JPH07233345A - フッ素樹脂塗料組成物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およびフッ素樹脂被覆加工体の製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂塗料組成物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およびフッ素樹脂被覆加工体の製造方法

Info

Publication number
JPH07233345A
JPH07233345A JP6238371A JP23837194A JPH07233345A JP H07233345 A JPH07233345 A JP H07233345A JP 6238371 A JP6238371 A JP 6238371A JP 23837194 A JP23837194 A JP 23837194A JP H07233345 A JPH07233345 A JP H07233345A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluororesin
surfactant
carbon
coated plate
coating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6238371A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Yamada
克弥 山田
Masahiro Miyamoto
昌宏 宮本
Toru Kashiwagi
亨 柏木
Makoto Nakabayashi
誠 中林
Masaya Nishi
雅也 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP6238371A priority Critical patent/JPH07233345A/ja
Publication of JPH07233345A publication Critical patent/JPH07233345A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フッ素樹脂塗料の大面積塗装を工業的生産規
模で達成する。 【構成】 フッ素樹脂粒子またはフッ素樹脂粒子及び顔
料粒子が主として界面活性剤からなる分散媒で分散され
たフッ素樹脂塗料組成物、及び該塗料組成物を基板にス
クリーン塗装法にて塗装し、乾燥焼結する、または該乾
燥焼結したものを更に加熱しながら樹脂面を加圧する被
覆板の製法、並びに該被覆板に応力を加え任意の形状に
変形する被覆加工体の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、フッ素樹脂塗料組成
物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およびフッ素樹脂被覆
加工体の製造方法に関し、特に顔料を含まないフッ素樹
脂塗料組成物を、または顔料を含むフッ素樹脂塗料組成
物を用いたスクリーン塗装法による炊飯器内釜等の加工
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炊飯器内釜、ジャーポット内容器、フラ
イパン等は表面にフッ素樹脂塗装されているものが多用
されている。従来これらは顔料を含まない又は顔料を含
んだフッ素樹脂塗料組成物をスプレーコーティング法
(例えば「コーティング装置と操作技術入門」(株)総合
技術センター発行 平2.4.2 第2刷 参照)等により
アルミニウム板等の基板に全面塗装し乾燥焼結後、顔料
を含んだものについては、さらに顔料を含まないフッ素
樹脂塗料により重ねて塗装、乾燥焼結することで製造さ
れていた。
【0003】しかしながらスプレー法など、従来のコー
ティング法による塗布では、塗料のロスが多く、塗膜厚
さのばらつきも多く、均一な塗膜厚さを得にくい等の原
理的な問題があった。
【0004】一方スクリーン印刷法(例えば「コーティ
ング装置と操作技術入門」(株)総合技術センター発行
平2.4.2 第2刷 P197参照)は今日あらゆる印刷分
野で活用されており、塗料のロスが少なく自在なパター
ン形状に塗布可能であり、装置が軽便で安価等の種々の
実際的利便が多い有効な方法である。
【0005】しかしフッ素樹脂の塗装にスクリーン印刷
法を適用するには、スクリーン印刷方式に適切な塗料が
必要である。フッ素樹脂は一般に溶媒に不溶であること
から、フッ素樹脂を含んだスクリーン印刷用塗料配合は
従来の概念ではできなかった。我々は既にフッ素樹脂被
覆板上に目盛りなどのパターン形状をスクリーン印刷に
より形成する塗料及び方法を開発し特許出願(特開平5
−78613号)を行った。
【0006】しかし目盛り印刷用の塗料はその目的のた
めに比較的薄膜を対象とし、色づけのために多量の顔料
を配合しているため、フッ素樹脂被覆それ自体をスクリ
ーン印刷を応用したスクリーン塗装法で形成しようとす
る本願発明内容にはそのまま適用できるものではない。
【0007】また、フッ素樹脂被覆に関しスクリーン印
刷を適用する方法については特公平2−61308号に
記載がある。この特許には、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)被覆上に装飾を形成する方法を開示して
おり、具体的にはPTFE水性分散体を金属基材上に塗
工し、乾燥後、焼結前にフルオロカーボン粉末などを含
む組成物をスクリーン印刷し、二層同時に焼付けする方
法を示している。しかしながら、金属基材上に直接ある
いは、焼結されたフッ素樹脂面上にフッ素樹脂を塗装す
る技術についての記載はない。
【0008】また、特開平3−217470号には、4
50℃以下で熱分解する樹脂とフッ素樹脂粉末他を混合
したインキを金属基材上などに印刷し、加熱により樹脂
を分解させる方法の記載がある。しかしながらこの方法
では相当量の樹脂の完全分解を加熱により行なう必要が
あり、必然的に高温長時間の処理が必要となる。それゆ
えいかに耐熱性の高いフッ素樹脂といえどもその間に熱
分解することは避けられず、耐摩耗性、非粘着性などの
物性に悪影響を与えてしまうのが問題である。
【0009】またいずれの方法もスクリーン印刷により
文字、図形などのパターンを描くことで装飾的効果を得
ることが主眼となっており、基材のほぼ全面に対しフッ
素樹脂による被覆を形成する方法は示されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み、本願発明
は、従来からの、フッ素樹脂被覆物の工業的生産のいく
つかの問題点を解消し、スクリーン印刷を応用したスク
リーン塗装法(以下本願では単にスクリーン塗装法と記
す)によるフッ素樹脂塗装をまたは顔料を含んだフッ素
樹脂塗装を大面積かつほぼ全面塗り塗装可能な技術の開
