JPH11138690A - 屋外用途向けプレコート金属板 - Google Patents

屋外用途向けプレコート金属板

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JPH11138690A
JPH11138690A JP9308866A JP30886697A JPH11138690A JP H11138690 A JPH11138690 A JP H11138690A JP 9308866 A JP9308866 A JP 9308866A JP 30886697 A JP30886697 A JP 30886697A JP H11138690 A JPH11138690 A JP H11138690A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端面耐食性と塗膜加工性が優れると共に、耐
プレッシャーマーク性に優れた屋外用途向けプレコート
鋼板の提供。 【解決手段】 化成処理を施した亜鉛系めっき鋼板もし
くはアルミめっき鋼板の表裏両面に、下層のプライマー
層と上層のトップ層からなる塗膜を有するプレコート鋼
板において、表裏両面のプライマー層が、塗膜乾燥重量
に対して25〜50重量%の防錆顔料を含有し、かつ、
表面のトップ層が、塗膜乾燥重量に対して5〜20重量
%のメラミン樹脂を硬化剤として含有し、残部が数平均
分子量が15000〜25000のポリエステル樹脂か
らなり、さらに、表面のトップ層のガラス転移温度が5
〜20℃であることを特徴とする屋外用途向けプレコー
ト鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電製品、家具、
建材及び自動車部品などの外板として用いられるプレコ
ート金属板に関わり、特に、曲げ、絞り等の加工を施
し、かつ屋外用途に用いられるプレコート鋼板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】家電製品、家具、建材及び自動車部品な
どの外板用途として加工・組立後の塗装工程省略を目的
として、予め塗装されたプレコート鋼板の適用が盛んと
なってきている。特に近年では、エアコン室外機、ガス
給湯器など厳しい加工を施したり、鋼板の切断面が多く
露出する部位にもプレコート鋼板が適用されつつある。
主な加工方法としては曲げ加工、絞り加工があり、前者
は加工部の塗膜割れ、特に冬場等寒い時期での塗膜割れ
が問題となっており、また、後者についてはプレス加工
時に金型と塗膜がかじり、そこから塗膜が剥離するなど
といった問題がある。
【0003】また、プレコート鋼板の切断端面は塗装が
施されていない金属面が多く露出するため、切断端面の
露出部が多いと腐食もしやすい。さらに、エアコン室外
機等の家電製品については、成形加工した製品を梱包
し、段積み等により梱包材を通して塗膜に圧力が加わる
と梱包材の痕(プレッシャーマーク)が塗膜表面に付着
する問題が発生する。 これらの問題点を解決する手段
として、耐食性については特開平8−309917号公
報で亜鉛系めっき鋼板の原板の板厚とめっき付着量を規
定し、更に両面に防錆顔料を塗膜中に25%以上含有す
る塗膜を形成することで、端面耐食性を向上させる技術
が開示されている。
【0004】また、加工性と耐プレッシャーマーク性
(加温加圧性)については特開平7−89009号公報
は25℃と180℃での塗膜の弾性率を規定し、数平均
分子量が5000〜15000、ガラス転移温度0〜3
0℃であるポリエステル樹脂80〜60重量部、硬化剤
としてメチル系硬化樹脂20〜40重量部含有する塗料
を塗布、焼き付けることで、加工性と耐プレッシャーマ
ーク性(加温加圧性)を両立させる技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平8−3
09917号公報では主に耐食性についてのものであ
り、加工性ついての詳細な規定はなく、また耐プレッシ
ャーマーク性については考慮されていない。一方、特開
平7−89009号公報の技術は加工性についてはあく
まで25℃での加工についてであり、冬場など気温の寒
い時期での加工性は考慮されていない。
【0006】そこで、本発明の目的は、優れた端面耐食
性と塗膜加工性を有すると共に、耐プレッシャーマーク
性に優れた屋外用途向けプレコート鋼板を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し、優れ
た端面耐食性と塗膜加工性を有すると共に、耐プレッシ
