JP2745385B2 - フィルム被覆金属板 - Google Patents

フィルム被覆金属板

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JP2745385B2
JP2745385B2 JP6121839A JP12183994A JP2745385B2 JP 2745385 B2 JP2745385 B2 JP 2745385B2 JP 6121839 A JP6121839 A JP 6121839A JP 12183994 A JP12183994 A JP 12183994A JP 2745385 B2 JP2745385 B2 JP 2745385B2
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順朗 桜井
俊英 永井
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株式会社淀川製鋼所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】調理場のレンジフードや台所まわ
りの壁材は、油などの各種の食品で汚れないように(耐
汚染性)、清掃用洗剤に侵されないように(耐薬品
性)、かつ汚れが容易に拭き取りやすいように(非粘着
性)、したものであることが望まれる。本発明は、かか
る耐汚染性、耐薬品性、非粘着性などが要求されるレン
ジフードや台所まわりの内壁材などに用いて好適なフィ
ルム被覆金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の樹脂被覆金属板として、フッ化
ビニリデン樹脂からなる着色塗料を板表面にロール塗装
法などで塗装し、金属板の表面にフッ素樹脂塗膜を形成
したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の従来例で
は、塗装焼き付け乾燥時に塗料中の溶剤が蒸発すること
に伴い、その塗膜がポーラスになり、塗膜表面に汚れが
つきやすくて耐汚染性、耐薬品性および非粘着性に問題
があった。
【0004】そこで本発明の目的は、金属板表面にフッ
素樹脂を塗装する形式に代えて、フッ素樹脂フィルムを
接着剤で貼り付ける形式とし、以て耐汚染性、耐薬品性
および非粘着性が大幅に改質されたフィルム被覆金属板
を得るにある。本発明の目的は、レンジフードや台所ま
わりの壁面など油分その他の類が付着しやすい内装材に
用いて好適なフィルム被覆金属板を得るにある。本発明
の目的は、曲げ加工性にも優れたフィルム被覆金属板を
得るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のフィルム被覆金
属板は、図1に示すごとく、化成処理された金属板1の
表面に、着色顔料を含む着色樹脂塗膜層3が形成されて
おり、この着色樹脂塗膜層3上に、接着剤層5を介して
5〜30μm厚の透明なフッ素樹脂フィルム6が貼り付
けられていることを特徴とする。
【0006】更に具体的には、前記金属板1の表面に、
防錆顔料入りのプライマー層2、ついで着色樹脂塗膜層
3を順に塗布形成し、この着色樹脂塗膜層3上に印刷層
4を形成したうえで、この印刷層4を覆う状態で着色樹
脂塗膜層3上に接着剤層5を介して5〜30μm厚の透
明な四フッ化系のフッ素樹脂フィルム6を貼り付ける。
この場合、フッ素樹脂フィルム6を通して着色樹脂塗膜
層3を背景にして印刷層4の模様を見ることになるが、
該フィルム6は半透明状態でもよい。図1において、符
合7は金属板1の裏面に必要に応じて塗布形成した裏面
塗膜層を示す。なお、金属板1の裏面は、好ましくは前
述の表面側と同一断面構造にすることができる。
【0007】
【作用】金属板1としては亜鉛めっき鋼板、A1−Zn
合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミ板などを用い
ることができる。この金属板の化成処理には、クロム酸
処理、リン酸塩処理などがある。プライマー層2は、防
錆顔料としてストロンチウムクロメートを不揮発樹脂成
分中に5〜70重量%配合したエポキシ樹脂またはポリ
エステル樹脂主成分の塗料を調整し、この塗料をロール
塗装して焼き付け乾燥することにより5〜8μmの乾燥
厚に形成する。防錆顔料の配合割合に関しては、5重量
%を下回ると耐食性効果が無くなり、70重量%を上回
ると塗装性が悪くなるので5〜70重量%とする。
【0008】このプライマー層2上に着色樹脂塗膜層3
を塗布形成する。着色樹脂塗膜層3はプライマー層2を
省略して金属板1の表面に直接に塗布形成してもよい。
いずれにせよ、着色樹脂塗膜層3は、塗料固形分中に着
色顔料を10〜60重量%配合したポリエステル樹脂主
成分の塗料を調整し、この塗料をロール塗装して焼き付
け乾燥することにより10〜30μmの乾燥厚に形成す
ることができる。着色樹脂塗膜層3上には、木目等の図
柄模様が印刷された印刷層4を形成する。その印刷イン
キとしては、例えばアルキッド系、エポキシ系、ポリエ
ステル系のインキを用いることができる。
【0009】接着剤層4はポリエステル系、アクリル
系、エポキシ系などの透明又は半透明の接着剤を用い、
これを3〜15g/m2の割合で着色樹脂塗膜層3上にロ
ール塗装して焼き付け乾燥することにより3〜15μm
の乾燥厚に形成する。
【0010】透明のフッ素樹脂フィルム6は、接着剤層
5を焼き付け処理した後の高温状態のときに、一対のロ
ール間に通して接着剤層5に圧着させることにより接着
する。フッ素樹脂フィルム6としては、例えばフッ化ビ
ニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、三フッ化塩化エチレ
ン樹脂、三フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、四フ
ッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン
・六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン・
パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂、四フッ化
エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
樹脂、四フッ化エチレン樹脂などが使用される。これら
のうち四フッ化系のフッ素樹脂フィルムが耐汚染性、耐
薬品性および非粘着性に優れているので、用いて好適で
