JP3892642B2 - 表面処理鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電、建材等に用いられる表面処理鋼板であって、優れた加工部耐食性を有するとともに、耐黒変性にも優れる表面処理鋼板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、クロメート処理皮膜は、亜鉛系めっき鋼板が需要家で使用されるまでの一次防錆処理としてその表面に形成されていたが、近年、部品加工後も高度の耐食性を発揮する機能が要求されるようになってきた。
【0003】
また、亜鉛系めっき鋼板のうち、ZnとAlを合金化させたZn-Al系めっき鋼板は亜鉛めっき鋼板よりも高耐食性を有することから、主に建材分野でその需要が増している。
【0004】
しかし、近年の建材分野での高耐久化、メンテナンスフリー化の進展を背景として、種々の環境、形状に対して、Zn-Al系めっき鋼板について本来の外観表面が長期にわたって維持できることが要求されるようになってきた。具体的には、従来、需要家で使用されるまでの一次防錆処理としてその表面に形成されてきたクロメート処理皮膜に対して、アルミニウムを5%程度含むZn-5%Al合金めっき鋼板では、(a)腐食環境下において加工後も高度の耐食性を発揮する機能(加工部耐食性)と(b)施工前に屋外でシート材を積み重ねた状態で数日間保管された場合にめっき面が黒くなる黒変現象を抑制する機能(スタック時の耐黒変性)が要求されるようになってきている。またアルミニウムを55%程度含むZn-55%Al合金めっき鋼板では、(a)腐食環境下において加工後も高度の耐食性を発揮する機能(加工部耐食性)と(b)湿潤環境下においてめっき面が黒くなる黒変現象を抑制する機能(湿潤環境下の耐黒変性)が要求されるようになってきている。
【0005】
クロメート処理皮膜は大別して3種類に分けられ、3価クロム化合物を主成分とする電解型クロメート処理皮膜、反応型クロメート処理皮膜、および、3価クロムと6価クロムの化合物からなる塗布型クロメート処理皮膜に分けられる。
【0006】
これらのクロメート処理皮膜は、難溶性である3価クロム化合物が塩素イオンや酸素等の腐食因子の障壁として作用する(バリア効果)と共に、さらに塗布型クロメート皮膜の場合はクロメート皮膜損傷部に対して、皮膜中の6価クロムが溶出し、皮膜損傷部を不動態化することにより腐食を抑制する効果(自己補修効果)を有している。
【0007】
このため、加工部耐食性が要求される場合、塗布型クロメート皮膜が適用される場合が多いが、6価クロムは強い酸化性を有しており経時と共に3価クロムに還元されやすく、また、水溶性で湿潤環境下において系外に溶出されてしまうため、皮膜が損傷を受けた際には自己補修効果を十分に発揮するだけの6価クロムが皮膜中に残存していない場合が多く、必ずしも満足する加工部耐食性を得ることはできなかった。
【0008】
この問題を解決する方法としていくつかの公知技術が挙げられるが、大別すると以下の2法に分けられる。
▲1▼皮膜の損傷程度を軽減する方法
例えば、特開平2-34792号公報には、クロメート皮膜中にフッ素系樹脂を含有させ、潤滑性を付与したりする方法が、特開平10-176280号公報には、熱可塑性エラストマーを含有させ延性を付与させる方法が開示されており、共に、プレス加工などの摺動に伴って発生する皮膜損傷部の程度を軽減させ、より微量の6価クロムで自己補修効果を得ることを目的としている。
▲2▼皮膜中の6価クロム溶出量を抑制させる方法
例えば、特再公表9-800337号公報では、難溶性のクロム酸塩を皮膜中に分散させることによって、皮膜健全部においてはクロムを溶出させず、皮膜損傷部においては腐食反応(pH上昇)をトリガーとして、6価クロムを溶出し自己補修効果を発現させることを目的としている。
【0009】
上記▲1▼の方法によれば、確かにプレス加工や折り曲げなどに対しては皮膜の損傷程度を軽減し、ある程度の自己補修効果を発揮することができるものの、鋭利な金属片との接触などによって傷を受けた部分などには、皮膜損傷の軽減効果は得られない。また、含有させる樹脂は高価であり、処理液安定性を低下させるなど、経済性、生産性の面でも問題がある。
【0010】
一方、上記▲2▼の方法によれば、確かに水溶性のクロム酸を塗布、皮膜形成した場合に比べ、自己補修効果の持続性は向上するものの、難溶性であるために自己補修効果は、高々水溶性のクロム化合物を含有させた皮膜の形成直後と同等レベルでしかなく、また、一般にクロム酸塩を含有した皮膜は着色されやすく、無塗装で使用される部材などに対しては著しく商品価値を低下させてしまうなどの問題も起こる。