ャーマーク性、耐ブロッキング性に優れた本発明の屋外
用途向けプレコート鋼板は、以下のとおりである。 (1)化成処理を施した亜鉛系めっき鋼板もしくはアル
ミめっき鋼板の両面に、下層のプライマー層と上層のト
ップ層からなる塗膜を有するプレコート鋼板において、
プライマー層が、塗膜乾燥重量に対して25〜50重量
%の防錆顔料を含有し、かつ、トップ層が、塗膜乾燥重
量に対して5〜20重量%のメラミン樹脂を硬化剤とし
て含有し、残部が数平均分子量が15000〜2500
0のポリエステル樹脂からなり、さらに、トップ層のガ
ラス転移温度が5〜20℃であることを特徴とする屋外
用途向けプレコート鋼板。
【0008】(2)表面のプライマー層が5μm以上、
トップ層が10μm以上、裏面のプライマー層が2μm
以上、トップ層が5μm以上であって、かつ、表裏面の
プライマー層とトップ層の膜厚合計が30μm以下であ
ることを特徴とする前記(1)に記載の屋外用途向けプ
レコート鋼板。 (3)前記(1)または(2)に記載のプレコート鋼板
を使用した屋外用途向けパネル材。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明のプレコート鋼板に
ついて詳細に説明する。プレコート鋼板に用いる表面ト
ップ塗膜の主構成樹脂にポリエステル樹脂を用い、塗膜
のガラス転移温度を5〜20℃とし、これに硬化剤とし
てメラミン樹脂を塗膜乾燥重量に対して5〜20重量%
添加して塗膜の架橋密度を高くすることで、塗膜の加工
性と耐プレッシャーマーク性のバランスが優れ、更に塗
膜の主構成樹脂であるポリエステル樹脂の数平均分子量
を15000〜20000にすることで耐プレッシャー
マーク性を低下させずに塗膜の加工性が向上することを
発明者らは見出した。
【0010】トップ塗膜のガラス転移温度が5℃未満で
あると加工性は良くなるが耐プレッシャーマーク性が悪
くなり、20℃超では加工性が低下する。硬化剤である
メラミン樹脂の添加量は5重量%未満であると耐プレッ
シャーマーク性が悪く、20重量%以上であると加工性
が悪い。また、主構成樹脂の数平均分子量が15000
未満であると塗膜の加工性向上の効果が無く、2500
0超では加工性、耐プレッシャーマーク性は問題ない
が、塗装性、耐汚染性等のプレコート鋼板としての他の
性能が悪くなり不適である。
【0011】また、本発明においては耐食性を向上させ
るために、原板に化成処理を施した亜鉛系めっき鋼板も
しくはアルミめっき鋼板を用い、表裏面共に塗膜乾燥重
量に対して25〜50重量%の防錆顔料を有するプライ
マー層を設け、更にその上にトップ層を設け、表面塗膜
の膜厚構成を表面がプライマー層5μm以上、トップ層
10μm以上、トップ層とプライマー層合計膜厚30μ
m以下、裏面塗膜の膜厚構成がプライマー層2μm以
上、トップ層5μm以上、トップ層とプライマー層の合
計膜厚30μm以下とした。
【0012】亜鉛系めっき鋼板の種類としては溶融亜鉛
めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼
板、溶融亜鉛−アルミめっき鋼板(アルミの重量%は任
意であるが、1%、5%、55%が良く知られてい
る)、電気亜鉛−鉄めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケルめ
っき鋼板、電気亜鉛−クロムめっき鋼板、あるいはこれ
らの組み合わせの多層めっき鋼板が上げられる。
【0013】化成処理は塗布クロメート処理、電解クロ
メート処理等公知の化成処理を適用することができる。
表面プライマー層に添加する防錆顔料添加量は25%未
満であると耐食性が不十分であり、50%超添加すると
塗膜の加工性が低下する。裏面プライマー層に添加する
防錆顔料添加量は25%未満であると耐食性が不十分で
あり、50%超添加すると裏面の加工性が低下する。
【0014】防錆顔料の種類としては、ストロンチュウ
ムクロメート、ジンククロメート、カリウムクロメート
等のクロム系防錆顔料の効果が大きく、特にストロンチ
ュウムクロメートとカリウムクロメートを主体とするも
のが好ましい。他には燐酸系顔料、微粒シリカ、バナジ
ン酸系、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。表
裏面のプライマー層塗膜の主構成樹脂としてはポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂
などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0015】裏面の塗膜には表面塗膜に要求されるよう
な耐プレッシャーマーク性は求められないため、裏面ト
ップ層の主構成樹脂としてはプレコート鋼板用塗膜樹脂
として一般に公知の樹脂、例えばポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂など、特に限
定されるものではない。塗膜構成については、表面のプ
ライマー層の膜厚が5μm未満であると端面耐食性が不
十分であり、表面のトップ層の膜厚が10μm未満であ
ると表面加工性が低下する。また、裏面のプライマー層
の膜厚が2μm未満であっても端面耐食性が不十分であ
り、裏面トップ層の膜厚が5μm未満であると裏面加工
性が著しく低下する。また、表裏面共にプライマー層と
トップ層の合計膜厚が30μmを超えると深絞り成形を
行った際に塗膜に金型がかじり、塗膜剥離が発生しやす
ため、不適である。
【0016】このプレコート鋼板の製造は、一般に公知
の塗装設備、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、バーコ
ーター塗装、ローラーカーテンコーター、カーテンフロ
ーコーター、ロールコーター等での塗装が可能であり、
特に連続塗装設備で製造を行えばなお好適である。
【0017】
【実施例】例1〜21 溶融亜鉛めっき鋼板上に化成処理として塗布型クロメー
トをCr付着量50mg/m2 付着させ、その上にプラ
イマー層を表面に乾燥膜厚にして8μm、裏面に4μm
ロールコーターにて塗装し、最高到達板温210℃で焼
き付け、更にその上にトップ層を表面に乾燥膜厚にして
18μm、裏面に6μmロールコーターにて塗装し、最
高到達板温230℃で焼き付けることによってプレコー
ト鋼板を製造した。
【0018】プライマー層には表裏面共にポリエステル
樹脂を主構成樹脂とし、硬化剤としてメラミン樹脂を用
いたタイプの塗膜に塗膜乾燥重量に対してストロンチュ
ウムクロメートを48重量%添加したものを用いた。ま
た、表面のトップ層にはポリエステル樹脂を主構成樹脂
とし、硬化剤としてメラミン樹脂を用いたタイプの塗膜
を用いた。表面のトップ層には表1に示す数平均分子量
のポリエステル樹脂を主構成樹脂とし、更に、硬化剤と
してメラミン樹脂を表1に示す量添加し、塗膜のガラス
転移温度が表1に示すものを用いた。裏面のトップ層に
は市販のトップ塗料(FLC100H:日本ペイント
製)を使用した。
【0019】製造したプレコート鋼板を用いて、表面に
ついてT折り曲げ試験と耐プレッシャーマーク性試験を
実施し、塗膜の加工性と耐プレッシャーマーク性を調べ
た。T折り曲げ試験については5℃雰囲気温度中で0T
折り曲げ試験を実施し、塗膜加工部を20倍ルーペにて
観察し、亀裂が全く無いものを○、小さな亀裂が入って
いるものを△、大きな亀裂が入っているものを×とし
た。なお、試験温度は20℃で実施した。
【0020】耐プレッシャーマーク性試験は、2cm×
2cmのPETシートを塗膜の上に載せ、更にペットシ
ート上に4kgの重りを載せ、荷重を加えた状態で、6
0℃雰囲気中に2時間放置した後、重りとPETシート
を取り去り、塗膜表面についたPETシートの痕残りを
観察し評価した。評価の基準は痕残りの全くないものを
○、一部に僅かな痕のこりの有るものを△、全面に痕残
りの有るものを×として評価した。
【0021】各試験結果を表1に示す。表1から明らか
なようにトップ塗膜のガラス転移温度は5〜20℃が好
適であり(例2〜4)、ガラス転移温度が5℃未満であ
ると加工性は良いが耐プレッシャーマーク性が悪くなり
(例1)、20℃超では加工性が低下する(例5,
6)。硬化剤であるメラミン樹脂の添加量は5〜20重
量%が好適であり(例8〜10,13〜15)、5重量
%未満であると耐プレッシャーマーク性が悪く(例7,
12)、20重量%以上であると加工性が悪い(例1
1,16)。また、主構成樹脂の数平均分子量は150
00〜25000が好適であり(例3,19,20)、
主構成樹脂の数平均分子量が15000未満であると塗
膜の加工性向上の高価が無く(例17,18)、250
00超では加工性、耐プレッシャーマーク性は問題ない
が、塗装性、耐汚染性等のプレコート鋼板としての他の
性能が悪くなり不適である(例21)。
【0022】
【表1】
【0023】例22〜45 亜鉛系めっき鋼板及びアルミめっき鋼板上に化成処理と
して塗布型クロメートをCr付着量50mg/m2 付着
させ、その上にプライマー層を表面に乾燥膜厚にして8
