JP2007297648A - 塗膜密着性に優れた塗装鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】水が作用しても加工部の塗膜二次密着性が低下しない、耐食性と塗膜密着性に優れた塗装鋼板を提供する。
【解決手段】亜鉛系めっき鋼板に、加熱乾燥により難溶性に変化する水溶性金属錯化合物[例、Fe(acac)2(H2O)2]、オキサゾリン基含有架橋性樹脂、およびシランカップリング剤を含有し、6価クロムを含有しない水系化成処理液の塗布と加熱乾燥により化成処理層を形成し、その上層にポリエステル系の下塗り塗膜および上塗り塗膜を形成する。水系化成処理液はシリカ、ジルコニウム化合物、ならびにクエン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物をさらに含有していてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は耐食性と塗膜密着性とに優れ、厳しい加工を受けた部分の塗膜についても良好な二次密着性を確保することができる塗装鋼板に関する。本発明の塗装鋼板は、例えば、家電製品、建材、自動車部品などの製造に使用できる。
塗装鋼板(プレコート鋼板、PCM)は、素地鋼板に塗装と焼付けにより塗膜を形成した後、コイル状に巻き取られ、その状態でユーザーに納入される。その後、ユーザーはコイルを巻き戻して成形加工を施し、製品に仕上げる。それにより、ユーザーでの製造工程から、作業環境を悪化させがちで、廃液処理が面倒な塗装作業がなくなる。この利点のため、塗装鋼板の適用は、家電製品をはじめ、多くの分野に普及している。
塗装鋼板は、典型的には、素地鋼板に化成処理を施した後、下塗り塗装と上塗り塗装を行うことにより製造される。耐食性を確保するため、素地鋼板は亜鉛系めっき鋼板(亜鉛めっき鋼板または亜鉛系合金めっき鋼板)とするのが普通であり、めっき工程に続けて、或いはめっき工程とは分離して、化成処理、下塗り塗膜、上塗り塗膜が順に1ラインで行われることが多い。
塗装鋼板には、塗装の主目的である耐食性確保に加えて、塗装後に成形加工が行われることから、加工性に優れている(厳しい加工を受けても塗膜にクラック等の損傷が発生しない)ことと、加工に耐える塗膜密着性とが求められる。
塗膜密着性については一般に一次密着性と二次密着性とで評価される。一次密着性は塗膜を形成した直後の使用前の状態における塗膜密着性である。一方、二次密着性は、経時または使用後の塗膜密着性である。二次密着性は、塑性加工を受けていない平板部分の二次密着性と、成形による塑性加工を受けた加工部の二次密着性とで異なる挙動を示すことが多い。成形加工してから塗装を施す場合には平板部の二次密着性だけを評価すればよいが、塗装後に成形加工が施される塗装鋼板の場合には、加工部の二次密着性にも優れていることが必要である。
上塗り塗装には、可撓性が比較的高く加工性に優れる塗膜を形成できる焼付け型熱可塑性ポリエステル樹脂塗料(メラミン樹脂やポリイソシアネート化合物などから選ばれた架橋剤を含有させた高分子量熱可塑性ポリエステル樹脂系塗料)が多く使用されている。
下塗り塗膜には、その上下に存在する上塗り塗膜および化成処理層との密着性が高いことと、耐食性に寄与するために架橋密度が高いこととが望まれる。従来は主に架橋密度が高く緻密な塗膜を形成できるエポキシ樹脂系塗料が下塗り塗装に使用されてきた。しかし、エポキシ系塗膜は硬質であるため、上塗り塗膜がポリエステル樹脂系である場合には、下塗り塗装にも同じポリエステル樹脂系塗料を使用すると加工性を改善できる。
下塗り塗料に使用されるポリエステル樹脂は、その下層の化成処理層との密着性を改善するため、エポキシ基を導入して変性したものを使用することがある(下記特許文献1を参照)。
一方、化成処理については、従来は耐食性改善効果の高いクロメート処理が一般的であったが、6価クロムの有害性が問題になってからは、少なくとも6価クロムを含まず、場合によっては3価クロムも含めてクロムを完全に含まない化成処理液を使用することが求められるようになってきた。
そのような化成処理液の例として、下記特許文献2には、水系エマルション樹脂と、特定のフェノール樹脂系化合物と、Zr、Ti,V,Mo,W,MnおよびCeから選ばれた金属の金属化合物とを水中に含み、場合により酸および/またはシランカップリング剤を含有しうる金属表面処理剤が提案されている。
