JPH07258895A - プレス加工性および耐食性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents
プレス加工性および耐食性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板Info
- Publication number
- JPH07258895A JPH07258895A JP5186894A JP5186894A JPH07258895A JP H07258895 A JPH07258895 A JP H07258895A JP 5186894 A JP5186894 A JP 5186894A JP 5186894 A JP5186894 A JP 5186894A JP H07258895 A JPH07258895 A JP H07258895A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plating
- steel sheet
- zinc
- layer
- corrosion resistance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】プレス加工性、耐食性、塗膜密着性に優れた複
層亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板の提供。 【構成】鋼板の少なくとも一方の表面上に、めっき付着
量が１０〜８０ｇ／ｍ 2 の亜鉛または亜鉛合金めっきの
下層めっきと、めっき付着量が２〜１５ｇ／ｍ 2 でシリ
カ含有率が３〜２０重量％の複合亜鉛または複合亜鉛合
金めっきの上層めっきとからなる、複層めっき層を有す
る。
層亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板の提供。 【構成】鋼板の少なくとも一方の表面上に、めっき付着
量が１０〜８０ｇ／ｍ 2 の亜鉛または亜鉛合金めっきの
下層めっきと、めっき付着量が２〜１５ｇ／ｍ 2 でシリ
カ含有率が３〜２０重量％の複合亜鉛または複合亜鉛合
金めっきの上層めっきとからなる、複層めっき層を有す
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用鋼板や家電用
鋼板等の様に、良好なプレス加工性と優れた防錆性能を
要求される用途に適した複層の亜鉛系めっき鋼板に関す
るものである。
鋼板等の様に、良好なプレス加工性と優れた防錆性能を
要求される用途に適した複層の亜鉛系めっき鋼板に関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】鋼板を防食する手段として、従来から亜
鉛めっきが汎用されており、亜鉛めっきを施した表面処
理鋼板は、自動車や家電を中心として広く使用されてき
た。また近年の耐食性向上のために、亜鉛めっきの他に
Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき，Ｚｎ−Ｆｅ合金めっきのような
亜鉛合金めっきが使用されている。また亜鉛系めっき中
に金属の酸化物等を分散させたいわゆる分散めっきも特
開昭６３−１９９８９９号、特開昭６０−１４１８９８
号にみられるように検討されてきている。これら亜鉛系
めっき鋼板は、より高い耐食性を求めるためにめっき付
着量を増加する傾向にある。また亜鉛系めっき鋼板は、
一部の用途を除けば塗装して使用されることが多い。
鉛めっきが汎用されており、亜鉛めっきを施した表面処
理鋼板は、自動車や家電を中心として広く使用されてき
た。また近年の耐食性向上のために、亜鉛めっきの他に
Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき，Ｚｎ−Ｆｅ合金めっきのような
亜鉛合金めっきが使用されている。また亜鉛系めっき中
に金属の酸化物等を分散させたいわゆる分散めっきも特
開昭６３−１９９８９９号、特開昭６０−１４１８９８
号にみられるように検討されてきている。これら亜鉛系
めっき鋼板は、より高い耐食性を求めるためにめっき付
着量を増加する傾向にある。また亜鉛系めっき鋼板は、
一部の用途を除けば塗装して使用されることが多い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレス
成形に際して、亜鉛めっき鋼板においてはめっき層が軟
らか過ぎてビルドアップ現象（めっき金属が金型面に付
着）を招きやすい欠点があり、この現象は次に来るワー
クのプレスに際して押し疵の原因になるばかりか、耐食
性自体も低下する。またＺｎ−Ｎｉ合金めっき，Ｚｎ−
Ｆｅ合金めっきのような亜鉛合金めっきでは、めっき層
が硬い（一般にＨＶ２００〜４００）ので、プレス成形
時にめっき層が粒状に割れ、剥離するいわゆるパウダリ
ング現象が発生するという問題がある。そしてこれらの
現象はめっき付着量の増大とともに増加する傾向にあ
る。まためっき付着量の増大は、めっき表面が粗大とな
り、塗装後の外観が悪くなる欠点がある。また金属の酸
化物を分散させた亜鉛または亜鉛合金複合めっき鋼板
は、耐食性は良いが、めっき密着性が悪い欠点があっ
た。
成形に際して、亜鉛めっき鋼板においてはめっき層が軟
らか過ぎてビルドアップ現象（めっき金属が金型面に付
着）を招きやすい欠点があり、この現象は次に来るワー
クのプレスに際して押し疵の原因になるばかりか、耐食
性自体も低下する。またＺｎ−Ｎｉ合金めっき，Ｚｎ−
Ｆｅ合金めっきのような亜鉛合金めっきでは、めっき層
が硬い（一般にＨＶ２００〜４００）ので、プレス成形
時にめっき層が粒状に割れ、剥離するいわゆるパウダリ
ング現象が発生するという問題がある。そしてこれらの
現象はめっき付着量の増大とともに増加する傾向にあ
る。まためっき付着量の増大は、めっき表面が粗大とな
り、塗装後の外観が悪くなる欠点がある。また金属の酸
化物を分散させた亜鉛または亜鉛合金複合めっき鋼板
は、耐食性は良いが、めっき密着性が悪い欠点があっ
た。
【０００４】一方亜鉛系めっき鋼板は、一部の用途を除
けば塗装して使用されることが多い。しかし亜鉛めっき
上への塗膜密着性は非常に悪く、これを改善する目的で
亜鉛めっきの表面にリン酸塩処理やクロメート処理等の
塗装前処理を施すのが一般的である。このような予備的
化成処理は、それ自身が複雑な工程であり、装置面にお
いても大がかりなものを必要とし、設備コストおよびラ
ンニングコストが増大するだけでなく、廃液の処理とい
った公害防止の設備も必要になり極めて不経済である。
けば塗装して使用されることが多い。しかし亜鉛めっき
上への塗膜密着性は非常に悪く、これを改善する目的で
亜鉛めっきの表面にリン酸塩処理やクロメート処理等の
塗装前処理を施すのが一般的である。このような予備的
化成処理は、それ自身が複雑な工程であり、装置面にお
いても大がかりなものを必要とし、設備コストおよびラ
ンニングコストが増大するだけでなく、廃液の処理とい
った公害防止の設備も必要になり極めて不経済である。
【０００５】本発明は、プレス加工性および耐食性に優
れた複層亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的とする
ものである。
れた複層亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的とする
ものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かねてよりめっき組成の全般的な見直しに着手し、プレ
ス加工に対する追随性に優れた柔軟性を備えるとともに
金型面との潤滑性が優れ、さらに塗膜に対する優れた親
和性を示し、しかもめっきとして耐食性に優れためっき
組成を検討し、本発明に至った。
かねてよりめっき組成の全般的な見直しに着手し、プレ
ス加工に対する追随性に優れた柔軟性を備えるとともに
金型面との潤滑性が優れ、さらに塗膜に対する優れた親
和性を示し、しかもめっきとして耐食性に優れためっき
組成を検討し、本発明に至った。
【０００７】すなわち、本発明は、鋼板の少なくとも一
方の表面上に、めっき付着量が１０〜８０ｇ／ｍ2 の亜
鉛または亜鉛合金めっきの下層めっきと、めっき付着量
が２〜１５ｇ／ｍ2 でシリカ含有率が３〜２０重量％の
複合亜鉛または複合亜鉛合金めっきの上層めっきとから
なる、複層めっき層を有することを特徴とする、プレス
加工性および耐食性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板を提
供するものである。
方の表面上に、めっき付着量が１０〜８０ｇ／ｍ2 の亜
