JP3104310B2 - 弗素樹脂被覆物 - Google Patents

弗素樹脂被覆物

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JP3104310B2
JP3104310B2 JP19470491A JP19470491A JP3104310B2 JP 3104310 B2 JP3104310 B2 JP 3104310B2 JP 19470491 A JP19470491 A JP 19470491A JP 19470491 A JP19470491 A JP 19470491A JP 3104310 B2 JP3104310 B2 JP 3104310B2
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克弥 山田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,弗素樹脂被覆物,さら
に詳しくは顔料被覆雲母によって有彩色に着色された弗
素樹脂被覆物の,コーティング後の後加工耐久性を損ね
ることなく,発色性を改良した弗素樹脂被覆物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】弗素樹脂は,優れた非粘着性,耐薬品性
を有しているため,フライパン,鍋,ホットプレート,
ジャー炊飯器用内釜等の厨房機器,食品容器,電気製
品,食品工業,電気・機械工業等広い用途に用いられて
いる。
【0003】従来これらの弗素樹脂被覆物は,下地の色
がそのまま透けて見える無色透明か,白,灰,黒等のモ
ノトーンが主であり,せいぜいこれらに金属光沢を付与
したメタリック調しか得られていなかった。しかしなが
ら,近年,特に家庭用品等の一般商品を中心に色彩に対
するニーズが高まりを見せ,色をオーダーできる冷蔵庫
が発売されるなど,色という従来2次的機能と考えられ
た要素が不可欠なものとなってきた。
【0004】
【発明が解決しょうとする課願】そこで本発明者らは,
顔料として顔料被覆雲母を用いることにより,従来にな
い良好な色彩が得られることを見い出し,特願平01−
301169号,特願平01−326682号,特願平
02−4697号の発明にいたった。しかしながら,こ
れらの発明においては淡く美しい発色が得られるもの
の,彩度の強い色は得られない問題があった。
【0005】このような顔料被覆雲母を用いて彩度の強
い色を得る方法として,これにカーボンブラック等を混
合する方法やベースを暗色にする方法が知られている
が,混合する方法においては色彩の透明感が失われるこ
とが問題である。
【0006】ベースを暗色にする方法として,暗色のプ
ライマーを用いる手段があるが,プライマーに必要な接
着機能を得るために配合する接着助剤たとえばPAI
(ポリアミドイミド)等が塗膜の破断伸度を著しく減少
させるため,被覆物を被覆後に成形加工しょうとする
と,塗膜のクラック発生による欠陥形成,白化等をおこ
す問題があった。
【0007】一方PAI等の接着助剤を用いない場合,
基材との接着ができない。例えば微細な凹凸を設けた基
材に弗素樹脂にカーボンのみ配合したベース層を設けて
投錨効果のみで接着しょうとすると,カーボンにより密
着力が低下し,実用的な接着力が得られなかった。
【0008】上記に鑑み,本願の発明は,顔料被覆雲母
によって有彩色に着色された弗素樹脂被覆物のコーティ
ング後の後加工耐久性を損ねることなく,発色性を改良
した弗素樹脂被覆物を得ようとするものである。なお本
願は2つの発明を含んでいる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の第一の発明の弗素
樹脂被覆物は、微細な凹凸が設けられた基板上に、暗色
に着色された弗素樹脂層が積層され、その上に、被覆さ
れる顔料が無機顔料であり、該無機顔料が、a)〜d) a)透明性無機顔料であり、被覆される光学的厚さ(光
学的厚さ=幾何学的厚さ×屈折率)が0.2μ以上0.
4μ以下である、 b)不透明性無機顔料である、 c)透明性無機顔料と不透明性無機顔料の混合物であ
る、 d)透明性無機顔料と不透明性無機顔料の積層物であ
る、 のいずれかである顔料被覆雲母を含有する弗素樹脂層が
積層されていることを特徴とする。
【0010】なお本願の第1の発明の実施の態様として
少なくとも下記が含まれる。 (イ) 最外層に,顔料や耐熱性高分子を実質的に含ま
ない弗素樹脂層が積層されている上記第1の発明の弗素
樹脂被覆物。 (ロ) 暗色に着色された弗素樹脂層が,固形分中0.