下記特許文献3には、亜鉛系またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、分子内のOH基が金属錯体形成能を有する有機化合物(例、タンニン酸等の多価フェノール化合物)を含有し、場合により、樹脂、リン酸イオンおよび/またはシランカップリング剤を含有しうるクロム不含有の化成処理液を塗布して形成された有機系化成処理層と、その上に固形潤滑剤としてのポリエチレン樹脂と防錆剤とを含有させた特定のポリウレタン系皮膜を形成した表面処理鋼板が開示されている。化成処理液中の有機化合物は、そのOH基がめっき皮膜の金属と反応して不溶性の金属錯体を形成することにより耐食性を向上させると説明されている。
下記特許文献4には、クロメート処理に匹敵する防錆力を持つ金属表面処理組成物として、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、シリカ粒子、オキサゾリン基含有化合物、バナジン酸化合物、およびジルコニウム化合物を含有する組成が記載されている。
特開2002−225177号公報 特開2003−13252号公報 特開2001−89874号公報 特開2003−27254号公報
下塗り塗膜をポリエステル樹脂系塗料から形成した塗装鋼板は、極性の大きな水の侵入に弱いという欠点がある。ポリエステル樹脂は分子末端にヒドロキシル基(OH基)および/またはカルボキシル基(COOH基)を有しており、これらが下地と化学結合することにより下地との密着性を確保できる。ポリエステル樹脂が変性により分子内にカルボキシル基やエポキシ基を有する場合には、これらの基も下地と化学結合するため、密着性が改善される。
しかし、特にCOOH基による下地との結合は、極性基の大きな水が、下地と水との界面に侵入することにより、下地処理とCOOH基の水素結合の切断されやすくまた、水の侵入により加水分解を受けて開裂し易く、それにより密着性が低下する。その結果、特に屋外或いは水がかかり易い場所で使用されると、塗膜が剥離し易くなる。また、室内で使用する場合でも、湿気により塗膜が剥離する場合がある。このような水の作用による二次密着性の低下は、特に加工により内部応力が大きくなった塗膜部分に見られ、また、下塗り塗膜のポリエステル樹脂が酸変性によりカルボキシ基が導入されたものであると、未変性ポリエステル樹脂である場合より顕著となる。
本発明は、上述したポリエステル系塗料を塗装した塗装鋼板の難点である、水が作用して特に加工部の塗膜二次密着性が低下するという問題を克服し、下塗り塗膜がカルボキシル基を含有する酸変性ポリエステル樹脂であっても、使用中の塗膜密着性の低下が防止できる塗装鋼板を提供することを課題とする。
本発明者らは、加熱乾燥されると難溶性化合物に変化する金属錯化合物と架橋性樹脂とシランカップリング剤とを含有する水系化成処理液の塗布と加熱乾燥により形成された化成処理層が、その上にポリエステル樹脂塗料を塗装した場合に、塗膜密着性を著しく改善することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は、素地鋼板の少なくとも片面に、加熱乾燥により難溶性に変化する水溶性金属錯化合物、架橋性樹脂、およびシランカップリング剤を含有し、6価クロムを含有しない水系化成処理液の塗布と加熱乾燥により形成された化成処理層を備え、その上層に1層以上の塗膜層を備えることを特徴とする塗装鋼板である。
加熱乾燥により難溶性に変化する水溶性金属錯化合物としては、Fe,Crなどの3価遷移金属イオンに、アセチルアセトンなどのβ−ジケトン2分子と水2分子とが配位した化合物が例示される。すなわち、上記特許文献3に開示の処理液とは異なり、錯体形成能を有する有機化合物は予め金属に配位させた金属錯化合物として使用する。
架橋性樹脂は、化成処理層に隣接する塗膜層(すなわち、一般には下塗り塗膜)の樹脂成分の少なくとも一部と反応して架橋構造を形成することができるものであることが好ましく、より好ましくはオキサゾリン基含有樹脂である。
水系化成処理液はシリカ、ジルコニウム化合物、ならびにクエン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物をさらに含有していてもよい。
本発明の塗装鋼板の塗膜層は、ポリエステル樹脂系下塗り塗膜層と同じくポリエステル樹脂系上塗り塗膜層とから構成されることが好ましい。下塗り塗膜層は、分子末端のカルボキシ基および/または酸変性により導入されたカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂であることが好ましく、より好ましくは耐食性改善効果の高いカルボン酸変性ポリエステル樹脂である。
