JP2003213210A - 塗料組成物及び耐熱プレコート鋼板 - Google Patents
塗料組成物及び耐熱プレコート鋼板Info
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Abstract
ン結合のネットワーク構造を強化し、耐熱性,加工性,
耐食性に優れた塗膜形成用塗料組成物及び耐熱プレコー
ト鋼板を提供する。 【構成】 この塗料組成物は、メチルシリコーン樹脂を
主成分とし、樹脂の合計重量100質量部に対し5〜1
00質量部の割合で鱗片状粉末3を配合している。鱗片
状粉末としては、平均粒径が0.5〜50μm,厚みが
平均粒径の1/5以下の難水溶性酸化物が好ましい。メ
チルシリコーン樹脂は、好ましくは一般式(CH3)aSi
O(4-a-b)/2(OH)b(ただし、a=0.5〜1.5,b=
0.5〜1.05)をもつ。該塗料組成物を乾燥膜厚2〜
15μmとなる塗布量で塗装原板の少なくとも片面に塗
布した後、板温が150〜250℃の範囲になるように
加熱・乾燥すると、下地鋼1の沿面方向に鱗片状粉末3
が配向し、耐熱性,加工性,耐食性に優れた塗膜が形成
される。
Description
膜を形成する塗料組成物及び加熱調理器具,空調機器,
暖房機器,自動車排気系部材等に使用される耐熱プレコ
ート鋼板に関する。
動車排気系部材等に使用される耐熱プレコート鋼板とし
ては、塗膜の耐熱温度が400℃以上で2〜4t程度の
180度折曲げ加工によっても塗膜剥離が生じない加工
性が要求される。そこで、アルキル基,アルケニル基,
フェニル基を配合したシリコーン樹脂塗料(特開昭63
−172640号公報,特開平2−265742号公
報)を使用し、シロキサン結合のネットワークによって
塗膜を強化することが知られている。シリコーン樹脂は
シロキサン結合を主骨格にもつことから従来の有機樹脂
に比較して耐熱性に優れているが、樹脂に導入される有
機基の種類や含有量によって樹脂塗膜の特性が大きく変
動する。一般的には、シリコーン樹脂中の有機基の含有
量を減らすと耐熱性が向上するものの加工性が低下す
る。この点、従来のシリコーン樹脂は、樹脂中の有機基
比率が比較的高いためプレコート化に耐える加工性をも
つが400℃以上の耐熱性に劣る。しかも、400℃以
上に加熱されると、樹脂中のSi−C6H5の結合が徐々
に切断されて少量ながらもベンゼンガスが放出され、そ
の際に煙も発生する。
鋼板用の塗料としてモノメチルシラノールゾルにエポキ
シ樹脂及びイソシアネートを配合した塗料を紹介した
(特開平8−245922号公報)。この塗料は、シリ
コーン樹脂中の有機基比率が比較的低いため400℃以
上の耐熱性に優れているが、加工性に劣るため有機樹脂
の添加によってプレコート化を可能にしている。
から作られた製品では、使用初期に添加有機樹脂が加熱
分解する欠点がある。特にイソシアネートの加熱分解に
際しては特有の臭気又は煙が発生する。添加有機樹脂が
加熱分解した直後にはモノメチルシラノールから形成さ
れるオルガノポリシロキサン樹脂もシロキサン結合の十
分なネットワークを形成しておらず、一時的に不安定な
皮膜状態を経る。そのため、かかる問題が懸念される用
途、たとえば身近に使用される加熱調理機器,耐食性が
要求される自動車排気系部材等では、添加有機樹脂の加
熱分解及びオルガノポリシロキサン樹脂のネットワーク
形成促進による耐食性向上を狙って、プレス加工後に4
00〜500℃に数分加熱する予備加熱を施した後で本
製品に組み込む工程が採用される。
リコーン樹脂塗膜を設けた耐熱プレコート鋼板では、何
れも優れた加工密着性を示すものの、400℃以上の加
熱でベンゼンガスが放出されることや、加工後の予備加
熱を必要とする等の未解決の問題がある。すなわち、加
工後に予備加熱を必要とせずそのままで各種機器に組み
込まれて400℃以上の温度雰囲気で使用可能な耐熱プ
レコート鋼板及び当該用途に適した塗料組成物は今まで
のところ提供されていない。本発明者等は、加工後の予
