JP2009255907A - 耐食性に優れるワイパーアームおよびワイパーブレードならびにこれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐食性に優れるワイパーアームおよびワイパーブレードを提供すること。
【解決手段】鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーアームまたはワイパーブレードであって、前記ワイパーアームまたはワイパーブレードは前記塗装鋼板を加工してなり、前記鋼板は溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり、前記塗膜はワイパーアームまたはワイパーブレードに加工される前の鋼板の両面に形成されたプライマー塗膜と、前記プライマー塗膜の上に前記加工の後に形成されたポストコート塗膜とを有し、前記プライマー塗膜の表面張力は35〜75mN/mである、ワイパーアームまたはワイパーブレード。
【選択図】図4
【解決手段】鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーアームまたはワイパーブレードであって、前記ワイパーアームまたはワイパーブレードは前記塗装鋼板を加工してなり、前記鋼板は溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり、前記塗膜はワイパーアームまたはワイパーブレードに加工される前の鋼板の両面に形成されたプライマー塗膜と、前記プライマー塗膜の上に前記加工の後に形成されたポストコート塗膜とを有し、前記プライマー塗膜の表面張力は35〜75mN/mである、ワイパーアームまたはワイパーブレード。
【選択図】図4
Description
本発明は、耐食性に優れるワイパーアームおよびワイパーブレード、ならびにこれらの製造方法に関する。
雨天時にガラス面を拭き取ることにより視界を確保するワイパーは、主にワイパーブレードとワイパーアームにより構成される。ワイパーブレードとは、ガラス面を拭き取る部品である。ワイパーアームとは、ワイパーブレードと、ワイパーを備える本体(車両等)とを接続する部品である。
ワイパーアームおよびワイパーブレードは、従来、鋼板を所望の形状に加工する工程と、その後で当該鋼板を塗装する工程とにより製造されている。塗装には、ワイパーアームおよびワイパーブレードに完全な塗装が施せる電着塗装等が採用されている(非特許文献1)。ワイパーアームおよびワイパーブレードは、水にさらされる環境で使用されるため、耐食性が要求されるからである。
しかし、この方法は、製造工程が煩雑であり、また製造コストが高くなるため、生産性に優れているとは言い難い。そこで、これらの点を改善するために、特許文献1には、片面が塗装された鋼板を用い、塗装面がワイパーアームの内側になるように曲げ加工し、その後スプレー塗装等を施したワイパーアームの製造方法が開示されている。これにより、ワイパーアームの製造コストを低減できるとされている。当該文献には、鋼板の材料や塗膜の成分に関する開示は一切ない。
しかし、この方法は、製造工程が煩雑であり、また製造コストが高くなるため、生産性に優れているとは言い難い。そこで、これらの点を改善するために、特許文献1には、片面が塗装された鋼板を用い、塗装面がワイパーアームの内側になるように曲げ加工し、その後スプレー塗装等を施したワイパーアームの製造方法が開示されている。これにより、ワイパーアームの製造コストを低減できるとされている。当該文献には、鋼板の材料や塗膜の成分に関する開示は一切ない。
「粉体塗装'98」、2号、33頁
発明者らは、より耐食性に優れたワイパーアームおよびワイパーブレードを得るために、予備的に種々の検討を行った。その結果、従来のワイパーアームおよびワイパーブレードは、ほとんどが「合金化溶融Znめっき鋼板」から製造されており、そのため、耐食性が十分でなく、特に腐食により赤錆を発生しやすく、外観性を著しく損なうことを明らかにした。合金化溶融Znめっき鋼板とは、溶融Znめっき鋼板を加熱して、めっき層に母材である鋼板の鉄(Fe)を拡散させてZn−Fe合金を生成させた鋼板である。ワイパーアームおよびワイパーブレードに合金化溶融Znめっき鋼板が主として用いられている理由は定かではない。しかしながら、合金化溶融Znめっき鋼板は、塗膜との密着性に優れること等から、自動車部品においては、合金化溶融Znめっき鋼板を用いることが技術的な常識になっており、このことが影響していると考えられる。
さらに発明者らは、特許文献1に記載されている方法について検討を行った。特許文献1には、使用する鋼板の種類について一切開示がないため、従来のワイパーアームの主たる材料である合金化溶融Znめっき鋼板を用いて検討した。しかしながら、満足の行く耐食性は得られなかった。
すなわち、従来のレベルよりも耐食性に優れたワイパーアームおよびワイパーブレードが求められているものの、未だ満足するレベルのワイパーアームおよびワイパーブレードは存在しなかった。これらの事情に鑑み、本発明は耐食性に優れたワイパーアームおよびワイパーブレードを提供することを目的とする。
発明者らは鋭意検討の結果、特定の鋼板の上に特定の表面張力の塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーアームおよびワイパーブレードにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1は、以下のワイパーアーム、およびワイパーアームの製造方法に関する。
[1]鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーアームであって:前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり;前記塗膜は、前記鋼板の両面に設けられており、かつ表面張力が35〜75mN/mである、ワイパーアーム。
[2]前記ワイパーアームは前記塗装鋼板を加工してなり;前記塗膜は、ワイパーアームに加工される前の鋼板の両面に形成されたプライマー塗膜である、[1]に記載のワイパーアーム。
[3]前記プライマー塗膜の上に、前記加工の後に形成されたポストコート塗膜をさらに有する、[2]に記載のワイパーアーム。
[4]前記塗膜は防錆顔料を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のワイパーアーム。
[5]溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mの塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程;前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程、を含むワイパーアームの製造方法。
[1]鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーアームであって:前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり;前記塗膜は、前記鋼板の両面に設けられており、かつ表面張力が35〜75mN/mである、ワイパーアーム。