本発明の塗装鋼板は、下塗り塗膜が水の侵入に弱い酸変性ポリエステル樹脂である場合であっても、一次密着性(使用前)、平板部二次密着性(使用後かつ加工前)、加工部二次密着性(使用後かつ加工後)の全てに満足でき、耐食性にも優れている。ポリエステル系塗装鋼板はもともと加工性は良好であるので、本発明に従って化成処理することにより製造されたポリエステル系塗装鋼板は、加工性、耐食性、塗膜密着性の全ての点で良好となる。
本発明の塗装鋼板の素地鋼板は、特に限定されないが、耐食性を確保する点から、亜鉛めっき鋼板または亜鉛系合金めっき鋼板であることが好ましい。これらは電気めっき鋼板、溶融めっき鋼板、気相めっき鋼板のいずれでもよい。使用できるめっき鋼板の例としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融5%Al−Zn合金めっき鋼板、溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Ni合金めっき鋼板などが挙げられる。めっき付着量も特に限定されず、一般的な範囲内でよい。めっき付着量が少なすぎると耐食性が低下し、多すぎると加工性が劣化する。
素地鋼板に本発明に従った化成処理液を塗布し、加熱乾燥して化成処理層を形成する。化成処理の前に、当業者には周知のように、素地鋼板の表面性状化処理(アルカリ脱脂、酸洗など)を適宜実施してもよい。また、めっき表面の酸化防止の目的で行われる、鉄族金属イオンを含む酸性もしくはアルカリ水溶液による表面調整処理を施すこともできる。
本発明で使用する化成処理液は、加熱乾燥により難溶性に変化する水溶性金属錯化合物、架橋性樹脂、およびシランカップリング剤を含有し、6価クロムを含有しない水系化成処理液である。
加熱乾燥により難溶性に変化する水溶性金属錯化合物としては、加熱前は水溶性であるが、加熱により配位形態が変化して水に難溶性になる任意の金属錯化合物を使用することができる。そのような金属錯化合物の1例は、3価遷移金属イオンにβ−ジケトン2分子と水2分子とが配位した化合物である。より具体的には、3価遷移金属イオンは鉄またはクロムイオンでよく、β−ジケトンはアセチルアセトンでよい。
この金属錯化合物は、図1に示すように、加熱前は、金属イオン(図示例ではFe3+)にアセチルアセトン(acac)2分子と水2分子とが配位した単核錯体の形態をとり、水溶性である。しかし、加熱・乾燥されると、この金属錯化合物2分子が脱水反応して、鉄イオン2分子に、アセチルアセトン4分子と水2分子とが配位した、水に難溶性の2核錯体となり、沈殿する。すなわち、この金属錯化合物は表面処理液中では水溶性であるが、「膜」として加熱歓送された後は、安定で難水溶性の化合物に変化する。
従って、このような金属錯化合物を化成処理液中に溶解させておくことにより、塗布後の加熱乾燥中に金属錯化合物は水難溶性となり、化成処理層の強度を高め、しかも水が侵入した場合もその強度を確保することができる。金属イオンが図示のように鉄イオンである場合でも、鉄イオンは素地鋼板から供給するのではなく、化成処理液中に鉄イオンを含有させておかないと、望ましい結果は得られない。
この水溶性の金属錯化合物は、例えば、次のようにして合成することができる。
FeSO4あるいは、FeCl2の粉末を水に溶解し、得られた水溶液を80℃に加熱する。その後、水/エタノールの混合溶媒で希釈した2当量のアセチルアセトンを徐々に添加し、添加後、80℃で一日間攪拌することで、[Fe(acac)2(H2O)2] +が合成される。
架橋性樹脂としては、従来から焼付け型ポリエステル塗料において架橋剤として使用されてきた、例えば、メラミン樹脂なども使用することができる。しかし、化成処理液が水系であることから、本発明で使用するのに特に好ましい架橋性樹脂は、水溶性または水分散性樹脂であるオキサゾリン基含有樹脂である。オキサゾリン基含有樹脂は、日本触媒株式会社からエポクロス(R)なる商品名で市販されており、水溶性タイプのエポクロスWS−500および700(主鎖はアクリルポリマー)と、エマルションタイプのエポクロスK−2000シリーズ(主鎖はスチレン/アクリルコポリマー)とがある。本発明では、そのいずれを使用することもできる。
