JP3636531B2 - コーティング製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素樹脂を含む下塗り層、中塗り層および上塗り層の少なくとも3層からなる塗層と平滑な表面を有する基体との密着性が長期間にわたって優れ、マークや模様を施した場合にもその鮮明性を長期間にわたって保持しうるコーティング製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属表面にテトラフルオロエチレン重合体などのフッ素樹脂が分散した水系塗料を塗装したコーティング製品は、フライパン、鍋、ホットプレートといった厨房製品などに汎用されている。しかし、フッ素樹脂は非粘着性、耐薬品性、耐熱性などに優れるが、他の物質との親和性が低いため、金属表面に直接フッ素樹脂を塗装することは困難であった。したがって、従来は、金属表面とフッ素樹脂塗層との密着性を向上させるため、金属表面をブラスト、エッチングなどにより粗面化してフッ素樹脂が分散した水系塗料を塗装している。
【0003】
しかし、塗層の表面も金属表面を反映して凹凸状となっており、鮮明なマークや模様を施しえなかった。本発明者らは、先にフッ素樹脂を主成分とするスクリーンプリント用インキを提案(特開平3−217470)したが、これによる平滑な金属表面との長期間の密着耐久性は不充分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基体表面、例えば平滑な金属表面、の上にフッ素樹脂を含有する塗料を塗装して得られる、積層体と基体表面との長期間の密着耐久性に優れるコーティング製品の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、下塗り塗料に基体と良好な密着性を有する芳香族系樹脂を配合して下塗り層に接着性を持たせることにより、フッ素樹脂を含む塗層からなる積層体と基体との長期間の密着性を維持できることを見出した。また、中塗り塗料、上塗り塗料には芳香族系樹脂を添加しなくても、中塗り塗料にマークや模様を表示するため無機質顔料を添加することにより、着色された中塗り層は下塗り層と良好な密着性を有すること、上塗り層は中塗り層と良好な密着性を有することを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、表面粗さRaが0.1μm以下である表面の平滑な基体に、フッ素樹脂と芳香族系樹脂を含み粘度が20〜500000ポイズの下塗り塗料を塗装して得られた下塗り層と、フッ素樹脂と無機質顔料を含み粘度が20〜500000ポイズの中塗り塗料を塗装して得られた中塗り層と、フッ素樹脂を含み粘度が20〜500000ポイズの上塗り塗料を塗装して得られた上塗り層の少なくとも3層を有するコーティング製品である。
【0007】
本発明では、下塗り塗料、中塗り塗料および上塗り塗料から選ばれる少なくともいずれかが一次密着剤および/または流動化剤を含むことが好ましい。すなわち、塗装時の塗料の適正な流動性を発現するために流動化剤を、塗装後の適正塗層厚さを確保するための適正塗料粘度、および、予備乾燥後の形状維持と基体表面との密着性を確保するために一次密着剤を塗料に添加することが好ましい。
【0008】
本発明に用いられるフッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなどのフルオロオレフィンの重合体、または、フルオロオレフィンとフルオロオレフィンと共重合可能なモノマーとの共重合体である。具体的には、以下のものが好ましく採用される。
【0009】
テトラフルオロエチレン重合体(以下、PTFEとする)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以下、PFAとする)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(以下、ETFEとする)、クロロトリフルオロエチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン/エチレン共重合体、フッ化ビニリデン重合体、フッ化ビニル重合体など。
【0010】
