JP4072588B2 - フッ素樹脂フィルム被覆金属板及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂フィルム被覆金属板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、意匠性、耐候性、密着性、あるいはさらに加工性、耐食性に優れたフッ素樹脂フィルム被覆金属板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板表面にフッ素樹脂被覆層を形成したフッ素樹脂被覆金属板は、フッ素樹脂の優れた耐候性、耐食性、耐薬品性、加工性、耐熱性等により内外装建材、器物等に広く使用されている。これら被覆層として使用されているフッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル(PVF)樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)樹脂、4フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂等が知られている。
【0003】
フッ素樹脂被覆金属板としては、フッ素樹脂を溶媒に分散させたフッ素樹脂塗料を下地金属板上に塗布した後、焼き付けてフッ素樹脂被覆層を形成したフッ素樹脂塗装金属板、フッ素樹脂フィルムを下地金属上に接着剤を介して接着する、あるいは接着剤を介さずに熱融着するフッ素樹脂フィルム被覆金属板がある。また、フッ素樹脂塗装金属板において意匠性を付与しようとした場合、従来は金属板に化成処理、プライマー層を介して塗装された着色フッ素樹脂層の表面にフッ素樹脂をベースとするインキをグラビアオフセット方式で印刷し、さらにその上に着色顔料を含まないクリヤー塗料を塗装して製造されたプリントフッ素樹脂塗装鋼板が広く知られている。
【0004】
しかしながら、金属板にグラビアオフセット方式で印刷を施す方式ではハーフトーン印刷が困難であり、鮮明で美麗な高級感を有する装飾効果が得られなかった。また、フッ素樹脂フィルム被覆金属板としては特開平7−304131に示されるように金属板上にプライマー層を介して着色樹脂塗膜層を塗布形成し、その上に印刷を行った後接着剤を使用してフッ素樹脂フィルムを張り付けフィルム被覆金属板を得る方法がある。但しこの方法は、接着剤層の耐久性が他の層と比べて劣る傾向にあるため、湿潤環境等において膨れが発生したりフィルム層が剥離する等、長期耐久性に劣るとの問題点がある。
【0005】
また、特開平4−131231に示されるような熱融着によるフッ素樹脂フィルム被覆金属板に関する従来の技術でも、特にインキの溶融性、フィルムや下地塗膜層等との相溶性が劣ることから、湿潤環境等でインキ層の凝集破壊やフィルム層の剥離を生じる等を含め、長期耐久性に劣るとの問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、かかる問題を解決したフッ素樹脂フィルム被覆金属板を提供することにあり、即ち、印刷で図柄、模様などのデザインを表現して鮮明で美麗な高級感を有すると共に、フッ素樹脂塗装金属板が有するような長期耐久性を併せ持つフィルム被覆金属板及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、長期間の屋外曝露において優れた耐候性を有し、且つ、意匠性、密着性に優れたフッ素樹脂フィルム被覆金属板を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0008】
即ち、本発明の第一の構成は、金属板表面に化成処理層、プライマー層、着色フッ素樹脂層が順次形成され、更に部分的に形成されたインキ層とその上のフッ素樹脂フィルム層からなり、且つ、着色フッ素樹脂層とインキ層との間及び着色フッ素樹脂層とフッ素樹脂フィルム層との間に熱融着層を形成したことを特徴とするフッ素樹脂フィルム被覆金属板である。更に本発明は、前記したインキがインキ用バインダー樹脂組成中にポリフッ化ビニリデン樹脂(A)と、フッ化ビニリデンと他のフッ素モノマーを共重合してなる溶剤可溶な熱可塑型フッ素共重合体樹脂(B)とを併用してなるグラビアインキであるフッ素樹脂フィルム被覆金属板である。
【0009】
