JPH11104559A - 凹凸外観を持つ耐汚染性と加工性に優れた塗装金属板およびその製造方法 - Google Patents

凹凸外観を持つ耐汚染性と加工性に優れた塗装金属板およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11104559A
JPH11104559A JP26889097A JP26889097A JPH11104559A JP H11104559 A JPH11104559 A JP H11104559A JP 26889097 A JP26889097 A JP 26889097A JP 26889097 A JP26889097 A JP 26889097A JP H11104559 A JPH11104559 A JP H11104559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
resin
coating
nitrogen concentration
polyester resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26889097A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kanai
洋 金井
Yoshio Kimata
芳夫 木全
Kenji Inada
賢治 稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP26889097A priority Critical patent/JPH11104559A/ja
Publication of JPH11104559A publication Critical patent/JPH11104559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性を付与でき、かつ耐汚染性、耐傷つき
性、耐ブロッキング性を改善する目的で、凹凸のある外
観を持つ塗装金属板を提供する。 【解決手段】 金属板の少なくとも片面に、ポリエステ
ル樹脂をメラミン樹脂で架橋した塗膜を形成した金属板
において、塗膜表面の窒素濃度が塗膜全体の平均窒素濃
度の2倍以上であり、焼き付け時に溶融し、かつ塗膜中
でポリエステル樹脂とは相溶状態にない樹脂ビーズを含
有していることを特徴とする塗膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材用、自動車
用、家電・器物用等に用いられる、凹凸のある外観を持
つ耐汚染性、耐傷つき性、耐ブロッキング性に優れた塗
装金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属板への塗装は、従来金属板を成形加
工した後に行われていた。このいわゆるポストコートの
塗装は、エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装、
或いはこれらの組み合わせ技術で行われ、乾燥後の外観
は、滑らかな凹凸のあるユズ肌状外観となる。この凹凸
のある外観を持つ塗装金属板を提供する技術として特願
平9−98573号、特願平9−28135号等が提案
されている。一方、近年、公害問題の解決、塗装スペー
スの有効活用、コストダウン等の観点から、あらかじめ
金属板に被覆層を設けた塗装金属板が広く用いられるよ
うになっている。塗装金属板は、ロールコーターやカー
テンコーターで塗装され、その表面は平滑であり、美麗
な外観を呈している。塗装金属板には加工性の他、耐汚
染性が要求されることが多く、特開平2−269168
号公報にあるように、特定の樹脂や触媒の組み合わせで
耐汚染性を向上させる方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】塗装金属板の用途が広
がり、また需要量が増えるに従って、問題点も見られる
ようになってきた。その一つは、塗膜の傷つき性であ
る。平滑な塗装金属板の塗膜は、凹凸のあるユズ肌外観
のポストコートの塗膜に比べて小さな傷でも目立ちやす
いという欠点がある。製造時、輸送時、加工成形時の傷
のいずれも、凹凸のある外観のほうが目立ちにくい。ま
た、塗装後の金属板を積み重ねて放置しておいたときに
生じるプレッシャーマークも、平滑な塗装金属板の塗膜
で目立ちやすいことが多い。更に、塗装金属板の適用部
位によっては、むしろ周辺のポストコートされた金属板
との調和が要求される場合もある。本発明は、上述の問
