JP2002234109A - 耐熱プレコート鋼板 - Google Patents

耐熱プレコート鋼板

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JP2002234109A
JP2002234109A JP2001113099A JP2001113099A JP2002234109A JP 2002234109 A JP2002234109 A JP 2002234109A JP 2001113099 A JP2001113099 A JP 2001113099A JP 2001113099 A JP2001113099 A JP 2001113099A JP 2002234109 A JP2002234109 A JP 2002234109A
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resin
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steel sheet
heat
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JP2001113099A
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Takeshi Shimizu
剛 清水
Yoshiharu Iwamizu
義治 岩水
Keiji Izumi
圭二 和泉
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性が異なる複数種のシリコーン樹脂を配
合した塗料から塗膜を作製することにより、耐熱性と加
工性をバランスさせたプレコート鋼板を得る。 【構成】 この耐熱プレコート鋼板は、500℃で1時
間以上加熱したときの重量減少が35〜60質量%の範
囲にあるシリコーン樹脂A及び500℃で1時間以上加
熱したときの重量減少が25質量%以下のシリコーン樹
脂Bを樹脂分比A/B=0.4〜2.5で混合又は重合
させた樹脂塗膜が下地鋼板の表面に形成されている。シ
リコーン樹脂Aにはメチルフェニルシリコーン樹脂、シ
リコーン樹脂Bにはメチルフェニルシリコーン樹脂が使
用される。樹脂分100質量部に対して40〜150質
量部の顔料及び/又は5〜50質量部の防錆顔料を含む
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性が要求される加
熱調理器具,空調機器,暖房機器,自動車排気系部品等
として好適な耐熱プレコート鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱調理器具,空調機器,暖房機器,自
動車排気系部品等に使用されるプレコート鋼板として
は、塗膜耐熱温度が400℃以上,2〜4t程度の18
0度折曲げ加工で剥離しない加工性が要求されている。
耐熱用塗装鋼板としては、アルキル基,アルケニル基,
フェニル基を付加したシリコーン樹脂を主成分とする塗
料を用いた耐熱プレコート鋼板(特開昭63−1726
40号公報,特開平2−265742号公報,特開平8
−10701号公報)が知られている。シリコーン樹脂
は、Si−O結合を主骨格とするため、従来の有機樹脂
に比較して耐熱性に優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シリコーン樹脂塗膜の
耐熱特性は、シリコーン樹脂に導入される有機基の種類
や含有量により大きく変化する。一般的には、シリコー
ン樹脂中の有機基の含有量を減らすと耐熱性は向上する
が、プレコート鋼板の要求特性である加工性が低下する
傾向を示す。そのため、シリコーン樹脂系の塗料で40
0℃以上の耐熱性を有するプレコート鋼板、なかでも加
熱機能を持つ家電製品に適用可能なプレコート鋼板が提
供されていない。
【0004】因みに、樹脂中の有機基比率が比較的低い
モノメチルシリコーン系の樹脂塗膜(特開平8−245
922号公報)は、400℃以上の耐熱性に優れている
が加工性が劣る。そのため、プレコート化を可能にする
上では、耐熱性をある程度犠牲にした有機樹脂の増量で
加工性を向上させることが要求される。有機基比率が比
較的高いシリコーン樹脂塗膜(特開昭63−17264
0号公報、特開平2−265742号公報,特開平8−
10701号公報)は、プレコート化に必要な加工性を
呈するが、400℃以上の耐熱性に劣っている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、耐熱性が異なる
シリコーン樹脂を複合させた塗膜を形成することによ
り、プレコート化に必要な加工性を有しながら、300
〜500℃以上の広い温度範囲で安定した耐熱性を有す
るプレコート鋼板を提供することを目的とする。
【0006】本発明の耐熱プレコート鋼板は、その目的
を達成するため、500℃で1時間以上加熱したときの
重量減少が35〜60質量%の範囲にあるシリコーン樹
脂A及び500℃で1時間以上加熱したときの重量減少
が25質量%以下のシリコーン樹脂Bを樹脂分比A/B
=0.4〜2.5で混合又は重合させた樹脂塗膜が下地
鋼板の表面に形成されていることを特徴とする。
【0007】シリコーン樹脂Aには、一般式(CH3)
a(C65)bSiO(4-a-b-c)/2(OH)c(ただし、a=
0.6〜1.0,b=0.35〜1.0,a+b=1.