オキサゾリン基含有樹脂は、図2に示すように、カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基と開環反応して、副生物を生ずることなくアミドエステル型の架橋構造を生じ、樹脂を架橋させる。そのため、各種のカルボキシル基含有樹脂、特に酸変性によりカルボキシ基を導入したポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などに架橋剤として、特に接着剤用途に使用されている。その場合、必ず架橋すべきカルボキシル基含有樹脂と一緒に使用されることになる。例えば、前述した特許文献4に開示された表面処理液においても、カルボキシル基含有ウレタン樹脂と一緒にオキサゾリン基含有化合物(上記エポクロス製品)を使用している。
これに対し、本発明では、オキサゾリン基含有樹脂を、架橋剤ではなく、樹脂成分そのものとして使用する。すなわち、樹脂成分としてはこの樹脂のみを使用することが好ましい。少量であれば、他の樹脂成分を共存させることも可能であるが、その共存樹脂成分がカルボキシル基などのオキサゾリン基と反応性の官能基を含有していると、オキサゾリン基がその樹脂成分との反応で消費され、下塗り塗膜中のカルボキシル基との反応に使用可能なオキサゾリン基が不足して、塗膜密着性が低下することがある。従って、他の樹脂成分を共存させる場合でも、少なくともオキサゾリン基の半分以上が未反応で残るような範囲内に抑えるようにする。一般には、他の樹脂成分を共存させる場合、その量はオキサゾリン基含有樹脂に対して50質量%以内、特に30質量%以下とすることが好ましい。
化成処理層がオキサゾリン基含有樹脂を含有していると、その上に形成された下塗り塗膜層(すなわち、化成処理層に隣接する塗膜層)の樹脂成分がカルボキシル基を含有している場合に、下塗り塗膜の焼付け中にオキサゾリン基がカルボキシル基と反応して、前述した架橋構造を形成するため、下塗り塗膜と化成処理層との密着性が飛躍的に高まる。
下塗り塗膜がポリエステル樹脂系の塗膜である場合、ポリエステル樹脂は一般に分子末端にカルボキシル基を含有するため、この下塗り塗膜中のカルボキシル基と化成処理層中のオキサゾリン基との反応が起こり、塗膜密着性が高まる。特に、下塗り塗膜のポリエステル樹脂がカルボキシル基を導入するように酸変性されたものである場合には、カルボキシル基の数が多いため、塗膜密着性の改善効果が高まる。すなわち、酸変性ポリエステル樹脂は、カルボキシル基の存在密度が高いため、水の侵入による塗膜密着性の低下が顕著であるが、その場合でも、本発明に従って表面処理層がオキサゾリン基含有樹脂を含有していると、未変性のポリエステル樹脂と同等レベルまで塗膜密着性が改善される。
ただし、オキサゾリン基含有樹脂は水溶性または水分散性であるので、化成処理層に固定させるために、前述した金属錯化合物および次に述べるシランカップリング剤を共存させる。
シランカップリング剤は、官能基を有するトリアルコキシアルキルまたはジアルコキシジアルキルシラン化合物であり、化成処理皮膜の塗布後の加熱乾燥中にアルコキシ基の加水分解および縮合反応を受けて、有機基を有する三次元架橋したシロキサン骨格の皮膜を形成できる。オキサゾリン基含有樹脂は、シランカップリング剤のこの作用と上述した金属錯化合物の難溶化により、化成処理層中に固定される。シランカップリング剤はまた、無機質表面すなわち鋼板表面に水素結合的に吸着し、密着性を発現するという作用も果たす。
シランカップリング剤は、各種の市販品を使用することができる。本発明で使用するのに好ましいシランカップリング剤は、エポキシ系、アミノ系、ビニル系、クロル系、メタクリロキシ系、メルカプト系、カチオン系のいずれかの有機官能基を含有するものである。そのようなシランカップリング剤の具体例としては、ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、N-(2-アミノメチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノメチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランが挙げられることが、これらに限られるものではない。特に好ましいのはエポキシ基を有するシランカップリング剤である。
