JPH07313929A - プレコートメタルとそのロール塗装方法 - Google Patents

プレコートメタルとそのロール塗装方法

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JPH07313929A
JPH07313929A JP13127094A JP13127094A JPH07313929A JP H07313929 A JPH07313929 A JP H07313929A JP 13127094 A JP13127094 A JP 13127094A JP 13127094 A JP13127094 A JP 13127094A JP H07313929 A JPH07313929 A JP H07313929A
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JP
Japan
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coating
resin
weight
roll
metal plate
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JP13127094A
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English (en)
Inventor
Shinichi Fujimoto
新一 藤本
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Yodogawa Steel Works Ltd
Original Assignee
Yodogawa Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐汚染性と耐薬品性及び耐候性に優れ、ま
た、加工性にも優れ、しかも、連続塗装ラインを使用し
ながら製造できるプレコートメタルとそのロール塗装方
法を提供する。 【構成】 表面処理が施された帯状金属板1の表面に、
リニヤポリエステル樹脂又はエポキシ変性ポリエステル
樹脂を主成分とする下塗り塗膜層2を3〜15μm形成
すると共に、下塗り塗膜層2の外表面には、アクリルポ
リマーを塗料樹脂分中25〜60重量%と、シロキサン
ポリマーを塗料樹脂分中20〜50重量%と、ブロック
イソシアネート樹脂とメラミン樹脂の何れか1つ又は両
方から成る架橋剤を塗料樹脂分中15〜30重量%とが
配合された上塗り塗膜層3を8〜20μm形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家屋の外装板、トンネ
ル内装板、レンジフードの壁板、流し台の壁板など、耐
汚染性と耐薬品性及び耐候性が要求される部分に使用さ
れるプレコートメタルとその塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プレコートメタルとして、帯状金
属板の表面にエポキシ樹脂やポリエステル樹脂などの有
機塗料を連続塗装し、板温210℃位で30〜90秒間
焼き付け乾燥させたものがある。
【0003】これら有機系プレコートメタルは、ライン
スピード30〜150m/minの高速度で連続ロール
塗装が行えるため、塗装コストを低廉にでき、しかも、
塗膜が比較的柔らかいことから、加工性にも優れてい
る。
【0004】ところが、以上の有機系プレコートメタル
は、その塗膜が傷付き易くて汚れ易く、しかも、紫外線
により劣化し易い欠点がある。
【0005】そこで、以上の欠点を解決するものとし
て、金属板の表面に、セラミックなどの無機質系塗料、
例えばアクリルシリコン塗料バインダーにその固形分に
対しシリコン(SiO2 )の50〜70重量%を含有さ
せた無機質系塗料を、30μm位の厚さに静電塗装した
ものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のように
無機質系塗料を塗装したものは、硬度が高く、耐汚染性
や耐薬品性及び耐候性には優れている反面、曲げ加工を
施したりすると塗膜にひび割れが発生する欠点を有して
いる。従って、上記無機質系塗料の塗装処理は、金属板
の成形加工後に行う必要があり、このため、成形品ごと
に塗装処理を行わなければならず、塗装コストが高くな
る問題があった。
【0007】また、上記無機質系塗料を用いる場合は、