5重量%以上5重量%以下のカーボンブラックを含有す
る上記第1の発明の弗素樹脂被覆物。
【0011】(ハ) 暗色に着色された弗素樹脂層が,
固形分中0.5重量%以上10重量%以下の耐熱性高分
子を含有する上記第1の発明の弗素樹脂被覆物。 (ニ) 暗色に着色された弗素樹脂層において弗素樹脂
が,2重量%以上12重量%以下の熱溶融性弗素樹脂と
98重量%以下88重量%以上のPTFEからなる上記
第1の発明の弗素樹脂被覆物。
【0012】(ホ)暗色に着色された弗素樹脂層が、弗
素樹脂以外の固形分を1重量%以上10重量%以下含有
する上記第1の発明の弗素樹脂被覆物。
【0013】(ヘ)不透明性無機顔料が酸化鉄であり、
透明性無機顔料が酸化チタンである上記第1の発明の弗
素樹脂被覆物。
【0014】本願の第2の発明の弗素樹脂被覆物は、微
細な凹凸が設けられた基板上に、その凹凸に沿ってある
ういは凹凸を消失させずに暗色層が設けられ、その上
に、被覆される顔料が無機顔料であり、該無機顔料が、
a)〜d) a)透明性無機顔料であり、被覆される光学的厚さ(光
学的厚さ=幾何学的厚さ×屈折率)が0.2μ以上0.
4μ以下である、 b)不透明性無機顔料である、 c)透明性無機顔料と不透明性無機顔料の混合物であ
る、 d)透明性無機顔料と不透明性無機顔料の積層物であ
る、のいずれかである顔料被覆雲母を含有する弗素樹脂
層が積層されていることを特徴とする。
【0015】なお上記の第2の発明の実施の態様として
少なくとも下記が含まれる。 (イ′)基板がアルミニウムもしくはアルミニウム合金
からなり,暗色層が陽極酸化被膜である上記第2の発明
の弗素樹脂被覆物。 (ロ′)暗色層が陽極酸化被膜の電解着色による暗色層
である上記第(イ′)の発明の弗素樹脂被覆物。
【0016】(ハ′)暗色層が陽極酸化被膜の細孔等に
顔料を沈着させた暗色層である上記第(イ′)の発明の
弗素樹脂被覆物。 (ニ′)弗素樹脂が2重量%以上12重量%以下の熱溶
融性弗素樹脂と98重量%以下88重量%以上のポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)からなる上記第2の
発明の弗素樹脂被覆物。
【0017】
【作用】(本願の第1及び第2の発明についての共通事
項)本願の第1及び第2の発明が適用できる基板として
は,アルミニウム,アルミニウム合金,鉄,ステンレス
等の金属やガラス,セラミックス等何を用いても宵が,
本発明の効果が特に大きいのは,コーティング後の後加
工が可能な金属基板である。さらに第2の発明に於い
て,暗色層を形成し易いという観点から,アルミニウム
もしくはアルミニウム合金が最も好適に用いられる。
【0018】本願の第1及び第2の発明で述べる,基板
の微細な凹凸は,サンドブラスト,グリッドブラスト等
の通常行われる金属面等の物理的粗面化による凹凸では
なく、これらを併用してもかまわないが,主として化学
的あるいは電気化学的あるいはこれらを組合わせて行わ
れるエッチングによる凹凸のことを意味している。顕微
鏡的には,スポンジ状あるいは金属の結晶粒が部分的に
溶け残って複雑な凹凸を形成しているものである。
【0019】ただし,その処理方法として化学的あるい
は電気化学的エッチング等に限定されるものではなく,
その凹凸と,PTFEのみのコーティングとの組み合わ
せにおいて2kg/cm程度の剥離強度が得られる粗面
であれば本願の第1,第2の発明に適用できる。
【0020】尚,サンドブラスト,グリッドブラスト等
単独ではPTFEのみのコーティングによっては2kg
/cm程度の剥離強度には及ばない。またこのような凹
凸はアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電気化学
的エッチングすることにより得られやすいため,このよ
うな材質,方法が特に好適に用いられる。
【0021】本願の第1及び第2の発明で使用される弗
素樹脂としては,例えばポリテトラフルオロエチレン
