JP2003201579A

JP2003201579A - 金属板材用表面処理剤及び該処理剤で表面処理したアルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板

Info

Publication number: JP2003201579A
Application number: JP2002319316A
Authority: JP
Inventors: Rikuo Ogino; 陸雄荻野; Akira Shono; 明庄野
Original assignee: Nihon Parkerizing Co Ltd
Current assignee: Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date: 2001-11-02
Filing date: 2002-11-01
Publication date: 2003-07-18
Anticipated expiration: 2022-11-01
Also published as: JP4024129B2

Abstract

(57)【要約】【課題】優れた耐アルカリ性、ロールフォーミング性、
耐食性を付与でき、且つクロムを含有しない金属板材用
表面処理剤、該処理剤で表面処理したアルミニウム含有
亜鉛系合金メッキ鋼板を提供する。【解決手段】（Ａ）カルボキシル基と酸アミド結合を有
する水系樹脂、（Ｂ）Ａｌ、Ｍｇ、Ｃａ、Ｚｎ、Ｎｉ、
Ｃｏ、Ｆｅ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｖ、Ｗ、Ｍｎ及びＣｅの金属
化合物から選ばれる１種又は２種以上の金属化合物、及
び（Ｃ）珪素化合物を含有するクロムを含有しない金属
板材用表面処理剤である。また、上記の（Ａ）成分と
（Ｂ）成分と（Ｃ）成分とを含有する被覆層を少なくと
も片面に皮膜付着量として０．２〜５．０ｇ／ｍ²有す
るクロムを含有しない表面処理アルミニウム・亜鉛系合
金メッキ鋼板である。上記（Ａ）成分としてはカルボキ
シル基と酸アミド結合を有するウレタン樹脂又はアクリ
ル樹脂が好ましい。（Ｃ）成分としては珪酸、珪酸塩、
コロイド状シリカ、シランカップリング剤が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建材や家電などの
用途に主として無塗装で用いられるアルミニウム・亜鉛
系合金メッキ鋼板に、耐アルカリ性、ロールフォーミン
グ性、耐食性を付与するためのクロムを含有しない金属
表面処理剤、及び該処理剤で表面処理したアルミニウム
・亜鉛系合金メッキ鋼板に関する。

【０００２】

【従来の技術】アルミニウム・亜鉛合金系メッキ鋼板、
特に５５％アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板は耐食性
に優れるため建家の屋根材や外壁材、農業用ビニールハ
ウスの支柱などの建材製品、ガードレール、防音壁、排
水溝などの土木製品、家電製品、産業機器などに無塗装
で用いられる。そのため、メッキ鋼板の表面が変色する
ことなく綺麗な表面外観を長期間維持されることが要求
される。また、建材用途の場合には、メッキ鋼板が口一
ルにより成形加工されるためメッキがロールに堆積しな
い性能、いわゆる、ロールフォーミング性が要求され
る。また、ロールフォーミング後の外観も重要であり、
皮膜損傷が無く、耐食性に優れていることが要望され
る。さらに、建材用途の場合には、コンクリートとの接
触による強アルカリ腐食環境下に置かれる場合があり、
その際にもメッキ鋼板の表面が変色することなく綺麗な
外観が長期間維持されることが必要である。

【０００３】前記の要求や要望に応えるべくなされた従
来技術としては、クロムを含有する樹脂被覆を施した技
術が多数提案されている。例えば、ロールフォーミング
性及び耐食性向上を目的として、特定の水溶性又は水分
散性樹脂に６価クロムを特定の割合で配合し、且つｐＨ
３〜１０に調整した処理液をアルミニウム・亜鉛系合金
メッキ鋼板表面に塗布する処理方法が提案されている
（特許文献１参照）。この処理を施されたアルミニウム
・亜鉛系合金メッキ鋼板は、耐食性、特に加工部耐食性
に対しては優れたものであるが、皮膜からのクロムの溶
出、特に加工時の皮膜傷つき部などからのクロムの溶出
が大きく、環境衛生の観点から好ましくないという問題
を有していた。このように、従来技術では優れた耐アル
カリ性とロールフォーミング性と耐食性とを満足し、且
つクロムを含まない表面処理層を有するアルミニウム・
亜鉛系合金メッキ鋼板は得られていないのが現状であ
る。

