JPH10245519A - 流れ模様塗装金属板用塗料組成物、流れ模様塗装金属板及び流れ模様塗装金属板の製造方法 - Google Patents

流れ模様塗装金属板用塗料組成物、流れ模様塗装金属板及び流れ模様塗装金属板の製造方法

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JPH10245519A
JPH10245519A JP7042497A JP7042497A JPH10245519A JP H10245519 A JPH10245519 A JP H10245519A JP 7042497 A JP7042497 A JP 7042497A JP 7042497 A JP7042497 A JP 7042497A JP H10245519 A JPH10245519 A JP H10245519A
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flow
pattern
metal sheet
coated metal
coating
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Masatoshi Ibuki
正利 伊吹
Osamu Goto
治 後藤
Kunio Watabe
邦夫 渡部
Kazumi Oshima
和美 大島
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Daido Steel Sheet Corp
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Sheet Corp
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の意匠性を付与する流れ模様を形成する
ことができる塗料組成物及び流れ模様塗装が施された塗
装金属板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル樹脂100重量部に対して、
可塑剤30〜100重量部、金属粉末0.1〜15重量
部及び着色顔料0.1〜30重量部を含有し、粘度が、
2000〜8000cpsであり、チクソトロピックイ
ンデックス(TI)が、1.5〜3.0である流れ模様
塗装金属板用塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流れ模様塗装金属
板用塗料組成物、流れ模様塗装金属板及び流れ模様塗装
金属板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の模様を形成した塩化ビニル樹脂塗
料の塗装鋼板は、従来より、建造物の内外装用途に使用
されてきた。このような塗膜に形成される模様は、一般
に、凸模様を形成するための固形物を塗膜の表面に固着
させたり、塗料やインキを用いてプリントしたり、塗料
やインキをスプレーすることによって付与されていた。
しかし、これらの方法では、塗膜を形成した後に模様を
付与するための別の工程を必要とするので、塗装鋼板の
製造工程が煩雑であった。そこで、鋼板に塗膜を形成さ
せると同時に模様を形成することができる塗装鋼板の製
造方法の開発が要望されていた。
【0003】特公昭54−25538号公報、特公昭5
4−25539号公報には、塩化ビニル樹脂ゾル塗料等
のプラスチゾル塗料やオルガノゾル塗料に、メタル粉末
を添加した塗料をロールコーターにより塗布し、鋼板の
表面にメタル粉末が縞模様状に偏在する塗膜を形成させ
る方法が開示されている。
【0004】しかしながら、これらの技術では、得られ
る模様は単純な平行縞模様が主体であり、変化に乏しく
非常に単純であった。また、表面の凹凸が小さく平坦で
あるので、内外装用として要望されている高度の意匠性
は付与することができなかった。
【0005】更に、模様の凹部では、膜厚が薄いため
に、経時的に光沢の変化や色相の変化を起こしやすく、
また、クラックの発生、密着性の低下等を招来する問題
があり、外装用としては耐久性に劣っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、高度の意匠性を付与する流れ模様を形成することが
できる塗料組成物及び流れ模様塗装が施された塗装金属
板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル樹
脂100重量部に対して、可塑剤30〜100重量部、
金属粉末0.1〜15重量部及び着色顔料0.1〜30
重量部を含有し、粘度が、2000〜8000cpsで
あり、チクソトロピックインデックス(TI)が、1.