(PTFE),テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP),テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA),エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFE),ポリクロロトリフルオロエチレン(P
CTFE)あるいはエチレン−クロロトリフルオロエチ
レン共重合体(ECTFE)などである。
【0022】弗素樹脂はまた樹脂粉末だけでなく,乳化
重合法で得られた弗素樹脂の水性分散液,弗素樹脂粉末
を水性媒体に分散せしめた分散液,弗素樹脂のオルガノ
ゾル,あるいはオルガノゾルの水中エマルジョン等のい
づれの形態で使用することも出来る。特に好適には水性
分散液の形態で使用される。
【0023】本願の第1及び第2の発明で用いられる顔
料被覆雲母の粒径,配合量は発色性,耐摩耗性,欠陥発
生度合等を勘案し適宜決められるが,好適には平均粒径
5μ以上200μ以下特に好適には5μ以上100μ以
下のものが用いられる。配合量としては固形分中1重量
%以上10重量%以下が好ましく特に2重量%以上7重
量%以下が好ましい。
【0024】雲母に被覆される無機顔料は特に限定され
ないが,代表的には,カーボンブラック,水酸化鉄,酸
化鉄,フェロシアン化鉄,水酸化クロム,酸化クロム,
酸化チタン等が挙げられる。酸化チタンに代表される透
明性の無機顔料を被覆する場合には,光の干渉による発
色の必要性から,光学的厚さ(光学的厚さ=幾何学的厚
さ×屈折率)が0.2μ以上0.4μ以下となることが
好ましい。一方,雲母に被覆される無機顔料が酸化鉄の
ように不透明性の場合は厚みは特に限定されない。
【0025】無機顔料の被覆は,透明性及び不透明性の
無機顔料を混合もしくは,積層して行なってもよく,種
類や厚みの組合わせにより多様な色調が得られるので好
ましい。ここで用いられる雲母は含有成分の違いにより
多くの種類があるが,代表的な雲母の組成式は,マスコ
バイト(白雲母)K Al(Si Al)
20(OH),フロゴバイト(金雲母)K Mg
(Si Al)20(OH),バイオタイト
(黒雲母)K(MgFe2+(SiAl)
20(OH)等であり,いずれを用いてもよい。
【0026】(本願の第1の発明についての事項)本願
の第1の発明の暗色に着色された弗素樹脂層に用いられ
る着色方法は,無機顔料を配合する方法が用いられる。
このような無機顔料としては,主としてカーボンブラッ
クが好適に用いられるが,黒や濃紺,黒褐色など暗色に
着色できる顔料であれば特に限定されず,又各種顔料を
混合して用いてもよい。
【0027】本願の第1の発明の暗色に着色された弗素
樹脂層の厚みは,暗色が得られる範囲であれば特に限定
されないが,好適には5μ以上30μ以下に積層され
る。顔料被覆雲母を含有する弗素樹脂層の厚みも特に限
定されないが好適には5μ以上30μ以下に積層され
る。
【0028】最外層に被覆する,顔料や耐熱性高分子を
実質的に含まない弗素樹脂層も,上記と同様好適には5
μ以上30μ以下の厚みに積層される。この層に用いら
れる弗素樹脂も前述の弗素樹脂が用いられる。また,こ
れらの弗素樹脂を任意の割合で混合して用いてもよい。
【0029】暗色に着色された弗素樹脂層に用いる顔料
としてはカーボンブラックが好適に用いられることは前
述したが,この理由はカーボンブラックが少量で隠蔽力
の強い着色が可能なためである。それでも顔料を配合す
れば塗膜と基板との接着力を低下させ,塗膜の伸びも低
下するので配合量は発色できる範囲でそれらの物性を低
下させない最小限にとどめるべきであり,全固形分中
0.5重量%以上5重量%以下でなければならない。特
に1重量%以上3重量%以下が好ましい。
【0030】このような弗素樹脂層を,通常の方法すな
わち接着助剤を配合して接着させるためには一般に接着
助剤を固形分中約25%配合するがこのように多量に配
合すると塗膜の伸びが著しく失われる。そこで基材の微