備加熱が省略可能でベンゼンガスの発生もなく十分な耐
熱性を呈するプレコート鋼板を得るために、フェニル基
を有するシリコーン樹脂を使用しない系で耐熱プレコー
ト用の塗料設計を検討した。検討結果から、メチルシリ
コーン樹脂をベース樹脂とし、乾燥膜厚,樹脂中への添
加物の濃度,シリコーン樹脂へのシラノール基の導入量
等を調整することによって、プレコート化に必要とされ
る4t程度の180度折曲げ加工試験で塗膜剥離が生じ
ないプレコート鋼板が得られることを見出した。
脂とする塗膜を形成した塗装鋼板の耐熱性能を調査した
ところ、300〜350℃の加熱及び400℃の短時間
加熱で塗膜の著しい性能低下が検出された。塗膜の性能
低下は、次のように推察される。樹脂に含まれるSi−
CH3結合は、300〜350℃の加熱で分解反応を開
始する。他方、シリコーン樹脂中でSi−O−Siのシ
ロキサン結合が進行して十分なネットワーク構造を形成
する上では、400℃以上での長時間加熱が必要とされ
ている。そのため、メチルシリコーン樹脂単独の系にお
いても、Si−CH3の結合が加熱分解する一方で、S
i−O−Siのシロキサン結合が進行して十分なネット
ワーク構造が形成されるまでの300〜400℃の中間
温度領域で、一時的に不安定な皮膜状態を経る。
膜形成過程における反応形態に関する検討の結果として
案出されたものであり、鱗片状粉末の添加により300
〜400℃の中間温度領域における塗膜性能を改善し、
加工後の予備加熱を必要とせず、使用中の高温加熱状態
でも異臭ガスが発生しない塗膜形成に適した塗料組成物
及び耐熱プレコート鋼板を提供することを目的とする。
本発明の塗料組成物は、その目的を達成するため、メチ
ルシリコーン樹脂を主成分とし、樹脂の合計重量100
質量部に対して5〜100質量部の割合で鱗片状粉末を
分散させている。
50μm,厚みが平均粒径の1/5以下でマイカ粉,ア
ルミナフレーク,タルク粉,板状カオリン,硫酸バリウ
ムフレークから選ばれた1種又は2種以上の難水溶性酸
化物が好ましい。アルミフレーク,ステンレス鋼フレー
ク等の金属フレークやガラスフレークも鱗片状粉末とし
て使用できる。更には、塗膜に色調を付与するため、酸
化チタン,酸化鉄等の熱的に安定な難水溶性金属酸化物
等で各種フレークを被覆した鱗片状粉末も使用可能であ
る。メチルシリコーン樹脂は、好ましくは一般式(C
H3)aSiO(4-a-b )/2(OH)b(ただし、a=0.5〜
1.5,b=0.5〜1.05)をもつ。鱗片状粉末を配
合した塗料組成物を好ましくは乾燥膜厚2〜15μmと
なる塗布量で下地鋼の少なくとも片面に塗布した後、板
温が150〜250℃の範囲になるように加熱・乾燥す
ることによって耐熱性,加工性,密着性に優れた塗膜が
形成される。
形成された塗膜2では、図1で模式的に示すように、塗
膜2中に分散した鱗片状粉末3が下地鋼1の表面と平行
な方向に配位する。塗膜2に分散した鱗片状粉末3は、
以下の理由からSi−CH3結合の加熱分解が進行して
いる状態での塗膜密着性,耐水性等の物性を改善するも
のと推察される。塗膜2に含まれているSi−CH
3(メチル基)結合は300〜350℃で加熱分解する
ため、塗膜2が一時的に脆くなる。Si−CH3結合の
加熱分解が生じている最中に加熱・冷却が繰り返される
と、下地鋼1と塗膜2との熱膨張差に起因する歪が塗膜
2に蓄積され、塗膜2の脆化が一層加速される。また、
塗膜2のバリア効果による耐水性も低下しているため、
水分が容易に塗膜2を透過して下地鋼1/塗膜2の界面
に達し、下地鋼1に対する塗膜2の密着性が低下する。
に配位した鱗片状粉末3が分散している塗膜2では、下
地鋼1の表面と平行な方向に沿った塗膜2のネットワー
ク構造が鱗片状粉末3で補強されるため、塗膜2の脆化
が防止される。下地鋼1と塗膜2との熱膨張差に起因す
る応力も鱗片状粉末3で塗膜2全体に分散され、局部的
な応力集中による塗膜剥離,脆化等も防止される。更に
は、鱗片状粉末3は,下地鋼1の表面と平行な方向に配
