JPH09150115A - プレコート金属板 - Google Patents

プレコート金属板

Info

Publication number
JPH09150115A
JPH09150115A JP31445795A JP31445795A JPH09150115A JP H09150115 A JPH09150115 A JP H09150115A JP 31445795 A JP31445795 A JP 31445795A JP 31445795 A JP31445795 A JP 31445795A JP H09150115 A JPH09150115 A JP H09150115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
coating film
coating
acrylic
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31445795A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhide Yoshida
安秀 吉田
Toshiyuki Okuma
俊之 大熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP31445795A priority Critical patent/JPH09150115A/ja
Publication of JPH09150115A publication Critical patent/JPH09150115A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、塗料の硬化時間を1〜2分以内に
短縮し、かつトップコートの2層化により隠蔽性と耐久
性を保持し、コイルコーティングラインで塗装可能な、
耐汚染性、耐傷付き性および耐久性に優れたアクリルー
シロキサン複合樹脂塗膜を被覆したプレコート金属板を
提供する。 【解決手段】 金属板の少なくとも一方の面に、化成処
理皮膜と、下塗り塗膜と、アクリル樹脂を主成分とする
中塗り塗膜とが順次形成され、さらにその上に、水酸基
を有するアクリルーシロキサン複合樹脂とブロックイソ
シアネート化合物および/またはメラミン樹脂を固形分
の重量比で60:40〜95:5の範囲で含有する塗料
組成物を塗布し、焼き付けして形成された上塗り塗膜を
有するプレコート金属板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非常に高硬度で、
耐汚染性、耐傷付き性、耐候性ならびに耐薬品性等に特
に優れた塗装金属板に関するものであり、道路用化粧パ
ネルやトンネル内装板および建造物外壁等に適用した場
合に、降雨や排気ガスあるいは土砂等による汚れや傷、
あるいはNOxやSOx等による化学的侵食等に対して
長時間に亘る耐久性を有するプレコート金属板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建造物の屋根材や外壁材、構築物
の内外壁材等に用いられている塗装金属板については、
メンテナンスフリーで長時間の使用に耐え得るようにす
るため、耐汚染性、耐食性、耐候性を向上させる等の高
性能化が図られている。
【0003】また、建造物等の外観を地域環境と調和さ
せるという配慮から、色調や光沢等の意匠性も追求され
ている。
【0004】上記のような耐汚染性、耐食性、耐候性等
で特に問題となるのは、使用時に汚染物質が付着して生
じるしみ状の汚れによる外観の低下、腐食による腐食物
質の付着や塗膜の剥離、および耐候劣化による塗膜の色
調変化や光沢低下、さらに運搬時あるいは加工時に発生
する塗膜の傷付き等である。
【0005】それらの要求に応えるため、塗膜表面を高
硬度、高耐久性化することにより、汚れが付きにくく、
外観も変化しにくくすることが最近さかんに研究されて
いる。例えば鉛筆硬度で5H以上の塗膜硬度が要求され
たり、さらに塗膜の汚染、傷付きの厳しい箇所では鉛筆
硬度9H以上という従来の有機樹脂系塗膜では得られな
かった硬度が要求されるようになってきている。
【0006】このような要求に対応するための一つの方
策として、高硬度の塗膜が得られやすいアクリル樹脂系
塗料を電子線硬化させ高架橋化する方法が提案させてい
る(例えば特開昭55−54220号公報、特公昭56
−8070号公報、特開平1−229622号公報、特
開平2−242863号公報)。
【0007】しかし、この電子線硬化法は、電子線照射
設備において塗料の硬化を行うため、金属板を連続的に
処理することが困難であり、また電子線照射雰囲気の酸
素濃度を管理しなければならない等ライン生産に不利な
面が多く、生産性や生産コストに大きな問題を抱えてい
る。
【0008】また、塗膜性能面でも、電子線硬化させた
塗膜は可撓性性に劣るため、加工性や跳ねた石等が衝突
した時の耐衝撃性に問題があることや、耐候性に劣るた
め屋外用途には適さない等の欠点がある。
【0009】また他の方策としては、光硬化型樹脂を連
続的に光重合させて高硬度の塗膜を連続的に得る方法も
提案されているが(特開平3−261551号公報)、
この方法は焼付硬化法にくらべて、設備が著しく高く、
また塗料も高価であるため、生産コストが高く、また生
産性も低い。さらに、塗膜性能自体も、電子線硬化法に
よる塗膜と同様、可撓性に劣り、加工性や耐衝撃性に劣
るという欠点がある。
【0010】また、生産性や生産コストの面で有利な焼
付硬化法により上記の問題に対応しようとする試みがこ
れまでに数多くなされてきた。
【0011】これらの多くは軟質な有機樹脂系塗膜に骨
材を添加することでその硬度を高め、性能を向上させよ
うとするものである。
【0012】例えば、特開昭50−25485号公報、
特開昭51−8128号公報、特開昭56−40544