[2]前記ワイパーアームは前記塗装鋼板を加工してなり;前記塗膜は、ワイパーアームに加工される前の鋼板の両面に形成されたプライマー塗膜である、[1]に記載のワイパーアーム。
[3]前記プライマー塗膜の上に、前記加工の後に形成されたポストコート塗膜をさらに有する、[2]に記載のワイパーアーム。
[4]前記塗膜は防錆顔料を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のワイパーアーム。
[5]溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mの塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程;前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程、を含むワイパーアームの製造方法。
本発明の第2は、以下のワイパーブレード、およびワイパーブレードの製造方法に関する。
[6]鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーブレードであって:前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり;前記塗膜は、高表面張力塗膜と前記高表面張力塗膜の上に形成された上塗り塗膜とを有し;前記高表面張力塗膜の表面張力は、35〜75mN/mである、ワイパーブレード。
[7]前記ワイパーブレードは、前記塗装鋼板を加工してなり:前記高表面張力塗膜は前記加工前に鋼板の両面に形成され、かつ前記上塗り塗膜は前記加工の後に形成される、[6]に記載のワイパーブレード。
[8]前記高表面張力塗膜は防錆顔料を含む、[6]に記載のワイパーブレード。
[9]溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mのプライマー塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程;前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程;前記加工された塗装鋼板の前記プライマー塗膜の上に、ポストコート塗膜を形成する工程、を含むワイパーブレードの製造方法。
[6]鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーブレードであって:前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり;前記塗膜は、高表面張力塗膜と前記高表面張力塗膜の上に形成された上塗り塗膜とを有し;前記高表面張力塗膜の表面張力は、35〜75mN/mである、ワイパーブレード。
[7]前記ワイパーブレードは、前記塗装鋼板を加工してなり:前記高表面張力塗膜は前記加工前に鋼板の両面に形成され、かつ前記上塗り塗膜は前記加工の後に形成される、[6]に記載のワイパーブレード。
[8]前記高表面張力塗膜は防錆顔料を含む、[6]に記載のワイパーブレード。
[9]溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mのプライマー塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程;前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程;前記加工された塗装鋼板の前記プライマー塗膜の上に、ポストコート塗膜を形成する工程、を含むワイパーブレードの製造方法。
本発明の第3は、以下のワイパーに関する。
[10][1]に記載のワイパーアームを含むか、または[6]に記載のワイパーブレードを含むワイパー。
[10][1]に記載のワイパーアームを含むか、または[6]に記載のワイパーブレードを含むワイパー。
本発明の第4は、以下の塗装鋼板に関する。
[11]鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板であって:前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり;前記塗膜は、前記鋼板の両面に設けられており、かつ表面張力が35〜75mN/mである、ワイパーアームまたはワイパーブレード用の塗装鋼板。
[11]鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板であって:前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり;前記塗膜は、前記鋼板の両面に設けられており、かつ表面張力が35〜75mN/mである、ワイパーアームまたはワイパーブレード用の塗装鋼板。
本発明により耐食性と生産性に優れたワイパーアームおよびワイパーブレードが提供できる。
1.ワイパーアームおよびワイパーブレード
本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、その構成材料として塗装鋼板を含む。ワイパーアームがその構成材料として塗装鋼板を含むとは、ワイパーアームの主要部分が塗装鋼板からなり、必要に応じて他の部品を含んでいることを意味する。同様に、ワイパーブレードがその構成材料として塗装鋼板を含むとは、ワイパーブレードの主要部分(例えば、プライマリーレバー、セカンダリーレバーまたはヨーク)が塗装鋼板からなり、必要に応じて他の部品(例えば、ブレードラバー)を含んでいることを意味する。本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードの形状は特に限定されず、通常のワイパーアームまたはワイパーブレードの形状であればよい。しかしながら、塗装鋼板からなる部分の形状は、もっとも一般的である断面U字型が好ましい。
本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、その構成材料として塗装鋼板を含む。ワイパーアームがその構成材料として塗装鋼板を含むとは、ワイパーアームの主要部分が塗装鋼板からなり、必要に応じて他の部品を含んでいることを意味する。同様に、ワイパーブレードがその構成材料として塗装鋼板を含むとは、ワイパーブレードの主要部分(例えば、プライマリーレバー、セカンダリーレバーまたはヨーク)が塗装鋼板からなり、必要に応じて他の部品(例えば、ブレードラバー)を含んでいることを意味する。本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードの形状は特に限定されず、通常のワイパーアームまたはワイパーブレードの形状であればよい。しかしながら、塗装鋼板からなる部分の形状は、もっとも一般的である断面U字型が好ましい。