細な凹凸と組合わせることにより接着助剤の配合量を少
なくすることができ,その結果塗膜の伸びを後加工可能
な範囲に維持しながら充分な接着力が得られることを見
い出した。ここで配合する接着助剤は,耐熱性高分子,
例えばポリアミドイミド,ポリエーテルスルホン,ポリ
フェニレンサルファイド等が代表的に挙げられる。その
配合量は,基材の凹凸との組合わせによって充分な接着
力が得られ,しかも塗膜の伸びが後加工可能な範囲内で
あることを目的として,0.5重量%以上10重量%以
下とするのが好ましい。特に好ましくは1重量%以上5
重量%以下である。
【0031】また,暗色に着色された弗素樹脂層中の弗
素樹脂以外の固形分量,すなわち顔料と接着助剤の合計
の固形分量は塗膜の伸び保持の観点から10重量%以
下,好ましくは8重量%以下で着色及び接着の観点から
1重量%以上好ましくは2重量%以上がよい。
【0032】また,上述の耐熱性高分子を使わずに塗膜
の伸びを低下させることもなく接着力を得る方法として
弗素樹脂の組成を2重量%以上12重量%以下の熱溶融
性弗素樹脂と98重量%以下88重量%以上のPTFE
の混合物とし,微細な凹凸と組合わせることを見い出し
た。この場合にもカーボンの配合量は固形分中0.5重
量%以上5重量%以下特に1重量%以上3重量%以下が
好ましい。
【0033】尚,ここで用いる熱溶融性弗素樹脂は,P
FA(テトラフロロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体),FEP(テトラフロロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体),ETFE
(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体),CT
FE(ポリクロロトリフルオロエチレン)などの重合体
および共重合体が用いられる。
【0034】PTFEが340℃〜380℃において1
11〜1013poiseと高粘度で一般的にいう非
溶融性であるのに対し,これに混合する熱溶融性弗素樹
脂は、PFA(380℃において10〜10),F
EP(380℃において4×10〜10),ETF
E(300〜330℃において10〜10),CT
FE(230℃において10)と極めて溶融粘度が低
いことがポイントであり,熱溶融性弗素樹脂であればこ
れらに限定されない。
【0035】熱溶融性弗素樹脂添加による接着力向上の
メカニズムは今のところ充分明確になっていないが,
(1)低溶融粘度のため微細な凹凸に入り込みやすいた
め,投錨効果が増大する。(2)塗膜の焼結時に,分解
生成物が金属面と化学的に結合する等の複合効果と推測
している。
【0036】尚,本発明において,1.微細な凹凸,
2.耐熱性高分子,3.熱溶融性弗素樹脂・PTFEを
混合した弗素樹脂の3つの手法を組合わせて使用するこ
とも可能である。
【0037】(本願の第2の発明についての事項)本願
の第2の発明に於いて,基板の凹凸に沿ってあるいは凹
凸を消失させずに暗色層を設ける方法としては,暗色の
顔料をブラスト砂に付着させてサンドブラストを行な
い,基材に物理的に嵌入密着させる方法,暗色の顔料を
溶液状態で沈着させる方法,基材を金属に限定して電解
着色する方法等を代表としてあらゆる方法が適用でき
る。特に好適な方法として基板をアルミニウムもしくは
アルミニウム合金とし,微細な凹凸を設けた後に形成す
る陽極酸化被膜を暗色層となす方法があげられる。まず
第1には暗色の顔料を溶液状態で多孔性の陽極酸化被膜
の微孔中に沈着あるいは電気泳動等により導入して沈着
させる方法である。いずれも沈着後に封孔することが安
定性の面で好ましい。第2には陽極酸化被膜を形成後金
属塩浴中で交流を印加し交流電解着色を行なう方法であ
る。なお暗色層を基板の凹凸に沿ってあるいは凹凸を消
失させずに設けるのは弗素樹脂層と基板の接着のためで
ある。
【0038】上述のようにマイカを配合した弗素樹脂を
暗色に着色された基材上に積層し,強固な密着を得るた
