JP3845445B2 - 高耐食表面処理鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無塗装でも優れた防食性を示し、高温多湿環境でもめっき表面が黒変化することなく、また、加工によりめっきにクラックが生じても優れた防食性を維持できる表面処理鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家電、建材等の分野では、特に屋外の腐食環境の厳しい部材の耐久性を向上させるため、従来用いられている表面処理鋼板より優れた高耐食性材料が強く要望されている。また、これらの用途では曲げ加工等が施されるため、めっきにクラックが生じても鉄の腐食進行を防止するために犠牲防食性に優れる亜鉛めっき鋼板が用いられてきた。最近ではこれに加えて、Alを1〜10%(以下「所謂5%Al系」と称す)または、Alを40〜70%(以下「所謂55%Al系」と称す)含む耐食性に優れるAl-Zn系合金めっき鋼板が多く用いられてきている。これら3種類のめっき鋼板は、それぞれに下記のような特徴がある。
【0003】
亜鉛めっき鋼板は犠牲防食性に優れるものの、活性なめっき表面であるために水分と酸素の存在下において容易に亜鉛酸化物である白錆が生成し外観品質が低下するのみならず、亜鉛酸化物には高度な防食性が期待できないために長期的な耐久性に限界がある。所謂5%Al系は、Alの効果により亜鉛めっき鋼板より活性度が低い表面を形成するために亜鉛めっきと比べて白錆が発生しにくく耐久性にも優れるが、逆にごく薄い酸化物の形成により表面が黒く変化し、外観品質を著しく低下する問題がある。所謂55%Al系は、表面が更に安定しているために白錆発生が生じにくく、かつ黒変も生じにくい。ただし、めっき皮膜が硬いために厳しい加工によりめっきにクラックが生じ、その部分からの腐食が進行しAl成分を主体とした黒錆が発生し、加工部の外観品質が大きく低下する欠点がある。
【0004】
従来、亜鉛めっきまたは亜鉛系合金めっき等の表面にクロメート処理を施すことにより耐食性を高めた鋼板が利用されてきたが、めっき皮膜に欠陥が生じる加工部の耐食性、あるいは耐黒変性を最終製品として必要とされているレベルまで改善可能なクロメート皮膜は未だ見出されていない。
【0005】
亜鉛めっきまたは亜鉛系合金めっきの加工部耐食性を向上させる手段としては、有機樹脂をクロメート皮膜に利用する方法が多く提案されている。この方法によれば、加工等によるクロメート皮膜の損傷が軽減されるために向上効果が認められるものの、特に所謂55%Al系では加工により大きなめっきクラックが発生するために十分な効果が得られていない。また、所謂5%Al系の課題である耐黒変性についても効果が得られていない。
【0006】
また、クロメート皮膜中へのシリカ、リン酸等の添加は耐食性向上効果があり、一般的に高耐食化のために用いられる手段であるが、これらでは加工部耐食性向上に大きな効果が得られず、所謂5%Al系では添加により耐黒変性が更に低下する傾向すら認められている。
【0007】
また、単純にクロメート皮膜量を多くすることは、耐食性向上に効果があるものの、経済的に不利になるばかりでなく、皮膜からのクロム溶出量が多くなり、環境に対して悪影響を及ぼす可能性が生じるので避けるべきである。
【0008】
また、製造方法においては、簡潔な処理工程で製造できることは、膨大な設備を必要とせず、かつ製造が容易となるため最も望ましいといえる。したがって、従来主に耐黒変性、あるいは塗装前処理として行われてきたクロメート処理前にNi,Co,Fe等を付着させる特殊な前処理を必要とせず、従来から用いられてきた方法、中でも塗布型のクロメート処理方法により皮膜を形成することが最も好まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、Zn-Al 系合金めっき鋼板をベースとする表面処理鋼板であって、高耐食性を示し、加工部分からの腐食進行を著しく抑制するとともに、高温多湿環境下での表面の黒変化に対しても大きな抑制効果を示し、かつ加工性にも優れた表面処理鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、新たな添加物として、Caを含有した皮膜を形成することにより、Znを30%以上含む亜鉛系めっき鋼板の加工部を含む耐食性が向上できること、特に所謂5%Al系では耐黒変性に優れた皮膜が形成できること、さらに所謂55%Al系では、Al成分が多い硬いめっき皮膜であるために厳しい加工によりめっきにクラックが生じ、腐食環境でその部分から腐食が進行して発生する黒錆を著しく抑制する効果のある皮膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。上記課題を解決する本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0011】