化成処理液の上記成分の配合割合は、オキサゾリン基含有樹脂等の架橋性樹脂(B)に対する水溶性金属錯化合物(A)の固形分基準での質量比(A/B)が0.1以上、3以下となるようにすることが好ましい。A/B質量比を0.1以上としたのは、金属錯化合物の配合を少なくし、樹脂の配合を多くすれば、安価なコストで必要な性能が得られるためである。この質量比を3以下としたのは、これよりA/B質量比が高くなると、液安定性が低下するからであり。A/B質量比はより好ましくは0.5以上、2以下である。
シランカップリング剤(C)に対する水溶性金属錯化合物(A)および架橋性樹脂(B)の合計量の質量比[(A+B)/C]は4以上、50以下とすることが好ましい。この質量比が4より低くても、50より高くなっても、表面処理液の安定性が低下する。また、質量比が高すぎると、コスト面でも不利になる。(A+B)/C質量比はより好ましくは8以上、25以下である。
化成処理液は、上記成分に加えて、シリカ、ジルコニウム化合物、ならびにクエン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物をさらに含有していてもよい。これらの追加成分はいずれも耐食性・密着性の改善効果がある。
シリカはコロイド粒径のシリカが好ましく、湿式シリカ(水性シリカ、コロイダルシリカ)および乾式シリカ(気相シリカ、フュームドシリカ)のいずれも使用できる。しかし、表面処理液が水系であるので、湿式シリカの方が液中での分散が容易である。
ジルコニウム化合物としては、炭酸ジルコニウムアンモニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコンアンモニウム、フッ化ジルコン水素酸などが使用できる。クエン酸としては、アンモニウム塩などの金属塩などが使用できる。
水系化成処理液は、上記以外の添加剤をさらに含有することもできる。そのような添加剤としては、pH調整用の酸および/もしくはアルカリ、消泡剤、液安定化剤などが挙げられる。
溶媒は水であるが、水より少量であれば、水混和性有機溶媒を含有していてもよい。例えば、オキサゾリン基含有樹脂としてエポクロスWS−500をそのまま使用する場合には、これは水/1−メトキシ−2−プロパノールの混合溶媒中の40%溶液として市販されているので、有機溶媒が混入する。
水系化成処理液の塗布とその後の加熱乾燥は常法に従って実施すればよい。塗布は、例えば、浸漬、噴霧、ロール塗布などにより実施することができる。乾燥時の加熱温度は最高到達板温が60〜200℃の範囲内となるように行うことが好ましい。この加熱乾燥は、熱風乾燥または炉内乾燥により行うことができる。この加熱中に、上述したように、水溶性の単核の金属錯化合物が難溶性の多核(2核)金属錯化合物に変化し、同時にシランカップリング剤が加水分解と縮合を経て架橋することによって、難溶性の金属錯化合物とシランカップリング剤由来のポリシロキサン骨格の皮膜とが入り交じり、そこに架橋性樹脂も固定された構造を持つ化成処理層が生成する。
こうして形成される化成処理層の付着量は、5mg/m2以上、500mg/m2以下とすることが好ましい。付着量の下限値5mg/m2は、塗装皮膜として母材の鋼板表面の全表面を覆うために最低限必要な量である。付着量の上限値500mg/m2はコスト面から規定した。化成処理層のより好ましい付着量は10mg/m2以上、200mg/m2以下である。
この化成処理層の上に、少なくとも1層の塗膜層を形成して塗装鋼板とする。この塗膜層は1層のみでも、あるいは3層以上形成することも可能であるが、典型的には下塗り塗膜と上塗り塗膜の2層である。また、塗膜層の樹脂種も特に制限されず、加工性、耐食性、塗膜密着性が良好であれば他の樹脂も使用できるが、好ましいのはポリエステル樹脂である。ここでは、いずれもポリエステル樹脂からなる下塗り塗膜と上塗り塗膜とを形成する場合について説明する。
下塗り塗膜と上塗り塗膜のいずれも、ポリエステル樹脂は、高分子量線状飽和ポリエステルに架橋剤および必要により硬化触媒を配合した塗料の塗布と焼付けにより形成された焼付け型塗膜であること好ましい。架橋剤は、従来より使用されているもの、例えば、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物などでよい。特に好ましいのはメラミン樹脂である。
下塗り塗膜に使用するポリエステル樹脂は、特に化成処理層が架橋性樹脂としてオキサゾリン基含有樹脂を含有する場合には、カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂であることが好ましい。これは、前述したように、下塗り塗膜の焼付け中に下塗り塗膜中のカルボキシル基が化成処理層中のオキサゾリン基と反応して、下塗り塗膜中のポリエステル樹脂と化成処理層中の架橋性樹脂との間に架橋結合が形成され、下塗り塗膜の密着性が著しく高まるからである。