【0011】
一方、Zn-Al系めっき鋼板はZnによる犠牲防食能とAlによる不動態皮膜形成能の両者が相乗的に作用し、優れた耐食性が得られる。しかし、本来、Alは活性な金属であるため、不動態皮膜が損傷した場合、湿潤環境下で容易に黒変現象が起こる。
【0012】
アルミニウムが4〜25重量%含まれるZn-Al系めっき鋼板の黒変現象を抑制する方法としては、
(1)めっき後にNiイオンやCoイオンを含有する溶液で処理する方法(特開昭59-177381号公報)、
(2)スキンパス圧延後、加熱処理する方法(特開昭55-131178号公報)、
(3)めっき表面をアルカリ水溶液で洗浄する方法(特開昭61-110777号公報)、
(4)めっき後、クロメート処理前にブラスト処理を行う方法(特開昭63-166974号公報)、
等が開示されている。
【0013】
実際、上記従来技術の適用により、アルミニウムが4〜25重量%含まれるZn-Al系めっき鋼板の耐黒変性は、通常の湿潤環境においては改善効果が認められる。しかし、アルミニウムが4〜25重量%含まれるZn-Al系めっき鋼板は、屋根、外壁などの施工期間において、屋外にシート状態またはロールフォーミング等による成形材を積み重ねた状態(スタック状態)で保管された場合、自然環境で容易に結露などにより鋼板表面が濡れた状態になり、1〜2日間の放置でも黒変化してしまう問題点がある。
【0014】
また、上記の方法はいずれも特別な処理設備を必要とするため、経済性、生産性の面で問題がある。
【0015】
また、アルミニウムが25超〜75重量%含まれるZn-Al系めっき鋼板の黒変現象を抑制する方法としては、特公平1-53353号公報において、クロム酸と樹脂とを一定比率以上で混合した処理液で処理することにより、クロム酸が直接めっきと反応することを防止し、耐黒変性を向上させる方法が開示されている。また、Zn-5%Al合金めっき鋼板等で行われている黒変現象抑制方法としては、特開昭59-177381号公報、特開昭63-65088号公報に記載されているめっき後のクロメート処理を行う前処理として、NiあるいはCoで処理する方法が示されている。
【0016】
しかし、クロム酸と樹脂とを一定比率以上で混合した処理液で処理する方法は、アルミニウムが25超〜75重量%含まれるZn-Al系めっき鋼板の耐黒変性をある程度改善する効果は認められるが、完全ではなく、むしろ、樹脂を一定比率以上混合することにより、処理液寿命を著しく縮めるほか、クロム酸の強い酸化力に耐える樹脂を適用するためコスト的に不利になるなど弊害の方が大きい。
【0017】
また、Ni,Co等で前処理を行うことにより、耐黒変性が向上する可能性があるが、高価な金属を用いることになるため、コスト的に不利となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の技術課題を解決し、6価クロムによる自己補修効果だけでは得られない優れた加工部や傷部の耐食性を有する表面処理鋼板であって、特に、アルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板をベースとする加工部耐食性とスタック状態での耐黒変性に優れた表面処理鋼板と、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板をベースとする加工部耐食性と湿潤環境下での耐黒変性に優れた表面処理鋼板を得ることにある。
【0021】
更に、本発明の他の目的は、前記表面処理鋼板の製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)めっき皮膜中にアルミニウムを4〜25重量%または25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板の表面に、水溶性クロム化合物と、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物を含む処理液を塗布することにより形成された皮膜であって、(A)前記水溶性クロム化合物に由来するクロムが0.1〜100mg/m2、(B)前記処理液に由来する亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物がリン換算で0.1〜100mg/m2の範囲で含まれる皮膜が形成されていることを特徴とする表面処理鋼板(第1発明)。
【0025】
