JP2006299327A - 金属表面処理用水分散性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】防錆性、耐アルカリ性等に優れ、クロム酸、クロム酸塩系顔料を必要とせず、ガルバリウム鋼板等の表面処理用に好適であって、しかも貯蔵安定性に優れる環境対応型の金属表面処理用水分散性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】0.1〜10重量%のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)、0.1〜10重量%の酸基含有重合性不飽和モノマー(b)及び80〜99.8重量%のその他の重合性不飽和モノマー(c)からなる重合性不飽和単量体混合物が、(a)、(b)及び(c)の総和に対して0.01〜3重量%の連鎖移動剤の存在下で乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物を含有する金属表面処理用水分散性樹脂組成物。

Description

本発明は、金属表面処理用水分散性樹脂組成物及び表面処理金属板に関する。詳細には、防錆性、金属に対する付着性、アルキド塗料、建材断熱材としての発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等の上塗り材との付着性、耐水性、耐沸騰水性、耐アルカリ性、耐酸性及び耐ブロッキング性に優れ、さらにクロム酸、クロム酸塩系顔料を含まず、環境ホルモン疑惑物質をも含まない、環境対応に優れた一般鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板等の金属板の表面処理用に好適な一液安定型金属表面処理用水分散性樹脂組成物及び表面処理金属板に関する。
アルムニウム・亜鉛合板メッキ鋼板とは、4〜75重量%のアルミニウムと、残りの大半が亜鉛とからなる合金によってメッキされた鋼板である。現在、アルムニウムの含有量が4〜10重量%の低アルムニウム・亜鉛合金メッキ鋼板と、アルムニウムの含有量が55重量%の高アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板(通称ガルバリウム鋼板)の2種類が製品化、市販されている。これらの中で、特にアルムニウムの比率が55重量%の高アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板(通称ガルバリウム鋼板)は、通常一般に使用されている溶融亜鉛メッキ鋼板と比較して優れた耐蝕性を有しており、さらに、耐熱性、熱反射性にも優れ、美しい外観であるため、建家の屋根材や外壁材などの建材製品、農業ビニルハウスの支柱管、ガードレール、防音壁、排水溝などの土木製品、自動車、家具、家電製品、産業機器の筐体等の材料等、多様な用途に使用されている。このような鋼板は耐蝕性等に優れているため、無塗装で使用される場合も多いが、例えば、大気中の酸素による亜鉛の酸化腐蝕のため表面に白錆が発生したり、コンクリート等セメント材料の強アルカリに曝されると、アルミニウムがアルカリにより腐蝕され、黒錆が発生するなどし、美しい外観を損なったり、耐久性の低下を引き起こすなどの問題が発生する。そこで、これらの鋼板上にさらに表面処理を施し、耐久性等を向上させることが行われている。特に鋼板上に透明な樹脂により表面処理を施したものは、外観が美しく、耐久性にも優れているためもてはやされている。また、このような樹脂表面処理剤による処理を行った上に、塗料を上塗りしたり、例えば断熱等を目的として各種プラスチック発泡材料を積層するなどの処理も急速に普及している。このような場合、樹脂表面処理剤には、下地金属への付着性に優れていることはもちろん、上塗り塗材や積層するプラスチック発泡材料等との付着性が良好であることも必要である。また、このような樹脂表面処理剤には、地球環境問題や火災の危険性等から従来の有機溶剤系の処理剤に代わって、水系で製造、使用できることも求められている。
そこで、これら金属素材の耐蝕性及び耐久性能を改善する目的で、クロム酸もしくは重クロム酸またはその塩を含有する処理液で表面を処理するクロメート処理が一般に行われている(例えば特公平4−2679号公報、特許第2097278号公報、特開平7−251128号公報、特開2000−5697号公報)。しかしながら、クロメート処理中の6価クロムは人体に直接重大な悪影響を及ぼし、地球環境エコロジーの観点からは著しく後退するものであった。
そこで特開2003−201578号公報には、アルミニウム・亜鉛系合金メッキ鋼板の表面に、カルボキシル基及び酸アミド結合を有する水溶性ウレタン樹脂と、N−メチルピロリドンと、ジルコニウム金属化合物と、シランカップリング剤とを含有する表面処理剤が報告されている。しかしながら、先ず水溶性ウレタン樹脂では耐水性が非常に悪く、十分な耐久性が得られない。水溶性ウレタン樹脂なる記述を広義に解釈して水性ウレタンディスパージョンとしても、一般にアクリル樹脂などと比較して耐侯性が劣り、また高価格であるという難点がある。その上高沸点溶剤であるN−メチルピロリドンを含み、環境衛生面からは問題となる。
次に、特開2003−201579号公報には、カルボキシル基と酸アミド結合―CONH―を有する水系樹脂、具体的にはウレタン樹脂又はアクリル樹脂と、Al、Mg、Ca、Zn、Ni、Co、Fe、Zr、Ti、V、W、Mn及びCeの金属化合物と、珪素化合物を含有する金属板材用表面処理剤が紹介されている。このうち、ウレタン樹脂については上記耐侯性と経済性の欠点があり、アクリル樹脂について酸アミド結合―CONH―を有する水分散性樹脂は、上記の金属化合物や珪素化合物との反応性が強すぎ、混和安定性に乏しく、ライフが短いため作業性が極めて悪く、工業的応用上問題がある。
上述のように、従来の水性樹脂塗料は、クロム系のものも含め、防錆性、金属への付着性、上塗り材への付着性、耐水性、耐沸騰水性、耐アルカリ性、耐酸性及び耐ブロッキング性等が劣り、有機溶剤系の塗料の代替には不十分であった。
さらに、水分散性樹脂をベースとする金属表面処理剤は、その主成分となる合成樹脂エマルジョンの合成に際して乳化剤が用いられる。このような乳化剤としては、特に乳化重合における重合安定性、種々の塩など薬品混和安定性、機械的及び凍結安定性などの諸安定性に優れるノニルフェニル型界面活性剤が用いられる場合が多い。しかし、ノニルフェニル型界面活性剤は、正常なホルモン作用を撹乱し、生殖機能を阻害する環境ホルモンとして知られるノニルフェノールを原料とするため、このような乳化剤を用いた処理剤は環境安全上の問題があった。
また、上記各種性能要求及び環境対応が十分であっても、主剤の樹脂エマルジョンと各種硬化剤の混和安定性が不良で、貯蔵安定性が不良であったり、金属表面処理作業中に処理剤が異常増粘し、極端な場合ゲル化してしまうなどの問題も発生している。また、二液又は三液型の処理剤を用いて、合成樹脂エマルジョンと硬化剤とを使用直前に混合するとしても、可使時間が短く作業性に問題が生じ、又ミスの原因となりかねない。従って、貯蔵安定性に優れた一液型の処理剤が望まれていた。
このように、従来技術では耐候性等の各種性能に優れ、環境ホルモン型界面活性剤を使用せずに製造された、且つクロムを全く含有しない一液型で貯蔵安定性に優れた環境対応型の金属表面用水分散性樹脂処理剤は得られていなかった。
特公平4−2672号公報 特許2097278号公報 特開平7−251128号公報 特開平2000−5697号公報 特開平2003−201578号公報 特開平2003−201579号公報
本発明の目的は、上記従来の金属表面用水分散性樹脂処理剤の欠点を克服し、特に防錆性、金属に対する付着性に優れ、アルキド塗料、建材断熱材としての発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等の上塗り剤との付着性にも優れ、さらに耐水性、耐沸騰水性、耐アルカリ性及び耐ブロッキング性が良好で、その上クロム酸、クロム酸塩系顔料を含まず、一般鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板等の金属表面処理用に好適な金属表面処理剤及び表面処理金属板を提供することである。また、金属表面処理剤は環境ホルモン型界面活性剤を用いずに合成された共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物を主成分とし、硬化剤として環境に優しい化合物を用いて一液で安定な環境対応型金属表面処理用水分散性樹脂組成物及び表面処理金属板を提供することにある。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定組成の重合性不飽和単量体混合物を少量の連鎖移動剤を用いて分子量調節しながら乳化重合することにより得られた共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物が、上記性能要求を満たす金属表面処理剤であることを見出し、本発明を完成した。さらに、乳化重合の際の乳化剤として非環境ホルモン型乳化剤を用いることにより環境対応型の金属表面処理剤が得られ、さらにこの水分散性樹脂組成物にジルコニウム化合物や、シランカップリング剤などを含ませる事により一液型で安定な環境対応型金属表面処理用水分散性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、0.1〜10重量%のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)、0.1〜10重量%の酸基含有重合性不飽和モノマー(b)及び80〜99.8重量%のその他の重合性不飽和モノマー(c)からなる重合性不飽和単量体混合物が、(a)、(b)及び(c)の総和に対して0.01〜3重量%の連鎖移動剤の存在下で乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物(A)を含有する金属表面処理用水分散性樹脂組成物を提供する。
