JP2009051196A - 塗装鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】化成皮膜中にクロムを用いることなく、塗膜密着性および耐食性、特に端面耐食性に優れた塗装鋼板を提供する。
【解決手段】鋼板の両面に、亜鉛系めっき層と、Co、Ni及びFeのうちの少なくとも1種を含有し、付着量が合計で2〜20mg/m2である下地皮膜と、リン、シリカ、アクリル樹脂及びウレタン樹脂を含有し、クロムを含有しない非晶質の化成皮膜とを順次形成し、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上に、下塗り塗膜及び上塗り塗膜を形成することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜密着性及び耐食性、特に端面耐食性に優れる塗装鋼板に関するものである。本発明の塗装鋼板は、特にエアコンの室外機の外板などに使用するのが適している。
建材、家電製品等の使途で耐食性を要求される部位には、亜鉛めっきや亜鉛合金めっき等の表面処理が施された、亜鉛系めっき鋼板が用いられている。これら亜鉛系めっき鋼板はそのままで使用されることは少なく、通常は亜鉛系めっき層の上に塗膜を施して使用されている。また一般的に、塗膜を施す前処理として、クロメート系化成皮膜または非クロム系化成皮膜をめっき層上に施している。
前記クロメート系化成皮膜を用いた塗装鋼板は、例えば特許文献1に開示されているような、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂(硬化剤)、防錆顔料、有機高分子微粒子などを配合した塗料を塗装した鋼板が挙げられる。しかし、特許文献1の塗装鋼板は、良好な耐食性および密着性等を有しているものの、クロムを用いているため環境上好ましくないという問題があった。
また、非クロム系化成皮膜を使用した塗装鋼板として、例えば、特許文献2に開示されているような、シリカをベースとする非クロム系塗布型下地処理を施した鋼板が挙げられる。しかし、特許文献2の塗装鋼板では、前記非クロム系下地処理皮膜とめっき層との密着性が十分ではなく、前記非クロム系下地処理皮膜とめっき層との界面で塗膜の剥離が生じやすく、特に、この剥離によって、端面耐食性が低下するという問題があった。
特開平9−111183号公報 特開2005−28822号公報
本発明の目的は、鋼板の両面に、形成した亜鉛系めっき層上に、クロムを含有しない所定の化成皮膜を形成する前に、所定の下地処理を行うことにより、塗膜密着性および耐食性、特に端面耐食性に優れる塗装鋼板を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決できる塗装鋼板を得るために検討を重ねた結果、前記亜鉛系めっき層上に、Co、Ni及びFeのうちの少なくとも1種を含有し、かつ片面あたりの付着量が合計で2〜20mg/m2となる下地皮膜を形成し、その下地皮膜上に、リン、シリカ、アクリル樹脂及びウレタン樹脂を含有する化成皮膜を形成することで、優れた塗膜密着性および耐食性、特に端面耐食性が得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨構成は以下の通りである。(1)鋼板の両面に、亜鉛系めっき層と、Co、Ni及びFeのうちの少なくとも1種を含有し、かつ片面あたりの付着量が合計で2〜20mg/m2である下地皮膜と、リン、シリカ、アクリル樹脂及びウレタン樹脂を含有し、クロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、該化成皮膜上に、下塗り塗膜及び上塗り塗膜とを形成することを特徴とする塗装鋼板。
(2)前記化成皮膜は、Zr化合物をさらに含有することを特徴とする上記(1)記載の塗装鋼板。
(3)前記塗装鋼板の下地鋼板の厚さに対する前記亜鉛系めっき層の厚さが、15μm/mm以上であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の塗装鋼板。
(4)前記下塗り塗膜は、低表面張力添加剤を含有することを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の塗装鋼板。