( 2 )前記(1)に記載の表面処理鋼板を製造するにあたり、めっき皮膜中にアルミニウムを 4 〜 25 重量%または 25 超〜 75 重量%含む Zn-Al 系めっき鋼板の表面に、水溶性クロム化合物と、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物と、リン酸を含む処理液であって、該処理液中に、(i)6価クロムイオンを0.1〜50g/lと、(ii)リン酸を1〜50g/l含む処理液を塗布し、水洗することなく最高到達板温60〜300℃の範囲で加熱することにより皮膜を形成することを特徴とする表面処理鋼板の製造方法(第2発明)。
【0026】
( 3 )処理液中の3価クロムイオン/(3価クロムイオン+6価クロムイオン)重量比が0.2〜0.8であることを特徴とする前記( 2 )に記載の表面処理鋼板の製造方法(第3発明)。
【0027】
( 4 )前記( 1 )に記載の表面処理鋼板を製造するにあたり、めっき皮膜中にアルミニウムを 4 〜 25 重量%または 25 超〜 75 重量%含む Zn-Al 系めっき鋼板の表面に、クロム化合物が3価クロム化合物からなる水溶性クロム化合物と、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物と、リン酸を含む処理液であって、該処理液中に、(i)3価クロムイオンを0.1〜50g/lと、(ii)リン酸を1〜50g/l含む処理液を塗布し、水洗することなく最高到達板温60〜300℃の範囲で加熱することにより皮膜を形成することを特徴とする表面処理鋼板の製造方法(第4発明)。
【0028】
( 5 )水溶性のクロム化合物が、カルボン酸クロムであることを特徴とする前記( 4 )に記載の表面処理鋼板の製造方法(第5発明)。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細とその限定理由を説明する。
ベースとなる亜鉛系めっき鋼板は、めっき皮膜中にアルミニウムを 4 〜 25 重量%または 25 超〜 75 重量%含むZn-Al系めっき鋼板(例えば、Zn-5%Al合金めっき鋼板、Zn-55%Al合金めっき鋼板)である。
【0030】
アルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板とは、Al:4〜25重量%を必須成分として含み、さらに必要に応じて微量のLa,Ce,Mg,Siなどの元素も含んだZn-Alめっき鋼板である。所謂Zn-5%Al合金めっき鋼板がこれに含まれる。
【0031】
アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板とは、Al:25超〜75重量%を必須成分として含み、さらに必要に応じて微量のLa,Ce,Mg,Siなどの元素も含んだZn-Alめっき鋼板である。所謂Zn-55%Al合金めっき鋼板がこれに含まれる。
【0032】
前記した鋼板のめっきの方法としては、電解法、溶融法、気相法のうちで、実施可能ないずれの方法を採用してもよい。
【0033】
本発明の皮膜をこれらのめっき表面に塗布形成する場合に、皮膜欠陥やムラが発生しないよう、めっき表面にあらかじめ、必要に応じて任意のアルカリ脱脂、溶剤脱脂、表面調整処理(アルカリ性の表面調整処理、酸性の表面調整処理)を施すことができる。また、本発明皮膜を形成した鋼板の使用環境下における黒変防止効果をより向上させる観点から、めっき表面にあらかじめ、必要に応じて鉄族金属イオン(Niイオン,Coイオン,Feイオン)を含む酸性またはアルカリ性表面調整処理を行うこともできる。また電気亜鉛めっきを下地とする場合には、黒変防止効果をより向上させる観点から電気めっき浴に鉄族金属イオン(Niイオン,Coイオン,Feイオン)を含有させてめっき皮膜中にこれらの金属を1ppm以上含有させることができる。この場合、めっき皮膜中の鉄族金属濃度の上限は特に限定されるものではない。
【0034】
本発明の特徴は、上記 Zn-Al 系めっき鋼板の表面に、バリア効果を有する(A)クロム、自己補修効果を有する(B)亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とで形成された化合物を含有した化成処理皮膜を形成することにある。
【0035】
ここで、皮膜中のクロムの付着量としては、0.1mg/m2以上100mg/m2以下が好ましい。0.1mg/m2未満では、クロムによるバリア効果が十分に発揮されず、また、100mg/m2超では、処理時間が著しく長くなる割にはバリア効果の向上効果は望めない。望ましくは、10mg/m2以上70mg/m2以下とするのがさらに好ましい。