題点を解決するために、滑らかな凹凸のある外観を持つ
塗装金属板を効率よく製造する方法を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、凹凸外観を持
つ塗装金属板であって、金属板の少なくとも片面にポリ
エステル樹脂をメラミン樹脂で架橋した塗膜を形成した
金属板において、塗膜表面の窒素濃度が塗膜全体の平均
窒素濃度の2倍以上であり、塗膜中に焼き付け時に溶融
し、かつ塗膜中でポリエステル樹脂とは相溶状態にない
樹脂ビーズを含有していることを特徴とする塗装金属板
を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、焼き付け時の熱で溶融する樹脂ビーズ
をポリエステル樹脂をメラミン樹脂を反応させる塗膜中
に加えることによって凹凸を持つ外観を発現させるとと
もに、塗膜表面の窒素濃度を高くすることで加工性を落
とさずに耐汚染性、耐傷つき性、耐ブロッキング性を向
上し、かつ凹凸外観を発現しやすく、かつ滑らかなもの
にすることに特徴がある。塗膜表面の窒素濃度は、X線
光電子分光(以下、XPS)で測定する。MgのKα線
を用い、塗膜表面のC、O、Nの濃度をCls、Ol
s、Nlsの各ピーク面積から次式により計算する。 CA =(IA /SA )/Σi (Ii /Si ) ・・・・(1) ここで、CA は元素Aの原子濃度、IA は元素Aのピー
ク面積、SA は元素Aの相対感度係数、Ii は元素iの
ピーク面積、Si は元素iの相対感度係数である。な
お、相対感度係数として、C1sは1.0、O1sは
2.85、N1sは1.77を用いる。
【0006】塗膜の平均の窒素濃度Zは、使用するポリ
エステル樹脂を1〜30μm程度任意の金属板に塗布し
て、最高到達板温230℃で焼き付けた塗膜の表面の窒
素濃度X、使用するメラミン樹脂を1〜30μm程度任
意の金属板に塗布して最高到達板温230℃で焼き付け
た塗膜の表面の窒素濃度Y、塗料中のポリエステル樹脂
量Aとメラミン樹脂量B(いずれも固形分としての値)
を用いて、式(2)によって計算できる。X、Yは、そ
れぞれの塗膜のXPSから前述した式(1)を用いて計
算できる。ポリエステル樹脂や、メラミン樹脂以外の樹
脂を併用した場合にも、同様の考え方で計算可能であ
る。 Z=(A×X+B×Y)/(A+B) ・・・・(2) 塗膜表面の窒素濃度が、この式(2)から計算される塗
膜中の平均の窒素濃度Zの2倍以上であるときに、滑ら
かな凹凸外観、加工性、耐汚染性、耐傷つき性、耐ブロ
ッキング性に優れた塗装金属板が得られる。特に、この
塗膜表面の窒素濃度が15%以上であるときに、凹凸外
観がより少ない樹脂ビーズ量で発現でき、耐汚染性、耐
傷つき性、耐ブロッキング性と高度に並立できる。
【0007】樹脂ビーズは、塗膜の焼き付け過程で溶融
することが必須である。溶融しないと、凹凸が滑らかで
なく、ゴツゴツした感じとなる。通常の塗装金属板の焼
き付け板温は180℃から250℃である。従ってポリ
エステルビーズの融点または変異点は180℃以下であ
ることが望ましい。また、常温では塗料中で固体である
必要があり、ビーズが含有される塗料に溶解しないこと
が必要である。塗料に溶解すると、凹凸は形成されな
い。また、塗料中で液体であると、塗料の攪拌等によっ
て凝集して大きな塊まりとなって塗料中に存在するため
に、凹凸が均一に形成されなくなる。焼き付け時に形成
される凹凸を滑らかにするためには、このビーズの融点
または変異点は60〜180℃であることが望ましい。
融点または変異点が60℃以下のビーズでは、凹凸を生
じにくい。粒径は特に限定されないが、平均粒径が10
μmから80μmであることが望ましい。10μm以下
では凹凸が形成されにくく、80μm以上では凹凸に滑
らかさがなくなる。また、溶融時にも塗料の他の成分と
相溶しないことが凹凸の形成のために必要である。
【0008】樹脂ビーズとしては、公知のものが使用で
き、たとえば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ブチラール
樹脂、あるいはこれらの混合物や共重合物が使用でき
る。樹脂ビーズとしてポリエステル樹脂を用いることが
望ましい。ポリエステル樹脂をメラミン樹脂で硬化する
塗膜中に入れるので、樹脂ビーズがポリエステル樹脂で
あると、ビーズと回りの樹脂の密着性が良い。樹脂ビー
ズの量は特に限定されないが、必要な外観のコスト等を
勘案して決定すればよい。望ましい配合量は、塗膜の固
形分に対して0.2〜30重量%である。塗膜表面の窒