前記塗装鋼板は、特定のめっき鋼板の両面に、35〜75mN/m(35〜75dyne/cm)の表面張力を有する塗膜(高表面張力塗膜)が形成された塗装鋼板である。このような塗装鋼板からなるワイパーアームおよびワイパーブレードは、湿潤環境において優れた耐食性を有する。これは、特定のめっき鋼板が優れた耐食性を有すること、その両面が塗膜によって保護されること、かつ当該塗膜が高い表面張力を有することによると考えられる。表面張力が高い塗膜は水に濡れやすいため、付着した水滴が広がりやすく蒸発しやすい。このため、表面張力が高い塗膜を有するワイパーアームおよびワイパーブレードは耐食性が向上する。従来のワイパーアームおよびワイパーブレードは、耐食性が十分でないため、特に端面部から赤錆が発生しやすく、著しく外観を損なうことが問題となっていた。しかし、本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードではこのような問題が低減される。
また、後述するとおり、本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、一定以上の表面張力を有する塗膜(高表面張力塗膜)の上に、さらに上塗り塗膜を有していてもよい。特に、ワイパーブレードは複雑な形状を有し、切断端面の露出箇所が多いため、上塗り塗膜を有することが好ましい。高表面張力塗膜の表面張力は35〜75mN/mであるため、上塗り塗膜との密着性に優れる。密着性が良好な上塗り塗膜を有するワイパーアームおよびワイパーブレードは、耐食性により優れる。従来のワイパーアームおよびワイパーブレードは、既に塗装してある塗膜の上にさらに上塗り塗膜を設けようとした際に、両者の密着性が十分でなかったが、本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードではこのような問題が低減される。
図1は、ワイパーの一例を示す斜視図である。図1に示されるように、本発明のワイパー100は、ガラス面を拭き取るワイパーブレード10と、ワイパーブレード10とワイパーを備える本体(車両等)とを接続するワイパーアーム1とを有する。
図2は、本発明のワイパーアームの一例を示す斜視図である。図2に示されるように、本発明のワイパーアーム1は、ワイパーブレード接続部1aと、回動軸受け部1bとを有する。回動軸受け部とは、車両等に設けられたワイパーを駆動させるための軸である。
図3は、本発明のワイパーブレードの一例を示す斜視図である。図3に示されるように、本発明のワイパーブレード10は、互いにリベットで接続された複数のレバー(プライマリーレバー、セカンダリーレバー、ヨーク)からなる保持レバー機構10aと、保持レバー機構10aにより保持されているバーティブラ10bおよびワイヤーラバー10cとを有する。プライマリーレバーには、ワイパーアーム接続部10dが設けられている。
図4は、本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードの塗装鋼板からなる部分の断面図である。ここでは、図2の線Z−Zにおける断面を示している。図4中、2は特定めっき鋼板、3は化成処理層、4は高表面張力塗膜、5は上塗り塗膜である。
本発明のワイパーアームまたはワイパーブレードは、鋼板と、高表面張力塗膜と称される塗膜と、任意の上塗り塗膜とを有する。また、本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは製造の仕方により、以下の二つに大別できる。第1はプレコートタイプであり、平坦な鋼板に塗膜を形成して得たいわゆるプレコート鋼板を加工してなるワイパーアームまたはワイパーブレードである。第2はプレ加工タイプであり、塗膜を有さない鋼板を所望の形状に加工してから塗装を施してなるワイパーアームまたはワイパーブレードである。いずれにしても、ワイパーアームまたはワイパーブレードは、鋼板と、高表面張力塗膜と称される塗膜と、任意の上塗り塗膜とを有するので、以下にそれぞれについて説明する。
(1)鋼板
鋼板とは板状の鋼である。本発明に用いられる鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板である。これらのめっき鋼板は、極めて優れた耐食性を有するため、耐食性に優れたワイパーアームおよびワイパーブレードを与える。特にこれらのめっき鋼板は、合金化溶融Znめっき鋼板に比べて、赤錆の発生が極めて低いため、ワイパーアームまたはワイパーブレードが腐食した場合でも、その外観性の低下を最小限に抑えることができる。溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を合わせて「特定めっき鋼板」と呼ぶことがある。
鋼板とは板状の鋼である。本発明に用いられる鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板である。これらのめっき鋼板は、極めて優れた耐食性を有するため、耐食性に優れたワイパーアームおよびワイパーブレードを与える。特にこれらのめっき鋼板は、合金化溶融Znめっき鋼板に比べて、赤錆の発生が極めて低いため、ワイパーアームまたはワイパーブレードが腐食した場合でも、その外観性の低下を最小限に抑えることができる。溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を合わせて「特定めっき鋼板」と呼ぶことがある。
溶融Znめっき鋼板とは、Zn(亜鉛)の溶融めっき浴を用いてめっきされた鋼板をいう。Znの溶融めっき浴には、Zn以外の金属が微量含まれていてもよい。Zn以外の金属の例には、Al、Pb、Sbが含まれる。これらの金属は、めっき浴中にAl:0.10以上0.20質量%未満、Pb:0.007質量%以下、Sb:0.01以上0.10質量%未満含まれていてもよい。また、Znの溶融めっき浴には、不可避的不純物が微量含まれていてもよい。不可避的不純物とは、めっき工程において意図していないにもかかわらず不可避的に混入する不純物である。
本発明の溶融Znめっき鋼板は、当該鋼板を加熱して、めっき層に母材である鋼板の鉄(Fe)を拡散させてZn−Fe合金を生成させた「合金化溶融Znめっき鋼板」を含まない。合金化溶融Znめっき鋼板は、合金化していない溶融Znめっき鋼板よりも耐食性に劣り、特に赤錆を発生させてワイパーアームまたはワイパーブレードの外観を低下させるからである。
溶融Zn−Al合金めっき鋼板とは、ZnとAl(アルミニウム)を必須成分として含む合金の溶融めっき浴を用いてめっきされた鋼板をいう。このような合金の好ましい例には、Alが3〜10質量%であって残部が実質的にZnからなる合金、Alが50〜60質量%であって残部が実質的にZnからなる合金が含まれる。中でも、本発明においては、Alが5質量%であって、残部が実質的にZnからなる「5%Al−Zn合金」、またはAlが55質量%であって、残部が実質的にZnからなる「55%Al−Zn合金」が好ましい。「残部が実質的にZnからなる」とは、残部がZnを含み、当該めっき鋼板の耐食性を阻害せず、かつ当該めっき鋼板の製造自体が可能な範囲で、Zn、Al以外の元素を含んでいることを含む。Zn、Al以外の元素の例には、Si、Fe、Mgが含まれる。これらの元素の好ましい含有量は、合金に対し、Si:3.0質量%以下、Fe:1.5質量%以下、Mg:0.5質量%以下である。その他、前記合金は、Cu、Pb、Sn、Ca、Ni、Mn、Cr、Ti、Na、B、Sr等の不可避的不純物を含んでいてもよい。
溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板とは、Znを主成分とし、Al、Mg(マグネシウム)を必須成分として含む合金の溶融めっき浴を用いてめっきされた鋼板をいう。このような合金の好ましい例には、Alが3〜22質量%、Mgが1〜10質量%、残部が実質的にZnからなる溶融Zn−Al−Mg合金が含まれる。ここでの「残部が実質的にZnからなる」とは、残部が40質量%以上のZnを含み、当該めっき鋼板の耐食性を阻害せず、かつ当該めっき鋼板の製造自体が可能な範囲で、Zn、Al、Mg以外の元素を含んでいることを含む。Zn、Al、Mg以外の元素の例には、Ti、B、Si、Feが含まれる。これらの元素の好ましい含有量は、合金に対し、Ti:0.1質量%以下、B:0.05質量%以下、Si:2質量%以下、Fe:2質量%以下である。その他、前記合金は不可避的不純物を含んでいてもよい。
本発明に用いる鋼板は、公知の製造方法により得ることができる。例えば、本発明に用いる鋼板は、連続溶融めっきラインにおいて製造することができる。本発明において記号「〜」は、その両端の数値を含む。
本発明に用いられる鋼板は、必要に応じて公知の塗装前処理が施される。当該処理の例には、鋼板表面に、酸洗および表面調整処理(酸系)を施した後、任意のクロムフリー塗装前処理皮膜を形成する処理や;鋼板表面に、アルカリ脱脂処理を施した後、任意のクロムフリー塗装前処理皮膜を形成する処理が含まれる。これらの塗装前処理により、鋼板と塗膜の密着性が向上する。つまり鋼板は、塗膜が形成される前に化成処理が施されていることが好ましい。例えば、平坦な鋼板に施された化成処理により、均一な化成処理層が形成され、塗膜との密着性をより強固にすることができる。
本発明における鋼板の厚みは、通常、ワイパーアームまたはワイパーブレードに用いられる厚みであれば限定されない。しかしながら、加工性、強度等の観点から、0.3〜2mm程度であることが好ましい。
(2)高表面張力塗膜
本発明のワイパーアームまたはワイパーブレードは、前記鋼板(好ましくは、特定めっき鋼板)の両面に、表面張力が35〜75mN/mの高表面張力塗膜を有する。この表面張力の値は好ましくは40〜50mN/mである。塗膜の表面張力がこの範囲にあるワイパーアームは、前述のとおり、水滴が付着しても蒸発しやすいため耐食性に優れる。また、上塗り塗膜を設ける場合は上塗り塗膜との密着性にも優れる。表面張力は公知の方法で測定されうるが、好ましくは拡張Fowkes式により求められる。
本発明のワイパーアームまたはワイパーブレードは、前記鋼板(好ましくは、特定めっき鋼板)の両面に、表面張力が35〜75mN/mの高表面張力塗膜を有する。この表面張力の値は好ましくは40〜50mN/mである。塗膜の表面張力がこの範囲にあるワイパーアームは、前述のとおり、水滴が付着しても蒸発しやすいため耐食性に優れる。また、上塗り塗膜を設ける場合は上塗り塗膜との密着性にも優れる。表面張力は公知の方法で測定されうるが、好ましくは拡張Fowkes式により求められる。
高表面張力塗膜は、マトリックス樹脂に極性基を有する樹脂を用いることで得られる。極性基を有する樹脂の例には、エポキシ樹脂、エポキシ/アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が含まれる。また、これらの樹脂は、分子内にカルボキシル基、スルホン酸基やアミノ基が導入された変性樹脂であってもよい。このような極性の高い基をさらに有する樹脂は、塗膜の表面張力をより高めるからである。これらの変性は公知の方法で行えばよい。これらの樹脂を主成分とする塗料を、鋼板の上に塗装することにより、表面張力を35〜75mN/mとする高表面張力塗膜が得られる。
前述の特定めっき鋼板は、塗料との密着性が悪い場合がある。これは、特定めっき鋼板は、合金化処理等がされていないため、表面が滑らかであり、アンカー効果を得にくいためと考えられる。ところが高表面張力塗膜は、特定めっき鋼板上に形成されても、塗装工程において鋼板表面としっかりなじみ、鋼板と強固に密着することができる。さらに、平坦な鋼板の上に形成された塗膜の膜厚は、均一性にも優れる。このため、高表面張力塗膜を形成された特定めっき鋼板は、耐食性に優れたワイパーアームおよびワイパーブレードを提供することができる。
高表面張力塗膜は、公知の方法で形成されうる。公知の方法の例には、スプレー塗装、粉体塗装、刷毛塗り塗装して塗膜を形成する方法が含まれる。また、鋼板に形成された高表面張力塗膜に、エッチング処理等を施して、その表面張力を調整してもよい。エッチング処理等の例にはプラズマ処理やコロナ放電処理等が含まれる。
後述の通り、高表面張力塗膜には、上塗り塗膜が形成されることがある。このとき、高表面張力塗膜と上塗り塗膜の親和性が十分でないと、層間剥離が生じるおそれがある。例えば、高表面張力塗膜の表面張力が十分高くないと濡れ性が悪くなり、その上に塗装される塗料をはじき、十分な密着性を有する上塗り塗膜が得られない場合がある。本発明における高表面張力塗膜の表面張力は、35〜75mN/mであるため、このような不良は発生せず、上塗り塗膜を適切に形成することができる。
高表面張力塗膜は防錆顔料を含むことが好ましい。すなわち、高分子化合物からなるマトリックス樹脂に防錆顔料が分散していることが好ましい。防錆顔料とは、耐食性を高めるために添加される顔料である。好ましい防錆顔料の例には、カルシウムシリケート、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛が含まれる。なかでも、リン酸水素マグネシウムまたはリン酸マグネシウム等のMgを含む防錆顔料がより好ましい。Mgを含む顔料が塗膜から水に溶けて流れ出して端面部に到達すると、端面部に難溶性のMgを含む成分を生成し、この難溶性成分が腐食を抑制するからである。
リン酸マグネシウムはMg3(PO4)2で表される。リン酸水素マグネシウムはMgHPO4で表されるリン酸第一マグネシウム、またはMg(H2PO4)2で表されるリン酸第二マグネシウムをいう。
これらの防錆顔料の塗膜中の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対して、2〜50質量部であることが好ましい。防錆顔料の添加量が、前記範囲の上限を超えると、塗膜の加工性が悪くなることがあり、前記範囲の下限未満であると、耐食効果が十分でないことがある。従って、防錆顔料の添加量が前記範囲であると、塗膜の加工性と耐食効果のバランスに優れる。
高表面張力塗膜の膜厚は、2μm以上とすることが好ましい。しかしながら塗膜が厚くなりすぎるとコストの上昇や加工性低下などを引き起こすことがあるため、膜厚は2〜10μmであることが好ましい。ここでの膜厚は、平均膜厚を意味する。平均膜厚は公知の方法により測定されるが、なかでも重量法により測定することが好ましい。膜厚は均一であることが好ましいことから、膜厚の誤差範囲は、±1μm程度であることが好ましい。後述のプライマー鋼板の高表面張力塗膜であるプライマー塗膜の膜厚は均一であり、誤差を小さくすることができる。