鉛または亜鉛合金めっきの下層めっきと、めっき付着量
が２〜１５ｇ／ｍ2 でシリカ含有率が３〜２０重量％の
複合亜鉛または複合亜鉛合金めっきの上層めっきとから
なる、複層めっき層を有することを特徴とする、プレス
加工性および耐食性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板を提
供するものである。
【０００８】
【作用】本発明者らは、従来の亜鉛めっきまたは亜鉛合
金めっきのプレス成形性を改善する観点から様々の検討
を加えた。まず亜鉛めっきについて金型によるかじりや
ビルドアップ現象が生じるのは、既に指摘したとおりめ
っき層の硬さがＨＶ５０〜７０程度とほぼ一定の軟らか
い範囲にあるのが原因であると考えられる。また亜鉛合
金めっきについてパウダリングが生じるのは、逆に硬す
ぎるのが原因と考えられることも既に指摘したとおりで
ある。これらの亜鉛合金めっきでは、耐食性からは現在
使用されている組成が最適となっているが、プレス加工
性の観点からは必ずしも最適な組成となっていなかっ
た。
金めっきのプレス成形性を改善する観点から様々の検討
を加えた。まず亜鉛めっきについて金型によるかじりや
ビルドアップ現象が生じるのは、既に指摘したとおりめ
っき層の硬さがＨＶ５０〜７０程度とほぼ一定の軟らか
い範囲にあるのが原因であると考えられる。また亜鉛合
金めっきについてパウダリングが生じるのは、逆に硬す
ぎるのが原因と考えられることも既に指摘したとおりで
ある。これらの亜鉛合金めっきでは、耐食性からは現在
使用されている組成が最適となっているが、プレス加工
性の観点からは必ずしも最適な組成となっていなかっ
た。
【０００９】そこで本発明者らは、耐食性に最適なめっ
き組成を変えずにプレス加工性を向上させるには、金型
と接触するめっき表層の形態を変更すればよいという着
想のもとに、３〜２０重量％のシリカを添加した分散め
っきを、３〜１５ｇ／ｍ2 上層に施すことで、めっきの
剥離を起こすことなく、プレス加工性を著しく改善でき
た。これは、適度なシリカ量の添加で、シリカとめっき
表面の形状の効果により摺動性の改善がなされたものと
考えられる。
き組成を変えずにプレス加工性を向上させるには、金型
と接触するめっき表層の形態を変更すればよいという着
想のもとに、３〜２０重量％のシリカを添加した分散め
っきを、３〜１５ｇ／ｍ2 上層に施すことで、めっきの
剥離を起こすことなく、プレス加工性を著しく改善でき
た。これは、適度なシリカ量の添加で、シリカとめっき
表面の形状の効果により摺動性の改善がなされたものと
考えられる。
【００１０】まためっき表層にプレス油を保持するに
は、適度な凸凹が必要でこのためには従来めっき付着量
を多くする必要があり、上述のめっき剥離の問題点があ
ったが、表層にシリカ入りの分散めっきを施すことでめ
っき表面に適度な凸凹を付与でき、めっき付着量を増大
しなくてもよいことがわかった。
は、適度な凸凹が必要でこのためには従来めっき付着量
を多くする必要があり、上述のめっき剥離の問題点があ
ったが、表層にシリカ入りの分散めっきを施すことでめ
っき表面に適度な凸凹を付与でき、めっき付着量を増大
しなくてもよいことがわかった。
【００１１】また耐食性は、亜鉛めっきまたは亜鉛合金
めっきでの最適な組成のめっきにシリカを３〜２０重量
％分散させることで、無塗装材および塗装材の耐食性を
著しく向上できた。これは、シリカの亜鉛溶出速度の抑
制と腐食生成物の保持作用による効果だと考えられる。
めっきでの最適な組成のめっきにシリカを３〜２０重量
％分散させることで、無塗装材および塗装材の耐食性を
著しく向上できた。これは、シリカの亜鉛溶出速度の抑
制と腐食生成物の保持作用による効果だと考えられる。
【００１２】また、亜鉛めっきの塗装性は、従来亜鉛め
っき鋼板の上にシリカ入りのクロメート処理やシリカ入
りの有機樹脂系プライマーを塗布することで、上塗り塗
膜との密着性が向上することがよく知られていることか
ら、めっきの上層に３〜２０重量％のシリカ入りの亜鉛
分散めっきを行ったところ、シリカ入りのクロメートや
シリカ入りの有機樹脂プライマーの塗布時と同様な上塗
り塗膜との良好な密着性が得られた。
っき鋼板の上にシリカ入りのクロメート処理やシリカ入
りの有機樹脂系プライマーを塗布することで、上塗り塗