発を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、フ
ッ素樹脂粒子が主として界面活性剤からなる分散媒で分
散され、顔料を含まないことを特徴とするスクリーン塗
装用のフッ素樹脂塗料組成物である。上記主として界面
活性剤からなるとは、界面活性剤が分散媒中の過半量を
占めることを意味する(以下本願に於いては同様)。な
お、本願の第1の発明の実施の態様には少なくとも下記
が含まれる。
【0012】(イ)界面活性剤が実質的にアルキルとオ
キシアルキレンのみから構成され、芳香環、炭素−炭素
間の多重結合を含まず炭素、水素、酸素原子のみから成
る化学構造の非イオン性界面活性剤であることを特徴と
する上記本願の第1の発明のスクリーン塗装用のフッ素
樹脂塗料組成物。なお、本実施の態様における界面活性
剤の限定は、主成分たる界面活性剤を限定するものであ
り、消泡や表面張力低下など他の目的で添加される他の
界面活性剤の少量添加を除外するものではない(以下本
願においては同様)。
【0013】(ロ)フッ素樹脂粒子がPFA(テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体)であることを特徴とする上記本願の第1の発
明のスクリーン塗装用のフッ素樹脂塗料組成物。
【0014】(ハ)フッ素樹脂粒子が、平均粒径10〜
30μmの球状のPFA粒子と、そのPFA粒子よりも
分子量が低く、平均粒径10μm以下のPFA粒子との
混合物であることを特徴とする上記本願の第1の発明の
実施の態様(ロ)のスクリーン塗装用のフッ素樹脂塗料
組成物。
【0015】本願の第2の発明は、フッ素樹脂粒子及び
顔料粒子が主として界面活性剤からなる分散媒で分散さ
れ、該界面活性剤が実質的にアルキルとオキシアルキレ
ンのみから構成され、芳香環、炭素−炭素間の多重結合
を含まず炭素、水素、酸素原子のみから成る化学構造の
非イオン性界面活性剤であることを特徴とするスクリー
ン塗装用のフッ素樹脂塗料組成物である。本願の第1の
発明では、界面活性剤を比較的広い範囲から選択するこ
とが可能である。しかし第2の発明においては、顔料の
存在によって界面活性剤の揮散が阻害され易いことと、
揮散不全の界面活性剤の分解物の着色により顔料による
発色が変色される影響があるためより揮散し易い界面活
性剤の選択が必要となる。そこで第2の発明において
は、第1の発明よりも界面活性剤の選択の範囲を狭く限
定しているものである。なお本願の第2の発明の実施の
態様として少なくとも下記が含まれる。
【0016】(ニ)フッ素樹脂粒子がPFA(テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体)であることを特徴とする上記本願の第2の発
明のスクリーン塗装用のフッ素樹脂塗料組成物。
【0017】(ハ)フッ素樹脂粒子が、平均粒径10〜
30μmの球状のPFA粒子と、そのPFA粒子よりも
分子量が低く、平均粒径10μm以下のPFA粒子との
混合物であることを特徴とする上記本願の第2の発明の
実施の態様(ニ)のスクリーン塗装用のフッ素樹脂塗料
組成物。
【0018】本願の第3の発明は、フッ素樹脂粒子が主
として界面活性剤からなる分散媒で分散され、顔料を含
まないフッ素樹脂塗料組成物を平板状の基板のほぼ全面
にスクリーン塗装法により塗装し、乾燥焼結することを
特徴とするフッ素樹脂被覆板の製造方法である。なお本
願の第3の発明の実施の態様として少なくとも下記が含
まれる。
【0019】(ホ)平板状の基板が、顔料を含むフッ素
樹脂で被覆されたフッ素樹脂被覆板であることを特徴と
する上記本願の第3の発明のフッ素樹脂被覆板の製造方
法。
【0020】(ヘ)平板状の基板が、表面を粗面化した
金属板であることを特徴とする上記本願の第3の発明の
フッ素樹脂被覆板の製造方法。
【0021】(ト)表面の粗面化が陽極電解酸化による
ことを特徴とする上記本願の第3の発明の実施の態様
(ヘ)のフッ素樹脂被覆板の製造方法。
【0022】(チ)金属板が、アルミニウムを主成分と
した合金板である、またはそれにステンレス板を接合し
た複合板であることを特徴とする上記本願の第3の発明
の実施の態様(ヘ)のフッ素樹脂被覆板の製造方法。
【0023】(リ)フッ素樹脂粒子がフッ素樹脂被覆の
所望膜厚t以下かつスクリーン印刷用紗の開口長(ピッ
チf−線径a)以下の平均粒径を有し、顔料を含まない
フッ素樹脂塗料中のフッ素樹脂分率xが数1に示す式を
満たすことを特徴とする上記本願の第3の発明のフッ素
樹脂被覆板の製造方法。
【0024】
【数1】
【0025】本願の第4の発明は、フッ素樹脂粒子及び
顔料粒子が主として界面活性剤からなる分散媒に分散さ
れ、該界面活性剤が実質的にアルキルとオキシアルキレ
ンのみから構成され、芳香環、炭素−炭素間の多重結合
を含まず炭素、水素、酸素原子のみから成る化学構造の
非イオン性界面活性剤であるフッ素樹脂塗料組成物を平
板状の基板のほぼ全面にスクリーン塗装法により塗装
し、乾燥焼結することを特徴とするフッ素樹脂被覆板の
製造方法である。なお本願の第4の発明の実施の態様と
して少なくとも下記が含まれる。
【0026】(ヌ)平板状の基板が、顔料を含まないフ
ッ素樹脂で被覆されたフッ素樹脂被覆板であることを特
徴とする上記本願の第4の発明のフッ素樹脂被覆板の製
造方法。
【0027】(ル)平板状の基板が、表面を粗面化した
金属板であることを特徴とする上記本願の第4の発明の
フッ素樹脂被覆板の製造方法。
【0028】(ヲ)表面の粗面化が陽極電解酸化による
ことを特徴とする上記本願の第4の発明の実施の態様
(ル)のフッ素樹脂被覆板の製造方法。
【0029】(ワ)金属板が、アルミニウムを主成分と
した合金板である、またはそれにステンレス板を接合し
た複合板であることを特徴とする上記本願の第4の発明
の実施の態様(ル)のフッ素樹脂被覆板の製造方法。
【0030】(カ)フッ素樹脂粒がフッ素樹脂被覆の所
望膜厚t以下かつスクリーン印刷用紗の開口長(ピッチ
f−線径a)以下の平均粒径を有し、フッ素樹脂塗料中
のフッ素樹脂及び顔料等の非揮発成分の分率xが数2に
示す式を満たすことを特徴とする上記本願の第4の発明
のフッ素樹脂被覆板の製造方法。
【0031】
【数2】
【0032】本願の第5の発明は、フッ素樹脂粒子が主
として界面活性剤からなる分散媒で分散され、顔料を含
まないフッ素樹脂塗料組成物を平板状の基板のほぼ全面
にスクリーン塗装法により塗装し、乾燥焼結することに
より得たフッ素樹脂被覆板(本願の第3の発明の方法に
より得たフッ素樹脂被覆板)に応力を加え任意の形状に
変形することを特徴とするフッ素樹脂被覆加工体の製造
方法である。
【0033】本願の第6の発明は、フッ素樹脂粒子及び
顔料粒子が主として界面活性剤からなる分散媒に分散さ
れ、該界面活性剤が実質的にアルキルとオキシアルキレ
ンのみから構成され、芳香環、炭素−炭素間の多重結合
を含まず炭素、水素、酸素原子のみから成る化学構造の
非イオン性界面活性剤であるフッ素樹脂塗料組成物を平