【０００４】

【特許文献１】特許２０９７２７８号公報

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術が抱える問題点を解決するためのものであり、被
処理金属板材に優れた耐アルカリ性、ロールフォーミン
グ性、耐食性を付与でき、且つクロムを含有しない金属
板材用表面処理薬剤、及び該表面処理剤で被覆された耐
アルカリ性、ロールフォーミング性、耐食性に優れたク
ロムを含有しない表面処理アルミニウム・亜鉛系合金メ
ッキ鋼板を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術が抱える課題を解決するための手段について鋭意検
討を重ねた結果、特定の樹脂を主成分とした被覆を形成
させることにより、前記課題が解決できることを見出し
本発明を完成した。即ち、本発明は以下の構成からなる
クロムを含有しない金属表面処理薬剤、及びクロムを含
有しない表面処理アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板
からなる。

【０００７】すなわち、本発明は、次の（Ａ）成分、
（Ｂ）成分及び（Ｃ）成分；（Ａ）カルボキシル基と酸アミド結合を有する水系樹
脂、（Ｂ）Ａｌ、Ｍｇ、Ｃａ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｆ
ｅ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｖ、Ｗ、Ｍｎ及びＣｅの金属化合物か
ら選ばれる１種又は２種以上の金属化合物、（Ｃ）珪素
化合物、を含有することを特徴とするクロムを含有しな
い金属板材用表面処理剤である。ここにおいて、（Ａ）
成分がウレタン樹脂又はアクリル樹脂であり、（Ｂ）成
分がＺｒ化合物であり、（Ｃ）成分が珪酸、珪酸塩、コ
ロイド状シリカ、シランカップリング剤から選ばれたク
ロムを含有しない金属板材用表面処理剤が好ましい。ま
た、（Ｃ）成分はシランカップリング剤であるものが特
に好ましい。

【０００８】上記の金属板材用表面処理剤は、（Ａ）成
分のカルボキシル基と酸アミド結合を有する水系樹脂の
固形分と（Ｂ）成分のＺｒ化合物中のＺｒとの質量比
（樹脂／Ｚｒ）が１〜３００の範囲であるものが好まし
い。また、（Ａ）成分のカルボキシル基と酸アミド結合
を有する水系樹脂の固形分質量と（Ｃ）成分のシランカ
ップリング剤中の珪素との質量比（樹脂／珪素）が１０
〜８００の範囲であるものが好ましい。

【０００９】更に本発明は、（Ａ）成分のカルボシキル
基と酸アミド結合を有する水系樹脂と、（Ｂ）成分のＡ
ｌ、Ｍｇ、Ｃａ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｆｅ、Ｚｒ、Ｔ
ｉ、Ｖ、Ｗ、Ｍｎ及びＣｅの金属化合物から選ばれる１
種又は２種以上の金属化合物と、（Ｃ）成分の珪素化合
物とを含有する被覆層を少なくとも片面に皮膜付着量と
して０．２〜５．０ｇ／ｍ²有することを特徴とする、
耐アルカリ性、ロールフォーミング性、耐食性に優れ
た、クロムを含有しない表面処理アルミニウム・亜鉛系
合金メッキ鋼板である。ここにおいて、（Ａ）成分がウ
レタン樹脂又はアクリル樹脂であり、（Ｂ）成分がＺｒ
化合物であり、（Ｃ）成分が珪酸、珪酸塩、コロイド状
シリカ、シランカップリング剤から選ばれた１種又は２
種以上であるものが好ましい。また、（Ｃ）成分の珪素
化合物がシランカップリング剤であるものが特に好まし
い。

