が低下する。さらに、この塗料は130〜170℃の間で硬化反応を開始する物が良い。硬化反応開始温度がこの範囲を外れると、エンボス加工時に硬過ぎたり軟らか過ぎたりしてエンボス加工適性が低下する。また、上塗塗膜と下塗塗膜の樹脂は同種、異種のいずれでも良いが、同じ樹脂系を選ぶ方が相互の密着性の点では好ましい。
なお、塗膜中の固形分(顔料等の添加量)量により固化塗膜の形成速度が異なり、固形分が少ない方が固化塗膜形成は比較的早くなる傾向が有る。この場合、硬化を遅らせる物質(例えば、塩基性触媒等)を添加する事で固化塗膜の形成を遅らせる事が出来る。
上塗塗膜は、表現する意匠により、不透明或いは透明、着色或いは無着色のいずれでも良い。また、後述インキ層を設けない場合、或いはインキ層を設ける場合でも透明で上塗塗膜の色調が反映される場合では、通常、上塗塗膜は着色層として形成して意匠全体の基調色を表現する。
なかでも、インキ層を設ける場合に、インキ層は着色層として、この上塗塗膜もインキ層とは別色調の着色層として設ける形態は、意匠表現上、好ましい形態の一つである。なお、上塗塗膜を着色するには、公知の着色剤を適宜使用することができる。公知の着色剤としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、黄鉛、酸化クロム、群青、メタリック顔料、パール顔料等を用いることができる。
上塗塗膜の形成は、塗工法や印刷法等の公知の形成方法で形成すれば良い。塗工法としては、例えば、ロールコート、フローコート、スプレーコート等、印刷法としては、例えば、グラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷等である。
なお、上塗塗膜の厚みは、エンボス加工で形成する凹凸模様の凹部の深さ(凸部と凹部の高低差)よりも大きな厚みとすれば良い。従って、上塗塗膜の厚みは、凹部の深さにもよるが、例えば10〜50μm程度である。
そして、上塗塗膜を塗工等によって基板上に施した後、塗膜面が濡れている場合は、適宜加熱し乾燥することで、指触乾燥状態とし、しかも、エンボス加工時の熱で過剰に流動しない様に硬化状態を不完全硬化状態とする。不完全硬化状態は例えば、塗膜中の溶剤が揮散し、塗膜表面の硬化反応が開始され、塗膜内部は硬化反応に入った直後の状態が好ましい。また、塗膜表面については、塗膜硬化反応が起こっていない状態では、塗膜表面の粘着性が強く、エンボス版に塗膜が転移し、外観不良となる。また塗膜内部まで反応が極度に進んだ場合は塗膜に柔軟性が無くなり、エンボス版で加圧するも、凹凸模様は賦形賦形されない。
〔エンボス加工〕
上記の様な不完全硬化状態とした熱硬化性樹脂からなる上塗塗膜の表面に、エンボス加工で凹凸模様を賦形するには、公知のエンボス版を用いた方法で良い。この際、エンボス版としては、平版のものでも良いが、ロール状のもの、つまりエンボスロールの方が連続生産性、及び広い面積にわたって連続した凹凸模様を賦形できる点で好ましい。また、エンボス加工時の温度条件は、不完全硬化状態とした上塗塗膜の、樹脂組成や硬化の進行度等による柔軟性、賦形する凹凸模様の凹部深さ等にもよるが、例えば、エンボス版に実用的なエンボスロールを用いる場合で、凹凸模様を賦形するのに適した賦形直前の上塗塗膜の温度を、120〜130℃程度とするのが望ましい。上塗塗膜の温度がこの温度範囲より低くなると、熱による上塗塗膜の軟化度合いが低下し、柔軟性が低下する為にエンボス版で加圧しても、凹凸模様が賦形され難くなる。また、上塗塗膜の温度がこの温度範囲よりも高くなると、今度は硬化反応の進みすぎてこれにより上塗塗膜の軟化度合いが低下し、柔軟性が低下する為にエンボス版で加圧しても、凹凸模様が賦形され難くなる。
