JP3757744B2 - 意匠性と耐磨耗性とに優れた塗装金属板 - Google Patents

意匠性と耐磨耗性とに優れた塗装金属板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電や屋内外建材用に使用するのに適した、意匠性、特に透明感と耐摩耗性とに優れた塗装金属板に関する。
【0002】
本発明は特に、ステンレス鋼板の金属光沢外観を生かしたクリア塗装ステンレス鋼板や、ガルバリウムなる商品名で販売されている55質量%のAlを含有するAl−Zn溶融亜鉛めっき鋼板の意匠性のある外観を生かしたクリア塗装鋼板、或いはアルミニウム板の上に連続的な塗装を施した塗装アルミニウム板等への適用が考えられる。また、シャッターのスラット材といった、摺動部材として使用される塗装鋼板への適用も考えられる。
【0003】
【従来の技術】
冷延鋼板やめっき鋼板を使用した製品の組立において、人の目に触れる外板は、耐食性や意匠性の向上を目的として、何らかの塗装が施されて使用されることがほとんどである。
【0004】
そのような塗装は、従来は製品の組立終了後に塗装するアフターコート方式により行ってきたが、最近は予め塗装を施した塗装鋼板(プレコート鋼板)の使用が増加してきている。
【0005】
塗装鋼板の使用割合が増えているのは、(1) 客先の工程省略に役立つ、(2) 脱脂、塗装といった薬品を使用する煩雑な作業を避けることができる、(3) 都会近郊に立地した家電製品工場の場合は、塗装工場を更新しにくい、といった理由によるものである。それらの理由に加えて、最近では(4) 特殊な機能付与が可能、(5) 意匠性付与が可能といった、塗装鋼板の性能向上を狙った積極的な理由も挙げられるようになってきた。
【0006】
その中で、ステンレス鋼板や意匠性に優れためっき鋼板(例えば、55%Al含有Al−Zn合金溶融めっき鋼板) 等は、従来は素材の美麗さを生かすために塗料で着色せずにそのまま使用することが多かったが、より高度の耐食性や耐傷つき性を付与する、耐指紋性(指紋の付着を目立ちにくくする)を付与する、といった要求から、着色顔料を含有させない透明な塗装(クリア塗装) を施す場合も増えている。
【0007】
特開平5−228433号号公報には、成形加工中の塗膜傷つきや塗膜剥離が発生しにくい塗装鋼板として、平均粒径が塗膜厚の1/2 倍で、最大粒径のものが塗膜厚の2倍以下である粉末骨材を塗膜中に分散させた塗装鋼板が開示されている。粉末骨材としては、シリカ粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、マイカ粉末が示されている。
【0008】
確かに、このような骨材の添加により塗膜の耐傷つき性は向上するが、添加する骨材の屈折率と塗膜のバインダー樹脂との屈折率の差が大きすぎるため、塗膜に白濁感が残る。従って、素材の外観が美麗な場合に、その外観を生かすために透明性の高い塗膜を設けようとしても、折角の美しい外観が塗膜により損なわれる結果となる。
【0009】
特開平7−136585号公報には、アクリル樹脂を主体とする最上層の塗膜中に繊維状、粒状および粉状の異なる形状を持つ2種以上の混合骨材を含有させた、耐傷つき性と耐摩耗性に優れた塗装金属板が開示されている。しかし、このようなアクリル樹脂を主体とする塗料では、塗膜が硬すぎて十分な加工性が得られないので、用途が著しく制限される。
【0010】
特開平5−169584号および同5−106057号各公報には、塗装下地による着色のない塗装ステンレス鋼板が開示されている。これらは、高還元率で燐酸イオンを添加したクロメート処理(特開平5−106057号公報)か、またはコロイダルシリカ処理(特開平5−169584号公報)を下地処理として施した後、透明のフッ素樹脂を被覆したものである。
【0011】
フッ素樹脂被覆により優れた耐候性も発現できるが、フッ素樹脂は高価であるので経済性に劣る上、高度な加工性(例えば、0T密着曲げ可能)を発現することは困難である。これは、フッ素樹脂、特にフッ化ビニリデン樹脂の経時的な結晶化に伴う加工性の低下によるものである。結晶化を抑制すべく技術開発が行われてきているが、現状では0T〜2T曲げを確保することは困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