4〜1.8,c:Si原子に結合した水酸基の占める比
率が0.01〜3質量%となる値)で表されるオルガノ
ポリシロキサン樹脂等のメチルフェニルシリコーン樹脂
が使用される。シリコーン樹脂Bには、一般式(CH3)d
SiO(4-d-e)/2(OH)e(d=0.8〜1.2、e=
0.8〜1.05)で表されるオルガノポリシロキサン
樹脂等のメチルシリコーン樹脂が使用される。この樹脂
塗膜は、樹脂分100質量部に対して40〜150質量
部の顔料及び/又は5〜50質量部の防錆顔料を含むこ
とができる。顔料及び防錆顔料を併用添加する場合、両
者の合計含有量を45〜150質量部の範囲に収めるこ
とが好ましい。
【0008】
【作用】本発明に従った耐熱プレコート鋼板は、シリコ
ーン樹脂A及びシリコーン樹脂Bが混合又は重合した樹
脂塗膜が下地鋼板の表面に形成されている。シリコーン
樹脂Aは、比較的多量の有機基を含ませることにより、
500℃に1時間以上加熱したときの重量減少が35〜
60質量%に調整されており、良好な加工性を呈すると
共に下地鋼板に対する密着性にも優れている。シリコー
ン樹脂Bは、有機基含有量を比較的低く設定することに
より500℃に1時間以上加熱したときの重量減少が2
5質量%以下に抑えられており、優れた耐熱性を呈す
る。また、メチルシリコーン樹脂をシリコーン樹脂Bに
使用すると、高温雰囲気に曝されたときの加熱分解が少
なくなる。
【0009】シリコーン樹脂A及びシリコーン樹脂Bか
ら作製された塗膜では、シリコーン樹脂Aの有機基が有
効に作用して皮膜に柔軟性を与えることで加工密着性が
確保され、高温加熱時にはシリコーン樹脂Bが多くのS
i−O結合を与えることで皮膜のネットワークが更に強
化される。たとえば、シリコーン樹脂Bだけの場合には
塗膜が硬く、加熱・冷却を受けると基材との熱膨張係数
の違いに起因して塗膜にクラックが生じやすい。他方、
シリコーン樹脂A,Bが共存する本発明の塗膜では、柔
軟性に富むシリコーン樹脂Aがシリコーン樹脂Bのネッ
トワークに分散した構造になっているため、加熱・冷却
の際に基材との熱膨張係数の相違に起因する応力が分散
・緩和されて塗膜にクラックが生じにくく、良好な塗膜
性能が維持される。
【0010】
【実施の形態】耐熱プレコート鋼板の下地鋼板には、耐
熱性に優れた鋼板,ステンレス鋼板,Al系めっき鋼
板,Al系めっきステンレス鋼板等が使用され、用途や
加工度に応じて適切な鋼種が選択される。下地鋼板は、
塗装に先立って脱脂,酸洗,反応型クロメート処理,塗
布型クロメート処理,リン酸塩処理等、適宜の塗装前処
理が施される。
【0011】塗装前処理された下地鋼板にシリコーン樹
脂塗料をスプレー法,ロールコート法,バーコート法等
で塗布し、加熱焼付けによって必要膜厚のシリコーン樹
脂塗膜を形成する。シリコーン樹脂塗料は、シリコーン
樹脂Aとシリコーン樹脂Bとを配合することにより調製
される。加工性及び耐熱性をバランスさせる上では、樹
脂分比A/Bが0.4〜2.5の範囲に収まるようにシ
リコーン樹脂A及びシリコーン樹脂Bの混合比率を調整
する。オーブン機能付き電子レンジ内箱等の耐摩耗性が
要求される用途では、樹脂分比A/Bを0.4〜1.2
5の範囲にすることが望まれる。
【0012】シリコーン樹脂Aは、ポリスチレン換算で
分子量が103〜107と低分子から高分子の広範囲にわ
たる分子で構成されており、Si原子に結合するメチル
基及びフェニル基をa=0.6〜1.3,b=0.35
〜1.0,a+b=1.4〜1.8と調整することによ
って塗膜の柔軟性,密着性,加工性が確保される。ま
た、シリコン原子に結合する水酸基の比率が0.01〜
3.0質量%となるようにc値を調整することも塗膜の
柔軟性を向上させる。シリコーン樹脂Bは、ポリスチレ
ン換算で5000〜20000の重量平均分子量をも
ち、Si原子に結合するメチル基及び水酸基をd=0.
