JP2745377B2 - 耐熱性塗装鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性塗装鋼板およびその製造方法

Info

Publication number
JP2745377B2
JP2745377B2 JP6026089A JP2608994A JP2745377B2 JP 2745377 B2 JP2745377 B2 JP 2745377B2 JP 6026089 A JP6026089 A JP 6026089A JP 2608994 A JP2608994 A JP 2608994A JP 2745377 B2 JP2745377 B2 JP 2745377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
undercoat layer
steel sheet
pigment
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6026089A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07213994A (ja
Inventor
清一 崎永
Original Assignee
株式会社淀川製鋼所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社淀川製鋼所 filed Critical 株式会社淀川製鋼所
Priority to JP6026089A priority Critical patent/JP2745377B2/ja
Publication of JPH07213994A publication Critical patent/JPH07213994A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2745377B2 publication Critical patent/JP2745377B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油やガスなどを用い
たファンヒータの壁、ガスコンロの壁、その他耐熱性が
要求される部位、特に熱風の吹出口周りに設ける場合に
適した耐熱性塗装鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ファンヒータの吹出口周りなどに
設ける構造材として、ステンレス鋼板を所定形状に成形
して、その全面に耐熱性塗料であるシリコン系塗料を吹
付け塗装したものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構造材
は耐熱性に優れているため有用ではあるが、この構造材
を石油やガスのファンヒータの吹出口周りに配設したと
き、この吹出口から吹出される熱風には水分や亜硫酸ガ
スなどが含まれ、これら水分や亜硫酸ガスなどに上記構
造材が直接曝されることになるため、表面に傷が付いた
りすると、この傷付き部から錆が発生する問題があっ
た。特に、室内に設置されるファンヒータなどの一部に
錆が発生すると、室内外観を損なうことになる。
【0004】また、構造材の端部(エッジ部)での錆の
発生を防止するため、構造材の成形後に上記端部を含む
全面を塗装するようにしているため、製造コストがアッ
プする問題もあった。
【0005】本発明は以上のような問題に鑑みてなした
もので、その目的は、製造コストを低廉としながら、傷
付き部や端部での錆の発生を抑制でき、しかも、耐熱性
に優れ、ファンヒータの吹出口周りなどに配設する場合
に最適な耐熱性塗装鋼板およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の本発明の耐熱性塗装鋼板は、基板
がAl−Zn合金メッキ鋼板又はAlメッキ鋼板から構
成されており、上記基板の外表面に化成処理層が形成さ
れ、また、この化成処理層の外表面には、防錆顔料とし
て塗料不揮発分の1〜29重量%のストロンチウムクロ
メートのみが配合されたポリエーテルサルホン樹脂を主
成分とした下塗り層が、乾燥膜厚2〜20μmの範囲で
形成され、その下塗り層の焼付温度を300〜350゜
Cとし、かつ、焼付時間を70〜90秒として未完硬化
状態となし、さらに、上記下塗り層の外表面には上塗り
層が設けられ、この上塗り層は、ポリエーテルサルホン
樹脂を主成分とし、着色顔料として複合酸化物顔料が5
〜45重量%配合されて、乾燥膜厚5〜40μmの範囲
で形成され、その上塗り層の焼付温度を350〜400
゜Cとして前記下塗り層と共に完全硬化させてなること