号公報、特開昭59−210980号公報、特開昭63
−5938号公報、特開平4−11671号公報には、
最上層塗膜にガラス繊維やガラスビーズ等を添加して塗
膜の硬度を高め、耐傷付き性を向上させる技術が開示さ
れている。
【0013】しかし、これらの塗膜は、添加する骨材や
ガラスビーズに対してベース樹脂の強度が不十分で、塗
膜が硬い物質で擦られるとベース樹脂の破壊が起こり、
この結果骨材が塗膜から脱落してしまうという問題があ
る。
【0014】また、塗膜中の骨材量が多いほどボイドや
クラック等の樹脂中の欠陥が増加するため、骨材の添加
により逆に耐傷付き性が低下するという現象も起こる。
【0015】さらに、骨材脱落部は汚れや腐食物質が溜
まるため、この欠陥部が露呈しやすいという問題もあ
る。
【0016】このため従来の塗料では、骨材の添加によ
って塗膜の高硬度化を図ることには限界があった。
【0017】一方、最近では、シロキサン樹脂の高い強
度、優れた耐汚染性、耐久性を利用するため、塗料中に
シロキサン樹脂を添加することにより、塗膜の耐傷付き
性、耐久性、耐汚染性を高める試みがなされている。例
えば、特開平5−263035号公報、特開平5−27
160号公報には、アクリルーシロキサン複合樹脂を使
用した塗料を塗装する方法が提案されている。これらの
塗料は、塗装後の耐候性、耐酸性等の耐久性、耐傷付き
性および耐汚染性に優れるため、最近注目されつつあ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの塗料
は、塗装後の硬化に10分〜数週間もの時間が必要なこ
と、および塗膜の可撓性性に劣ること等から、その使用
は、被塗装物を加工した後の塗装、すなわちポストコー
トに限られていた。
【0019】また、塗料粘度が低く、造膜性にやや劣る
傾向があるため、ロールコーティングを用いた連続ライ
ンで一般にトップコートとして必要な膜厚である約10
μm以上を塗装することが困難であった。
【0020】トップコートが約10μmよりも薄いと、
下地を隠蔽できずに下地が透けて見えたり、また屋外で
使用したときに紫外線や酸性雨がトツプコートを通過し
下塗り塗膜層および下地まで届くため、トップコートが
それら劣化因子にたいして耐久性が高くても、下地が先
に劣化してしまうことがある。
【0021】本発明の目的は、塗料の硬化時間を1〜2
分以内に短縮し、かつトップコートの2層化により隠蔽
性と耐久性を保持し、コイルコーティングラインで塗装
可能な、耐汚染性、耐傷付き性および耐久性に優れたア
クリルーシロキサン複合樹脂塗膜を被覆したプレコート
金属板を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】プレコート金属板用の塗
料は、150〜300℃に加熱して1〜2分以内に硬化
が終了し、また塗装後の加工において塗膜にクラックや
剥離が生じないような可撓性が要求される。
【0023】本発明者等がこれらの特性をもつ塗膜樹脂
を検討した結果、水産基を有するアクリルーシロキサン
複合樹脂と硬化剤としてブロックイソシアネート化合物
およびメラミン樹脂のうちの少なくとも1種とを特定の
割合で配合した樹脂を主成分とする塗膜を形成すること
により、樹脂の硬化性と耐汚染性および耐久性等の性能
を最適なものにすることができることを見出した。
【0024】さらに、トップコート層を2層化し、耐候
性、耐久性および耐傷付き性に優れたアクリル樹脂系塗
膜層の上に、耐汚染性、耐久性に優れるアクリルーシロ
キサン樹脂系塗膜を薄く塗り重ねることにより、トップ
コートの加工性が十分なものとなり、またアクリルーシ
ロキサン樹脂としての耐汚染性、耐久性を保持しなが
ら、下地隠蔽性も確保できることを見出した。
【0025】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものであり、請求項1に係る発明は金属板の少なくと
も一方の面に、化成処理皮膜と、下塗り塗膜と、アクリ
ル樹脂を主成分とする中塗り塗膜とが順次形成され、さ
らにその上に、水酸基を有するアクリルーシロキサン複
合樹脂とブロックイソシアネート化合物および/または
メラミン樹脂を固形分の重量比で60:40〜95:5
の範囲で含有する塗料組成物を塗布し、焼き付けして形
成された上塗り塗膜を有することを特徴とするプレコー
ト金属板である。
【0026】請求項2に係る発明は、上記プレコート金
属板において、前記水酸基を有するアクリルーシロキサ
ン複合樹脂が、分子内にシロキサン構造を有するアルコ
キシシラン基含有モノマーより導かれる樹脂および/ま
たはアクリル系樹脂にオルガノポリシロキサンを配合し
て形成された樹脂であることを特徴とするプレコート金
属板である。
【0027】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2に係る発明のプレコート金属板において、最上層
塗膜が、平均粒径1〜20μmのアルミナおよびシリカ
の中から選ばれる1種以上を主成分とする粒状物質を、
樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部含有す
る塗膜であることを特徴とするプレコート金属板であ
る。
【0028】
【実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のプレコート金属板は、少なくとも一方の面に、
化成処理皮膜と、下塗り塗膜と、アクリル樹脂を主成分
とする中塗り塗膜とが順次形成され、さらにその上に、
特定の塗料組成物を塗布し、焼き付けして形成された上
塗り塗膜を有する。
【0029】本発明の上塗り塗膜を形成させるために
は、水酸基を有するアクリルーシロキサン複合樹脂と硬
化剤としてブロックイソシアネート化合物およびメラミ
ン樹脂のうちの少なくとも1種とを配合した塗料を使用