【0036】
一方、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物、すなわちリン酸塩は、リン酸イオンの骨格や縮合度等に限定されるものではなく、正塩、二水素塩、一水素塩あるいは亜リン酸塩のいずれでもよく、さらに、正塩は、オルトリン酸塩の他、ポリリン酸塩等の全ての縮合リン酸塩を含む。その発現機構としては、腐食環境下あるいは湿潤環境下の皮膜損傷部において、めっき金属の溶出をトリガーとして、加水分解により解離したリン酸イオンが、溶出金属と錯形成反応を起こして、保護皮膜を形成する。これによって、アルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では、優れた加工部耐食性と耐黒変性が発現されると考えられる。
【0037】
皮膜中の亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物の付着量としては、リン換算で、0.1mg/m2以上100mg/m2以下が好ましい。0.1mg/m2未満では、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物による自己補修効果が乏しくなる。またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn−Al系めっき鋼板では、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物による加工部耐食性と耐黒変性の発現効果が乏しくなる。100mg/m2超では、処理コストアップの割には自己補修向上効果は望めず、またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では、処理コストアップの割には加工部耐食性と耐黒変性の向上効果は望めない。望ましくは、1mg/m2以上50mg/m2以下とするのがさらに好ましい。
【0038】
ここで、上記クロムと、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物を共存させることにより加工部耐食性の著しい向上効果が期待できる。またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では、耐黒変性の著しい向上効果が期待できる。
【0039】
この機構としては、クロムによる難溶性皮膜がバリア効果を発揮するだけでなく、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸からなる化合物をその皮膜に担持する効果(バインダー効果)も有するため、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸からなる化合物を皮膜中に均一かつ強固に含有させ、その結果、上述の自己補修効果をより有効に発現させることができると考えられ、より早期に腐食反応を抑制することができ、これによってより早期に腐食反応を抑制することができると考えられる。またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では、黒変現象を抑制することができる。
【0040】
また、上記の皮膜構成物質に加えて、さらに、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アンチモン等の酸化物微粒子を含有できる。
【0041】
また、上記の皮膜構成物質に加えて、さらに、有機高分子樹脂、例えば、エポキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、アルキド樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミン樹脂、ポリフェニレン樹脂等を含有できる。
【0042】
なお、本発明では、水溶性クロム化合物と、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物と、リン酸を含む処理液であって、該処理液中に、(i)6価クロムイオンを0.1〜50g/lと、(ii)リン酸を1〜50g/l含む処理液を塗布し、水洗することなく最高到達板温60〜300℃の範囲で加熱して化成処理皮膜を形成することよって、加工部耐食性に優れた表面処理鋼板を製造することができる。またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板の何れでも、更に耐黒変性にも優れるようになる。
【0043】