板状の基板のほぼ全面にスクリーン塗装法により塗装
し、乾燥焼結することにより得たフッ素樹脂被覆板(本
願の第4の発明の方法により得たフッ素樹脂被覆板)に
応力を加え任意の形状に変形することを特徴とするフッ
素樹脂被覆加工体の製造方法である。
【0034】本願の第7の発明は、フッ素樹脂粒子が主
として界面活性剤からなる分散媒で分散され、顔料を含
まないフッ素樹脂塗料組成物を平板状の基板のほぼ全面
にスクリーン塗装法により塗装し、乾燥焼結することに
より得たフッ素樹脂被覆板(本願の第3の発明の方法に
より得たフッ素樹脂被覆板)をフッ素樹脂の融点より5
0℃低温〜融点より50℃高温の温度範囲で加熱しなが
らフッ素樹脂面を加圧することを特徴とするフッ素樹脂
被覆板の製造方法である。なお本願の第7の発明の実施
の態様として少なくとも下記が含まれる。
【0035】(ヨ)融点より20℃低温〜融点より20
℃高温の温度範囲で加熱しながらフッ素樹脂面を加圧す
ることを特徴とする上記本願の第7の発明のフッ素樹脂
被覆板の製造方法。
【0036】本願の第8の発明は、フッ素樹脂粒子及び
顔料粒子が主として界面活性剤からなる分散媒に分散さ
れ、該界面活性剤が実質的にアルキルとオキシアルキレ
ンのみから構成され、芳香環、炭素−炭素間の多重結合
を含まず炭素、水素、酸素原子のみから成る化学構造の
非イオン性界面活性剤であるフッ素樹脂塗料組成物を平
板状の基板のほぼ全面にスクリーン塗装法により塗装
し、乾燥焼結することにより得たフッ素樹脂被覆板(本
願の第4の発明の方法により得たフッ素樹脂被覆板)を
フッ素樹脂の融点より50℃低温〜融点より50℃高温
の温度範囲で加熱しながらフッ素樹脂面を加圧すること
を特徴とするフッ素樹脂被覆板の製造方法である。なお
本願の第8の発明の実施の態様として少なくとも下記が
含まれる。
【0037】(タ)融点より20℃低温〜融点より20
℃高温の温度範囲で加熱しながらフッ素樹脂面を加圧す
ることを特徴とする上記本願の第8の発明のフッ素樹脂
被覆板の製造方法。
【0038】本願の第9の発明は、フッ素樹脂粒子が主
として界面活性剤からなる分散媒で分散され、顔料を含
まないフッ素樹脂塗料組成物を平板状の基板のほぼ全面
にスクリーン塗装法により塗装し、乾燥焼結することに
より得たフッ素樹脂被覆板をフッ素樹脂の融点より50
℃低温〜融点より50℃高温の温度範囲で加熱しながら
フッ素樹脂面を加圧することにより製造したフッ素樹脂
被覆板(本願の第7の発明の方法により製造したフッ素
樹脂被覆板)に応力を加え任意の形状に変形することを
特徴とするフッ素樹脂被覆加工体の製造方法である。
【0039】本願の第10の発明は、フッ素樹脂粒子及
び顔料粒子が主として界面活性剤からなる分散媒に分散
され、該界面活性剤が実質的にアルキルとオキシアルキ
レンのみから構成され、芳香環、炭素−炭素間の多重結
合を含まず炭素、水素、酸素原子のみから成る化学構造
の非イオン性界面活性剤であるフッ素樹脂塗料組成物を
平板状の基板のほぼ全面にスクリーン塗装法により塗装
し、乾燥焼結することにより得たフッ素樹脂被覆板をフ
ッ素樹脂の融点より50℃低温〜融点より50℃高温の
温度範囲で加熱しながらフッ素樹脂面を加圧することに
より製造したフッ素樹脂被覆板(本願の第8の発明の方
法により製造したフッ素樹脂被覆板)に応力を加え任意
の形状に変形することを特徴とするフッ素樹脂被覆加工
体の製造方法である。
【0040】
【作用】スクリーン印刷では塗料を網目状の紗(スクリ
ーンメッシュ)にスキージでこすりつけて網目を通った
塗料のみが塗膜を形成することになるのでスクリーン塗
装法によるフッ素樹脂の全面塗布形成または顔料を含ん
だフッ素樹脂の全面塗布形成を行うためには、1)塗料
の性質として必要な塗料成分(フッ素樹脂、分散剤等、
またはフッ素樹脂、顔料、分散剤等)が紗の網目を通過
できること、通過後に速やかにレベリングし網目の跡を
残さないこと、所望する膜厚や塗布形状をくずさない程
度の粘性を保有すること、スキージによるこすりに対し
て塗料および塗料成分が変化しないこと等を考慮する必
要がある。
【0041】加えて2)焼結に際して加熱焼結が工業的
に有利な制御範囲で行っても、焼結後に着色が発生せず
フッ素樹脂および塗膜の物性が変化しないことが必要で
ある。
【0042】1)の条件はフッ素樹脂粒子のサイズ、紗
の形状、塗料の粘度等との関係によって適宜決定するこ
とができるが、2)の条件は界面活性剤の選択が重要で
ある。
【0043】本願に於いて用いるフッ素樹脂としては、
種々のものが使用でき、PTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン),PFA(テトラフルオロエチレン/パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体),FEP(テ
トラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重
合体),ETFE(テトラフルオロエチレン/エチレン
共重合体),CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレ
ン),PVdF(ポリフッ化ビニリデン)およびこれら
の共重合体が単独あるいは混合物として用いられる。
【0044】中でも、顔料成分が多くても塗膜欠陥を発
生しにくいという観点から熱溶融性のフッ素樹脂である
PFA,FEP,ETFE,CTFE,PVdFが好適
であり特に耐熱性、耐摩耗性の点でPFA,FEPがよ
り好ましく用いられる。
【0045】このようなフッ素樹脂は粉体またはディス
パージョンとして入手できる。膜形成性に優れるという
観点から平均粒子径で5μm以上の球状または無定形状
の粒子が好ましく、10〜30μmのものを含有させる
ことが厚膜形成及びスクリーン塗装に適当な粘度の塗料
作製にはより好ましい。また平均粒子径が10μm以下
のフッ素樹脂小粒子を適量含有させることが焼結後の塗
膜表面を平滑化するのに有用である。特に多種の顔料を
配合した時に効果が顕著であり、低分子量(低溶融粘
度)の小粒子を用いるのが効果が大きい。
【0046】粒子がスクリーン印刷用紗を通過するため
には粒子径が紗の開口長よりも小さいことが必要であ
る。開口長は紗のメッシュピッチfから線径aを引いた
数で定義できる。一般的な紗では通常fは50〜600
μm、aは25〜160μmの範囲にあって開口長は2
5〜500μm程度である。大きな粒子を用いる必要が
あるときには開口長の大きい紗を用いる等、粒子径と開
口長の兼ね合いで適宜、ほぼ自由に設定することができ
るが、本願発明の中でも特に好ましい態様に用いるには
開口長で50μm以上が好ましく、より好ましくは10
0μm以上が良い。
【0047】本願の発明で用いられる顔料としては、任
意の顔料が使用できる。例えば酸化チタン、亜鉛華等の
白色顔料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の