塗装金属板で作られた電機製品や屋内外建材の表面は、金属タワシや磨き砂をつけて掃除されることが多いが、耐摩耗性が不十分であると、その折りに傷がついて、塗膜の透明性や光沢が著しく損なわれる。
【0013】
特に、ステンレス鋼板、アルミニウム板、55%Al−Zn合金溶融めっき鋼板といった金属光沢感の良好な素材にクリア塗装を施して、素材の良好な外観を保持しながら耐傷つき性を向上させた塗装金属板では、塗膜に傷がつくと透明性が損なわれ、意匠性が劣化する。しかし、従来の透明性に優れたクリア塗膜を設けた塗装金属板には、金属タワシや磨き砂での洗浄での傷つきに耐えるものがなく、このような洗浄にも耐えうる耐磨耗性(耐傷つき性)を備えた塗装金属板が求められている。
【0014】
この耐摩耗性に加えて、塗装金属板には高い加工性も求められる。透明性がよく、意匠性の高いクリア塗膜を設けても、塗装鋼金属板の加工性が劣る場合は、家電製品外板としてのデザインや用途が制限されるからである。
【0015】
本発明は、透明性、耐傷つき性、加工性の3つの特性がすべて良好な塗膜を備えた塗装金属板を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、クリア塗装を施した塗装金属板の上塗りまたは下塗りの少なくとも一方の塗膜に樹脂またはガラス製のビーズ等の粒子を含有させると、塗膜の透明性を損なわずにその耐磨耗性(耐傷つき性)が著しく向上することがあることに気づいた。そこで、さらに検討した結果、粒子の粒径と分布密度が適当な範囲内であると、この耐摩耗性の向上が確実に得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
本発明は、
下地処理が施された金属板の少なくとも片面に2層以上の焼付け型塗膜を有する塗装金属板であって、最下層の塗膜はエポキシ、ポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とし、最上層の塗膜はポリエステルおよびウレタンから選んだ選んだ1種以上の樹脂を主成分とし、
(a) 前記最上層の塗膜が、その塗膜厚みht に対して下記(1) 式を満たす粒径Dを持つ、極性表面を有する樹脂粒子およびガラス粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子を含有し、該塗膜中の粒子の平均粒子間距離lm が下記(2) 式を満たすか、
または
(b) 前記最上層より下の1または2以上の下層塗膜が、その塗膜厚みhp に対して下記(1')式を満たす粒径Dを持つ、極性表面を有する樹脂粒子およびガラス粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子を含有し、該塗膜中の粒子の平均粒子間距離lm が下記(2) 式を満たす、
ことを特徴とする、意匠性と耐磨耗性とに優れた塗装金属板である。
【0018】
0.7 <D/ht <2 ・・・ (1)
0.7 <D/hp <4 ・・・ (1')
D<lm <10D ・・・ (2)
D: 粒子粒径、
ht :粒子含有最上層塗膜厚み、
hp :粒子含有下層塗膜厚み、
lm :平均粒子間距離。
【0019】
もちろん、本発明の塗装金属板は、上記(a) と(b) の両方の条件を満たす、即ち、最上層塗膜およびその下の少なくとも1層の下層塗膜の両方がそれぞれ上記(a) および(b) を満たすように前記粒子を含有していてもよい。
【0020】
本発明において、粒子の平均粒子間距離は、粒子−粒子間の平均間隔であり、塗装金属板の試料の厚み方向の断面を電子顕微鏡または光学顕微鏡を使用して長さ1000μmにわたって観察し、観察範囲内のすべての粒子−粒子間の間隔を測定し、その平均値を求めたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の塗装金属板の素材となる金属板は特に制限されるものではないが、好適な素材の例としては、ステンレス鋼板、アルミウム板、各種めっき鋼板が例示される。めっき鋼板は溶融めっき、電気めっき、気相めっきのいずれにより製造したものでもよく、めっき金属種は亜鉛、亜鉛合金、錫、アルミニウム等が代表的である。
【0022】
本発明の塗装金属板では、素材の美麗な外観を生かすことができる透明感に優れたクリア塗膜にして、加工性を低下させずに耐摩耗性を付与することができるので、従来より無塗装で使用されてきたような美麗な外観を持つ素材が好ましい。このような素材としては、ステンレス鋼板、アルミニウム板、および溶融亜鉛系めっき鋼板が挙げられる。