(5)前記下塗り塗膜は、鱗片状Alを含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の塗装鋼板。
この発明によれば、化成皮膜中にクロムを用いることなく、塗膜密着性および耐食性、特に端面耐食性に優れた塗装鋼板の提供が可能となった。
以下、本発明に従う塗装鋼板の詳細と限定理由を説明する。
本発明の塗装鋼板は、鋼板の両面に、亜鉛系めっき層と、Co、Ni及びFeのうちの少なくとも1種を含有し、かつ付着量が合計で2〜20mg/m2である下地皮膜と、リン、シリカ、アクリル樹脂及びウレタン樹脂を含有し、クロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、該化成皮膜上に、下塗り塗膜及び上塗り塗膜とを形成することを特徴とする塗装鋼板である。
(亜鉛系めっき層)
本発明の塗装鋼板の下地鋼板となる亜鉛系めっき層を形成した鋼板としては、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(例えば、溶融亜鉛−55質量%アルミニウム合金めっき鋼板、溶融亜鉛−5質量%アルミニウム合金めっき鋼板)、鉄−亜鉛合金めっき鋼板、ニッケル−亜鉛合金めっき鋼板、黒色化処理後のニッケル-亜鉛合金めっき鋼板などの各種亜鉛系めっき鋼板を用いることができる。
また、前記亜鉛めっき層の厚さ(μm)は、塗装鋼板の下地鋼板の厚さ(mm)に対して、15μm/mm以上であることが好ましく、18μm/mm以上であることがより好適である。これは下地鋼板の厚さに対するめっき層の厚さが大きいほど端面耐食性が良好となるという知見に基づき、15μm/mm未満の場合には、十分な端面耐食性を得ることができない恐れがあるからである。
(下地皮膜)
前記亜鉛系めっき層を有するめっき鋼板の両面に下地皮膜を形成する。本発明による下地皮膜とは、主としてめっき層と化成皮膜との密着性向上のために、化成皮膜形成前に前記亜鉛系めっき層上に形成される皮膜のことであり、好ましくは、亜鉛系めっき層上に、島状に点在した状態で形成される皮膜である。
また、前記下地皮膜は、前記亜鉛系めっき層との密着性を有する点から、Co、Ni及びFeのうちの少なくとも1種を含有する必要がある。Co、Ni及びFeのうち少なくとも1種を含有する下地皮膜を形成し、化成皮膜と亜鉛めっき層の密着性を低下させる亜鉛めっき層表面の亜鉛酸化物を少なくすることによって、前記亜鉛系めっき層上に直接、化成皮膜を形成するよりも、塗膜密着性が向上するからである。また、前記Co、Ni及びFeは、それぞれ、表面に酸化物または水酸化物を有する状態で、前記下地皮膜を形成している。
さらに、前記下地皮膜の付着量は、片面あたり合計でCo、Ni及びFe換算で2〜20mg/m2の範囲にする必要がある。2mg/m2未満では付着量が少なすぎるために十分な塗膜密着性の向上が望めず、20mg/m2超えでは塗膜密着性向上の効果が飽和するため経済的に好ましくないからである。
なお、前記下地皮膜の形成方法としては、水酸化ナトリウムでpH13に調整したCo、Ni及びFeを含む化合物、例えば、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸鉄を、濃度1〜5質量%含有する溶液中に、3〜10秒の浸漬処理または前記溶液を使用して、3〜10秒スプレー処理した後に水洗、乾燥させる表面調整処理を施すことによって形成することができる。
(化成皮膜)
前記下地皮膜上に化成皮膜を形成する。本発明による化成皮膜は、環境の観点よりクロムを含有しない化成皮膜とする。この化成皮膜は、主として亜鉛系めっき層及び/又は下地皮膜と下塗り塗膜との密着性向上のために形成される。そして前記化成皮膜は、密着性と耐食性の点から、リン、シリカ、アクリル樹脂及びウレタン樹脂を含有する必要がある。また、リンは化成処理液にオルトリン酸を含有させることにより、リンを含有する化成皮膜となり、密着性を向上させることができる。さらに、前記化成皮膜中の前記アクリル樹脂の含有量が5〜30質量%、前記ウレタン樹脂の含有量が5〜30質量%、前記シリカの含有量が1〜5質量%、前記リンを含む残部の含有量が40〜60質量%の範囲であることが、良好な塗膜密着性及び耐食性を得ることができる点で好ましい。さらにまた、前記シリカは、湿式シリカ、乾式シリカのいずれを用いても構わないが、特に気相成長法による乾式シリカは、密着性向上効果が大きい点でより好適である。なお、前記化成皮膜の膜厚は、膜厚が薄すぎると密着性及び耐食性に不利となる傾向にあり、膜厚が厚すぎると塗膜密着性に不利となる傾向があるので、0.02〜0.5μmの範囲であることが好ましい。