水分散性樹脂組成物(A)における共重合体樹脂エマルジョンには、単量体成分として、(a)、(b)及び(c)の総和に対して0.1〜5重量%の下記式(1)で表される環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)を含んでいるのが好ましい。
Figure 2006299327
(式中、R1は水素又はメチル基を表し、R2は炭素数2〜10、原料入手の観点からは、好ましくは2〜3の2価のアルキレン基を表し、R3は炭素数2又は3の2価アルキレン基を表す。)
その他の重合性不飽和モノマー(c)としては、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)、又は前記アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)と、スチレン系モノマー(c−2)、(メタ)アクリロニトリル(c−3)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c−4)、加水分解性シリル基を有する共重合性不飽和モノマー(c−5)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c−6)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c−7)からなる群より選択された少なくとも1種のモノマーとの混合モノマーを用いるのが好ましい。
環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)としては、メタクリルアミドエチルエチレン尿素、メタクリルアミドエチルプロピレン尿素、アクリルアミドエチルエチレン尿素及びアクリルアミドエチルプロピレン尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーを用いるのが好ましい。
連鎖移動剤としては、メルカプタン系化合物及び/又はアルコール及び/又はα−メチルスチレンダイマーを使用するのが好ましい。
乳化剤としては、非環境ホルモン型界面活性剤を使用するのが好ましく、該非環境ホルモン型界面活性剤が反応性界面活性剤であるのがさらに好ましい。
共重合体樹脂エマルジョンは、コア・シェル型樹脂エマルジョンであるのが好ましい。
本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物には、ジルコニウム化合物(B)及びシランカップリング剤(C)を含ませることもできる。
(B)成分の固形分使用量は、(A)成分である水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜20重量%とし、(C)成分の固形分使用量は、(A)成分である水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10重量%の範囲とするのがよい。
本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物は、実質的にクロムを含有していないことが望ましい。
本発明は、また、金属板の表面が前記の金属表面処理用水分散性樹脂組成物により処理された表面処理金属板を提供する。
金属板表面における金属表面処理用水分散性樹脂組成物の固形分付着量は、0.2〜10g/m2程度であるのが好ましい。
本発明の金属表面塗装用水分散性樹脂組成物及び表面処理金属板は、特に防錆性、金属に対する付着性が優れ、アルキド塗料、建材断熱材としての発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等上塗り材との付着性に優れ、耐水性、耐沸騰水性、耐アルカリ性及び耐ブロッキング性に優れる。また、クロムを含まず、環境ホルモン型界面活性剤を用いずに合成された共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物を主成分とすることが可能であるため、地球環境保護の観点からも優れている。
本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物は、以下のモノマー成分、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)、酸基含有重合性不飽和モノマー(b)及びその他の重合性不飽和モノマー(c)を連鎖移動剤の存在下で乳化重合することにより得られる共重合体樹脂エマルジョンを含んでいる。
エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、グリシジルクロネート、グリシジルアリルエーテル、β−グリシジルメタクリレート、(3,4−エポキシクロロヘキシル)メチルメタクリレート、3−エポキシクロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。通常は、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有重合性不飽和モノマーが使用されることが多い。
エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)を用いることによって、エポキシ基の有する金属表面への親和性と、酸基含有重合性不飽和モノマー(b)の金属表面への密着性との相乗効果により、金属への密着性がより促進され、防錆効果のいっそうの向上に大きな効果が発揮される。さらに、酸基含有重合性不飽和モノマー(b)として分子中にカルボキシル基を有するモノマーを用いた場合には、樹脂組成物中でエポキシ基とカルボキシル基との架橋反応により三次元網目構造が形成され、樹脂組成物に耐水性、耐沸騰水性、耐アルカリ性及び耐ブロッキング性を付与する効果が発揮される。
エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)の量は、モノマー成分(a)、(b)及び(c)の総量を基準として0.1〜10重量%、好ましくは1〜9重量%、さらに好ましくは3〜8.5重量%である。エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)の量をこの範囲に設定することにより、共重合体樹脂エマルジョンを含む樹脂組成物を表面処理剤として用いた場合において、塗膜の金属表面に対する親和性が増し、密着性が向上すると同時に優れた防錆力が得られる。エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)の使用量が0.1重量%未満では、塗膜の防錆力が弱く、耐水性、耐沸騰水性及び耐ブロッキング性が低下しやすい。一方、10重量%を超えると、逆に樹脂塗膜の内部構造にミクロゲル的な不均一部分を生じ、歪によりクラックを生じたり、水の透過や、錆発生の触媒成分である塩素イオンや硫酸イオンの透過を助長したりするため防錆力が弱く、塗膜の強度も低下する傾向となる。
酸基含有重合性モノマー(b)としては、例えばカルボキシル基、スルホン基及びリン酸基等から選ばれる少なくとも一つの酸基を分子内に有するエチレン性不飽和化合物を使用できる。
酸基含有重合性不飽和モノマー(b)のうち、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとしては例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、α−エチルアクリル酸、β−エチルアクリル酸、β−プロピルアクリル酸、β−イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸及びフマル酸等が挙げられる。スルホン酸基含有重合性不飽和モノマーとしては例えば、p−ビニルベンゼンスルホン酸、p−アクリルアミドプロパンスルホン酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。リン酸基含有重合性不飽和モノマーとしては例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートのリン酸モノエステル、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのリン酸モノエステルなどが挙げられ、これらは商品名「ライトエステルPM」(共栄社化学社製)として市販されている。酸基含有重合性不飽和モノマー(b)は、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