素濃度が塗膜中の平均窒素濃度の2倍よりも少ない時に
比べて、少ない量の樹脂ビーズの添加でも、凹凸外観が
きれいに形成できる。0.2%未満では凹凸部の形成が
不十分となり、30%以上では凹凸の滑らかさがやや悪
くなったり、また、塗膜物性特に加工性が低下すること
がある。
【0009】ポリエステル樹脂としては、公知の樹脂が
使用可能である。数平均分子量が8000以上の樹脂を
用いると特に加工性が良好となる。ガラス転移点も任意
ではあるが、0℃以下であると硬度が不足し、80℃以
上になると加工性が不足する。ポリエステル樹脂は複数
の種類を併用してもよい。また、ウレタン樹脂、アクリ
ル樹脂、フッ素樹脂等他の樹脂と併用する事も可能であ
る。このとき、ポリエステル樹脂と他の樹脂の配合比率
は、50/50(固形分重量比)であることが望まし
い。これよりも他の樹脂の配合量が多くなると、加工性
の確保が難しい。
【0010】メラミン樹脂としては公知の樹脂が使用可
能である。たとえば、メチル化メラミン樹脂、ブチル化
メラミン樹脂、メチル−ブチル混合エーテル化メラミン
樹脂、エチル化メラミン樹脂、エチル−メチル混合メラ
ミン樹脂等である。あるいは、これらを複数の種類併用
してもよい。また、イソシアネート樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂等、他の公知の樹脂を併用してもよ
い。これら架橋剤の、ポリエステル樹脂に対する配合量
は特に限定されない。メラミン樹脂の場合には、ポリエ
ステル樹脂/メラミン樹脂の比率は固形分重量比で95
/5〜60/40が望ましい。95/5よりもメラミン
樹脂が少なくなると、硬度が不足しやすい。また、60
/40よりもメラミン樹脂が多いと、加工性が不足しや
すい。なお、架橋剤としてメラミン樹脂以外のたとえば
イソシアネート樹脂やウレタン樹脂等を併用するときに
は、架橋剤の量はこれらの範囲を外れても加工性が低下
しないことがある。
【0011】硬化促進のための触媒を添加してもよい。
メラミン樹脂の硬化促進に効果のある公知の触媒が使用
可能である。たとえば、ドデシルベンゼンスルフォン
酸、パラトルエンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸
等である。触媒は、塗膜の焼き付け時の温度で揮発する
アミンでブロック(中和)してもよい。アミンとして、
トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、モノエ
タノールアミン、イソプロパノールアミンなどである。
【0012】塗膜表面の窒素濃度が塗膜中の平均窒素濃
度の2倍以上にするための、ポリエステル樹脂、メラミ
ン樹脂、触媒等の組み合わせを選択することが必要であ
る。この方法は特に限定されない。たとえば、ポリエス
テル樹脂よりも表面自由エネルギーが低いメラミン樹脂
を用いると、塗膜表面に塗膜の硬化過程でメラミン樹脂
が濃化し、塗膜表面の窒素濃度が上がりやすい。また、
水酸基価が小さいポリエステル樹脂と、メチル化メラミ
ン樹脂、アミンでブロックした酸触媒を用いると、やは
り塗膜表面に塗膜の硬化過程でメラミン樹脂が濃化し、
塗膜表面の窒素濃度が上がりやすい。このとき、ポリエ
ステル樹脂の水酸基価は40mgKOH/g以下である
こと、メラミン樹脂中の官能基にしめるメトキシ基の割
合が80%以上であることが望ましい。ブチル化メラミ
ン樹脂とメチル化メラミン樹脂を併用すると、特に効果
が大きい。
【0013】金属板としては、たとえば鋼板、アルミ
板、ステンレス板、チタン板、銅板等が挙げられる。こ
のうち鋼板の例として、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛めっ
き鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼
板、亜鉛−アルミ合金めっき鋼板、アルミめっき鋼板、
クロムめっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、亜鉛−ニッケ
ル合金めっき鋼板、すずめっき鋼板等が挙げられる。次
いで、金属板には必要に応じて前処理を施すことができ
る。前処理としては、水洗、湯洗、酸洗、アルカリ脱
脂、研削、研磨、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、複
合酸化皮膜処理等があり、これらを単独または組み合わ
せて塗装前処理を行う。塗装前処理の条件は適宜選択す
ればよい。
【0014】次いで必要に応じて、下塗り塗料を金属板