8〜1.2,e=0.8〜1.05と調整することによ
って塗膜の耐磨耗強度,耐熱性が確保される。
【0013】シリコーン樹脂塗料には、塗膜の意匠性,
耐食性,耐摩耗性,触媒機能等を向上又は付与するため
着色顔料,体質顔料,触媒,防錆顔料,金属粉等の添加
物を含有させることも可能である。顔料としては、M
n,Fe,Cr,Cu,Ti,Al等の金属酸化物や複
合酸化物、グラファイト、Al粉,Ni粉等の金属粉等
がある。防錆顔料としては、環境に配慮したモリブデン
酸カルシウム,リンモリブデン酸カルシウム,リンモリ
ブデン酸アルミニウム等の非クロム防錆顔料が好まし
い。また、バインダーがシリコーン樹脂であることか
ら、TiO2等の光触媒も添加でき、光触媒反応で油脂
を酸化分解するセルフクリーニング機能が発現する。
【0014】顔料は、塗料中の樹脂分100質量部に対
して40〜150質量部の割合で添加することが好まし
い。顔料による隠蔽作用は40質量部以上の添加で顕著
になるが、150質量部を超える過剰添加では塗膜が脆
くなり、加工密着性が低下する。防錆顔料は、塗料中の
樹脂分100質量部に対し5〜50質量部の割合で、顔
料と併用添加する場合には合計45〜150質量部とな
る割合で添加される。防錆顔料による耐食性改善効果は
5質量部以上で顕著になるが、50質量部を超える過剰
量を添加しても防錆顔料の増量に見合った耐食性に向上
がみられない。
【0015】下地鋼板に塗布されたシリコーン樹脂塗料
を最高到達板温160〜350℃で焼き付けると、耐熱
性,加工性に優れた塗膜が形成される。160℃に達し
ない加熱温度では、塗膜に溶剤が残存して樹脂の架橋が
不充分になり、加工密着性の低下やコイル巻取り時,切
り板のパイリング時に塗膜面がブロッキングを起こしや
すくなる。逆に350℃を超える加熱温度では、塗膜の
架橋密度が高くなりすぎ、加工密着性が低下する傾向が
みられる。また、2μm未満の膜厚では塗膜の機能性が
十分に発現されず、逆に20μmを超える厚膜では加工
密着性が低下する。
【0016】
【実施例1】500℃×1時間加熱後の重量減少が38
%のシリコーン樹脂A及び13%のシリコーン樹脂Bを
種々の比率で混合し、顔料無添加のシリコーン樹脂塗料
を用意した。アルカリ脱脂した板厚0.4mmの溶融A
lめっき鋼板(塗装原板)にシリコーン樹脂塗料をバー
コート法で塗布し、到達最高板温230℃(試験番号1
〜9),330℃(試験番号10)で焼き付け、膜厚5
μmのクリア塗膜を形成した。各塗装鋼板から試験片を
切り出し、加工試験及び加熱後腐食試験に供した。
【0017】加工試験では、試験片を180度折り曲げ
加工(2t〜5t)し、加工部にセロハンテープを貼り
付けた後で剥離するテーピング剥離試験を実施した。セ
ロハンテープ剥離後に加工部表面を顕微鏡観察し、塗膜
が剥離しなかったものを◎,僅かに剥離が検出されたも
のを○,著しく剥離したものを×として加工密着性を評
価した。加熱後腐食試験では、試験片を500℃に30
分加熱した後で直ちに水冷するヒートショック試験を5
サイクル繰り返した後、塩水噴霧を100時間継続し
た。塩水噴霧後の試験片表面を観察し、塗装面に発生し
た白錆の占める面積率が5%未満を○,5%以上を×と
して加熱後耐食性を評価した。
【0018】表1の調査結果にみられるように、樹脂分
比A/Bが0.4〜2.5の範囲にある試験番号1〜6
(本発明例)では、加工密着性及び加熱後耐食性の双方
が良好で、プレコート用として使用可能な耐熱塗膜であ
ることが確認された。これに対し、シリコーン樹脂B単
独で形成した試験番号7(比較例)やシリコーン樹脂A
が不足する試験番号8(比較例)の塗膜では、5t曲げ
加工で塗膜剥離が生じ、ヒートショック試験後の耐食性
にも劣っていた。また、シリコーン樹脂A単独で形成し
た試験番号10(比較例)やシリコーン樹脂Bが不足す
る試験番号9(比較例)の塗膜では、良好な加工性を示
すものの、ヒートショック試験後の耐食性に劣ってい
た。
【0019】
【0020】
【実施例2】塗装原板として、脱脂・酸洗処理にクロム
付着量20〜30mg/m2の塗布型クロメート処理を
施した板厚0.4mmのSUS304・2D仕上げ材及
びアルカリ脱脂後にクロム付着量20〜30mg/m2
の塗布型クロメート処理を施した板厚0.4mmの溶融
Alめっき鋼板を用意した。樹脂分100質量部に対し
て80質量部の割合で黒色顔料(MnCuCrO4焼成
顔料),20質量部の割合でリンモリブデン酸アルミニ
ウム系の防錆顔料を実施例1と同じシリコーン樹脂に配
合した塗料を調製した。各塗装原板にバーコート法で塗
布し、最高到達板温230℃(試験番号11〜20),
330℃(試験番号21,22)で加熱焼付けすること
により、乾燥膜厚6μmのシリコーン樹脂塗膜を形成し
た。
【0021】各塗装鋼板から試験片を切り出し、実施例