塗装後の乾燥処理に時間がかかり、例えば板温150〜
180℃で10〜30分間乾燥処理を行う必要があるた
め、連続ロール塗装ラインには適用できないという問題
もあった。
【0008】本発明は以上のような問題に鑑みてなした
もので、その目的は、耐汚染性と耐薬品性及び耐候性に
優れ、また、加工性にも優れ、しかも、連続ロール塗装
ラインを使用しながら製造できるプレコートメタルとそ
のロール塗装方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の第1発明にかかるプレコートメタル
は、表面処理が施された帯状金属板の表面に、リニヤポ
リエステル樹脂又はエポキシ変性ポリエステル樹脂を主
成分とする下塗り塗膜層を3〜15μm形成すると共
に、この下塗り塗膜層の外表面には、アクリルポリマー
を塗料樹脂分中25〜60重量%と、シロキサンポリマ
ーを塗料樹脂分中20〜50重量%と、ブロックイソシ
アネート樹脂とメラミン樹脂の何れか1つ又は両方から
成る架橋剤を塗料樹脂分中15〜30重量%とが配合さ
れた上塗り塗膜層を8〜20μm形成している。
【0010】また、請求項2記載の第2発明にかかるプ
レコートメタルのロール塗装方法は、帯状金属板に表面
処理を施す工程と、リニヤポリエステル樹脂又はエポキ
シ変性ポリエステル樹脂を主成分とする下塗り樹脂塗料
をロール塗装する下塗り塗装工程と、板温210〜26
0℃で40〜90秒間焼き付け乾燥する工程と、アクリ
ルポリマーを塗料樹脂分中25〜60重量%と、シロキ
サンポリマーを塗料樹脂分中20〜50重量%と、ブロ
ックイソシアネート樹脂及びメラミン樹脂の何れか1つ
又は両方から成る架橋剤を塗料樹脂分中15〜30重量
%とが配合された上塗り塗料をロール塗装する上塗り塗
装工程と、板温200〜300℃で40〜120秒間焼
き付け乾燥する工程とから成る。
【0011】
【作用】第1発明にかかるプレコートメタルによれば、
帯状金属板の表面に下塗り塗膜層が3〜15μm形成さ
れるのであるが、この下塗り塗膜層はリニヤポリエステ
ル樹脂又はエポキシ変性ポリエステル樹脂を主成分と
し、これらの樹脂は上記金属板に対する密着性に優れて
いるため、該金属板に強固に塗着され、また、後述する
上塗り塗膜層に対する密着性にも優れていることから、
この上塗り塗膜層も上記下塗り塗膜層側に強固に塗着さ
れるのであり、しかも、上記各樹脂は可撓性も有してい
るため、加工性の向上にも寄与される。
【0012】また、上記下塗り塗膜層の外表面には上塗
り塗膜層が8〜20μm形成されるのであるが、この上
塗り塗膜層は、アクリルポリマーを塗料樹脂分中25〜
60重量%と、シロキサンポリマーを塗料樹脂分中20
〜50重量%と、ブロックイソシアネート樹脂とメラミ
ン樹脂の何れか1つ又は両方から成る架橋剤を塗料樹脂
分中15〜30重量%とで調合されており、つまり、上
記上塗り塗膜層は、有機系のアクリルポリマーだけでは
なく、無機質系のシロキサンポリマーを含有しているも
のの、これら各ポリマーは上記架橋剤により強固な架橋
構造とされている。このため、上述したように、上記上
塗り塗膜層が上記下塗り塗膜層に対し優れた密着性を発
揮し、また、この下塗り塗膜層の上記金属板に対する密
着性も優れているため、これら各塗膜層は金属板に強固
に塗着される。
【0013】しかも、上記上塗り塗膜層に有機系のアク
リルポリマーが含有され、このポリマーは可撓性に優れ
ているため、成形加工時に塗膜にひび割れが発生したり
することがなく、加工性に非常に優れたものとなって、
上記金属板に塗膜を形成した後に成形加工を行うことが
可能となり、従って、従来のように成形品ごとに塗装処
理を行う必要がなくなって、塗装コストを低廉にでき
る。さらに、上記上塗り塗膜層には、上記有機系アクリ
ルポリマーと共に無機質系のシロキサンポリマーが含有
されているため、この無機質系シロキサンポリマーによ
り塗膜の硬度が高められ、また、耐汚染性や耐薬品性及
び耐候性が向上される。
【0014】また、第2発明にかかるプレコートメタル
のロール塗装方法によれば、先ず、帯状金属板に表面処
理工程で表面処理が施された後、下塗り塗装工程により
リニヤポリエステル樹脂又はエポキシ変性ポリエステル
樹脂を主成分とする下塗り樹脂塗料がロール塗装され、
この後焼き付け乾燥工程において、板温210〜260
℃,40〜90秒間の条件下で焼き付け乾燥が行われ