塗料製造においてこれらのフッ素樹脂を良好に分散させるために、粉末状のフッ素樹脂を用いるのが好ましい。フッ素樹脂粉末の平均粒径は0.1〜40μmが好ましい。平均粒径が小さすぎると溶剤中での粒子の表面積が増大するため分散しにくくなり、また、チクソ性が増大して塗装が困難となる。平均粒径が大きすぎると平滑な塗層表面が得られず、また、スクリーン塗装の際にスクリーンが目詰まりする。
【0011】
芳香族系樹脂は、主鎖にベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環を含む熱可塑性樹脂であることが好ましく、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂(以下、PAIとする)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂(以下、PESとする)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPSとする)、ポリオキシベンゾイル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリケトンスルフィド樹脂などが好ましく採用される。
【0012】
下塗り塗料中のフッ素樹脂と芳香族系樹脂の配合比率は10/90〜90/10(重量%)、特に10/90〜50/50(重量%)、が好ましい。フッ素樹脂が10重量%未満では中塗り層との充分な密着性が得にくく、芳香族系樹脂が10重量%未満では基体表面、特には金属表面、との充分な密着性が得にくい。
【0013】
中塗り塗料中のフッ素樹脂と無機質顔料の配合比率は5/95〜95/5(重量%)、特に40/60〜90/10(重量%)、が好ましい。フッ素樹脂が5重量%未満では下塗り層および上塗り層との間の密着性が損なわれ、無機質顔料が5重量%未満では着色が困難となる。
【0014】
一次密着剤は、塗料にチクソ性を付与し、かつ、予備乾燥後の密着性を付与するものであり、塗膜の焼成段階では必要なく、残存すると逆に密着性を損なう。このため、一次密着剤は、焼成時に炭化することなく熱分解して低分子量化し、揮散するものが好ましい。炭化は焼成された塗層の色調や密着性を損なう。具体的にはポリイソブチルメタクリレート、ポリt−ブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートなどのメタクリル樹脂が採用される。
【0015】
塗料中にフッ素樹脂粉末を均一に分散するため、または、芳香族系樹脂、一次密着剤、流動化剤を溶解するため、各塗料には、通常、溶剤が添加される。一次密着剤の使用量は、溶剤に対して0.1〜60重量%、特に0.1〜30重量%、が好ましい。上記使用量とすると、各塗料に適正なチクソ性が付与されて良好な塗層が得られ、また、積層体(上塗り層、中塗り層、下塗り層の少なくとも3層からなる塗層)の形状が保持され鮮明なマークや模様が得られる。
【0016】
流動化剤は、塗装時に塗料に剪断力が加わった際に塗料の適正な流動性を発現させるために用いられる。流動化剤は、焼成時に炭化して残存することなく熱分解、揮散するものが好ましく、セルロース系樹脂、ビニルアルコール樹脂(例えばポリビニルアルコール)、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。セルロース系樹脂の好ましい具体例としてはメチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース、プロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
【0017】
流動化剤の使用量は、溶剤に対して0.1〜40重量%、特に0.1〜20重量%、が好ましい。0.1重量%未満では、良好な流動性が得にくく、40重量%超では流動性が阻害され鮮明なマークや模様が得にくい。
【0018】
前述のように、塗料中にフッ素樹脂粉末を均一に分散するため、または、芳香族系樹脂、一次密着剤、流動化剤を溶解するため、焼成時に蒸発や熱分解して揮散するような溶剤が塗料に添加される。溶剤の具体例として、グリコールエーテル類やグリコールエステル類等が挙げられ、以下のものが好ましく採用される。
【0019】
エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールジブチルエーテル、
