JPH08267662A - 成形加工後に最終塗装を施して使用される成形加工性および鮮映性に優れたプレコート鋼板 - Google Patents

成形加工後に最終塗装を施して使用される成形加工性および鮮映性に優れたプレコート鋼板

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JPH08267662A
JPH08267662A JP3742296A JP3742296A JPH08267662A JP H08267662 A JPH08267662 A JP H08267662A JP 3742296 A JP3742296 A JP 3742296A JP 3742296 A JP3742296 A JP 3742296A JP H08267662 A JPH08267662 A JP H08267662A
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coating
steel sheet
film
coating film
weight
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JP3742296A
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Keiji Yoshida
啓二 吉田
Yasuhide Yoshida
安秀 吉田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形加工後に最終塗装を施して使用されるこ
とにより、ポストコート法と同等の塗膜性能が得られ、
しかも成形加工性にも優れたプレコート鋼板を提供する
こと 【構成】 めっき面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1
〜0.8で且つ片面当りのめっき目付量が10g/m2
以上の亜鉛系めっき鋼板のめっき面に化成処理皮膜を形
成し、その上層に防錆顔料を樹脂成分100重量部に対
して10〜70重量部含有する膜厚5μm以上のプライ
マー層を形成し、さらにその上層に塗膜表面の動摩擦係
数が0.06〜0.14のポリエステル系塗膜を形成し
たプレコート鋼板であり、特に高度な成形加工性や塗膜
性能が要求される家電製品や自動車等の用途において、
従来のような煩雑な塗装工程を経ることなく、優れた塗
膜性能を有する塗装部材を容易に製造することができる
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた成形加工性と塗膜
外観が求められる用途、とりわけ自動車用として好適な
プレコート鋼板に関するもので、より詳細には、成形加
工後に最終塗装して使用され、その際に優れた成形加工
性、層間塗膜密着性及び塗膜外観を示すプレコート鋼板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、めっき鋼板に塗装を施した製品を
得るには、めっき鋼板等の表面処理鋼板を成形加工した
後に塗装を施す方法が採られてきた。この方法は、成形
加工後に塗装されるためポストコート法と呼ばれてい
る。しかし、このポストコート法では成型加工後の容積
のある筐体に対して化成処理、塗装を施すため、環境対
策も含めた大掛かりな設備が必要であり、この点が特に
家電分野等において大きな問題となっていた。また、自
動車部材の用途においても、表面処理鋼板を成形加工
後、電着塗装、中塗り及び上塗りを施すために塗装工程
が極めて複雑且つ煩雑であり、また、設備面においても
上記と同様の問題があった。これに対して、コイル状や
シート状の鋼板またはめっき鋼板に塗装を施した所謂プ
レコート鋼板は、これを成形加工するだけで製品とする
ことができ、ポストコート法のような煩雑な塗装工程が
必要ないため、現在では家電製品や内装材の用途で広く
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在用
いられているプレコート鋼板は、例えば冷蔵庫の扉等の
用途において要求される高品位で且つ高い鮮映性と厳し