また、エンボスロールで連続的に上塗塗膜に凹凸模様を賦形し続ける事で、エンボスロールが加熱状態の上塗塗膜によって熱を帯び、エンボスロール温度が約100℃を超えると、上塗塗膜表面のエンボスロールによる冷却効果が低下し、該塗膜表面の冷却による粘着性低下が少なくなる為、場合によってはエンボスロールに塗膜が転移し、外観不良となることがある。そこで、この様な場合には、エンボスロールの蓄熱を押える為、エンボスロールの内部に冷却水を循環し、更に該ロール表面に冷水を掛ける等してエンボスロールの温度上昇を抑制する事が好ましい。この温度上昇抑制によって、上塗塗膜をエンボスロールに転移させずに、上塗塗膜に凹凸模様を安定的に連続して賦形させることができる。
賦形する凹凸模様は、エンボス版(ロール状、平板状等)に於いて、その版面上での凸状模様の高さ(=化粧材に於ける凹凸模様4の凸部4aと凹部4bとの高低差=凹部の深さ。図1参照。)やその凸状模様の模様自体により、凹凸模様を適宜な意匠にすることができる。該凸状模様の高さ、意匠にもよるが、相応の凹凸感を得るには、賦形する凹凸模様はその凹部の深さが20〜30μmが良い。20μmよりも浅いと凹凸感が少なくなり、また30μm超過となると、凹部での塗膜厚み分もあるので、上塗塗膜厚み全体が厚くなり、コスト増等の問題が生じ易くなる。更に、上塗塗膜の厚みは、凹部での厚みtを、有限の厚み、つまり最低限ゼロ超過とし、より好ましくは、該凹部の深さの1/3以上は非賦形部として残しておくのが、下地を確実に上塗塗膜で覆うことで、耐食性、耐薬品性等の表面性能を維持出来る点で好ましい。なお、凹部厚みの上限は特に無いが、その分、凹凸模様を表現するに関与しない部分の上塗塗膜の厚みが増して、コスト増となるので、上記の様な表面性能、或いは凹凸感等の意匠性等の要求特性に応じて適宜な厚みに抑えるのが好ましい。
また、凹部での厚みtを有限の厚み、より好ましくは凹部深さの1/3以上とする事により、エンボス版で上塗塗膜に凹部を圧入形成する際、エンボス版の圧入で排除された部分の上塗塗膜の樹脂が圧縮されて凹部形状が受容されたり、或いは、周囲に均一に上塗塗膜の樹脂が流出したりすることを助ける。これにより、排除された樹脂の逃げが不完全となって、凹部周縁で上塗塗膜表面が隆起する現象を防止することができる。また、凹凸模様の凸部への上塗塗膜の樹脂の無理な移行も防止できる。この様な、エンボス加工適性の点では、上塗塗膜の凹部の厚みは10μm以上確保しておくのが好ましい。
また、凹部の深さが同じでも、凹部での上塗塗膜の厚みt=0であると、該厚みt>0の場合に比べて、凹部で排除された上塗塗膜の樹脂が、凹部周縁部で隆起し、凹部の形状が崩れる。また、厚みtが0(ゼロ)に近づくにつれて、凹部での上塗塗膜は実際には薄膜となり、一部は基板上に残留するが、その一部はエンボス版の凸部に移行して版汚れとなる上、この現象は再現性が無く不安定で、化粧板の外観不良につがなる。
一方、凸部の天面の面積が広い凹凸模様は、天面の表面に更に細かな凹凸を付ける事で、エンボス版を上塗塗膜に圧着時の版離れを良くする事が出来る。
なお、凹凸模様4の模様としては、木目模様(導管溝、年輪、髄線等)、石目模様(花崗岩の劈開面等)、布目模様、皮目模様、タイル貼り模様(目地溝を含む)、煉瓦積模様(目地溝を含む)、砂目模様、梨地模様、光線彫模様、幾何学模様、文字、図形、規則的模様、抽象柄模様等、要求される意匠により適宜模様とすれば良い。
〔インキ層〕
図1(B)に例示する化粧材10の如く、インキ層5を、上塗塗膜3に賦形された凹凸模様4に於ける凸部4a上(天面)のみに設けると、より一層意匠性を高められる。インキ層を凸部上のみに選択的に形成するには、グラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写印刷、或いはロールコート等の公知の印刷法乃至は塗工法を適宜選択すればよい。なお、本発明の説明にて、「凸部上のみ」とは厳密な意味では無く、凹部の一部にインキ層が形成されていても良い。例えば、凸部上から凹部の一部にまでインキ層のインキが流れ込むこともあり、また意匠表現上、意識的にインキを凹部の一部にまで流し込ませることもある。この様な場合も含めて凸部と凹部との両方を含めた全表面の意味の対語として「凸部上のみ」と表現したものである。なお、意匠表現上の例示としては、凸部上のみのインキ層として、凸部上のインキ層の色調と、凹部で見える上塗塗膜の色調との色差が大きいと、柄が抜けた様な感じになり意匠感が低下することがあるために、あえて凹部の一部までインキが入り込む様に形成する等である。