エチレングリコールモノアセテート、
エチレングリコールモノプロピオネート、
エチレングリコールジアセテート、
エチレングリコールジプロピオネート、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールモノアセテート、
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなど。
【0020】
また、その他α−テルピネオール(α,α,4−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール)、パインオイル、N−メチル−2−ピロリドン、メチルイソブチルケトン、ブチルアセテート、エチルアセテート、イソホロンなども好ましく採用される。
【0021】
無機質顔料としては、白色顔料としてTiO2 系、ZnO系、ZnS系、青色顔料としてCoO・Al23 系、3NaAlSiO4 ・Na22 系、黒色顔料としてFe34 系、CuO・Cr23 系、赤色顔料としてFe23 系、黄色顔料としてTiO2 系、Fe23 ・SiO2 ・Al23 系、褐色顔料としてFe23 系、紫色顔料としてCo3 (PO42 系が用いられる。その他、体質顔料としてCaCO3 系、CaSO4 系、MgO・SiO2 系、SiO2 系、Al23 系、シルバーマイカとしてAl23 ・SiO2 系、蛍光顔料としてZn2 SiO4 系、ZnS系、なども用いられる。
【0022】
本発明における塗料の塗装方法としては、スクリーン塗装、エアドクタ塗装、ブレード塗装、ロッド塗装、ナイフ塗装、パッド塗装、スクイズ塗装、含浸塗装、リバースロール塗装、トランスファロール塗装、グラビア塗装、キスロール塗装、キャスト塗装、スプレイ塗装、カーテン塗装、カレンダ塗装などを採用できる。特に、スクリーン塗装を採用することにより、本発明における高粘度の塗料を塗装して得られる塗層が厚く、被覆力の大きい鮮明な積層体が容易に得られる。また、スクリーン塗装は他の塗装と比べ簡単な設備でよく、本発明における塗料の塗装に好ましく採用される。
【0023】
これらの塗装により、1〜100μmの厚さを有しエッジ部のくずれのない鮮明な積層体を得るため、本発明における上塗り、中塗り、下塗りの各塗料は、いずれも粘度を20〜500000ポイズとする。20ポイズ未満では塗料が流動しすぎ鮮明な画像は得られず、500000ポイズ超では粘度が高すぎ塗装できない。幅広く使われている一般的な、例えば、PTFE水系塗料は粘度が低すぎて使用できない。下塗り、中塗り、上塗りの各塗装回数はそれぞれ最低1回であり、必要に応じて複数回塗装できる。
【0024】
本発明における各塗料には、フッ素樹脂粉末の分散を向上させるため、界面活性剤を必要に応じて添加できる。また、各塗料中の樹脂成分の自動酸化防止のために酸化防止剤を加えてもよい。さらに、粘度調整剤、分散安定剤、などの各種添加剤を配合できる。
【0025】
上記の構成を有する物質の組み合わせからなり、適正な粘度、チクソ性、流動性を有する各塗料を金属などの基体の表面に塗装して得られる積層体は、基体表面と長期間の密着性を有し、鮮明なマークや模様を施しうる。
【0026】
すなわち、下塗り塗装された下塗り塗料を焼成すると、まず溶剤が揮散し、ついで、一次密着剤、流動化剤の樹脂成分が熱分解し、さらに、芳香族系樹脂やフッ素樹脂が溶融して、基体表面、例えば金属表面、と強固に密着した下塗り層が得られる。基体としては、任意の金属が採用できる。本発明においては、基体として平滑な基体を採用できる。基体の表面平滑性については、例えば表面粗さRa が0.1μm以下であっても、本発明を適用できる。また、平滑な基体を採用することにより、塗層表面も平滑になり、さらにはマークや模様を鮮明に施しうる。基体としては、具体的には、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、亜鉛メッキ鋼板などが採用できる。
【0027】
この下塗り層の上に中塗り塗料を塗装し、また、その上に上塗り塗料を塗装し焼成することにより、中塗り塗料は下塗り塗料と同じくまず溶剤が揮散し、ついで、一次密着剤、流動化剤の樹脂成分が熱分解し、フッ素樹脂が溶融して無機質顔料とともに下塗層と密着した中塗り層が、同じく上塗り塗装された塗料は中塗り層と密着した上塗り層が得られる。