い加工に耐え得る成形加工性を同時に満足させるもので
はなかった。また、自動車部材の用途においても、同部
材に要求されるような高度な塗膜外観や耐久性を満足さ
せるものではなかった。また、従来用いられているプレ
コート鋼板は成形加工後に塗装を施されることを前提に
は設計されておらず、したがって、成形加工後に塗装を
施したしても、上述したような要求性能を十分に満足さ
せることはできなかった。
【0004】このように従来のプレコート鋼板は高度な
成形加工性や高品質の塗膜性能が得られず、家電用途
(例えば、冷蔵庫の扉)や自動車用途に要求される高品
質の塗膜を得るにはポストコート法による複雑且つ煩雑
な塗装工程が必要であった。本発明はこのような現状に
鑑み、成形加工後に最終塗装を施して使用されることに
より、ポストコート法と同等の塗膜性能が得られ、しか
も成形加工性にも優れた新たなプレコート鋼板を創案し
た。この鋼板は謂わばセミプレコート鋼板とでもいうべ
きもので、ユーザ側での塗装工程が大幅に省略でき、し
かも最終塗装後において家電製品(例えば、冷蔵庫の
扉)や自動車等の用途に要求される高度な塗膜性能が得
られるという、従来方式にない大きな利点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のプレコート鋼板
は、成形加工後に最終塗装を施して使用されるものであ
り、その構成は以下の通りである。 (1) めっき面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜
0.8で且つ片面当りのめっき目付量が10g/m2
上の亜鉛系めっき鋼板のめっき面に化成処理皮膜を形成
し、その上層に防錆顔料を樹脂成分100重量部に対し
て10〜70重量部含有する膜厚5μm以上のプライマ
ー層を形成し、さらにその上層に塗膜表面の動摩擦係数
が0.06〜0.14のポリエステル系塗膜を形成し
た、成形加工後に最終塗装を施して使用される成形加工
性及び鮮映性に優れたプレコート鋼板。
【0006】(2) めっき面の中心線平均粗さ(Ra)
が0.1〜0.5で且つ片面当りのめっき目付量が20
〜100g/m2の亜鉛系めっき鋼板のめっき面に化成
処理皮膜を形成し、その上層に防錆顔料としてストロン
チウムクロメートを樹脂成分100重量部に対して20
〜70重量部含有する膜厚5μm以上のプライマー層を
形成し、さらにその上層に塗膜表面の動摩擦係数が0.
08〜0.12で且つ膜厚が15〜25μmのポリエス
テル系塗膜を形成した、成形加工後に最終塗装を施して
使用される成形加工性及び鮮映性に優れたプレコート鋼
板。
【0007】
【作用】本発明のプレコート鋼板の原板となる亜鉛系め
っき鋼板には、亜鉛めっき鋼板のほかに亜鉛系合金めっ
き鋼板や亜鉛系複合めっき鋼板等が含まれ、具体的に
は、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
(例えば、亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、亜
鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板等を含む)、電
気亜鉛めっき鋼板、複合亜鉛めっき鋼板、電気合金亜鉛
めっき鋼板等の各種めっき鋼板を用いることができる。
【0008】亜鉛系めっき鋼板は、その片面当たりのめ
っき目付量が10g/m2未満では耐食性が不十分であ
り、このため片面当りのめっき目付量を10g/m2
上とする。また、耐食性と加工性および経済性の観点か
らは、めっき目付量は20〜100g/m2の範囲とす
ることが好ましい。また、本発明ではめっき層表面の中
心線平均粗さ(Ra)を0.1〜0.8、好ましくは
0.1〜0.5と規定する。この中心線平均粗さ(R
a)が0.1未満では塗膜密着性が不十分であり、一
方、0.8を超えると最終塗膜の鮮映性が不十分とな
る。また、より優れた鮮映性を得るためには、中心線平
均粗さ(Ra)を0.5以下とすることが好ましい。
【0009】Zn系めっき鋼板のめっき面には、リン酸
塩処理やクロメート処理等の化成処理により化成処理皮