酸基含有重合性不飽和モノマー(b)を用いることにより、共重合体樹脂エマルジョンを含む樹脂組成物やそれを用いた表面処理剤の保存安定性、機械的安定性及び凍結に対する安定性等の諸安定性が得られる。また、塗膜形成時における金属基材との密着性が強いため、金属基材と塗膜との界面へ水が進入したり、錆の生成を促進したり触媒する塩素イオンや硫酸イオン等が進入したりすることが阻止されるため、高い防錆力が得られる。さらに、硬化剤として(B)成分であるジルコニウム化合物や、(C)成分であるシランカップリング剤を配合した場合には、これらと架橋反応し、より高い防錆力と優れた耐アルカリ性を有する塗膜が得られる。
酸基含有重合性不飽和モノマー(b)の量は、モノマー成分(a)、(b)及び(c)の総量を基準として、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%である。酸基含有重合性不飽和モノマー(b)の使用量が0.1重量%未満では、樹脂の重合安定性及び上記諸安定性が悪くなり、塗膜の金属表面に対する密着性及び防錆力が弱くなりやすい。一方、10重量%を超えると、樹脂組成物の重合安定性及び上記諸安定性が悪くなり、得られた塗膜の耐水性、耐アルカリ性が弱くなりやすい。
前記不飽和単量体混合物のうち、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)及び酸基含有重合性不飽和モノマー(b)の残部をしめるその他の重合性不飽和モノマー(c)としては、その代表的な例としてアルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a−1)、スチレン系モノマー(a−2)、(メタ)アクリロニトリル(a−3)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(a−4)、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(c−5)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c−6)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(C−7)が挙げられる。これらの単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。以下に、「その他の重合性不飽和モノマー(c)」を単に「モノマー(c)」と称する場合がある。
アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が適宜組み合わされて使用される。なかでも、アルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
スチレン系モノマー(c−2)としては、スチレンの他に、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらのモノマーは1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
水酸基含有重合性不飽和単量体(c−4)としては、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、ε−カプロラクトン変性アクリルモノマーなどが挙げられる。水酸基含有重合性不飽和単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。ε−カプロラクトン変性アクリルモノマーとしては、ダイセル化学工業(株)製の商品名「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルM−4」、「プラクセルFM−5」などが挙げられる。
加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(c−5)としては、例えば、γ−(メタ)クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)クリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)クリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を含有するモノマーが挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わされて使用される。
アミド結合含有重合性不飽和単量体(c−6)としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアクリルアミド、α−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド及びN−ビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わされて使用される。
多官能ビニル基含有重合性不飽和単量体(c−7)としては、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート等のジビニル化合物のほか、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等も挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わされて使用される。
モノマー(c)としては、良好な製膜性と高い膜硬度を得るためには、少なくとも前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)を用いるのが好ましく、特に前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)とスチレン系モノマー(c−2)を併用するのが好ましい。また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)、又は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)及びスチレン系モノマー(c−2)とともに、(メタ)アクリロニトリル(c−3)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c−4)、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(c−5)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c−6)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c−7)から選択された少なくとも1種のモノマーを用いるのも好ましい。
(メタ)アクリロニトリル(c−3)を共重合モノマーとして用いると、シアノ基のポリマー中での配向、結晶化効果により緻密で強靱な膜が形成され、これによって防水性や防錆性に悪影響を及ぼす成分の透過が抑制され、防錆性がより向上する。また、塗膜硬度が上がることから、耐ブロッキング性も向上する。
水酸基含有重合性不飽和単量体(c−4)を共重合モノマーとして用いると、共重合体樹脂エマルジョンを含む樹脂組成物や、それを用いた金属表面処理用水分散性樹脂組成物の親水性及び水素結合性が増し、樹脂膜形成後に上塗り塗料や建材断熱材としての発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の上塗り材との親和性が増し、密着性を助長する。
加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(c−5)を共重合モノマーとして用いると、共重合体樹脂エマルジョンを含む樹脂組成物や、それを用いた表面処理剤の耐水性が増し、結果として防錆力が向上する。また、架橋により耐ブロッキング性も改善される。さらに、それと加水分解性シリル基の持つシランカップリング効果及びシラン基の金属等無機基材に対する親和性により、密着性が向上する。また、金属表面処理用水分散性樹脂組成物にシランカップリング剤を配合した場合には、これと高い架橋反応性を示し、シラノール結合による高度な架橋構造が形成される。そのためより高い防錆力と耐水性を示し、特に耐アルカリ性の優れた塗膜が得られる。
アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c−6)を共重合モノマーとして用いると、処理用樹脂にニュートン液体様の粘性を付与し、レベリング性やロール適性などの作業性を向上しうる。