本発明の第二の構成は、金属板表面に化成処理層、プライマー層、着色フッ素樹脂層が順次形成され、更に部分的に形成されたインキ層とその上のフッ素樹脂フィルム層からなり、且つ、着色フッ素樹脂層とインキ層との間及び着色フッ素樹脂層とフッ素樹脂フィルム層との間に熱融着層を形成したことを特徴とするフッ素樹脂フィルム被覆金属板の製造方法であって、金属板表面に化成処理層、プライマー層、着色フッ素樹脂層を順次形成した下地鋼板を、被覆するインキ及びフッ素樹脂フィルムの融点以上、熱分解温度以下に加熱し、次いで前記下地鋼板の表面に、インキ層を裏刷りしたフッ素樹脂フィルムを圧着してインキ層及びフッ素樹脂フィルム層の熱融着層を形成させることを特徴とするフッ素樹脂フィルム被覆金属板の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる金属板は、特に限定されるものではないが、例えば、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等の各種の金属板を使用することができる。また、金属板の板厚についても特に限定されるものではないが、例えば、0.23〜2.5mmのものを用いることができる。
【0011】
化成処理層を形成する前に、金属板と被覆物の密着性を高めるために必要に応じ、金属板表面に次の前処理を行ってもよい。
▲1▼表面洗浄
金属板の表面に付着している油状物、異物、酸化物等を洗浄除去することを目的として行うもので、特に限定されるものではなく、従来から行われている洗浄方法が使用され、例えば脱脂方法としては有機溶剤、アルカリ性溶液、酸性溶液、界面活性剤等により脱脂、洗浄する。
▲2▼表面粗化
ブラッシング等の物理的手段による表面粗化方法、あるいはエッチング等の電気化学的手段による表面粗化方法により表面を粗化することができる。
▲3▼表面調整
化成処理を行っても折曲げ加工のような過酷な条件下では充分な塗膜密着性が得られず、この対策として表面調整処理が施される。ここで行われる表面調整の目的は金属板表面の濡れ性の向上やエッチングによるアンカー効果の向上を狙ったものである。一般に表面調整処理は亜鉛めっき鋼板や亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板等に適用されることが多い。この場合、表面調整処理では金属板の表面に亜鉛より貴な金属であるニッケルやコバルトで置換めっきするものである。また、表面調整剤には酸とアルカリの2タイプがあり、金属板の種類によって使い分けられる。
【0012】
化成処理層は、金属板の耐食性を向上させると共に金属板に対するプライマー層の密着性を高めることを目的として設けるもので、リン酸鉄、リン酸亜鉛等のリン酸塩処理や反応型クロメート、電解型クロメート、塗布型クロメート等によるクロメート処理により化成皮膜を形成する。但し、最近は性能や管理の容易さ、公害問題等からクロメート処理が採用されることが多い。また、クロメート処理にもクロム酸とシリカを含有する系、クロム酸とシリカとリン酸を含有する系、クロム酸とシリカとアクリル樹脂を含有する系等種々のものがあり、特に限定されるものではないが、アクリル樹脂を含有する処理を選択することにより、更に密着性に優れたフィルム被覆鋼板を得ることができる。
【0013】
この処理液をロール塗装して乾燥することによりクロム量で10〜80mg/m2 の乾燥皮膜を形成する。ここでクロム量を10〜80mg/m2 にしたのは、10mg/m2 を下回ると耐食性が悪くなり、80mg/m2 を上回ると密着性が低下するからである。この限りにおいてクロメートのクロム量は20〜60mg/m2 にすることがさらに一層好ましい。
【0014】
プライマー層は、例えば防錆顔料、体質顔料、表面調整剤等を樹脂に含有させて形成される。まず、基体の樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシウレタン樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリルフェノール樹脂等の塗料として一般的に用いられている各種の樹脂を使用することができる。これらのうちエポキシ系、ポリエステル系が密着性、加工性に優れているので用いて好適である。なお、前記樹脂の一部を異なる1種もしくは2種類以上の、例えばアクリル系、ポリエステル系樹脂等で置き換えることができるが、ポリフッ化ビニリデン樹脂と相溶性を有する成分で置き換えることにより、さらに優れた密着性を有するフィルム被覆金属板を得ることができる。