膜が形成される。化成処理皮膜はめっき鋼板とその上層
の塗膜との密着性向上および耐食性の向上を目的として
施されるものであり、この目的にかなったものであれば
その組成等は問わない。化成処理皮膜の上層には、防錆
顔料を樹脂成分100重量部に対して10〜70重量
部、好ましくは20〜70重量部含有する膜厚5μm以
上のプライマー層が形成される。
【0010】このプライマー層を構成する樹脂の主成分
としては、ポリエステル系樹脂またはエポキシ系樹脂が
最も適している。ポリエステル系樹脂とはポリエステル
骨格を有するものであるが、これにはその一部をウレタ
ンやエポキシ等で変性した所謂変性ポリエステル樹脂も
含まれる。また、エポキシ系樹脂とはエポキシ骨格を有
するものであるが、これにはその一部をウレタンやポリ
エステル等で変性した所謂変性エポキシ樹脂も含まれ
る。
【0011】プライマー層中に添加される防錆顔料は、
その添加量が樹脂成分100重量部に対して10重量部
未満では耐食性が不十分であり、一方、70重量部を超
えると上層塗膜との密着性が低下する。また、より優れ
た耐食性を得るためには、防錆顔料を20重量部以上添
加することが好ましい。防錆顔料としてはストロンチウ
ムクロメート、バリウムクロメート、カルシウムクロメ
ート等の所謂難溶性クロム酸塩の微粉末を用いることが
好ましいが、このなかでも特に、長期にわたる耐食性を
維持できるという点でストロンチウムクロメートが最も
好ましい。また、プライマー層の膜厚が5μm未満では
成形加工性が不十分となり、また、最終塗膜の鮮映性も
不十分となる。
【0012】プライマー層の上層にはポリエステル系塗
膜が形成されるが、本発明ではこの上層塗膜の塗膜表面
の動摩擦係数を0.06〜0.14、好ましくは0.0
8〜0.12に限定する。この動摩擦係数が0.06未
満では成形加工後に施される最終塗膜との層間密着性が
不十分であり、一方、0.14を超えると成形加工性が
低下する。また、より優れた層間塗料密着性及び成形加
工性を得るためには、動摩擦係数を0.08〜0.12
とすることが好ましい。また、塗膜表面の動摩擦係数の
調整は、通常、塗膜中に添加するワックスの種類及び配
合量等を調整することにより行うことができる。ポリエ
ステル系塗膜とは、ポリエステルポリオールを主たる樹
脂成分とする塗膜であり、これにはポリエステルポリオ
ールの一部をウレタンやエポキシ等で変性した所謂変性
ポリエステル樹脂も含まれる。
【0013】上層塗膜に用いる樹脂としてポリエステル
系樹脂を用いるのは、以下のような理由による。すなわ
ち、塗料用としてはポリエステル系、エポキシ系、アク
リル系、フッ化ビニリデン系、シリコンポリエステル
系、塩化ビニル系等の各樹脂が考えられるが、これらの
うちエポキシ系、アクリル系及びシリコンポリエステル
系樹脂は可撓性に乏しく、このため10μm以上の膜厚
になると成型時に塗膜の割れや剥離が生じ易い。また、
フッ化ビニリデン系樹脂は塗膜が非粘着性であり、最終
の上塗り塗料との密着性が悪い。さらに、塩化ビニル系
樹脂は塗膜が軟らかいため、成型加工時の作業性が悪
く、また、環境汚染などの問題からも好ましくない。こ
れに対し、ポリエステル系樹脂は上記のような問題がな
く、本発明のプレコート鋼板の上層塗膜として最も適当
である。上層塗膜の膜厚は特に限定しないが、15〜2
5μmの範囲が特に好ましい。上層塗膜の膜厚が15μ
m未満では鮮映性が不十分となり、一方、25μmを超
えると切断や打ち抜き加工時にエナメルヘアーと呼ばれ
る塗膜剥離を生じることがあるからである。
【0014】プライマー層および上層塗膜の塗装方法は
特に限定しないが、好ましくはロールコーター塗装やカ
ーテンフロー塗装等の方法で塗布するのがよい。プライ
マー層および上層塗膜は、塗料の塗布後、熱風乾燥、赤
外線加熱、誘導加熱等の加熱手段により焼付けられ、樹
脂を架橋させて硬化塗膜を得る。加熱硬化時の焼付温度
(到達板温)は200〜250℃、焼付時間は約40秒
〜3分間程度とすることが好ましい。なお、本発明のプ
レコート鋼板の皮膜構造は鋼板の片面についてのみ適用