を特徴としている。
【0007】また、請求項2に記載の製造方法の発明で
は、Al−Zn合金メッキ鋼板又はAlメッキ鋼板から
構成される基板の外表面に化成処理層を形成し、次い
で、その化成処理層の外表面に防錆顔料として塗料不揮
発分の1〜29重量%のストロンチウムクロメートのみ
が配合されたポリエーテルサルホン樹脂を主成分とした
下塗り層を形成し、しかる後、その下塗り層の焼付温度
を300〜350゜Cとし、かつ、焼付時間を60〜1
20秒として未完硬化状態となし、その後、その下塗り
層の外表面に、ポリエーテルサルホン樹脂を主成分と
し、かつ着色顔料として複合酸化物顔料が5〜45重量
%配合された上塗り層を形成し、さらに、その上塗り層
の焼付温度を350〜400゜Cとして前記下塗り層と
共に完全硬化させてなることを特徴としている。
【0008】
【作用及び効果】本発明では、Al−Zn合金メッキ鋼
板又はAlメッキ鋼板から成る基板を使用しているた
め、耐熱性に優れたものとなり、材料コストも安価にで
きる。しかも、上記基板には化成処理層を形成している
ため、後述する下塗り層の基板に対する密着性を高める
ことができる。
【0009】また、上記基板としてAl−Zn合金メッ
キ鋼板やAlメッキ鋼板を用いた場合、この基板の端部
(エッジ部)や傷付き部などにおいてメッキ層の腐食現
象が発生し、これが原因で塗膜の膨れが生じ易い。しか
しながら、上記基板の化成処理層の外表面には、防錆顔
料として塗料不揮発分の1〜29重量%の熱に強いスト
ロンチウムクロメートのみが配合された耐熱性に富むポ
リエーテルサルホン(PES)樹脂を主成分とした下塗
り層が、乾燥膜厚2〜20μmの範囲で形成されている
ため、上記基板の端部や傷付き部などに上記ストロンチ
ウムクロメートが溶出し、さらに、上記メッキの犠牲防
食作用によって上記基板の端部や傷付き部などでの錆の
発生を抑制して、塗膜の膨れ現象を防ぐことができる。
【0010】さらに、上記下塗り層の外表面には上塗り
層が設けられ、この上塗り層は、PES樹脂を主成分と
し、これに着色顔料として熱に強い複合酸化物顔料(焼
成顔料)が配合されて、乾燥膜厚5〜40μmの範囲で
形成されているため、耐熱性に優れたものとなって高温
に曝されても色が褪せ難くなる。しかも、上記上塗り層
によって、上記下塗り層に含有される防錆顔料(ストロ
ンチウムクロメート)が溶出して変色(黄色)するのを
防止することもできる。
【0011】また、上記下塗り層及び上塗り層は、何れ
もPES樹脂を主成分としているため、耐熱性に優れて
いるだけではなく、従来のシリコン系塗料を用いる場合
に較べて塗膜の加工性がよい。
【0012】従って、以上の耐熱性塗装鋼板を例えば室
内に設置されるファンヒータなどの構造材として用いる
ことにより、製造コストを低廉にできながら、優れた耐
熱性を発揮できることは勿論のこと、特に構造材の端部
や傷付き部での腐食を抑制して錆の発生や変色を防止で
き、室内外観を良好に維持できる。しかも、上記構造材
の端部での耐食性に優れていることから、プレコート後
に成形しても、錆を発生する恐れが少なく、低廉なコス
トで成形できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1に示した耐熱性塗装鋼板は、基板1の外表
面に化成処理層2を形成して、該化成処理層2の外表面
に下塗り層3を設けると共に、この下塗り層3の外表面
には上塗り層4を形成している。
【0014】上記基板1としては、Al−Zn合金メッ
キ鋼板又はAlメッキ鋼板が使用され、これらの鋼板は
何れも350℃の高温に長時間曝されても耐え得る耐熱
性を有しているだけではなく、安価である。また、上記
鋼板は、その両面のメッキ層の厚さを26〜33μmの
薄目付けとすれば、成形加工時のメッキ層の割れをなく
すことができて、厳しい条件下での成形に耐えることが
できる。さらに、上記鋼板として、加工性に優れた例え
ばSPCDなどの絞り用鋼板を使用すれば、さらに厳し
い条件下での成形に耐えることができる。
【0015】また、上記基板1の化成処理層2は、例え
ばロールコートによる塗布型クロメート処理法又は反応
型クロメート処理法でクロメート処理を行うことによっ
て形成される。
【0016】さらに、上記化成処理層2の外表面に形成
される下塗り層3は、耐熱性に優れたポリエーテルサル
ホン(PES)樹脂を主成分とし、この樹脂に防錆顔料
を配合して形成される。この防錆顔料としては、高温
(300℃)でも変質し難くて防錆能力に優れたストロ
ンチウムクロメートが用いられ、このストロンチウムク
ロメートは、塗料不揮発分(塗膜固形分)に対し1〜2