【0015】
ポリフッ化ビニリデン樹脂と相溶性を有する成分としては、特にモノマーとしてメチルメタアクリレートを主成分として含有するアクリル系樹脂が好適である。
また、塗料中には錆に対する耐性を向上させるために必要に応じてクロム酸ストロンチウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウム等の防錆顔料を含むことが出来る。
【0016】
この塗料をロール塗装等の方法で塗布して加熱乾燥することにより3〜10μmの乾燥皮膜厚のプライマー層を形成する。ここで膜厚を3〜10μmにしたのは、3μmを下回ると耐食性が悪くなり、10μmを上回ると密着性が低下するからである。この限りにおいてプライマーの膜厚は4〜8μmにすることがさらに一層好ましい。
【0017】
着色フッ素樹脂層は、ポリフッ化ビニリデン樹脂が50〜90重量部、アクリル樹脂10〜50重量部からなる樹脂分に着色剤で着色して得る。前記の着色剤としては、特に限定はされないが、焼成顔料等の複合酸化物系の着色顔料を選択することによって、より耐候性に優れたフィルム被覆金属板を得ることができる。
ポリフッ化ビニリデン樹脂の配合割合に関しては、50重量部を下回ると耐候性が極端に低下し、逆に90重量部を上回ってもこれ以上の耐候性の向上は望めないばかりか加工性が劣る結果となるからである。
【0018】
この塗料をロール塗装等の方法で塗布して加熱乾燥することにより15〜30μmの乾燥皮膜厚の着色フッ素樹脂層を形成する。ここで膜厚を15〜30μmにしたのは、15μmを下回ると紫外線がプライマー層まで透過して長期使用された場合には剥離する現象が生じ易く、30μmを上回るとコストアップになるばかりか、ピンホールの発生にもつながるからである。
【0019】
フッ素樹脂フィルムに印刷されるグラビアインキは、バインダー樹脂、溶剤、顔料、その他の添加剤を含有したものである。バインダー樹脂としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂等がある。好ましくは、バインダー樹脂固形分中におけるフッ素樹脂50〜95重量部、アクリル樹脂5〜50重量部からなり、さらに好ましくはフッ素樹脂組成中においてポリフッ化ビニリデン樹脂(A)70〜90重量%と、フッ化ビニリデンと他のフッ素モノマーと共重合して得られる溶剤に可溶な熱可塑型フッ素共重合体樹脂(B)10〜30重量%との併用が挙げられる。
ポリフッ化ビニリデン樹脂(A)単独でもグラビア印刷をすることは可能であるが、転移性に劣り、鮮明な図柄や模様が得られないばかりか、インキの溶融特性が低下するために接着不良が起きやすい。また、溶剤に可溶なフッ素樹脂共重合体樹脂(B)が前記範囲を超えると、溶剤に対する耐性が低下する傾向にあり、被覆金属板の補修作業等においてフィルムが浮いたり、剥がれを生じやすくなる。
【0020】
溶剤に可溶な熱可塑型フッ素樹脂共重合樹脂(B)としては、例えばフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂などが使用できるが、融点が105℃以上であることが望ましい。前記の条件を定める理由は、フッ素樹脂塗装金属板等の評価方法の一つとなっている、高温における湿潤試験に対する耐性、あるいは耐沸騰水性能を満たすことにある。
【0021】
これを着色する顔料の濃度は印刷インキの固形分中の0〜80重量部の間で任意にとれる。なお、これ以上の顔料濃度とした場合には、湿潤環境下等において印刷インキ層の凝集破壊が生じやすくなる。
【0022】
本印刷インキに含有するフッ素樹脂及びアクリル樹脂は熱可塑性であることが望ましい。これは印刷されたフッ素樹脂フィルムを熱融着する時にインキを加熱溶融するため、硬化成分が含まれていると反応が進行して接着不良を起こす原因となるためである。
【0023】
フッ素樹脂フィルムは透明、あるいは半透明のものであって、ポリフッ化ビニリデン50〜100重量部、アクリル樹脂0〜50重量部から形成される単層のもの、もしくは前記の範囲内であれば異なる組成を有する層を複合させた複層のフィルムを使用することができる。これ以外の範囲においては、フィルムの劣化や湿潤環境下におけるフィルムの白化が起き易く、また密着性の低下を生じやすいからである。なお、前記のフィルムに対しては、フィルムの特徴を損なわない範囲において、必要に応じて、例えば着色顔料を分散させることや、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を添加させることができる。