【0023】
ステンレス鋼板としては、SUS 430, SUS 430LX, SUS304等が例示され、表面仕上げ2BまたはBAの光沢品や、研磨等で意匠性を高めたステンレス鋼板が適当である。好ましいアルミニウム板は1100番、3004番、5052番等である。溶融亜鉛系めっき鋼板としては、例えば、美麗なスパングル模様を持つ溶融亜鉛めっき鋼板や溶融Al−Zn合金めっき鋼板が挙げられ、特にAl含有量が55質量%付近のAl−Zn合金鋼板はスパングル模様が美しいため、従来より無塗装で使用されることが多かったので、最適である。
【0024】
このような素材をそのまま使用すると、金属タワシによる洗浄や磨き砂による洗浄で機材表面に簡単に傷がつくため、外観の意匠性 (美麗さ) が低下する。その上、傷つき部には汚れが付着しやすいので、さらに意匠性の低下を招くことになる。
【0025】
これらの素材の外観の意匠性を生かしたい場合、適当な下地処理を施した後、上塗りか下塗りの少なくとも一方に樹脂および/またはガラス製の粒子を含有させたクリア塗装を施して、本発明に従った少なくとも2層の塗膜を形成することにより、加工性と耐摩耗性が良好で透明感に優れたクリア塗膜を有する塗装金属板となるので、意匠性と耐傷つき性を両立させることができる。なお、以下では、下塗りと上塗りの2層の塗膜を形成する場合について主に説明するが、後述するように中塗り塗膜を設けて塗膜を3層またはそれ以上とすることもできる。
【0026】
素材金属板の下地処理としては、クロメート処理が好ましく、作業性の点で塗布型クロメート処理が有利である。但し、電解型や反応型クロメート処理も適用可能である。。金属クロム換算のクロメート付着量は、10〜200 mg/m2 の範囲が好ましい。クロメート付着量があまりに少ないと、塗膜の密着性が十分得られず、過大になると加工性の低下を招くことになる。本発明で使用するのに好適な塗布型クロメート処理液の市販品の1例は、日本ペイント製NRC 300 である。塗布型クロメート処理液は、常法に従ってロールコータ等で塗布し、熱風で50〜150 ℃に加熱して乾燥させることで下地処理を実施すればよい。
【0027】
下塗りと上塗りの各塗膜が実質的に透明であって、素材の外観を生かすためにクロメート皮膜の黄色みを抑制したい場合には、クロム還元率の高いクロメート処理を施せば良い。そのようなクロメート処理液の市販品の1例は、日本ペイント製NRC 500 である。
【0028】
環境問題から6価クロムを使うクロメート処理を実施したくない場合には、クロムフリーの下地処理を施すこともできる。これまでに開発され、あるいは今後開発される適当なクロムフリー下地処理液を利用することができるが、現時点での適当な市販品の1例は、シリカ系下地処理液である日本ペイント製サーフコートである。
【0029】
下塗り塗膜 (3層以上の場合は最下層の塗膜) は、エポキシ、ポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とする焼付け型塗料から形成する。これらの樹脂は、特に金属板のような無機系基体に対して密着性に優れ、加工性も良好な塗膜を形成することができる。使用する塗料は吸い水性系と有機溶剤系のいずれでもよい。
【0030】
エポキシ系塗料は各種のものが市販されており、それらを適当に使用すればよい。例えば、メラミン、アミン、またはイソシアネートを架橋剤として含有するエポキシ系塗料でよい。エポキシ樹脂種としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
【0031】
ポリエステル系塗料は、熱可塑性ポリエステル樹脂にメラミンやイソシアネートを架橋剤として配合して焼付け型としたものが好ましい。ポリエステルとしては、分子量が5千から2万程度のいわゆる高分子量ポリエステル樹脂が、加工性の観点から好適である。架橋剤としては、エチルアルコールやブチルアルコールで変性したメラミンを使用することができ、場合によってパラトルエンスルホン酸やドデシルベンゼンスルホン酸等を触媒として適宜使用する。
【0032】