ここで、6価クロムイオン濃度は、0.1g/l未満では所望のクロム付着量にするために、塗布量を著しく上げなければならず、塗布ムラが発生しやすく、また、50g/l超では、処理液の反応性が極度に高いため、めっき皮膜の溶解量が多くなり、処理液の安定性を低下させ、好ましくない。
【0044】
また、6価クロムイオン種としては、水溶性のものであれば特に限定はなく、例えば、クロム酸、クロム酸アンモニウムなどがそれに該当し、難溶性のクロム化合物、例えば、クロム酸亜鉛、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウムなどは、それに該当しない。
【0045】
また、上記水溶性のクロム化合物において、3価クロムイオン/(3価クロムイオン+6価クロムイオン)の重量比(金属クロム換算)を0.2〜0.8とするのがより好ましく、更に加工部耐食性に優れた表面処理鋼板を製造することができる。またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では、何れも更に耐黒変性にも優れるようになる。
【0046】
ここで、3価クロムイオン/(3価クロムイオン+6価クロムイオン)の重量比(金属クロム換算)が0.2未満では、皮膜中の6価クロムイオン濃度が過剰となり、皮膜難溶性が低下し、さらに腐食環境下において、耐食性に寄与することなく、またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では、耐黒変性にも寄与することなく溶出される量が増大し、経済性や環境適合性の観点から好ましくない。0.8超では、処理液がゲル化しやすく処理液安定性が著しく低下する。
【0047】
また、本発明では、クロム化合物が3価クロム化合物からなる水溶性クロム化合物と、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物と、リン酸を含む処理液であって、該処理液中に、(i)3価クロムイオンを0.1〜50g/lと、(ii)リン酸を1〜50g/l含む処理液を塗布し、水洗することなく最高到達板温60〜300℃の範囲で加熱して化成処理皮膜を形成することよって、加工部耐食性に優れ、またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では、更に耐黒変性にも優れるようになる。本発明法では、処理液中に6価クロムイオンを含まないので、鋼板使用時に、6価クロムの系外溶出の問題がなく、また、6価クロムに頼ることなく、高度の自己補修性を発揮できる。
【0048】
ここで、3価クロムイオン濃度は、0.1g/l未満では所望のクロム付着量にするために、塗布量を著しく上げなければならず、塗布ムラが発生しやすく、また、50g/l超では、処理液の反応性が極度に高いため、めっき皮膜の溶解量が多くなり、処理液の安定性を低下させ、好ましくない。
【0049】
また、3価クロム化合物としては、水溶性のものであれば特に限定はなく、例えば、塩化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、ギ酸クロムなどが挙げられるが、特に、酢酸クロムやギ酸クロムなどのカルボン酸クロムが好ましい。
【0050】
また、水溶性クロム化合物と共存させるリン酸塩としては、特に限定はなく、リン酸イオンの骨格や縮合度等に限定されるものではなく、正塩、二水素塩、一水素塩あるいは亜リン酸塩のいずれでもよく、さらに、正塩は、オルトリン酸塩の他、ポリリン酸塩等の全ての縮合リン酸塩などのいずれでも構わなく、また、これらを混合させてもよい。
【0051】
さらに、リン酸の濃度は、1g/l未満では、形成した皮膜中に充分な自己補修効果を発揮するだけのリン酸を含有できず、またアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板、アルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板の何れでも、リン酸による加工部耐食性と耐黒変性の発現効果が乏しくなる。また、50g/l超では、処理液の反応性が極度に高いため、めっき皮膜の溶解量が多くなり、溶出した亜鉛によって処理液の安定性を低下させることになるため好ましくない。
【0052】
さらに、造膜助剤として、ほう酸、硫酸、硝酸などの無機酸を含有させることができる。
【0053】
以上で述べた処理液の塗布方法としては、特に限定はないが、ロールコーターやリンガーロールによる塗布あるいは、浸漬およびエアナイフ絞りによる塗布などが挙げられる。