黒色顔料、群青、べんがら、酸化鉄等の有彩色の顔料、
窒化ホウ素、雲母、顔料被覆雲母、弗化カーボン等の鱗
片状顔料等が代表的にあげられる。
【0048】以上のような無機顔料の他に必要であれば
有機物顔料又は染料、耐熱性高分子材料を使用できる。
例えばフタロシアニン系顔料、インジゴ系染料、ポリイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリ
フェニレンサルファイド、エポキシ樹脂等が例示でき
る。これらは溶液状、粉体分散状として使用できる。
【0049】これらの顔料成分は焼結後のフッ素樹脂被
覆の色を任意の色に表出するよう配合量が調整される。
配合量は顔料の種類や表出する色によって異なり様々で
あり、目的によって任意に設定すればよいが、塗料中非
揮散成分の内 0.001wt%〜10wt%の範囲が一
般的である。
【0050】塗膜の膜厚は、塗料塗布厚×塗料中フッ素
樹脂分率で(本願の第3、5、7、9の発明に於い
て)、または、塗料塗布厚×塗料中フッ素樹脂及び顔料
等の非揮発成分の分率で(本願の第4、6、8、10の
発明に於いて)決定できると考えられる。実際に紗を一
定にしてフッ素樹脂分率を変えた実験を行った処、フッ
素樹脂分率と塗膜膜厚は相関していた。塗料塗布厚は
「平均紗厚d」によってほぼ決まると推定される。通常
のメッシュでは織り糸を編んだ形状をしているため(図
1、図2参照)、紗厚はほぼ線径aの2倍とされている
場合が多い。しかしながら実際には糸が重なっている部
分の紗厚は線径aの2倍であるが、重なっていない部分
では線径aそのものが紗厚になりうる。特にメッシュ数
の小さい粗い紗では実質的な紗厚はより線径aに近い傾
向にある。
【0051】従って「平均紗厚d」を編み糸の重なり部
分の面積比率を考慮して本願の第3、5、7、9の発明
に於いては数3に示す式の、または本願の第4、6、
8、10の発明に於いては数4に示す式の(2)と定義
すると、所望膜厚tを得るために数3、または数4に示
す式の(1)を用いることができる。
【0052】
【数3】
【0053】
【数4】
【0054】例えば、本願の第3、5、7、9の発明に
於いて、膜厚20μm以上の塗膜を得よぅとすると、1
20メッシュ(ピッチ212μm)、線径80μm、開
口率39%の紗では数3に示す式の(1)による必要フ
ッ素樹脂分率は56%以上と計算されるが、実験結果で
はフッ素樹脂分率50%では膜厚は20μmには満たな
かった、60%で20μm程度の塗布可能となった。こ
れにより所望の膜厚を得るときは、数3に示す式を用い
ることが有用である。
【0055】塗料の粘度はスクリーン印刷における塗布
厚保持、レベリング性に対し影響する。本願発明におけ
るフッ素樹脂分散の塗料の粘度はスパイラル式粘度計
((株)マルコム製PC1−TL)を用いて評価した。
【0056】塗料の粘度が高く、流動性が低すぎると塗
料がレベリングしにくく結果として塗料のかすれが生じ
塗膜の表面性状が良好でなくなる。塗料の粘度が低すぎ
ると、塗料の分散安定性が悪くなったり、塗装時に泡発
生などが起こるため好ましくない。適正な塗料の粘度
は、粒子や分散媒の性状により必ずしも正確な規定はで
きないが、おおよそスクリーン塗装がより良好に行える
範囲は、ずり速度6/secの時、みかけ粘度=50〜
5000p、さらに好ましくは50〜1000pであ
る。
【0057】前記2)に関してはフッ素樹脂材料との兼
ね合いもあるが界面活性剤の選択が重要である。塗料中
のフッ素樹脂分率xは(本願の第3、5、7、9の発明
に於いて)、または塗料中のフッ素樹脂及び顔料等の非
揮発成分の分率xは(本願の第4、6、8、10の発明
に於いて)数3または数4に示す式を用いて考えること
ができ、所望膜厚tにもよるが通常の紗では25〜80
%が好ましく、50%〜80%がより好ましい。これほ
どの分率のフッ素樹脂を安定に分散保持する塗料を構成
するためには相当量の界面活性剤を必要としその選定が
塗膜形成に大きく影響する。例えば、フッ素樹脂として
PFAを用いる場合には、PFAの溶融温度(300〜
310℃)、熱分解が顕著になる温度(400℃以上)
を考慮して塗膜の乾燥焼結条件を設定する。実際の工業
生産を考えれば、昇温、焼結をできるだけ短時間にて完
了するべく望まれる。
【0058】界面活性剤はその設定条件でほぼ完全に分
解揮散し塗膜に残留しないことが必要であり、その観点
から任意に選択できるが、特に分解揮散し易く残留成分
が残りにくい点から非イオン性界面活性剤が望ましい。
【0059】非イオン性界面活性剤の具体例としては、
オキシエチレン/オキシプロピレンコポリマー(分解温
度160〜180℃)、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル(分解温度140〜180℃)、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル(分解温度170〜26
0℃)等が代表的なものであり、及びこれらが部分的に
フッ素化された物も使用できる。しかしポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルの様な分子内にベンゼン
環等の芳香環を有するものは、分解温度が高く加熱によ
る分解後も炭化残留することが多く、塗膜が着色する要
因になりやすいため顔料を含むフッ素樹脂に用いる際
や、特に顔料が白色系で着色が問題になり易い場合に
は、用いないか或いは配合量を最少限にし、主成分たる
界面活性剤は他の、より揮散し易いものを選択するのが
好ましい。多重結合を含む界面活性剤も同様である。ま
た窒素、イオウ、リン等のヘテロ原子を含むものも着色
を引き起こし易いため、避けるのが好ましい。塗料中に
は水または一般の有機溶剤、液状高分子等の他の分散媒
を配合していても良い。これらの分散媒は設定された乾
燥焼結条件内で完全に蒸発揮散することが望ましく、充
分低い沸点や分解点を有することが好ましい。
【0060】本願の第3、第4の発明で基板として用い
るフッ素樹脂被覆板は任意のものが用いられ、特にその
製造方法は本願によっても、よらなくてもよく、限定さ
れない。なお、前記の本願の第3の発明の実施の態様の
(ホ)(段落番号0020参照)及び本願の第4の発明
の実施の態様の(ヌ)(段落番号0027参照)に明示
した積層構造は下記目的によるものであり、好ましい。
【0061】本願の第3の発明の実施の態様の(ホ)の
積層構造 顔料を含むフッ素樹脂層は、ピンホールの発生や非粘着
性の低下をまねき易いため、最外層に顔料を含まないフ
ッ素樹脂層を設け、ピンホール低減や非粘着性の向上を
図る。
【0062】本願の第4の発明の実施の態様の(ヌ)の
積層構造 顔料を含むフッ素樹脂層は、金属基材との接着力が低下
し易いため、接着成分をさらに配合して用いることが多
い。PAI(ポリアミドイミド)、PES(ポリエーテ
ルスルホン)等を接着成分に用いるが、これらによる接
着力は、沸騰水中等で低下することが往々にしてあるた