膜との密着性が向上することがよく知られていることか
ら、めっきの上層に３〜２０重量％のシリカ入りの亜鉛
分散めっきを行ったところ、シリカ入りのクロメートや
シリカ入りの有機樹脂プライマーの塗布時と同様な上塗
り塗膜との良好な密着性が得られた。
【００１３】以下に、本発明のプレス加工性および耐食
性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板について、詳細に説明
する。本発明においては、鋼板の少なくとも一方の表面
上に、亜鉛系の複層めっきを施す。鋼板としては、冷延
鋼板、熱延鋼板など任意のものを用いることができる。
複層めっきは、付着量が１０〜８０ｇ／ｍ2 の亜鉛また
は亜鉛合金めっきの下層および付着量が２〜１５ｇ／ｍ
2 でシリカを３〜２０重量％含有する複合亜鉛または亜
鉛合金めっきの上層よりなる。このように、上層にシリ
カを適量含有させた複層めっきにより、めっき付着量を
増大させることなく、プレス加工性、耐食性を改善で
き、しかも塗装性も改善される。
性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板について、詳細に説明
する。本発明においては、鋼板の少なくとも一方の表面
上に、亜鉛系の複層めっきを施す。鋼板としては、冷延
鋼板、熱延鋼板など任意のものを用いることができる。
複層めっきは、付着量が１０〜８０ｇ／ｍ2 の亜鉛また
は亜鉛合金めっきの下層および付着量が２〜１５ｇ／ｍ
2 でシリカを３〜２０重量％含有する複合亜鉛または亜
鉛合金めっきの上層よりなる。このように、上層にシリ
カを適量含有させた複層めっきにより、めっき付着量を
増大させることなく、プレス加工性、耐食性を改善で
き、しかも塗装性も改善される。
【００１４】上層の亜鉛または亜鉛合金めっき中に添加
するシリカは、コロイド状のアニオン型あるいはカチオ
ン型のシリカのどちらを用いてもよい。シリカの粒径
は、１０〜１００ｎｍの範囲であることが好ましい。上
層の亜鉛または亜鉛合金めっきを行うのに使用するめっ
き浴としては、通常の硫酸浴、塩化浴あるいはこれらの
混合浴が使用できる。この基本浴に、硫酸ナトリウムや
酢酸ナトリウム等の導電助剤、ｐＨ緩衝剤あるいはその
他の添加剤が含まれてもよい。まためっき浴のｐＨは、
１〜４．５の範囲が適当である。下層の亜鉛または亜鉛
合金めっきは、コロイド状のシリカが添加されていない
以外は上と全く同様なめっき浴で行う。めっき条件は付
着量などに応じて適宜選択すればよい。
するシリカは、コロイド状のアニオン型あるいはカチオ
ン型のシリカのどちらを用いてもよい。シリカの粒径
は、１０〜１００ｎｍの範囲であることが好ましい。上
層の亜鉛または亜鉛合金めっきを行うのに使用するめっ
き浴としては、通常の硫酸浴、塩化浴あるいはこれらの
混合浴が使用できる。この基本浴に、硫酸ナトリウムや
酢酸ナトリウム等の導電助剤、ｐＨ緩衝剤あるいはその
他の添加剤が含まれてもよい。まためっき浴のｐＨは、
１〜４．５の範囲が適当である。下層の亜鉛または亜鉛
合金めっきは、コロイド状のシリカが添加されていない
以外は上と全く同様なめっき浴で行う。めっき条件は付
着量などに応じて適宜選択すればよい。
【００１５】上層めっき中に添加するシリカは、３重量
％未満では、めっき層の耐食性、プレス加工性および塗
膜密着性の向上効果が少なく、２０重量％をこえると、
めっき層の密着性が著しく低下する。このため上層めっ
き中のシリカ添加量は、３〜２０重量％の範囲が良い。
％未満では、めっき層の耐食性、プレス加工性および塗
膜密着性の向上効果が少なく、２０重量％をこえると、
めっき層の密着性が著しく低下する。このため上層めっ
き中のシリカ添加量は、３〜２０重量％の範囲が良い。
【００１６】上層の亜鉛または亜鉛合金の分散めっきの
付着量は、２ｇ／ｍ2 未満では下層めっきを十分に覆う
ことができず、めっき層の耐食性、プレス加工性および
塗膜密着性の向上効果が少なく、１５ｇ／ｍ2 をこえる
と、分散めっき層の密着性の低下が下層にまでおよびプ
レス加工性が低下する。このため上層めっきの付着量
は、２〜１５ｇ／ｍ2 の範囲が良い。
付着量は、２ｇ／ｍ2 未満では下層めっきを十分に覆う
ことができず、めっき層の耐食性、プレス加工性および
塗膜密着性の向上効果が少なく、１５ｇ／ｍ2 をこえる