ウレタン系塗料は、ポリエステルポリオールを黄変型ポリイソシアネートまたは無黄変型ポリイソシアネートで架橋反応させて塗膜を形成する種類の塗料である。架橋剤の例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等が使用できる。この場合も、ジブチル錫ジラウレート(DBTL)等の触媒を適宜使用してもよい。
【0033】
これらのいずれかの塗料 (所望により、2種以上の樹脂種を含有する塗料でもよい) を、下地処理を施した金属板の上に、ロールコータ、スプレーコータ等の適当な塗布装置を使用して塗装し、加熱して塗膜を焼付ける。塗膜厚みは、乾燥膜厚として3〜15μm程度の比較的薄い厚みとすることが好ましい。焼付けは、鋼板の最高到達温度が約と150 〜250 ℃となるように約30〜60秒の焼付けにより行うことができ、従来の熱風吹き付け型オーブンや、誘導加熱、赤外線加熱などの加熱方法が利用できる。
【0034】
上塗り塗膜 (3層以上の場合は最上層の塗膜) は、ポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とする焼付け型塗料から形成する。エポキシ樹脂は、耐候性や加工性が比較的低いので、上塗り塗膜に使用するには適さない。ポリエステルおよびウレタンは、下塗り塗膜に関して上に説明したものと同様でよいが、ウレタンについては無黄変型イソシアネートを用いて架橋させることが好ましい。
【0035】
上塗り塗料も所望により2種以上の樹脂種を含有していてもよい。上塗り塗料の塗装や焼付けは、下塗り塗料について説明したのと同様に実施できる。上塗り塗膜の厚みは、乾燥膜厚で10〜25μmの範囲とすることが好ましい。上塗り塗膜の焼付けは、鋼板の最高到達温度がと150 〜250 ℃となるように約30〜70秒の焼付けで行うことができる。
【0036】
本発明によれば、下塗り塗膜か、上塗り塗膜の少なくとも一方に、樹脂粒子および/またはガラス粒子を含有させる。即ち、使用する塗料にこの粒子を実質的に均一に分散させておく。それにより塗膜に耐摩耗性を付与でき、耐傷つき性に優れた塗装金属板となる。
【0037】
本発明で塗膜中に含有させる樹脂粒子は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のいずれからなるものでもよいが、塗膜中のバインダー樹脂との密着性に優れた、極性表面を有する樹脂粒子がよい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) のような非極性表面を持つ樹脂粒子は、塗膜中のバインダー樹脂との密着性が不十分であり、バインダー樹脂の凝集強度を低下させる。そのため、PTFE粒子の添加により、塗膜表面の摩擦係数は低下できるが、バインダー樹脂の凝集力を低下により耐磨耗性を十分に向上させることできないばかりか、加工性等の低下を生じることがある。樹脂粒子の具体的な樹脂種としては、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、メラミン、ポリアミド等が例示される。
【0038】
樹脂粒子に代えて、または樹脂粒子に加えて、ガラス粒子を使用することもできる。ガラス粒子は一般に極性表面を有しており、塗膜中とバインダー樹脂との密着性は確保できるが、この密着性を改善するため、シランカップリング剤等のカップリング剤で処理して使用することもできる。
【0039】
これらの樹脂またはガラス粒子の形状は、実質的に球形の粒子が (ビーズ) が望ましいが、卵型、楕円体、円筒体、円板体などとすることもできる。粒子の粒径は、全部の粒子が実質的に同一の粒径を持つ粒径の揃ったものでもよく、或いは粒径にある程度のばらつきがあってもよい。
【0040】
粒子の粒径は、塗膜厚みとの関係として、上塗り塗膜に粒子を含有させた場合には下記(1) 式、下塗り塗膜に粒子を含有させた場合には下記(1')式を満たすように選択する:
0.7 <D/ht <2 ・・・ (1)
0.7 <D/hp <4 ・・・ (1')
D: 粒子粒径、
ht :上塗り塗膜の厚み、
hp :下塗り塗膜の厚み。
【0041】
粒子の粒径にバラツキがある場合には、平均粒径をDとする。この平均粒径は体積累積粒度分布曲線の50%の値をとる。