【0028】
こうして得られる積層体を設けたコーティング製品は、従来のフッ素樹脂塗料を塗装した製品に比べ、積層体の表面が鮮映であり、長期の密着性に優れる。したがって、レンジフードやガステーブルなどキッチン廻りに代表される、熱を受け、または、油汚れの生じる箇所に好ましく採用される。
【0029】
本発明のコーティング製品が採用される具体的な製品としては、以下のものが挙げられる。
【0030】
ガステーブル、レンジフード、換気扇ボディー、換気扇ファン、厨房用壁材、オーブン内壁、オーブンボディー、オーブントースター内壁およびボディー、電子レンジボディーおよび内壁、フライパン、ホットプレート、炊飯器内釜、ケーキ型、ボール、ホームベーカリー用品、鍋、もちつき器、ガス給湯器ボディー、浄水器ボディー、食器乾燥機の内外装、ジャーおよびポットのインナー、卓上天ぷら鍋、キッチンナイフ、漬物桶等の台所関連商品やアイロン、照明器の傘および外装、洗濯機の内外装、衣料乾燥機の内外装、扇風機のファン、エアコンの室外機外装、温風ヒーターの内外装およびファン、オーディオパネルなどの家電製品、プリント基板等の電子部品、ブラインド、パーティション、スチール家具、事務機器、装飾具、サニタリー内装、トイレタリー内装等のインテリア製品、外壁材、屋根材、フェンス、門扉、郵便ポスト、雨樋、天幕、シャッター、ガードレール、道路標識、船舶内装、屋外広告物、物干し竿、給水タンク、燃料タンク、車輌、モニュメント、オブジェなどの屋外商品。
【0031】
【実施例】
以下、実施例(例1〜10)および比較例(例11〜12)によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されない。
【0032】
[オイルの調製]
ジエチレングリコールジブチルエーテル44gとα−テルピネオール44gとの混合溶媒にエチルセルロース11gとポリイソブチルメタクリレート1gとを80℃にて溶解してオイルを作成した。
【0033】
[下塗り塗料の調製]
表1に示す種類・量のフッ素樹脂の粉末、芳香族系樹脂の粉末と表1に示す量(単位:g)のオイルをあらかじめよく混練後、三本ロールを2回通して下塗り塗料B1 〜B5 とした。得られた下塗り塗料の常温での粘度(単位:ポイズ)も記した。
【0034】
【表1】
Figure 0003636531
【0035】
表1において、PFAは平均粒径7μmのもの(TW3507、旭硝子製商品名)、ETFEは平均粒径7μmのもの(アフロンLM740、旭硝子製商品名)、PPSは平均粒径14.3μmのもの(フォートロン、呉羽化学工業製商品名)、PESは平均粒径20.1μmのもの(5003P、ICI製商品名)、PAIは平均粒径5.0μmのもの(トーロン、三菱化学製商品名)、である。
【0036】
[中塗り塗料の調製]
表2に示す種類・量のフッ素樹脂の粉末、無機質顔料と表2に示す量(単位:g)のオイルをあらかじめよく混練後、三本ロールを2回通して中塗り塗料M1 〜M8 とした。得られた中塗り塗料の常温での粘度(単位:ポイズ)も記した。
【0037】
【表2】
Figure 0003636531
【0038】
表2において、PFAは平均粒径7μmのもの(JW2000粉砕品、旭硝子製商品名)、PTFEは平均粒径0.2μmのもの(L−170J、旭アイシーアイフロロポリマーズ製商品名)、ETFEは平均粒径7μmのもの(アフロンLM740、旭硝子製商品名)、である。
【0039】
[上塗り塗料の調製]
表3に示す種類・量のフッ素樹脂の粉末と表3に示す量(単位:g)のオイルをあらかじめよく混練後、三本ロールを2回通して上塗り塗料T1 〜T5 とした。得られた上塗り塗料の常温での粘度(単位:ポイズ)も記した。
【0040】
【表3】
Figure 0003636531
【0041】
表3において、PFAは平均粒径7μmのもの(JW2000粉砕品、旭硝子製商品名)[ただし上塗り塗料T3 においては平均粒径30μmのもの(TW3530、旭硝子製商品名)、]、PTFEは平均粒径0.2μmのもの(L−170J、旭アイシーアイフロロポリマーズ製商品名)、ETFEは平均粒径7μmのもの(アフロンLM740、旭硝子製商品名)、である。
【0042】
[例1]