する。
【0030】水酸基を有するアクリルーシロキサン複合
樹脂は、アルコキシシラン基含有アクリルモノマーを、
水酸基を有するアクリルモノマーを含む他のアクリル樹
脂形成モノマーと共重合させたもので、さらにその共重
合物中のアルコキシシラン基にオルガノポリシロキサン
を縮合させたものでもよい。
【0031】上記のアルコキシシラン基含有アクリルモ
ノマーとしては、例えば以下の[化1]に示す化合物が
挙げられる。
【0032】
【化1】
【0033】具体的な化合物名としては、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、
ビニルフェニルジメトキシシラン、ビニルフェニルジエ
トキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニル
ジメチルエトキシシラン、ビニルジフェニルメトキシシ
ラン、ビニルジフェニルエトキシシラン、3−(メタ)
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メ
タ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3
−(メタ)アクリロキシプロピルフェニルジメトキシシ
ラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメト
キシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジフェ
ニルメトキシシランおよびそれらのシロキサン縮合ポリ
マー等が挙げられる。
【0034】本発明のアクリルーシロキサン複合樹脂
は、硬化剤例えばブロックイソシアネート化合物または
メラミン樹脂と反応して架橋構造を形成し硬化するが、
そのためにはアクリルーシロキサン複合樹脂の側鎖に水
酸基が必要である。
【0035】水酸基をアクリルーシロキサン複合樹脂に
導入するために、水酸基を有するアクリルモノマーを用
いるが、このような水酸基を有するアクリルモノマーと
しては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミン
等が挙げられる。
【0036】また、安定な架橋構造を形成するために、
上記のアクリルモノマーに加えて共重合させる他のアク
リルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン酸、フマル酸メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アク
リレート、イソボニル(メタ)アクリレート等のアルキ
ルエステル(メタ)アクリレート型のエチレン性モノマ
ー、さらにこれらのモノマと共重合可能なエチレン性モ
ノマー並びに(メタ)アクリルニトリル、スチレン等が
挙げられる。
【0037】さらに、これらの共重合ポリマーに縮合さ
せるシロキサンオリゴマー(ポリマー)としては、ジメ
チルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のジ
オルガノシラン縮合物、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン
等のオルガノシランを加水分解、部分縮合することによ
り得られるシロキサン縮合物、およびそれらの混合物ま
たは縮合物が挙げられる。
【0038】本発明で使用する水酸基を有するアクリル
−シロキサン複合樹脂は、例えば上記アルコキシシラン
基を持つアクリルモノマーをはじめ各種アクリルモノマ
ーと過酸化物やジアゾ化合物のようなラジカル重合開始
剤の混合物を、加熱した有機溶剤中に所定時間かけて滴
下した後、所定の時間一定温度に保持しラジカル重合反
応させることにより製造することができ、また、必要に
応じてオルガノポリシロキサンを混合し、加熱、脱水縮
合させ、目的の樹脂を得ることがてきる。
【0039】また、このアクリル−シロキサン複合樹脂
は、一般のアクリル樹脂にそのアクリル樹脂と相溶性の
あるオルガノポリシロキサンをコールドブレンドする
か、あるいはアクリル樹脂を溶解した溶剤に、その溶剤
に分散可能なオルガノポリシロキサンをコールドブレン
ドすることによっても製造することができる。
【0040】このようにして得られた水酸基を有するア
クリル−シロキサン複合樹脂にブロックイソシアネート
化合物および/またはメラミン樹脂を配合した樹脂は、
塗膜とした時の硬度および強度が高く、また耐薬品性等
の耐久性にも優れる。さらに表面が撥水、撥油性をもつ
ため耐汚染性に優れる。
【0041】また、さらに、アルコキシシラン基の縮合
反応またはオルガノポリシロキサンの添加により、樹脂
中にシロキサン結合、すなわち、−Si−O−Si−の
繰り返し構造をもつものは、生成した塗膜が強固にな
る。
【0042】上記の水酸基を有するアクリル−シロキサ
ン複合樹脂は、水酸基価が20〜150mgKOH/
g、ガラス転移温度が50〜200℃の範囲であること
が好ましい。水酸基価が20mgKOH/g未満では、
塗膜の架橋密度が低いために塗膜の強度および硬度が不
十分であり、一方、水酸基価が150mgKOH/gを
超えると塗膜の可撓性が劣るため耐衝撃性に問題が生じ
るほか、焼付硬化性にも劣り、また硬化後にも塗膜中に
未反応基が残存するため、耐薬品性、耐食性等の耐久性
も低下する。
【0043】また、ガラス転移温度が50℃未満では塗
膜の強度および硬度が不十分であり、一方、ガラス転移
温度が200℃を超えると塗膜の可撓性が劣り、耐衝撃
性が不十分になるほか、塗装性、焼付硬化性にも劣る。
【0044】硬化剤として使用するブロックイソシアネ
ート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、o−、m−、またはp−フェニレンジイソシ
アネート、2、4−、または2、6−トリレンジイソシ