多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c−7)を共重合モノマーとして用いると、エマルジョン粒子内架橋が促進され、樹脂膜の耐ブロッキング性、耐摩耗性が改善される。また、耐水性や耐アルカリ性向上効果もある。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)の量は、前記重合性不飽和モノマー(c)の総量に対して例えば、20〜100重量%、好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは35〜70重量%程度である。スチレン系モノマー(c−2)の量は、前記重合性不飽和モノマー(c)の総量に対して例えば0〜80重量%、好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは30〜60重量%程度である。また、(メタ)アクリロニトリル(c−3)の量は、前記重合性不飽和モノマー(c)の総量に対して、通常0〜20重量%(例えば1〜20重量%)、好ましくは0〜10重量%(例えば1〜10重量%)程度である。また、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c−4)の量は、前記重合性不飽和モノマー(c)の総量に対して、通常0〜10重量%(例えば0.1〜10重量%)、好ましくは0〜5重量%(例えば0.1〜5重量%)程度である。加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(c−5)の量は、前記重合性不飽和モノマー(c)の総量に対して通常0〜10重量%(例えば0.1〜10重量%)、好ましくは0〜5重量%(例えば0.1〜5重量%)程度である。アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c−6)の量は、前記重合性不飽和モノマー(c)の総量に対して通常〜10重量%(例えば0.1〜10重量%)、好ましくは0〜5重量%(例えば0.1〜5重量%)程度である。また、多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c−7)の量は、前記重合性不飽和モノマー(c)の総量に対して、通常0〜10重量%(例えば0.1〜10重量%)、好ましくは0〜5重量%(例えば0.1〜5重量%)程度である。
その他の重合性不飽和モノマー(c)成分としては、防錆性、付着性、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性等の特性を損なわない範囲で、上述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)、スチレン系モノマー(c−2)、(メタ)アクリロニトリル(c−3)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c−4)、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(c−5)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c−6)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c−7)以外の重合性不飽和モノマーを使用してもよい。このような重合性不飽和モノマーの使用量は、(a)、(b)及び(c)の総量に対して、例えば20重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。なお、後述する環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)は、その他の重合性不飽和モノマーに含まないものとする。
共重合体樹脂エマルジョンとしては、上記(a)、(b)及び(c)成分に加えて、下記式(1)で表される環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)が配合された単量体混合物を乳化重合して得られる共重合性エマルジョンが好ましい。
Figure 2006299327
(式中、R1は水素又はメチル基を表し、R2は炭素数2〜10、原料入手の観点からは、好ましくは2〜3の2価のアルキレン基を表し、R3は炭素数2又は3の2価アルキレン基を表す。)
2における炭素数2〜10の2価のアルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、ジメチルエチレン、トリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状のC2-10アルキレン基が挙げられる。R3における炭素数2又は3の2価のアルキレン基には、エチレン、プロピレン、トリメチレン基が含まれる。
環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)としては、メタクリルアミドエチルエチレン尿素(MAEEU)(R1=メチル基、R2=エチレン基、R3=エチレン基)、メタクリルアミドエチルプロピレン尿素(R1=メチル基、R2=エチレン基、R3=プロピレン基)、アクリルアミドエチルエチレン尿素(R1=水素原子、R2=エチレン基、R3=エチレン基)、及びアクリルアミドエチルプロピレン尿素(R1=水素原子、R2=エチレン基、R3=プロピレン基)のうち、何れか1又は2以上を用いるのが好ましい。
環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)を用いることによって、金属表面等の基材、特に湿潤面に対する樹脂組成物の接着性を向上させる効果が発揮される。さらに、上塗り塗料、特にアルキド塗料、建材断熱材としての発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレンなど上塗り材との親和性、及び接着性が著しく向上する。これらの優れた効果に対するメカニズムについては、厳密な意味での化学的根拠は必ずしも明確ではないが、おおよそ次のように推定される。
第一に、極性相互作用が考えられる。環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)のアミド基及び環状ウレイド基は、基材及び上塗り塗材に作用することで、樹脂組成物の基材及び上塗り塗材への密着性に寄与する双極性相互作用を与える。環状ウレイド基の双極子モーメントは4.5Debyeと大きく、特にアルキド樹脂表面と強い相互作用を形成することが考えられる。また、水酸基及びカルボキシル基等との水素結合の寄与も考えられる。
第2に、濡れ現象が考えられる。環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)が界面張力を低下させることにより、基材及び上塗り塗材の湿潤性が向上し、樹脂組成物が濡れやすくなり、両者の強い相互作用が発現しやすくなる。
第3に、スペーサー基の寄与が考えられる。例えば環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)がMAEEUの場合、主鎖とエチレンウレア基との間にアミド結合とエチレン鎖とがスペーサー基として存在し、このスペーサー基がエチレンウレア基をポリマー主鎖から十分に離している。このためエチレンウレア基の自由度が大きくなり、基材表面及び上塗り塗材と相互作用を及ぼし易くなる。
環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)を使用する場合の使用量は、前記モノマー成分(a)、(b)及び(c)の総量に対して0.1〜5重量%であり、好ましくは0.3〜3重量%である。この範囲内で環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)を含むことにより、共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物の基材、特に湿潤面に対する濡れ性及び親和性が向上すると共に防錆力が向上する。さらに、上塗り塗料や発泡樹脂等の各種上塗り材、特にアルキド塗料との接着性が向上する。共重合体樹脂中の環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)の使用量が0.1重量%未満では、基材及び上塗り材への密着性及び防錆力が低下する場合がある。一方、5重量%を超えると樹脂膜の防錆力が低下すると同時に耐水性が低下する場合があり好ましくない。
上記モノマー成分を連鎖移動剤の存在下で乳化重合し、共重合体樹脂エマルジョンを得る。連鎖移動剤は、乳化重合の際、生成する重合体の分子量を適度に調節し、金属表面処理用水分散性樹脂組成物として用いたときに、エマルジョン粒子の融着、シンタリングが促進され、増膜性を助け、水浸透性が無く、難接着面の金属表面に対して優れた濡れ性、親和性を発揮して、接着力を強化する作用がある。このため樹脂膜と金属表面は強固に接着し、水やアルカリ、錆の成分から金属表面を保護する。さらに、連鎖移動剤の働きにより分子量が調節されるため、エマルジョン粒子は安定性を増し、ジルコニウムやシランカップリング剤との混和安定性が増加する。なお共重合体樹脂の重量平均分子量は、通常5万〜100万程度、好ましくは10万〜80万程度である。
