JP3391565B2 - 黒色シリコ−ン樹脂被覆プレコ−ト鋼板 - Google Patents
黒色シリコ−ン樹脂被覆プレコ−ト鋼板Info
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Description
動車マフラ−、ファンヒ−タ−などに好適な黒色シリコ
−ン樹脂被覆プレコ−ト鋼板に関する。 【0002】 【従来技術】自動車マフラ−は、外部が岩塩のような道
路凍結防止剤にさらされ、内部は高温の排ガスにさらさ
れるので、従来より主として耐食性、耐熱性に優れたア
ルミニウムめっき鋼板やステンレス鋼板が使用されてい
る。しかし、マフラ−は排気系統に触媒コンバ−タ−が
組み込まれるようになってから排ガス温度や組成が変化
して、内部が著しく腐食されるようになってきた。 【0003】そこで、本発明者らは、耐食性マフラ−材
として、先に(1)表面に耐熱性の透明シリコ−ン樹脂
塗膜を0.5〜2μmと薄く形成して、耐熱性、スポッ
ト溶接性を付与したシリコ−ン樹脂被覆アルミニウム系
めっき鋼板(特開昭63−172640号)や(2)シ
リコ−ン樹脂に導電剤としてアルミニウム粉末を添加し
て、塗膜を3〜10μmと厚くしてもスポット溶接性を
有するシリコ−ン樹脂被覆アルミニウム系めっき鋼板
(特開平2−265742号)を提案した。これらのプ
レコ−ト鋼板ではシリコ−ン樹脂として、一般式 R
a(C6H5)bSiOm(OH)c[式中Rは非置換または
置換のアルキル基、アルケニル基であり、a、bは0.
6≦a≦1.3、0.35≦b≦0.95で、かつ1.4≦
a+b≦1.7を満たす整数、cは本化合物中における
ケイ素原子に結合した水酸基の占める比率が0.01〜
3.0重量%となるような値を示し、mは(4−a−b
−c)/2である]で示されるオルガノポリシロキサン
樹脂を用いていた。 【0004】しかし、(1)のプレコ−ト鋼板は、スポ
ット溶接性を確保するために塗膜を薄くしてあるため、
耐食性、耐熱性が不充分であった。一方、(2)のプレ
コ−ト鋼板はこのような問題はないが、導電剤がアルミ
ニウム粉末であると、スポット溶接性に問題があった。
また、マフラ−で要求の強い色調は黒色であるが、両プ
レコ−ト鋼板とも塗膜が透明もしくはアルミニウム粉末
含有のものであるため、マフラ−はシルバ−色の外観の
ものしか製造できなかった。色調を黒色にする方法とし
ては塗膜に黒色顔料を添加するればよいのであるが、カ
−ボンブラックのような通常の顔料は耐熱性が劣るた
め、高温に長期間使用すると、塗膜剥離を起こすという
問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このスポッ
ト溶接性と塗膜の耐熱密着性の問題を解決したプレコ−
ト鋼板を提供するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、耐熱鋼板に一
般式 Ra(C6H5)bSiOm(OH)c[式中Rは非置
換または置換のアルキル基、アルケニル基であり、a、
bは0.6≦a≦1.3、0.35≦b≦0.95で、かつ
1.4≦a+b≦1.7を満たす整数、cは本化合物中に
おけるケイ素原子に結合した水酸基の占める比率が0.
01〜3.0重量%となるような値を示し、mは(4−
a−b−c)/2である]で示されるオルガノポリシロ
キサン樹脂を塗布、乾燥してなるプレコ−ト鋼板におい
て、オルガノポリシロキサン樹脂100重量部当たり粒
度分布2〜40μmの球形ニッケル粉末を20〜40重
量部、また、Cu、Fe、Mnからなる複合酸化物粉末
を10〜30重量部配合し、塗膜厚を4〜12μmにし
た。 【0007】 【作用】本発明者らは、アルミニウム粉末よりスポット
溶接性に優れた導電剤を検討した結果、ニッケル粉末が
優れていることを見いだした。そして、顔料としては、
Cu、Fe、Mnからなる複合酸化物粉末がスポット溶
接性を損なわずに黒色に着色でき、しかも、耐熱塗膜密
着性をカ−ボンブラックの場合より向上させることがで
きるのを見いだした。 【0008】ここで、ニッケル粉末としては、球形で、
粒度分布が2〜40μmのもの(平均粒径で5〜15μ
m)を用いる。ニッケル粉末の形状にはほかに鱗片状の
ものもあるが、鱗片状であると、球形のものに比べて溶
接時のスパ−ク発生が多くなる。また、粒度分布が2μ
m未満の粉末製造は困難かあるいは高価である。逆に、
40μmを超えると、塗膜密着性が低下し、かつ、溶接
時のスパ−クが増加する。配合量はオルガノポリシロキ
サン樹脂100重量部当たり20〜40重量部にする。
20重量部未満であると、スポット溶接性が劣り、40
重量部を超えると、溶接時のスパ−クが大きくなり、溶
接部を損傷する。 【0009】Cu、Fe、Mnからなる複合酸化物粉末
は、オルガノポリシロキサン樹脂100重量部当たり1
0〜30重量部配合する。これは10重量部未満である
と、塗膜厚を4μmにした場合、隠蔽力不足となり、目
的の黒色性が得られないためであり、30重量部を超え
ると、塗膜密着性が低下するからである。塗膜厚は4μ
m未満であると、隠蔽力、耐食性が弱く、12μmを超
えると、塗膜密着性が劣るので、4〜12μmにする。
また、複合酸化物粉末および塗膜厚が上記の範囲では導
電剤にニッケル粉末の代わりに、例えばアルミ粉末など
を添加すると、メタリック感が出て、目的の黒色性が得
られない。 【0010】本発明のプレコ−ト鋼板は、ニッケル粉末
とCu、Fe、Mnからなる複合酸化物粉末を配合した
オルガノポリシロキサン樹脂を溶剤で希釈して、アルミ
ニウム系めっき鋼板やステンレス鋼板のような耐熱鋼板
に塗装し、300〜350℃で90〜200秒間乾燥焼
き付けすれば製造できる。 【0011】 【実施例】ステンレス鋼板に市販の脱脂剤、表面調整剤
を用いて、脱脂、表面調整を施した後、塗布型クロメ−
ト処理を施して、種々の導電剤と顔料を配合したオルガ
ノポリシロキサン樹脂液を乾燥塗膜厚で6μmになるよ
うにロ−ルコ−タ−で塗装し、300℃で150秒間乾
燥焼き付けした。表1にこのプレコ−ト鋼板を示す。ま
た、表2、表3に鋼板を冷却した後に実施した次の試験
の結果を示す。なお、クロメ−ト処理液としてはジンク
ロムR−1320TK[日本パ−カライジング(株)
製、Cr量20mg/m2]を用い、オルガノポリシロ
キサン樹脂としては(C6H5)2SiCl230mol%、
(C6H5)SiCl320mol%、(CH3)2SiCl2
30mol%および(CH3)SiCl320mol%の混合物
をトリクロルエチレンに溶解させ、加水分解した後、ト
リクロルエチレンを留去、重合して、不揮発分50%の
キシレン溶液を調整したものを用いた。この溶液の粘度
(25℃)は50センチスト−クで、水酸基含有率1.