1と同じ加工試験に加え、磨耗試験,加工後二次密着試
験に供した。摩耗試験では、試験片を500℃で100
時間加熱した後、市販の台所用液体洗剤を浸み込ませた
フェルトで、荷重2kgをかけて塗膜面を擦った。そし
て、下地鋼板が露出するまでの回数(往復で1回)を測
定し、100回以上擦っても下地鋼板が露出しないもの
を○,100回未満の摩擦で下地鋼板が露出したものを
×として耐摩耗性を評価した。
【0022】加工後二次密着試験では、350℃,40
0℃,500℃と加熱温度を変えて実施例1と同様のヒ
ートショック試験を実施した後、JIS Z2371に
準拠して塩水噴霧試験を100時間継続した。そして、
セロハンテープを貼り付けて引き剥がすテーピング剥離
試験に供し、塗膜の剥離が検出されなかったものを◎,
塗膜の一部が点状に剥離したものを○,塗膜が著しく剥
離したものを×として二次密着性を評価した。なお、比
較例29〜32の試験片では、500℃加熱だけでセロ
ハンテープの剥離に伴って塗膜の凝集剥離がみられたた
め、塩水噴霧試験は実施しなかった。
【0023】樹脂分比A/Bを0.4〜2.5の範囲に
維持したシリコーン樹脂塗料を使用した本発明例では、
表2,3にみられるように、優れた加工密着性及び加熱
後二次密着性が示された。樹脂分比A/B≦1.2で優
れた耐摩耗性が得られ、樹脂分比A/Bの増加に応じて
耐摩耗性が低下する傾向が窺われる。耐熱密着性に関し
ても、表2,3では表示しなかったが、350〜500
℃の温度範囲で優れた特性であった。
【0024】
【0025】
【0026】
【実施例3】塗装原板として、アルカリ脱脂後にクロム
付着量20〜30mg/m2の塗布型クロメート処理を
施した板厚0.4mmの溶融Alめっき鋼板を用意し
た。(C65)2SiCl2,(C65)SiCl3,(CH3)
2SiCl2,(CH3)SiCl3を出発原料として、種々
の割合で混合し、常法に従って重合させたシリコーン樹
脂A,Bを数種類作製した。樹脂分比A/B=0.7で
シリコーン樹脂A,Bを配合し、樹脂分100質量部に
対し70質量部の割合で黒色顔料(MnCuCrOx
成顔料),30質量部の割合でモリブデン酸カルシウム
系の防錆顔料を添加することにより、表4に示すシリコ
ーン樹脂塗料を調製した。なお、各シリコーン樹脂に5
00℃×50時間の加熱を施し、加熱前後の重量減少率
を求めた結果を表4に併せ示す。
【0027】
【0028】シリコーン樹脂塗料を塗装原板に塗布・焼
き付けた後、塗装鋼板の塗膜特性を実施例2と同様に調
査した。表5,6の調査結果にみられるように、シリコ
ーン樹脂A,Bのa〜e値及び樹脂分比A/Bを本発明
で規定した範囲に維持するとき、加工密着性,耐磨耗
性,加熱後二次密着性に優れた塗膜が形成された。他
方、シリコーン樹脂Aのフェニル基が過剰な試験番号3
8や、シリコーン樹脂Bのメチル基が多い試験番号40
では、加工密着性は良好であるものの、耐摩耗性に劣っ
ていた。シリコーン樹脂Aのフェニル基が少ない試験番
号39では、耐摩耗性は良好であるものの加工密着性に
劣っていた。なお、試験番号40は、500℃×100
時間の加熱後にテーピング剥離試験する耐熱試験で塗膜
の凝集剥離がみられたため、加熱後二次密着試験は実施
しなかった。
【0029】
【0030】
【0031】
【実施例4】塗装原板として、アルカリ脱脂後にクロム
付着量が20〜40mg/m2となるように反応型クロ
メート処理,塗布方クロメート処理の順で前処理した板
厚0.4mmの溶融Alめっき鋼板を用意した。樹脂分
比A/B=0.8で実施例1と同じシリコーン樹脂A及
びシリコーン樹脂Bを配合し、樹脂分100質量部に対
して60質量部の黒色顔料(MnCuCrOx焼成顔
料)及び20質量部の防錆顔料(モリブデン酸亜鉛)を
添加したシリコーン樹脂塗料を調製した。シリコーン樹
脂塗料を塗装原板にバーコート法で塗布し、到達最高板
温250℃で加熱焼付けすることにより、乾燥膜厚5μ
mの塗膜を形成した。
【0032】得られた塗装鋼板は、加工密着性に優れ、
180度4t曲げ試験した後でも塗膜剥離が観察されな
かった。また、500℃×100時間の加熱後に往復1
00回の耐摩耗性試験したところ、何れの塗装鋼板にお
いても下地鋼板の露出がなく、耐摩耗性に優れているこ
とが確認できた。更に、350℃,400℃,500度
の各温度に種々の時間加熱した試験片を100時間継続
して塩水噴霧した後、セロハンテープを貼り付けて引き
剥がすテーピング剥離試験に供し、塗膜の剥離状況を観
察した。観察結果から、塗膜に剥離が検出されなかった
ものを◎,塗膜の一部が点状に剥離したものを○,塗膜
が著しく剥離したものを×として二次密着性を評価し
た。表7の調査結果にみられるように、何れの加熱条件
下でも優れた二次密着性が示された。
【0033】