連鎖移動剤としては、上記作用を有するものであれば特に限定されないが、例えばメルカプタン系化合物やアルコール、α−メチルスチレンダイマー等を用いることができる。前記メルカプタン系化合物には、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリストールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ベンジルメルカプタン、フェニルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、2,2′−ジメルカプトジエチルエーテル、2,2′−ジメルカプトジプロピルエーテル、2,2′−ジメルカプトジイソプロピルエーテル、3,3′−ジメルカプトジプロピルエーテル、2,2′−ジメルカプトジエチルスルファイド、3,3′−ジメルカプトジプロピルスルファイドなどと、1−チオグリセロール、オクチルチオグリコール等のチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、ベンゼンチオエタノール等のメルカプト基含有アルコール;β−メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、メルカプト酢酸、チオリンゴ酸等のメルカプトカルボン酸等が含まれる。前記アルコールには、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール等のC1〜C6程度の脂肪族アルコール;ベンジルアルコール等のC7〜C13程度の芳香族アルコールなどが含まれる。これらの中で、α−メチルスチレンダイマーが、メルカプタン類のように硫黄成分を含まず、樹脂を変色させないことから、又アルコール類のように大気中への揮散することにより環境汚染を引き起こすこともないため好ましく用いられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)成分の総和に対して0.01〜3重量%である。この使用量が0.01重量%未満の場合は、金属板に対する接着力が十分に得られにくく、防錆力や耐アルカリ、耐酸性などが劣る場合がある。また、ジルコニウム化合物やシランカップリング剤などの硬化剤を配合する場合には、これら硬化剤との一液安定性に欠ける場合がある。3重量%を超えると、乳化重合速度が低下することにより残存モノマーが多量に生じ、臭気が発生するなど環境保護の点で好ましくなく、さらに重合体の分子量が低下しすぎるため、塗膜の耐水性、耐アルカリ、耐酸性の低下を引き起こしやすく、好ましくない。
本発明において使用される乳化剤は、例えば非反応性の一般乳化剤、反応性界面活性剤等、公知適宜な乳化剤の何れを用いてもよく特に制限されないが、分子中に環境ホルモン疑惑物質と共通する構造部位、例えばアルキルフェニル基、特にノニルフェニル基を含有しない非環境ホルモン型界面活性剤を用いるのが好ましい。
非環境ホルモン型界面活性剤のうち非反応性のものとしては、アニオン系乳化剤、非イオン系(ノニオン系)乳化剤等が好ましく用いられる。このようなアニオン系乳化剤としては、例えば、アルコキシフェノール類又は高級アルコール類の硫酸ハーフエステルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;アルキル又はアリルスルホネートのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;ポリオキシエチレンアリルエーテルの硫酸ハーフエステルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアリルエーテル硫酸エステルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などが挙げられる。また、非イオン系の乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアリルエーテルなどが挙げられる。これらは単独又は2種以上が組み合わされて使用される。
非環境ホルモン型界面活性剤として、以下のような反応性界面活性剤を用いるのがさらに好ましい。反応性界面活性剤としては、分子中にアルキルフェニル基、中でもノニルフェニル基を含まず、重合性不飽和基等の反応性基を含む基と、ノニオン系親水基やアニオン系親水基などの界面活性作用を発現する基とを有するものを使用できる。前記重合性不飽和基等の反応性基を含む基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタクリル基、アリルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。
代表的な反応性界面活性剤には、例えば下記式(2)、(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)で表される化合物が含まれる。
Figure 2006299327
(式中A1は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R4は水素原子又はメチル基、kは3〜20の整数、mは2〜100の整数、Xはアルカリ金属又はNH4を示す。)
Figure 2006299327
(式中A2は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R5は水素原子又はメチル基、R6は水素原子又はアルキル基、pは2〜100の整数、Xはアルカリ金属又はNH4を示す。)
Figure 2006299327
(式中R7は置換基を有していてもよい炭化水素基、R8は水素原子又はメチル基、Xはアルカリ金属又はNH4を示す。)
Figure 2006299327
(式中R9は置換基を有してもよい炭化水素基、R10は水素原子又はメチル基、Xはアルカリ金属又はNH4を示す。)
Figure 2006299327
(式中、Φは多官能フェニル基、R11は水素原子又はメチル基、A3、A4は、それぞれ炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、q、rは、それぞれ2〜100の整数、Xはアルカリ金属又はNH4を示す。)
Figure 2006299327
(式中、R12は水素原子又はメチル基、A5は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、Xはアルカリ金属又はNH4を示す。)
前記式(2)において、A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン基、又はこれらに、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などの置換基が結合したアルキレン基などが挙げられる。Xにおけるアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。mは、好ましくは2〜50程度の整数である。また、kは好ましくは9又は11の整数である。)
式(3)において、A2における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換アルキレン基と同様のものが挙げられる。R6におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル基などの炭素数1〜20程度のアルキル基等が挙げられる。これらの中でも炭素数4〜18のアルキル基が特に好ましい。pは、好ましくは2〜50程度の整数である。Xにおけるアルカリ金属は前記と同様である。
式(4)及び(5)において、R7、R9における置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基などのアルキル基;ビニル、アリル、ヘキセニル、オクテニル、デセニル基などのアルケニル基;シクロヘキシル基などのアラルキル基;又はこれらに、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などの置換基が結合した炭化水素基などが挙げられる。Xは前記と同様である。
式(6)において、A3、A4における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。q、rは、好ましくは2〜50程度の整数である。Xにおけるアルカリ金属は前期と同様である。式(6)で表される界面活性剤として、日本乳化剤(株)製の商品名「アントックスMS−60」等が市販されている。
式(7)において、A5における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基ととしては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。Xにおけるアルカリ金属は前記と同様である。
反応性界面活性剤は、前記モノマー成分(a)、(b)、(c)及び(d)と共重合し、又はグラフトし、重合後は高分子量の重合体の構成単位として存在する。そのため、非反応性の一般乳化剤が重合後も水相中に水溶性のまま低分子量の形で存在し、最終的に得られた樹脂分散液のキャストフィルムが、このような乳化剤の存在により耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、防錆性と接着性のやや劣るものとなるのに対し、反応性界面活性剤を用いて得られた樹脂分散液のキャストフィルムは高度な耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、防錆性と接着性を発揮する。