μm、裏面に4μmロールコーターにて塗装し、最高到
達板温210℃で焼き付け、更にその上にトップ層を表
面に乾燥膜厚にして18μm、裏面に6μmロールコー
ターにて塗装し、最高到達板温230℃で焼き付けるこ
とによってプレコート鋼板を製造した。
【0024】プライマー層には表裏面共にポリエステル
樹脂を主構成樹脂とし、硬化剤としてメラミン樹脂を用
いたタイプの塗膜に塗膜乾燥重量に対してストロンチュ
ウムクロメートを表2に示す量添加したものを用いた。
また、表面のトップ層には数平均分子量が18000、
塗膜のガラス転移温度12℃となるポリエステル樹脂を
主構成樹脂とし、硬化剤としてメラミン樹脂を乾燥塗膜
重量にして17重量%添加したものを用いた。裏面のト
ップ層には市販のトップ塗料(FLC100H:日本ペ
イント製)を使用した。原板には溶融亜鉛めっき鋼板、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融
亜鉛−アルミめっき鋼板(1%アルミ)、溶融亜鉛−ア
ルミめっき鋼板(5%アルミ)、溶融亜鉛−アルミめっ
き鋼板(55%アルミ)、アルミめっき鋼板を使用し
た。
【0025】製造したプレコート鋼板を用いて、表面に
ついてのT折り曲げ試験と暴露試験を実施した。T折り
曲げ試験については前述の試験方法で表裏面について実
施し、暴露試験については沖縄海岸地区に暴露し、3年
後の端面からの赤錆発生巾を表面についてのみ測定し
た。
【0026】各試験結果を表2に示す。表2から明らか
なように表面プライマー層の防錆顔料添加量は25〜5
0重量%が好適であり(例23〜26)、25重量%未
満であると暴露試験により端面から赤錆が発生し(例2
2)、50重量%超であると加工性が低下する(例2
7)。また、裏面プライマー層の防錆顔料添加量も25
〜50重量%が好適であり(例29〜32,35〜3
8)、25重量%未満であると暴露試験により端面から
赤錆が発生し(例28,34)、50重量%超では裏面
の加工性が低下する(例33,39)。原板については
溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気
亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミめっき鋼板(1%ア
ルミ)、溶融亜鉛−アルミめっき鋼板(5%アルミ)、
溶融亜鉛−アルミめっき鋼板(55%アルミ)、アルミ
めっき鋼板いずれも加工性が良く、暴露により赤錆も発
生せず、良好な結果である(例25,40〜45)。
【0027】
【表2】
【0028】例46〜62 亜鉛系めっき鋼板及びアルミめっき鋼板上に化成処理と
して塗布型クロメートをCr付着量50mg/m2 付着
させ、その上にプライマー層を表裏面にロールコーター
にて塗装し、最高到達板温210℃で焼き付け、更にそ
の上にトップ層を表裏面にロールコーターにて塗装し、
最高到達板温230℃で焼き付けることによってプレコ
ート鋼板を製造した。
【0029】プライマー層には表裏面共にポリエステル
樹脂を主構成樹脂とし、硬化剤としてメラミン樹脂を用
いたタイプの塗膜に塗膜乾燥重量に対してストロンチュ
ウムクロメートを48%量添加したしたものを用いた。
また、表面のトップ層には数平均分子量が18000、
塗膜のガラス転移温度12℃となるポリエステル樹脂を
主構成樹脂とし、硬化剤としてメラミン樹脂を乾燥塗膜
重量にして17重量%添加したものを塗装した。裏面の
トップ層には市販のトップ塗料(FLC100H:日本
ペイント製)を使用した。裏面のプライマー層の膜厚は
4μm、トップ層の膜厚は6μmとし、表面のプライマ
ー層、トップ層の膜厚は表3に示す厚さを塗装した。
【0030】製造したプレコート鋼板を用いて、表面に
ついてのT折り曲げ試験とビードかじり試験、暴露試験
を実施した。T折り曲げ試験と暴露試験については前述
の試験方法で実施し、ビードかじり試験は、プレス加工
時の金型とのかじりによる塗膜剥離の度合を計る指標と
して実施した。従来のドロービード試験機の片方の金型
を平面にし、他方の金型にR=3mmのビードを装着
し、2つの金型の間にプレコート鋼板を表面がビード側
になるように挟み込み、両金型に900kgの荷重を加
え、この状態でプレコート鋼板を引き抜き、引き抜いた
後の表面の表面状態を観察し、塗膜に以上が無ければ
○、塗膜がビードにより僅かに削り落とされていたら
△、塗膜がビードにより大きく削り落とされていたら×
として評価した。(公開技法95−10782) 各試験結果を表3に示す。表3から明らかなように表面