と、分散めっき層の密着性の低下が下層にまでおよびプ
レス加工性が低下する。このため上層めっきの付着量
は、２〜１５ｇ／ｍ2 の範囲が良い。
【００１７】下層の亜鉛または亜鉛合金めっきとして
は、Ｚｎめっきのほか、Ｚｎ−Ｎｉめっき（Ｎｉ ５〜
２０重量％）、Ｚｎ−Ｆｅめっき（Ｆｅ １０〜２０重
量％）、Ｚｎ−Ｃｏめっき（Ｃｏ １０〜２０重量％）
等を用いることができる。また上層のシリカ含有亜鉛ま
たは亜鉛合金めっきは、シリカ含有量を３〜２０重量％
とし、上述した亜鉛または亜鉛合金めっきと同じ耐食性
のよい合金組成範囲とする。
は、Ｚｎめっきのほか、Ｚｎ−Ｎｉめっき（Ｎｉ ５〜
２０重量％）、Ｚｎ−Ｆｅめっき（Ｆｅ １０〜２０重
量％）、Ｚｎ−Ｃｏめっき（Ｃｏ １０〜２０重量％）
等を用いることができる。また上層のシリカ含有亜鉛ま
たは亜鉛合金めっきは、シリカ含有量を３〜２０重量％
とし、上述した亜鉛または亜鉛合金めっきと同じ耐食性
のよい合金組成範囲とする。
【００１８】下層の亜鉛または亜鉛合金めっきの付着量
は、１０ｇ／ｍ2 未満では、めっき層全体の目付量が不
足して耐食性が低下することとなり、８０ｇ／ｍ2 をこ
えると、めっき層全体の目付量が多くなり、プレス加工
性が低下することとなるため、１０〜８０ｇ／ｍ2 とす
るのがよい。
は、１０ｇ／ｍ2 未満では、めっき層全体の目付量が不
足して耐食性が低下することとなり、８０ｇ／ｍ2 をこ
えると、めっき層全体の目付量が多くなり、プレス加工
性が低下することとなるため、１０〜８０ｇ／ｍ2 とす
るのがよい。
【００１９】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 （実施例）冷延鋼板を脱脂、酸洗後、酸性亜鉛または酸
性亜鉛合金めっき浴によって下層の電気めっきを行っ
た。続いてコロイド状シリカ（日産化学社製ＳＴ−Ｏ、
粒径５０ｎｍ）を酸性亜鉛または酸性亜鉛合金めっき浴
に加え、分散めっき（上層めっき）を下層めっき上に行
った。得られためっきサンプルについて、無塗装材およ
び塗装材（アミノアルキッド系塗料 ２０μｍ塗布）に
ついて、プレス加工性、耐食性、塗膜密着性を調査し
た。
明する。 （実施例）冷延鋼板を脱脂、酸洗後、酸性亜鉛または酸
性亜鉛合金めっき浴によって下層の電気めっきを行っ
た。続いてコロイド状シリカ（日産化学社製ＳＴ−Ｏ、
粒径５０ｎｍ）を酸性亜鉛または酸性亜鉛合金めっき浴
に加え、分散めっき（上層めっき）を下層めっき上に行
った。得られためっきサンプルについて、無塗装材およ
び塗装材（アミノアルキッド系塗料 ２０μｍ塗布）に
ついて、プレス加工性、耐食性、塗膜密着性を調査し
た。
【００２０】評価方法は以下の通りである。評価結果を
表１に示す。 プレス加工性 μk ：ドロービード試験での動摩擦係数 剥離量：ドロービード試験でのめっき剥離量 耐食性 無塗装材：塩水噴霧試験（ＪＩＳ Ｚ ２３
７１）での赤錆発生時間で評価 塗装材：クロスカット後の複合サイクル試験（塩水噴霧
１時間、乾燥６時間、湿潤１時間を１サイクルとして１
８０サイクル）での塗膜剥離幅で評価 塗装性 ：ゴバン目エリクセン試験後、テー
プ剥離試験して塗膜剥離率で評価 ○：優 △：良 ×：不可
表１に示す。 プレス加工性 μk ：ドロービード試験での動摩擦係数 剥離量：ドロービード試験でのめっき剥離量 耐食性 無塗装材：塩水噴霧試験（ＪＩＳ Ｚ ２３
７１）での赤錆発生時間で評価 塗装材：クロスカット後の複合サイクル試験（塩水噴霧
１時間、乾燥６時間、湿潤１時間を１サイクルとして１
８０サイクル）での塗膜剥離幅で評価 塗装性 ：ゴバン目エリクセン試験後、テー
プ剥離試験して塗膜剥離率で評価 ○：優 △：良 ×：不可
【００２１】表１に見られるごとく、本発明の条件を満
足する実験Ｎｏ１〜１８はすべて良好なプレス加工性、
耐食性と塗装性が認められた。これに対しＮｏ１９〜３
０は、亜鉛または亜鉛合金めっきの単独あるいは、上層
の分散めっきのシリカ含有量が最適範囲外、上層の分散
めっきの付着量が最適範囲外であるためプレス加工性、
耐食性、塗膜密着性が劣っていた。
足する実験Ｎｏ１〜１８はすべて良好なプレス加工性、
耐食性と塗装性が認められた。これに対しＮｏ１９〜３
０は、亜鉛または亜鉛合金めっきの単独あるいは、上層
の分散めっきのシリカ含有量が最適範囲外、上層の分散