めにはポリアミドイミドやポリエーテルスルホン等の接
着助剤を配合する方法が一般的であるが,これらの接着
助剤はもともと褐色をしているためマイカの色と混色
し,にぶい色となる問題が生じるので好ましくは弗素樹
脂の組成を2重量%以上12重量%以下の熱溶融性弗素
樹脂と98重量%以下88重量%以上のPTFEの混合
物とし,微細な凹凸と組合わせる方法が用いられる。
【0039】なおここで用いる熱溶融性弗素樹脂は第1
の発明で述べたそれらと同様である。又熱溶融性弗素樹
脂添加による接着力向上のメカニズムについても第1の
発明で述べたそれらと同様である。
【0040】また,最外層に顔料や耐熱性高分子を実質
的に含まない弗素樹脂層を被覆してもよく好適には5μ
以上30μ以下の厚みに積層される。この層に用いられ
る弗素樹脂も前述の弗素樹脂が用いられる。また,これ
らの弗素樹脂を任意の割合で混合して用いてもよい。
【0041】
【実施例】以下に本願の第1の発明の実施例を先ず述べ
る。 実施例1〜3及び比較例1〜3 アルミニウム素材として板厚2.5mmのもの(神戸製
鋼(株)製ASB材)を用いた。まずこれを陽極として
塩化アンモニウム水溶液中25クローン/cmの電気
量で電気化学的,エッチング処理を行い表面に微細な凹
凸を形成させた。(ただし,比較例2はサンドブラスト
による粗面化処理のみを行なった。)
【0042】この面に第1層として表1に示す樹脂配合
のものをコーティングし乾燥後420℃にて10分間焼
付けた。このあとさらに第2層として表1に示す樹脂配
合のものをコーティングし,乾燥後420℃にて10分
間焼付けた。又,第3層(最外層)を形成した場合の条
件としては,(実施例2,3のみであるが)充填剤を含
まないPTFEディバージョン(ダイキン工業(株)製
D−1F)をコーティングし、水分を乾燥した後420
℃で10分焼付けた。このものの樹脂厚は第1層,第2
層各15μとし計30μとなるようコーティングした。
第3層を積層した場合はその厚みを10μとし,計40
μとなるようにした。
【0043】このようにして得られたコーティング板を
プレス成形によって深絞り加工し飯器を得た。こうして
得られたコーティング板プレス加工品の評価方法として
は,次の項目を実施した。評価結果も表1に記載した。
【0044】評価方法は以下の通り 密着性:(%) コーティング面にナイフで下地に達する碁盤目(1mm
間隔の100ます)を入れ,この面にセロテープをおし
つけ,ただちにひきはがす。これを20回くり返し10
0ますの樹脂のうち残っている個数をかぞえ接着率
(%)とする(底面と側面の双方を評価した。)
【0045】剥離強度:(kg/cm) コーティング面に弗素樹脂のテープを熱融着させ,18
0°の方向にひきはがして,幅1cmあたりのひきはが
しに要する力を剥離強度とする。
【0046】ピンホール度:(mA) 釜状の成形品に2重量%Nacl水溶液を満たし,片方
の電極を液中に入れ,他方を成形品の外壁に付けて通電
量(mA)を測定する。基板(本実施例の場合アルミニ
ウム合金)にまで達するピンホールの総面積が多いと通
電量が大きくなりピンホールの多,少の指標となる。ピ
ンホール度が大きいほど耐蝕性が低くなり,好ましくな
い。
【0047】色調プレス時白化:目視による判定。
【0048】
【表1】
【0049】次に本願の第2の発明の実施例を述べる。
アルミニウム素材として板厚2.5mmのもの(神戸製
鋼(株)製ASB材)を用いた。まずこれを陽極として
塩化アンモニウム水溶液中25クーロン/cmの電気
量で電気科学的,エッチング処理を行い表面に微細な凹
凸を形成させた。
【0050】この表面に希硫酸中常温にて15V,1分
間の電圧を直流で印加し,陽極酸化被膜を形成させた。
続いてH SO 7g/l,CuSO 20g/
lの浴中にて20Vの交流を印加して約10分間で黒色
の交流電解着色を行なった。この上にPTFE36.8
重量%,PFA3.2重量%,着色マイカ(メルクジャ
パン社製イリオジン235)3重量%,界面活性剤6.