高表面張力塗膜には、家電や建材用の塗装鋼板に使用されているようなレベリング剤、消包材、潤滑剤、紫外線吸収剤等の任意の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤を含む塗膜を有する塗装鋼板は、意匠性や耐候性等に優れるからである。一方で、これらの添加剤を含む塗膜は、後述の上塗り塗膜との密着性が低下しやすい場合がある。よって、上塗り塗膜を形成する場合には、高表面張力塗膜にこれらの添加剤を含有させないことが好ましい場合がある。
高表面張力塗膜は、「プレコートタイプのワイパーアームまたはワイパーブレード」の場合には「プライマー塗膜」と称される。つまり、所定の形状に加工(打ち抜き加工や折り曲げ加工)される前の鋼板(好ましくは、平坦な特定めっき鋼板)に形成された高表面張力塗膜を「プライマー塗膜」という。そして、プライマー塗膜を有する平坦な鋼板をプライマー鋼板という。
一方で、高表面張力塗膜は、形状加工された鋼板に形成されても構わない。この場合には、「プレ加工タイプのワイパーアームまたはワイパーブレード」が作製される。
前記の通り、本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、プレコートタイプであっても、プレ加工タイプであってもよいが、プレコートタイプであることが好ましい。特に、前記特定めっき鋼板に、高表面張力塗膜であるプライマー塗膜を形成すれば、両者の密着性が高くなり、そのプライマー鋼板から得られるワイパーアームおよびワイパーブレードの耐食性は極めて優れる。
プレコートタイプのワイパーアームおよびワイパーブレードは、前記プライマー鋼板を切断加工、曲げ加工して製造される。これらの加工により、プライマー塗膜の下地である鋼板が露出されることがある。下地が露出した部分は、一般的に耐食性が劣る。しかしながら、プライマー鋼板の鋼板を、前記特定のめっき鋼板としておけば、露出面の耐食性も向上しうる。もちろん、プライマー塗膜に防錆顔料が含まれれば、露出面の耐食性はより向上する。
(3)上塗り塗膜
本発明のワイパーアームまたはワイパーブレードは、上塗り塗膜を有していてもよい。上塗り塗膜は、ワイパーアームまたはワイパーブレードの外観性と耐食性をより向上させうる。
本発明のワイパーアームまたはワイパーブレードは、上塗り塗膜を有していてもよい。上塗り塗膜は、ワイパーアームまたはワイパーブレードの外観性と耐食性をより向上させうる。
上塗り塗膜は、鋼板の高表面張力塗膜の上に形成されている。上塗り塗膜は、鋼板の片面に形成されていればよいが、両面に形成されていてもよい。上塗り塗膜を鋼板の片面だけに形成する場合は、ワイパーアームまたはワイパーブレードのおもて面(ワイパーを自動車に取り付けた際に、フロントガラスと反対になる面)に、上塗り塗膜を形成することが好ましい。ワイパーアームまたはワイパーブレードの外観を向上させられるからである。また特に、形状加工された鋼板の切断端面には、上塗り塗膜が形成されることが好ましい。
上塗り塗膜のうち、特に、プレコートタイプのワイパーアームまたはワイパーブレードにおいて、所定の形状に加工されたプライマー鋼板のプライマー塗膜上に形成される塗膜を「ポストコート塗膜」という。
ワイパーブレードは、ワイパーアームと比較して、複雑な折り曲げ加工や、打ち抜き加工により製造され、複雑な形状を有することが多い。したがって、プレコートタイプのワイパーブレードでは、プライマー塗装だけでは、切断端面などに鋼板が露出してしまうことが多い。したがって、プレコートタイプのワイパーブレードは特に、ポストコート塗膜、すなわち上塗り塗膜を有していることが好ましい。露出した端面の鋼板にポストコート塗膜が施されていると、耐食性が極めてより向上するからである。
上塗り塗膜の塗料の例には、アクリル系粉体塗料、ポリエステル系粉体塗料、エポキシ系粉体塗料、ラッカーなどが含まれる。具体的には、高表面張力塗膜との密着性に優れるポストコート塗膜を選択することが好ましい。
上塗り塗膜は、一般にワイパーの塗装に用いられる塗料から公知の塗装方法で形成されることが好ましい。公知の塗装方法の例には、スプレー塗装、粉体塗装や刷毛塗り塗装が含まれるが、なかでも、粉体塗装が好ましい。上塗り塗膜の厚みは、外観性、耐食性等を考慮して、20μm以上とすることが好ましい。さらにコスト、耐候性、耐食性などを加味すると、膜厚は30〜200μmとすることがより好ましい。
2.ワイパーアームおよびワイパーブレードの製造方法
本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、発明の効果を損なわない範囲で任意に製造されるが、以下好ましい製造方法を説明する。
本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、発明の効果を損なわない範囲で任意に製造されるが、以下好ましい製造方法を説明する。
本発明のワイパーアームは、
(A)溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mの塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程、
(B)前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程を得て製造されることが好ましい。
本発明のワイパーアームの製造方法は、(B)の後に(C)前工程で得られた塗装鋼板にさらに塗装を施す工程を有していてもよい。
(A)溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mの塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程、
(B)前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程を得て製造されることが好ましい。
本発明のワイパーアームの製造方法は、(B)の後に(C)前工程で得られた塗装鋼板にさらに塗装を施す工程を有していてもよい。
一方、本発明のワイパーブレードは、
(A)溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mの塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程、
(B)前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程、
(C)前工程で得られた塗装鋼板にさらに塗装を施す工程を得て製造されることが好ましい。
(A)溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mの塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程、
(B)前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程、
(C)前工程で得られた塗装鋼板にさらに塗装を施す工程を得て製造されることが好ましい。
(A)工程