【００１０】上記のクロムを含有しない表面処理アルミ
ニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板において、（Ａ）成分の
カルボキシル基と酸アミド結合を有する水系樹脂の固形
分と（Ｂ）成分のＺｒ化合物中のＺｒとの質量比（樹脂
／Ｚｒ）が１〜３００の範囲であるものが好ましい。ま
た、（Ａ）成分のカルボキシル基と酸アミド結合を有す
る水系樹脂の固形分と（Ｃ）成分のシランカップリング
剤中の珪素との質量比（樹脂／珪素）が５０〜８００の
範囲であるものが好ましい。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に本発明の構成を詳細に説明
する。本発明のアルミニウム含有亜鉛系合金メッキ鋼板
のベ一スとなるメッキ鋼板は、メッキ皮膜中のＡｌの含
有量が５〜７５質量％のアルミニウム・亜鉛系合金メッ
キ鋼板であり、例えば５５％アルミニウム・亜鉛系合金
メッキ鋼板が最も代表的なものとして知られている。通
常、この種のアルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板のメ
ッキ皮膜中にはＳｉがＡｌ量の０．５質量％以上含まれ
ている。また、例えば、５５％アルミニウム・亜鉛系合
金メッキ鋼板とは、通常、Ａｌが５０〜６０質量％程度
含まれるアルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板（以下の
説明において、５５％アルミニウム・亜鉛系合金メッキ
鋼板を示すものとする）を示し、そのメッキ皮膜中には
通常Ｓｉが１〜３質量％前後含まれている。以下に述べ
るように、本発明による特性改善効果はメッキ皮膜中の
Ａｌ量が５〜７５質量％のアルミニウム・亜鉛系合金メ
ッキ鋼板において顕著に得られるものであるが、その中
でも上記５５％アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板に
おいて特に顕著な特性改善効果が得られる。

【００１２】本発明の特にアルミニウム・亜鉛系合金メ
ッキ鋼板に適する金属板材用表面処理剤は、（Ａ）成分
の樹脂に、（Ｂ）成分の金属化合物及び（Ｃ）成分の珪
素化合物を配合したものである。例えば、容器に水を入
れ、これに（Ａ）成分の樹脂、（Ｂ）成分の金属化合
物、及び（Ｃ）成分の珪素化合物の順に投入しプロペラ
撹拌機などを用いて撹拌しながら混合することにより金
属板材用表面処理剤を調製することができる。

【００１３】本発明で用いる（Ａ）成分の水系樹脂は、
カルボキシル基と酸アミド結合を有する樹脂を主成分と
する。この樹脂は金属板材表面に皮膜を形成する。樹脂
中のカルボキシル基は樹脂の親水性成分としてエマルジ
ョンの安定性に寄与するほか、カルボキシル基があるこ
とにより金属素材との密着性が向上し、さらに配合する
金属化合物、珪素化合物と架橋反応をして、耐食性、耐
アルカリ性に優れた被膜を得ることができる。本発明で
用いる水系樹脂中のカルボン酸当量としては０．１５〜
３．５ｍｇ当量／ｇが好ましい。また、樹脂中の酸アミ
ド結合−ＣＯＮＨ−は、アルカリに対しては互変異性構
造である−Ｃ（ＯＨ）Ｎ−をとって酸の作用を示す。酸
アミド結合は、酸と反応して不安定な塩を作り、アルカ
リに対してはアルカリを中和する作用を示すので、酸ア
ミド結合を含有する樹脂は酸及びアルカリに対して耐性
を有しており優れた耐アルカリ性と耐食性を持ってい
る。本発明で用いる水系樹脂中の酸アミド当量としては
０．０５〜３．５ｍｇ当量／ｇが好ましい。このカルボ
キシル基と酸アミド結合を有する樹脂は、カルボキシル
基と酸アミド結合を導入したアクリル樹脂、エステル樹
脂、ウレタン樹脂などであり、これらの樹脂は水溶性の
状態や水性エマルジョンの状態などの水系で使用する、
すなわち水系樹脂である。そして、皮膜自体の耐加水分
解性、耐摩耗性を考慮するとウレタン樹脂が好ましい。
なお、この樹脂の合成方法に関しては特に限定するもの
ではないが、工業的に使用されている方法で合成された
ものが使用できる。