の膜厚は、プライマー層が5μm以上、トップ層が10
μm以上で、プライマー層とトップ層の合計が30μm
以下であると良い(例47〜49,52〜54,56,
57,60)。プライマー層の膜厚が5μm未満である
と暴露試験により赤錆が発生し(例46)、トップ層の
膜厚が10μm未満であると加工性が低下する(例5
1,55,59)。また、表面のプライマー層とトップ
層の合計が30μm超であるとビードかじり試験により
塗膜が削り取られ(例61,62)プレス成型時に塗膜
と金型とがかじりやすく、適さない。
【0031】
【表3】
【0032】例63〜81 亜鉛系めっき鋼板及びアルミめっき鋼板上に化成処理と
して塗布型クロメートをCr付着量50mg/m2 付着
させ、その上にプライマー層を表裏面にロールコーター
にて塗装し、最高到達板温210℃で焼き付け、更にそ
の上にトップ層を表裏面にロールコーターにて塗装し、
最高到達板温230℃で焼き付けることによってプレコ
ート鋼板を製造した。
【0033】プライマー層には表裏面共にポリエステル
樹脂を主構成樹脂とし、硬化剤としてメラミン樹脂を用
いたタイプの塗膜に塗膜乾燥重量に対してストロンチュ
ウムクロメートを48%量添加したしたものを用いた。
また、表面のトップ層には数平均分子量が18000、
塗膜のガラス転移温度12℃となるポリエステル樹脂を
主構成樹脂とし、硬化剤としてメラミン樹脂を乾燥塗膜
重量にして17重量%添加したものを塗装した。裏面の
トップ層には市販のトップ塗料(FLC100H:日本
ペイント製)を使用した。表面のプライマー層の膜厚は
8μm、トップ層の膜厚は18μmとし、裏面のプライ
マー層、トップ層の膜厚は表4に示す厚さを塗装した。
【0034】製造したプレコート鋼板を用いて、T折り
曲げ試験、ビードかじり試験と暴露試験を実施した。T
折り曲げ試験、ビードかじり試験、暴露試験は前述の試
験方法で実施した。T折り曲げ試験とビードかじり試験
については裏面について評価し、暴露試験は表面の赤錆
発生巾を測定した。
【0035】各試験結果を表4に示す。表4から明らか
なように裏面の膜厚は、プライマー層が2μm以上、ト
ップ層が5μm以上で、プライマー層とトップ層の合計
が30μm以下であると良い(例64〜66,68〜7
0,73〜75,78〜79)。プライマー層の膜厚が
2μm未満であると暴露試験により赤錆が発生し(例6
3)、トップ層の膜厚が5μm未満であると加工性が低
下する(例67,72,77)。また、裏面のプライマ
ー層とトップ層の合計が30μm超であるとビードかじ
り試験により塗膜が削り取られ(例71,76,80,
81)適さない。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明により、端面耐食性と塗膜加工性
が優れると共に、耐プレッシャーマーク性に優れた屋外
用途向けプレコート鋼板を提供することが可能となっ
た。したがって、本発明は工業的価値の極めて高い発明
であるといえる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化成処理を施した亜鉛めっき鋼板もしく
    はアルミめっき鋼板の表裏両面に、下層のプライマー層
    と上層のトップ層からなる塗膜を有するプレコート鋼板
    において、表裏両面のプライマー層が、塗膜乾燥重量に
    対して25〜50重量%の防錆顔料を含有し、かつ、表
    面のトップ層が、塗膜乾燥重量に対して5〜20重量%
    のメラミン樹脂を硬化剤として含有し、残部が数平均分
    子量が15000〜25000のポリエステル樹脂から
    なり、さらに、表面のトップ層のガラス転移温度が5〜
    20℃であることを特徴とする屋外用途向けプレコート
    鋼板。
  2. 【請求項2】 表面のプライマー層が5μm以上、トッ
    プ層が10μm以上、裏面のプライマー層が2μm以
    上、トップ層が5μm以上であって、かつ、表裏面のプ
    ライマー層とトップ層の膜厚合計が30μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の屋外用途向けプレコ
    ート鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のプレコート鋼
    板を使用した屋外用途向けパネル材。
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