る。次に、上塗り塗装工程において、アクリルポリマー
を塗料樹脂分中25〜60重量%と、シロキサンポリマ
ーを塗料樹脂分中20〜50重量%と、ブロックイソシ
アネート樹脂及びメラミン樹脂の何れか1つ又は両方か
ら成る架橋剤を塗料樹脂分中15〜30重量%とが配合
された上塗り塗料がロール塗装され、このロール塗装後
に焼き付け乾燥工程において、板温200〜300℃,
40〜120秒間の条件下で焼き付け乾燥が行われる。
【0015】以上のロール塗装方法を採用することによ
って、連続ロール塗装が可能となると共に、従来の連続
ロール塗装ラインも使用でき、上述した第1発明のプレ
コートメタルが低廉な塗装コストで簡単に製造される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、第1発明にかかるプレコートメタル10
を示しており、このプレコートメタル10は、表面処理
が施された帯状金属板1の一側外表面に下塗り塗膜層2
が形成され、この下塗り塗膜層2の外表面に上塗り塗膜
層3が形成されている。また、上記金属板1の他側面に
は、樹脂塗膜層4が形成されている。この樹脂塗膜層4
としては、1コート又は2コートが施され、2コートと
するときには、上述した場合と同様に、下塗り塗膜層と
上塗り塗膜層とを施すことが可能である。尚、上記金属
板1の他側面には必ずしも樹脂塗膜層4を形成する必要
はない。
【0017】更に詳記すると、上記金属板1としては、
例えば鋼板、ステンレス板、各種メッキ鋼板及びアルミ
ニウム板などが使用される。また、斯かる金属板1の表
面処理としては、リン酸塩処理及びクロム酸処理などが
施される。
【0018】そして、上記金属板1の表面に、上記下塗
り塗膜層2を3〜15μm形成するのであり、この下塗
り塗膜層2は、分子量5000〜30000のリニヤポ
リエステル樹脂又は分子量3000〜20000のエポ
キシ変性ポリエステル樹脂を主成分としている。これら
の各樹脂は、後述する上塗り塗膜層3に対する密着性が
良く、また、耐食性にも優れており、しかも、可撓性も
有しているため、塗膜の加工性向上にも寄与する。尚、
上記分子量は、上述した下限値以下では可撓性が悪くな
り、しかも、上限値以上では溶剤などの塗料成分に対す
る相溶性が悪くなって塗料化ができなくなるため、上記
範囲が選択される。また、上記下塗り塗膜層2は、その
厚みが3μm以下であると、充分な防錆効果が得られ
ず、しかも、15μm以上になると加工性の低下を招く
恐れがあるため、上記範囲が選択される。
【0019】また、上記下塗り塗膜層2には、ストロン
チウムクロメートなどの防錆顔料を含有させてもよく、
このとき防錆顔料は、塗料固形分中に5〜40重量%が
配合される。尚、上記防錆顔料の配合量が5重量%以下
のときは、防錆効果が低くなり、また、40重量%以上
のときには、飽和状態となって塗装作業性を低下させる
ことになるため、上記範囲が適当である。
【0020】さらに、上記下塗り塗膜層2の外表面に
は、上塗り塗膜層3を8〜20μm形成するのであり、
この上塗り塗膜層3は、有機系のアクリルポリマーと、
無機質系のシロキサンポリマーと、ブロックイソシアネ
ート樹脂とメラミン樹脂の何れか1つ又は両方から成る
架橋剤を主成分とし、これらに有機溶剤や硬化促進剤や
添加剤及び着色顔料を配合して調合される。
【0021】上記アクリルポリマーは、塗膜の加工性向
上に寄与するものであって、メチルメタアクリレートを
主成分とし、その他に2−ヒドロキシメタクリル酸エチ
ル、縮合ヘキシルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレートなどのモノマーを併用してもよ
い。
【0022】また、上記アクリルポリマーは、分子量が
5000〜30000で水酸基価が10〜150のもの
である。尚、上記分子量は、上述した下限値以下では塗
料固形分の割合が低くなって塗装作業性が悪くなると共
に、薄い塗膜しか形成できなくなり、しかも、上限値以
上では硬度が低くなって耐汚染性の性能低下を招くこと
になるため、上記範囲が適当される。
【0023】さらに、上記アクリルポリマーは、塗料樹
脂分中25〜60重量%の割合で配合される。この配合
割合を25重量%以下とするときには、塗膜の加工性が
悪くなり、また、60重量%以上の場合には塗膜の硬度
が低くなって耐汚染性の効果が低下するため、上記範囲
が選択される。