(1) めっき皮膜中にAlを1〜10wt%または40〜70wt%含むZn-Al系合金めっき鋼板の表面に、Cr付着量が1mg/m2以上100mg/m2以下のクロメート皮膜を有し、その上に、水系処理液を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜であって、有機樹脂と、炭酸 Ca 、ケイ酸 Ca 、 CaO の中から選択される 1 種または 2 種以上の Ca 化合物と、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、縮合リン酸亜鉛、縮合リン酸アルミニウムの中から選択される1種または2種以上のリン酸化合物を含み、有機樹脂付着量が50mg/m2以上5000mg/m2以下、Ca付着量がCa/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.2以下、リン酸化合物のトータル付着量がPO4/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.5以下である皮膜を有することを特徴とする高耐食表面処理鋼板(第一発明)。
(2) めっき皮膜中にAlを1〜10wt%または40〜70wt%含むZn-Al系合金めっき鋼板の表面に、クロメート処理を施すことによりCr付着量が1mg/m2以上100mg/m2以下のクロメート皮膜を形成し、その上に、有機樹脂と、炭酸 Ca 、ケイ酸 Ca 、 CaO の中から選択される 1 種または 2 種以上の Ca 化合物と、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、縮合リン酸亜鉛、縮合リン酸アルミニウムの中から選択される1種または2種以上のリン酸化合物を含む水系処理液を塗布し、板温60℃以上250℃以下で乾燥することにより皮膜を形成し、該皮膜は、有機樹脂付着量が50mg/m2以上5000mg/m2以下、Ca付着量がCa/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.2以下、リン酸化合物のトータル付着量がPO4/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.5以下であることを特徴とする高耐食表面処理鋼板の製造方法(第二発明)。
【0013】
なお、本明細書において、めっき皮膜の成分を示す%は全てwt%である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
(鋼板の種類)
本発明において、対象とする鋼板の種類を限定したのは以下の理由による。すなわち、Znを30%未満しか含まないめっき鋼板では、Znの犠牲防食性が劣るためめっき皮膜に微小な欠陥が生じてもFeの腐食生成物である赤錆が発生しやすい。したがって、鋼板の防食性の観点よりZnを30%以上含むことが必要であるが、一方Znは活性な金属であるためにめっき皮膜自体は腐食が生じ易く、長期的な耐久性の観点からは限界がある。
【0015】
Znめっき鋼板の耐久性を向上させる手段として、Alとの合金めっき化が検討され、すでに実用化されている。なかでも、Alを1〜10%含み、場合によって更にMg,MM等を添加しためっき鋼板(以下5%Al系と称す)、Alを40〜70%と1〜3%のSiを含み、場合によって更にTi等も添加されている合金めっき鋼板(以下55%Al系と称す)が多く用いられている。本発明では、このようなZnを30%以上含むめっき鋼板について、耐食性を向上させることを目的とする。これに当てはまる現在市場で用いられているめっき鋼板としては、 5 %Al系めっき鋼板、55%Al系めっき鋼板が挙げられる。
【0016】