め、沸騰等の用途に適さないことがある。このような用
途で接着力を得て、しかも外観上、着色された色彩を得
るには、基材としてエッチング等により表面が微細に粗
面化された金属板を用い、基材に直接接する層に、顔料
を含まないフッ素樹脂を用い、その上に顔料を含むフッ
素樹脂層を設ける。
【0063】本願の第3の発明の実施の態様(ヘ)、
(ト)、(チ)、第4の発明の実施の態様(ル)、
(ヲ)、(ワ)におけるスクリーン塗装基板は表面を粗
面化した平板状の基板である。表面の粗面化には主とし
て化学的あるいは電気化学的エッチングを単独でまたは
組合せて行なうのが良い。またサンドブラスト、グリッ
ドブラスト等の物理的粗面化も単独あるいは組合わせて
適用可能である。
【0064】いずれの粗面化方法にせよ、基板表面に微
細な凹凸を設けることが塗膜の被着強度を増すために効
果的である。粗面化の程度(凹凸の度合い)は被覆する
樹脂の種類や顔料の成分、及び必要とする被着強度によ
って異なるため規定できないが、ごく一般的な例を挙げ
れば10点平均粗さRzが4〜50の範囲が好ましい。
【0065】上記基板の種類としてはAl及びAlを主
成分とした合金板が例示できる。Al合金板としてはM
g−Mn系合金板等が挙げられる。またこれらAl板及
びAl合金板に鉄、ステンレスなどの磁性金属板を接合
した複合板であってもよい(特開平5−116244号
参照)。上記は例であって、他の金属板にも一般的に適
用可能である。
【0066】本願の第3の発明の実施の態様(ヘ)、
(ト)、(チ)や第4の発明の実施の態様(ル)、
(ヲ)、(ワ)の方法により製造したフッ素樹脂被覆板
は表面を粗面化した基板に直接に顔料を含んだあるいは
含まないフッ素樹脂が金属板のほぼ全面に被着してお
り、充分な被着強度を達成できる。しかしながらフッ素
樹脂の種類、分子量、溶融粘度、固形分量や乾燥条件、
焼結条件あるいは顔料の種類(大きさ、形状、材質)や
添加量など種々の条件によっては乾燥焼結後のフッ素樹
脂被覆表面が平滑でなく、ややざらついた感触となる場
合がある。基板にフッ素樹脂被覆板を用いた場合も同様
な場合があるが、この様な時には本願の第3あるいは第
4の発明の方法により製造し たフッ素樹脂被覆板をさ
らにフッ素樹脂の好ましくは、融点より50℃低温〜融
点より50℃高温の温度範囲で、より好ましくは、融点
より20℃低温〜融点より20℃高温の温度範囲で加熱
しながらフッ素樹脂面に加圧することで表面の平滑性を
増すことが可能である(本願の第8及び第9の発明であ
る)。
【0067】具体的には、例えばフッ素樹脂としてPF
Aを用いた時にはPFAの融点(302〜310℃)の
近傍(約300℃)に加熱した環境下で加圧しながら任
意の時間を経過させるプロセスを行なう。
【0068】加圧に用いる装置は、被覆板数枚から数十
枚を重ねて一度に加熱加圧するバッチ式のものでも良い
し、熱間ロールを通す連続式のものでも良い。要は表面
の平滑性を改良できる加圧、加熱、及び時間を付与する
構成であれば良い。なお、加圧圧力はフッ素樹脂が高温
下での塑性変形により、あるいは溶融流動により平滑化
される範囲であれば特に限定されないが、好ましくは4
00〜600Kgf/cm2が好適である。
【0069】このようにして製造されたフッ素樹脂被覆
板はプレス成形などの方法により応力を加えることで任
意の形状に変形され実用に供される。例えば炊飯器内釜
やホットプレート、電気湯沸器内釜等に使用される。
【0070】
【実施例】
実験1 フッ素樹脂としてPFA(MP102:平均粒径20μ
m、三井デュポンフロロケミカル製)を用い、樹脂分率
70%で表1に示す種々の界面活性剤配合の塗料を作製
し、基板(直径10cm、PTFEを表面コートしたア
ルミ板)にスクリーン印刷した。紗は120メッシュ、
線径80μmのものを用いた。室温で30分放置した
後、50℃から250℃に17分で昇温し250℃12
分、380℃24分の条件により乾燥焼結し塗膜を得
た。膜厚を渦電流式膜厚計にて測定し、接着力を基盤目
試験(1mmピッチ テープ剥離20回 100/10
0)で評価した。塗膜の着色は色度計(ミノルタ製)に
て測定し基板表面との色差で評価した。
【0071】
【表1】
【0072】表1に示したように、ベンゼン環を含む界
面活性剤(E,F)や窒素原子を含む界面活性剤(G,
H)使用では塗膜が着色したのに対し、芳香環、多重結
合、ヘテロ原子を含まない界面活性剤(A〜D)では着
色しなかった。ただし接着性はいずれも良好で、均一な
膜厚のフッ素樹脂塗膜が得られた。
【0073】実験2 実験1と同様にフッ素樹脂としてPFA(MP102:
平均粒径20μm、三井デュポンフロロケミカル製)を
用い、分散媒として界面活性剤オクタポール45番及び
ニューポールPE61(いずれも三洋化成製)を100
%用いた配合で、樹脂分率は50,60,70%と変え
た塗料を作製し、基板(直径10cm、PTFEを表面
コートした2mm厚アルミ板)にスクリーン印刷した。
紗は表2に記す80メッシュ、120メッシュの2種を
用いた。室温で30分放置した後、100℃5分、25
0℃5分、390℃20分の条件により乾燥焼結し塗膜
を得た。膜厚を渦電流式膜厚計にて測定した結果を表3
に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】表2,表3より数3に示す式の(1)の条
件が満たされていることがわかる。
【0077】実験3 基材として板厚 2.0mmのアルミニウム合金板(神戸
製鋼(株)製ASB材)を用いた。このアルミニウム合
金板を陽極として塩化アンモニウム水溶液中で25クー
ロン/cm2の電気量で電気化学的エッチング処理を行
ない表面を粗面化した。次に表4に示す配合でフッ素樹
脂塗料を作製した。
【0078】
【表4】
【0079】以上の塗料は粗面化したAl板上にスクリ
ーン塗装した(90mmΦ)。使用したメッシュは、
i、iiにつき120メッシュ線径80μm、開口長13
2μm、iii につき80メッシュ線径120μm、開口
長198μmである。以上を100℃ 5分+250℃
10分+390℃ 20分で乾燥焼結した。得られた
塗膜はいずれも膜厚40μm程度であり、被着力も充分
であった。
【0080】iiに関しては表面のざらつきが若干認めら
れた。焼結後のi〜iii のサンプルに対しホットプレス
機による平滑化を実施した条件は炉設定温度430℃
圧力550kg/cm2 3hrで行なった。結果、表
面のざらつきはなくなり完全な平担化が達成できた。粗
度計による評価結果(Ra:中心線平均粗さを以て示
す)は表5に示す通りである。
【0081】
【表5】
【0082】実験4 フッ素樹脂にPFA(MP102:平均粒径20μm、
三井デュポンフロロケミカル製300g)を用い、界面
活性剤にオキシエチレン/オキシプロピレンコポリマー
(PL−910:三洋化成製200g)を用い、混合し
てフッ素樹脂塗料を作製した。基板は、板厚1.2mm