アネート、芳香環が水素添加された2、4−、または
2、6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
−4、4´−ジイソシアネート、3、3−ジメチル−
4、4´−ジイソシアネート、ω、ω´−ジイソシアネ
ート−1、4−ジメチルベンゼン、ω、ω´−ジイソシ
アネート−1、3−ジメチルベンゼン等の、芳香環を有
するイソシアネート化合物、または、イソホロンジイソ
シアネート等の脂環族イソシアネート化合物をε−カプ
ロラクタム等でブロック化したものが挙げられ、これら
を、単独または混合して使用される。
【0045】前記メラミン樹脂は、メラミンとホルムア
ルデヒトを反応させた後、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール等の一価のアルコールで、メチ
ロール基の一部または全部をエーテル化して得られるア
ルキルエーテル化メラミンである。
【0046】メラミン樹脂としては、特にメチル化メラ
ミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、あるいはメチル化−
ブチル化混合メラミン樹脂が好適である。
【0047】本発明の上塗り塗膜においては、上記水酸
基を有するアクリル−シロキサン複合樹脂(A)と硬化
剤であるブロックイソシアネート化合物およびメラン樹
脂のうちの少なくとも1種(B)を、固形分として
(A):60〜95重量部および(B):40〜5重量
部の範囲とすることが必要である。(B)成分が5重量
部未満では、塗膜硬度が不足する他、耐薬品性、耐汚染
性にも劣り、一方、(B)成分が40重量部を超えると
可撓性に劣るため、耐衝撃性に問題が生じる。
【0048】本発明では、さらに塗膜の耐傷付き性およ
び耐摩耗性を高めるために、樹脂組成物中に骨材を添加
することも好ましい。
【0049】骨材としては、平均粒径1〜20μmのア
ルミナおよびシリカの中から選ばれる1種以上を主成分
とする粒状物質を使用する。
【0050】耐傷付き性、耐摩耗性を向上させるために
添加する骨材としては、繊維状のものや樹脂ビーズ等が
良く使用されるが、アルミナおよびシリカを主成分とす
る無機骨材、特にアルミナを主成分とする骨材を使用す
ると、骨材表面が樹脂中のアルコキシシラン基にたい
し、非常に活性なため、樹脂との密着性および、樹脂中
における分散性が非常に良好となる。
【0051】無機骨材の粒径については、種々検討した
結果、平均粒径1〜20μmのものが適切であることが
わかった。
【0052】平均粒径が1μm未満であると、硬度及び
耐傷付き性を向上させる効果が小さく、一方平均粒径が
20μmを超えると耐汚染性の低下を招くだけでなく、
塗料中への分散性に劣り、また骨材が塗料中で沈降しや
すくなるため塗装不良が起こりやすくなる。
【0053】無機骨材の添加量は、樹脂固形分100重
量部に対し、1〜20重量部の範囲にすることが好まし
い。1重量部未満では耐傷付き性および耐衝撃性が不十
分になり、一方、添加量が20重量部を超えると塗膜の
加工性が大幅に低下する。
【0054】本発明では、最上層のアクリル−シロキサ
ン樹脂系塗膜を10μm以下の薄膜にすることにより、
塗装性と加工性を確保し、さらにトツプコートとしての
耐久性、耐傷付き性および下地隠蔽性を確保するため、
アクリル−シロキサン樹脂系塗膜の下層に、耐候性、耐
久性および耐傷付き性に優れた中塗り塗膜を形成する。
この中塗り塗膜は、特に優れた塗膜硬度および耐久性と
さらにトツプコートとの良好な密着性が得られるアクリ
ル樹脂を主成分とする塗膜とする。
【0055】この塗膜を形成するための塗料としては、
市販のプレコート用アクリル樹脂系塗料も適用可能であ
るが、より好ましい塗料は、アクリル樹脂に上塗りまた
は下塗り塗膜との密着性を高めるためにエボキシ樹脂や
シリコン樹脂を添加したものや、硬化剤として、ブロッ
クイソシアネート化合物、メラン樹脂等を添加した塗料
である。
【0056】上記塗料において使用するアクリル樹脂
は、メラミン樹脂と反応して非常に高硬度な架橋構造を
形成できるものが好ましく、そのため、側鎖に水酸基を
有するアクリル樹脂、あるいは側鎖に水酸基とカルボキ
シル基を有するアクリル樹脂を使用する。
【0057】水酸基をアクリル樹脂に導入するための、
水酸基を有するアクリル系単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、N−
メチロールアクリルアミンなどが挙げられる。
【0058】カルボキシル基をアクリル樹脂に導入する
ためのカルボキシル基を有するアクリル系単量体として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン
酸、フマル酸、およびこれらの置換誘導体などが挙げら
れる。
【0059】また、非常に高硬度な架橋構造を形成する
ために、上記水酸基やカルボキシル基を含有するアクリ
ル系単量体と共重合させるアクリル系単量体としては、
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)
アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソポニル等
の(メタ)アクリル酸アルキルエステル型エチレン性モ
ノマー、さらにはこれらのモノマーと共重合可能なエチ
レン性モノマー並びに(メタ)アクリルニトリル、スチ
レン等である。
【0060】本発明において中塗り塗膜に使用するアク
リル樹脂は、例えば上記アクリル系単量体各成分とラジ
カル重合開始剤の混合物を加熱した有機溶剤中に所定時
間かけて滴下後、所定の時間一定温度に保持することに
よりラジカル重合反応させて製造することができる。
【0061】中塗り塗膜に使用するアクリル樹脂は、水