本工程では、特定めっき鋼板の両面に塗膜が形成された塗装鋼板(プライマー鋼板)を準備する。塗装鋼板とは、鋼板表面に塗膜を有する鋼板である。塗膜とは鋼板表面に塗料を塗装して得られる膜である。塗装鋼板における鋼板は、基材または塗装原板とも呼ばれる。本発明における塗装鋼板の塗装原板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板などである。
本工程では、特定めっき鋼板の両面に塗膜が形成された塗装鋼板(プライマー鋼板)を準備する。塗装鋼板とは、鋼板表面に塗膜を有する鋼板である。塗膜とは鋼板表面に塗料を塗装して得られる膜である。塗装鋼板における鋼板は、基材または塗装原板とも呼ばれる。本発明における塗装鋼板の塗装原板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板などである。
次に、塗料を準備する。塗料は、表面張力が35〜75mN/mの塗膜を与える樹脂に、防錆顔料等を混合して得られる。混合する手段は特に限定されないが、撹拌機、三本ロールや、ビーズミル等を用いることが好ましい。このとき溶媒を加えてもよい。表面張力が35〜75mN/mの塗膜を与える樹脂としては、既に述べたとおり、エポキシ樹脂等の極性基を有する樹脂を用いればよい。
得られた塗料を特定めっき鋼板の両面に塗布して(塗布工程)、当該塗膜を加熱して乾燥させる(焼付工程)ことにより、プライマー鋼板を得ることができる。塗料を特定めっき鋼板に塗布する方法の例には、ロールコート、カーテンコート、ダイコートや、ナイフコートが含まれる。さらには、これらを用いた連続塗装ラインにより塗装を行ってもよい。塗料の塗布量は所望の膜厚となるように調整される。焼付工程は到達板温が150〜250℃となるように行うことが好ましい。
(B)工程
本工程は、前工程で得たプライマー鋼板を形状加工し、ワイパーアームの形状またはワイパーブレードの形状とする工程である。形状加工には、折り曲げ加工や打ち抜き加工などがある。折り曲げ加工は公知の方法に準じて行ってよい。また打ち抜き加工は、(B)工程の前に行い、プライマー鋼板を所望の形状に打ち抜いておいてもよい。
本工程は、前工程で得たプライマー鋼板を形状加工し、ワイパーアームの形状またはワイパーブレードの形状とする工程である。形状加工には、折り曲げ加工や打ち抜き加工などがある。折り曲げ加工は公知の方法に準じて行ってよい。また打ち抜き加工は、(B)工程の前に行い、プライマー鋼板を所望の形状に打ち抜いておいてもよい。
(C)工程
本工程は、加工されたプライマー鋼板に上塗り塗装(ポストコート塗装)を施す工程である。本工程で用いられる塗料は、一般的にワイパーに用いられる塗料であればよい。本工程で用いられる塗料の例には、アクリル系粉体塗料、ポリエステル系粉体塗料、エポキシ系粉体塗料、ラッカーが含まれる。
本工程は、加工されたプライマー鋼板に上塗り塗装(ポストコート塗装)を施す工程である。本工程で用いられる塗料は、一般的にワイパーに用いられる塗料であればよい。本工程で用いられる塗料の例には、アクリル系粉体塗料、ポリエステル系粉体塗料、エポキシ系粉体塗料、ラッカーが含まれる。
3.ワイパーアームおよびワイパーブレードの用途
本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、ワイパーの部品として用いられる。本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、優れた耐食性を有するため、車両用ワイパー、特に自動車のワイパーに好適である。
本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、ワイパーの部品として用いられる。本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、優れた耐食性を有するため、車両用ワイパー、特に自動車のワイパーに好適である。
[実施例1]
1)鋼板の準備
板厚0.5mmのAlキルド鋼冷延鋼板(公称組成;C:0.04質量%、Si:0.03質量%、Mn:0.20質量%、P:0.01質量%、S:0.01質量%、Al:0.01質量%、残部Fe)を準備した。溶融Znめっき浴を用いて前記鋼板表面にめっきを施し、溶融Znめっき鋼板(以下「GI」ともいう)を調製した。当該めっき鋼板の片面めっき付着量は74g/m2であった。
1)鋼板の準備
板厚0.5mmのAlキルド鋼冷延鋼板(公称組成;C:0.04質量%、Si:0.03質量%、Mn:0.20質量%、P:0.01質量%、S:0.01質量%、Al:0.01質量%、残部Fe)を準備した。溶融Znめっき浴を用いて前記鋼板表面にめっきを施し、溶融Znめっき鋼板(以下「GI」ともいう)を調製した。当該めっき鋼板の片面めっき付着量は74g/m2であった。
このめっき鋼板に、酸洗処理液(日本ペイント社製、NPC700)を用いた表面調整処理、および湯洗による洗浄処理を施し、その後乾燥した。続いてこのめっき鋼板表面に、Si系のクロムフリー処理液(日本ペイント社製、EC2000)をロールコーターで塗布し、100℃で乾燥して、クロムフリー塗装前処理(化成処理)を施した。
2)プライマー塗膜の形成
エポキシ樹脂100質量部に対し、防錆顔料としてトリポリリン酸二水素アルミニウム・マグネシウム30質量部を配合して塗料を調製した。続いて、化成処理の施されためっき鋼板の両面に、前記塗料をロールコートで塗布し、最高板到達温度が200℃となるような条件で焼き付けて、鋼板の両面にプライマー塗膜を形成した。膜厚は7μmとした。
エポキシ樹脂100質量部に対し、防錆顔料としてトリポリリン酸二水素アルミニウム・マグネシウム30質量部を配合して塗料を調製した。続いて、化成処理の施されためっき鋼板の両面に、前記塗料をロールコートで塗布し、最高板到達温度が200℃となるような条件で焼き付けて、鋼板の両面にプライマー塗膜を形成した。膜厚は7μmとした。
3)表面張力の測定
プライマー鋼板の表面張力は、水とヨウ化メチレンに対する接触角を測定して求めた。対水接触角は公知の方法で求めてよいが、本発明においては、20±2℃の環境下で水平に静置された塗装鋼板の上に、直径約1.6mm(液量にして約2.1μL)の純水、またはヨウ化メチレンの水滴を滴下し、液滴が塗装鋼板表面となす角度から求めた。具体的には、液滴を真横から観察して、液滴の左右の端点における接線が、鋼板表面となす角度から接触角を求めた。水に対する接触角からは分散力が、ヨウ化メチレンに対する接触角からは極性力が得られる。得られたこれらのデータをもとに拡張Fowkes式により表面張力を求めた。
プライマー鋼板の表面張力は、水とヨウ化メチレンに対する接触角を測定して求めた。対水接触角は公知の方法で求めてよいが、本発明においては、20±2℃の環境下で水平に静置された塗装鋼板の上に、直径約1.6mm(液量にして約2.1μL)の純水、またはヨウ化メチレンの水滴を滴下し、液滴が塗装鋼板表面となす角度から求めた。具体的には、液滴を真横から観察して、液滴の左右の端点における接線が、鋼板表面となす角度から接触角を求めた。水に対する接触角からは分散力が、ヨウ化メチレンに対する接触角からは極性力が得られる。得られたこれらのデータをもとに拡張Fowkes式により表面張力を求めた。
4)ポストコート塗膜の形成