インキ層を設ける時期は、エンボス加工後、上塗塗膜の熱硬化性樹脂を、完全硬化させる前でも、完全硬化させた後でも、どちらでも良い。但し、更にインキ層の上に、オーバーコート層等として熱硬化性樹脂の表面保護層を設ける場合等も含めて、最後に複数の不完全硬化状態の各層をまとめて完全硬化させるのであれば、完全硬化前にインキ層は形成するのが、硬化工程数の省略、層間密着性等の点で好ましい。
インキ層5は、その非形成部分である凹部と外観が視覚的に異なって見える様に形成するものであり、その為には色彩或いは表面艶等を前記凹部と異なるものとする。最も一般的には、インキ層は着色層として形成することで、凹凸模様に同調した柄を表現し、これにより、意匠性に高級感を付与できる。また、塗装品や化粧フィルムラミネート品等の従来品に似た意匠表現も可能となる。更に、インキ層の色調は、上塗塗膜を着色層として設ける場合、該上塗塗膜の色調とは異なる色調とした構成は好ましい一構成である。この構成により、上塗塗膜の凹部で透視される上塗塗膜の色調と、それとは異なる色調のインキ層とにより、凹凸模様に同調した色柄模様とすることができ、高級感を付与できる。この場合、通常面積的に凹部よりも大となる凸部上のインキ層の色調が、基調色を表現することになる。
インキ層の形成に用いるインキは、公知のインキを適宜採用すれば良く、そのバインダー樹脂としては、例えば、上塗塗膜で列記した様な、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂は表面物性等の点で好ましい。また、インキの着色剤としては、公知の着色剤、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、黄鉛、酸化クロム、群青、メタリック顔料、パール顔料等を用いることができる。
〔その他〕
本発明では、上記した層以外に、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、適宜その他の層を追加しても良い。例えば、最表面にオーバーコート層(或いはオーバープリント層)等と呼ばれる表面保護層の追加である。
すなわち、表面保護層で言えば、凹凸模様の賦形後、或いはインキ層も設ける場合は該インキ層の形成後、必要に応じ、透明塗料を更に施して、凹凸模様やインキ層の上に、透明な表面保護層6を設けることで(図2参照)、上塗塗膜やインキ層を被覆して保護し、耐汚染性、耐候性、耐薬品性等の機能性を、より向上させる事が出来る。もちろん、表面保護層は上塗塗膜表面を(間にインキ層が有る場合はインキ層を間に挾んで)凹部も含めて全面にわたって被覆する。また、表面保護層には、熱硬化性樹脂が前記機能性の点で好ましい。熱硬化性樹脂は、公知の樹脂を適宜採用すれば良く、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等を用いることができる。また、表面保護層にはその透明性を損なわ無い範囲内で、シリカ微粒子等の公知の艶消剤を添加して適度な艶に調整しても良いし、また公知の着色剤で適宜の色調に着色しても良い。着色で上塗塗膜を視覚上着色することもできる。また、必要に応じその他の公知の添加剤等を、適宜添加しても良い。例えば、銀イオン担持ゼオライト粒子等の抗菌剤等である。