また、前記化成皮膜は、Zr化合物をさらに含有することが好ましい。Zr化合物を添加することにより、さらに耐食性が向上するためである。Zr化合物としては、例えば、ジルコンフッ化水素酸や、ジルコンフッ化水素酸リチウム、ジルコンフッ化水素酸ナトリウム、ジルコンフッ化水素酸カリウム、ジルコンフッ化水素酸アンモニウム等のジルコンフッ化水素酸の塩、硫酸ジルコニウムや、塩化ジルコニウム等のジルコニウム塩化合物、及び、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、オキシ炭酸ジルコニウム酸アンモニウム等のオキシジルコニウム化合物が挙げられる。また、化成処理薬剤への添加量範囲を多くできるという理由から、溶解度の大きいZr化合物が好ましく、特に、オキシ炭酸ジルコニウム酸アンモニウムを用いることが好ましい。さらに、前記化成皮膜中の前記Zr化合物の含有量は、5〜20質量%の範囲であることが好ましい。前記Zr化合物の含有量が5質量%以上では、耐食性の向上効果を十分に得ることができ、一方、20質量%以下とした場合、不経済となることなく、耐食性の向上効果が得られるためである。
上記のような下地皮膜及び化成皮膜を組み合わせることにより、化成皮膜中にクロムを含有することなく、クロメート皮膜を用いた場合と同程度の密着性及び耐食性、特に端面耐食性を有することが可能となる。
(下塗り塗膜)
下塗り塗膜は、前記化成皮膜上であって、上塗り塗膜の下層として形成される。本発明による下塗り塗膜は、従来から用いられている組成のものを用いればよいが、例えば、変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂の中から選択される少なくとも1種の有機樹脂で構成することが、下地鋼板との密着性、耐食性などを確保する上で好ましい。さらに、トリポリリン酸Al、Caイオン交換シリカ及びMgイオン交換シリカの中から選択される少なくとも1種の防錆顔料を含有することが、耐食性を向上させる上でより好適である。
また、前記下塗り塗膜は、シリコン系またはフッ素系等の低表面張力添加剤をさらに含有していることが好ましい。前記下塗り塗膜中に低表面張力添加剤を含有することで、塗装鋼板の表面がゆず肌状となる。また、前記低表面張力添加剤の含有量は、要求される意匠性に応じて調整すればよいが、0.1〜2質量%であることが好ましい。このような、ゆず肌状の表面をもつ塗装鋼板は、電気冷蔵庫や電気洗濯機、エアコンの室外機などの家電製品、鋼製家具その他の物品の外板に利用されることが多く、すり傷が目立ちにくく、また、意匠性にも優れている。
前記下塗り塗膜の膜厚は、5〜15μmの範囲であることが好ましい。下塗り塗膜の膜厚が5μm未満だと、耐食性及び化成皮膜との密着性が不十分となるからであり、前記膜厚が15μm超えだと、塗装作業の合理化や省資源化の観点から不利となるからである。
また、前記下塗り塗膜は、鱗片状Alをさらに含有していることが好ましい。前記下塗り塗膜中に鱗片状Alを含有することで、耐食性がさらに向上するためである。
さらに、前記下塗り塗膜中に含有する鱗片状Alの含有量は、5〜15質量%であることが好ましい。鱗片状Alの含有量が5質量%未満では耐食性の改善効果が小さく、鱗片状Alの含有量が15質量%超えだと密着性が不十分となるからである。
さらにまた、前記下塗り塗膜中に含有する鱗片状Alは、その平均粒径が15〜25μm、その平均厚が0.05〜0.5μmの範囲であることが好ましい。鱗片状Alの平均粒径が、15μm以上とすると塗膜密着性が十分になるからであり、一方、25μm以下である場合は塗料中で前記鱗片状Alが沈降することがなく、塗料安定性が十分となるからである。また、鱗片状Alの平均厚は、0.05〜0.5μmの範囲とすれば、良好な耐食性を得ることができる点で好適である。