粒子の粒径が、上塗り塗膜では膜厚の2倍、下塗り塗膜では膜厚の4倍を越えると、粒子が塗膜から突出しすぎて、粒子表面のバインダー樹脂と接触面積率が低下するため、外力により粒子が脱落しやすくなる。その結果、例えば、通常の塗装ラインを通板する間の粒子の脱落が目立つようになり、粒子による耐摩耗性の改善効果が不十分となる。また、下塗り塗膜中の粒子については、突出が大きすぎると上塗り塗装の作業がしにくくなる。一方、最上層である上塗り塗膜中の粒子が突出しすぎると、加工中や使用中に外力を受けた時に塗膜から粒子が脱落し易くなるので、耐磨耗性の改善効果が持続しない。
【0042】
粒子の粒径が膜厚の0.7 倍より小さくなると、下塗り塗膜と上塗り塗膜のいずれの場合も、粒子のかなりが塗膜中に埋もれてしまい、目的とする耐磨耗性の向上効果が十分に現れない。
【0043】
粒子の粒径Dは、好ましくは次式を満たすようにする。
上塗り塗膜: 1.0<D/ht <1.2 、
下塗り塗膜: 1.0<D/hp <2.0 。
【0044】
塗膜中の粒子の存在比率は、上塗り塗膜と下塗り塗膜のいずれについても、塗膜中の粒子−粒子間の平均粒子間距離lm が粒子の粒径Dとの関係で下記(2) 式を満たすようにする:
D<lm <10D ・・・ (2)
D: 粒子粒径、
lm :平均粒子間距離。
【0045】
粒子の平均粒子間距離lm が粒子粒径Dの10倍より大きくなるほど、粒子の存在比率が小さいと、粒子の存在による耐摩耗性の改善効果が実質的に得られない。また、上塗り塗膜の場合には、粒子の粒径が大で添加量が少ないと、粒子の偏在が目立ち、ぶつぶつとした外観不良を呈することがある。一方、粒子の平均粒子間距離lm が粒子粒径Dより小さくなるほど、粒子の存在比率が大きいと、塗装金属板の加工性が低下する。粒子の平均粒子間距離lm は、好ましくは次式を満たすようにする。
【0046】
3D<lm <8D
一般に、上の(2) 式を満たすような粒子の配合量の目安は、塗膜中の体積%として、下塗り塗膜の場合は20%以下、上塗り膜の場合は30%以下であり、いずれの塗膜でも5%以上とすることが好ましい。
【0047】
本発明の塗装金属板では、粒子は上塗り塗膜と下塗り塗膜のいずれか一方に含有させただけで、耐摩耗性の改善効果が得られるが、上塗り塗膜と下塗り塗膜の両方に粒子を含有させてもよい。その場合には、各塗膜における粒子の存在比率を本発明の範囲内で少なめにしても十分な効果が得られる。下塗り塗膜だけに粒子を含有させても耐摩耗性改善効果があるのは、下塗り塗膜に粒子が存在して塗膜から突出する個所では、その後に塗装した上塗り塗膜の厚みが薄くなるため、変形しにくく硬さが増すためであると考えられる。
【0048】
通常の塗装金属板では、上述のように上塗りと下塗りの2層の塗膜を形成させるので十分であるが、更に塗装外観の向上や耐磨耗性の向上を目的として、塗膜を3層化し、中塗りを設けることも可能である。中塗り塗膜のバインダー樹脂は上塗り塗膜と同様でよい。この中塗り塗膜にも粒子を含有させることができ、その場合の粒子の粒径Dは、下塗り塗膜の場合と同様にすればよい。即ち、最上層より下の塗膜が2層以上ある場合には、これらには下塗り塗膜について説明したのと同様の粒子粒径を適用する。
【0049】
以上には、本発明の好適態様である各塗膜が着色顔料を含有しないクリア塗膜である場合について説明したが、1または2以上の塗膜に着色顔料を含有させて着色塗装金属板とすることも当然可能である。また、本発明に従った塗膜は、素材の外板となる片面だけに形成すればよいが、所望により素材の両面に形成してもよい。片面だけに形成する場合、未塗装の面は、裸でもよく、或いは下地処理だけを施してもよく、さらには本発明とは異なる塗装を施してもよい。両面に形成する場合、下塗りと上塗りの塗膜の構成は両面で同じにする必要はない。
【0050】
【実施例】
供試材の作成方法
SUS 430(板厚み0.5 mm、No.4表面仕上げ)ステンレス鋼板を素材とし、この素材の片面に、日本ペイント製NRC 300 塗布型クロメート処理液をクロム付着量が30 mg/m2となるようにバーコータで塗布し、最高到達温度が100 ℃となるように約10秒間加熱して、下地のクロメート皮膜を形成した。
【0051】
こうして下地処理を施したステンレス鋼板のクロメート皮膜を形成した面に、下記から選んだ下塗り塗料と上塗り塗料を、それぞれ表1に示す乾燥膜厚になるようにバーコータで塗布し、焼付けを行って、2コート2ベーク方式で塗装ステンレス鋼板を作製した。下塗り塗料と上塗り塗料の一方または両方に、下記に示す球形粒子 (以下、ビーズという) をフィラーとして添加し、ペイントシェーカーを用いて粒子を均質に分散させてから塗布に供した。焼付けには熱風オーブンを使用し、鋼板の最高到達温度は下塗り塗料では210 ℃、上塗り塗料では230 ℃とし、焼付け時間は下塗り塗料では40秒、上塗り塗料では50秒とした。