非反応性及び反応性界面活性剤の乳化重合における使用量は、前記モノマー成分(a)、(b)及び(c)の総量に対して、例えば0.3〜6重量%である。この使用量が0.3重量%未満の場合は乳化重合の安定性が悪く、重合中にグリッツが発生しやすく、また重合後得られた樹脂分散液の安定性が劣り、商品価値が劣るものとなりやすい。また6重量%を超えると、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、防錆性と接着性などに支障を来す可能性がある上、経済性などにおいて問題となる場合も想定され、好ましくない。
本発明では、合成樹脂エマルジョンとして、特にコア・シェル型合成樹脂エマルジョンを使用するのが好ましい。ここでコア・シェル型の定義であるが、乳化重合において重合を多段(例えば2段)で行う場合、第1段目の重合で形成された核となる樹脂成分をコアと称し、第2段目以降の重合で前記コアの表面に形成された殻となる樹脂成分をシェルと称する。例えばモノマーを2段に分けて滴下し、重合を行う場合、第1段目にモノマーを滴下して重合により形成される樹脂成分がコアに相当し、コア形成後、第2段目にモノマーを滴下して、重合により形成される樹脂成分がシェルに相当する。
上記コア・シェル型合成樹脂エマルジョンにおいて、コア部とシェル部の割合は、重量基準で、合計重量に対して、コア部が20〜95重量%、好ましくは30〜90重量%、シェル部が5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%の範囲内であるのが望ましい。
本発明においてコア・シェル型合成樹脂エマルジョンを特に用いる理由は、均一重合エマルジョンに比し、より強靱で高硬度の樹脂被膜が得られ、表面処理剤の塗膜にした場合も膜が強靱で高硬度であるため、耐ブロッキング性や耐久性において有利となるためである。上記コアとシェルの範囲から外れた場合は何れもこのような特徴が得られにくくなる。
乳化重合は、前記モノマー成分を水溶液中で、連鎖移動剤の存在下でラジカル重合開始剤を用いて、乳化剤の存在下で、撹拌下加熱することによって実施できる。反応温度は例えば30〜100℃程度、反応時間は例えば1〜10時間程度が好ましい。水と乳化剤と連鎖移動剤とを仕込んだ反応容器にモノマー混合液又はモノマープレ乳化液の一括添加又は暫時滴下によって反応温度の調節を行うとよい。尚、連鎖移動剤はモノマー混合液又はモノマープレ乳化液に溶解して使用してもよい。乳化剤としては、上述の通り非環境ホルモン型界面活性剤を使用するのが好ましく、特に非環境ホルモン型反応性界面活性剤を使用するのが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、通常アクリル樹脂の乳化重合で使用される公知の開始剤が使用できる。具体的には、水溶性のフリーラジカル重合開始剤として、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性アゾ系開始剤、過酸化水素等やこれらの酸化剤と、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等の還元剤との組み合わせからなるいわゆるレドックス系開始剤などが、それぞれ例えば水溶液の形で使用される。
乳化重合の方法としては、通常の一段連続モノマー均一滴下法、多段モノマーフィード法であるコア・シェル重合法、重合中にフィードするモノマー組成を連続的に変化させるパワーフィード重合法等、何れの重合法をもとることができる。
本発明における水分散性樹脂組成物は、前記共重合体樹脂エマルジョンを主体としてさらに、塩基性化合物等の添加剤を含んでもよい。塩基性化合物としては、アンモニア、各種アミン類、及びアルカリ金属塩等が用いられる。塩基性化合物を加えることによって共重合体樹脂エマルジョン中に含まれる酸の一部又は全部が中和され、共重合体樹脂エマルジョンの安定性が確保される。
本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物には、ジルコニウム化合物(B)及びシランカップリング剤(C)が含まれているのが好ましい。
ジルコニウム化合物は、(A)成分中に共重合された酸基含有重合性不飽和モノマー(b)(不飽和ジカルボン酸等)の酸基(カルボキシル基等)と架橋反応して塗膜に優れた防錆力と耐水性、耐アルカリ性、耐酸性を付与する。特に耐アルカリ性に対する寄与は大きい。
ジルコニウム化合物としては分子内にジルコニウム(Zr)を含む化合物であれば特に限定されないが、ジルコンフッ化水素酸、ジルコンフッ化アンモニウム、ジルコンフッ化カリウム、ジルコンフッ化ナトリウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、アセチルアセトナートジルコン化合物等が挙げられる。ジルコニウム化合物は単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
ジルコニウム化合物を配合する場合の固形分使用量は、(A)成分の水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜20重量%程度、好ましくは0.3〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。0.1重量%未満では、ジルコニウム化合物による樹脂の架橋効果が乏しく、望ましい耐アルカリ性、耐酸性と防錆力が得られにくい場合がある。20重量%より多い場合は、増膜性に問題が生じやすく、又経済性の点でも不利となる。
シランカップリング剤は、(A)成分中の酸基(カルボキシル基等)、水酸基及び加水分解性シリル基(アルコキシシリル基等)などと架橋反応するが、シランカップリング剤同士及び金属素材との架橋反応も起こり、密着性を向上させ、塗膜に優れた防錆力と耐アルカリ性、耐酸性、耐水性を付与する。
配合するシランカップリング剤は特に制限されず、公知のシランカップリング剤を使用できる。例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ラジカル重合性のビニル基を有するビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシシラン)、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−βアミノエチルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)クリロキシプロピルトリメトキシシランやγ−(メタ)クリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)クリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ジメチルメチルトリクロロプロピルシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプト基を含む化合物としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピレントリエトキシシラン、ウレイド基を有するウレイドプロピルトリエトキシシラン等の水溶液中で比較的安定なものの中から選ばれる。
シランカップリング剤を使用する場合の固形分使用量は、(A)成分の水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10重量%程度であるのが好ましく、より好ましくは0.3〜8重量%であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満では、シランカップリング剤による樹脂の架橋効果が乏しく、従って緻密な膜が得られにくく、又金属基材へのカップリング効果が少ないため密着性が劣り、望ましい耐アルカリ性、耐酸性と防錆力が得られ難い場合がある。10重量%より多い場合は、加水分解による耐水、耐アルカリ性等諸性能の低下したり、増膜性に問題が生じる場合があり、又経済性の点でも不利となる。
本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物にジルコニウム化合物及びシランカップリング剤を使用する場合には、前記(A)成分である水分散性樹脂組成物と、(B)成分であるジルコニウム化合物と、(C)成分であるシランカップリング剤とを混合、撹拌することにより、金属表面処理用水分散性樹脂組成物を調製できる。(B)成分や(C)成分はそのまま混合に供してもよいが、水等の溶媒に溶解又は分散させた溶液又は分散液の形態で混合に供してもよい。混合、撹拌は公知乃至慣用の方法で行うことができる。