また、亜鉛めっきと比べ5%Al系にすることにより耐久性が向上するものの、高温多湿環境で表面が黒変化し商品価値が著しく低下する問題がある。本発明では、5%Al系の耐黒変性を向上し、係る問題点を解決する。
【0017】
また、55%Al系では、さらにめっきの耐食性が向上するもののめっき皮膜が硬いため加工によりクラックが生じ加工部からの腐食が進行するとともに、Alが多く含まれているため黒錆が多く発生し外観品質を大きく低下させる問題がある。本発明では、55%Al系の加工部耐黒錆性を向上し、係る問題点を解決する。
【0018】
本発明では、前記した各めっき鋼板は、必要に応じて、湯洗、あるいはアルカリ脱脂、場合によっては表面にNi,Co,Fe等を付着させる前処理が施されたものであってもよい。
【0019】
(めっき鋼板の表面にクロメート処理を施すこと)
めっき鋼板の表面にクロメート処理を施すことにより、表面が不動態化され耐食性を著しく向上させることが可能となる。クロメート処理の条件は特に規定しないが、通常Cr還元率10〜40%のクロム酸に必要に応じて反応促進剤としてフッ化物、アニオン等を添加したものが用いられ、表面に塗布した後、乾燥されることにより皮膜が形成される。その付着量は、1mg/m2以上で効果が発揮されるが100mg/m2を超える量を付着させてもそれ以上の効果が認められず、着色による外観品質低下が目立ってくるため好ましくない。
【0020】
(有機皮膜付着量:50mg/m2以上5000mg/m2以下)
めっき表面の皮膜には、有機樹脂が50mg/m2以上5000mg/m2以下の範囲で含まれていることが必要である。有機樹脂は、皮膜の耐食性を向上させる効果があり、また加工に伴う表面傷発生を防止する効果もあるために必要となる。その効果は、付着量に依存し、有機樹脂量として50mg/m2未満では耐食性向上効果を認められず、逆に5000mg/m2を超えて付着させると、加工時に皮膜の剥離が生じ、剥離物が新たな表面傷発生の原因となる場合があるため好ましくない。したがって、有機樹脂付着量は、50mg/m2以上5000mg/m2以下、好ましくは200mg/m2以上2500mg/m2以下とすべきである。
【0021】
尚、有機樹脂は、水溶性あるいは水分散性の有機樹脂を用いる。有機樹脂の種類は、アクリル系、アクリル−スチレン系、ウレタン系、ポリエステル系のものを用いることが可能であるが、処理液として、他の成分と安定して分散させるためにノニオン系の成分を含んだ樹脂を用いることが望ましい。また、耐食性の観点から、水溶性の樹脂より水分散性の樹脂(エマルジョン樹脂)を用いることが望ましい。これらの有機樹脂のなかで、コスト的に有利な乳化重合法による製造が可能で、かつ耐食性、加工性に優れる樹脂としてアクリル−スチレン系樹脂がある。アクリル−スチレン樹脂の中のスチレンが占める割合が10%未満では耐食性が低下し、70%を超えると加工性が低下する。したがって、スチレン/有機樹脂の比(重量比)は、0.1〜0.7のアクリル−スチレン系樹脂を用いることにより、安価で耐食性、可能性に優れた皮膜を形成することが可能となる。また、酸価は1未満では液の安定性が劣り、逆に50を超えると耐食性が低下するため、酸価を1〜50にすることにより、液安定性と高耐食性を両立させることが可能となる。
【0022】
その他更に添加する分散安定化剤あるいは消泡剤等により、皮膜特性(皮膜密着性、耐食性、耐黒変性、耐水性、塗料密着性、耐滑り性、テープ密着性、ペフ密着性、発泡ウレタンとの密着性)、液の混和安定性、あるいは機械的安定性が大きく影響を受けるが、その他必要とする特性、使用状況に応じてより目的に合ったものを選択することが重要である。
【0023】
(Ca:Ca/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.2以下)
Caは、皮膜の耐食性を向上させる効果があるとともに、5%Al系の問題である耐黒変性、および55%Al系の問題である加工部耐食性を飛躍的に向上させる効果がある。Caの効果は有機樹脂との比率によって大きく影響され、Ca/有機樹脂で0.001未満では十分な効果が得られない。逆に0.2を超えると加工部耐食性や耐黒変性は向上するが、長期の腐食環境にさらされることにより、平板部の耐食性は低下する傾向が認められる。したがって、Ca/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.2以下、好ましくは0.005以上0.1以下にすべきである。