【0024】上記シロキサンポリマーは、塗膜の硬度、
耐汚染性、耐薬品性及び耐候性の向上に寄与するもので
あって、シロキサン結合を主成分とし、側鎖にメチル基
やフェニル基を有し、また、反応性官能基として、シラ
ノールやアルコキシシランなどを有している。
【0025】また、上記シロキサンポリマーは、分子量
が5000〜100000のものである。尚、上記分子
量は、上述した下限値以下では硬度が低くなって耐汚染
性の向上に寄与することができず、上限値以上では塗料
成分に対する相溶性が悪くなって高光沢度が得られなく
なり、光沢の選択操作が困難になることから、上記範囲
が適当である。
【0026】さらに、上記シロキサンポリマーは、塗料
樹脂分中20〜50重量%の割合で配合される。この配
合割合を20重量%以下とするときには、塗膜の硬度が
低くなって耐汚染性の効果が低下し、また、50重量%
以上とする場合には、塗膜の可撓性が低下するため、上
記範囲が選択される。
【0027】上記架橋剤は、ブロックイソシアネート樹
脂とメラミン樹脂の何れか1つ又は両方が用いられる。
この架橋剤は、上記アクリルポリマー及びシロキサンポ
リマーのOH基と反応してウレタン結合の架橋構造を形
成し、このウレタン結合は靱性があることから、塗膜に
対し加工性と硬度とをバランス良く付与することができ
る。
【0028】また、上記架橋剤の配合量は、塗料樹脂分
中15〜30重量%の割合で配合される。このとき、配
合割合を15重量%以下とする場合には、架橋密度が低
くなって硬度や耐汚染性及び耐薬品性の効果が低下し、
また、30重量%以上とする場合には、架橋密度が高く
なり過ぎ、硬くなって加工性が低下するため、上記範囲
が選択される。
【0029】上記上塗り塗膜層3に配合される着色顔料
としては、例えば酸化チタン、ベンガラ、フタロシアニ
ンブルーなどが使用され、これらが上記上塗り塗膜層3
の塗料成分中に20〜60重量%の割合で配合される。
【0030】さらに、上記上塗り塗膜層3は、上記下塗
り塗膜層2の外表面に8〜20μmの範囲で形成され
る。このとき、上記下塗り塗膜層2の厚みが8μm以下
であると、着色の安定性が悪くなると共に、耐汚染性や
耐薬品性などが低下し、また、20μm以上になると、
ロール塗装時にワキ(発泡現象)が発生して、均一な塗
膜が得られなくなるため、上記範囲が選択される。
【0031】次に、第2発明にかかるプレコートメタル
10のロール塗装方法を、図2に基づいて説明する。同
図では、2コート2ベーク用の連続ロール塗装ラインが
示されており、この図においては、上記金属板1が巻回
されたアンコイラ11、この金属板1に対する表面処理
工程を構成する脱脂処理槽12及びクロム酸処理槽13
を配設すると共に、該クロム酸処理槽13の後方側に下
塗り塗装工程を構成する第1ロール塗装機14を、ま
た、この塗装機14の後方側には焼き付け乾燥工程を構
成する第1加熱炉15をそれぞれ配設している。また、
上記第1ロール塗装機14によって、リニヤポリエステ
ル樹脂又はエポキシ変性ポリエステル樹脂を主成分とす
る下塗り樹脂塗料が塗装される。
【0032】さらに、上記第1加熱炉15の後方側に
は、上塗り塗装工程を構成する第2ロール塗装機16を
配設すると共に、この塗装機16の後方側には焼き付け
乾燥工程を構成する第2加熱炉17を配設し、この加熱
炉17の後方側に巻取ロール19を配設している。ま
た、上記第2ロール塗装機16によって、アクリルポリ
マーを塗料樹脂分中25〜60重量%と、シロキサンポ
リマーを塗料樹脂分中20〜50重量%と、ブロックイ
ソシアネート樹脂及びメラミン樹脂の何れか1つ又は両
方から成る架橋剤を塗料樹脂分中15〜30重量%とが
配合された上塗り樹脂塗料が塗装される。尚、上記第2
加熱炉17は第1加熱炉15よりも少し長く形成されて
おり、また、これら各加熱炉15,17の後方側一部に
は、冷却装置15a,17aがそれぞれ付設されてい
る。
【0033】そして、先ず、以上の連続ロール塗装ライ
ンで、スピード30〜50m/minに設定され、上記
アンコイラ11から送り出される金属板1が上記脱脂処
理槽12及びクロム酸処理槽13を通過して、上記金属
板1の外表面に表面処理が施され、この表面処理済みの
金属板1が上記第1ロール塗装機14に供給されて、金
属板1の表面処理面に下塗り塗膜層2が形成され、この
後金属板1が上記第1加熱炉15に送られて上記下塗り
塗膜層2が焼き付け乾燥され、この下塗り塗膜層2の焼