めっきの付着量が最適範囲外であるためプレス加工性、
耐食性、塗膜密着性が劣っていた。
【００２２】
【表１】
【００２３】
【表２】
【００２４】
【表３】
【００２５】
【表４】
【００２６】
【表５】
【００２７】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されているの
で、プレス成形時にパウダリング現象やビルドアップ現
象を生じることがなく、塗膜密着性が良好であるととも
に、無塗装材や塗装材の耐食性が優れている。
で、プレス成形時にパウダリング現象やビルドアップ現
象を生じることがなく、塗膜密着性が良好であるととも
に、無塗装材や塗装材の耐食性が優れている。
Claims (1)
- 【請求項１】鋼板の少なくとも一方の表面上に、めっき
付着量が１０〜８０ｇ／ｍ2 の亜鉛または亜鉛合金めっ
きの下層めっきと、めっき付着量が２〜１５ｇ／ｍ2 で
シリカ含有率が３〜２０重量％の複合亜鉛または複合亜
鉛合金めっきの上層めっきとからなる、複層めっき層を
有することを特徴とする、プレス加工性および耐食性に
優れた複層亜鉛系めっき鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5186894A JPH07258895A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | プレス加工性および耐食性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5186894A JPH07258895A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | プレス加工性および耐食性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07258895A true JPH07258895A (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=12898866
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5186894A Withdrawn JPH07258895A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | プレス加工性および耐食性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07258895A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005068500A (ja) * | 2003-08-26 | 2005-03-17 | Okayama Prefecture | 電気めっき鋼材及びその製造方法 |
| JP2018044221A (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | 本田技研工業株式会社 | 亜鉛−ニッケル複合めっき浴、亜鉛−ニッケル複合めっき被膜、金型、めっき方法 |
| CN114867891A (zh) * | 2019-12-23 | 2022-08-05 | 迪普索股份公司 | 锌-镍-二氧化硅复合镀浴和使用该浴的镀覆方法 |
-
1994
- 1994-03-23 JP JP5186894A patent/JPH07258895A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005068500A (ja) * | 2003-08-26 | 2005-03-17 | Okayama Prefecture | 電気めっき鋼材及びその製造方法 |
| JP2018044221A (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | 本田技研工業株式会社 | 亜鉛−ニッケル複合めっき浴、亜鉛−ニッケル複合めっき被膜、金型、めっき方法 |
| WO2018052023A1 (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | 本田技研工業株式会社 | 亜鉛－ニッケル複合めっき浴、亜鉛－ニッケル複合めっき被膜、金型、めっき方法 |