【0054】
また、塗布後、水洗することなく、最高到達板温60〜300℃の範囲で加熱することが好ましい。ここで、最高到達板温60℃未満では、バリヤ効果の高い3価クロム化合物が充分に形成されず、また、300℃超では、皮膜に自己補修効果が及ばないほどの無数のクラックが発生し、どちらの場合においても、加工部、皮膜健全部の耐食性は著しく低下してしまう。
【0055】
【実施例】
(実施例1)
処理原板として表1に示す亜鉛系めっき鋼板を使用し、表3及び表4に示すような処理液組成、乾燥温度のもとで、ロールコーターによる塗布を行い、水洗しないで加熱乾燥し、化成処理皮膜を形成した。付着量は、塗布量、ロールコーターの周速、圧下量などで制御した。ここで、化成処理皮膜中の亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物(表3及び表4中では「Zn,Al-リン酸」)は表2に示す。得られた表面処理鋼板の品質評価は以下のようにして行った。
【0056】
( 1 )加工部耐食性
サンプル表面に幅0.3mm、長さ5cmにわたって、鉄地に達する切り込みをカッターナイフで入れ、以下の複合腐食試験を100サイクル行った。
【0057】
3wt%塩水噴霧試験(30℃;0.5時間)
↓
湿潤試験(30℃、95%RH;1.5時間)
↓
熱風乾燥試験(50℃、20%RH;2.0時間)
↓
熱風乾燥試験(30℃、20%RH;2.0時間)
評価は、切り込み線の両側5mmづつの領域内における錆発生面積率で行った。なお、発生する錆の状態(色調)はめっき皮膜のAl濃度に依存し、 Al濃度が25重量%以下のZn-Al系めっき鋼板では白色の錆、Al濃度が25超〜75重量%のZn-Al系めっき鋼板では灰〜黒色の錆が生じた。
◎ :錆発生なし
○+:錆発生面積率5%未満
○ :錆発生面積率5%以上10%未満
○−:錆発生面積率10%以上25%未満
△ :錆発生面積率25%以上50%未満
× :錆発生面積率50%以上
【0058】
( 2 )皮膜健全部耐食性
傷や折り曲げなどの加工を施していないサンプルについて、上記の複合腐食試験を200サイクル行い、サンプル表面の錆発生面積率に基づいて上記と同じ基準で評価した。なお、錆の状態は上記の加工部耐食性評価の場合と同じである。
【0059】
( 3 )耐黒変性
Alを4重量%以上含むZn-Al系めっき鋼板について耐黒変性の評価を行った。具体的にはAl濃度に応じて以下の2方法で行った。
(Al濃度が4〜25重量%のZn-Al系めっき鋼板:表1のNo.1)
傷や折り曲げなどの加工を施していないサンプルをスタック状態にし、湿潤試験機(HCT)に6日間放置した後、サンプルの外観を目視観察し、黒変程度及び黒変面積により、耐黒変性を下記基準で評価した。
◎:試験前後で外観に変化なし
○:試験後にわずかに点状の外観変化有り(面積:10%未満)
△:試験後に面状の外観変化部有り(面積:10%以上50%未満)
×:試験後に明らかな黒変部、あるいは面状の外観変化部が50%以上有り
【0060】
(Al濃度が25超〜75重量%のZn-Al系めっき鋼板:表1のNo.2)
傷や折り曲げなどの加工を施していないサンプルについて、温度80℃、相対湿度95%RHに雰囲気制御された恒温恒湿機に24時間放置した際の白色度(L値)の変化ΔL(試験前のL値−試験後のL値)を測定し、下記の基準で評価した。
◎:ΔL≧-1.0
○:-1.0>ΔL≧-2.0
△:-2.0>ΔL≧-4.0
×:-4.0>ΔL
評価結果を表3及び表4に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
表3及び表4より、第1発明範囲内の皮膜が形成されている鋼板は、第1発明範囲を外れる皮膜が形成されている比較例の鋼板に比べて、皮膜健全部は勿論、加工部での耐食性が著しく向上している。更に、第1発明範囲内の皮膜が形成されたAlを4重量%以上含む鋼板では第1発明範囲を外れる皮膜が形成されたAlを4重量%以上含む比較例の鋼板に比べて耐黒変性、即ちAlを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板ではスタック状態での耐黒変性、Alを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では湿潤環境下での耐黒変性が改善されている。
【0067】
また、第1発明範囲内の皮膜を形成するに際して、第3発明範囲内の条件で製造された鋼板は良好な皮膜品質が得られている。一方、第3発明範囲外の乾燥温度で皮膜形成された比較例の鋼板(No.41,44)は、皮膜品質が劣っている。