き付け乾燥後に上記冷却装置15aにより冷却される。
【0034】このとき、上記第1加熱炉15による焼き
付け乾燥条件は、板温210〜260℃、40〜90秒
であり、このような条件によって、上記下塗り塗膜層2
が金属板1に強固に塗着される。尚、上記第1加熱炉1
5による焼き付け乾燥条件を210℃また40秒以下と
するときには、上記下塗り塗膜層2の金属板1に対する
密着性が悪くなり、また、260℃また90秒以上とす
るときには、上記第1加熱炉15が大型化すると同時に
加熱費が高くなるため、以上の範囲に設定される。
【0035】次に、上記金属板1は、上記第2ロール塗
装機16に供給されて上塗り塗膜層3が形成され、この
後金属板1が上記第2加熱炉17に送られて上記上塗り
塗膜層3が焼き付け乾燥され、この上塗り塗膜層3の焼
き付け乾燥後に上記冷却装置17aで冷却される。
【0036】このとき、上記第2加熱炉17による焼き
付け乾燥条件は、板温200〜300℃、40〜120
秒であり、このような条件によって、上記上塗り塗膜層
3に含有されるシロキサンポリマーの縮合反応が進み、
硬度や耐汚染性及び耐薬品性が付与される。また、上記
第2加熱炉17による焼き付け乾燥条件を200℃また
40秒以下とするときには、上記上塗り塗膜層3に良好
な特性が得られず、一方、300℃また120秒以上と
するときには、上記第2加熱炉17が大型化すると同時
に加熱費が高くなるため、以上の範囲に設定される。
【0037】以上のように、上記第1,第2加熱炉1
5,17での焼き付け乾燥時間が短くて済むため、ライ
ンスピードを30〜50m/minの高速度に設定でき
て、連続ロール塗装ラインで生産可能となり、塗装コス
トの低減化ができるのである。
【0038】また、上記上塗り塗膜層3が施されたプレ
コートメタル10は、上記巻取ロール19に巻き取られ
る。
【0039】さらに、上記連続ロール塗装ラインには、
上記金属板1の他側面と対向する上記と同様の第1,第
2ロール塗装機14,16がそれぞれ配設されて、これ
ら各ロール塗装機14,16で上記金属板1の他面側に
上記樹脂塗膜層4を形成できるようにしている。
【0040】次に、本発明によるプレコートメタルと、
その比較例とについて比較試験を行った結果について説
明する。 試験例1 金属板として0.5mm厚さの熔融亜鉛メッキ鋼板を用
い、このメッキ鋼板にクロム酸処理を施した後、その表
面処理面に下塗りとしてリニヤポリエステル樹脂塗料を
ロール塗装し、この後240℃、40秒間焼き付け乾燥
して5μmの下塗り塗膜層を形成した。そして、上記下
塗り塗膜層の外表面に、上塗りとしてアクリルポリマー
を塗料樹脂分中50重量%と、シロキサンポリマーを塗
料樹脂分中35重量%と、ブロックイソシアネート樹脂
を塗料樹脂分中15重量%と、着色顔料とで調合された
上塗り樹脂塗料をロール塗装し、この後240℃、60
秒間焼き付け乾燥して15μmの上塗り塗膜層を形成し
た。ラインスピードは40m/minに設定した。
【0041】試験例2 この試験例2では、上記上塗り樹脂塗料の焼き付け乾燥
条件を270℃、90秒間とし、それ以外は上記試験例
1と同様の条件としている。
【0042】試験例3 この試験例3では、金属板として0.5mm厚さの5%
Al−Zn合金熔融メッキ鋼板を用い、それ以外は上記
試験例1と同様の条件としている。
【0043】試験例4 この試験例4では、上記試験例3の場合と同じく、金属
板として0.5mm厚さの5%Al−Zn合金熔融メッ
キ鋼板を用い、また、上塗り樹脂塗料の焼き付け乾燥条
件を270℃、90秒間とし、それ以外は上記試験例1
と同様の条件としている。
【0044】試験例5 この試験例5では、金属板として0.8mm厚さのステ
ンレス鋼板を用い、また、上塗り樹脂塗料の焼き付け乾
燥条件を270℃、90秒間とし、それ以外は上記試験
例1と同様の条件としている。
【0045】比較例1 金属板として0.5mm厚さの熔融亜鉛メッキ鋼板を用
い、このメッキ鋼板にクロム酸処理を施した後、その表
面処理面にエポキシ変性ポリエステル樹脂塗料をロール
塗装し、この後195℃、30秒間焼き付け乾燥して5
μmの下塗り塗膜層を形成した。そして、上記下塗り塗
膜層の外表面に、上塗りとしてポリエステル樹脂塗料を
ロール塗装し、この後210℃、40秒間焼き付け乾燥
して8μmの上塗り塗膜層を形成した。
【0046】比較例2 この比較例2では、金属板として0.5mm厚さの5%