上に塗布し、硬化乾燥させることにより下塗り塗膜層を
形成することができる。下塗り塗料としては、種類は特
に限定されないが、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂
系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系等があり、これを
ロールコーター、カーテンフローコーター、ローラーカ
ーテンコーター、静電塗装機、ハケ、ブレードコータ
ー、ダイコーター等で必要な膜厚になるように塗装し、
次いで常温放置であるいは熱風炉、誘導加熱炉、近赤外
線炉、遠赤外線炉、エネルギー線硬化炉等で硬化乾燥す
ることによって下塗り塗膜層が得られる。下塗り塗膜層
には必要に応じて公知の顔料や添加剤を加えることがで
きる。膜厚は任意であるが、塗装金属板においては1〜
30μm程度、特に3〜12μmの乾燥膜厚が一般的で
ある。乾燥条件は塗料の内容と得たい性能に応じて適宜
選択すればよいが、熱風炉や誘導加熱炉、近赤外線炉等
で最高到達板温150〜240℃、到達時間10〜20
0秒程度の条件が一般的である。下塗り塗膜層はなくて
もよいし、1層であっても、多層であっても差し支えな
い。
【0015】最後に、表面に出る凹凸外観を発現する塗
料によって被覆層(上塗り塗膜層)を形成する。塗料内
容の詳細はすでに述べた通りである。この塗料を、ロー
ルコーター、カーテンフローコーター、ローラーカーテ
ンコーター、静電塗装機、ハケ、ブレードコーター、ダ
イコーター等で必要な膜厚になるように塗装し、次いで
熱風炉、誘導加熱炉、近赤外線炉、遠赤外線炉等で、樹
脂ビーズの軟化点以上の温度で硬化乾燥することによっ
て(樹脂Bは焼付け過程で溶融状態となる)上塗り塗膜
層を形成する。塗膜層の厚みは特に限定されるものでは
ないが、乾燥膜厚として5〜40μmで製造すればよ
い。
【0016】塗料の色は特に限定されない。クリアーで
もよい。また、下塗り、上塗り塗料ともに必要に応じて
消泡剤、レベリング剤等の添加剤や、体質顔料、着色顔
料、防錆顔料等の公知の顔料、キシレン、シクロヘキサ
ノン、ソルベッソ150、ブチルセロソルブ等の公知の
溶剤等を加えることができる。また、ポリエステル樹脂
やメラミン樹脂が水系樹脂の場合には、水やブチルセロ
ソルブ等の水に混ざる溶剤を加えることが可能である。
塗膜表面の光沢を、シリカやウイスカー等の顔料や添加
剤等を加えて調整してもよい。また、この凹凸を持つ塗
膜の上にさらに、塗膜を塗り重ねることも可能である。
たとえば、クリアー塗膜を塗り重ねて光沢の向上をはか
る、保護層とする、別の機能を付与する等が考えられ
る。また、色のついたエナメル塗膜を塗り重ねても良
い。また、滑らかな凹凸を持つ塗膜を重ねて形成しても
よい。
【0017】なお、本発明は、これまでに提案されてい
る樹脂ビーズによる凹凸外観の形成技術に比べて、ビー
ズの配合量が少なくても、凹凸外観が形成しやすいこと
も特徴である。樹脂ビーズが配合されると、ロールコー
ターで塗布したときに、塗膜に線状の欠陥やスケ等が発
生しやすくなり、また、カーテンコーターで塗布したと
きにも、ブツのような欠陥や泡による欠陥が発生しやす
くなるため、樹脂ビーズの配合量は極力少なくすること
が求められており、この要求に応えられる技術である。
【0018】
【実施例】本発明の塗装金属板の実施例を説明する。厚
み0.6mmの溶融亜鉛めっき鋼板に塗装前処理用の塗
布型クロメート処理を施し(Crとして50mg/m2
の付着量)、下塗りとして市販のポリエステル樹脂系プ
ライマー塗料(日本ペイント製P185)を乾燥膜厚が
5μmとなるようにロールコーターで塗布したのち、高
周波誘導加熱炉で最高到達板温215℃となるように焼
き付けた。使用した上塗り塗料の内容は以下の通りであ
る。樹脂として表1に示す高分子ポリエステル樹脂を用
いた。メラミン樹脂として、表2に示すものを用いた。
ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の配合比は表4及び表
5に示す通りである。顔料としてチタン白を用い、顔料
重量濃度が48%となるように塗料を調合した。触媒は
必要に応じてドデシルベンゼンスルフォン酸を、樹脂固
形分に対して1%加えた。また、アミンとしてジメチル
アミノエタノールをドデシルベンゼンスルフォン酸の酸
当量に対してアミン当量として1.25倍の量を加え
た。塗料の内容は表3にまとめた。ついで表4及び表5
の塗料をプライマーを塗布・焼き付けしてある鋼板上
に、ロールコーターで塗布し、高周波誘導加熱炉で最高