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による耐
熱プレコート鋼板は、耐熱性の異なるシリコーン樹脂A
及びシリコーン樹脂Bを配合して塗膜を形成することに
より、プレコート化に要求される加工性を呈し、300
〜500℃の広い温度範囲において優れた耐熱性も兼ね
備えている。また、体質顔料,着色顔料,防錆顔料等の
添加剤によって、用途に応じた特性が付与される。この
ようにして得られた耐熱プレコート鋼板は、優れた加工
性,耐摩耗性,耐食性,耐熱性を活用し、加熱調理器
具,暖房機器,空調機器,自動車排気系部品等、広範な
用途で使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 28/00 C23C 28/00 A (72)発明者 和泉 圭二 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 CA02 CA13 CA18 CA33 CA47 DA06 DB02 DC10 DC13 DC38 EA07 EA19 EB43 EB55 EB56 EC11 EC15 4F100 AA19A AB03A AK52B AK52K AL05B BA02 CA13B EH71A EJ64A GB32 GB48 JB02 JJ03 JK06 JK16 JL01 YY00B 4K044 AA03 AB02 BA10 BA21 BB03 BC02 BC05 CA11 CA53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 500℃で1時間以上加熱したときの重
    量減少が35〜60質量%の範囲にあるシリコーン樹脂
    A及び500℃で1時間以上加熱したときの重量減少が
    25質量%以下のシリコーン樹脂Bを樹脂分比A/B=
    0.4〜2.5で混合又は重合した樹脂塗膜が下地鋼板
    の表面に形成されていることを特徴とする耐熱プレコー
    ト鋼板。
  2. 【請求項2】 シリコーン樹脂Aがメチルフェニルシリ
    コーン樹脂である請求項1記載の耐熱プレコート鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のメチルフェニルシリコー
    ン樹脂が一般式(CH3)a(C65)bSiO
    (4-a-b-c)/2(OH)c(ただし、a=0.6〜1.0,b
    =0.35〜1.0,a+b=1.4〜1.8,c:S
    i原子に結合した水酸基の占める比率が0.01〜3質
    量%となる値)で表されるオルガノポリシロキサン樹脂
    である耐熱プレコート鋼板。
  4. 【請求項4】 シリコーン樹脂Bがメチルシリコーン樹
    脂である請求項1記載の耐熱プレコート鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のメチルシリコーン樹脂が
    一般式(CH3)dSiO(4-d-e)/2(OH)e(d=0.8〜
    1.2、e=0.8〜1.05)で表されるオルガノポ
    リシロキサン樹脂である耐熱プレコート鋼板。
  6. 【請求項6】 樹脂塗膜が樹脂分100質量部に対し4
    0〜150質量部の顔料を含む請求項1〜5記載の耐熱
    プレコート鋼板。
  7. 【請求項7】 樹脂塗膜が樹脂分100質量部に対し5
    〜50質量部の防錆顔料を含む請求項1〜6記載の耐熱
    プレコート鋼板。
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JP2007016252A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱プレコート鋼板
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US8043708B2 (en) 2004-04-16 2011-10-25 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation Surface-treated metal, method for producing the same, exhaust component for two-wheeled vehicle or four-wheeled vehicle, and interior and exterior component for domestic appliance
JP2014180849A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱性塗装鋼板

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