表面保護層の形成は、塗工法や印刷法等の公知の形成方法で形成すれば良い。塗工法としては、例えば、ロールコート、フローコート、スプレーコート等、印刷法としては、例えば、グラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、等である。そして、熱硬化性樹脂の表面保護層は、塗料を施した後、例えば200℃以上の温度で焼付け乾燥させて完全硬化状態の塗膜として形成する。なお、表面保護層の厚みは、用途に応じた適宜厚みとすれば良く、1〜50μm程度だが、通常は1〜10μm程度である。また、表面保護層の厚みが厚くなるほど、表面保護層の下となる凹凸模様は内部凹凸模様として感じられ、内部凹凸模様の意匠にも出来る。なお、表面保護層で凹凸模様の凹凸形状を完全に埋め尽くしても良い(内部凹凸模様となる)。また、厚みは図2の如く全面(ほぼ)均一でも良いし、特に(着色した場合には)凸部よりも凹部により多量に流込み、充填して凹部を相対的に凸部より濃色としても良い。
なお、上記した各層の形成プロセスは、例えば、下塗塗膜の塗布、上塗塗膜の塗布、エンボス加工、インキ層の印刷、表面保護層の塗布、及び適宜時期に行う塗膜の焼付け乾燥による完全硬化も含めた、最初から最後までの全プロセスを、インラインで一環して行うことができる。或いはまた、下塗塗膜の塗布、上塗塗膜の塗布、エンボス加工、次いで、焼付け乾燥による、上塗塗膜或いは更に下塗塗膜の完全硬化までを、インランイで行った後、別ラインで、インキ層の印刷、表面保護層の塗布、これらの焼付け乾燥による完全硬化を行っても良い。なお、焼付け乾燥は例えば200℃以上の温度で行う。また、硬化や乾燥の為の加熱方式としては、熱風加熱、遠赤外線加熱等、公知の適宜加熱方式で行う。
〔用途〕
本発明による化粧板の用途は、特に制限されるものではない。用途に応じた基板の材質や形状、その他構成を採用することで、各種用途に使用し得る。例えば、壁面、天井等の建築物の内外装材、自動車、電車、航空機、船舶等の乗物内装材、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、電気製品等のキャビネット等である。なかでも特に、塩化ビニル樹脂系の塗料や樹脂フィルムを基板に施した化粧板の従来用途は、環境配慮型製品として好適な用途である。
以下、実施例により本発明を更に詳述する。
〔実施例1〕(単色仕様)
図2(A)の断面図に示す様な化粧板10を次の様にして作製した。先ず、基板1として厚み0.6mmの電気亜鉛めっき系鋼板に、熱硬化性ポリエステル樹脂系プライマーをロールコートして厚み3μmの下塗塗膜2を塗布後、加熱乾燥した(樹脂は不完全硬化状態)。次いで、平均分子量8000のポリエステル樹脂を用いた熱硬化性ポリエステル樹脂系着色塗料(弁柄を主体とする顔料を添加して褐色に着色)を、カーテンフローコータにより、乾燥時厚み40μmとなる様に塗布後、塗膜温度140℃で加熱乾燥し、塗膜を不完全硬化状態とした上塗塗膜3を形成した。
上記加熱乾燥に引き続きインラインで、金属ロール表面に凸状の柄模様を施したエンボスロールを上塗塗膜の表面から押圧して、上塗塗膜の表面に凹凸模様4を賦形した。凹凸模様4は、上塗塗膜の厚みが凸部で40μm、凹部で10μm、凸部と凹部との高低差が30μmの木目板表面の導管模様である。この際、エンボスロールの温度が上昇すると、賦形時に上塗塗膜がエンボスロールに取られる為、エンボスロール内部に冷却水を循環し、更にエンボスロール表面に冷水をかけて冷却して、エンボスロールの温度が100℃以上にならない様に調整した。
更に、耐汚染性や耐候性等をより向上させる為に、エンボス加工に引き続きインラインで、凹凸模様が施された上塗塗膜の表面全面にグラビアオフセット印刷にて、熱硬化性ポリエステル樹脂系の透明塗料を厚さ2μmとなる様に施し透明な表面保護層6を形成した。そして、最後にインラインで塗膜温度200℃で焼付け乾燥・硬化を行い、各層の熱硬化性樹脂を完全硬化させて、所望の硬化性樹脂エンボス化粧板を得た。
〔実施例2〕(柄付仕様)