【００１４】前記の（Ａ）成分の水系樹脂に配合する
（Ｂ）成分の金属化合物としては、Ａｌ、Ｍｇ、Ｃａ、
Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｆｅ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｖ、Ｗ、Ｍｎ及
びＣｅの金属化合物から選ばれる１種又は２種以上であ
ることが好ましい。この金属化合物としてはりん酸塩、
酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、炭酸アンモニウム
塩、塩化物、フッ化物、フッ化アンモニウム物、錯フッ
化物、アセチルアセトナート化合物などが使用できる。

【００１５】（Ｂ）成分の金属化合物として特にジルコ
ニウム化合物を用いた場合には、カルボシキル基と酸ア
ミド結合を有する（Ａ）成分の水系樹脂の固形分とジル
コニウム化合物中のジルコニウムとの質量比(樹脂／Ｚ
ｒ)が１〜３００の範囲であることが好ましく、より好
ましくは１〜２００、さらに好ましくは１０〜１５０の
範囲である。カルボシキル基と酸アミド結合を有する樹
脂の固形分とジルコニウム化合物中のジルコニウムとの
質量比(樹脂／Ｚｒ)が１未満の場合は、ジルコニウム化
合物による防食効果が飽和するので経済的ではない。一
方、カルボシキル基と酸アミド結合を有する樹脂の固形
分とジルコニウム化合物中のジルコニウムとの質量比
(樹脂／Ｚｒ)が３００を超える場合は、ジルコニウム化
合物による防食効果が乏しいため好ましくない。このこ
とは他の金属化合物を用いたときも同様である。すなわ
ち、他の金属化合物を用いた場合も、樹脂と金属化合物
の金属との質量比は１〜３００の範囲であることが望ま
しい。

【００１６】前記の（Ａ）成分の水系樹脂に配合する
（Ｃ）成分の珪素化合物としては特に限定するものでは
ないが、珪酸、珪酸塩、コロイド状シリカ、シランカッ
プリング剤から選ばれる１種又は２種以上の珪素化合物
が好ましく使用される。特に、ビニルトリメトキシシラ
ン、γ−グリキシドキシプロピルトリエトキシシランな
どのシランカップリング剤が好ましく用いられる。

【００１７】（Ｃ）成分の珪素化合物として特にシラン
カップリング剤を用いた場合には、カルボシキル基と酸
アミド結合を有する水系樹脂（Ａ）の固形分とシランカ
ップリング剤中のＳｉとの質量比(樹脂／Ｓｉ)が１０〜
８００の範囲であることが好ましく、より好ましくは５
０〜６００、さらに好ましくは１００〜４００の範囲で
ある。カルボシキル基と酸アミド結合を有する水系樹脂
（Ａ）の固形分とシランカップリング剤中のＳｉとの質
量比(樹脂／Ｓｉ)が１０未満の場合は、シランカップリ
ン剤によるの防食効果が飽和するので経済的でない。一
方、酸アミド結合を有する樹脂の固形分とシランカップ
リング剤中のＳｉとの質量比(樹脂／Ｓｉ)が８００を超
える場合は、シランカップリン剤の防食効果が乏しいた
め好ましくない。このことは他の珪素化合物を用いたと
きも同様である。

【００１８】なお、本発明においては、金属板材表面処
理剤に、潤滑剤として二硫化モリブデン、グラファイ
ト、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系ワックス等の添加
が可能であり、また、着色顔料の添加により皮膜を着色
することも可能である。更に、本来の性能を損なわない
範囲内で消泡剤やレベリング剤を該処理液に添加しても
差し支えない。

【００１９】本発明の金属板材表面処理剤を用いて、ア
ルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板の表面を処理する方法
としては、特に限定はしないが、例えばロールコート等
をはじめとする任意の方法を用いて塗布することが可能
であり、電気炉、熱風炉、誘導加熱炉などを用いて、到
達板温度で６０〜２００℃、乾燥時間６０秒以内で乾燥
させて樹脂被膜を形成させるのが好ましい。