4重量%,水50.6重量%からなるディスパージョン
を塗布乾燥したのち400℃にて30分間焼つけ約30
μの塗膜を得た。
【0051】このようにして得られたコーティング板
は,あざやかな緑色の金属光沢を有する塗膜が形成され
た。この板を用いて炊飯ジャー内釜を作成した。プレス
成形によっても塗膜の剥離がなく,また欠陥形成による
白化も見られなかった。
【0052】
【発明の効果】顔料被覆雲母によって有彩色に着色され
た弗素樹脂被覆物のコーティング後の後加工耐久性を損
ねることなく発色性が改良される。特に際だって彩度の
強いことが望まれる弗素樹脂コート製品に好適に用いら
れる。化学式等を記載した書面
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−18825(JP,A) 特開 昭56−18824(JP,A) 特開 昭54−33551(JP,A) 特開 平2−251440(JP,A) 特開 昭53−1145(JP,A) 特開 昭63−200868(JP,A) 特開 昭48−55072(JP,A) 実開 昭62−9524(JP,U) 特公 昭43−25644(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 1/00 - 7/26 A47J 27/00 - 29/06 A47J 33/00 - 36/42

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細な凹凸が設けられた基板上に、暗色に
    着色された弗素樹脂層が積層され、その上に、被覆され
    る顔料が無機顔料であり、該無機顔料が、a)〜d) a)透明性無機顔料であり、被覆される光学的厚さ(光
    学的厚さ=幾何学的厚さ×屈折率)が0.2μ以上0.
    4μ以下である、 b)不透明性無機顔料である、 c)透明性無機顔料と不透明性無機顔料の混合物であ
    る、 d)透明性無機顔料と不透明性無機顔料の積層物であ
    る、 のいずれかである顔料被覆雲母を含有する弗素樹脂層が
    積層されていることを特徴とする弗素樹脂被覆物。
  2. 【請求項2】最外層に、顔料や耐熱性高分子を実質的に
    含まない弗素樹脂層が積層されている請求項1記載の弗
    素樹脂被覆物。
  3. 【請求項3】暗色に着色された弗素樹脂層が、固形分中
    0.5重量%以上5重量%以下のカーボンブラックを含
    有する請求項1記載の弗素樹脂被覆物。
  4. 【請求項4】暗色に着色された弗素樹脂層が、固形分中
    0.5重量%以上10重量%以下の耐熱性高分子を含有
    する請求項1記載の弗素樹脂被覆物。
  5. 【請求項5】暗色に着色された弗素樹脂層において弗素
    樹脂層が、2重量%以上12重量%以下の熱溶融性弗素
    樹脂と98重量%以下88重量%以下のポリテトラフル
    オロエチレン(PTFE)からなる請求項1記載の弗素
    樹脂被覆物。
  6. 【請求項6】暗色に着色された弗素樹脂層が、弗素樹脂
    以外の固形分を1重量%以上10重量%以下含有する請
    求項1記載の弗素樹脂被覆物。
  7. 【請求項7】不透明性無機顔料が酸化鉄であり、透明性
    無機顔料が酸化チタンである請求項1記載の弗素樹脂被
    覆物。
  8. 【請求項8】微細な凹凸が設けられた基板上に、その凹
    凸に沿ってあるいは凹凸を消失させずに暗色層が設けら
    れ、その上に、被覆される顔料が無機顔料であり、該無
    機顔料が、a)〜d) a)透明性無機顔料であり、被覆される光学的厚さ(光
    学的厚さ=幾何学的厚さ×屈折率)が0.2μ以上0.
    4μ以下である、 b)不透明性無機顔料である、 c)透明性無機顔料と不透明性無機顔料の混合物であ
    る、 d)透明性無機顔料と不透明性無機顔料の積層物であ
    る、 のいずれかである顔料被覆雲母を含有する弗素樹脂層が
    積層されていることを特徴とする弗素樹脂被覆物。
  9. 【請求項9】基板がアルミニウムもしくはアルミニウム
    合金からなり、暗色層が陽極酸化被膜である請求項8記
    載の弗素樹脂被覆物。
  10. 【請求項10】暗色層が陽極酸化被膜の電解着色による
    暗色層である請求項9記載の弗素樹脂被覆物。
  11. 【請求項11】暗色層が陽極酸化被膜の細孔等に顔料を
    沈着させた暗色層である請求項9記載の弗素樹脂被覆
    物。
  12. 【請求項12】弗素樹脂が2重量%以上12重量%以下
    の熱溶融性弗素樹脂と98重量%以下88重量%以下の
    ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる請求
    項8記載の弗素樹脂被覆物。
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