位しているので、透過水分に対するバリアとしても働
き、下地鋼1/塗膜2の界面への水分の到達が抑制され
る。鱗片状粉末3としてタルク粉や板状カオリン等の酸
化物を使用した場合、これら無機酸化物粒子はある程度
の−OH基が存在する表面をもっているので、塗膜の焼
成過程で−OH基がメチルシリコーン樹脂塗料中の−O
H基と脱水縮合反応を起こし、樹脂と鱗片状粉末3が強
固に結合する。これによっても、塗膜2の脆化防止が図
られると推察される。
気中で昇温速度10℃/分で500℃まで加熱したとき
の発生ガスをガスクロマト質量分析装置で測定したとこ
ろ、図2に示すように水蒸気及び炭酸ガスを主成分とす
るガス組成であった。この結果は、下地鋼1表面に形成
された塗膜2が有機成分としてメチル基(−CH3)の
みを含むことを意味し、加熱調理器具,空調機器,暖房
機器,自動車排気系部材等に使用される耐熱プレコート
鋼板としての要求特性を十分に満足している。
リコーン樹脂に鱗片状粉末を配合することにより調製さ
れる。鱗片状粉末としては、アルミフレーク,ステンレ
ス鋼フレーク,ガラスフレーク,アルミナフレーク,マ
イカ粉等、500℃の耐熱性をもつものが好ましく、各
種フレークを単独で或いは2種以上組み合わせて使用で
きる。電子オーブンレンジ等の赤外線放射特性が要求さ
れる用途や塗料組成物に対する化学的安定性を考慮する
と、難水溶性酸化物のフレークが好ましい。
せる上から平均粒度を0.5〜50μmで、樹脂固形分
に対する配合量を5〜100質量部に設定することが好
ましい。5質量部未満の配合量では鱗片状粉末の添加効
果が不十分であり、100質量部を超える配合量では加
工密着性が低下する傾向がみられる。鱗片状粉末は、各
種の焼成顔料,防錆顔料,金属粉等と併用添加できる
が、併用添加する場合には合計配合量を200質量部以
下に調整することが好ましい。鱗片状粉末の添加効果
は、配合量の他に鱗片状粉末の形状によっても異なり、
0.5μm以上の平均粒径で顕著になる。しかし、50
μmを超える平均粒径では、加工密着性が低下する傾向
にある。鱗片状粉末の平均粒径は、より好ましくは1〜
30μmの範囲にある。シロキサン結合のネットワーク
構造を補強する上では、厚みが平均粒径の1/5以下の
鱗片状粉末を塗膜に分散させ、下地表面と平行な方向に
関する鱗片状粉末の配向性を高めることが好ましい。厚
みが平均粒径の1/5を超える鱗片状粉末では、下地表
面に交叉する方向に配位する鱗片状粉末の分散状態が避
けられず、また鱗片状粉末単位重量当りのシリコーン樹
脂との接触面積が小さくなることから鱗片状粉末の添加
効果が十分に発現しない。
樹脂は、好ましくは一般式(CH3)aSiO(4-a-b)/2(O
H)bをもつ化合物である。指数a,bは、ブロッキング
を起こすことなく塗膜に必要硬度を付与し、長時間焼付
けを必要とせずにコイルでの連続塗装を可能にするた
め、それぞれa=0.5〜1.5,b=0.5〜1.05の
範囲に調整することが好ましい。a<0.5では塗膜の
加工密着性が低下し、a>1.5では耐熱性が劣る。b
<0.5では、塗装原板に配向した水酸基との脱水縮合
によって結合する起点が少なくなるため加工密着性が低
下し、塗膜の硬化性も劣る。逆にb>1.05では、焼
成時に三次元架橋が過度に進行して塗膜の加工密着性が
低下する。
し、触媒機能等の各種機能を付与するために着色顔料,
体質顔料,メタリック顔料,触媒,防錆顔料,金属粉
等、各種添加剤が必要に応じて配合される。着色顔料に
は、Mn,Fe,Cr,Cu,Ti等の酸化物や複合酸
化物,グラファイト,カーボンブラック等がある。防錆
顔料には、従来のクロム系の他に、環境を考慮したモリ
ブデン酸カルシウム,リンモリブデン酸カルシウム,リ
ンモリブデン酸アルミニウム等の非クロム系も使用され
る。触媒にはTiO2を始めとする光触媒、金属粉には
Ni,Co,Cu等がある。
鋼,Alめっき鋼板,Al系めっき鋼板等から用途や加
工度に応じて適切な鋼種が選択される。450℃以上の
加熱に長時間曝される製品をAl系めっき鋼板から製造