5〜3.0である流れ模様塗装金属板用塗料組成物であ
る。
【0008】そして、金属粉末の配合量A及び着色含量
の配合量B(重量比)が、A/B=1/1.3〜1/2
0であって、かつ、A×0.6≧10の関係を満たせ
ば、耐久性に優れた組成物となる。
【0009】また、本発明は、ロールコーターにより、
粘度が1000〜10000cpsであり、かつ、チク
ソトロピックインデックス(TI)が1.5〜3.0で
ある塩化ビニル樹脂塗料組成物を金属基板に塗布した
後、焼き付けて流れ模様塗装金属板を製造する方法であ
って、上記ロールコーターの塗布ロールは、上記金属基
板の搬送方向に対して順方向に回転させるものであり、
上記金属基板の搬送速度a及び上記塗布ロールの周速b
が、0.8×a≦b≦1.2×aの関係を満たす流れ模
様塗装金属板の製造方法である。更に、本発明は、上記
流れ模様塗装金属板の製造方法により製造された流れ模
様塗装金属板である。以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
は、基体樹脂である塩化ビニル樹脂に、可塑剤、金属粉
末及び着色顔料を含有し、粘度が、2000〜8000
cpsであり、チクソトロピックインデックス(TI)
が、1.5〜3.0である組成物である。本明細書中、
流れ模様塗装金属板とは、金属基板上に流れ模様を有す
る塗膜を形成させたものをいう。
【0011】本発明で使用される塩化ビニル樹脂として
は、塩化ビニルモノマーのみからなる樹脂であってもよ
く、塩化ビニルモノマーとその他のモノマーとの共重合
体であってもよい。上記共重合体としては特に限定され
ず、例えば、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル共重合
体等を挙げることができる。また、塩化ビニル樹脂は、
その他の樹脂との混合物であってもよい。塩化ビニル樹
脂と混合することができるその他の樹脂としては、例え
ば、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
【0012】本発明で使用される塩化ビニル樹脂は、ど
のような製造方法によって製造されていてもよいが、例
えば、乳化重合法によりペーストレジンとして製造され
る。また、マイクロサスペンジョン法、懸濁重合法によ
り製造される粗粒のパウダー、例えば、平均粒径35μ
mのもの等を併用してもよく、一般に架橋塩化ビニル樹
脂と呼ばれる一部に橋かけ構造を有する塩化ビニルポリ
マー、例えば、ゲル粒子が約50%であり平均粒径が2
〜3μmであるもの等を使用してもよい。
【0013】本発明で使用される可塑剤の配合量は、塩
化ビニル樹脂100重量部に対して、30〜100重量
部である。30重量部未満であると、流動性のある組成
物性状を得ることが難しく、100重量部を超えると、
粘度が低くなり過ぎ、所定の膜厚を得ることが難しく、
また、得られた塗膜も軟らかく弱くなる。実際には、得
られる塗膜の柔軟性に応じて、上記範囲内で適宜選択さ
れる。
【0014】可塑剤としては特に限定されず、例えば、
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸
ジヘプチル(DHP)、フタル酸ジノルマルオクチル
(n−DOP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、
りん酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオクチル
(DOA)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、テクサ
ノールイソブチレート(TXIB);ポリエステル可塑
剤、エポキシ可塑剤等を挙げることができる。
【0015】本発明で使用される金属粉末の配合量は、
塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.1〜15重
量部である。0.1重量部未満であると、メタリック感
が乏しく、意匠性に劣り、15重量部を超えると、メタ
リック感が強すぎて、単調なメタリック塗膜となり、流
れ模様が不明瞭となる。金属粉末としては、例えば、ア
ルミニウム粉末、ニッケル粉末、銅粉末等を挙げること
ができる。本発明においては、金属粉末の粒径は、5〜
100μmが好ましく、より好ましくは10〜40μm
であり、鱗片状のものが好適である。
【0016】本発明で使用される着色顔料の配合量は、
塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.1〜30重
量部である。0.1重量部未満であると、視覚に訴える
に足りる意匠性のある塗膜を得ることができず、30重