到達板温230℃となるように焼き付けた。上塗り塗膜
の乾燥膜厚は15μmとした。得られた塗装鋼板の表面
の光沢は約80〜85であった。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】樹脂ビーズとしては、表3に示すポリエス
テル樹脂ビーズを用いた。いずれも結晶性を持ち、示差
走査熱量測定(DSC)によって0℃から250℃まで
測定したときに、結晶の融解による明確なピークまたは
ショルダーが観察された。ここでは、この明確なピーク
またはショルダーが観察されることをもって、結晶性を
持つと判断する表3には、このピークまたはショルダー
の位置を融点として示した。樹脂ビーズの粒径は、分級
によって変化させた。塗装金属板は、その外観と20℃
における折り曲げ加工性を評価した。滑らかな凹凸外観
が得られている場合は、◎とし、凹凸外観が得られてい
ない場合には×とした。また、凹凸があるが滑らかでな
い場合、凹凸感に乏しい場合は◎から減点し、良いほう
から順に〇、△と評価した。〇または◎の場合に、滑ら
かな凹凸感がある、と評価した。なお、「滑らかな凹凸
感」はいわゆるユズ肌といわれるような外観である。塗
膜表面の窒素濃度は、前述の方法で測定した。実施例を
示す表4及び表5には、塗膜表面の窒素濃度と平均の窒
素濃度の比、および塗膜表面の窒素濃度を示した。
【0025】20℃における折り曲げ加工性は、塗装金
属板を所定の枚数の板(塗装金属板と同じ厚みの板)を
挟んで180曲げ(T折り曲げ)し、加工を受けた塗膜
を観察して割れの程度を評価した。7点は割れなし、1
点は全面に大きな亀裂を生じる場合で、その間を程度に
応じて点数化した。なお、加工性は樹脂ビーズの配合さ
れていない元の塗料の性能に依存しており、各樹脂系に
よってレベルが異なる。加工性は、樹脂ビーズの配合に
よって加工性のレベルが元の塗料から大きく劣化するか
どうかを見るために評価した。耐汚染性は黒色の油性イ
ンキで塗膜に線を引き、24時間室温で放置した後にエ
タノールでふき取り、油性インキの線のあとの残り方を
目視で評価した。5点は、跡残りなし、1点はインキが
ほとんどふき取れないで残る、と評価し、その間を程度
に応じて点数化した。
【0026】耐ブロッキング性は、30℃の雰囲気中
で、200×300mmに切断した塗装金属板を塗膜面
同志が重なるようにして置き、その上にさらに同じ大き
さの板を20枚重ねて置いて、24時間放置した後に、
塗膜面同志を重ねておいた板を手ではがすことによって
評価した。このとき、同じ塗膜同志を重ねる試験と、一
方の塗膜面は当実施例に示す塗膜、もう一方の塗膜は、
プレコート鋼板の裏面用に用いるサービスコートの塗膜
とした。サービスコート用の塗膜は、日本ペイント製オ
ルガ100(グレー色、光沢50)を乾燥膜厚7μmと
なるようにロールコーターで塗装し、乾燥板温215℃
で焼き付け、さらに乾燥板温230℃で焼き付けたもの
を使用した場合の、2種類の試験を行った。前者の試験
(同じ塗膜同志を重ねる試験)では主に塗膜同志が密着
してはがしにくくないかどうかを調べた。塗膜面同志が
密着してはがしにくい場合は×、塗膜面同志が密着せず
に簡単にはがれる場合は〇、若干密着してややはがしに
くい場合は△と評価した。また、後者の試験(当実施例
による塗膜とサービスコートの塗膜を重ねる試験)で
は、主に当実施例に示す塗膜に部分的あるいは全面的な
光沢や外観の変化がないかどうかを評価した。これは、
板を重ねることによる圧力で、塗膜外観が変化しにくい
かどうかを調べる試験である。さらに、板同志を重ねた
後の放置時間を240時間に延長して同様の試験を行っ
た。
【0027】耐傷つき性は、はがきを指で塗膜表面に荷
重約5kgで押し当てて、塗膜表面上を10回往復させ
て擦った後の、塗膜表面の傷付き具合を目視で判定し
た。傷が目立つ場合は×、傷がほとんど見えない場合を
〇、若干の傷が見える場合を△と評価した。各塗装金属
板の性能を表4及び表5に示した。本発明の範囲にある
例は、滑らかな凹凸外観を持ち、また樹脂ビーズの添加
量が少なくても凹凸外観が得られやすく、耐汚染性、耐
傷つき性、耐ブロッキング性が良好で、加工性のレベル
が元の塗料から大きく低下していないことがわかる。ま
た、耐傷つき性や耐ブロッキング性にも優れていた。こ
れに対し、比較例では凹凸がない、或いは少ない、また
凹凸に滑らかさが不足している、耐汚染性が悪い、滑ら
かな凹凸外観を得るために樹脂ビーズをより多く配合す
る必要がある等の欠点がある。
【0028】次に、この塗料の塗装作業性の試験をロー