【0052】
比較のために、上塗り塗料と下塗り塗料のどちらもビーズを含有しないか、ビーズの代わりにシリカをフィラーとして配合した塗装ステンレス鋼板や、塗料中の樹脂種が本発明の範囲外である塗装ステンレス鋼板も同様に作製した。
【0053】
<下塗りクリア塗料>
▲1▼エポキシ系塗料(記号P−E)
日本ペイント製p670(エポキシ系クリア塗料)を使用。
▲2▼ポリエステル系塗料(記号P−P)
東洋紡製バイロン29CS(ポリエステル)と三井サイアナミド製サイメル303(メチルアルコール変性メラミン)とを固形分質量比が8:2になるように混合して得た樹脂液に、触媒としてPTSA (パラトルエンスルホン酸) を樹脂固形分に対して0.3 質量%の量で添加して、クリア塗料を調製した。
▲3▼ウレタン系塗料(記号P−U)
住友バイエルウレタン製アルキノール2013(ポリオール)と同社製イソシアネート(TDI)とを固形分質量比が6:4になるよう混合した樹脂液に、触媒としてDBTDL(ジブチル錫ジラウレート) を樹脂固形分に対して0.1 質量%の量で添加して、クリア塗料を調製した。
【0054】
<上塗りクリア塗料>
▲1▼ポリエステル塗料の調整(記号T−P)
東洋紡製バイロン63CS(ポリエステル)と三井サイアナミド製サイメル303(メチルアルコール変性メラミン)とを固形分質量比が85:15になるように混合した樹脂液に、触媒としてPTSAを樹脂固形分に対して0.3 質量%の量で添加して、クリア塗料を調製した。
▲2▼ウレタン系塗料の調整(記号T−U)
住友バイエルウレタン製アルキノール2013(ポリオール)と同社製無黄変型イソシアネート(HMDI) とを固形分質量比が6:4になるよう混合した樹脂液に、触媒としてDBTDL(ジブチル錫ジラウレート) を樹脂固形分に対して0.1 質量%の量で添加して、クリア塗料を調製した。
▲3▼アクリル系塗料(記号T−A:比較材)
関西ペイント製マジクロンKX(アクリル系クリア塗料)を使用した。
【0055】
Figure 0003757744
評価方法
上記のように作製した各塗装ステンレス鋼板について、加工性と耐傷つき性と外観を次のよにして評価した。その試験結果も表1に併せて示す。
【0056】
▲1▼加工性(折り曲げ性)
サンプルを、塗装面を外側にして、同じ板厚みのステンレス鋼板のサンプル1枚以上を内側に挟むか、挟まずに、万力を用いて23℃で180 °曲げ加工を行い、30倍ルーペを使用して加工部を観察した検査で塗膜に亀裂の生じない最大の板はさみ枚数で評価した。0Tとは、密着曲げ (板挟みなし) でも加工部の塗膜に亀裂が見られないことを意味する。0T〜2Tまでであれば、加工性が良であると判断した。
【0057】
▲2▼耐傷つき性 (乾燥綿布検査)
乾燥綿布をサンプルの塗装面に荷重1kg/cm2 で押しつけて1000回往復運動させた後、塗装面に傷がついたかどうかを肉眼および10倍ルーペで判定して、次のように評価した:
○:10倍ループで傷が見えない、
△:10倍ルーペで傷が見える、
×:肉眼で傷が見える。
【0058】
▲3▼外観(皮膜健全性、透明感)
サンプルの塗装面を肉眼と触診で調査し、ブツブツ感が無いことを確認した場合に皮膜が健全であると判断した。透明度については、色差計 (45°−0°拡散光式) により測定し、素材 (無塗装) のL0 * 値と塗装後の L* 値との差のΔ L* ( = L* −L0 * ) が40以下であるものを良好とした。透明度が低下して塗膜が白っぽくなると、 L* が増大するので、Δ L* も増大する。上記の皮膜健全性と透明度の両方が良好である場合を○、少なくとも一方が不良である場合を×として、外観を判定した。
【0059】
【表1】
Figure 0003757744
表1において、No.1〜2は下塗り塗膜と上塗り塗膜のいずれもフィラーを含有しない比較例、No.3〜16は下塗り塗膜中にビーズ等のフィラーを含有させた例、No. 17〜35は上塗り塗膜中にフィラーを含有させた例、No. 36〜40は両方の塗膜にフィラーを含有させた例である。
【0060】
【発明の効果】