【0068】
(実施例2)
処理原板として表1に示す亜鉛系めっき鋼板を使用し、表5及び表6に示すような処理液組成、乾燥温度のもとで、ロールコーターによる塗布を行い、水洗しないで加熱乾燥し、化成処理皮膜を形成した。付着量は、塗布量、ロールコーターの周速、圧下量などで制御した。ここで、化成処理皮膜中の亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物(表5及び表6中では「Zn,Al-リン酸」)は表2に示す。得られた表面処理鋼板の品質評価は以下のようにして行った。
【0069】
( 1 )加工部耐食性
サンプル表面に幅0.3mm、長さ5cmにわたって、鉄地に達する切り込みをカッターナイフで入れ、JIS
Z2371に準拠した塩水噴霧試験を120時間行った。評価は、切り込み線の両側5mmづつの領域内における錆発生面積率に基づいて、実施例1と同じ基準で行った。なお、錆の状態(色調)は、実施例1の加工部耐食性評価の場合と同じである。
【0070】
( 2 )皮膜健全部耐食性
傷や折り曲げなどの加工を施していないサンプルについて、上記の塩水噴霧試験を360時間行い、サンプル表面の錆発生面積率に基づいて実施例1と同じ基準で評価した。なお、錆の状態は上記の加工部耐食性の場合と同じである。
【0071】
( 3 )耐黒変性
Alを4重量%以上含むZn-Al系めっき鋼板について、実施例1と同様にして、耐黒変性の評価を行った。
評価結果を表5及び表6に示す。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
表5及び表6より、第1発明範囲内の皮膜が形成されている鋼板は、第1発明範囲を外れる皮膜が形成されている比較例の鋼板に比べて、皮膜健全部は勿論、加工部での耐食性が著しく向上している。更に、第1発明範囲内の皮膜が形成されたAlを4重量%以上含む鋼板では第1発明範囲を外れる皮膜が形成されたAlを4重量%以上含む比較例の鋼板に比べて耐黒変性、即ちAlを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板ではスタック状態での耐黒変性、Alを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では湿潤環境下での耐黒変性が改善されている。
【0076】
また、第1発明範囲内の皮膜を形成するに際して、第2発明範囲内の乾燥温度で皮膜形成された鋼板は、第2発明範囲外の乾燥温度で皮膜形成された比較例の鋼板(No.41,44)に比べて良好な皮膜品質が得られている。また第3発明範囲内のCr還元率の処理液を用いた場合、第3発明範囲を下回るCr還元率の処理液を用いた場合(No.49)に比べて、より良好な皮膜品質が得られている。なお、第3発明範囲を上回るCr還元率の処理液(No.52)では処理液がゲル化したため鋼板の品質評価を行わなかった。
【0077】
(実施例3)
処理原板として表1に示す亜鉛系めっき鋼板を、3価クロム化合物として表7に示すクロム塩類を使用し、表8及び表9に示すような処理液組成、乾燥温度のもとで、ロールコーターによる塗布を行い、水洗しないで加熱乾燥し、化成処理皮膜を形成した。付着量は、塗布量、ロールコーターの周速、圧下量などで制御した。ここで、化成処理皮膜中の亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物(表8及び表9中では「Zn,Al-リン酸」)は表2に示す。得られた表面処理鋼板の品質評価は以下のようにして行った。
【0078】
( 1 )加工部耐食性
サンプル表面に幅0.3mm、長さ5cmにわたって、鉄地に達する切り込みをカッターナイフで入れ、以下の複合腐食試験を100サイクル行った。
【0079】
3wt%塩水噴霧試験(30℃;0.5時間)
↓
湿潤試験(30℃、95%RH;1.5時間)
評価は、切り込み線の両側5mmづつの領域内における錆発生面積率で、実施例1と同じ基準で行った。なお、錆の状態(色調)は、実施例1の加工部耐食性評価の場合と同じである。
【0080】
( 2 )皮膜健全部耐食性
傷や折り曲げなどの加工を施していないサンプルについて、上記の複合腐食試験を200サイクル行い、サンプル表面の錆発生面積率に基づいて上記と同じ基準で評価した。なお、錆の状態は前記の加工部耐食性評価の場合と同じである。
【0081】
( 3 )耐黒変性
Alを4重量%以上含むZn-Al系めっき鋼板について、実施例1と同様にして、耐黒変性の評価を行った。
評価結果を表8及び表9に示す。