プライマー鋼板を成形加工後、エポキシ系の粉体塗料を塗布した。具体的には、市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いてプライマー鋼板に静電塗装した。塗布時の膜厚は50μmになるようにした。塗装後、190℃で20分間焼き付けてポストコート塗膜を有する塗装鋼板を得た。
プライマー鋼板を成形加工後、エポキシ系の粉体塗料を塗布した。具体的には、市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いてプライマー鋼板に静電塗装した。塗布時の膜厚は50μmになるようにした。塗装後、190℃で20分間焼き付けてポストコート塗膜を有する塗装鋼板を得た。
5)密着性評価
こうして得た塗装鋼板について、JIS K 5400に準じて密着性評価を行った。具体的には以下のようにして評価した。
試験片の塗膜に、カッターナイフ(NTカッター)で素地に達する傷を作り、ゴバン目を作成した。ゴバン目の間隔は1mmとし、縦横直角に11本の線を交差させた。ゴバン目にJIS Z 1522による幅18mmのセロハン粘着テープを完全に圧着して、直ちに90度方向に瞬間的に引き離した。塗膜が剥離しなかった升目を数え、密着性能を評価した。
こうして得た塗装鋼板について、JIS K 5400に準じて密着性評価を行った。具体的には以下のようにして評価した。
試験片の塗膜に、カッターナイフ(NTカッター)で素地に達する傷を作り、ゴバン目を作成した。ゴバン目の間隔は1mmとし、縦横直角に11本の線を交差させた。ゴバン目にJIS Z 1522による幅18mmのセロハン粘着テープを完全に圧着して、直ちに90度方向に瞬間的に引き離した。塗膜が剥離しなかった升目を数え、密着性能を評価した。
6)耐食性評価
複合サイクル試験/CCT(JASO(社団法人自動車技術会規格) M 610−92)に準じて、耐食性を評価した。具体的には、以下の手順により試験を行った。
6−1)端面耐食性
プライマー鋼板を65cm×150cmに切断した後、前記の方法でポストコート塗装を施したサンプルを準備した。
このサンプルを、塩水(5%NaCl)噴霧試験(35℃)2時間、乾燥工程(60℃)4時間、湿潤試験(49℃、RH95%以上)2時間を1サイクルとし、120サイクル行うCCT試験に供した。
このようにして120サイクル試験を行った後のサンプルの切断端面を目視で観察し、発生した腐食の程度により耐食性を評価した。評価基準は、赤錆の発生率が20%未満であったもの:○、20%以上〜40%未満であったもの:△、40%以上であったもの:×とした。
複合サイクル試験/CCT(JASO(社団法人自動車技術会規格) M 610−92)に準じて、耐食性を評価した。具体的には、以下の手順により試験を行った。
6−1)端面耐食性
プライマー鋼板を65cm×150cmに切断した後、前記の方法でポストコート塗装を施したサンプルを準備した。
このサンプルを、塩水(5%NaCl)噴霧試験(35℃)2時間、乾燥工程(60℃)4時間、湿潤試験(49℃、RH95%以上)2時間を1サイクルとし、120サイクル行うCCT試験に供した。
このようにして120サイクル試験を行った後のサンプルの切断端面を目視で観察し、発生した腐食の程度により耐食性を評価した。評価基準は、赤錆の発生率が20%未満であったもの:○、20%以上〜40%未満であったもの:△、40%以上であったもの:×とした。
6−2)加工部耐食性
プライマー鋼板を50cm×40cmに切断した後、加工角度90度、曲率半径R=1mmの曲げ加工を施した。その後、前記の方法でポストコート塗装を施した。
次に、このサンプルを、上記CCT120サイクル試験に供し、試験後のサンプルの加工部を目視で観察して、加工部耐食性を評価した。評価基準は、赤錆の発生率が10%未満であったもの:○、10%以上〜30%未満であったもの:△、30%以上であったもの:×とした。
プライマー鋼板を50cm×40cmに切断した後、加工角度90度、曲率半径R=1mmの曲げ加工を施した。その後、前記の方法でポストコート塗装を施した。
次に、このサンプルを、上記CCT120サイクル試験に供し、試験後のサンプルの加工部を目視で観察して、加工部耐食性を評価した。評価基準は、赤錆の発生率が10%未満であったもの:○、10%以上〜30%未満であったもの:△、30%以上であったもの:×とした。
[実施例2〜4]
プライマー塗膜の樹脂が異なる以外は、実施例1と同様にサンプルを作製し、評価した。
プライマー塗膜の樹脂が異なる以外は、実施例1と同様にサンプルを作製し、評価した。
[実施例5〜8]
前記と同じAlキルド鋼冷延鋼板を準備した。溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg系合金めっき浴を用いて前記鋼板表面にめっきを施し、溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板(以下「ZAM」ともいう)を調製した。当該めっき鋼板の片面めっき付着量は80g/m2であった。
こうして得ためっき鋼板を塗装原板とした以外は、実施例1〜4と同様にして、塗装鋼板を作製し、密着性、耐食性を評価した。
前記と同じAlキルド鋼冷延鋼板を準備した。溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg系合金めっき浴を用いて前記鋼板表面にめっきを施し、溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板(以下「ZAM」ともいう)を調製した。当該めっき鋼板の片面めっき付着量は80g/m2であった。
こうして得ためっき鋼板を塗装原板とした以外は、実施例1〜4と同様にして、塗装鋼板を作製し、密着性、耐食性を評価した。
[実施例9〜12]
前記と同じAlキルド鋼冷延鋼板を準備し、溶融Zn−55%Al合金めっき浴を用いてめっきを施し、溶融Zn−55%Alめっき鋼板(以下「GL」ともいう)を調製した。当該めっき鋼板の片面めっき付着量は70g/m2であった。
こうして得ためっき鋼板を塗装原板とした以外は、実施例1〜4と同様にして、塗装鋼板を作製し、密着性、耐食性を評価した。
前記と同じAlキルド鋼冷延鋼板を準備し、溶融Zn−55%Al合金めっき浴を用いてめっきを施し、溶融Zn−55%Alめっき鋼板(以下「GL」ともいう)を調製した。当該めっき鋼板の片面めっき付着量は70g/m2であった。
こうして得ためっき鋼板を塗装原板とした以外は、実施例1〜4と同様にして、塗装鋼板を作製し、密着性、耐食性を評価した。
[実施例13〜16]
前記と同じAlキルド鋼冷延鋼板を準備し、溶融Zn−5%Al合金めっき浴を用いてめっきを施し、溶融Zn−5%Alめっき鋼板(以下「GF」ともいう)を調製した。当該めっき鋼板の片面めっき付着量は75g/m2であった。
こうして得ためっき鋼板を塗装原板とした以外は、実施例1〜4と同様にして、塗装鋼板を作製し、密着性、耐食性を評価した。
これらの結果を表1に示す。
前記と同じAlキルド鋼冷延鋼板を準備し、溶融Zn−5%Al合金めっき浴を用いてめっきを施し、溶融Zn−5%Alめっき鋼板(以下「GF」ともいう)を調製した。当該めっき鋼板の片面めっき付着量は75g/m2であった。