酸基価が60〜110mgKOH/g、ガラス転移温度
が70〜110℃の範囲であることが好ましい。
【0062】水酸基価が60mgKOH/g未満である
と塗膜の架橋密度が低いため、塗膜の強度、硬度が不十
分であり、他方110mgKOH/gを超えると、塗膜
の可撓性が劣るため耐衝撃性に問題が生じるほか、焼付
硬化性に劣り、硬化後にも塗膜中に未反応基が残存する
ため、耐薬品性、耐食性等の耐久性が劣る。
【0063】また、ガラス転移温度が70℃未満では塗
膜の強度、硬度が不十分であり、他方110℃を超える
と塗膜の可撓性が劣り、耐衝撃性が不十分になるほか、
塗装性、焼付硬化性にも劣る。
【0064】さらに樹脂の数平均分子量については30
00〜10000の範囲のものが好ましい。
【0065】3000未満では焼付硬化性に劣る他、塗
膜硬度が不足する可能性があり、他方10000を超え
ると樹脂が溶剤に溶けにくくなり、塗料固形分率が低く
なるため塗装性に劣るためである。
【0066】上記アクリル樹脂に硬化剤として添加する
メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドを反応さ
せた後、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等の一価のアルコールで、メチロール基の一部ま
たは全部をエーテル化して得られるアルキルエーテル化
メラミンである。特にメチル化メラミン樹脂、ブチル化
メラミン樹脂、あるいはメチル化−ブチル化混合メラミ
ン樹脂が好適である。
【0067】アクリル樹脂(A)とメラミン樹脂(B)
との混合割合は、それぞれ固形分として、(A)成分が
50〜75重量部および(B)成分が50〜25重量部
の範囲にあることが必要であり、特に好ましくは(A)
成分が60〜70重量部、(B)成分が40〜30重量
部の割合に配合することである。(B)成分が25重量
部未満では、塗膜硬度が不足する他、耐薬品性、耐汚染
性にも劣り、他方50重量部より多くなると可撓性に劣
るため、耐衝撃性に問題がある。
【0068】中塗り塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μm
とすることが好ましい。膜厚が10μm未満では十分な
下地隠蔽性が得られない他、硬質の塗膜層が薄くなり、
耐食性、耐候性等の耐久性が低下する。
【0069】一方、膜厚が50μmを超えると塗膜が脆
くなり、塗膜密着性や耐衝撃性に劣る他ほか、塗装条件
によって発泡等の外観不良を生じる。
【0070】次に、本発明で用いる下塗り塗膜は、金属
板と中塗り塗膜との密着性を高めたり、あるいは高湿度
等の特別な環境において耐久性、耐衝撃性を向上させる
ために形成される。下塗り層としてはラッカー系やオイ
ル系の下塗り塗料も使用可能であり、また合成樹脂系塗
料ではエポキシ樹脂系塗料の他にウレタン樹脂系塗料や
ポリエステル樹脂系塗料など一般に用いられる下塗り塗
料を用いることができる。
【0071】さらに、高度の耐食性や塗膜密着性が必要
な場合は、下塗り塗膜中に防錆顔料としてクロム酸塩系
化合物を添加することが好ましい。
【0072】クロム酸塩系化合物としては、ジンククロ
メート、ストロンチウムクロメート、カルシウムクロメ
ート、バリウムクロメート等が好適であり、その含有量
は塗膜中に1〜60重量%の範囲とすることが適当であ
る。
【0073】また、下塗り塗膜の乾燥膜厚は、上述した
効果を得るために、5〜20μm程度とすることが好ま
しい。
【0074】本発明で使用する被塗装金属板としては、
冷延鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板の他
に、亜鉛、亜鉛系合金、アルミニウム、クロム、ニッケ
ルあるいはこれらの合金をめっきした鋼板等、各種の金
属板が使用できる。
【0075】上記の金属板の表面には、塗膜との付着性
を確保するため化成処理皮膜を形成する。化成処理皮膜
は、各金属板に適した塗装前処理により形成されればよ
く、クロメート、リン酸塩、シランカップリング剤の塗
布または噴霧処理やリン酸、硝酸、フッ酸等の酸あるい
はアルカリによる活性化処理等により形成されるものの
他、電解処理により形成されるものでもよい。
【0076】次に本発明のプレコート金属板の製造方法
について説明する。本発明では、まず金属板の表面に塗
膜との付着性を確保するため上記化成処理皮膜を形成す
る。次に、この化成処理皮膜の上層に下塗り塗膜を形成
し、さらにその上層に前記組成の塗料を塗布し、焼付け
た中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成する。
【0077】中塗り塗膜は、前述した塗料組成物を塗布
した後、焼付処理することにより形成される。塗料組成
物を塗布した後の焼付処理は、例えばコイル塗装ライン
で短時間乾燥を行う場合は、30〜180秒加熱して金
属板温度を150〜280℃に到達させることによって
行うことが好ましい。金属板温度が150℃未満では樹
脂成分の乾燥硬化が不十分であり、一方、280℃を超
えると下塗り塗料成分を含めた熱劣化が始まる。
【0078】また、焼付時間が30秒未満では樹脂成分
の乾燥硬化が不十分である他、樹脂硬化スピードが溶剤
の蒸発スピードを上回るため塗膜にワキ等の欠陥を生
じ、外観が低下しやすく、一方、180秒を超えると下
塗り塗料成分を含めた熱劣化が始まり、いずれの場合に
も塗料本来の性能が発揮されなくなるため好ましくな
い。
【0079】焼付時の加熱方法については特別な制限は
なく、熱風加熱方式、高周波加熱方式等の方法を適用す
ることができる。
【0080】なお、上記の中塗り塗膜および下塗り塗膜
には、必要に応じて、硬化触媒、顔料、可塑剤、乾燥
剤、分散剤、酸化防止剤等を添加することができる。ま
た、顔料としては、各種着色顔料の他に、体質顔料、防
錆顔料を添加することができる。