【0082】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
表8及び表9より、第1発明範囲内の皮膜が形成されている鋼板は、第1発明範囲を外れる皮膜が形成されている比較例の鋼板に比べて、皮膜健全部は勿論、加工部での耐食性が著しく向上している。No.26,49 〜 51の比較から分かるように、3価クロム化合物としてカルボン酸クロムを用いた場合(No.26,51)、耐食性、耐黒変性がより優れている。また、第1発明範囲内の皮膜が形成されたAlを4重量%以上含む鋼板では第1発明範囲を外れる皮膜が形成されたAlを4重量%以上含む比較例の鋼板に比べて耐黒変性、即ちAlを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板ではスタック状態での耐黒変性、Alを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板では湿潤環境下での耐黒変性が改善されている。
【0087】
また、第1発明範囲内の皮膜を形成するに際して、第4発明範囲内の条件で製造された鋼板は良好な皮膜品質が得られている。一方、第4発明範囲外の乾燥温度で皮膜形成された比較例の鋼板(No.41,44)は皮膜品質が劣っている。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、6価クロムによる自己補修効果だけでは得られない優れた加工部や傷部の耐食性を有する表面処理鋼板が得られる。
【0089】
特に、亜鉛系めっき鋼板がアルミニウムを4〜25重量%含むZn-Al系めっき鋼板の場合、加工部耐食性と更にスタック状態での耐黒変性にも優れる表面処理鋼板が得られる。
【0090】
また、亜鉛系めっき鋼板がアルミニウムを25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板の場合、加工部耐食性と更に湿潤環境下における耐黒変性にも優れる表面処理鋼板が得られる。
Claims (5)
- めっき皮膜中にアルミニウムを4〜25重量%または25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板の表面に、水溶性クロム化合物と、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物を含む処理液を塗布することにより形成された皮膜であって、(A)前記水溶性クロム化合物に由来するクロムが0.1〜100mg/m2、(B)前記処理液に由来する亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物がリン換算で0.1〜100mg/m2の範囲で含まれる皮膜が形成されていることを特徴とする表面処理鋼板。
- 請求項1に記載の表面処理鋼板を製造するにあたり、めっき皮膜中にアルミニウムを4〜25重量%または25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板の表面に、水溶性クロム化合物と、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物と、リン酸を含む処理液であって、該処理液中に、(i)6価クロムイオンを0.1〜50g/lと、(ii)リン酸を1〜50g/l含む処理液を塗布し、水洗することなく最高到達板温60〜300℃の範囲で加熱することにより皮膜を形成することを特徴とする表面処理鋼板の製造方法。
- 処理液中の3価クロムイオン/(3価クロムイオン+6価クロムイオン)重量比が0.2〜0.8であることを特徴とする請求項2に記載の表面処理鋼板の製造方法。
- 請求項1に記載の表面処理鋼板を製造するにあたり、めっき皮膜中にアルミニウムを4〜25重量%または25超〜75重量%含むZn-Al系めっき鋼板の表面に、クロム化合物が3価クロム化合物からなる水溶性クロム化合物と、亜鉛、アルミニウムのいずれか1種または2種とリン酸とからなる化合物と、リン酸を含む処理液であって、該処理液中に、(i)3価クロムイオンを0.1〜50g/lと、(ii)リン酸を1〜50g/l含む処理液を塗布し、水洗することなく最高到達板温60〜300℃の範囲で加熱することにより皮膜を形成することを特徴とする表面処理鋼板の製造方法。
- 水溶性のクロム化合物が、カルボン酸クロムであることを特徴とする請求項4に記載の表面処理鋼板の製造方法。
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