量部を超えると、メタリック感が低下し、加工性も低下
する。着色顔料としては特に限定されないが、例えば、
ルチル型チタン白、カーボンブラック、フタロシアニン
ブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッ
ド、フラバンスロンエロー等を挙げることができる。
【0017】更に、本発明の塗料組成物には、塗料に粘
性を付与させるために、シリカ粉末を添加することがで
きる。シリカ粉末の添加量は、上記塩化ビニル樹脂10
0重量部に対して、5重量部以下である。シリカ粉末の
添加量が5重量部を超えると、粘度が高くなりすぎるか
らである。シリカ粉末としては特に限定されず、公知の
ものを使用することができ、例えば、サイリシア445
(サイロイド308)等を挙げることができる。
【0018】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
には、紫外線や熱による塩化ビニル樹脂の分解を抑制す
るために、安定剤を添加してもよい。安定剤としては特
に限定されず、例えば、ジブチルすずのラウレート、マ
レート、メルカプチド等の有機すず系化合物;ステアリ
ン酸、ラウリン酸、ナフテン酸、2−エチルヘキソエ酸
等の有機酸の鉛、カドミウム、バリウム、亜鉛、カルシ
ウム等の金属塩である金属石ケン類;塩基性炭酸鉛、三
塩基性硫酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性亜りん酸
鉛、三塩基性マレイン酸鉛、けい酸鉛等の鉛塩類等を挙
げることができる。これらは単独で使用してもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0019】安定剤は、本発明の流れ模様塗装金属板用
塗料組成物から得られる塗膜の用途に応じて適宜選択さ
れるが、例えば、屋外使用の場合には、特に太陽光線中
の紫外線による塩化ビニル樹脂の劣化を抑制する機能を
重視して選択することが好ましく、例えば、Lフォス
(二塩基性亜りん酸鉛)等を使用することが好ましい。
安定剤の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し
て、3〜10重量部が好ましい。
【0020】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
には、必要に応じて、更に、顔料分散剤、溶剤、バイン
ダーレジン等を添加してもよい。
【0021】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
は、上記各塗料成分を配合することによって得ることが
できる。
【0022】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
は、粘度(絶対粘度)が2000〜8000cpsであ
ることが好ましい。粘度が2000cps未満である
と、得られる塗膜の凹部の膜厚が薄くなりすぎ、800
0cpsを超えると、塗装作業性が悪くなる。より好ま
しくは、2500〜4000cpsである。
【0023】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
は、チクソトロピックインデックス(TI)が、1.5
〜3.0であることが好ましい。TIが1.5未満であ
ると、鮮明な凹凸模様が得られず、3.0を超えると、
凹凸感の起伏性が低下し、得られる流れ模様が平坦とな
る。より好ましくは、1.8〜2.5である。
【0024】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
は、粘性のパラメーターとして意義づけられている粘度
(絶対粘度)及びチクソトロピックインデックス(T
I)が、流れ模様を形成するのに好適な範囲にあること
から、意匠性の高い流れ模様の塗膜を形成することがで
きる。
【0025】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
において、得られる塗膜の耐久性、基材との密着性を高
めるために、金属粉末の配合量A及び着色顔料の配合量
B(重量比)は、A/B=1/1.3〜1/20である
ことが好ましい。金属粉末に対する着色顔料の配合量比
が1/1.3より小さいと、形成された塗膜の紫外線透
過率が大きくなり、変色を引き起こしたり、紫外線その
ものによる塩化ビニル樹脂の劣化が深層まで進むので、
このような塗膜を、外装用として使用する場合には、耐
久性が不充分となる。また、金属粉末に対する着色顔料
の配合量比が1/20より大きいと、メタリック感が低
下する。より好ましい配合比は、1/1.5〜1/2.