表1からもわかるように、本発明に係る塗装金属板は、加工性と透明性が良好で、耐傷付き性に優れている。そのため、特に外観が美麗な素材にクリア塗装を施して、その耐傷付き性を改善するのに有用である。

Claims (4)

  1. 下地処理が施された金属板の少なくとも片面に2層以上の焼付け型塗膜を有する塗装金属板であって、最下層の塗膜はエポキシ、ポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とし、最上層の塗膜は乾燥膜厚10〜25μmであってポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とし、前記最上層の塗膜が、その塗膜厚みhtに対して下記(1)式を満たす粒径Dを持つ、極性表面を有する樹脂粒子とガラス粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子を含有し、該塗膜中の該粒子の平均粒子間距離lmが下記(2)式を満たし、かつ非極性表面を持つ樹脂粒子を含まないことを特徴とする、意匠性と耐磨耗性とに優れた塗装金属板。
    0.7<D/ht<2 ・・・(1)
    D<lm<10D ・・・ (2)
    D: 粒子粒径
    ht:粒子含有最上層塗膜厚み
    lm:平均粒子間距離
  2. 下地処理が施された金属板の少なくとも片面に2層以上の焼付け型塗膜を有する塗装金属板であって、最下層の塗膜はエポキシ、ポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とし、最上層の塗膜は乾燥膜厚10〜25μmであってポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とし、前記最上層より下の1または2以上の下層塗膜が、その塗膜厚みhpに対して下記(1’)式を満たす粒径Dを持つ、極性表面を有する樹脂粒子とガラス粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子を含有し、該塗膜中の該粒子の平均粒子間距離lmが下記(2)式を満たし、前記最上層の塗膜中には、樹脂粒子およびガラス粒子を含まないことを特徴とする、意匠性と耐磨耗性とに優れた塗装金属板。
    0.7<D/hp<4 ・・・(1’)
    D<lm<10D ・・・ (2)
    D: 粒子粒径
    hp:粒子含有下層塗膜厚み
    lm:平均粒子間距離
  3. 下地処理が施された金属板の少なくとも片面に2層以上の焼付け型塗膜を有する塗装金属板であって、最下層の塗膜はエポキシ、ポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とし、最上層の塗膜は乾燥膜厚10〜25μmであってポリエステルおよびウレタンから選んだ1種以上の樹脂を主成分とし、前記最上層より下の1または2以上の下層塗膜が、その塗膜厚みhpに対して下記(1’)式を満たす粒径Dを持つ、極性表面を有する樹脂粒子とガラス粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子を含有し、該塗膜中の該粒子の平均粒子間距離lmが下記(2)式を満たし、前記最上層の塗膜が、その塗膜厚みhtに対して下記(1’’)式を満たす粒径Dtを持つ、極性表面を有する樹脂粒子とガラス粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子を含有し、該塗膜中の該粒子の平均粒子間距離lmtが下記(2’)式を満たし、かつ非極性表面を持つ樹脂粒子を含まないものであり、該粒子の形状が球形、卵型または楕円体であることを特徴とする、意匠性と耐磨耗性とに優れた塗装金属板。
    0.7<D/hp<4 ・・・(1’)
    D<lm<10D ・・・ (2)
    D: 粒子粒径
    hp:粒子含有下層塗膜厚み
    lm:平均粒子間距離
    0.7<Dt/ht<2・・・(1’’)
    Dt<lmt<10Dt・・・(2’)
    Dt:粒子粒径
    ht:粒子含有下層塗膜厚み
    lmt:平均粒子間距離
  4. 各塗膜がいずれも着色顔料を含有しないクリア塗膜である、請求項1ないし3のいずれかに記載の塗装金属板。
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