本発明において、金属表面処理用水分散性樹脂組成物に、潤滑剤として二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系ワックスエマルジョン等を添加し、表面の滑り性を増すことができる。また、さらに着色顔料により着色することも可能である。また、本来の性能を損なわない範囲で水性ウレタン樹脂ディスパージョン等の樹脂ディスパージョン、消泡剤、及びレベリング剤、増粘剤等の適宜な添加剤の添加も可能である。
本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物は、そのまま金属板(例えば高アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板等の鋼板)の表面にコーティング剤として、主としてクリヤー被膜を形成させるために塗装される。この表面処理金属板は、表面が保護される上、本来の美しい外観がそのまま保持されるので、商品価値が著しく増大する。また、本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物による処理を施した上にさらに、上塗り塗料により塗装したり、例えば発泡ポリウレタンや発泡ポリエチレン等の上塗り材による処理を施してもよい。
本発明における金属表面処理用水分散性樹脂組成物の固形分含有量は、必要に応じて適宜設定できるが、一般には10〜70重量%程度である。スポンジロールコーターなどによる実機塗布に際しては、作業性を考慮して粘度調節が必要で、状況に合わせて適宜希釈することが望ましい。従って、実機塗布時の固形分濃度は、例えば15〜40重量%が好ましい。本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物は、クロム化合物を全く含まなくても、金属素材の耐蝕性及び耐久性能を大幅に向上させる。
本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物を用いて表面処理が施される金属板としては、一般的な鋼板を用いることができるが、アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板(例えば4〜75%アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板)、溶融亜鉛メッキ鋼板等が好ましく用いられる。前記アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板としては、アルミニウムの比率が4〜10%の低アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板、同55%の高アルミニウム・亜鉛メッキ鋼板(通称ガルバリウム鋼板)の2種類が市販されている。本発明では、とくに高アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板が好適である。
本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物を用いて金属板の表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えばウレタンゴムロールほか任意の方法で塗装することが可能である。塗布後の乾燥は、例えばジェット乾燥機などを用いて板温が80℃位になるまで60秒以内の乾燥時間で乾燥させて樹脂被膜を形成させるのが好ましい。
アルムニウム・亜鉛合金メッキ鋼板等の金属板上への本発明の金属表面処理用水分散性樹脂組成物の塗布量は、特に限定するものではないが、乾燥膜厚で通常0.5〜10μmの範囲であり、1〜5μmの範囲であることが好ましい。塗布厚が0.5μm未満の場合は、表面の保護機能が乏しく好ましくない。一方、10μmを超えると、外観が曇る場合もあり、又経済性の点で好ましくない。また、金属板表面における金属表面処理用水分散性樹脂組成物の固形分付着量は、一般に0.2〜10g/m2程度である。固形分付着量が0.2g/m2未満の場合は、表面保護機能が小さく、10g/m2より大きいと、外観が低下しやすくなる。
こうして得られる表面処理鋼板等の表面処理金属板は、建材用として建屋の屋根材や外壁材、農業ビニルハウスの支柱管、家具、家電製品、産業機器の筐体、ガードレール、防音壁、排水溝などの土木製品等として利用できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に記載のない限り重量基準である。
実施例1
撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた通常のアクリル系樹脂エマルジョン製造用の反応容器に、水430部と下記式(8)
Figure 2006299327
(式中、tは9又は11を示す。)
で表される非環境ホルモン型反応性界面活性剤[商品名「アクアロンKH−05」、第一工業製薬(株)製]2部を仕込み、75℃に昇温した。別途、次に示すモノマー、乳化剤及び水の混合液を高圧ホモジナイザーを用いて均一に乳化し、第1段目モノマー乳化液として滴下ロートに仕込んだ。
(第1段目モノマー乳化液)
アクアロンKH−05 5部
MMA(メタクリル酸メチル) 90部
SM(スチレン) 50部
2EHA(アクリル酸2−エチルヘキシル) 60部
MAA(メタクリル酸) 10部
2HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート) 10部
TDM(t−ドデシルメルカプタン) 2部
水 135部
また、別途、次に示すモノマー混合液を第2段目モノマーとして滴下ロートに仕込んだ。
(第2段目モノマー)
MMA(メタクリル酸メチル) 80部
SM(スチレン) 40部
2EHA(アクリル酸2−エチルヘキシル) 40部
MAA(メタクリル酸) 3部
2HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート) 3部
GMA(グリシジルメタクリレート) 25部
さらに、別途、次に示す滴下用開始剤水溶液を別の滴下ロートに仕込んだ。
(滴下用開始剤水溶液)
過硫酸カリウム 1部
水 50部
次に、前記反応容器内に、前記第1段目モノマー乳化液の5%を添加し、75℃に加熱後、前記滴下用開始剤水溶液の5%を投入し、10分間プレ重合反応を行った。この間反応容器の内温は自動的に80℃に上昇した。その後、残りの第1段目モノマー乳化液を80℃で2時間かけて、また滴下用開始剤水溶液を80℃で3.5時間かけて一定速度で同反応容器内に滴下した。第1段目モノマー乳化液の滴下終了後、80℃に保持して0.5時間熟成反応を行い、第2段目モノマーを1時間かけて滴下した。その後、80℃に1時間保ち、熟成を行い、室温に冷却した後、アンモニア水(25%)4部を反応容器内に投入し、水分散性樹脂組成物(合成樹脂エマルジョン;コア−シェル型エマルジョン)を得た。
上記得られた水分散性樹脂組成物をそのまま金属表面処理用水分散性樹脂組成物として用いた。
実施例2
実施例1において、第1段目モノマー乳化液中のMMAの配合量を75部とし、MAAの配合量を5部とし、ローディア日華(株)製、商品名「サイポマーWAM−II」(メタクリルアミドエチルエチレン尿素とMAAの1:1混合物)20部を配合した以外は、実施例1と同様の操作を行い、水分散性樹脂組成物を得た。
実施例3
第1段目モノマー乳化液中の連鎖移動剤TDM2部の代わりに、α−メチルスチレンダイマー2部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、水分散性樹脂組成物を得た。
実施例4
実施例2で得られた水分散性樹脂組成物100gに、ジルコニウム化合物として炭酸ジルコニウムアンモニウムの20%水溶液16gと、シランカップリング剤としてジフェニルジメトキシシラン2gと水20gの混合溶解液を添加し、プロペラ撹拌機にてよく撹拌して、金属表面処理用水分散性樹脂組成物を得た。
実施例5
ジフェニルジメトキシシラン2gの代わりに、フェニルトリメトキシシラン2gを用いた以外は、実施例4と同様の操作を行い、金属表面処理用水分散性樹脂組成物を得た。
実施例6
「アクアロン KH−05」の代わりに、下記式(9)で表される反応性界面活性剤(商品名「アデカリアソープ SR−10」(旭電化工業(株)製))を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い水分散性樹脂組成物を得た。
Figure 2006299327
(式中、Rはアルキル基を示す。)
比較例1
第1段目モノマー乳化液中中のMMAの配合量を100部とし、MAAを使用せず、第2段目モノマー乳化液中のMMAの配合量を83部とし、MAAを使用しなかった以外は実施例1と同様の操作を行ったが、重合反応途中でゲル化し、水分散性樹脂組成物は得られなかった。
比較例2
第2段目モノマー乳化液中のMMAの配合量を105部とし、GMAを使用しなかった以外は実施例2と同様の操作を行い、水分散性樹脂組成物を得た。
比較例3
2段目モノマー乳化液中のMMAの配合量を105部とし、GMAを使用しなかった以外は実施例4と同様の操作を行い、水分散性樹脂組成物を得た。
比較例4
連鎖移動剤TDMを使用しなかった以外は実施例2と同様の操作を行い、水分散性樹脂組成物を得た。
比較例5