9重量%の比率で配合される。このとき、上記ストロン
チウムクロメートの配合比率を1重量%以下とする場合
には、防錆能力が弱くなって、上記基板1が腐食されて
塗膜の膨れが発生する。一方、30重量%以上とする場
合は、後述するように、クロスカットを入れた状態で塩
水噴霧試験を行うと、黄色のストロンチウムクロメート
が上塗り層4の外表面に溶出して外観を損なうことにな
る。以上のことから、上記ストロンチウムクロメートの
配合比率は上記範囲に特定されるのであり、特に、好ま
しくは15〜25重量%の比率で配合される。
【0017】上記下塗り層3に配合される防錆顔料とし
ては、高温で変質し難くて防錆能力に優れ、しかも、上
塗り層4の外表面に溶出し難いストロンチウムクロメー
トのみが使用され、これ以外の防錆顔料は配合されな
い。このことによりストロンチウムクロメート以外の防
錆顔料が上塗り層4の外表面に溶出して外観を損なった
りするのを防止することができる。
【0018】また、上記下塗り層3には、上記防錆顔料
以外に着色顔料の適量を配合することも可能であり、こ
の着色顔料としては、熱に強くて高温でも変色し難い焼
成顔料、例えばTiO−BaO−NiO系、TiO
−CoO−NiO−ZnO系、CuO−Fe−M
系などの顔料が使用される。この着色顔料を配
合するときには、厳しい条件下で成形された構造材の上
塗り層4が高温に曝されて小さく剥がれたようなとき、
この剥がれ部分を上記下塗り層3に配合された着色顔料
で目立たなくすることができる。このとき、上記着色顔
料は、上塗り層4の色と近似色とするのであって、例え
ば上塗り層4が黒や灰色のときには着色顔料を黒とし、
また、上塗り層4が白のときには着色顔料を黄色とされ
る。
【0019】さらに、上記着色顔料は、上記PES樹脂
に対し15〜45重量%の比率で配合される。このと
き、上記着色顔料の配合比率が15重量%以下の場合に
は、上記下塗り層3の着色効果が充分ではなく、上記上
塗り層4が剥がれたとき目立ち易くなり、一方、45重
量%以上の場合には、成形加工時に割れなどが発生して
加工性が悪くなる。
【0020】また、上記下塗り層3は、上記基板1の化
成処理層2の表面側にロール塗装により形成され、この
ロール塗装は、乾燥膜厚2〜20μm、焼付温度300
〜350℃、焼付時間70〜90秒の条件下で好ましく
行われる。このとき、乾燥膜厚を2μm以下とする場合
には、防錆能力が弱くなり、一方、20μm以上とする
場合は、コストアッブを招くだけではなく、成形加工時
に割れなどが発生して加工性が悪くなる。以上のことか
ら、上記下塗り層3は、膜厚を2〜20μmにする必要
があり、特に、好ましくは4〜10μmの膜厚である。
さらに、上記下塗り層3を塗装する場合、この下塗り層
3の塗装段階では塗膜を完全に硬化させてしまうのでは
なく、これを未完硬化状態のままに保持して上記上塗り
層4を塗装するとき、これら下塗り層3と上塗り層4と
を一緒に完全硬化させて、両者の密着性を高めるように
なすのであり、このことについては後で詳述する。
【0021】上記下塗り層3の外表面に設けられる上塗
り層4は、下塗り層3の場合と同様に、耐熱性に優れた
ポリエーテルサルホン(PES)樹脂を主成分とし、こ
れに着色顔料として複合酸化物顔料(焼成顔料)を配合
して形成され、その乾燥膜厚は5〜40μmの範囲で形
成される。上記複合酸化物顔料としては、熱に強くて高
温でも変色し難い焼成顔料、例えばTiO−BaO−
NiO系、TiO−CoO−NiO−ZnO系、Cu
O−Fe−Mn系などの顔料が使用され、
これらを上記PES樹脂に配合することにより、上記上
塗り層4が耐熱性に優れたものとなって高温に曝されて
も色が褪せ難くなる。また、上記上塗り層4にはアルミ
粉やパール粉などを配合してメタリック感を出すように
してもよい。
【0022】また、上記上塗り層4は、上記下塗り層3
の表面側にロール塗装により形成され、このロール塗装
は、乾燥膜厚5〜40μm、焼付温度350〜400
℃、焼付時間60〜120秒の条件下で好ましく行われ
る。このとき、乾燥膜厚を5μm以下とする場合には、
隠蔽力が弱くなり、又、下塗り層3の防錆顔料が表面に
溶出するのを抑制し難くなり、一方、乾燥膜厚を40μ
m以上とする場合には、コストアッブを招くだけではな
く、成形加工時に割れなどが発生して加工性が悪くな
る。以上のことから、上記上塗り層4は、その膜厚を5
〜40μmにする必要があり、特に、20〜40μmの
膜厚とすることが好ましく、この範囲にすると耐久性に
非常に優れたものとなる。また、耐久性をあまり必要と
しない場合には、5〜20μmの膜厚としてもよい。
尚、以上のロール塗装による場合は、2回塗りを行って