【0024】
以下、製造方法について述べる。金属板上に前記に示す条件を満足する条件で化成処理層を介してプライマー層、次いで着色フッ素樹脂層を塗装する。このようにして得られた被覆金属板を予め予熱する。この時の予熱温度は、着色フッ素樹脂層の印刷フィルム被着面で200〜280℃の範囲が良く、望ましくは230〜260℃である。なお、予熱の方法は、前記具体例により何ら限定されるものではなく、例えば着色フッ素樹脂層を塗装し、加熱したあとの余熱を利用することもできる。
【0025】
なお、この温度は、フッ素樹脂フィルム、印刷インキ用バインダー樹脂、及び着色フッ素樹脂層用バインダー樹脂の融点以上であり、ラミネート時に、フッ素樹脂フィルムまたは印刷インキの着色フッ素樹脂層表面との接着面で溶融が起こり、熱融着層が形成される。着色フッ素樹脂層表面の温度を前記の範囲に調整する理由は、フィルム被着面の温度が前記範囲より低い場合にはフィルム、着色フッ素樹脂層、及びインキ層の熱溶融を十分に行うことが出来ずに接着性に悪影響を起こす。また、前記範囲より高い場合にはフッ素樹脂の分解が生じたり、プライマー層等の熱劣化を生じるため好ましくない。
【0026】
前記に示した範囲の温度に調節された被覆金属板に印刷面を内側にしてフィルムを張り付け、2秒以上の保持時間をおいて急水冷を行いフッ素樹脂フィルム被覆鋼板を得る。このとき、保持時間を2秒より短い時間で設定した場合にも、外観上フィルムを貼ることに問題はないが、十分に熱融着層が形成されず、初期物性にばらつきを生じ、特にフィルムの密着性、長期耐久性が劣るようになるからである。
【0027】
【実施例】
以下に本発明の実施例を比較例と対比してより具体的に説明する。
(実施例1〜14)
溶融亜鉛めっき鋼板、溶融5%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム板上に以下に示す、化成処理を施したあと、乾燥皮膜厚がプライマー層5μm、着色フッ素樹脂層20μmとなるように塗装、加熱した。次いで被覆金属板を予熱した後、予めフッ素樹脂グラビアインキで3色刷りしたフィルムを熱融着してフッ素樹脂フィルム被覆金属板を得た。なお、印刷に使用したインキの組成を表1に示す。
【0028】
(比較例1)
前記実施例の比較としてアルミニウム板に、乾燥皮膜厚がプライマー層5μm、着色フッ素樹脂層20μmとなるように塗装、加熱した後にグラビアオフセット方式で着色フッ素樹脂層表面に柄を印刷し、さらにクリヤー塗膜を乾燥皮膜厚で8μmを塗装してフッ素樹脂被覆金属板を得た。
【0029】
(比較例2〜5)
また、比較例2〜5として、表1に示すようなインキを調整し、実施例2に示したのと同様のフッ素樹脂フィルム被覆金属板を得た。
【0030】
【表1】
Figure 0004072588
【0031】
表1中の数字は重量部、フッ素樹脂Aはポリフッ化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂Bはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(融点120℃)を示す。
【0032】
それぞれの製品の着色フッ素樹脂層までの製造条件を表2、3に、インキの種類およびラミネートの方法を表4、5に示す。また、各製品の性能試験結果を表6〜9に示す。表2〜5の略号は以下を示す。
【0033】
Figure 0004072588
【0034】
【表2】
Figure 0004072588
【0035】
【表3】
Figure 0004072588
【0036】
【表4】
Figure 0004072588
【0037】
【表5】
Figure 0004072588
【0038】
【表6】
Figure 0004072588
【0039】
【表7】
Figure 0004072588
【0040】
【表8】
Figure 0004072588
【0041】
【表9】
Figure 0004072588
【0042】
また、前記の例における試験項目と試験方法および判定方法は、次の条件で行った。
【0043】
〔1〕鉛筆硬度試験
JIS K5400に規定された鉛筆硬度試験方法に準じて行い、塗膜表面に傷がついたときの鉛筆の濃度記号を塗膜の鉛筆硬度とした。