【0024】
Caの添加方法は、炭酸Ca、ケイ酸Ca、CaOの状態で添加することが可能である。皮膜形成時にCa成分が容易に溶解する状態では十分な効果が得られないため、皮膜中で容易に溶解しない化合物として処理液に添加しておくことが重要である。
【0025】
(PO4:PO4/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.5以下)
PO4を添加する理由は、皮膜中にCaとともに含有させることにより、Caの耐食性向上、および耐黒変性向上効果を飛躍的に高める作用を有しているためである。PO4は、皮膜中にPO4/有機樹脂で0.001以上含まれることにより、Caによる耐食性向上、あるいは耐黒変性向上効果を高める効果が得られる。また、0.5を超えると加工時に皮膜が剥離しやすくなるため、0.5以下にすべきである。PO4は皮膜中において、種々の形態になっていることが確認され、たとえばリン酸亜鉛、トリポリリン酸Zn、あるいはトリポリリン酸Al、縮合リン酸の状態となっている。本発明においては皮膜中でのリン酸の存在状態を規定するものではないが、リン酸亜鉛、あるいはトリポリリン酸Alを主成分とし、縮合リン酸も一部含まれている状態が望ましいと考えている。
【0026】
(乾燥温度)
上記成分を含む水系処理液をロールコーター等を用いて塗布し、加熱乾燥、あるいは熱風乾燥することにより皮膜を形成する。皮膜形成温度は60℃以上とすることが必要であり、それ未満では、皮膜中に残存する水分に由来する影響で耐食性、密着性に劣る皮膜となる。また、最高到達板温が250℃を超えても特性上に改善効果を認められることなく、逆に耐食性に劣る皮膜を形成する傾向がある。したがって、皮膜形成のための乾燥板温は、60℃以上250℃以下にすべきである。
【0027】
【実施例】
以下、実施例について説明する。表1〜2に示すように、各種のめっき鋼板の表面にクロメート処理を施し、更に所定の組成に調整した有機樹脂、Ca、およびリン酸あるいはリン酸系化合物を含む処理液を塗布し、表1〜2に示す最高到達板温で加熱乾燥し、表1〜2に示す付着量の皮膜を形成したものを供試材とした。表中のめっき欄の記号および以下の記載中の同様の記号は以下のめっき鋼板を表す。尚、各表中のめっき欄の記号は以下のめっき鋼板を表す。
5Al;5%Al-Zn合金めっき鋼板(めっき量;Y22、板厚0.5mm)
55Al;55%Al-Zn合金めっき鋼板(めっき量;AZ-150、板厚0.5mm)
Al;溶融Alめっき鋼板(めっき量;200g/m2、板厚0.5mm)
【0028】
供試材の平板部の耐食性を評価するために塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を実施し、白錆発生面積が10%以上となる時間で評価を行った。また、加工部の耐食性を評価するために3T曲げ加工を施したサンプルについて塩水噴霧試験240時間を行い、曲げ部の錆発生程度を下記に示す基準に基づいて評価を行った。耐黒変性は、80℃95%RH環境下において24時間後の黒変化程度を下記に示す基準に基づいて評価を行った。
【0029】
曲げ部耐食性評価基準:
10;白錆発生面積10%未満、黒錆発生面積10%未満、8;白錆発生面積10%以上50%未満、黒錆発生面積10%未満、6;白錆発生面積50%以上、黒錆発生面積10%未満、4;黒錆発生面積10%以上50%未満、2;黒錆発生面積50%以上、1;赤錆発生有
【0030】
耐黒変性は、80℃95%RH環境下において24時間後の黒変化程度を下記に示す基準に基づいて評価を行った。
【0031】
耐黒変性評価基準:
5;変化なし、4;斜めから観察し、確認できる黒変部分25%未満、3;斜めから観察し、確認できる黒変部分25%以上、2;正面から観察し、確認できる黒変部分有り(25%未満)、1;正面から観察し、確認できる黒変部分25%以上
【0032】
加工性を評価するために、先端が1mm×10mmの平面になっているビードを一定荷重で供試材表面に押付けた状態で幅30mmの供試材を一定速度で引抜く平板摺動を実施した。押付け荷重の水準を変えて試験を行い、めっき表面にかじりが生じる限界押付け荷重により評価を行った。
評価結果を表3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