5である。
【0026】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
は、塩化ビニル樹脂を基体樹脂としているので、特に、
外装建材用途等、自然環境下で使用する場合には、紫外
線遮断効果を有する金属粉末及び着色顔料の配合量が重
要となる。金属粉末の配合量A及び着色顔料の配合量B
の合計は、紫外線遮断効果を得るために、塩化ビニル樹
脂100重量部に対して、着色顔料の配合量に換算して
少なくとも10重量部であることが好ましい。ところ
で、金属粉末の紫外線遮断効果は、着色顔料の紫外線遮
断効果の60%である。従って、金属粉末の配合量A及
び着色顔料の配合量Bは、(A×0.6+B)≧10の
関係を満たすようにそれぞれ規定されることが好まし
い。
【0027】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
において、金属粉末の配合量A及び着色顔料の配合量B
が上記範囲内であると、得られる塗膜は、意匠性の高い
流れ模様を形成するだけでなく、耐久性や金属基板等の
基材との密着性をも優れたものとすることができる。従
って、例えば、外装用建材等の屋外で使用される基材に
も好適に適用することが可能となる。
【0028】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
を適用することができる金属基板としては特に限定され
ず、例えば、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム
亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステン
レス鋼板、すずめっき鋼板、クロム処理鋼板等の鋼板;
アルミニウム板等を挙げることができる。これらは、必
要に応じて、脱塩処理、りん酸塩処理、塗布型クロム処
理、クロム処理等の前処理を行ったものであってもよ
い。これらは、更に、必要により、下塗り塗装を施した
金属基板を使用することができる。
【0029】下塗り塗装は、本発明の流れ模様塗装金属
板用塗料組成物からなる塗膜と金属板との長期にわたる
密着性、金属板の耐食性、耐水性等の性能を更に向上さ
せるために行われる。下塗り塗装に使用される下塗塗料
としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂−エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂−フェノール樹脂−エポキシ樹
脂、アクリル樹脂−フェノール樹脂−エポキシ樹脂−ビ
ニル樹脂等の樹脂の混合物等を挙げることができる。こ
れらは、防錆顔料を含有したものであってもよい。
【0030】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物
を金属基板に適用する方法としては、以下に詳細に説明
する本発明の流れ模様塗装金属板の製造方法によって好
適に実施することができる。
【0031】すなわち、本発明の流れ模様塗装金属板の
製造方法は、ロールコーターの塗布ロールを金属基板の
搬送方向に対して順方向に回転させて、高粘度の塩化ビ
ニル樹脂塗料組成物を塗布した後、焼き付けることによ
り行うものである。
【0032】ロールコーターとしては、鮮明な流れ模様
を得るために、ナチュラルコーター(ダイレクトコータ
ー)であることが好ましい。塗布ロールは、塩化ビニル
樹脂塗料組成物を金属基板に塗布するものである。本発
明において、塗布ロールは、金属基板の搬送方向に対し
て順方向に回転させる。金属基板の搬送方向に対して逆
方向であると、単調な縞模様となり、変化に富んだ流れ
模様が形成されないからである。
【0033】塩化ビニル樹脂塗料組成物としては、上述
した本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成物が好適で
ある。
【0034】本発明において、金属基板の搬送速度a及
び塗布ロールの周速bは、0.8×a≦b≦1.2×a
の関係を満たすものである。塗布ロールの周速bが、
0.8×a未満であっても、1.2×aを超えても、金
属基板の搬送速度aと塗布ロールの周速bとの間にずれ
が生じ、鮮明な凹凸のある流れ模様を形成することがで
きない。なお、金属基板の搬送速度aは通常、30〜6