ポリエステル樹脂は、末端が全てヒドロキシル基になるか、あるいは保護しない限り、少なくとも一部の分子の末端にカルボキシル基を含有する。下地処理層に用いたポリエステル樹脂がそのような未変性のポリエステル樹脂である場合にも、上記化成処理層の形成によって、本発明による塗膜密着性の改善効果が十分に得られる。
しかし、下塗り塗膜に使用したポリエステル樹脂が、分子内に側鎖としてカルボキシル基を導入するようにカルボン酸で変性された酸変性ポリエステル樹脂であると、そのような下塗り塗膜は一般に水の侵入により弱いので、本発明による塗膜密着性改善効果がより大きくなる。
下塗り塗膜は、ポリエステル樹脂中に添加成分を含有しうる。そのような添加成分としては、着色顔料、体質顔料、防錆顔料を含む顔料類が挙げられる。防錆顔料としては、6価クロム化合物であるクロム酸ストロンチウムなどのクロム酸塩系防錆顔料以外のもの、例えば、トリポリリン酸アルミニウム、りん酸マグネシウム、りん酸アルミニウム、りん酸亜鉛、亜りん酸マグネシウム、亜りん酸アルミニウム、亜りん酸マグネシウム等を使用することが好ましい。また、例えば、塗膜表面にユズ肌外観を付与するための球状充填材といった、特定の目的での添加成分を含有させることも可能である。
上塗り塗膜は、一般に着色顔料を含有する。その他、体質顔料、潤滑性(加工性)を向上させるための潤滑成分(ワックス等)、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤、光安定化剤から選んだ1種または2種以上の添加成分を含有させてもよい。
各塗膜の形成方法(塗装と加熱焼付け)は常法に従って実施すればよい。塗装は典型的にはロール塗装により行われる。塗膜厚みは、一般的には、下塗り塗膜が3〜20μm、上塗り塗膜が5〜30μmの範囲内であろう。使用する塗料は溶剤系塗料と水系塗料のいずれでもよい。焼付け条件は、使用する塗料中の架橋剤成分の反応温度に応じて適当に選択すればよい。
前述したように、化成処理層がオキサゾリン基含有樹脂を含んでいる場合には、下塗り塗膜の焼付け時に、化成処理層中のこの樹脂のオキサゾリン基と下塗り塗膜中のポリエステル樹脂のカルボキシル基との間で架橋反応が起こる。この架橋反応は比較的低温で起こるので、通常のポリエステル系下塗り塗膜の焼付け条件では、この架橋反応も同時に起こる。
本発明の塗装鋼板において、上述した化成処理層は鋼板の両面に形成することが好ましい。塗膜も鋼板の両面に形成することが好ましいが、両面側で同じ塗膜構成とする必要はない。表面側のみ2層塗膜とし、裏面側は1層塗膜とするか、あるいは2層塗膜でも、表面側と異なる塗膜構成とすることができる。
以下の実施例において、%は特に指定しない限り質量%である。
素地鋼板として溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.6mm、めっき付着量:片面当たり60g/m2、合金化処理されていないGI品)を用い、このめっき鋼板の表面をアルカリ脱脂後、水洗乾燥した。その後、めっき鋼板の片面に表1に示すいずれかの組成の化成処理液をバーコーターで塗布し、熱風炉で加熱乾燥して(最高到達板温80℃)、めっき鋼板表面に化成処理層を形成した。化成処理皮膜の付着量は化成処理液濃度とバーコーターの番手により調整した。この付着量は、処理前後の重量差から算出した。
表面処理液に使用した各成分の詳細は次の通りである。
金属錯化合物:[Fe(acac)2(H2O)2]+(すなわち、図1に示した、3価鉄イオンにアセチルアセトン2分子と水2分子とが配位した錯体、合成品);
架橋性樹脂:オキサゾリン基含有樹脂(日本触媒製エポクロスWS−500);
シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ製サイラエースS510);
シリカ1:コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスO);
シリカ2:コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスN)。
Figure 2007297648