する場合、Alめっき層と鋼素地との界面でAl−Fe
の相互拡散によって合金層がめっき層表面まで成長し、
塗膜剥離の原因となることがある。このような高温用途
では、鋼中にNを固溶させることによってAl−Feの
相互拡散を抑え、合金化開始温度を550℃まで高めた
溶融Alめっき鋼板の使用が好ましい。
塗装前処理が適宜施される。たとえば、ステンレス鋼を
塗装原板に使用する場合、脱脂→酸洗,更に必要に応じ
て塗布型クロメート処理が施される。Al系めっき鋼板
を使用する場合、脱脂後に反応型,塗布型,或いはそれ
らを順次組み合わせたクロメート処理が施される。或い
は、チタン酸化物を主成分とするクロムフリーの無機質
化成処理皮膜等を塗装前処理として設けることもでき
る。適宜塗装前処理が施された塗装原板に、鱗片状粉末
を分散させた塗料組成物を塗布し、加熱・乾燥によって
塗膜を形成する。塗料組成物の塗布にはスプレー法,ロ
ールコート法,バーコート法等を採用できる。加熱・乾
燥は、塗膜の硬度を保証し加工密着性を確保するために
好ましくは150〜250℃の範囲で実施される。樹脂
塗膜の膜厚は、耐食性,加工密着性を勘案して好ましく
は2〜15μm(好ましくは、10μm以下)の範囲に
調整される。2μm以上の膜厚で耐食性の改善効果がみ
られるが、15μmを超える厚膜では塗膜の加工密着性
が低下する。
鋼2B仕上げ材及び溶融Alめっき鋼板を塗装原板に使
用した。ステンレス鋼2B仕上げ材では、脱脂・酸洗後
にクロム換算付着量20〜30mg/m2の塗布型クロ
メート処理を施した。溶融Alめっき鋼板では、アルカ
リ脱脂後にクロム換算付着量20〜30mg/m2の塗
布型クロメート処理を施した。塗料組成物は、樹脂の合
計重量100質量部に対して黒色顔料(MnCuCrO
x焼成顔料)を100質量部,各種鱗片状粉末を20質
量部の割合で一般式 (CH3)0.95SiO1.05(OH)0.95
のメチルシリコーン樹脂に配合することにより調製し
た。
布し、到達最高板温が220℃となるように加熱焼成す
ることにより乾燥膜厚6μmの塗膜を形成した。得られ
た塗装鋼板から切り出された試験片を加工試験、腐食試
験に供した。加工試験では、試験片を180度折曲げ加
工(3〜6t)し、加工部に感圧接着テープを貼り付け
た後で引き剥がすテープ剥離試験によって塗膜の剥離状
況を調査した。剥離が検出されない塗膜を◎,僅かに剥
離が検出された塗膜を○,下地鋼から剥離した塗膜を×
として加工密着性を評価した。
0℃×10時間,350℃×10時間,400℃×1時
間,500℃×100時間の加熱を施した試験片を用意
した。JIS Z2371に準拠した塩水噴霧を100
時間継続した後、テープ剥離試験で各試験片の塗膜密着
性(二次密着性)を調査した。剥離が検出されなかった
塗膜を◎,点状の剥離が一部に生じた塗膜を○,点状の
剥離が著しく生じた塗膜を△,全面剥離した塗膜を×と
して二次密着性を評価した。
で規定した条件を満足する鱗片状粉末を分散させた塗膜
では、耐熱性,加工密着性,耐食性の何れにも優れてい
た。何れの加熱条件下においても、良好な耐食性が維持
されており、異臭ガスの発生もなかった。これに対し、
鱗片状粉末無添加の塗膜を形成した塗装鋼板(試験番号
18,19)では、300〜400℃の温度域に加熱さ
れたときの耐食性に劣っていた。また、粒片状粉末を分
散させた塗膜を形成した塗装鋼板(試験番号20)で
は、加工密着性は良好なものの300〜400℃に加熱
されたときの耐食性に劣っていた。
500℃に加熱し、2.5〜25μmの波長領域におけ
る黒体の分光放射強度積分値に対する各塗装鋼板の分光
放射強度積分値の比率として赤外線放射率を求めた。ま
た、塗装鋼板の作製に使用した塗料を25℃で1ヶ月間
放置した後で塗料の保存状態を調査した。表2の調査結
果にみられるように、鱗片状粉末として難水溶性酸化物
のフレークを使用した場合、放射率が高いことから赤外
線放射特性が要求される用途に適し、塗料保管安定性の
面でも優れていることが判る。