することができることは言うまでもなく、その場合、他
の片面は素地鋼板面、めっき面、或いは他の任意の皮膜
面とすることができる。
【0015】
【実施例】溶融亜鉛めっき鋼板または電気亜鉛めっき鋼
板(いずれも板厚0.6mm)に塗布型クロメート処理
またはリン酸塩処理を施し、次いでプライマー層(防錆
顔料としてストロンチウムクロメートを添加)及び上層
塗膜を順次塗装・焼付してプレコート鋼板を製造し、製
造された各プレコート鋼板を下記の各種試験に供した。
なお、各塗膜の焼付条件は、ポリエステル系プライマー
については到達板温:200℃,焼付時間:50秒、エ
ポキシ系プライマーについては到達板温:210℃,焼
付時間:50秒、上層塗膜については到達板温:210
℃,焼付時間:60秒とした。
【0016】表1に上層塗膜用の塗料に使用したポリエ
ステルポリオールの組成及び特性を、表2〜表4に上層
塗膜用の塗料の組成を、表5及び表6に各実施例のプレ
コート鋼板の製造条件と各種試験の結果を示す。なお、
表5及び表6に示す上層塗膜表面の動摩擦係数について
は、塗膜中に添加するワックス量で調整し、その値はヘ
イドン社製HEIDON−14を用いて、ASTM 1
894に準じ、荷重500gにおける摺動による荷重か
ら求めた。
【0017】 〔上層塗膜用塗料に用いたポリエステル樹脂の製造〕加
熱装置、撹拌機、精留塔、減圧装置および温度計を備え
た反応容器に、表1に記載の組成を有するテレフタル酸
ジメチル、イソフタル酸ジメチル、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールと酢酸マンガン触媒1.5
重量部を仕込み、窒素雰囲気中180〜210℃でエス
テル交換反応を行い、メタノールを留出させた。さら
に、トリメチロールプロパンを6.1重量部加え、25
0℃まで加熱しながら10mmHgまで徐々に減圧して
重合反応を行い、表1に示すポリエステルポリオールP
−1〜P−5を得た。得られたポリエステルポリオール
はシクロヘキサノン溶剤により、不揮発分60〜70%
に調節した。また、ポリエステルポリオールの分子量と
水酸基価は重合反応時間により調節した。なお、分子量
については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
を用い、標準ポリスチレンの検量線を使用して数平均分
子量(Mn)を測定し、また、水酸基価については無水
フタル酸−ピリジン法で求めた。
【0018】〔上層塗膜用塗料の製造〕表2〜表4に示
す配合割合により、表1に記載のP−1〜P−5のポリ
エステルポリオール、硬化剤であるメラミン樹脂、顔料
であるルチル型二酸化チタン、酸触媒および添加剤(ワ
ックス)を混合した後、直径約1mmのガラスビーズを
入れたサンドミルを用いて1時間分散させた。さらに、
シクロヘキサンを加えて不揮発分が60%以下になるよ
うに調整し、表2〜表4に示す11種類の上層塗膜用塗
料T−1〜T−11を得た。
【0019】〔試験・評価方法〕 (1)Tベンド加工性 20℃の室内において密着曲げ(0T曲げ)試験を行
い、加工部の塗膜を30倍のルーペを用いて観察し、塗
膜割れ(クラック)の有無を調べた。またその後、加工
部の塗膜についてテープ剥離試験を行った。テープ剥離
試験により、塗膜が剥離しないものを合格(○)、剥離
するものを不合格(×)とした。また、合格としたもの
の中で特に、塗膜にクラックが観察されず、且つテープ
剥離しないものを優れる(◎)とした。 (2)円筒絞り試験 20℃の室内において平底円筒深絞り試験を行い、限界
絞り比(LDR)を求めた。試験条件は、ブランク径1
10mm、ポンチ径50mmの単一素板法により求め
た。LDRが2.5を超えたものを合格(○)、2.5
以下のものを不合格(×)とした。また、特にLDRが
2.8以上のものを優れる(◎)とした。
【0020】(3)塗膜密着性試験(碁盤目テープ法) プレコート鋼板に上塗り塗料(関西ペイント社製 マジ
クロンNo.300白)を平均乾燥膜厚30μmになる
ように上塗り塗装し、熱風乾燥炉で150℃、30分間
焼付け乾燥し、20℃の室内で24時間放置した。放置