【0081】塗装方法については特に制限がなく、従来
一般に行われているロールコーター法、カーテンフロー
コーター法、ダイコーター法等の塗装法を適用できる。
【0082】上塗り塗膜は、前述した塗料組成物を塗布
した後、焼付処理することにより形成される。塗料組成
物を塗布した後の焼付処理は、例えばコイル塗装ライン
で短時間乾燥を行う場合は、30〜180秒加熱して金
属板温度を200〜300℃に到達させることによって
行うことが好ましい。金属板温度が250℃未満では樹
脂成分の乾燥硬化が不十分であり、一方、300℃を超
えると下塗り塗料成分を含めた熱劣化が始まる。
【0083】また、焼付時間が30秒未満では樹脂成分
の乾燥硬化が不十分である他、樹脂の硬化スピードが溶
剤の蒸発スピードを上回るため塗膜にワキ等の欠陥を生
じ、外観が低下しやすく、一方、180秒を超えると下
塗り塗料成分を含めた熱劣化が始まり、いずれの場合に
も塗料本来の性能が発揮されなくなるため好ましくな
い。
【0084】焼付時の加熱方法については特別な制限は
なく、熱風加熱方式、高周波加熱方式等の方法を適用す
ることができる。
【0085】なお、上記の上塗り塗膜には、必要に応じ
て、硬化触媒、顔料、可塑剤、乾燥剤、分散剤、酸化防
止剤等を添加することができる。また、顔料としては、
各種着色顔料の他に、体質顔料、防錆顔料を添加するこ
とができる。
【0086】また、上塗り塗膜においても塗装方法につ
いては特に制限がなく、従来一般に行われているロール
コーター法、カーテンフローコーター法、ダイコーター
法等の塗装法を適用できる。
【0087】
【実施例】ステンレス鋼板(板厚0.5mm)または溶
融亜鉛めっき鋼板(板厚0.6mm、めっき付着量片面
125g/m2 )に、化成処理として塗布型クロメート
処理またはリン酸塩処理を施し、次いで、下塗り塗料と
してエポキシ樹脂系塗料(日本油脂(株)製商品名「プ
レカラーWP−3」)を塗布した後、到達板温:200
℃、焼付時間:60秒で焼付処理し、次いで、中塗り塗
料として作成した塗料組成物を塗布した後、到達板温:
200℃、焼付時間:90秒で焼付処理し、次いで、上
塗り塗料として下記により作成した塗料組成物を塗布し
て焼付処理(焼付時間:90秒)し、得られた塗装金属
板を下記の各種試験に供した。
【0088】表1、表2に上塗り塗料に用いた水酸基を
有するアクリル−シロキサン複合樹脂の組成と特性、表
3、表4に上塗り塗料の組成を、表5に中塗り塗料とし
て用いたアクリル樹脂共重合体の組成と特性、表6に中
塗り塗料の組成を示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】この時の上塗り塗料及び中塗り塗料に用い
た樹脂の製造は以下のようにして行った。
【0092】(1)水酸基を有するアクリル−シロキサ
ン複合樹脂の製造 温度計、還流冷却器、攪拌器、滴下ロート、窒素ガス導
入管を備えた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、ソル
ベッソ#100を20重量部、n−ブタノールを10重
量部仕込み、攪拌下で加熱還流させた中に、表1に示す
組成のモノマーおよび重合開始剤混合物(滴下成分)5
0重量部を24時間かけて滴下ロートより等速滴下し
た。滴下終了後、還流下で2時間保持した後、ソルベッ
ソ#100を20重量部加えて冷却した後、200メッ
シュ金網にてろ過を行うことによって、それぞれ表1記
載の特性を有するシロキサン含有アクリル樹脂共重合体
S−1〜S−8溶液を得た。
【0093】さらに、そのシロキサン含有アクリル樹脂
共重合体とシロキサンオリゴマーを表2に示す組成で混
合し、攪拌下で80℃で2時間加熱しアクリル−シロキ
サン複合樹脂S−9〜S−12の溶液を得た。
【0094】(2)上塗り塗料の製造 表3、表4に示す配合割合に応じて、上記水酸基を有す
るアクリル−シロキサン複合樹脂の一部と混合溶剤の一
部とを混合し、次いで二酸化チタンを加えて均一に混合
した後、アトライターを用いて粒度10μm以下に分散
した。
【0095】さらに、アクリル−シロキサン複合樹脂の
残り、硬化剤のブロックイソシアネート化合物またはメ
ラミン樹脂および酸触媒を加えて、攪拌しながら骨材を
添加混合した後、残りの混合溶剤を適宜加えて、粘度を
フォードカップNo.4で120±10秒(20℃)に
調整して、表3、表4に示す塗料T−1〜T−18を得
た。
【0096】なお、表3、表4においてT−1〜T−1
4は本発明例の塗料であり、T−15〜T−18は本発
明範囲外の塗料である。
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】(3)中塗り塗料用アクリル樹脂の製造 温度計、還流冷却器、攪拌器、滴下ロート、窒素ガス導
入管を備えた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、ソル
ベッソ#100を20重量部、n−ブタノールを10重
量部仕込み、攪拌下で加熱還流させた中に、表5記載の
単量体および重合開始剤混合物(滴下成分)55重量部
を24時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終
了後、還流下で2時間保持した後、ソルベッソ#100
を15重量部加えて冷却した後、200メッシュ金網に
てろ過を行うことによって、それぞれ表5に記載の特性
を有するアクリル樹脂共重合体A−1〜A−8溶液を得
た。なお、数平均分子量はゲルパーミェーションクロマ
トグラフィーを用い、標準ポリスチレンの秤量線を使用
して測定した。
【0100】
【表5】
【0101】(4)中塗り塗料の製造 表6に示す配合割合に応じて、アクリル樹脂共重合体の
一部と混合溶剤の一部とを混合し、次いで二酸化チタン
を加えて均一に混合した後、アトライターを用いて粒度