【0044】
〔2〕コインスクラッチ試験
10円玉を塗膜表面に押しつけ、一定の速度で塗膜を引っかいた時の剥離状態で傷付き性を評価した。なお、試験の判定基準は表10の通りとした。
【0045】
【表10】
Figure 0004072588
【0046】
〔3〕耐溶剤性試験
MEK(メチルエチルケトン)を含ませた脱脂綿で塗膜表面を擦り、着色フッ素樹脂層が露出した時の回数で評価した。なお、評価の回数は最大100回までとし、それ以上塗膜を擦っても着色フッ素樹脂層が露出しない場合には100回以上と評価した。
【0047】
〔4〕耐屈曲性試験
JIS G3312に規定された万力折曲げ試験方法に準じて行い、クラック及びテープ剥離による塗膜の剥離状態を表11の基準で評価した。
【0048】
【表11】
Figure 0004072588
【0049】
〔5〕付着性試験
JIS K5400に規定された碁盤目試験およびエリクセン試験方法に準じて行い、テープ剥離により異常のないます目の個数で評価した。
【0050】
〔6〕耐食性試験
実施例および比較例で作成した製品を15cm×6cmのサイズで切り出し、切り口端面のうち上下2片をシールした試験片をJIS Z2371に規定された塩水噴霧試験機、JIS K5400に規定された回転式湿潤試験機内に3,000時間暴露し、錆およびブリスターの発生状態を表12の基準で評価した。
【0051】
【表12】
Figure 0004072588
【0052】
〔7〕耐候性試験
15cm×6cmのサイズで切り出した試験片をデューサイクルウェザー試験機内に3,000時間暴露し、色調および光沢の変化を表13の基準で評価した。
【0053】
【表13】
Figure 0004072588
【0054】
〔8〕意匠性
得られた製品の印刷の外観を目視で観察し、評価した。
【0055】
以上に述べた各試験の結果から、本発明に従って得られたフッ素樹脂フィルム被覆金属板は、密着性、加工性、耐食性、耐候性のみならず、耐溶剤性及び意匠性のいずれもが優れた製品となった。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、ベースとなる着色フッ素樹脂層と共に熱融着性の良好なインキを使用することにより、接着剤等を使用しないでも優れた意匠性と耐候性、且つ、フィルムの密着性が得られる。このため、本発明にかかるフッ素樹脂被覆金属板は、密着性、加工性、耐食性のみならず耐溶剤性および意匠性がともに優れるので、内外装建材、器物等に広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの断面の略図である。
【符号の説明】
1. 金属板
2. 化成処理層
3. プライマー層
4. 着色フッ素樹脂層
5. インキ層
6. フッ素樹脂フィルム

Claims (3)

  1. 金属板表面に化成処理層、プライマー層、着色フッ素樹脂層が順次形成され、更に部分的に形成されたインキ層とその上のフッ素樹脂フィルム層からなり、且つ、着色フッ素樹脂層とインキ層との間及び着色フッ素樹脂層とフッ素樹脂フィルム層との間に熱融着層を形成したことを特徴とするフッ素樹脂フィルム被覆金属板。
  2. インキがインキ用バインダー樹脂組成中にポリフッ化ビニリデン樹脂(A)と、フッ化ビニリデンと他のフッ素モノマーを共重合してなる溶剤可溶な熱可塑型フッ素共重合体樹脂(B)とを併用してなるグラビアインキである請求項1に記載のフッ素樹脂フィルム被覆金属板。
  3. 金属板表面に化成処理層、プライマー層、着色フッ素樹脂層が順次形成され、更に部分的に形成されたインキ層とその上のフッ素樹脂フィルム層からなり、且つ、着色フッ素樹脂層とインキ層との間及び着色フッ素樹脂層とフッ素樹脂フィルム層との間に熱融着層を形成したことを特徴とするフッ素樹脂フィルム被覆金属板の製造方法であって、金属板表面に化成処理層、プライマー層、着色フッ素樹脂層を順次形成した下地鋼板を、被覆するインキ及びフッ素樹脂フィルムの融点以上、熱分解温度以下に加熱し、次いで前記下地鋼板の表面に、インキ層を裏刷りしたフッ素樹脂フィルムを圧着してインキ層及びフッ素樹脂フィルム層の熱融着層を形成させることを特徴とするフッ素樹脂フィルム被覆金属板の製造方法。
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