もよい。
【0023】さらに、上記下塗り層3の焼付温度を30
0〜350℃とし、かつ、上記上塗り層4の焼付温度を
上記下塗り層3の焼付温度よりも高温の350〜400
℃としているのは、次の理由による。つまり、上記下塗
り層3の塗装段階では完全に塗膜を硬化させてしまうの
ではなく、これを未完硬化状態のままに保持しておき、
上記上塗り層4を塗装するとき、上記高温の焼付温度3
50〜400℃で下塗り層3と上塗り層4とを一緒に完
全硬化させて、両者の密着性を高めるためである。
【0024】また、上記上塗り層4には、上記複合酸化
物顔料からなる着色顔料は、上記PES樹脂に対し5〜
45重量%の比率で配合される。このとき、上記着色顔
料の配合比率が5重量%以下の場合には、隠蔽力が弱く
なり、一方、45重量%以上の場合には、成形加工時に
割れなどが発生して加工性が悪くなる。尚、鋼板の裏面
側も上記と同じ塗装形態とするが、用途によればポリエ
ーテルサルホン樹脂を主成分とする塗膜の一層としても
よい。
【0025】次に、具体的な実験例を挙げて説明する。 実験例1 先ず、基板として、最も耐熱、耐食性に優れた素材であ
る、55重量%Al,1.6重量%Si,残りZnの合
金メッキ鋼板を使用し、これを塗布型クロメート処理液
(日本ペイント株式会社製のNRC300)を用いて化
成処理層を形成した。
【0026】次に、上記化成処理層の表面に、PES樹
脂100重量部に対して、CuO−Fe−Mn
系複合酸化物顔料の24重量%と、ストロンチウム
クロメートの塗料不揮発分に対する21重量%から成る
下塗り層をロール塗装して、320℃の温度で焼き付
け、乾燥して膜厚8μmを形成した。
【0027】さらに、PES樹脂100重量部に対し、
着色顔料であるCuO−Fe−Mn系複合
酸化物顔料を24重量%配合した上塗り層をロール塗装
して、380℃の温度で焼き付けて乾燥させ、膜厚10
μmを形成した。
【0028】実験例2 上記下塗り層へのストロンチウムクロメートの配合比率
を1重量%となし、その他の条件は上記実験例1と同じ
とした。
【0029】実験例3 上記下塗り層へのストロンチウムクロメートの配合比率
を29重量%となし、その他の条件は上記実験例1と同
じとした。
【0030】実験例4 上記下塗り層へのストロンチウムクロメートの配合比率
を25重量%となし、また、下塗り層の膜厚を4μm、
上塗り層の膜厚を5μmとなして、その他の条件は上記
実験例1と同じとした。
【0031】実験例5 上記下塗り層へのストロンチウムクロメートの配合比率
を16重量%となし、また、下塗り層の膜厚を10μ
m、上塗り層の膜厚を18μmとなして、その他の条件
は上記実験例1と同じとした。
【0032】実験例6 上記基板がAlメッキ鋼板で、上記下塗り層へのストロ
ンチウムクロメートの配合比率を10重量%となし、そ
の他の条件は上記実験例1と同じとした。
【0033】比較例1 上記下塗り層へのストロンチウムクロメートの配合比率
を0重量%となし、その他の条件は上記実験例1と同じ
とした。
【0034】比較例2 上記下塗り層へのストロンチウムクロメートの配合比率
を40重量%となし、その他の条件は上記実験例1と同
じとした。
【0035】比較例3 上記下塗り層へのストロンチウムクロメートの配合比率
を21重量%となし、また、下塗り層の膜厚を1μm、
上塗り層の膜厚を10μmとなして、その他の条件は上
記実験例1と同じとした。
【0036】比較例4 基板として、ステンレス(SUS430)鋼板を使用
し、これを塗布型クロメート処理液(日本ペイント株式
会社製のNRC300)を用いて化成処理層を形成し
た。また、この化成処理層の表面に、シリコン系樹脂1
00重量部に対して着色顔料を16重量%配合した塗料
をロール塗装して、380℃の温度で焼き付けて乾燥さ
せ、膜厚10μmを形成した。
【0037】以上の各実験例と各比較例について、塩水
噴霧試験(JIS−K−5400に基づく)を行った。
尚、この試験は、7×15cmの試験片に対角線状にク
ロスカット(長さ12cm)を入れ、5%塩水の噴霧試
験を200時間にわたって行い、経時的な腐食状態の変
化を評価するものである。その結果は、表1の通りであ
る。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1において、Aは試験片のクロスカ
ット部分を、Bは試験片の平坦部分を、Cは試験片のエ
ッジ部分をそれぞれ示している。また、同表において、
○印は塩水噴霧試験の結果異常が発生しなかったこと
を、各数字は上記各部分が腐食して発生する塗膜の膨れ
幅(mm)を示しており、さらに、S溶は下塗り層のス