ある。
【0011】フッ素樹脂フィルム6の厚さを5〜30μ
mにしたのは、5μmを下回ると本来の耐汚染性や耐薬
品性の機能が不十分になるうえに、ラミネート時にしわ
付きが発生しやすくなり、かつ均一な厚さに製造するこ
とが困難になる一方、30μmを上回ると加工性が低下
するとともに、耐汚染性や耐薬品性の機能からみたとき
十分に過ぎてコストアップとなるからである。
【0012】
【発明の効果】本発明に係るフィルム被覆金属板によれ
ば、金属板1の表面に着色樹脂塗膜層3を形成し、この
着色樹脂塗膜層3上に透明のフッ素樹脂フィルム6が接
着剤層5を介して接着されているので、フッ素樹脂塗膜
が塗布形成されていた従来形式と異なり、製造時に該フ
ィルム6がポーラス状にならず耐汚染性、耐薬品性に優
れ、サラダ油や醤油およびソースなどの食品に対しての
非粘着性にも優れている。しかも、フッ素樹脂フィルム
6が四フッ化系のフッ素樹脂からなるときは、とくに耐
汚染性、耐薬品性、非粘着性にも優れる。従って、油分
で汚れやすいレンジフードや台所まわりの内装材に適用
したとき、とくに有意義である。
【0013】本発明のフッ素樹脂フィルム6は、これ自
体を透明にし、該フィルム6を透して着色樹脂塗膜層3
を見ることにより、着色による装飾性を図っている。着
色樹脂塗膜層3上に木目模様などを入れた印刷層4が形
成されているときは、着色樹脂塗膜層3の色を地色とし
て印刷層4の図柄模様を見ることになる。このことは、
金属板1の外表面に着色フィルムをラミネートした形態
の場合、色違いの着色フィルムを多数用意して在庫して
おかなければならず、在庫管理が煩わしく、着色フィル
ムの膜厚も大きくして金属板1の色などが透けないよう
にマスキングする必要を生じるが、本発明では5〜30
μmの範囲内で薄い同一膜厚の透明なフッ素樹脂フィル
ム6を用意しておくだけで足り、該フィルム6の在庫管
理も楽に行えて全体に製作コストの低減化を図れること
につながる。装飾のための色替えは着色樹脂塗膜層3の
着色顔料を変えるだけでよいから、これにもよく対応で
きる。
【0014】(実施例1)図1を参照して説明すると、
亜鉛めっき鋼板1に化成処理を施し、この化成処理層
(図示せず)上に防錆顔料入りのポリエステル樹脂プラ
イマーを塗装して焼き付け乾燥することにより5μm厚
のプライマー層2を形成し、このプライマー層2上に着
色顔料を配合したポリエステル樹脂塗料を塗装して焼き
付け乾燥することにより15μm厚の着色樹脂塗膜層3
を形成し、この着色樹脂塗膜層3上にポリエステル系接
着剤を8g/m2の割合で塗布して焼き付けすることによ
り透明の接着剤層5を形成し、この接着剤層5上に21
μm厚の透明なETFE(エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体)フィルム6を圧着して貼り付け、図1
に示す断面構造のフィルム被覆金属板をつくった。
【0015】(実施例2)ETFEフィルム6に代え
て、21μm厚の透明なPFA(エチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体)フィルム6を積層
した以外は、実施例1と同様にしてフィルム被覆金属板
をつくった。
【0016】(比較例)亜鉛めっき鋼板に化成処理を施
し、この化成処理層上に防錆顔料入りのポリエステル樹
脂塗料を塗装して焼き付け乾燥することにより5μm厚
のプライマー層を形成し、このプライマー層上に着色し
たフッ化ビニリデン樹脂塗料を塗装して焼き付け乾燥す
ることにより20μm厚の着色樹脂塗膜層をこれが最外
層となるように形成した塗装金属板をつくった。
【0017】かくして得た実施例1・2および比較例の
試験片について次の通り各種のテストを行った。 (1)耐汚染性テスト 刷毛で各試験片に20%カーボン懸濁液を塗り、60℃
の恒温雰囲気下で1時間乾燥させたのち、水洗いしてカ
ーボン汚染の程度を目視観察した。各試験片に青、赤、
黒の油性インキを塗り、ガーゼで拭き取った後のインキ
汚染の程度を目視観察した。更に各試験片について、屋
外で4か月間曝露試験を行い、表面の汚れを目視観察し
た。そのテスト結果を次の表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】○印は汚染なし、△印は軽度の汚染あり、
×印は汚染ありを示す。 上記の表1より本発明の各実施例では、比較例とは異な
りフィルム表面に汚れが染み付かず、汚れが容易に拭き
落とせることが確認できた。
【0020】(2)各種食品の非粘着性テスト 各試験片の平面部及びクロスカット部に洋カラシ、ソー
ス、酢、コーヒーをそれぞれ塗布し、60℃、80℃、
100℃、120℃の恒温雰囲気下で1時間乾燥後に、
水洗いして汚染の程度を目視観察した。その結果を次の
表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】○印は汚染なし、△印は軽度の汚染あり、
×印は汚染ありを示す。 上記の表2により本発明の各実施例は非粘着性に優れて
おり、比較例に問題があることを確認できた。
【0023】(3)耐薬品性テスト 10重量%の硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液をそ
れぞれつくり、各試験片を各薬液中に40℃で24時間
浸したのち、水洗いして表面の状態を目視観察した。そ
の結果は次の表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】この表3より本発明の各実施例では、艶む
らがなく剥離や割れの発生も認められず、異常を認め得
なかった。なお、比較例においては、艶むら(△印)が
認められた。
【0026】(4)加工性テスト 20℃と5℃との各雰囲気下で万力を使用して各試験片
に180°の曲げ加工をOTで加え、その曲げ加工部に
クラックがあるかなしかを目視観察した。その結果を次
の表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】この表4より、本発明の各実施例1・2は
比較例に比べて曲げ加工性にも優れていることが確認で
きた。因に比較例では20℃のとき4Tでクラックな
し、5℃のとき7Tでクラックなしの状態となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るフィルム被覆金属板の断面
図である。
【符号の説明】
1 化成処理された金属板 2 プライマー層 3 着色樹脂塗膜層 4 印刷層 5 接着剤層 6 フッ素樹脂フィルム