0m/秒である。
【0035】上述のようにして得られた塗装金属板の流
れ模様は、その塗膜の平均膜厚が100〜500μmで
あることが好ましい。平均膜厚は、下記式; x=M/ρ 〔式中、xは、平均膜厚(μm)であり、Mは、塗料組
成物の平均付着量(g/m2 )であり、ρは、塗膜の密
度(g/cm3 )である。〕により求めることができ
る。上記平均膜厚が100μm未満であると、耐食性及
び耐候性が不充分となり、500μmを超えると、経済
性及び塗装金属板の加工作業性が悪くなる。より好まし
くは、150〜250μmである。平均膜厚は、上記ロ
ールコーターのピックアップロールの周速等によって適
宜調整することができる。
【0036】塗装金属板に形成される流れ模様は、その
塗膜の凹部の膜厚が40μm以上であることが好まし
い。40μm未満であると、塗膜の減耗(エロージョ
ン)の影響を受けることとなり、耐久性が低下する。
【0037】本発明の流れ模様塗装金属板の製造方法に
おいては、塗布ロールによって、金属基板に塩化ビニル
樹脂塗料組成物を転写する段階において、塗布ロールと
塩化ビニル樹脂塗料組成物との相互作用により、意匠性
の高い流れ模様を形成することが可能となる。そして、
金属基板と塗布ロールとの間のギャップは、優れた意匠
性を有する流れ模様を形成するうえで一定の範囲内であ
ることが好ましい。これは、塗布ロールと金属板との接
触−分離の段階において、流れ模様を形成させるための
適切な力が発現される必要があるためであると考えられ
る。
【0038】金属基板と塗布ロールとの間のギャップの
大きさは、塗装塗膜の平均膜厚を超え、かつ、平均膜厚
の2倍未満であることが好ましい。ギャップの大きさが
塗装塗膜の平均膜厚以下であると、起伏のない凹凸模様
となり、鮮明性が劣る。また、平均膜厚の2倍以上であ
ると、塗料組成物の金属基板への転写が不充分となり、
所定の塗膜を形成することができなくなり、形成される
流れ模様が、ほとんど直線的なものとなり、意匠性の高
い枝分かれのある模様を得ることが困難となる。
【0039】塗装基板の焼き付け温度は、板温が160
〜240℃となる温度であることが好ましい。160℃
未満であると、焼き付けが不充分となり、240℃を超
えると、塩化ビニル樹脂の熱分解が促進される。より好
ましくは、180〜220℃℃である。
【0040】本発明の流れ模様塗装金属基板の製造方法
において、上記焼き付けの後、必要があれば、直ちにエ
ンボス加工を施して、塗膜に模様を付与することができ
る。上記エンボス加工を施すことによって、模様全体と
して光輝感の均一化を図ることができ、かつ、凸部がエ
ンボスロールによって押さえられるので膜厚を均一にす
ることもできる。従って、得られる塗装金属板は、特殊
な成型加工を行っても、密着性が低下することがなく、
金属基板から塗膜が剥がれることがない。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に本発明の流れ模様塗装金属
板の製造方法について、図面を参照しながら説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】本発明の流れ模様塗装金属板の製造方法の
実施の一形態を図1に示す。塗料組成物1は、まず、ピ
ックアップロール2によって塗料パン8から取り出さ
れ、塗布ロール4に転写される。ドクターロール3は、
必要に応じて使用する。
【0043】塗布ロール4は、周速bで回転しており、
バックアップロール5によって搬送される金属基板6に
塗料組成物1を転写する。このとき、金属基板6の搬送
速度はaであり、塗布ロール4の周速bは、例えば、
0.8×a≦b≦1.2×aの範囲で設定されている。
【0044】塗布ロール4と金属基板6との間のギャッ
プ7は、上述したように、優れた意匠性を有する流れ模
様を形成するために、必要とする塗膜の平均膜厚からそ
の2倍までの大きさの範囲内で設定されている。例え
ば、必要とする平均膜厚が200μmである場合には、
ギャップ7は、200μmを超え400μm未満である
ことが好ましい。
【0045】塗布ロール4によって塗料組成物1が転写
された金属基板6は、図1の矢印の方向に搬送され、乾
燥、焼き付け及び冷却の工程(図示せず)を経て、塗装
金属板とすることができる。焼き付けの工程を経た塗装
金属板は、直ちにエンボスロールを用いたエンボス加工