Al−Zn合金熔融メッキ鋼板を用い、それ以外は上記
比較例1と同様の条件としている。
【0047】比較例3 この比較例3では、金属板として0.8mm厚さのステ
ンレス鋼板を用い、このステンレス鋼板にクロム酸処理
を施した後、その表面処理面に無機質系塗料グラセラム
(神東塗料社製)を静電塗装し、180℃、20分焼き
付け乾燥して20μmの塗膜を形成した。
【0048】比較例4 この比較例4では、上記比較例3の場合と同じく、金属
板として0.8mm厚さのステンレス鋼板を用い、この
ステンレス鋼板にクロム酸処理を施した後、その表面処
理面に無機質系塗料グラセラム(神東塗料社製)をロー
ル塗装し、270℃、90秒間にわたって焼き付け乾燥
させた。この結果、上記無機質系塗料は粘度が低いこと
から、3μmの塗膜しか形成できなかった。
【0049】次に、以上の試験例1〜5と比較例1〜4
のそれぞれについて、表面硬度を測定し、また、加工性
試験、耐汚染性試験、耐薬品性試験及び耐候性試験を行
い、さらにはロール連続塗装性について調べた。その結
果は、下記の表1に示す通りである。
【0050】
【表1】
【0051】上記表面硬度は、JISK5400に規定
する鉛筆硬度(破壊)試験に基づいて測定した。
【0052】上記加工性試験は、4T,180度折り曲
げ試験機を用い、試験金属板の曲げ部分における塗膜の
割れ(剥がれ)を目視により観察した。このとき、表1
において、○印は割れが発生していないことを、また、
×印は割れが発生したことを示している。
【0053】上記耐汚染性試験は、カーボン汚染とマジ
ック汚染との2種類についての試験を行った。このカー
ボン汚染試験は、20%カーボン懸濁液を試験金属板に
塗布し、80℃雰囲気中で1時間乾燥させた後に水洗
し、試験前後の色差変化を目視により観察した。また、
上記マジック汚染試験は、マジックインキの赤、青、黒
を試験金属板に塗り、常温で24時間放置した後、エタ
ノールを付けたガーゼで拭き取り、マジックインキの跡
残りを目視により観察した。このとき、表1において、
○印は汚染が発生していないことを、また、△印は軽度
の汚染が発生していることを、さらに、×印は汚染が発
生したことを示している。
【0054】上記耐薬品性試験は、メタノール、5%N
aOH、5%H2 SO4 の各溶液に試験金属板を24時
間浸漬した後に水洗し、その表面を目視により観察し
た。このとき、表1において、○印は異常がないこと
を、また、×印はブリスターや変色が発生したことを示
している。
【0055】上記耐候性試験は、サンシャインウエザー
メーター(パネル内温度63℃、降雨時間設定12分/
時間)内に試験金属板を置き、300時間経過した後の
表面を目視により観察した。このとき、表1において、
○印は異常がないことを、また、また、△印は変色が若
干発生していることを、×印は変色やチョーキングが発
生したことを示している。
【0056】上記表1から明らかなように、表面硬度試
験について、上記比較例1,2,4のものでは表面硬度
が2〜3Hであるのに対し、上記試験例1〜5のもので
は、その何れも表面硬度が7〜9Hとなって、本発明に
よるプレコートメタルでは表面硬度を高めることができ
る。尚、上記比較例3のものは、表面硬度が7〜9Hと
高くなっているが、これは無機質系塗料を静電塗装した
ことによるもので、この無機質系塗料を用いる場合、後
述するように、ロール塗装法を採用することができず、
金属板に対する塗膜の連続塗布ができないばかりか、加
工性の点で極めて劣るものである。
【0057】また、加工性試験について、上記比較例
3,4のものでは割れが発生して加工性が極めて悪いの
に対し、上記試験例1〜5のものでは、その何れも割れ
が発生することなく、本発明によるプレコートメタルは
加工性に優れていることが理解できる。尚、上記比較例
1,2のものは割れが発生しないが、これら各者は、上
述したように表面硬度が低いばかりか、後述するように
耐汚染性と耐薬品性及び耐候性が悪いため、採用するこ
とができない。
【0058】さらに、耐汚染性試験について、上記比較
例1,2,4のものでは汚染が発生するのに対し、上記
試験例1〜5のものでは、その何れも汚染が発生せず、
本発明によるプレコートメタルは耐汚染性に優れている
ことが理解できる。
【0059】また、耐薬品性試験について、上記比較例
1,2,4のものではブリスターや変色が発生するのに