ルコーターとローラーカーテンコーターで行った。ポリ
エステル樹脂P1、メラミン樹脂M1、メラミン樹脂B
1を70/15/15(固形分重量比)で配合し、触媒
としてドデシルベンゼンスルフォン酸を樹脂固形分に対
して1%、ジメチルアミノエタノールをドデシルベンゼ
ンスルフォン酸の酸当量1に対して塩基当量が1となる
重量の1.25倍を加えた塗料を用意した。この塗料
に、樹脂ビーズ2を0.1%、0.3%、1%、10%
加えた塗料で塗装作業性の試験を行った。ロールコータ
ーとしては、2本ロールのリバースロールコーターと、
ローラーカーテンコーターを用いた。塗装後、最高到達
板温が230℃となるように焼き付け、冷却した後に、
塗装板を10倍ルーペで観察した。評点は、1m2 の板
を10枚観察し、1枚当たりの平均の欠陥の数を評価し
た。対象とする欠陥は、樹脂ビーズを配合した影響と思
われる、線状のヘコミ、泡、ブツ、スケとした。評点
は、◎:0.1個未満、〇:0.1から0.5個未満、
△:0.5から1個未満、×:1個以上、とした。その
結果、いずれのコーターでも、樹脂ビーズの添加量が少
ないほど、欠陥の発生が少なかった(表6)。樹脂ビー
ズの配合量は、できるだけ少ないことが望ましく、その
点でも、樹脂ビーズの配合量が少なくても性能が発揮で
きる本発明の有効性が確認された。
【0029】
【表6】
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、金属板の少なくとも
片面に、ポリエステル樹脂をメラミン樹脂で架橋した塗
膜を形成した金属板において、塗膜表面の窒素濃度が塗
膜全体の平均窒素濃度の2倍以上であり、焼き付け時に
溶融し、かつ塗膜中でポリエステル樹脂とは相溶状態に
ない樹脂ビーズを含有している塗膜を形成することで、
凹凸のある外観を持つ塗装金属板を効率よく提供でき
る。意匠性の付与、耐汚染性、耐傷つき性、耐ブロッキ
ング性の向上等がはかれる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の少なくとも片面に、ポリエステ
    ル樹脂をメラミン樹脂で架橋した塗膜を形成した金属板
    において、塗膜表面の窒素濃度が塗膜全体の平均窒素濃
    度の2倍以上であり、焼き付け時に溶融し、かつ塗膜中
    でポリエステル樹脂とは相溶状態にない樹脂ビーズを含
    有していることを特徴とする凹凸外観を持つ耐汚染性、
    耐傷つき性、耐ブロッキング性、加工性に優れた塗装金
    属板。
  2. 【請求項2】 樹脂ビーズがポリエステルビーズであ
    り、かつ結晶性を持つことを特徴とする請求項1に記載
    の塗装金属板。
  3. 【請求項3】 塗膜表面の窒素濃度が、15%以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の塗装金属
    板。
JP26889097A 1997-10-01 1997-10-01 凹凸外観を持つ耐汚染性と加工性に優れた塗装金属板およびその製造方法 Pending JPH11104559A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26889097A JPH11104559A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 凹凸外観を持つ耐汚染性と加工性に優れた塗装金属板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26889097A JPH11104559A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 凹凸外観を持つ耐汚染性と加工性に優れた塗装金属板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11104559A true JPH11104559A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17464698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26889097A Pending JPH11104559A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 