トロンチウムクロメートが上塗り層の表面側に溶出した
ことを、赤錆は素材としてステンレスを使用したときに
発生する錆をそれぞれ示している。
【0040】以上の表1から明らかなように、実験例2
においては、下塗り層に含まれるストロンチウムクロメ
ートの配合量が少ないことから、144時間以上を経過
すると、若干の膨れが発生するものの、その他の実験例
においては、良好な結果が得られた。また、比較例の各
者は、48時間を経過すると膨れが発生し、特に、96
時間以上を経過すると、大きな膨れが発生したり、スト
ロンチウムクロメートの溶出が起こったり、ステンレス
を使用した比較例4では赤錆が発生する。
【0041】前記実験例1〜6を、次の条件で耐熱性テ
ストを行った。実験例1〜6の試験片を、炉内温度30
0℃で無風状態とした炉に1500時間入れておいた。
各試験片はすべて、目視で塗膜剥離がなかった。
【0042】以上のことから、製造コストを低廉としな
がら、傷付き部や端部での錆の発生を抑制でき、しか
も、耐熱性に優れ、ファンヒータの吹出口周りなどに配
設する場合に最適な耐熱性塗装鋼板を得られることが理
解できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる耐熱性塗装鋼板を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1…基板、2…化成処理層、3…下塗り層、4…上塗り
層。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板がAl−Zn合金メッキ鋼板又はA
    lメッキ鋼板から構成されており、上記基板の外表面に
    化成処理層が形成され、また、この化成処理層の外表面
    には、防錆顔料として塗料不揮発分の1〜29重量%の
    ストロンチウムクロメートのみが配合されたポリエーテ
    ルサルホン樹脂を主成分とした下塗り層が、乾燥膜厚2
    〜20μmの範囲で形成され、その下塗り層の焼付温度
    を300〜350゜Cとし、かつ、焼付時間を70〜9
    0秒として未完硬化状態となし、さらに、上記下塗り層
    の外表面には上塗り層が設けられ、この上塗り層は、ポ
    リエーテルサルホン樹脂を主成分とし、着色顔料として
    複合酸化物顔料が5〜45重量%配合されて、乾燥膜厚
    5〜40μmの範囲で形成され、その上塗り層の焼付温
    度を350〜400゜Cとし、かつ、焼付時間を60〜
    120秒として前記下塗り層と共に完全硬化させてなる
    ことを特徴とする耐熱性塗装鋼板。
  2. 【請求項2】 Al−Zn合金メッキ鋼板又はAlメッ
    キ鋼板から構成される基板の外表面に化成処理層を形成
    し、次いで、その化成処理層の外表面に防錆顔料として
    塗料不揮発分の1〜29重量%のストロンチウムクロメ
    ートのみが配合されたポリエーテルサルホン樹脂を主成
    分とした下塗り層を形成し、しかる後、その下塗り層の
    焼付温度を300〜350゜Cとし、かつ、焼付時間を
    70〜90秒として未完硬化状態となし、その後、その
    下塗り層の外表面に、ポリエーテルサルホン樹脂を主成
    分とし、かつ着色顔料として複合酸化物顔料が5〜45
    重量%配合された上塗り層を形成し、さらに、その上塗
    り層の焼付温度を350〜400゜Cとし、かつ、焼付
    時間を60〜120秒として前記下塗り層と共に完全硬
    化させてなることを特徴とする耐熱性塗装鋼板の製造方
    法。
JP6026089A 1994-01-29 1994-01-29 耐熱性塗装鋼板およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2745377B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6026089A JP2745377B2 (ja) 1994-01-29 1994-01-29 耐熱性塗装鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6026089A JP2745377B2 (ja) 1994-01-29 1994-01-29 耐熱性塗装鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07213994A JPH07213994A (ja) 1995-08-15
JP2745377B2 true JP2745377B2 (ja) 1998-04-28