のアルミニウム合金板(住友軽金属(株)製MG−11
0材)を電気化学的エッチング処理し、表面を粗面化し
たものに、顔料、マイカを含有するフッ素樹脂層を被覆
したものを用いた。この基材に、上記フッ素樹脂塗料
を、150メッシュ、線径60μmの紗を用いてスクリ
ーン塗装した。塗装後直ちに40℃で4分乾燥し、40
℃から380℃まで6分で昇温し、380℃7分の条件
により焼結し塗膜を得た。膜厚を渦電流式膜厚計にて測
定したところ、該スクリーン塗装による被覆厚は17〜
24μmあった。また、塗膜の着色を色度計(ミノルタ
製)にて測定し基材表面との色差を評価するとΔE≒
0.5となり、ほとんど変色は認められず良好であっ
た。またこの焼結板をホットププレス機により、炉設定
温度430℃、圧力550Kg/cm2、押圧時間1H
rの条件で加熱加圧すると、Ra(中心線粗上)で2μ
mから0.8μmと平滑化されていることが認められ
た。一方、焼結板をジャー炊飯器の内釜の形状にプレス
成型し、180回の実炊飯試験を行ったが腐食による塗
膜のふくれ、破断もなく十分使用に耐えることを確認し
た。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によるフ
ッ素樹脂塗料組成物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およ
びフッ素樹脂被覆加工体の製造方法は、フッ素樹脂の全
面被覆をスクリーン塗装技術で達成した最初の例であ
り、従来の炊飯器内釜等の用途のみならず、さらに大面
積の(例えば1mの)フッ素樹脂加工、撥水加工が工業
的生産規模で可能になる。特に炊飯器内釜、グリルパ
ン、ジャーポット内容器等製造において、例えば20μ
m以上といった厚膜のフッ素樹脂被覆を容易な工程で作
製できるという厚膜化が可能となり、塗料ロス、膜厚の
ばらつきをも解消し、また多彩な色調や任意のパターン
状形成も容易に可能となり極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般のスクリーンメッシュの構造を説明する
ための概略正面図である。
【図2】 図1の概略側面図である。
【符号の説明】
a 線径 f メッシュピッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中林 誠 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 西 雅也 大阪府泉南郡熊取町大字野田950番地 住 友電気工業株式会社熊取製作所

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂粒子が主として界面活性剤か
    らなる分散媒で分散され、顔料を含まないことを特徴と
    するスクリーン塗装用のフッ素樹脂塗料組成物。
  2. 【請求項2】 界面活性剤が実質的にアルキルとオキシ
    アルキレンのみから構成され、芳香環、炭素−炭素間の
    多重結合を含まず炭素、水素、酸素原子のみから成る化
    学構造の非イオン性界面活性剤であることを特徴とする
    請求項1記載のスクリーン塗装用のフッ素樹脂塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂粒子及び顔料粒子が主として
    界面活性剤からなる分散媒で分散され、該界面活性剤が
    実質的にアルキルとオキシアルキレンのみから構成さ
    れ、芳香環、炭素−炭素間の多重結合を含まず炭素、水
    素、酸素原子のみから成る化学構造の非イオン性界面活
    性剤であることを特徴とするスクリーン塗装用のフッ素
    樹脂塗料組成物。
  4. 【請求項4】フッ素樹脂粒子が主として界面活性剤から
    なる分散媒で分散され、顔料を含まないフッ素樹脂塗料
    組成物を平板状の基板のほぼ全面にスクリーン塗装法に
    より塗装し、乾燥焼結することを特徴とするフッ素樹脂
    被覆板の製造方法。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂粒子及び顔料粒子が主として
    界面活性剤からなる分散媒に分散され、該界面活性剤が
    実質的にアルキルとオキシアルキレンのみから構成さ
    れ、芳香環、炭素−炭素間の多重結合を含まず炭素、水
    素、酸素原子のみから成る化学構造の非イオン性界面活
    性剤であるフッ素樹脂塗料組成物を平板状の基板のほぼ
    全面にスクリーン塗装法により塗装し、乾燥焼結するこ
    とを特徴とするフッ素樹脂被覆板の製造方法。
  6. 【請求項6】 フッ素樹脂粒子が主として界面活性剤か
    らなる分散媒で分散され、顔料を含まないフッ素樹脂塗
    料組成物を平板状の基板のほぼ全面にスクリーン塗装法
    により塗装し、乾燥焼結することにより得たフッ素樹脂
    被覆板に応力を加え任意の形状に変形することを特徴と
    するフッ素樹脂被覆加工体の製造方法。
  7. 【請求項7】 フッ素樹脂粒子及び顔料粒子が主として
    界面活性剤からなる分散媒に分散され、該界面活性剤が
    実質的にアルキルとオキシアルキレンのみから構成さ
    れ、芳香環、炭素−炭素間の多重結合を含まず炭素、水
    素、酸素原子のみから成る化学構造の非イオン性界面活
    性剤であるフッ素樹脂塗料組成物を平板状の基板のほぼ
    全面にスクリーン塗装法により塗装し、乾燥焼結するこ
    とにより得たフッ素樹脂被覆板に応力を加え任意の形状
    に変形することを特徴とするフッ素樹脂被覆加工体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 フッ素樹脂粒子が主として界面活性剤か
    らなる分散媒で分散され、顔料を含まないフッ素樹脂塗
    料組成物を平板状の基板のほぼ全面にスクリーン塗装法
    により塗装し、乾燥焼結することにより得たフッ素樹脂
    被覆板をフッ素樹脂の融点より50℃低温〜融点より5
    0℃高温の温度範囲で加熱しながらフッ素樹脂面を加圧
    することを特徴とするフッ素樹脂被覆板の製造方法。
  9. 【請求項9】 フッ素樹脂粒子及び顔料粒子が主として
    界面活性剤からなる分散媒に分散され、該界面活性剤が
    実質的にアルキルとオキシアルキレンのみから構成さ
    れ、芳香環、炭素−炭素間の多重結合を含まず炭素、水
    素、酸素原子のみから成る化学構造の非イオン性界面活
    性剤であるフッ素樹脂塗料組成物を平板状の基板のほぼ
    全面にスクリーン塗装法により塗装し、乾燥焼結するこ
    とにより得たフッ素樹脂被覆板をフッ素樹脂の融点より
    50℃低温〜融点より50℃高温の温度範囲で加熱しな
    がらフッ素樹脂面を加圧することを特徴とするフッ素樹
    脂被覆板の製造方法。
  10. 【請求項10】 フッ素樹脂粒子が主として界面活性剤