図2(B)の断面図に示す様な化粧板10を次の様にして作製した。先ず、基板1として厚み0.6mmの電気亜鉛めっき系鋼板に、熱硬化性ポリエステル樹脂系プライマーをロールコートして厚み5μmの下塗塗膜2を塗布後、加熱乾燥した(樹脂は不完全硬化状態)。次いで、平均分子量8000のポリエステル樹脂を用いた熱硬化性ポリエステル樹脂系の黒色塗料(カーボンブラックを添加し黒色に着色)をカーテンフローコータにより、乾燥時厚み40μmとなる様に塗布後、塗膜温度145℃で加熱乾燥し、塗膜を不完全硬化状態させて上塗塗膜3を形成した。
上記加熱乾燥に引き続きインラインで、金属ロールに凸状の柄模様を施したエンボスロールを上塗塗膜の表面から押圧して、上塗塗膜の表面に凹凸模様4を賦形した。凹凸模様4は、上塗塗膜の厚みが凸部で40μm、凹部で10μm、凸部と凹部との高低差が30μmの木目板表面の導管模様である。この際、実施例1と同様に、エンボスロールの温度が上昇すると、賦形時に上塗塗膜がエンボスロールに取られる為、エンボスロール内部に冷却水を循環し、更にエンボスロール表面に冷水をかけて冷却して、エンボスロールの温度が100℃以上にならない様に調整した。
更に、エンボス加工に引き続きインラインで、バインダーが熱硬化性ポリエステル樹脂系で、着色剤に黄鉛、弁柄、チタン白を主成分として用いた着色塗料を、凹凸模様が施された上塗塗膜の表面にグラビアオフセット印刷して、凹凸模様の凸部4a上にのみ淡褐色の木目柄となるインキ層5を形成した。
更に、耐汚染性や耐候性等をより向上させる為に、インキ層形成に引き続きインラインで、インキ層が施された上塗塗膜の表面全面にグラビアオフセット印刷にて、熱硬化性アクリル樹脂系の透明塗料を厚さ2μmとなる様に施し透明な表面保護層6を形成した。そして、最後にインラインで塗膜温度200℃で焼付け乾燥・硬化を行い、各層の熱硬化性樹脂を完全硬化させて、所望の硬化性樹脂エンボス化粧板を得た。
本発明による硬化性樹脂エンボス化粧板の形態例を例示する断面図。 本発明による硬化性樹脂エンボス化粧板の別の形態例を例示する断面図。
符号の説明
1 基板
2 下塗塗膜
3 上塗塗膜
4 凹凸模様
4a 凸部
4b 凹部
5 インキ層
6 表面保護層
10 硬化性樹脂化粧板
t 凹部での塗膜厚み

Claims (6)

  1. 基板上に、熱可塑性樹脂層は介さずに、熱硬化性樹脂からなる上塗塗膜を不完全硬化状態として形成した後、該上塗塗膜の表面にエンボス版を押圧するエンボス加工により、凹凸模様の凹部に於いても該上塗塗膜が有限の塗膜厚みを有する凹凸模様を賦形し、この後、少なくとも該上塗塗膜中の熱硬化性樹脂を熱により完全硬化させる、硬化性樹脂エンボス化粧板の製造方法。
  2. 不完全硬化状態の前記上塗塗膜の形成に先立ち、基板上に予め、熱硬化性樹脂からなる下塗塗膜を形成する、請求項1記載の硬化性樹脂エンボス化粧板の製造方法。
  3. 下塗塗膜はプライマー層として形成し且つ上塗塗膜を着色層として形成し、上塗塗膜の熱硬化性樹脂が未だ完全硬化しない間に、上塗塗膜の凹凸模様に於ける凸部上のみに上塗塗膜と別色調のインキ層を形成する、請求項2記載の硬化性樹脂エンボス化粧板の製造方法。
  4. 基板上に、熱可塑性樹脂層は介さずに、完全硬化した熱硬化性樹脂からなり表面に凹凸模様を有し且つ該凹凸模様の凹部に於いても有限の塗膜厚みを有する上塗塗膜が形成されている、硬化性樹脂エンボス化粧板。
  5. 上記上塗塗膜が、完全硬化した熱硬化性樹脂からなる下塗塗膜を介して形成されている、請求項4記載の硬化性樹脂エンボス化粧板。
  6. 下塗塗膜はプライマー層として形成され且つ上塗塗膜は着色層として形成され、上塗塗膜の凹凸模様に於ける凸部上のみに上塗塗膜とは別色調のインキ層が形成されている、請求項5記載の硬化性樹脂エンボス化粧板。
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