0重量%、平均組成式(CH3)0.8(C6H5)0.8Si
O1.165(OH)0.07であった。 【0012】(1)スポット溶接性試験 2枚の試験片(寸法:1cm×10cm)の塗装面同士
を合わせた状態で、スポット溶接を加圧力300kg
f、溶接電流8KA、通電時間10サイクル、電極チッ
プ径3.8mmの条件で行い、次の基準で溶接時のスパ
−ク発生状況と溶接後の引張強度とを評価した。 ◎:スパ−ク発生なし、引張強度200kgf以上 ○:スパ−ク小、引張強度200kgf以上 △:スパ−ク中、引張強度200kgf以上 □:スパ−ク大、引張強度200kgf以上 ×:溶接不可能 【0013】(2)塗膜密着性試験 カッタ−ナイフで鋼素地に達するゴバン目(1mm角)
を100個作成して、ゴバン目部分にJIS Z 15
22によるセロハンテ−プ密着試験を実施し、ゴバン目
の塗膜残存数を数えた。 (3)耐熱塗膜密着性試験 300℃、350℃、400℃および500℃で100
時間加熱した後、前記(2)の塗膜密着性試験を実施
し、次の基準で塗膜残存数を評価した。なお、塗膜は残
存するが、塗膜表層が剥離して、セロハンテ−プに黒粉
が僅かに付着したものは記号の右上にマイナス(−)の
記号を付けた。 ◎:塗膜残存数100個 ○:塗膜残存数75〜99個 △:塗膜残存数50〜74個 □:塗膜残存数25〜49個 ×:塗膜残存数24個以下 【0014】(4)耐熱塗膜黒色性試験 300℃、350℃、400℃および500℃で100
時間加熱した後、塗膜表面を色差計で測定し、L値(値
が大きくなるほど白色になり、小さいほど黒色になる)
を下記の基準で評価した。 ◎:L値が24未満 ○:L値が24以上、28未満 △:L値が28以上、32未満 □:L値が32以上、37未満 ×:L値が37以上 【0015】(5)耐食性試験 JIS Z 2371に準拠して塩水噴霧試験を120
時間実施し、塗膜ふくれや錆の発生状況を次の基準で評
価した。 5:発生が1mm以下 4:発生が1mm超3mm以下 3:発生が3mm超5mm以下 2:発生が5mm超7mm以下 1:発生が7mm超10mm以下 0:発生が10mm超 【0016】 【表1】 (注)球状Ni粉末は、粒度分布2〜40μm(平均粒
径:5〜15μm)のものを用いた。 【0017】 【表2】【0018】 【表3】 【0019】 【発明の効果】以上のように、本発明のプレコ−ト鋼板
は、スポット溶接性に優れているので、自動車マフラ
−、ファンヒ−タ−などに用いた場合、従来のプレコ−
ト鋼板より生産性を高めることができる。また、黒色顔
料は耐熱性に優れているので、長期間使用しても塗膜剥
離を起こしにくい。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 耐熱鋼板に一般式 Ra(C6H5)bSi
Om(OH)c[式中Rは非置換または置換のアルキル
基、アルケニル基であり、a、bは0.6≦a≦1.3、
0.35≦b≦0.95で、かつ1.4≦a+b≦1.7を
満たす整数、cは本化合物中におけるケイ素原子に結合
した水酸基の占める比率が0.01〜3.0重量%となる
ような値を示し、mは(4−a−b−c)/2である]
で示されるオルガノポリシロキサン樹脂を塗布、乾燥し
てなるプレコ−ト鋼板において、オルガノポリシロキサ
ン樹脂100重量部当たり粒度分布2〜40μmの球形
ニッケル粉末を20〜40重量部、また、Cu、Fe、
Mnからなる複合酸化物粉末を10〜30重量部配合
し、塗膜厚を4〜12μmにしたことを特徴とする黒色
シリコ−ン樹脂被覆プレコ−ト鋼板。
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JP17021694A JP3391565B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 黒色シリコ−ン樹脂被覆プレコ−ト鋼板 |
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JPH0810701A JPH0810701A (ja) | 1996-01-16 |
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