後、JIS−K5400の8.5.2(1993)の方
法に準じて、20℃の室内にて、まず上塗り塗膜にカッ
ターナイフにて1mm角10×10マスの碁盤目を作
り、その碁盤目上に接着テープをしっかりと貼着した
後、直ちに塗膜面から接着テープを瞬間的に引き剥し、
剥がれないで残った碁盤目の数が100%のものを優れ
る(◎)、98%以上100%未満のものを合格
(○)、98%未満のものを不合格(×)とした。
【0021】(4)塗膜鮮映性(NSIC方式) プレコート鋼板に上記(3)の方法で上塗り塗装した
後、上塗り塗膜の鮮映性を日本色彩研究所製PGD型鮮
明度光沢度計を用いて評価した。PGD値が1.0以上
のものを優れる(◎)、0.8以上1.0未満のものを
合格(○)、0.8未満のものを不合格(×)とした。 (5)衝撃変形試験(デュポン式) プレコート鋼板に上記(3)の方法で上塗り塗装した
後、上塗り塗膜の衝撃変形試験を行った。JIS−K5
400の8.3.2(1993)の方法を適用し、おも
り1kg、高さ50cmで、試験片の塗膜面が上向きの
場合と下向きの場合とについて試験し、上向き及び下向
きともにテープ剥離試験により塗膜が剥離しないものを
合格(○)、剥離したものを不合格(×)とした。ま
た、塗膜にクラックが観察されず、且つ塗膜がテープ剥
離しないものを優れる(◎)とした。
【0022】(6)耐食性試験(塩水噴霧試験) 20℃で0T加工を行ったプレコート鋼板に上記(3)
の方法で上塗り塗装したサンプルを作り、各サンプルの
耐食性を塩水噴霧試験(SST)により評価した。ま
た、この試験では供試面の裏面はタールエポキシ塗料で
完全に隠ぺいした。SST1000時間後に、サンプル
の平面部、加工部および切断端部の各塗膜の観察を行
い、平面部において塗膜膨れ、錆、変色等の異常がな
く、且つ加工部と切断端部において錆または塗膜膨れが
加工部または切断端部から3mm以内にしか生じていな
いものを合格(○)とし、それ以外のものを不合格
(×)とした。また、合格したものの中で特に、塗膜膨
れが加工部から1mm以内、切断端部から2mm以内で
しかそれぞれ生じていないものを優れる(◎)とした。
【0023】表5及び表6の実施例から明らかなよう
に、本発明条件から外れた比較例1〜12のプレコート
鋼板は、成形加工性、耐衝撃性、鮮映性、その他いずれ
かの特性において満足できる性能が得られていない。こ
れに対して本発明例1〜12のプレコート鋼板は、成形
加工性、塗料密着性、塗膜鮮映性、耐衝撃性および耐食
性のいずれにおいても優れた性能を有していことが明ら
かである。特に、本発明例のうちめっき面の中心線平均
粗さ(Ra)が0.1〜0.5、片面当りのめっき目付
量が20〜80g/m2、プライマー層中の防錆顔料の
含有量が樹脂成分100重量部に対して20〜70重量
部、上層塗膜の動摩擦係数が0.08〜0.12、塗膜
厚が15〜25μmの範囲のものが、特に優れた性能を
有していることが判る。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】なお、表2〜表4の*1〜*6は以下の内
容を示している。 *1:表1のポリエステルポリオール記号 *2:メラミン樹脂の種類 M-1;サイメル212(三井サイアナミド(株)製,商品名,
不揮発分100wt%) M-2;サイメル254(三井サイアナミド(株)製,商品名,
不揮発分80wt%) *3:タイペークCR93(石原産業(株)製,商品名) *4:p-トルエンスルホン酸,20wt%シクロヘキサン溶
液 *5:シクロヘキサノン *6:添加剤の種類 PE;ポリエチレン系ワックス SI;シリコーン系ワックス AM;アマイド系ワックス ES;エステル系ワックス(ラノリン系)
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】なお、表5及び表6中の*1〜*8は以下
の内容を示している。 *1:Zn系めっき鋼板の種類 GI;溶融亜鉛めっき鋼板 EG;電気亜鉛めっき鋼板 GL;亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板 *2:片面当りのめっき目付量 *3:中心線平均粗さ(Ra) *4:化成処理の種類 Cr;塗布型クロメート処理 P;リン酸亜鉛処理 *5:プライマーの種類 PE;ポリエステル系プライマー(日本油脂(株)製の商