こうして得ためっき鋼板を塗装原板とした以外は、実施例1〜4と同様にして、塗装鋼板を作製し、密着性、耐食性を評価した。
これらの結果を表1に示す。
[比較例1〜4]
実施例1〜4と同様にして溶融Znめっき鋼板(GI)を準備した。当該GIを450〜650℃で加熱することにより、合金化溶融Znめっき鋼板(以下「GA」ともいう)を調製した。こうして得たGAを用い、実施例1〜4と同様にして、塗装鋼板を作製し、密着性、耐食性を評価した。
実施例1〜4と同様にして溶融Znめっき鋼板(GI)を準備した。当該GIを450〜650℃で加熱することにより、合金化溶融Znめっき鋼板(以下「GA」ともいう)を調製した。こうして得たGAを用い、実施例1〜4と同様にして、塗装鋼板を作製し、密着性、耐食性を評価した。
[比較例5〜7]
実施例1〜4と同様にして、溶融Znめっき鋼板(GI)を準備した。表2に示すような表面張力が35mN/m未満の塗料を準備し、実施例と同じようにしてプライマー鋼板を準備した。その後、実施例と同様にポストコートを施したサンプルを作製し、密着性、耐食性の評価を行った。
実施例1〜4と同様にして、溶融Znめっき鋼板(GI)を準備した。表2に示すような表面張力が35mN/m未満の塗料を準備し、実施例と同じようにしてプライマー鋼板を準備した。その後、実施例と同様にポストコートを施したサンプルを作製し、密着性、耐食性の評価を行った。
[比較例8〜10]
塗装原板としてZAMを使用する以外は、比較例5〜7と同様にして密着性、耐食性の評価を行った。
塗装原板としてZAMを使用する以外は、比較例5〜7と同様にして密着性、耐食性の評価を行った。
[比較例11〜13]
塗装原板としてGLを使用する以外は、比較例5〜7と同様にして密着性、耐食性の評価を行った。
塗装原板としてGLを使用する以外は、比較例5〜7と同様にして密着性、耐食性の評価を行った。
[比較例14〜16]
塗装原板としてGFを使用する以外は、比較例5〜7と同様にして密着性、耐食性の評価を行った。
これらの結果を表2に示す。
塗装原板としてGFを使用する以外は、比較例5〜7と同様にして密着性、耐食性の評価を行った。
これらの結果を表2に示す。
実施例と比較例1〜4の比較により、塗装原板にGI、ZAM、GL、GFを用いる本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは、耐食性に優れることが明らかである。また、実施例と比較例5〜16の比較から、本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは表面張力が高いプライマー塗膜を有するためポストコート塗膜との密着性が良好であり、かつ耐食性にも優れることが明らかである。
本発明のワイパーアームおよびワイパーブレードは耐食性に優れるため、ワイパーの部品、特に自動車用ワイパー部品として有用である。
1 ワイパーアーム
1a ワイパーブレード接続部
1b 回動軸受け部
2 特定めっき鋼板
3 化成処理層
4 高表面張力塗膜(プライマー塗膜)
5 上塗り塗膜(ポストコート塗膜)
10 ワイパーブレード
10a 保持レバー機構
10b バーティブラ
10c ワイパーラバー
10d ワイパーアーム接続部
100 ワイパー
1a ワイパーブレード接続部
1b 回動軸受け部
2 特定めっき鋼板
3 化成処理層
4 高表面張力塗膜(プライマー塗膜)
5 上塗り塗膜(ポストコート塗膜)
10 ワイパーブレード
10a 保持レバー機構
10b バーティブラ
10c ワイパーラバー
10d ワイパーアーム接続部
100 ワイパー
Claims (11)
- 鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーアームであって、
前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり、
前記塗膜は、前記鋼板の両面に設けられており、かつ表面張力が35〜75mN/mである、ワイパーアーム。 - 前記ワイパーアームは前記塗装鋼板を加工してなり、
前記塗膜は、ワイパーアームに加工される前の鋼板の両面に形成されたプライマー塗膜である、請求項1に記載のワイパーアーム。 - 前記プライマー塗膜の上に、前記加工の後に形成されたポストコート塗膜をさらに有する、請求項2に記載のワイパーアーム。
- 前記塗膜は、防錆顔料を含む、請求項1または2に記載のワイパーアーム。
- 溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mの塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程、
前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程、を含むワイパーアームの製造方法。 - 鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板を構成材料として含むワイパーブレードであって、
前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり、
前記塗膜は、高表面張力塗膜と前記高表面張力塗膜の上に形成された上塗り塗膜とを有し、
前記高表面張力塗膜の表面張力は、35〜75mN/mである、ワイパーブレード。 - 前記ワイパーブレードは、前記塗装鋼板を加工してなり、
前記高表面張力塗膜は前記加工前に鋼板の両面に形成され、かつ前記上塗り塗膜は前記加工の後に形成される、請求項6に記載のワイパーブレード。 - 前記高表面張力塗膜は、防錆顔料を含む、請求項6に記載のワイパーブレード。
- 溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の両面に設けられた表面張力が35〜75mN/mのプライマー塗膜を有する塗装鋼板を準備する工程、
前記塗装鋼板を折り曲げ加工する工程、
前記加工された塗装鋼板の前記プライマー塗膜の上に、ポストコート塗膜を形成する工程、を含むワイパーブレードの製造方法。 - 請求項1に記載のワイパーアームを含むか、または請求項6に記載のワイパーブレードを含むワイパー。
- 鋼板の上に塗膜を有する塗装鋼板であって、
前記鋼板は、溶融Znめっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板、または溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であり、
前記塗膜は、前記鋼板の両面に設けられており、かつ表面張力が35〜75mN/mである、ワイパーアームまたはワイパーブレード用の塗装鋼板。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2009
- 2009-03-09 JP JP2009055572A patent/JP2009255907A/ja active Pending
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