連鎖移動剤TDMを使用しなかった以外は実施例4と同様の操作を行い、水分散性樹脂組成物を得た。
性能評価試験
(1)貯蔵安定性
実施例及び比較例で得た水分散性樹脂組成物について、40℃で7日間放置した後の状態を目視観察し、全く変化がなかった場合を「○」、若干増粘又は粒状の凝集物が生じた場合を「△」、増粘又は凝集が著しく生じた場合を「×」として評価した。その結果を表1に示す。
実施例及び比較例において得られた各水分散性樹脂組成物に、MFTが20℃以下になるように、ブチルセロソルブ水溶液を添加し、ガルバリウム鋼板の表面上に乾燥膜厚が2μmとなるように#4バーコーターで塗装し、板温が80℃に達してから10秒乾燥後空冷し、24時間放置後、以下の各特性を測定した。結果を表1に示す。
(2)常態密着性
常温で塗膜の100目盛りゴバン目テープ試験を行い、常態密着性を測定した。ゴバン目の数100(分母)に対する剥離せずに残ったゴバン目の数(分子)による分数で表示した。結果を表1に示す。
(3)耐蝕性(耐SS性)
塩水噴霧試験機にて塗装鋼板の耐ソルトスプレーテスト(SST)を400時間行い、塗面のブリスター、剥離状態等を観察した。ブリスター、剥離等はほとんどなく、良好であった場合「○」、ブリスター、剥離等が塗面の1/3以上、2/3未満発生した場合「△」、ブリスター、剥離等が塗面の2/3以上又は全面発生した場合「×」と評価した。結果を表1に示す。
(4)耐アルカリ性
塗板の塗面以外の部分をパラフィンでシールした後、20℃の1%水酸化ナトリウム水溶液に10時間浸漬し、塗面の外観変化、特に黒ずみ状態をもとの塗装前と比較し、目視判定し、外観の変化がない場合「5」、塗面全体の20%程度に黒ずみが点在している場合「4」、塗面全体の50%程度が黒ずんでいる場合「3」、塗面全体の50〜80%程度が黒ずんでいる場合「2」、塗面全体が黒ずんでいる場合「1」と評価した。結果を表1に示す。
(5)耐酸性
塗板の塗面以外の部分をパラフィンでシールした後、20℃、1%塩酸水溶液に10時間浸漬後、塗面の外観変化、黒ずみ状態をもとの塗装前の板と比較し、目視判定し、外観の変化がない場合「5」、を行った。塗面全体の20%程度に黒ずみが点在している場合「4」、塗面全体の50%程度が黒ずんでいる場合「3」、塗面全体の50〜80%程度が黒ずんでいる場合「2」、塗面全体が黒ずんでいる場合「1」と評価した。結果を表1に示す。
(6)発泡ポリウレタン密着性
塗膜上に発泡ポリウレタンを熱融着した後剥離し、接着状態を観察し、発泡ポリウレタン部の100%が凝集破壊している場合「5」、発泡ポリウレタン部の90%以上が凝集破壊している場合「4」、発泡ポリウレタン部の50〜90%が凝集破壊しており、残りの部分が界面剥離している場合「3」、発泡ポリウレタン部の凝集破壊が20%以上、50%未満であり、残りの部分が界面剥離している場合「2」、発泡ポリウレタン部のほとんど全面が界面剥離している場合「1」と評価した。結果を表1に示す。
(7)耐沸騰水性
塗板の塗面以外の部分をパラフィンでシールした後、95℃の熱水に120時間浸漬し、塗面の軟化状態、ブリスターの発生状態を目視判定し、ブリスターの発生はなく外観が良好である場合「○」、ブリスターの発生はあるものの皮膜が金属に密着している場合「△」、ブリスターが多量に発生し、皮膜が金属面より剥離している場合「×」と評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006299327

Claims (13)

  1. 0.1〜10重量%のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a)、0.1〜10重量%の酸基含有重合性不飽和モノマー(b)及び80〜99.8重量%のその他の重合性不飽和モノマー(c)からなる重合性不飽和単量体混合物が、(a)、(b)及び(c)の総和に対して0.01〜3重量%の連鎖移動剤の存在下で乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物(A)を含有する金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  2. 共重合体樹脂エマルジョンが、(a)、(b)及び(c)の総和に対して0.1〜5重量%の下記式(1)で表される環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)をさらに含む重合性不飽和単量体混合物が乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンである請求項1記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
    Figure 2006299327
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数2〜10の2価のアルキレン基を示し、R3は炭素数2〜3の2価のアルキレン基を示す。)
  3. その他の重合性不飽和モノマー(c)が、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)、又は前記アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c−1)と、スチレン系モノマー(c−2)、(メタ)アクリロニトリル(c−3)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c−4)、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(c−5)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c−6)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c−7)からなる群より選択された少なくとも1種のモノマーとの混合モノマーである請求項1又は2記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  4. 環状ウレイド基含有重合性不飽和モノマー(d)が、メタクリルアミドエチルエチレン尿素、メタクリルアミドエチルプロピレン尿素、アクリルアミドエチルエチレン尿素及びアクリルアミドエチルプロピレン尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1〜3の何れかの項に記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  5. 連鎖移動剤がメルカプタン系化合物、アルコール、α−メチルスチレンダイマーからなる群より選択された少なくとも1種の化合物である請求項1〜4の何れかの項に記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  6. (A)成分における共重合体樹脂エマルジョンが、非環境ホルモン型界面活性剤の存在下で乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンである請求項1〜5の何れかの項に記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  7. 非環境ホルモン型界面活性剤が、反応性界面活性剤である請求項6記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  8. (A)成分における共重合体樹脂エマルジョンが、コア・シェル型樹脂エマルジョンである請求項1〜7何れかの項に記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  9. 水分散性樹脂組成物(A)に加えて、さらにジルコニウム化合物(B)及びシランカップリング剤(C)を含む請求項1〜8の何れかの項に記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  10. (B)成分の固形分使用量が、(A)成分である水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜20重量%の範囲であり、かつ(C)成分の固形分使用量が、(A)成分である水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10重量%の範囲である請求項9記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  11. 実質的にクロムを含有していない請求項1〜10の何れかの項に記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物。
  12. 金属板の表面が請求項1〜11の何れかの項に記載の金属表面処理用水分散性樹脂組成物により処理されている表面処理金属板。
  13. 金属板表面における金属表面処理用水分散性樹脂組成物の固形分付着量が0.2〜10g/m2である請求項12記載の表面処理金属板。
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