10μm以下に分散した。
【0102】さらに、アクリル樹脂共重合体の残り、メ
ラミン樹脂および酸触媒を加えてた後、攪拌しながら無
機骨材を添加混合した後、残りの混合溶剤を適宜加え
て、粘度をフォードカップNo.4で120±10秒
(20℃)に調整して、12種類の塗料組成物M−1〜
M−12を調整した。なお、M−1〜M−10は本発明
例に準じた塗料組成物であり、M−11、M−12は比
較試験用の塗料組成物である。
【0103】
【表6】
【0104】「試験・評価方法」塗装鋼板の塗膜性能は
次のように評価した。 (1)鉛筆硬度試験 JIS−K5400の8.4.1(1993)の方法に
準じて、塗膜の引っかき抵抗性を鉛筆の芯の硬さを変え
たときの塗膜のすり傷で調べ、塗膜にすり傷が認められ
ない最高の硬さをその塗膜の鉛筆硬度とした。鉛筆硬度
が5H以上のものが良好である。
【0105】(2)耐カーボン汚染性試験 カーボンブラック/水=5/95(重量比)の割合の分
散液1mlを塗膜上にのせ、20℃、50RH%の恒温
恒湿室内で24時間放置後、水洗を行ない、分散液をの
せた塗膜面の変色程度を目視にて観察し、以下の基準で
判定した。 ◎;跡が全く無し ○;跡がわずかに認められる △;跡がやや目立つ ×;跡が濃く残る
【0106】(3)耐摩耗性試験(テーバー方式) JIS−K5400の8.9(1993)の方法に準し
て、9.81Nの荷重をかけて、CS10摩耗輪を10
00回転させたときの摩耗減量(mg)を測定した。摩
耗減量が30mg以下のものが良好である。
【0107】(4)衝撃変形試験(デュポン式) JIS−K5400の8.3.2(1993)の方法を
適用し、おもり500g、高さ50cmで、試験片の塗
膜面が上向きの場合と下向きの場合とについて試験し、
以下の基準で評価した。 ◎;セロハンテープ剥離が全く無し ○;セロハンテープ剥離面積が10%以下 △;セロハンテープ剥離面積が10%を超え、50%未
満 ×;セロハンテープ剥離面積が50%以上
【0108】(5)耐薬品性試験 JIS−A5707の方法に準じて5%硝酸、5%硫酸
および5%水酸化ナトリウム水溶液を塗膜上に1ml滴
下して20℃、50RH%の恒温恒湿室内で2〜120
時間放置した後、水洗乾燥し、塗膜表面の変化を目視で
観察し、塗膜面に全く変化がみられない最長の時間を測
定した。その時間が24時間以上のものが良好である。
【0109】(6)促進耐候性試験 JIS−K5400の8.1.1(1993)の方法に
準じて、サンシャインウエザオメーター2000時間後
の塗膜面の光沢保持率(%)で示し、80%以上のもの
が良好である。
【0110】表7、表8に各実施例の塗装金属板の製造
条件と各種試験の結果を示す。
【0111】
【表7】
【0112】
【表8】
【0113】以上の実施例の結果から明らかなように、
本発明条件から外れる比較例1〜6においては、塗膜硬
度、耐汚染性、耐衝撃性、その他の試験項目において、
いずれも大きく劣っており、満足できるものではなかっ
た。
【0114】これにたいして本発明の方法に準じた実施
例1〜16では、耐傷付き性、耐汚染性、耐衝撃性等、
全ての試験項目において良好である。また、その中でも
特に、水酸基を有するアクリル−シロキサン複合樹脂と
して、分子中にシロキサン構造を有するアルコキシシラ
ン基含有モノマーより導かれる樹脂および/またはアク
リル系樹脂にオルガノポリシロキサンを配合し手形成さ
れた樹脂を用いたもの(実施例4〜16)では、耐汚染
性、耐摩耗性に特に優れている。
【0115】また、最上層塗膜に、平均粒径1〜20μ
mのアルミナ及びシリカの中から選ばれる1種以上を主
成分とする粒状物質を、樹脂固形分100重量部に対し
て1〜20重量部添加したもの(実施例11〜14)で
は、耐摩耗性に特に優れている。
【0116】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、耐傷
付き性および耐摩耗性に優れるとともに樹脂の撥水・撥
油性により耐汚染性に優れ、さらに耐衝撃性、耐耐候性
等の耐久性、耐薬品性にも優れた塗膜を有し、外装建材
やトンネル内装板等材料として最適なプレコート金属板
を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 9/00 B32B 9/00 A 15/08 15/08 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の少なくとも一方の面に、化成処
    理皮膜と、下塗り塗膜と、アクリル樹脂を主成分とする
    中塗り塗膜とが順次形成され、さらにその上に、水酸基
    を有するアクリルーシロキサン複合樹脂とブロックイソ
    シアネート化合物および/またはメラミン樹脂を固形分
    の重量比で60:40〜95:5の範囲で含有する塗料
    組成物を塗布し、焼き付けして形成された上塗り塗膜を
    有することを特徴とするプレコート金属板。
  2. 【請求項2】 前記水酸基を有するアクリルーシロキサ
    ン複合樹脂が、分子中にシロキサン構造を有するアルコ
    キシシラン基含有モノマーより導かれる樹脂および/ま
    たはアクリル系樹脂にオルガノポリシロキサンを配合し
    て形成された樹脂であることを特徴とする請求項1に記
    載のプレコート金属板。
  3. 【請求項3】 最上層塗膜が、平均粒径1〜20μmの
    アルミナおよびシリカの中から選ばれる1種以上を主成
    分とする粒状物質を、樹脂固形分100重量部に対して
    1〜20重量部含有する塗膜であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のプレコート金属板。