形成された化成処理層の上に、表2に示す組成の2種類の下塗り塗料のいずれかをバーコーターで塗布した後、熱風炉で加熱乾燥して(最高到達板温220℃)、下塗り塗膜を形成した。下塗り塗膜の膜厚は塗料粘度およびバーコーターの番手により調整した。その後、形成された下塗り塗膜の上に、表3に示す組成の上塗り塗料をバーコーターで塗布した後、熱風炉で加熱乾燥して(最高到達板温240℃)、上塗り塗膜を形成した。上塗り塗膜の膜厚は塗料粘度およびバーコーターの番手により調整した。上下の塗膜の膜厚は、膜厚ゲージで測定した。塗料はいずれも着色顔料としてチタニアを含有する白色塗料であった。
下塗り塗料に使用した各成分の詳細は次の通りである。
酸変性ポリエステル:酸付加型非晶性共重合ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロンGK150、不揮発分40%、溶剤系);
ポリエステル:非晶性共重合ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロンGK140、不揮発分40%、溶剤系);
硬化剤:メラミン樹脂(日本サイナミッド社製サイメル370、固形分98%);
硬化触媒:日本サイナミッド社製キャタリスト600;
防錆顔料:トリポリリン酸アルミニウム(テイカ製K−WHITE#82)
着色顔料:チタニア(石原産業製タイペークCR−50)。
上塗り塗料に使用した各成分の詳細は次の通りである。
高分子量ポリエステル:東洋紡製バイロン29CS(不揮発分30%、溶剤系);
硬化剤:メラミン樹脂(日本サイナミッド社製サイメル303、固形分100%);
硬化触媒:日本サイナミッド社製キャタリスト600;
顔料:チタニア(石原産業製タイペークCR−50、着色顔料)。
Figure 2007297648
Figure 2007297648
こうして調製された各塗装鋼板の化成処理層の処理液種類と付着料、下塗り塗膜の塗料記号と膜厚、および上塗り塗膜の膜厚を表4にまとめて示す。
これらの各塗装鋼板の耐食性および塗膜密着性を下記のようにして試験および評価した。試験結果も表4に合わせて示す。
[耐食性評価試験]
鋼板素地に達するクロスカットを入れた各供試鋼板を塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)に供し、120時間経過後のクロスカット部の塗膜フクレ幅を測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:フクレ幅1.0mm未満
○:フクレ幅1.0mm以上、1.5mm未満
△:フクレ幅1.5mm以上、2.0mm未満
▲:フクレ幅2.0mm以上、3.0mm未満
×:フクレ幅3.0mm以上
[塗膜密着性評価試験1]
本試験では塗膜の一次密着性の評価を行なう。一次密着性とは、塗料を塗布した後、実際の使用前の状態における塗膜密着性を指す。試験は、各供試鋼板に1mm間隔で碁盤目に100個のマス目をいれ、その後に粘着テープを貼り付けてから剥がし、塗膜残存率を測定することにより行った。試験方法とテープ種はJIS K5600−5−6に準じ、操作はJIS K5981に準じた。評価基準は、100マス中の残ったマス目数(X/100)により、以下の通りである。
◎:100/100
○:95〜99/100
△:90〜94/100
▲:50〜89/100
×:49以下/100。
[塗膜密着性評価試験2]
本試験では、塗膜の二次密着性の評価の内、塑性加工を受けない平板部の塗膜密着性の評価を行なう。二次密着性とは使用後の塗膜性能を指す。試験は、各供試鋼板を沸騰水に2時間浸漬し、取り出し後、碁盤目に2mm間隔でマス目をいれ(25マス)、その後にエリクセン試験機で碁盤目を入れた箇所を7mm張り出し、その部分にテープを貼り付け、塗膜残存率を測定した。試験方法とテープ種はJIS K5600−5−6に準じ、操作はJIS K5981に準じた。評価基準は以下の通りである。
◎:25/25
○:23〜24/25
△:20〜22/25
▲:15〜19/25
×:14以下/25。
[塗膜密着性評価試験3]
本試験では、塗膜の二次密着性の評価の内、塑性加工を施した加工部の塗膜密着性の評価を行なう。二次密着性とは使用後の塗膜性能を指す。試験は、各供試鋼板に、図3および下記に示すような条件で円筒絞り成形を実施し、図に示す点線部分を切り取り、沸騰水に2時間浸漬し、取り出し後の塗膜残存率を目視にて評価した。評価基準は図4および以下の通りである。
◎:塗膜残存率95%以上
○:塗膜残存率80以上95%未満