を施すことができる。
【0046】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0047】実施例1〜7、比較例1〜8 表1及び表2に示した配合組成に従って、塩化ビニル樹
脂、可塑剤、アルミニウム粉末、着色顔料及びシリカ粉
末を配合し、塗料組成物を得た。りん酸亜鉛処理を施し
た0.27mm厚の亜鉛めっき鋼板に、エポキシ変性ア
クリル樹脂系下塗塗料(VS1600Pr、日本ペイン
ト社製)を、膜厚5μmとなるように塗装し、210℃
で焼き付けた。その上に、得られた塗料組成物を塗装
し、205℃で焼き付けた。塗装は、図1に示したロー
ルコーターにより行った。鋼板の搬送速度は、40m/
秒とした。塗布ロールの周速及び塗布ロールと鋼板との
間のギャップは、表1及び表2に従って設定した。表1
及び表2中、塗布ロールの周速は、鋼板の搬送速度aに
対する速度で表し、ギャップは、所望の平均膜厚xに対
する大きさで表した。
【0048】得られた各塗料組成物の粘度及びチクソト
ロピックインデックス(TI)を測定した。塗料粘度の測定 JIS K 5400 4.5.3に従って、BM型粘
度計を使用し、4号ローター、30rpmでの粘度を測
定した。結果を表1に示した。TIの測定 塗料粘度の測定と同様にして、4号ローター、30rp
mでの粘度及び4号ローター、60rpmでの粘度を測
定し、(30rpmでの粘度)/(60rpmでの粘
度)を算出した。結果を表1に示した。
【0049】得られた塗装鋼板の光輝感、模様性、作業
性及び耐久性を判定した。光輝感 メタリック感を以下の判定基準に従って目視で判定し
た。結果を表1に示した。 ◎:メタリック調の縞模様が明瞭である ○:メタリック調の縞模様がある △:メタリック調の縞模様がわずかにある ×:メタリック調の縞模様がない模様性 流れ模様を図2の模様パターンをもとに目視で判定し
た。結果を表1に示した。 ◎:〔a〕パターンである ○:〔a〕パターンであるが起伏が少ない △:〔b〕パターンである ×:〔b〕パターンであり、かつ、起伏がない
【0050】作業性 塗装初期と塗装経時で諸性能が変化するか否かを確認し
た。結果を表1に示した。 ○:変化なし(光輝性、模様性が安定している) △:変化あり ×:塗れない
【0051】耐久性 JIS D 2050に基づくDew Cycle試験
(2000時間)を行い、流れ模様の外観及び密着性を
判定した。但し、ブラックパネル温度は83℃で行っ
た。結果を表1に示した。密着性は、JIS K 54
00 8.5.3に基づいて判定した。外観は、JIS
K 5400 9.7.1に基づいて判定した。 ◎:外観の劣化及び密着性の低下なし ○:外観の劣化は少しあるが密着性の低下なし △:外観の劣化はあるが密着性の低下なし ×:外観の劣化及び密着性の低下がある
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表1及び表2中、各成分は以下のとおりで
ある。 塩化ビニル樹脂:新第一塩ビ社製 可塑剤:花王石鹸社製 アルミニウム粉末:東洋アルミニウム社製 着色顔料:石原産業社製 シリカ粉末:富士シリカ社製
【0055】表1より、実施例1〜5の塗料組成物は、
模様性に優れた鮮明な流れ模様を形成することができる
ものであるので、優れた意匠性を有する塗膜が形成され
ていることが判った。また、耐久性も優れていた。一
方、比較例1〜6の塗料組成物は、各組成の配合量が本
発明で規定するものではないので、実施例1〜5と塗装
条件が同一であっても、得られる塗膜の耐久性が不充分
であったり、鮮明な流れ模様が形成されなかったことが
判った。
【0056】表2より、実施例6〜8においては、塗装
ロールの周速や塗装ロールと鋼板との間のギャップの大
きさが本発明で規定する適切な条件で塗装を行っている
ので、高い意匠性を有する塗膜が形成されていることが
判った。一方、比較例7〜9では、塗装条件が本発明で
規定する条件ではないので、塗料組成物自体の性質であ
る耐久性は良好であっても、模様の鮮明さや光輝感が得
られないことが判った。
【0057】
【発明の効果】本発明の流れ模様塗装金属板用塗料組成
物及び流れ模様塗装金属板の製造方法は、上述のとおり
であるので、亜鉛めっき鋼板やアルミニウム亜鉛合金め
っき鋼板等の金属基板に意匠性の高い流れ模様の塗膜を
形成することができ、内装用の建材に好適に適用するこ