JP31445795A 1995-12-01 1995-12-01 プレコート金属板 Withdrawn JPH09150115A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31445795A JPH09150115A (ja) 1995-12-01 1995-12-01 プレコート金属板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31445795A JPH09150115A (ja) 1995-12-01 1995-12-01 プレコート金属板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09150115A true JPH09150115A (ja) 1997-06-10

Family

ID=18053580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31445795A Withdrawn JPH09150115A (ja) 1995-12-01 1995-12-01 プレコート金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09150115A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11207871A (ja) * 1998-01-30 1999-08-03 Nippon Soda Co Ltd ブラインド
JP2001055542A (ja) * 1999-08-19 2001-02-27 Masami Soki 表面被覆用合成樹脂の改質方法
JP2007197824A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Jfe Steel Kk 絶縁被膜を有する電磁鋼板
JP2011132398A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd フィルムもしくはシート
JP2014199155A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 株式会社神戸製鋼所 アルミニウムフィン材およびその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11207871A (ja) * 1998-01-30 1999-08-03 Nippon Soda Co Ltd ブラインド
JP2001055542A (ja) * 1999-08-19 2001-02-27 Masami Soki 表面被覆用合成樹脂の改質方法
JP2007197824A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Jfe Steel Kk 絶縁被膜を有する電磁鋼板
JP2011132398A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd フィルムもしくはシート
JP2014199155A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 株式会社神戸製鋼所 アルミニウムフィン材およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9120916B1 (en) Acrylic polymers, curable film-forming compositions prepared therefrom, and method of mitigating dirt build-up on a substrate
JP5586799B2 (ja) 塗料組成物
JP2009511253A (ja) 車体へのプライマ焼付無しでの多層コーティングの形成方法
JP5689210B1 (ja) 塗料組成物
JP4894548B2 (ja) 塗料組成物
JP4730688B2 (ja) 塗装金属板
JP4160188B2 (ja) 艶消し塗装金属板
JPH09150115A (ja) プレコート金属板
JP2007222709A (ja) 塗装鋼板
JPH0924577A (ja) 耐汚染性、耐傷つき性および耐久性に優れたプレコート金属板
WO2014196217A1 (ja) 塗料組成物
JP2016504436A (ja) 耐汚染性に優れた塗料組成物及びその被覆により得られる塗膜
JP2003268300A (ja) 自動車外板用上塗り塗料、塗装方法、及び塗膜
JP3439558B2 (ja) 耐傷つき性、耐汚染性及び耐久性に優れた塗料組成物および塗装金属板
JPH10219182A (ja) 耐傷つき性、耐摩耗性及び耐久性に優れた塗料組成物および塗装金属板
JPH02135252A (ja) 硬化性フッ素樹脂塗料
JPH08281865A (ja) 耐汚染性、加工性および耐久性に優れたプレコート金属板
JP4266524B2 (ja) 塗装鋼板およびその製造方法
JP2014198800A (ja) プレコート用塗料組成物、塗膜、塗膜の形成方法、プレコート鋼板
WO2019107570A1 (ja) 塗料組成物及び複層塗膜の形成方法
JPH11129388A (ja) 耐傷付き性、加工性及び耐久性に優れたプレコート金属板及びその製造方法
JPH08165442A (ja) 屋外での汚れ防止性に優れた塗膜を形成できる塗料組成物
JPS6141260B2 (ja)
JP2009144111A (ja) 塗料組成物及び塗膜形成方法
JPH09296149A (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物、及びそれを用いてなる塗装物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030204