△:塗膜残存率50以上80%未満
▲:塗膜残存率20以上50%未満
×:塗膜残存率20%未満。
円筒絞り条件
ポンチ径:50mm、ポンチ肩R:5mm、ダイス径:52.5mm、ダイス肩R:5mm;
しわ抑え力:14700N;
絞り速度:毎分10mm;
潤滑油:金型にポリエチレンワックスを塗布。
塗膜面をダイス側、無塗装面をポンチ側とした。
Figure 2007297648
表4に示すように、化成処理層を架橋性樹脂または架橋性樹脂とシランカップリング剤の両方を含有しない比較例の化成処理液から形成した場合でも、金属錯化合物ベースの化成処理層により、塗膜密着性のうち、一次密着性と平板部の二次密着性は良好となる。しかし、加工部の二次密着性は非常に悪く、塗膜残存率はよくても50%未満、多くが20%未満となった。また、耐食性も、特に下塗り塗膜が酸変性ポリエステル樹脂(下塗り塗膜1)である場合に低下傾向が見られた。
これに対し、本発明に従って、金属錯化合物、架橋性樹脂およびシランカップリング剤を含有する実施例では、全例において、加工部の二次密着性まで含めて良好な塗膜密着性が得られた。また、耐食性も良好であった。
金属錯化合物の難溶化反応の説明図である。 架橋剤のオキサゾリン基含有樹脂とポリエステル樹脂中のカルボキシル基との架橋反応のメカニズムについての説明図である。 加工部の塗膜二次密着性の評価試験における試験片の切り出し箇所を示す説明図である。 加工部二次密着性の評価における試験片の状態を示す写真である。

Claims (13)

  1. 素地鋼板の少なくとも片面に、加熱乾燥により難溶性に変化する水溶性金属錯化合物、架橋性樹脂、およびシランカップリング剤を含有し、6価クロムを含有しない水系化成処理液の塗布と加熱乾燥により形成された化成処理層を備え、その上層に1層以上の塗膜層を備えることを特徴とする塗装鋼板。
  2. 加熱乾燥により難溶性に変化する水溶性金属錯化合物が、3価遷移金属イオンにβ−ジケトン2分子と水2分子とが配位した化合物である、請求項1に記載の塗装鋼板。
  3. 3価遷移金属イオンが鉄またはクロムイオンであり、β−ジケトンがアセチルアセトンである、請求項2に記載の塗装鋼板。
  4. 架橋性樹脂が、化成処理層に隣接する塗膜層の樹脂成分の少なくとも一部と反応して架橋構造を形成することができる、請求項1〜3のいずれかに記載の塗装鋼板。
  5. 架橋性樹脂がオキサゾリン基含有樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の塗装鋼板。
  6. 架橋性樹脂(B)に対する水溶性金属錯化合物(A)の固形分基準での質量比(A/B)が0.1以上、3以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗装鋼板。
  7. シランカップリング剤(C)に対する水溶性金属錯化合物(A)および架橋性樹脂(B)の合計量の質量比[(A+B)/C]が4以上、50以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗装鋼板。
  8. 水系化成処理液がシリカ、ジルコニウム化合物、ならびにクエン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗装鋼板。
  9. 化成処理層の付着量が5mg/m2以上、500mg/m2以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗装鋼板。
  10. 化成処理層の上の少なくとも1層の塗膜層が、いずれもポリエステル樹脂系の下塗り塗膜層と上塗り塗膜層とから構成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の塗装鋼板。
  11. 下塗り塗膜層がカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を主成分として含有する、請求項7に記載の塗装鋼板。
  12. カルボキシル基含有ポリエステル樹脂がカルボン酸変性ポリエステル樹脂である、請求項11に記載の塗装鋼板。
  13. 素地鋼板が亜鉛めっき鋼板または亜鉛系合金めっき鋼板である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の塗装鋼板。

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