装原板に使用した。塗装原板をアルカリ脱脂した後、ク
ロム換算付着量20〜30mg/m2の塗布型クロメー
ト処理を施した。塗料組成物は、樹脂の合計重量100
質量部に対して黒色顔料(MnCuCrOx焼成顔料)
を100質量部,モリブデン酸亜鉛系防錆顔料を15質
量部配合し、更に平均粒径5μm,厚み0.5μmのア
ルミナフレーク及び平均粒径15μm,厚み0.2μm
のマイカフレークを実施例1と同じメチルシリコーン樹
脂に配合することにより調製した。バーコート法で塗料
組成物を塗装原板に塗布し、乾燥膜厚及び加熱焼成時の
到達最高板温を種々変更した塗装鋼板を製造した。得ら
れた塗装鋼板を実施例1と同じ条件下で試験し、加工密
着性,耐食性を調査した。
で規定した量で鱗片状粉末を分散させた塗膜は、耐熱
性,加工密着性,耐食性の何れにも優れていた。これに
対し、鱗片状粉末が不足する試験番号36,38の塗装
鋼板は、加工密着性は良好であるものの、300〜40
0℃に加熱されたときの二次密着性に劣っていた。逆に
過剰量の鱗片状粉末を分散させた試験番号37,39の
塗装鋼板は、何れも加工密着性に劣っており、二次密着
性に劣るものも散見された。
装原板に使用した。塗装原板をアルカリ脱脂した後、ク
ロムフリー化成処理でチタン換算付着量40〜60mg
/m 2のチタン酸化物系皮膜を形成した。塗料組成物の
ベース樹脂としては、(CH3)2SiCl2及び(CH3)S
iCl3を出発原料とし、それぞれを種々の比率で混合
し、常法に従って重合させることにより複数種類のメチ
ルシリコーン樹脂を用意した。得られたメチルシリコー
ン樹脂に平均粒径18μm,厚み0.4μmのマイカ粉
又は酸化チタン被覆マイカ粉及び各種添加物を種々の割
合で配合することにより、表4の塗料組成物を調製し
た。
布し、到達最高板温が220℃となる条件下で加熱・焼
成することにより、乾燥膜厚5μmの塗膜を形成した。
得られた塗装鋼板を実施例1と同じ条件下で試験し、加
工密着性,耐食性を調査した。表5の調査結果にみられ
るように、本発明に従った組成のメチルシリコーン樹脂
に鱗片状粉末を配合した塗料から作成された塗膜は、何
れも耐熱性,加工密着性,二次密着性が良好であった。
特に、指数aが0.5〜1.5,指数bが0.5〜1.05
の範囲及び添加物の合計配合量が200質量部以下のと
きに優れた特性の塗膜が形成された。
成物はメチルシリコーン樹脂を主成分とする樹脂塗膜に
鱗片状粉末を分散させており、該塗料組成物から作製さ
れる塗膜はシロキサン結合のネットワーク構造が強化さ
れ、加工密着性,耐食性に優れている。しかも、この塗
膜は、有機基としてメチル基を含む塗料から作製される
ため、製品の使用中に高温加熱された状態でもベンゼン
ガスや異臭の発生がなく、優れた耐熱性を呈する。この
ようなことから、加熱調理器具,空調機器,暖房機器,
自動車排気系部材等として好適な耐熱プレコート鋼板が
提供される。
量的変化を示すグラフ
Claims (5)
- 【請求項1】 メチルシリコーン樹脂を主成分とし、樹
脂の合計重量100質量部に対し5〜100質量部の割
合で鱗片状粉末を配合してなる塗料組成物。 - 【請求項2】 鱗片状粉末の平均粒径が0.5〜50μ
m,厚みが平均粒径の1/5以下である請求項1記載の
塗料組成物。 - 【請求項3】 アルミナフレーク,マイカ粉,タルク
粉,板状カオリン,硫酸バリウムフレークから選ばれた
1種又は2種以上の難水溶性酸化物を鱗片状粉末に使用
する請求項1又は2記載の塗料組成物。 - 【請求項4】 メチルシリコーン樹脂が一般式(CH3)a
SiO(4-a-b)/2(OH)b(ただし、a=0.5〜1.5,
b=0.5〜1.05)をもつ請求項1記載の塗料組成
物。 - 【請求項5】 請求項1〜4何れかに記載の塗料組成物
から作製された塗膜が鋼板の片面又は両面に形成されて
いることを特徴とする耐熱プレコート鋼板。
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