【００２０】アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板の表
面に形成する本発明の金属板材用表面処理剤の皮膜量
は、乾燥させたときの樹脂皮膜量として、特に限定する
ものではないが、０．５〜５ｇ／ｍ²の範囲であるのが
好ましい。メッキ皮膜中のＡｌの含有量が５〜７５質量
％のＡｌ−Ｚｎ系系合金メッキ鋼板は、メッキ自体が硬
くて脆いという欠点を有しており、これを防ぐため樹脂
を被覆することでメッキ剥離を防止することができる。
樹脂の皮膜量が０．５ｇ／ｍ²未満の場合は、このメッ
キ剥離防止効果が少ないため好ましくなく、一方、５ｇ
／ｍ²を越える場合はメッキ剥離防止効果が飽和するの
で経済的でない。

【００２１】

【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例を用いて具
体的に説明する。〔試験板の作製〕（１）供試材５％アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板（ＧＦ）５５％アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板（ＧＬ）

【００２２】（２）脱脂処理シリケート系アルカリ脱脂剤のファインクリーナー４３
３６（日本パーカライジング（株）製）で脱脂処理（濃
度２０ｇ／Ｌ、温度６０℃、２０秒間スプレー）した
後、水道水で洗浄した。

【００２３】（３）樹脂の合成（３−１）試作ウレタン樹脂両末端にカルポキシル基を持つ数平均分子量１０００の
ポリエステル樹脂１００部、両末端に水酸基を持つ数平
均分子量１０００のジオール化合物１００部、２，２一
ジメチロールプロピオン酸１５部、ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート１００部、Ｎ−メチル−２−ピロ
リドン１００部とを反応させることにより得られるプレ
ポリマーを脱イオン水に分散させることにより、カルボ
ン酸当量として０．３６ｍｇ当量／ｇ、酸アミド当量と
して０．６３ｍｇ当量／ｇの試作ウレタン樹脂を得た。（３−２）試作アクリル樹脂アクリル酸１０部とイソホロンジイソシアネート５部を
有機溶剤中で反応させた後に、スチレン２５部、メタク
リル酸メチル１０部、メタクリル酸ブチル２０部及びア
クリル酸２−エチルヘキシル３０部を加え、界面活性剤
を含む水溶液中に滴下し重合させることにより、カルボ
ン酸当量として１．０ｍｇ当量／ｇ、酸アミド当量とし
て０．３ｍｇ当量／ｇの試作アクリル樹脂を得た。

【００２４】（４）表面処理剤の調整方法室温にて、蒸留水の中に表１に示す樹脂、表２に示す金
属化合物、表３に示す珪素化合物の順に投入し、プロペ
ラ撹拝機を用いて撹枠しながら混合し、表４の表面処理
剤を調製した。

【００２５】

【表１】

【００２６】

【表２】

【００２７】

【表３】

【００２８】

【表４】

【００２９】（５）表面処理鋼板の作製方法上記にて調整した表面処理剤をバーコーターにて供試材
の表面に塗布し、２４０℃の雰囲気温度で乾燥した。な
お、皮膜量（ｇ／ｍ²）の調整は表面処理剤の固形分濃
度を適宜調整することにより行った。

【００３０】〔皮膜性能評価〕（１）平面部耐食性ＪＩＳ−Ｚ−２３７１による塩水噴霧試験を２４０時間
実施し、白錆発生状況を観察し、下記基準により評価を
行った。＜評価基準＞ ◎：白錆発生なし ○：白錆発生面積率が全面積の１０％未満 △：白錆発生面積率が全面積の１０％以上３０％未満 ×：白錆発生面積率が全面積の３０％以上

【００３１】（２）耐アルカリ性１％ＮａＯＨ水溶液に試験板を５時間浸漬し、浸漬前後
の皮膜状態を観察し、下記基準により評価を行った。＜評価基準＞ ◎：外観変化なし ○：変色面積が全面積の１０％未満 △：変色面積が全面積の１０％以上３０％未満 ×：変色面積が全面積の３０％以上

【００３２】

【表５】

【００３３】

【表６】

【００３４】本発明の実施例及び比較例の試験結果を表
５及び６に示しす。本発明の表面処理鋼板を用いた実施
例の１〜１２では、耐食性、耐アルカリ性の双方とも良
好である。一方、本発明の範囲外である表面処理鋼板の
比較例１〜７では、耐食性、耐アルカリ性の何れか一方
が劣っていた。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の金属板材
用表面処理剤は、金属板材特にアルミニウム含有亜鉛系
合金メッキ鋼板の表面処理に用いることにより、優れた
耐食性と耐アルカリ性を付与することができ、またその
ロールフォーミング性が優れることから、産業上の利用
価値は非常に大きい。また、クロムを含有しないため環
境衛生問題を生じない利点がある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4K026 AA02 AA12 AA22 BB08 BB09 BB10 CA23 CA27 CA28 CA32 CA33 CA37 DA02 DA09 EA08 EB11