下塗り塗料B1 を120メッシュのスクリーンを通し、表面粗さRa が0.059μmの平滑な鋼板上に全面印刷し、150℃で10分間乾燥後、320℃で6分間焼成し下塗り層を形成した。常温に冷却後、下塗り層の上に中塗り塗料M1 を180メッシュのスクリーンを通し全面印刷し、150℃で10分間乾燥した。常温に冷却後、その上に中塗り塗料M2 を200メッシュのスクリーンを通し砂目模様に印刷し、150℃で10分間乾燥した。
【0043】
さらに、常温に冷却後、その上に上塗り塗料T1 を150メッシュのスクリーンを通し全面塗装し、150℃で10分間乾燥後、380℃で10分間焼成し4層からなる厚さ21μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品は画像鮮明性、耐熱性、非粘着性に優れ、積層体と鋼板との密着性は長期間にわたり優れた性能を示した。
【0044】
なお、密着性試験は下記のようにJIS K−5400に準じて行った。積層体を、すきま間隔1mm、ます目100個の碁盤目状にクロスカットしたコーティング製品を、沸騰水中に1時間浸漬し、乾燥した後粘着テープを貼り、剥がした後の積層体ます目の付着状態を目視観察した。ます目は100個が残留した。また、コーティング製品を塩素系漂白剤原液(家庭用漂白剤商品名、キッチンハイター)に12時間浸漬し、積層体の外観を観察したところ、外観に変化はなかった。これらの試験は、ガステーブル3〜4年使用の促進試験に相当する。
【0045】
[例2]
下塗り塗料B1 の代わりに下塗り塗料B2 を使用した他は例1と同様にして、厚さ20μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品の性能は、例1と同一であった。
【0046】
[例3]
下塗り塗料B1 の代わりに下塗り塗料B3 を使用した他は例1と同様にして、厚さ22μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品の性能は、例1と同一であった。
【0047】
[例4]
中塗り塗料M1 の代わりに中塗り塗料M3 を使用した他は例1と同様にして、厚さ21μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品の性能は、例1と同一であった。
【0048】
[例5]
中塗り塗料M1 の代わりに中塗り塗料M4 を使用した他は例1と同様にして、厚さ20μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品の性能は、例1と同一であった。
【0049】
[例6]
上塗り塗料T1 の代わりに上塗り塗料T2 を使用した他は例1と同様にして、厚さ20μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品の性能は、例1と同一であった。
【0050】
[例7]
上塗り塗料T1 の代わりに上塗り塗料T3 を使用した他は例1と同様にして、厚さ22μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品の性能は、例1と同一であった。
【0051】
[例8]
中塗り塗料M1 の代わりに中塗り塗料M5 を使用し、中塗り塗料M2 の代わりに中塗り塗料M6 を使用し、上塗り塗料T1 の代わりに上塗り塗料T4 を使用した他は例1と同様にして、厚さ22μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品の性能は、例1と同一であった。
【0052】
[例9]
下塗り塗料B4 を150メッシュのスクリーンを通し平滑な鋼板上に全面印刷し150℃で10分間乾燥し、下塗り層を形成した。常温に冷却後、下塗り層の上に中塗り塗料M7 を120メッシュのスクリーンを通し砂目模様に印刷し、150℃で10分間乾燥した。
【0053】
さらにその上に中塗り塗料M8 を150メッシュのスクリーンを通し、細かい砂目模様を印刷し、150℃で10分間乾燥した。最後に上塗り塗料T5 を120メッシュのスクリーンを通し全面印刷し、150℃で10分間乾燥後、350℃で10分間焼成し、4層からなる厚さ22μmの積層体を成形したコーティング製品を得た。コーティング製品は2色印刷による画像鮮明性、耐熱性、非粘着性に優れ、積層体と鋼板との密着性は長期間にわたり優れた性能を示した。
【0054】
[例10]