No.1 〜 4は5Alに、No.5 〜 8は55Alに、No.9はAlにそれぞれ皮膜形成を行った例である。本発明範囲内の皮膜を形成したNo.4,No.8 は、それぞれのめっきの課題である、平板部耐食性、耐黒変性、加工部耐食性を従来のクロメート皮膜では達成できないレベルに向上させる効果があり、かつ優れた加工性も有している。一方、亜鉛を含まないNo.9は、加工部から赤錆が発生し、加工部耐食性に劣る皮膜が形成される。
【0037】
No.10 〜 13は有機樹脂付着量の影響、No.14 〜 16はCr付着量の影響、No.17 〜 20はCa/樹脂、また、No.21 〜 24はPO4/樹脂の影響を55Alを下地として検討した例である。本発明範囲外では、特に加工性が低下し、Cr量が少ない場合はすべての特性が低下する。また、過剰にCrが付着すると、耐食性、耐黒変性、加工性については良好な特性を有する皮膜となるが、着色が著しく外観品質の点で問題が生じる。また、Ca、あるいはPO4の添加量は平板部と加工部の耐食性に大きく影響し、本発明範囲外ではいずれかの耐食性が低下し、両立が困難である。
【0038】
No.25 〜 28に、乾燥温度の影響を検討した結果の一例を示す。乾燥温度が本発明範囲外では耐黒変性が劣る傾向が認められる。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の表面処理鋼板は、無塗装で用いられても高耐食性を発揮できる。
また、 Al を1〜 10 %含む亜鉛系めっき鋼板をベースとする表面処理鋼板は、耐黒変性についても飛躍的に向上させることが可能となる。
【0041】
また、Al を 40 〜 70 %含む亜鉛系めっき鋼板をベースとする表面処理鋼板は、加工部耐食性に関しても飛躍的な高耐食化が可能となる。
【0042】
さらに、本発明の製造方法によれば、前記鋼板の高性能な皮膜を安定して製造することができる。
Claims (2)
- めっき皮膜中にAlを1〜10wt%または40〜70wt%含むZn-Al系合金めっき鋼板の表面に、Cr付着量が1mg/m2以上100mg/m2以下のクロメート皮膜を有し、その上に、水系処理液を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜であって、有機樹脂と、炭酸 Ca 、ケイ酸 Ca 、 CaO の中から選択される 1 種または 2 種以上の Ca 化合物と、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、縮合リン酸亜鉛、縮合リン酸アルミニウムの中から選択される1種または2種以上のリン酸化合物を含み、有機樹脂付着量が50mg/m2以上5000mg/m2以下、Ca付着量がCa/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.2以下、リン酸化合物のトータル付着量がPO4/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.5以下である皮膜を有することを特徴とする高耐食表面処理鋼板。
- めっき皮膜中にAlを1〜10wt%または40〜70wt%含むZn-Al系合金めっき鋼板の表面に、クロメート処理を施すことによりCr付着量が1mg/m2以上100mg/m2以下のクロメート皮膜を形成し、その上に、有機樹脂と、炭酸 Ca 、ケイ酸 Ca 、 CaO の中から選択される 1 種または 2 種以上の Ca 化合物と、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、縮合リン酸亜鉛、縮合リン酸アルミニウムの中から選択される1種または2種以上のリン酸化合物を含む水系処理液を塗布し、板温60℃以上250℃以下で乾燥することにより皮膜を形成し、該皮膜は、有機樹脂付着量が50mg/m2以上5000mg/m2以下、Ca付着量がCa/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.2以下、リン酸化合物のトータル付着量がPO4/有機樹脂(重量比)として0.001以上0.5以下であることを特徴とする高耐食表面処理鋼板の製造方法。
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