とができる。また、上記流れ模様の塗膜は、耐久性及び
密着性も優れているので、上記塗膜で被覆された塗装金
属板は、内装用の建材としてだけではなく、外装用の建
材としても好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流れ模様塗装金属板の製造方法の一実
施形態を表す概念図である。
【図2】流れ模様のパターンを表す図である。〔a〕パ
ターンは、枝分かれが多く意匠性の高い流れ模様であ
り、〔b〕パターンは、枝分かれがなく単調な流れ模様
である。
【符号の説明】
1 塗料組成物 2 ピックアップロール 3 ドクターロール 4 塗布ロール 5 バックアップロール 6 金属基板 7 ギャップ 8 塗料パン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 邦夫 大阪府大阪市北区大淀北2丁目1番2号 日本ペイント株式会社大阪事業所内 (72)発明者 大島 和美 大阪府大阪市北区大淀北2丁目1番2号 日本ペイント株式会社大阪事業所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂100重量部に対して、
    可塑剤30〜100重量部、金属粉末0.1〜15重量
    部及び着色顔料0.1〜30重量部を含有し、粘度が、
    2000〜8000cpsであり、チクソトロピックイ
    ンデックス(TI)が、1.5〜3.0である流れ模様
    塗装金属板用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 金属粉末の配合量A及び着色顔料の配合
    量B(重量比)が、A/B=1/1.3〜1/20であ
    って、かつ、A×0.6+B≧10の関係を満たす請求
    項1記載の流れ模様塗装金属板用塗料組成物。
  3. 【請求項3】 ロールコーターにより、粘度が1000
    〜10000cpsであり、かつ、チクソトロピックイ
    ンデックス(TI)が1.5〜3.0である塩化ビニル
    樹脂塗料組成物を金属基板に塗布した後、焼き付けて流
    れ模様塗装金属板を製造する方法であって、前記ロール
    コーターの塗布ロールは、前記金属基板の搬送方向に対
    して順方向に回転させるものであり、前記金属基板の搬
    送速度a及び前記塗布ロールの周速bが、0.8×a≦
    b≦1.2×aの関係を満たす流れ模様塗装金属板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 粘度が1000〜10000cpsであ
    り、かつ、チクソトロピックインデックス(TI)が
    1.5〜3.0である塩化ビニル樹脂塗料組成物が、請
    求項1又は2記載の流れ模様塗装金属板用塗料組成物で
    ある請求項3記載の流れ模様塗装金属板の製造方法。
  5. 【請求項5】 流れ模様塗装塗膜の平均膜厚が、100
    〜500μmである請求項3又は4記載の流れ模様塗装
    金属板の製造方法。
  6. 【請求項6】 流れ模様塗装塗膜の凹部の膜厚が、40
    μm以上である請求項3、4又は5記載の流れ模様塗装
    金属板の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属基板と塗布ロールとの間のギャップ
    の大きさが、流れ模様塗装塗膜の平均膜厚を超え、か
    つ、平均膜厚の2倍未満である請求項3、4、5又は6
    記載の流れ模様塗装金属板の製造方法。
  8. 【請求項8】 焼き付けした後、更にエンボス加工を施
    して模様を付与するものである請求項3、4、5、6又
    は7記載の流れ模様塗装金属板の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属基板が、鋼板である請求項3、4、
    5、6、7又は8記載の流れ模様塗装金属板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項3〜9のいずれかに記載の流れ
    模様塗装金属板の製造方法により製造されたことを特徴
    とする流れ模様塗装金属板。
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