対し、上記試験例1〜5のものでは、その何れも異常が
認められず、本発明によるプレコートメタルは耐薬品性
に優れていることが理解できる。
【0060】さらに、耐候性試験について、上記比較例
1,2,4のものでは変色やチョーキングが発生するの
に対し、上記試験例1〜5のものでは、その何れも異常
が認められず、本発明によるプレコートメタルは耐候性
に優れていることが理解できる。
【0061】また、ロール連続塗装性について、上記比
較例3,4のものではロール連続塗装ができないに対
し、上記試験例1〜5のものでは、その何れもロール連
続塗装を行うことができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、第1発明のプレコ
ートメタルによれば、耐汚染性と耐薬品性及び耐候性に
優れ、しかも、加工性にも優れたものとなすことがで
き、このため、金属板に連続塗装法によって塗膜を形成
した後に成形加工を行うことが可能となって、従来のよ
うに成形品ごとに塗装処理を行う必要がなく、塗装コス
トを低廉にすることができて、家屋の外装板、トンネル
内装板、レンジフードの壁板、流し台の壁板など耐汚染
性と耐薬品性及び耐候性が要求される部分に最適な使用
ができる。
【0063】また、第2発明にかかるプレコートメタル
の塗装方法によれば、連続ロール塗装が可能となり、さ
らに従来の連続ロール塗装ラインも使用できる。したが
って、第1発明のプレコートメタルを低廉な塗装コスト
で簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明にかかるプレコートメタルを示す断面
図である。
【図2】第2発明にかかるプレコートメタルの塗装方法
を示す側面図である。
【符号の説明】
1…金属板、2…下塗り塗膜層、3…上塗り塗膜層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 5/00 H 7717−4D K 7717−4D 7/24 302 V 7717−4D U 7717−4D P 7717−4D T 7717−4D S 7717−4D B32B 15/08 G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面処理が施された帯状金属板の表面
    に、 リニヤポリエステル樹脂又はエポキシ変性ポリエステル
    樹脂を主成分とする下塗り塗膜層を3〜15μm形成
    し、 この下塗り塗膜層の外表面には、アクリルポリマーを塗
    料樹脂分中25〜60重量%と、シロキサンポリマーを
    塗料樹脂分中20〜50重量%と、ブロックイソシアネ
    ート樹脂とメラミン樹脂の何れか1つ又は両方から成る
    架橋剤を塗料樹脂分中15〜30重量%とが配合された
    上塗り塗膜層を8〜20μm形成しているプレコートメ
    タル。
  2. 【請求項2】 帯状金属板に表面処理を施す工程と、 リニヤポリエステル樹脂又はエポキシ変性ポリエステル
    樹脂を主成分とする下塗り樹脂塗料をロール塗装する下
    塗り塗装工程と、 板温210〜260℃で40〜90秒間焼き付け乾燥す
    る工程と、 アクリルポリマーを塗料樹脂分中25〜60重量%と、
    シロキサンポリマーを塗料樹脂分中20〜50重量%
    と、ブロックイソシアネート樹脂及びメラミン樹脂の何
    れか1つ又は両方から成る架橋剤を塗料樹脂分中15〜
    30重量%とが配合された上塗り塗料をロール塗装する
    上塗り塗装工程と、 板温200〜300℃で40〜120秒間焼き付け乾燥
    する工程とから成るプレコートメタルのロール塗装方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009248027A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Taikyu Coat株式会社 木造建物用建築金物とその保護皮膜形成方法
KR20200069343A (ko) 2017-10-30 2020-06-16 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 도장 금속판 및 도장 금속판의 제조 방법

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