    からなる分散媒で分散され、顔料を含まないフッ素樹脂
    塗料組成物を平板状の基板のほぼ全面にスクリーン塗装
    法により塗装し、乾燥焼結することにより得たフッ素樹
    脂被覆板をフッ素樹脂の融点より50℃低温〜融点より
    50℃高温の温度範囲で加熱しながらフッ素樹脂面を加
    圧することにより製造したフッ素樹脂被覆板に応力を加
    え任意の形状に変形することを特徴とするフッ素樹脂被
    覆加工体の製造方法。
  11. 【請求項11】 フッ素樹脂粒子及び顔料粒子が主とし
    て界面活性剤からなる分散媒に分散され、該界面活性剤
    が実質的にアルキルとオキシアルキレンのみから構成さ
    れ、芳香環、炭素−炭素間の多重結合を含まず炭素、水
    素、酸素原子のみから成る化学構造の非イオン性界面活
    性剤であるフッ素樹脂塗料組成物を平板状の基板のほぼ
    全面にスクリーン塗装法により塗装し、乾燥焼結するこ
    とにより得たフッ素樹脂被覆板をフッ素樹脂の融点より
    50℃低温〜融点より50℃高温の温度範囲で加熱しな
    がらフッ素樹脂面を加圧することにより製造したフッ素
    樹脂被覆板に応力を加え任意の形状に変形することを特
    徴とするフッ素樹脂被覆加工体の製造方法。
JP6238371A 1993-09-08 1994-09-05 フッ素樹脂塗料組成物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およびフッ素樹脂被覆加工体の製造方法 Pending JPH07233345A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6238371A JPH07233345A (ja) 1993-09-08 1994-09-05 フッ素樹脂塗料組成物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およびフッ素樹脂被覆加工体の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25883393 1993-09-08
JP5-258833 1993-09-08
JP35521993 1993-12-31
JP5-355219 1993-12-31
JP6238371A JPH07233345A (ja) 1993-09-08 1994-09-05 フッ素樹脂塗料組成物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およびフッ素樹脂被覆加工体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07233345A true JPH07233345A (ja) 1995-09-05

Family

ID=27332569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6238371A Pending JPH07233345A (ja) 1993-09-08 1994-09-05 フッ素樹脂塗料組成物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およびフッ素樹脂被覆加工体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07233345A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08208931A (ja) * 1995-02-02 1996-08-13 Tokyo Gas Furoro Material Kk 模様付き弗素樹脂フイルムラミネート鋼板の製造方法
WO2002092687A1 (en) * 2001-05-15 2002-11-21 Dupont Dow Elastomers L.L.C. Curable base-resistant fluoroelastomers
JP2006130743A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc フッ素樹脂被覆材、調理器具、電磁誘導加熱容器および該電磁誘導加熱容器の形成方法
JP2010046618A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂塗膜の形成方法
US20120231379A1 (en) * 2011-03-09 2012-09-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Fluorine-containing resin particle dispersion, method for preparing fluorine-containing resin particle dispersion, coating liquid which contains fluorine-containing resin particles, method for preparing coating film which contains fluorine-containing resin particles, coating film which contains fluorine-containing resin particles, molded body, electrophotographic photoreceptor, method for preparing electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus, and process cartridge
JP2014101521A (ja) * 2014-01-16 2014-06-05 Daikin Ind Ltd フルオロポリマー非水系分散液
CN116057135A (zh) * 2020-09-10 2023-05-02 大金工业株式会社 涂料组合物和涂装品

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08208931A (ja) * 1995-02-02 1996-08-13 Tokyo Gas Furoro Material Kk 模様付き弗素樹脂フイルムラミネート鋼板の製造方法
WO2002092687A1 (en) * 2001-05-15 2002-11-21 Dupont Dow Elastomers L.L.C. Curable base-resistant fluoroelastomers
KR100823432B1 (ko) * 2001-05-15 2008-04-17 듀폰 퍼포먼스 엘라스토머스 엘.엘.씨. 경화성 내염기성 플루오로엘라스토머
JP2006130743A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc フッ素樹脂被覆材、調理器具、電磁誘導加熱容器および該電磁誘導加熱容器の形成方法