| US11078586B2 (en) | 2016-09-16 | 2021-08-03 | Honda Motor Co., Ltd. | Zinc-nickel composite plating bath, zinc-nickel composite plating film, mold and plating method |
| CN114867891A (zh) * | 2019-12-23 | 2022-08-05 | 迪普索股份公司 | 锌-镍-二氧化硅复合镀浴和使用该浴的镀覆方法 |
| EP4083269A4 (en) * | 2019-12-23 | 2024-01-03 | Dipsol Chem | ZINC-NICKEL-SILICIC ACID COMPOSITE PLATING BATH AND PLATING PROCESS USING SUCH PLATING BATH |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| GB2096488A (en) | Composite coating steel sheets having good corrosion resistance paintability and corrosion resistance after paint coating | |
| US4970126A (en) | Highly corrosion-resistant, multi-layer coated steel sheets | |
| US4500610A (en) | Corrosion resistant substrate with metallic undercoat and chromium topcoat | |
| JPH0513828B2 (ja) | ||
| US4497876A (en) | Corrosion resistant metal composite with zinc and chromium coating | |
| JPH07258895A (ja) | プレス加工性および耐食性に優れた複層亜鉛系めっき鋼板 | |
| JPH0243040A (ja) | 耐食性に優れた潤滑樹脂処理鋼板 | |
| JPS6155592B2 (ja) | ||
| JPH08218193A (ja) | 有機複合被覆鋼板 | |
| JPH0316726A (ja) | 成型性の優れた潤滑樹脂処理鋼板 | |
| JPH01301332A (ja) | 成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板 | |
| JP3090207B1 (ja) | 加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい塗装鋼板 | |
| JP3475908B2 (ja) | 亜鉛系めっき材の耐候性改善方法 | |
| JPS6026835B2 (ja) | 塩水環境下での耐食性に優れた亜鉛−マンガン合金電気メツキ鋼板 | |
| JPH0494771A (ja) | 耐食性，溶接性に優れた潤滑性薄膜樹脂鋼板 | |
| JPH06272059A (ja) | 塗料密着性に優れた薄膜有機複合鋼板の製造方法 | |
| JP3142732B2 (ja) | 電着塗装性、塗料密着性、加工後の裸耐食性及び溶接性に優れた有機複合めっき鋼板 | |
| JPH0711454A (ja) | 金属の塗布型クロメート処理法 | |
| JPH0153110B2 (ja) | ||
| JPH01111884A (ja) | 亜鉛系めっき鋼材の表面処理方法 | |
| JPH08309917A (ja) | 端面耐食性に優れた塗装鋼板 | |
| Leonard | Precoated steel sheet | |
| JP3141489B2 (ja) | 亜鉛系メッキ鋼板のクロメート処理方法 | |
| JPH01301333A (ja) | 成形性、耐食性に優れた潤滑樹脂処理鋼板 | |
| JPH03219950A (ja) | 有機複合被覆鋼板 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010605 |