品名 プレカラーFX-2(防錆顔料無添加)に、ストロン
チウムクロメートを添加したもの) EP;エポキシ系プライマー(日本油脂(株)製の商品名
プレカラーWP-3(防錆顔料無添加)に、ストロンチウ
ムクロメートを添加したもの) *6:樹脂成分100重量部に対して配合した防錆顔料
(ストロンチウムクロメート)の重量部 *7:表2〜表4の塗料記号 *8:塗膜性能 ◎;優れる(合格) ○;問題無し(合格) ×;問題有り(不合格)
【0032】
【発明の効果】以上述べた本発明のプレコート鋼板は、
成形加工後に最終塗装を施すだけで製品とすることがで
き、しかも、プレス成形性等の成形加工に優れ、且つ最
終塗膜を施した時の塗膜密着性、鮮映性および耐食性に
優れている。このため、特に高度な成形加工性や塗膜性
能が要求される家電製品や自動車等の用途において、従
来のような煩雑な塗装工程を経ることなく、優れた塗膜
性能を有する塗装部材を容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/08 PQE C09D 5/08 PQE 167/00 PKU 167/00 PKU

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき面の中心線平均粗さ(Ra)が
    0.1〜0.8で且つ片面当りのめっき目付量が10g
    /m2以上の亜鉛系めっき鋼板のめっき面に化成処理皮
    膜を形成し、その上層に防錆顔料を樹脂成分100重量
    部に対して10〜70重量部含有する膜厚5μm以上の
    プライマー層を形成し、さらにその上層に塗膜表面の動
    摩擦係数が0.06〜0.14のポリエステル系塗膜を
    形成した、成形加工後に最終塗装を施して使用される成
    形加工性及び鮮映性に優れたプレコート鋼板。
  2. 【請求項2】 めっき面の中心線平均粗さ(Ra)が
    0.1〜0.5で且つ片面当りのめっき目付量が20〜
    100g/m2の亜鉛系めっき鋼板のめっき面に化成処
    理皮膜を形成し、その上層に防錆顔料としてストロンチ
    ウムクロメートを樹脂成分100重量部に対して20〜
    70重量部含有する膜厚5μm以上のプライマー層を形
    成し、さらにその上層に塗膜表面の動摩擦係数が0.0
    8〜0.12で且つ膜厚が15〜25μmのポリエステ
    ル系塗膜を形成した、成形加工後に最終塗装を施して使
    用される成形加工性及び鮮映性に優れたプレコート鋼
    板。
JP3742296A 1995-02-04 1996-01-31 成形加工後に最終塗装を施して使用される成形加工性および鮮映性に優れたプレコート鋼板 Pending JPH08267662A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11138690A (ja) * 1997-11-11 1999-05-25 Nippon Steel Corp 屋外用途向けプレコート金属板
KR100359484B1 (ko) * 2000-03-02 2002-10-31 연합철강공업 주식회사 무상도(논클리어) 그라비아전사 프린트 강판의제조방법
US8119222B2 (en) * 2005-11-22 2012-02-21 Furukawa-Sky Aluminum Corp. Pre-coated metal sheet for slot-in drive cases
JP2019031805A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 Jfe建材株式会社 支柱構造物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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