下塗り塗料B1 の代わりに下塗り塗料B5 を使用した他は例1と同様にして、厚さ23μmの積層体を形成したコーティング製品を得た。コーティング製品の性能は、例1と同一であった。
【0055】
[例11]
上塗り塗料T1 を、150メッシュのスクリーンを通し平滑な鋼板上に全面印刷し、150℃で10分間乾燥後、380℃で10分間焼成し10μmの塗膜厚さを形成したコーティング製品を得た。塗膜と鋼板との密着性は不充分で、クロスカットによる碁盤目状のます目は53個が残留し、塩素系漂白剤原液に12時間浸漬後、塗膜にふくれが生じた。
【0056】
[例12]
常温の粘度が1.2ポイズである水系PTFE系下塗り塗料(ロリアンタルコートプライマーLA4639BK、旭アイシーアイフロロポリマーズ製商品名)を100メッシュのスクリーンを通し平滑な鋼板上に全面印刷した。しかし、塗料が流動しタレが生じた。
【0057】
120℃で10分間乾燥後、320℃で6分間焼成した。常温に冷却後、常温の粘度が1.5ポイズである水系PTFE系中塗り塗料(ロリアンタルコート中塗りLA2039PW、旭アイシーアイフロロポリマーズ製商品名)を150メッシュのスクリーンを通し砂目模様の印刷をしたが、塗料が流動しタレが生じ、砂目模様を形成できなかった。
【0058】
120℃で10分間乾燥後、常温に冷却し、その上に常温の粘度が1.8ポイズである水系PTFE系上塗り塗料(ロリアンタルコート上塗りLA8032PW、旭アイシーアイフロロポリマーズ製商品名)を120メッシュのスクリーンを通し全面印刷した。塗料が流動しタレが生じた。
【0059】
120℃で10分間乾燥後、380℃で10分間焼成した。得られた積層体は砂目模様を形成しておらず、平坦部の厚さが10μmのコーティング製品を得た。積層体と鋼板との密着性は、クロスカットによる碁盤目状のます目は61個が残留し、塩素系漂白剤原液に12時間浸漬後、積層体にふくれが生じた。
【0060】
【発明の効果】
基体表面、例えば平滑な金属表面、にフッ素樹脂と芳香族系樹脂を含有する高粘度の下塗り塗料、フッ素樹脂と無機質顔料を含有する高粘度の中塗り塗料、およびフッ素樹脂を含有する高粘度の上塗り塗料を塗装することにより、下塗り層、中塗り層、上塗り層の少なくとも3層からなる積層体と基体表面との長期間の密着耐久性と表面非粘着性に優れ、さらに、鮮明なマークや模様を施されたコーティング製品が得られる。

Claims (7)

  1. 表面粗さRaが0.1μm以下である表面の平滑な基体に、フッ素樹脂と芳香族系樹脂を含み粘度が20〜500000ポイズの下塗り塗料を塗装して得られた下塗り層と、フッ素樹脂と無機質顔料を含み粘度が20〜500000ポイズの中塗り塗料を塗装して得られた中塗り層と、フッ素樹脂を含み粘度が20〜500000ポイズの上塗り塗料を塗装して得られた上塗り層の少なくとも3層を有するコーティング製品。
  2. 下塗り塗料、中塗り塗料および上塗り塗料から選ばれる少なくともいずれかが一次密着剤および/または流動化剤をさらに含む請求項1のコーティング製品。
  3. フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン/エチレン共重合体、フッ化ビニリデン重合体、フッ化ビニル重合体からなる群から選ばれる請求項1または2のコーティング製品。
  4. 芳香族系樹脂が、主鎖に芳香環を含む熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれかのコーティング製品。
  5. 芳香族系樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオキシベンゾイル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリケトンスルフィド樹脂からなる群から選ばれる請求項4のコーティング製品。
  6. 金属表面に下塗り塗料、中塗り塗料および上塗り塗料を塗装して得られるものである請求項1〜5のいずれかのコーティング製品。
  7. 下塗り層、中塗り層および上塗り層から選ばれる少なくともいずれかがスクリーン塗装で形成されてなるものである請求項1〜6のいずれかのコーティング製品。
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