なお、前記平均粒径と前記平均厚については、前記鱗片状Alを光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察して任意の10個についての平均値を求めたものであり、前記平均粒径については、平面に対して垂直方向から1個の鱗片状Alを観察したときの、最大径と最小径の平均値を粒径として、10個の前記鱗片状Alの平均値を求め、前記平均厚は、1個の鱗片状Alの厚さを断面方向の任意の2箇所で測定したときの平均値を厚さとして、10個の前記鱗片状Alの平均値を求めた。
(上塗り塗膜)
上塗り塗膜は、前記下塗り塗膜上に、形成する有機樹脂皮膜である。この有機樹脂皮膜としては、ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられるが、特に、主として耐汚染性、耐傷付き性、バリア性などを付与する点から、ポリエステル−メラミン樹脂などを使用することが好ましい。
前記上塗り塗膜の膜厚は10〜25μmの範囲であることが好ましい。上塗り塗膜の膜厚が10μm未満だと、プレス加工性に不利となり、前記膜厚が25μm超えだと、塗装作業の合理化や省資源の観点から不利となるからである。
次に、本発明に従う塗装鋼板の製造方法について説明すると、本発明の塗装鋼板は、被塗装鋼板である亜鉛系めっき鋼板の両面に先に述べた下地皮膜と化成皮膜を形成した後、所定の防錆顔料を含有した下塗り塗膜用の塗料を、塗布、乾燥させて、下塗り塗膜を形成した後、上塗り塗膜用の塗料を塗布、乾燥することにより製造される。
前記化成皮膜、下塗り塗膜及び上塗り塗膜の塗布方法は特に限定しないが、好ましくはロールコーター塗装で塗布するのがよい。塗料の塗布後、熱風乾燥、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により加熱処理を施して塗膜を得る。加熱条件は、化成皮膜は10〜30秒で到達板温が100〜120℃で、下塗り塗膜及び上塗り塗膜は20〜90秒で170〜250℃(到達板温)となる処理を行うことが好ましく、これによって前記塗膜を形成し、塗装鋼板を製造する。
ここで、化成皮膜は、10〜30秒で到達板温が100〜120℃となる処理を施すことによって、密着性及び耐食性に優れた化成皮膜を、製造コスト面で有利に形成することができる。また、下塗り塗膜と上塗り塗膜の加熱温度が170℃未満では架橋反応が十分に進まないため、十分な塗膜性能が得られない。一方、加熱温度が250℃を超えると熱による塗膜の劣化が起こり、意匠性が低下し、さらに塗装作業の合理化や省資源化の観点から好ましくない。また、処理時間が20秒未満では架橋反応が十分に進まないため、十分な塗膜性能が得られない。一方、処理時間が90秒を超えると製造コスト面で不利となる。本発明の塗装鋼板は、さらに塗装鋼板裏面の耐食性を高める目的で、前記した有機樹脂層用の塗料を鋼板裏面にも同様の方法で塗装するのが好ましい。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
本発明の実施例について説明する。
(実施例1〜12及び比較例1〜2)
塗装用亜鉛系めっき鋼板として、各々大きさ200mm×300mmで板厚0.5mmの、電気亜鉛めっき鋼板(めっき種記号:EG)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe含有量:10質量%、めっき種記号:GA)、溶融亜鉛めっき鋼板(めっき種記号:GI)、溶融Zn−Alめっき鋼板(Al含有量:4.5質量%、めっき種記号:GF)、電気亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板(Ni含有量:12質量%、めっき種記号:EZN)および溶融Zn−Alめっき鋼板(Al含有量:55質量%、めっき種記号:GL)を準備した。めっき鋼板のめっき付着量(g/m2)及び膜厚(μm)を表1に示す。なお、鋼板の一方の面(オモテ面)と他方の面(ウラ面)のめっき付着量、およびめっき組成は同一とした。準備しためっき鋼板に脱脂処理を行った後、以下の(i)〜(iV)の処理工程を行い、塗装鋼板を作製した。