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の（Ａ）成分、（Ｂ）成分及び（Ｃ）成
分；（Ａ）カルボキシル基と酸アミド結合を有する水系樹
脂、（Ｂ）Ａｌ、Ｍｇ、Ｃａ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｆｅ、Ｚ
ｒ、Ｔｉ、Ｖ、Ｗ、Ｍｎ及びＣｅの金属化合物から選ば
れる１種又は２種以上金属化合物、（Ｃ）珪素化合物、を含有することを特徴とするクロム
を含有しない金属板材用表面処理剤。
【請求項２】（Ａ）成分がウレタン樹脂又はアクリル樹
脂であり、（Ｂ）成分がＺｒ化合物であり、（Ｃ）成分
が珪酸、珪酸塩、コロイド状シリカ、シランカップリン
グ剤から選ばれた１種又は２種以上である請求項１に記
載のクロムを含有しない金属板材用表面処理剤。
【請求項３】（Ｃ）成分がシランカップリング剤である
請求項１又は２に記載のクロムを含有しない金属板材用
表面処理剤。
【請求項４】（Ａ）成分のカルボキシル基と酸アミド結
合を有する水系樹脂の固形分と（Ｂ）成分のＺｒ化合物
中のＺｒとの質量比（樹脂／Ｚｒ）が１〜３００の範囲
である請求項１〜３のいずれかに記載のクロムを含有し
ない金属板材用表面処理剤。
【請求項５】（Ａ）成分のカルボキシル基と酸アミド結
合を有する水系樹脂の固形分質量と（Ｃ）成分のシラン
カップリング剤中の珪素との質量比（樹脂／珪素）が１
０〜８００の範囲である請求項３又は４に記載のクロム
を含有しない金属板材用表面処理剤。
【請求項６】（Ａ）成分のカルボシキル基と酸アミド結
合を有する水系樹脂と、（Ｂ）成分のＡｌ、Ｍｇ、Ｃ
ａ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｆｅ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｖ、Ｗ、Ｍ
ｎ及びＣｅの金属化合物から選ばれる１種又は２種以上
の金属化合物と、（Ｃ）成分の珪素化合物とを含有する
被覆層を少なくとも片面に皮膜付着量として０．２〜
５．０ｇ／ｍ²有することを特徴とする、耐アルカリ
性、ロールフォーミング性、耐食性に優れた、クロムを
含有しない表面処理アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼
板。
【請求項７】（Ａ）成分がウレタン樹脂又はアクリル樹
脂であり、（Ｂ）成分がＺｒ化合物であり、（Ｃ）成分
が珪酸、珪酸塩、コロイド状シリカ、シランカップリン
グ剤から選ばれた１種又は２種以上である請求項６に記
載のクロムを含有しない表面処理アルミニウム・亜鉛系
合金メッキ鋼鈑。
【請求項８】（Ｃ）成分の珪素化合物がシランカップリ
ング剤である請求項６又は７に記載のクロムを含有しな
い表面処理アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板。
【請求項９】（Ａ）成分のカルボキシル基と酸アミド結
合を有する水系樹脂の固形分と（Ｂ）成分のＺｒ化合物
中のＺｒとの質量比（樹脂／Ｚｒ）が１〜３００の範囲
である請求項６〜８のいずれかに記載のクロムを含有し
ない表面処理アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板。
【請求項１０】（Ａ）成分のカルボキシル基と酸アミド
結合を有する水系樹脂の固形分と（Ｃ）成分のシランカ
ップリング剤中の珪素との質量比（樹脂／珪素）が５０
〜８００の範囲である請求項８又は９に記載のクロムを
含有しない表面処理アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼
板。