JP2010046618A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂塗膜の形成方法
US20120231379A1 (en) * 2011-03-09 2012-09-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Fluorine-containing resin particle dispersion, method for preparing fluorine-containing resin particle dispersion, coating liquid which contains fluorine-containing resin particles, method for preparing coating film which contains fluorine-containing resin particles, coating film which contains fluorine-containing resin particles, molded body, electrophotographic photoreceptor, method for preparing electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus, and process cartridge
US9389525B2 (en) 2011-03-09 2016-07-12 Fuji Xerox Co., Ltd. Fluorine-containing resin particle dispersion, method for preparing fluorine-containing resin particle dispersion, coating liquid which contains fluorine-containing resin particles, method for preparing coating film which contains fluorine-containing resin particles, coating film which contains fluorine-containing resin particles, molded body, electrophotographic photoreceptor, method for preparing electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus, and process cartridge
US9829813B2 (en) 2011-03-09 2017-11-28 Fuji Xerox Co., Ltd. Fluorine-containing resin particle dispersion, method for preparing fluorine-containing resin particle dispersion, coating liquid which contains fluorine-containing resin particles, method for preparing coating film which contains fluorine-containing resin particles, coating film which contains fluorine-containing resin particles, molded body, electrophotographic photoreceptor, method for preparing electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus, and process cartridge
JP2014101521A (ja) * 2014-01-16 2014-06-05 Daikin Ind Ltd フルオロポリマー非水系分散液
CN116057135A (zh) * 2020-09-10 2023-05-02 大金工业株式会社 涂料组合物和涂装品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR920003561B1 (ko) 불소수지피복물
JP2942389B2 (ja) 弗素樹脂被覆物
US5985983A (en) Fluororesin coating composition
JP6387153B2 (ja) 立体柄質感を示す表面コーティング方法
TW527230B (en) Fluorine-resin coating and the preparation thereof
JP2014042824A (ja) 調理器具
KR930009293B1 (ko) 유채색착색성 불소수지피복물
WO2015080152A1 (ja) 積層体
KR100236425B1 (ko) 비부착성 마무리 코팅용 범용 프라이머
JPH0774318B2 (ja) 弗素樹脂塗料組成物
US4054705A (en) Process for decorating coatings produced by heat-stable polymer compositions
JPH07233345A (ja) フッ素樹脂塗料組成物、フッ素樹脂被覆板の製造方法およびフッ素樹脂被覆加工体の製造方法
JPH08322732A (ja) 調理用鍋
JP3367508B2 (ja) フッ素樹脂被覆物及びその製造方法
JPH08300560A (ja) コーティング製品
JP2006130743A (ja) フッ素樹脂被覆材、調理器具、電磁誘導加熱容器および該電磁誘導加熱容器の形成方法
JP3293084B2 (ja) 耐熱非粘着プレコート鋼板
WO1995007321A1 (fr) Procedes de production de peinture a base de fluororesine, d'une plaque recouverte de fluororesine et d'un corps traite recouvert de fluororesine
KR0158214B1 (ko) 불소수지도료조성물 및 그것을 사용한 피복물
KR0179945B1 (ko) 불소수지도료조성물, 불소수지피복판의 제조방법 및 불소수지피복가공체의 제조방법
KR20210092679A (ko) 내열성 코팅 조성물
JP2001219122A (ja) フッ素樹脂塗膜を有する物品及びその製造方法
JPH03150151A (ja) 弗素樹脂被覆物
JP3104310B2 (ja) 弗素樹脂被覆物
JPH0245546A (ja) 非粘着性耐熱塗料組成物