凹凸外観を持つ耐汚染性と加工性に優れた塗装金属板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11104559A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008078562A1 (ja) * 2006-12-26 2008-07-03 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho プレコート金属板およびプレコート金属板の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008078562A1 (ja) * 2006-12-26 2008-07-03 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho プレコート金属板およびプレコート金属板の製造方法
KR101069025B1 (ko) 2006-12-26 2011-09-29 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 프리코팅 금속판 및 프리코팅 금속판의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101394998B (zh) 涂层钢板及其制造方法、加工品和薄型电视机用面板
JPH0539443A (ja) ちぢみ塗料組成物
JP4757564B2 (ja) プレコート金属板とその製造方法,及び塗装金属成形物
JP4873974B2 (ja) プレコート金属板及びその製造方法
JP3347657B2 (ja) 屋外用途向けプレコート金属板
JP2001335738A (ja) 塗装金属板とそのための塗料組成物
JP5163274B2 (ja) プレコート金属板及びその製造方法
JPH11104559A (ja) 凹凸外観を持つ耐汚染性と加工性に優れた塗装金属板およびその製造方法
JP4201904B2 (ja) 成形加工性に優れた1コートプレコート鋼板及びその製造方法
JP4324093B2 (ja) 加工性と耐汚染性に優れたプレコート金属板及びその製造方法
JPH11104558A (ja) 凹凸外観を持つ耐汚染性、耐傷つき性、耐ブロッキング性に優れた塗装金属板
JPH11104557A (ja) 凹凸外観を持つ耐汚染性、耐傷つき性、耐ブロッキング性に優れた塗装金属板
JP3757744B2 (ja) 意匠性と耐磨耗性とに優れた塗装金属板
JP2000265282A (ja) 塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板
JP2001003181A (ja) 塗膜密着性と加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい塗装鋼板
JP4085400B2 (ja) 滑らかな凹凸のある外観を持つ塗装金属板及びその製造方法
JPH08267662A (ja) 成形加工後に最終塗装を施して使用される成形加工性および鮮映性に優れたプレコート鋼板
JPH11207249A (ja) 滑らかな凹凸のある外観を持つ塗装金属板の製造方法
JP2000282258A (ja) 成形加工性に優れた1コートプレコート鋼板及びその製造方法
JP3254121B2 (ja) ユズ肌外観を持つ塗装金属板
JP2000017223A (ja) フッ素樹脂系塗料及び塗装金属板
JPH01304934A (ja) 鮮映性に優れたプレコートメタル
JP4704246B2 (ja) 加工性と耐傷付き性に優れた塗装金属板
JPH07313929A (ja) プレコートメタルとそのロール塗装方法
JP3207755B2 (ja) ユズ肌外観を持つ塗装金属板

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041005

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041203

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050215

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Effective date: 20050413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050622

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050722