(i)亜鉛めっき層の両面に、水酸化ナトリウムでpH13に調整し、濃度5質量%の、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸鉄を含有する溶液に、表1に示す組成及び付着量となるように浸漬処理した後に、水洗、乾燥させ、下地皮膜を形成した。形成した下地皮膜の種類を表2に示す。
(ii)前記下地皮膜を形成した鋼板の一方の面に、オルトリン酸、シリカ、アクリル樹脂及びウレタン樹脂を含有する化成処理薬剤をバーコーターにて塗布して乾燥させた後に、他方の面に前記一方の面と同じ化成処理薬剤を塗布し、その後、加熱10秒後に到達板温が100℃となるような加熱処理を行い、表3に示す組成の化成皮膜を形成させた。
(iii)次に、必要に応じて鱗片状Alを含有した表4に示す組成の下塗り塗料を、片面ずつ塗布した後、加熱30秒後に到達板温が210℃になる加熱処理を行い、表1に示す膜厚の下塗り塗膜を形成した。
(iV)その後、片面ずつ上塗り塗膜として表1に示す組成となる上塗り塗膜用塗料を、表1に示す乾燥膜厚となるように塗布した後、加熱開始から50秒後に到達板温が230℃となる加熱処理を行い、表1に示す膜厚の上塗り塗膜を形成した。
以上のようにして得られた塗装鋼板について各種試験を行った。本実施例で行った試験の評価方法を以下に示す。
<オモテ面の評価>
(1)塗膜密着性
各塗装鋼板のオモテ面を外側、ウラ面を内側にしてウラ面同士を密着させるように曲げ加工した後、塗装鋼板の折り曲げ部分にニチバン(株)製のセロハン粘着テープを貼り付け、これを引き剥がした後の剥離状態を観察した。以下の基準に従って評価し、結果を表5に示す。
○:剥離面積0%
△:剥離面積0%超え〜20%未満
×:剥離面積20%以上
(2)耐食性
耐食性は、作製した塗装鋼板から、試験片(大きさ:50mm×150mm)を切り出し、45mm長さの鋼まで達するクロスカットを入れた後、JIS Z 2371-2000の規定に準拠して塩水噴霧試験を500時間実施した。(a)クロスカットからの塗膜の片側最大膨れ幅により耐食性を評価し、(b)剪断機により剪断した断面部の下側にバリ(はみ出た余分な部分)が生じた側の塗膜の最大膨れ幅により端面耐食性を評価した。以下の基準に従って評価し、結果を表5に示す。
(a)耐食性
クロスカット部の塗膜の膨れ幅
◎:2mm未満
○:2mm以上3mm未満
△:3mm以上4mm未満
×:4mm以上
(b)端面耐食性
切断端面部の塗膜の膨れ幅
◎:5mm未満
○:5mm以上7mm未満
△:7mm以上9mm未満
×:9mm以上
表5より、実施例1〜12の塗装鋼板は、比較例1〜2の塗装鋼板に比べて、優れた塗膜密着性、耐食性及び端面耐食性を有していることがわかった。
Figure 2009051196
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この発明によれば、化成皮膜中にクロムを用いることなく、塗膜密着性および耐食性、特に端面耐食性に優れた塗装鋼板の提供が可能となった。

Claims (5)

  1. 鋼板の両面に、亜鉛系めっき層と、Co、Ni及びFeのうちの少なくとも1種を含有し、かつ片面あたりの付着量が合計で2〜20mg/m2である下地皮膜と、リン、シリカ、アクリル樹脂及びウレタン樹脂を含有し、クロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、該化成皮膜上に、下塗り塗膜及び上塗り塗膜とを形成することを特徴とする塗装鋼板。
  2. 前記化成皮膜は、Zr化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1記載の塗装鋼板。
  3. 前記鋼板の厚さに対する前記亜鉛系めっき層の厚さが、15μm/mm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の塗装鋼板。
  4. 前記下塗り塗膜は、低表面張力添加剤を含有することを特徴とする請求項1、2または3記載の塗装鋼板。
  5. 前記下塗り塗膜は、鱗片状Alを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の塗装鋼板。
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