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化成処理された金属板1の表面に、防錆
    顔料入りのプライマー層2、ついで10〜30μm厚の
    着色樹脂塗膜層3が順に塗布形成されており、 この着色樹脂塗膜層3上に、透明の接着剤層5を介して
    5〜30μm厚の透明なフッ素樹脂フィルム6が貼り付
    けられているフィルム被覆金属板。
  2. 【請求項2】 化成処理された金属板1の表面に、着色
    顔料を含む着色樹脂塗膜層3が塗布形成されており、 この着色樹脂塗膜層3上に、印刷層4が形成されてお
    り、 この印刷層4上に 接着剤層5を介して5〜30μm厚の
    透明なフッ素樹脂フィルム6が貼り付けられているフィ
    ルム被覆金属板。
  3. 【請求項3】 化成処理された金属板1の表面に、防錆
    顔料入りのプライマー層2、ついで着色樹脂塗膜層3が
    順に塗布形成されており、 この着色樹脂塗膜層3上に、印刷層4が形成されてお
    り、 この印刷層4上に接着剤層5を介して5〜30μm厚の
    透明なフッ素樹脂フィルム6が貼り付けられているフィ
    ルム被覆金属板。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂フィルム6が、四フッ化系の
    フッ素樹脂フィルムである請求項1又は2又は3記載の
    フィルム被覆金属板
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KR100867186B1 (ko) * 2006-01-25 2008-11-06 주식회사 엘지화학 표면 장식층이 형성된 인조 싱크볼 또는 세면기볼 및 그제조방법

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JPH03175026A (ja) * 1989-09-19 1991-07-30 Kasei Naoetsu:Kk 塑性加工用金属板及びその製造方法
JPH04175158A (ja) * 1990-06-11 1992-06-23 Sumitomo Metal Ind Ltd ラミネート鋼板

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