Family

ID=12183888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6026089A Expired - Fee Related JP2745377B2 (ja) 1994-01-29 1994-01-29 耐熱性塗装鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2745377B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100732369B1 (ko) * 2006-01-16 2007-06-27 이상태 제품 내외장재 및 그 제조방법
JP5366628B2 (ja) * 2009-04-16 2013-12-11 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法及び塗装金属板

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02249638A (ja) * 1989-03-24 1990-10-05 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱性プレコート鋼板
JPH0737108B2 (ja) * 1991-07-03 1995-04-26 株式会社淀川製鋼所 耐熱性プレコート金属板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07213994A (ja) 1995-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4055942B2 (ja) 加工性,耐食性に優れた耐熱プレコート鋼板
JP2015227058A (ja) 耐食性および耐アルカリ性に優れた塗装鋼板
JP2745377B2 (ja) 耐熱性塗装鋼板およびその製造方法
JP2001089871A (ja) 太陽熱反射性の塗装金属板
JP4598703B2 (ja) クロムフリープレコート鋼板
JPH11140665A (ja) 端面耐食性に優れた塗装鋼板およびその製造方法
JP4243806B2 (ja) 耐熱非粘着塗装鋼板
JP2001295069A (ja) 意匠樹脂被覆金属板
JP3302713B2 (ja) 傷部耐食性・加工性を兼ね備えた高耐久性塗装金属板及びその連続製造方法
JPH07308633A (ja) 傷部耐食性・加工性・滑雪性を兼ね備えた高耐久性塗装金属板及びその連続製造方法
JP2003213210A (ja) 塗料組成物及び耐熱プレコート鋼板
JPH09155283A (ja) 加工性・耐熱非粘着性に優れた樹脂被覆金属板
JPS61111378A (ja) 耐食性の優れた耐熱塗装鋼板
JPH0691805A (ja) 塗装金属板
JPH02249638A (ja) 耐熱性プレコート鋼板
JP3161572B2 (ja) 配管材料
JP2003071980A (ja) 外装用塗装鋼板
JP3361281B2 (ja) 耐熱性塗装金属板
JPH0318180Y2 (ja)
JPH058347A (ja) 耐熱性プレコート金属板
JP2001348672A (ja) 耐熱性、耐加熱変色性および耐食性に優れた亜鉛系メッキ鋼板
JP2002234108A (ja) ステンレス調塗装金属板
JPS58120784A (ja) アルミニウム−亜鉛合金メツキ鋼板を基板とした塗装鋼板
JPH08267653A (ja) 耐熱食品汚染性および加工性に優れた塗装鋼板
JP2008303468A (ja) アルミニウムめっきステンレス琺瑯鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090213

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090213

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100213

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100213

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110213

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110213

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120213

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130213

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees