JP5200628B2 - モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、ブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置、および、そのようなモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。電動パワーステアリング装置の電動モータには従来からブラシモータが広く使用されているが、信頼性および耐久性の向上や慣性の低減などの観点から、近年ではブラシレスモータも使用されている。
一般に、ブラシレスモータを高回転かつ高負荷の状態で駆動する場合には、当該ブラシレスモータに印加すべき電圧が大きなものとなるが、実際にはブラシレスモータへの印加電圧は電源電圧による制限を受ける。このため、ブラシレスモータを駆動するための制御装置は、ブラシレスモータへの印加電圧を予め決められた電圧制限値を越えないように制御している(例えば特許文献3〜5参照)。その結果、ブラシレスモータの出力トルク(以下「モータトルク」という)は、(単位時間当たりの)回転数Nが或る値を超えると、図13(a)に示すように低下し、所望のモータトルクが得られなくなる。
このような高回転領域におけるモータトルクの低下を抑制するための方法として、ブラシレスモータにおけるロータとしての回転界磁のd軸方向の磁束を弱めるように負のd軸電流をブラシレスモータに流すという弱め磁束制御が従来より知られている(例えば特許文献1,2参照)。ブラシレスモータにおいてこの弱め磁束制御を行うと、モータトルクTm(N)は回転数Nに対し図13(b)における実線に示すように変化し、回転数Nの増大によるトルク低下が抑制される。
特開2002−345281号公報 特開2006−248389号公報 特開2003−304697号公報 国際公開第2006/109809号パンフレット 特開2008−29088号公報
しかし、予め決められた電圧制限値を越えない範囲でモータトルクを最大化すべくブラシレスモータにq軸電流を流そうとすると、d軸電流も増大させる必要がある。その結果、高回転領域において弱め磁束制御によって所望のモータトルクを得ようとすると、モータ制御装置に含まれる駆動回路等の配線パターンまたはスイッチング素子に流れる電流が許容値を超え、モータ制御装置が損傷するおそれがある。
そこで本発明の目的は、ブラシレスモータにつき高回転領域において駆動回路等の損傷を回避しつつ弱め磁束制御を行うことができるモータ制御装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、そのようなモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供することである。
第1の発明は、ブラシレスモータを駆動する弱め磁束制御可能なモータ制御装置であって、
前記ブラシレスモータに供給すべき電流を示すd軸電流指令値i d およびq軸電流指令値 q に基づき前記ブラシレスモータに印加すべき電圧を示すd軸電圧指令値 d およびq軸電圧指令値 q を求める制御演算手段と、
前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を、予め決められた電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q と前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q とが
√(v d 2 +v q 2 )≦Vlim …(A1)、
√(i d 2 +i q 2 )≦Ilim …(A2)、
を満たすように決定する指令電流設定手段と、
前記制御演算手段により求められたd軸電圧指令値v d およびq軸電圧指令値 q に基づき前記ブラシレスモータを駆動する駆動手段とを備え、
前記指令電流設定手段は、
前記ブラシレスモータに供給すべき電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、
前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を越える場合に、前記電圧制限値Vlimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q が次式(A3)を満たすように前記目標値のd軸およびq軸成分を補正することにより前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を求める目標値補正手段とを含み、
√(v d 2 +v q 2 )=Vlim …(A3)、
前記目標値補正手段は、前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を超える場合に、
前記式(A1)を満たすように前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を変化させたときに前記q軸電流指令値i q が最大となる前記d軸電流指令値i d を最大d軸電流値i dm として求め、
前記制御演算手段により前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q を求めるときに用いられる前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を、1よりも小さい正数として予め定められた係数Gdに対し前記式(A3)および次式(A4)を満たすように決定することを特徴とする。
d =Gd・i dm …(A4)
第2の発明は、ブラシレスモータを駆動する弱め磁束制御可能なモータ制御装置であって、
前記ブラシレスモータに供給すべき電流を示すd軸電流指令値i d およびq軸電流指令値 q に基づき前記ブラシレスモータに印加すべき電圧を示すd軸電圧指令値 d およびq軸電圧指令値 q を求める制御演算手段と、
前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を、予め決められた電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q と前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q とが
√(v d 2 +v q 2 )≦Vlim …(A1)、
√(i d 2 +i q 2 )≦Ilim …(A2)、
を満たすように決定する指令電流設定手段と、
前記制御演算手段により求められたd軸電圧指令値v d およびq軸電圧指令値 q に基づき前記ブラシレスモータを駆動する駆動手段とを備え、
前記指令電流設定手段は、
前記ブラシレスモータに供給すべき電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、
前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を越える場合に、前記電圧制限値Vlimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q が次式(A3)を満たすように前記目標値のd軸およびq軸成分を補正することにより前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を求める目標値補正手段とを含み、
√(v d 2 +v q 2 )=Vlim …(A3)、
前記目標値補正手段は、前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を超える場合に、
前記式(A1)を満たすように前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を変化させたときの前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q のうち前記q軸電流指令値i q が最大となる前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q をそれぞれ第1のd軸電圧値v d1 および第1のq軸電圧値v q1 として求め、
前記式(A1)および次式(A4)を満たすように前記q軸電流指令値i q を変化させたときの前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q のうち前記q軸電流指令値i q が最大となる前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q をそれぞれ第2のd軸電圧値v d2 および第2のq軸電圧値v q2 として求め、
d =0 …(A4)、
電圧を示すd軸とq軸とにより規定される平面上において点(v d1 ,v q1 )および点(v d2 ,v q2 )を通る直線と予め定められた正の定数Kdに対し次式(A5)を満たす円との交点を示すd軸およびq軸電圧値をそれぞれ第3のd軸電圧値v d3 および第3のq軸電圧値v q3 として求め、
√(i d 2 +i q 2 )=Ilim−Kd …(A5)、
前記第3のd軸電圧値v d3 および前記第3のq軸電圧値v q3 が示す電圧を前記ブラシレスモータに印加したときのd軸電流の値を第3のd軸電流値i d3 として求め、
前記制御演算手段により前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q を求めるときに用いられる前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を前記式(A3)および次式(A6)を満たすように決定することを特徴とする。
d =i d3 …(A6)
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記指令電流設定手段は、前記d軸電流指令値 d による前記ブラシレスモータの出力トルクの低下が補償され且つ前記式(A1),(A2)を満たすように前記q軸電流指令値 q を修正するトルク低下補償手段を含み、
前記制御演算手段は、前記d軸電流指令値 d と前記トルク低下補償手段による修正後のq軸電流指令値とを用いて前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値 q を求めることを特徴とする。
第4の発明は、ブラシレスモータを駆動する弱め磁束制御可能なモータ制御装置であって、
前記ブラシレスモータに供給すべき電流を示すd軸電流指令値i d およびq軸電流指令値i q を決定する指令電流設定手段と、
前記指令電流設定手段により決定されたd軸電流指令値i d およびq軸電流指令値i q に基づき前記ブラシレスモータに印加すべき電圧を示すd軸電圧指令値v d およびq軸電圧指令値v q を求める制御演算手段と、
前記制御演算手段により求められたd軸電圧指令値v d およびq軸電圧指令値v q に基づき前記ブラシレスモータを駆動する駆動手段とを備え、
前記指令電流設定手段は、
予め決められた電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimに対し、前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q と前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q とが次式(A1),(A2)を満たすように前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を決定し、
√(v d 2 +v q 2 )≦Vlim …(A1)、
√(i d 2 +i q 2 )≦Ilim …(A2)、
前記d軸電流指令値i d による前記ブラシレスモータの出力トルクの低下が補償され且つ前記式(A1),(A2)を満たすように前記q軸電流指令値i q を修正するトルク低下補償手段を含み、
前記トルク低下補償手段は、
前記式(A1)を満たすように前記q軸電流指令値iqを変化させた場合に前記q軸電流指令値iqがとりうる最大値を第1最大値として求める第1最大値決定手段と、
前記式(A2)を満たすように前記q軸電流指令値iqを変化させた場合に前記q軸電流指令値iqがとりうる最大値を第2最大値として求める第2最大値決定手段と、
前記d軸電流指令値 d による前記ブラシレスモータの出力トルクの低下が補償されるように前記q軸電流指令値 q を補正する補正手段と、
前記補正手段による補正後のq軸電流指令値 q 、前記第1最大値、および前記第2最大値のうち最も小さい値を前記修正後のq軸電流指令値として選定する選定手段とを含み、
前記制御演算手段は、前記d軸電流指令値i d と前記トルク低下補償手段による修正後のq軸電流指令値とを用いて前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q を求めることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、
前記指令電流設定手段は、
前記ブラシレスモータに供給すべき電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、
前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を越える場合に、前記電圧制限値Vlimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値 q 次式(A3)を満たすように前記目標値のd軸およびq軸成分を補正することにより前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値 q を求める目標値補正手段とを含むことを特徴とする。
√(vd 2+vq 2)=Vlim …(A3)
第6の発明は、車両のステアリング機構にブラシレスモータによって操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
第1から第5の発明のいずれかの発明に係るモータ制御装置を備え、
前記モータ制御装置は、前記ステアリング機構に操舵補助力を与えるブラシレスモータを駆動することを特徴とする。
上記第1または第2の発明によれば、電圧制限だけでなく電流制限をも超えないようにd軸およびq軸電流指令値が決定されるので、ブラシレスモータの駆動手段の配線やスイッチング素子等に過大な電流が流れることによるモータ制御装置の損傷を回避しつつ、弱め磁束制御によって高回転領域におけるモータトルクの低下を抑制することができる。また、ブラシレスモータに目標値の電流を供給するために印加すべき電圧が電圧制限値による制限を越える場合には、その制限範囲内で最大の電圧がブラシレスモータに印加されるので、ブラシレスモータの無効電力を極力抑制することができる。さらに、係数Gdまたは正の定数Kdを予め適切に設定してd軸およびq軸電流指令値を決定することにより、d軸およびq軸電流指令値を算出するための演算負荷が過大とならない。
上記第3の発明によれば、d軸電流指令値によるモータトルクの低下が補償されるように電圧制限および電流制限を超えない範囲でq軸電流指令値が修正されるので、第1または第2の発明と同様の効果に加えて、弱め磁束制御を導入しても高回転領域まで安定したモータ出力を得ることができる。
上記第4の発明によれば、電圧制限だけでなく電流制限をも超えないようにd軸およびq軸電流指令値が決定されるので、ブラシレスモータの駆動手段の配線やスイッチング素子等に過大な電流が流れることによるモータ制御装置の損傷を回避しつつ、弱め磁束制御によって高回転領域におけるモータトルクの低下を抑制することができる。また、指令電流設定手段により決定されたd軸電流指令値に対し、モータトルクの低下補償のための補正後のq軸電流指令値と電圧制限範囲内のq軸電流指令値の最大値(第1最大値)と電流制限範囲内のq軸電流指令値の最大値(第2最大値)のうち最小値が修正後のq軸電流指令値として選定され、当該d軸電流指令値と当該修正後のq軸電流指令値とを用いてd軸およびq軸電圧指令値が求められることで、弱め磁束制御を導入しても高回転領域まで安定したモータ出力を得ることができる
上記第5の発明によれば、ブラシレスモータに目標値の電流を供給するために印加すべき電圧が電圧制限値による制限を越える場合には、その制限範囲内で最大の電圧がブラシレスモータに印加されるので、ブラシレスモータの無効電力を極力抑制することができる。
上記第6の発明によれば、操舵補助力を与えるブラシレスモータに供給すべき電流を示すd軸およびq軸電流指令値が電圧制限だけでなく電流制限をも超えないように決定されるので、過大な電流によるモータ制御装置の損傷を回避しつつ、弱め磁束制御によって高回転領域におけるモータトルクの低下を抑制することができる。
<1.電動パワーステアリング装置>
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両の構成と共に示す概略図である。図1に示す電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1、減速機2、トルクセンサ3、車速センサ4、位置検出センサ5、および、電子制御ユニット(Electronic Control Unit :以下、「ECU」という)10を備えたコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置である。
図1に示すように、ステアリングシャフト102の一端にはハンドル(ステアリングホイール)101が固着されており、ステアリングシャフト102の他端はラックピニオン機構103を介してラック軸104に連結されている。ラック軸104の両端は、タイロッドおよびナックルアームからなる連結部材105を介して車輪106に連結されている。運転者がハンドル101を回転させると、ステアリングシャフト102は回転し、これに伴いラック軸104は往復運動を行う。ラック軸104の往復運動に伴い、車輪106の向きが変わる。
電動パワーステアリング装置は、運転者の負荷を軽減するために、以下に示す操舵補助を行う。トルクセンサ3は、ハンドル101の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクTを検出する。車速センサ4は、車速Sを検出する。位置検出センサ5は、ブラシレスモータ1のロータの回転位置Pを検出する。位置検出センサ5は、例えばレゾルバで構成される。
ECU10は、車載バッテリ100から電力の供給を受け、操舵トルクT、車速Sおよび回転位置Pに基づきブラシレスモータ1を駆動する。ブラシレスモータ1は、ECU10によって駆動されると、操舵補助力を発生させる。減速機2は、ブラシレスモータ1とステアリングシャフト102との間に設けられる。ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力は、減速機2を介して、ステアリングシャフト102を回転させるように作用する。
この結果、ステアリングシャフト102は、ハンドル101に加えられる操舵トルクと、ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力の両方によって回転する。このように電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力を車両のステアリング機構に与えることにより操舵補助を行う。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1を駆動する制御装置(モータ制御装置)に特徴がある。そこで以下では、各実施形態に係る電動パワーステアリング装置に含まれるモータ制御装置について説明する。
<2.第1の実施形態>
<2.1 モータ制御装置の全体構成>
図2は、本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示すモータ制御装置は、ECU10を用いて構成されており、u相、v相およびw相の3相巻線(図示せず)を有するブラシレスモータ1を駆動する。ECU10は、位相補償器11、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)20、3相/PWM(Pulse Width Modulation)変調器12、モータ駆動回路13、および、電流センサ14を備えている。
ECU10には、トルクセンサ3から出力された操舵トルクT、車速センサ4から出力された車速S、および、位置検出センサ5から出力された回転位置Pが入力される。位相補償器11は、操舵トルクTに対して位相補償を施す。マイコン20は、ブラシレスモータ1の駆動に用いられる電圧指令値を求める制御手段として機能する。マイコン20の機能の詳細については、後述する。
3相/PWM変調器12とモータ駆動回路13は、ハードウェア(回路)で構成されており、マイコン20で求めた電圧指令値の電圧を用いてブラシレスモータ1を駆動するモータ駆動手段として機能する。3相/PWM変調器12は、マイコン20で求めた3相の電圧指令値に応じたデューティー比を有する3種類のPWM信号(図2に示すU、V、W)を生成する。モータ駆動回路13は、スイッチング素子として6個のMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor )を含むPWM電圧形インバータ回路である。6個のMOS−FETは、3種類のPWM信号とその否定信号によって制御される。PWM信号を用いてMOS−FETの導通状態を制御することにより、ブラシレスモータ1に対して3相の駆動電流(u相電流、v相電流およびw相電流)が供給される。
電流センサ14は、ブラシレスモータ1に流れる電流を検出する。この電流センサ14は、例えば抵抗体やホール素子で構成され、モータ駆動回路13と電源の間に1個だけ設けられる。図2に示す例では、電流センサ14はモータ駆動回路13と電源のマイナス側(接地)との間に設けられているが、電流センサ14をモータ駆動回路13と電源のプラス側との間に設けてもよい。
ブラシレスモータ1が回転している間、電流センサ14で検出される電流値は、PWM信号に応じて変化する。PWM信号の1周期内では、電流センサ14によって1相の駆動電流が検知されるときと、2相の駆動電流の和が検知されるときとがある。3相の駆動電流の和はゼロになるので、2相の駆動電流の和に基づき、残り1相の駆動電流を求めることができる。したがって、ブラシレスモータ1が回転している間、1個の電流センサ14を用いて3相の駆動電流を検出することができる。電流センサ14で検出された電流値Iaは、マイコン20に入力される。
マイコン20は、ECU10に内蔵されたメモリ(図示せず)に格納されたプログラムを実行することにより、目標電流算出部21、d軸電流設定部22、制限値設定部23、定数設定部24、目標値補正部26、オープンループ制御部31、dq軸/3相変換部32、角度算出部34、角速度算出部35、および、Φ算出部36として機能する。なお、目標電流算出部21とd軸電流設定部22は、ブラシレスモータ1に供給すべき電流の目標値のd軸成分およびq軸成分を設定する目標電流設定手段を構成し、目標電流算出部21とd軸電流設定部22と制限値設定部23と定数設定部24と目標値補正部26は、ブラシレスモータ1に供給すべきd軸およびq軸電流指令値idc,iqcを決定する指令電流設定部25を構成する。また、オープンループ制御部31とdq軸/3相変換部32と角速度算出部35とΦ算出部36は、ブラシレスモータ1を駆動するために使用される相電圧指令値を求める制御演算手段を構成する。
マイコン20は、以下に示すように、ブラシレスモータ1に供給すべき電流を示す電流指令値とブラシレスモータ1のロータの角速度とに基づき、モータの回路方程式に従い、モータ駆動回路13に与えるべき電圧を示す電圧指令値を求める。
角度算出部34は、位置検出センサ5で検出した回転位置Pに基づき、ブラシレスモータ1のロータの回転角(以下「角度θ」という)を求める。角速度算出部35は、角度θに基づき、ブラシレスモータ1のロータの角速度ωe を求める。なお、図3に示すようにブラシレスモータ1に対してu軸、v軸およびw軸を設定し、ブラシレスモータ1のロータ6に対してd軸およびq軸を設定したとき、u軸とd軸のなす角が角度θとなる。すなわち、角度算出部34ではブラシレスモータ1における電気角θが求められる。
目標電流算出部21は、位相補償後の操舵トルクT(位相補償器11の出力信号)と車速Sに基づき、ブラシレスモータ1に供給すべき電流の目標値のq軸成分(以下「q軸電流目標値」という)を求める。より詳細には、目標電流算出部21は、車速Sをパラメータとして、操舵トルクTと目標電流との対応づけを記憶したテーブル(以下「アシストマップ」という)を内蔵しており、アシストマップを参照してq軸電流目標値iq *を求める。アシストマップを用いることにより、或る大きさの操舵トルクが与えられたときに、その大きさに応じた適切な大きさの操舵補助力を発生させるためにブラシレスモータ1に供給すべき電流のq軸成分を示すq軸電流目標値iq *を求めることができる。
d軸電流設定部22は、ブラシレスモータ1に供給すべき電流の目標値のd軸成分(以下「d軸電流目標値id *」という)としてid *=0を出力する。
制限値設定部23は、電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimとして予め決められた値を出力する。電圧制限値Vlimは、インバータとして機能するモータ駆動回路13へ与えられる直流電圧すなわちバッテリ100の電圧に応じて決められており、電流制限値Ilimは、モータ制御装置が損傷しないように駆動回路等の配線パターンやスイッチング素子に流れる電流許容値に基づいて決められている。
定数設定部24は、弱め磁束制御処理のためのd軸電流目標値id #の決定に使用されるd軸電流係数Gdまたは電流マージン定数Kdを出力する。これらのd軸電流係数Gdまたは電流マージン定数Kdにより、ブラシレスモータ1に流れる電流が電流制限値Ilimを越えないように当該d電流目標値id #が決定される(詳細は後述)。ただし、目標値補正部26における後述の弱め磁束制御処理によっては、上記d軸電流係数Gdおよび電流マージン定数Kdのいずれも使用されない場合もある。この場合には、定数設定部24は不要となる。
目標値補正部26は、目標電流算出部21からq軸電流目標値iq *を、d軸電流設定部22からd軸電流目標値id *(=0)を、制限値設定部23から電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimを、定数設定部24からd軸電流係数Gdまたは電流マージン定数Kdを、それぞれ受け取り、d軸およびq軸電流目標値id *,iq *を電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimに基づき補正することにより、d軸およびq軸電流指令値idc,iqcを生成する。
オープンループ制御部31は、d軸電流指令値idc,q軸電流指令値iqcおよび角速度ωe に基づき、ブラシレスモータ1に印加すべき電圧の目標値のd軸成分とq軸成分を求める(以下、前者の値を「d軸電圧指令値vdc」、後者の値を「q軸電圧指令値vqc」という)。d軸電圧指令値vdcとq軸電圧指令値vqcは、次式(1)と(2)に示すモータの回路方程式を用いて算出される。
dc=(R+PLd)idc−ωeqqc …(1)
qc=(R+PLq)iqc+ωeddc+ωeΦ …(2)
ただし、式(1)と(2)において、ωe はロータの角速度、Rは電機子巻線抵抗を含む回路抵抗、Ld はd軸の自己インダクタンス、Lq はq軸の自己インダクタンス、ΦはU,V,W相電機子巻線鎖交磁束数の最大値の√(3/2)倍、Pは微分演算子である。このうちR、Ld 、Lq およびΦは、既知のパラメータとして扱われる。なお、Rで示される回路抵抗には、ブラシレスモータ1とECU10との間の配線抵抗やECU10内でのモータ駆動回路13の抵抗および配線抵抗などが含まれる。
dq軸/3相変換部32は、オープンループ制御部31で求めたd軸電圧指令値vdcとq軸電圧指令値vqcを3相交流座標軸上の電圧指令値に変換する。より詳細には、dq軸/3相変換部32は、d軸電圧指令値vdcとq軸電圧指令値vqcに基づき、次式(3)〜(5)を用いてu相電圧指令値Vu、v相電圧指令値Vvおよびw相電圧指令値Vwを求める。
Vu=√(2/3)×{vdc×cosθ−vqc×sinθ} …(3)
Vv=√(2/3)×{vdc×cos(θ−2π/3)
−vqc×sin(θ−2π/3)} …(4)
Vw=−Vu−Vv …(5)
上記の式(3)と(4)に含まれる角度θは、角度算出部34で求めた電気角である。なお、u相電圧指令値Vu、v相電圧指令値Vvおよびw相電圧指令値Vwを総称して「相電圧指令値Vu,Vv,Vw」ともいう。
このようにしてdq軸/3相変換部32により得られた相電圧指令値Vu,Vv,Vwはマイコン20から出力され、3相/PWM変調器12に与えられる。3相/PWM変調器12は、これらの相電圧指令値Vu,Vv,Vwに基づき、3種類のPWM信号を出力する。これにより、ブラシレスモータ1の3相巻線には、各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに応じた正弦波状の電流が流れ、ブラシレスモータ1のロータは回転する。これに伴い、ブラシレスモータ1の回転軸には、ブラシレスモータ1を流れる電流に応じたトルクが発生する。発生したトルクは操舵補助に用いられる。
Φ算出部36には、電流センサ14で検出された電流値Iaと、角度算出部34で算出された電気角θと、角速度算出部35で算出された角速度ωe とが入力される。Φ算出部36は、まず電流値Iaに基づきブラシレスモータ1に流れるu相とv相の電流の値、すなわちu相電流検出値Iu、v相電流検出値Ivを求め、これらを次式(6)と(7)を用いてdq座標軸上の電流値に変換することにより、d軸電流検出値id とq軸電流検出値iq を求める。
d=√2×{Iv×sinθ−Iu×sin(θ−2π/3)} …(6)
q=√2×{Iv×cosθ−Iu×cos(θ−2π/3)} …(7)
次に、Φ算出部36は、ωe ≠0のときに、q軸電圧指令値vqc、d軸電流検出値id 、q軸電流検出値iq および角速度ωe に基づき、次式(8)を用いて式(2)に含まれる電機子巻線鎖交磁束数Φを求める。
Φ={vqc−(R+PLq)iq−ωedd}/ωe …(8)
なお、式(8)は、式(2)のd軸電流指令値idcとq軸電流指令値iqcにd軸電流検出値id とq軸電流検出値iq を代入し、その式をΦについて解いたものである。
Φ算出部36は、求めたΦ値をオープンループ制御部31および目標値補正部26に対して出力する。オープンループ制御部31は、式(2)を用いてq軸電圧指令値vqcを求めるときに、Φ算出部36で算出されたΦ値を使用する。このようにマイコン20は、モータの回路方程式に含まれる電機子巻線鎖交磁束数Φを求め、q軸電圧指令値vqcを求めるときにはそのΦ値を使用するが、Φ算出部36を省略し、Φ値として予め決められた値を使用してもよい。
Φ算出部36は、ωe ≠0である限り、任意のタイミングでΦ値を求めてもよい。Φ算出部36は、例えば、所定の時間間隔でΦ値を求めてもよく、ブラシレスモータ1の駆動開始後に1回だけΦ値を求めてもよく、温度などの状態が変化したときにΦ値を求めてもよい。また、ωe がゼロに近いときに求めたΦ値には誤差が発生しやすいので、Φ算出部36は、ωe が所定の閾値以上であるときに限りΦ値を求めることとしてもよい。
以上に示すように、本実施形態に係るモータ制御装置は、電流指令値とロータの角速度とに基づき、モータの回路方程式に従いオープンループ制御により電圧指令値を求めると共に、電流センサで検出した電流値に基づきモータの回路方程式に含まれるΦを求め、電圧指令値を求めるときにはそのΦ値を使用する。したがって、本実施形態に係るモータ制御装置によれば、モータの回路方程式に含まれるΦ値が製造ばらつきや温度変化によって変動するときでも、電流センサで検出した電流値に基づきΦ値を求めることにより、高い精度でブラシレスモータを駆動し、所望のモータ出力を得ることができる。
なお本実施形態では、オープンループ制御部31においてd軸電圧指令値vdcおよびq軸電圧指令値vqcを求めるために使用されるR等は、既知のパラメータとして扱われるが、Φについては既知のパラメータとして扱いつつもパラメータ算出手段としてのΦ算出部36により適宜補正される。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、Φ算出部36に代えて又はΦ算出部36と共にパラメータ算出手段としてのR算出部を設け、d軸電圧指令値vdcおよびq軸電圧指令値vqcを求める際に、当該R算出部により算出されたRを使用してもよい。また、d軸電圧指令値vdcおよびq軸電圧指令値vqcを求めるための各パラメータを固定値または電流指令値に基づく算出値として扱い、電流センサ14を省略してもよい。なお、R算出部が設けられている場合、当該R算出部は、例えば、iq ≠0のときに、q軸電圧指令値vqc、d軸電流検出値id 、q軸電流検出値iq および角速度ωe に基づき、次式を用いて上記式(1)と(2)に含まれる電気子巻線抵抗Rを求める。
R=(vqc−PLqq−ωedd−ωeΦ)/iq …(10)
<2.2 目標値補正部の詳細>
次に、本実施形態における目標値補正部26の各種構成例を詳細に説明する。本実施形態における目標値補正部26は、所定のプログラムに基づく目標値補正処理をマイコン20が実行することにより実現される。
<2.2.1 第1の構成例>
図4は、第1の構成例による目標値補正部26を実現するためにマイコン20が実行する目標値補正処理を示すフローチャートである。以下、この図4を参照しつつ本構成例による目標値補正部26の動作を説明する。なお、この第1の構成例では、定数設定部24は不要である。
まず、q軸電流目標値iq *を目標電流算出部21から受け取ると共に、d軸電流目標値id *をd軸電流設定部22から受け取る(S10)。そして、下記のモータの回路方程式にid=id *,iq=iq *を代入することにより得られるd軸およびq軸電圧値vd,vqを第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1として算出する(S12)。
d=(R+PLd)id−ωeqq …(11)
q=(R+PLq)iq+ωedd+ωeΦ …(12)
ここで、ωe はロータの角速度、Rは電機子巻線抵抗を含む回路抵抗、Ld はd軸の自己インダクタンス、Lq はq軸の自己インダクタンス、ΦはU,V,W相電機子巻線鎖交磁束数の最大値の√(3/2)倍、Pは微分演算子である。なお、角速度ωe は角速度算出部35から入力され、電機子巻線鎖交磁束数ΦはΦ算出部36から入力される。
次に、第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1が電圧制限を超えているか否か判定する(S14)。すなわち、第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1が次式を満たす場合には電圧制限を越えていないと判定し、次式を満たさない場合には電圧制限を超えていると判定する。
√(vd1 2+vq1 2)≦Vlim …(13)
ここで、Vlimは制限値設定部23から入力される電圧制限値である。
ステップS14での判定の結果、第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1が電圧制限を超えていない場合は、d軸およびq軸電流目標値id *,iq *をd軸およびq軸電流指令値idc,iqcとして出力する(S16)。すなわち、オープンループ制御部31に与えるべきd軸およびq軸電流指令値をidc=id *,iqc=iq *とする。
ステップS14での判定の結果、第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1が電圧制限を超えている場合は、図4(b)に示す弱め磁束制御処理を実行する(S18)。
この弱め磁束制御処理では、まず、モータの回路方程式(11)(12)および次式(14)(15)を満たすd軸およびq軸電流値id,iqをそれぞれd軸およびq軸限界電流値idlim,iqlimとして求める(S100)。
√(vd 2+vq 2)=Vlim …(14)
√(id 2+iq 2)=Ilim …(15)
ここで、Vlimは制限値設定部23から入力される電圧制限値であり、Ilimは制限値設定部23から入力される電流制限値である。このようなd軸およびq軸限界電流値idlim,iqlimの電流がブラシレスモータ1に流れる場合には、逆起電力ωeΦによる電圧ベクトルV1と、q軸電流iqによる電圧ベクトルV2と、d軸電流idによる電圧ベクトルV3とは、図5に示すような関係となる。すなわち、電圧を示すd軸とq軸で規定される平面上において、ベクトルV1とベクトルV2とベクトルV3との合成ベクトルV4の始点を原点においたとき、当該合成ベクトルV4の終点は、式(14)が示す電圧制限円と式(15)が示す電流制限円との交点Pとなる。
次に、q軸電流目標値iq *がq軸限界電流値iqlim以下か否かを判定する(S102)。
ステップS102での判定の結果、q軸電流目標値iq *がq軸限界電流値iqlim以下である場合には、モータの回路方程式(11)(12)および次式(16)(17)を満たすd軸電流値idを第2のd軸電流値id2として求める(S104)。
q=iq * …(16)
√(vd 2+vq 2)=Vlim …(17)
この場合、第2のd軸電流値id2およびq軸電流目標値iq *をそれぞれ弱め磁束制御のd軸電流目標値id #およびq軸電流目標値iq #とし(S106)、弱め磁束制御処理のルーチンから復帰して目標値補正処理のステップS20へ進む。
ステップS102での判定の結果、q軸電流目標値iq *がq軸限界電流値iqlimを越えている場合には、d軸およびq軸限界電流値idlim,iqlimをそれぞれ弱め磁束制御のd軸電流目標値id #およびq軸電流目標値iq #とし(S108)、弱め磁束制御処理のルーチンから復帰して目標値補正処理のステップS20へ進む。
目標値補正処理のステップS20では、上記のように求められた弱め磁束制御のd軸電流目標値id #およびq軸電流目標値iq #をd軸およびq軸電流指令値idc,iqcとして出力する。すなわち、オープンループ制御部31に与えるべきd軸およびq軸電流指令値をidc=id #,iqc=iq #とする。
d軸およびq軸電流指令値idc,iqcが出力された後は、ステップS10へ戻り、以降、上記と同様の処理を繰り返す。これにより、d軸およびq軸電流指令値idc,iqcが入力される毎に、それらに基づき、電圧制限および電流制限を超えないd軸およびq軸電流指令値idc,iqcが求められて出力される。
上記第1の構成例によれば、弱め磁束制御により、電圧制限および電流制限を超えない範囲で電流目標値id *、iq *に応じて可能な限り大きな電流指令値idc、iqcおよび電圧指令値vdc、vqcを得ることができる。しかし、弱め磁束制御処理においてモータの回路方程式(11)(12)および上記式(14)(15)を満たすd軸およびq軸電流値id,iqを算出するための演算負荷がマイコン20にとって大きなものとなる。そこで、以下では、マイコン20の演算負荷が過大なものとならないような目標値補正部26の構成例として第2および第3の構成例を説明する。
<2.2.2 第2の構成例>
目標値補正部26の第2の構成例では、上記第1の構成例とは異なり、d軸電流係数Gdを出力する定数設定部24が使用される。このd軸電流係数Gdは、0<Gd<1の範囲で予め決められた値を有し、後述のように弱め磁束制御処理のためのd軸電流目標値id #の決定に使用される。
本構成例による目標値補正処理は、基本的には第1の構成例による目標値補正処理と同様であって、図4(a)に示す通りであるが、当該目標値補正処理から呼び出されるルーチンとしての弱め磁束制御処理の内容が第1の構成例と相違する。
図6は、本構成例による弱め磁束制御処理を示すフローチャートであり、図7は、この弱め磁束制御処理に基づくd軸およびq軸電流指令値の求め方を説明するためのベクトル図である。本構成例においても、第1の構成例と同様、モータの回路方程式(11)(12)にid=id *,iq=iq *を代入することにより得られる第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1が式(13)で示す電圧制限を超えていると判定された場合に、弱め磁束制御処理が実行される(図4のステップS14,S18)。以下、図6および図7を参照して、本構成例による弱め磁束制御処理のための目標値補正部26の動作を説明する。
本構成例による弱め磁束制御処理では、まず、モータの回路方程式(11)(12)および次式(18)を満たすd軸およびq軸電流値id,iqのうちq軸電流値が最大となるd軸およびq軸電流値を最大d軸およびq軸電流値idm,iqmとして求める(S110)。
√(vd 2+vq 2)≦Vlim …(18)
ここで、Vlimは制限値設定部23から入力される電圧制限値である。このような最大d軸およびq軸電流値idm,iqmの電流がブラシレスモータ1に流れる場合には、逆起電力ωeΦによる電圧ベクトルV1と、q軸電流iqによる電圧ベクトルV2mと、d軸電流idによる電圧ベクトルV3mとは、図7(a)に示すような関係となる。すなわち、電圧を示すd軸とq軸で規定される平面上において、ベクトルV1とベクトルV2mとベクトルV3mとの合成ベクトルV4mの始点を原点においたとき、当該合成ベクトルV4mの終点は上記式(18)に対応する電圧制限円上に配置され、かつ、ベクトルV3mは当該電圧制限円に接する。
次に、モータの回路方程式(11)(12)および次式(19)(20)を満たすq軸電流値iqを修正q軸電流値iq2として求める(S112)。
d=Gd・idm …(19)
√(vd 2+vq 2)=Vlim …(20)
ここで、Gdは、定数設定部24から入力されるd軸電流係数である(0<Gd<1)。また、上記式(19)で示すd軸電流値idを「修正d軸電流値」と呼ぶものとする。
このような修正q軸電流値iq2および修正d軸電流値Gd・idmによって示される電流がブラシレスモータ1に流れる場合には、逆起電力ωeΦによる電圧ベクトルV1と、q軸電流iqによる電圧ベクトルV2と、d軸電流idによる電圧ベクトルV3とは、図7(b)に示すような関係となる。そして、d軸電流係数Gdの値を予め適切に設定することにより、これらの電圧ベクトルV2,V3に対応するd軸およびq軸電流id,iqは、電流制限を示す次式を満足する。
√(id 2+iq 2)≦Ilim …(21)
すなわち、電圧を示すd軸とq軸で規定される平面上において、逆起電力ωeΦによる電圧ベクトルV1と修正q軸電流値iq2による電圧ベクトルV2と修正d軸電流値Gd・idmによる電圧ベクトルV3との合成ベクトルV4の始点を原点においたとき、当該合成ベクトルV4の終点は、上記式(18)に対応する電圧制限円上であって上記式(21)に対応する電流制限円内に配置される。なお、d軸電流係数Gdの具体的な値は、当該モータ制御装置およびブラシレスモータ1についての設計値、計算機シミュレーションまたは実験等に基づき電流制限の上記式(21)を満たすように予め設定されている。
その後、上記のようにして求められた修正d軸電流値Gd・idmおよび修正q軸電流値iq2を、それぞれ、弱め磁束制御のd軸電流目標値id #およびq軸電流目標値iq #とし(S114)、弱め磁束制御処理のルーチンから復帰して図4のステップS20へ進む。以降の処理は、上記第1の構成例による目標値修正処理と同様である。
<2.2.3 第3の構成例>
次に、目標値補正部26の第3の構成例について説明する。本構成例では、上記第1の構成例とは異なり、電流マージン定数Kdを出力する定数設定部24が使用される。この電流マージンKdは、後述のように弱め磁束制御処理のためのd軸電流目標値id #の決定に使用される。
本構成例による目標値補正処理は、基本的には第1の構成例による目標値補正処理と同様であって、図4(a)に示す通りであるが、当該目標値補正処理から呼び出されるルーチンとしての弱め磁束制御処理の内容が第1の構成例と相違する。
図8は、本構成例による弱め磁束制御処理を示すフローチャートであり、図9は、当該弱め磁束制御処理に基づくd軸およびq軸電流指令値の求め方を説明するためのベクトル図である。本構成例においても、第1の構成例と同様、モータの回路方程式(11)(12)にid=id *,iq=iq *を代入することにより得られる第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1が式(13)で示す電圧制限を超えていると判定された場合に、弱め磁束制御処理が実行される(図4のステップS14,S18)。以下、図8および図9を参照して、本構成例による弱め磁束制御処理のための目標値補正部26の動作を説明する。
本構成例による弱め磁束制御処理では、まず、上記第2の構成例の場合と同様に、モータの回路方程式(11)(12)および次式(22)を満たすd軸およびq軸電圧値vd,vqのうちq軸電流値iqが最大となるd軸およびq軸電圧値を第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1として求める(S120)。
√(vd 2+vq 2)≦Vlim …(22)
このような第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1の電圧がブラシレスモータ1に印加される場合には、逆起電力ωeΦによる電圧ベクトルV1と、q軸電流iqによる電圧ベクトルV2mと、d軸電流idによる電圧ベクトルV3mとは、図9(a)に示すような関係となり、第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1に対応する点(vd1,vq1)は電圧ベクトルV3mと電圧制限円との接点P1となる。
次に、モータの回路方程式(11)(12)および次式(23)(24)を満たすd軸およびq軸電圧値vd,vqのうちq軸電流値iqが最大となるd軸およびq軸電圧値を第2のd軸およびq軸電圧値vd2,vq2として求める(S122)。
d=0 …(23)
√(vd 2+vq 2)≦Vlim …(24)
図9(b)に示すように、このような第2のd軸およびq軸電圧値vd2,vq2に対応する点(vd2,vq2)は、q軸電流による電圧ベクトルV2と電圧制限円との交点P2となる。
次に、電圧を示すd軸とq軸で規定される平面上(図9(b))において、上記の点P1(vd1,vq1)および点P2(vd2,vq2)を通る直線と次式(25)で示す円との交点P3に対応するd軸およびq軸電圧値を第3のd軸およびq軸電圧値vd3,vq3として求める(S124)。
√(id 2+iq 2)=Ilim−Kd …(25)
ここで、Ilimは制限値設定部23から入力される電流制限値であり、Kdは定数設定部24から入力される電流マージン定数である(Kd>0)。
次に、上記第3のd軸およびq軸電圧値vd3,vq3をブラシレスモータ1に印加した場合のd軸電流値idをモータの回路方程式(11)(12)より第3のd軸電流値id3として求める(S126)。図9(b)に示す電圧ベクトルV33は、この第3のd軸電流値id3による電圧ベクトルである。
次に、モータの回路方程式(11)(12)より、および次式(26)(27)を満たすq軸電流値を修正q軸電流値iq4として求める(S128)。
d=id3 …(26)
√(vd 2+vq 2)=Vlim …(27)
ここで、上記式(26)で示すd軸電流値idを「修正d軸電流値」と呼ぶものとする。
上記のような修正d軸電流値id3および修正q軸電流値iq4によって示される電流がブラシレスモータ1に流れる場合には、逆起電力ωeΦによる電圧ベクトルV1と、q軸電流iq4による電圧ベクトルV2と、d軸電流idによる電圧ベクトルV3とは、図9(b)に示すような関係となる。そして、電流マージン定数Kdの値を予め適切に設定することにより、これらの電圧ベクトルV2,V3に対応するd軸およびq軸電流id,iqは、電流制限を示す次式を満足する。
√(id 2+iq 2)≦Ilim …(28)
すなわち、電圧を示すd軸とq軸で規定される平面上において、逆起電力ωeΦによる電圧ベクトルV1と修正q軸電流値iq4による電圧ベクトルV2と修正d軸電流値id3による電圧ベクトルV3との合成ベクトルV4の始点を原点においたとき、当該合成ベクトルV4の終点は、上記式(27)が示す電圧制限円上であって上記式(28)に対応する電流制限円内に配置される。なお、電流マージン定数Kdの具体的な値は、当該モータ制御装置およびブラシレスモータ1についての設計値、計算機シミュレーションまたは実験等に基づき電流制限の上記式(28)を満たすように予め設定されている。
その後、上記のようにして求められた修正d軸電流値id3および修正q軸電流値iq4を、それぞれ、弱め磁束制御のd軸電流目標値id #およびq軸電流目標値iq #とし(S130)、弱め磁束制御処理のルーチンから復帰して図4のステップS20へ進む。以降の処理は、上記第1の構成例による目標値修正処理と同様である。
<2.3 効果>
本実施形態では、上記第1、第2または第3の構成例による弱め磁束制御処理を含む目標値補正処理によりd軸およびq軸電流指令値idc,iqcが得られ、これらのd軸およびq軸電流指令値idc,iqcを用いて、オープンループ制御部31等によりブラシレスモータ1の駆動が制御される。このような本実施形態によれば、図5、図7(b)および図9(b)からわかるように、弱め磁束制御(id≠0)により、電圧制限だけでなく電流制限をも越えない範囲でほぼ最大のq軸電流が流れるようにd軸およびq軸電流指令値idc,iqcを設定することができる。すなわち、電圧制限および電流制限の範囲内(√(vd 2+vq 2)≦Vlimおよび√(id 2+iq 2)≦Ilim)でほぼ最大のモータトルクを発生させることが可能となる。これにより、駆動回路等の配線やスイッチング素子等に過大な電流が流れることによるモータ制御装置の損傷を回避しつつ、高回転領域でのモータトルクの低下を抑えることができる。また、上記第1〜第3の構成例のいずれにおいても、電圧制限の範囲内で電流目標値に応じた最大の電圧をブラシレスモータ1に印加することで無効電力を極力抑制することができ(図5、図7(b)および図9(b))、第1の構成例の場合には、電流制限の範囲内で電流目標値に応じた最大の電流をブラシレスモータに流すこともできる。ただし、既述のように、マイコン20でd軸およびq軸電流指令値idc,iqcを求めるための演算負荷の点では、第2および第3の構成例が有利である。
<3.第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置について説明する。本実施形態に係るモータ制御装置の基本的な構成は、上記第1の実施形態と同様であって図2に示す通りであり、同一または対応する部分には同一の参照符号を付すものとする。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、目標値補正部26を実現するためにマイコン20が実行する目標値補正処理が上記第1の実施形態と相違する。図10は、本実施形態における目標値補正部26を実現するためにマイコン20が実行する目標値補正処理を示すフローチャートである。以下、この図10を参照しつつ本構成例による目標値補正部26の動作を説明する。ただし、モータの回路方程式(11)(12)にid=id *,iq=iq *を代入することにより得られる第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1が式(13)で示す電圧制限を超えていない場合の処理については、上記第1の実施形態と同様であるので(図4(a)のステップS10〜S16)、同一のステップ番号を付して説明を省略する。なおこの場合、d軸およびq軸電流目標値id *,iq *は、補正されることなくそのままd軸およびq軸電流目標値id *,iq *として目標値補正部26から出力される(図10(a)のステップS10〜S16)。
第1のd軸およびq軸電圧値vd1,vq1が電圧制限を超えている場合すなわちステップS14において“No”と判定された場合には、第1の実施形態の場合と同様、弱め磁束制御処理が実行され、次式(29)(30)で示す電圧制限および電流制限を超えないような弱め磁束制御のd軸およびq軸電流目標値id #,iq #が求められる(S50)。
√(vd 2+vq 2)≦Vlim …(29)
√(id 2+iq 2)≦Ilim …(30)
ここで、vd,vqはブラシレスモータ1に印加されるd軸およびq軸電圧をそれぞれ示し、id,iqはブラシレスモータ1に供給されるd軸およびq軸電流をそれぞれ示し、Vlim,Ilimは制限値設定部23から入力される電圧制限値および電流制限値をそれぞれ示す。
ステップS50の弱め磁束制御処理の具体的内容は、図4(b)、図6、図8(第1〜第3の構成例)に示す内容のいずれであってもよいし、これら以外であっても、電圧制限および電流制限を超えないようにd軸およびq軸電流目標値id *,iq *に応じて弱め磁束制御のd軸およびq軸電流目標値id #,iq #が求まればよい。
このような弱め磁束制御処理が終了すると、図10(b)に示すトルク低下補償処理を実行する(S52)。
このトルク低下補償処理では、まず、モータの回路方程式(11)(12)および次式(31)(32)を満たす最大のq軸電流値iqを第1の最大q軸電流値iqmax1として求める(S140)。
d=id # …(31)
√(vd 2+vq 2)≦Vlim …(32)
これにより、弱め磁束制御処理により得られた指令値としてのd軸電流目標値id=id #を変えずに弱め磁束制御のq軸電流目標値iq=iq #を電圧制限の範囲内(式(32))で変化させた場合の当該q軸電流目標値の最大値が第1の最大q軸電流値iqmax1として得られる。このような第1の最大q軸電流値iqmax1によれば、図11(a)に示すように、逆起電力ωeΦによる電圧ベクトルV1と第1の最大q軸電流値iqmax1による電圧ベクトルV2と弱め磁束制御のd軸電流目標値id #による電圧ベクトルV3との合成ベクトルV4の大きさが電圧制限値Vlimに等しくなる。
次に、次式(33)(34)を満たす最大のq軸電流値iqを第2の最大q軸電流値iqmax2として求める(S142)。
d=id # …(33)
√(id 2+iq 2)≦Ilim …(34)
これにより、弱め磁束制御処理により得られた指令値としてのd軸電流目標値id=id #を変えずに弱め磁束制御のq軸電流目標値iq=iq #を電流制限の範囲内(式(34))で変化させた場合の当該q軸電流目標値の最大値が第2の最大q軸電流値iqmax2として得られる。このような第2の最大q軸電流値iqmax2によれば、図11(b)に示すように、d軸成分がid #でq軸成分がiqmax2である電流ベクトルの大きさがIlimに等しくなる。
次に、第1の最大q軸電流値iqmax1と第2の最大q軸電流値iqmax2のうち小さい方を制限最大q軸電流値iqmaxとする(S144)。ただし、第1の最大q軸電流値iqmax1と第2の最大q軸電流値iqmax2が等しい場合には、iqmax=iqmax1とおく。
次に、弱め磁束制御のd軸電流目標値id #が示すd軸電流をブラシレスモータ1に流した場合におけるモータトルクの低下(図13(b)に示す点線の楕円内での低下)を補償すべく、弱め磁束制御のq軸電流目標値iq #を次式に従って補正することにより、トルク補償q軸電流値iqtを求める(S146)。
qt=iq #+id #×Kiq …(35)
ここで、id #は弱め磁束制御のd軸電流目標値であり、iq #は弱め磁束制御のq軸電流目標値であり、Kiqは、d軸電流に起因するd軸方向磁束の低減によるモータトルクの低下を補償するためのq軸電流補償値を与える係数(以下「トルク低下補償係数」という)である。本実施形態では、ブラシレスモータ1におけるd軸電流とモータトルクの低下量と関係が図12に示すような比例関係にあるとして、トルク低下補償係数Kiqが定数としてマイコン20内の所定メモリに保持されている。このトルク低下補償係数Kiqの具体的な値は、ブラシレスモータ1についての設計値、計算機シミュレーションまたは実験等に基づき予め決定される。なお、トルク低下補償係数Kiqが電流値に依存する場合には、上記id #×Kiqに相当するq軸電流補償値とd軸電流および/またはq軸電流とを対応付けるマップまたは関数式をマイコン20内の所定メモリに保持しておき、それらのマップまたは関数式によりq軸電流補償値を求めるようにしてもよい。
次に、上記のようにして求められたトルク補償q軸電流値iqtがステップS144で求めた制限最大q軸電流値iqmaxよりも大きいか否かを判定する(S148)。
ステップS148での判定の結果、トルク補償q軸電流値iqtが制限最大q軸電流値iqmaxよりも大きい場合には、弱め磁束制御のd軸電流目標値id #をd軸電流指令値idcとするとともに、制限最大q軸電流値iqmaxをq軸電流指令値iqcとし(S150)、トルク低下補償処理のルーチンから復帰して目標値補正処理のステップS54へ進む。
ステップS148での判定の結果、トルク補償q軸電流値iqtが制限最大q軸電流値iqmax以下である場合には、弱め磁束制御のd軸電流目標値id #をd軸電流指令値idcとするとともに、トルク補償q軸電流値iqtをq軸電流指令値iqcとし(S152)、トルク低下補償処理のルーチンから復帰して目標値補正処理のステップS54へ進む。
目標値補正処理のステップS54では、上記のように求められたd軸およびq軸電流指令値idc,iqcを出力する。これらのd軸およびq軸電流指令値idc,iqcに基づき、オープンループ制御部31、dq軸/3相変換部32、3相/PWM変調部12およびモータ駆動回路13が上記第1の実施形態と同様に動作することより、ブラシレスモータ1が駆動される。なお、トルク低下補償処理のステップS144〜S152からわかるように、トルク補償q軸電流値iqt、第1の最大q軸電流値iqmax1および第2の最大q軸電流値iqmax2のうち最も小さい値がq軸電流指令値iqcとなる。また、ステップS144,S148〜S152は、このようにしてq軸電流指令値iqcを選定するための選定手段を構成する。
従来の弱め磁束制御では、図13(b)における点線の楕円内に示されるように、d軸電流に起因するd軸方向磁束の低減によりモータトルクTm(N)の低下が見られた。これに対し本実施形態では、弱め磁束制御(id≠0)により、電圧制限および電流制限の範囲内でq軸電流が流れるようにd軸およびq軸電流指令値idc,iqcを設定すると共に、これらのd軸およびq軸電流指令値idc,iqcの設定に際し、弱め磁束制御のためのd軸電流に起因するモータトルクの低下を補償すべく電圧制限および電流制限の範囲内でq軸電流目標値iq #が修正される(S146〜S152)。このため本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の効果に加えて、図12(b)に示すように、弱め磁束制御を導入しても高回転領域まで安定したモータ出力を得ることができる。
<4.変形例>
上記第1および第2の実施形態に係るモータ制御装置では、オープンループ制御によりブラシレスモータ1が駆動されるが、本発明は、これに限定されるものではなく、各相の電流を検出する手段を設けてフィードバック制御によりブラシレスモータ1を駆動するモータ制御装置にも適用可能である。
また、上記第1および第2の実施形態に係るモータ制御装置は、3相ブラシレスモータ1を駆動するように構成されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、4相以上のブラシレスモータを駆動するモータ制御装置にも適用可能である。
なお、本発明は、上述したコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置だけでなく、ピニオンアシスト型やラックアシスト型の電動パワーステアリング装置にも適用できる。また、本発明は、電動パワーステアリング装置以外のモータ制御装置にも適用できる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 3相ブラシレスモータにおける3相交流座標とdq座標を示す図である。 上記第1の実施形態における目標値補正部の第1の構成例による目標値補正処理および弱め磁束制御処理を示すフローチャートである。 上記第1の構成例による弱め磁束制御処理に基づくd軸およびq軸電流指令値の求め方を説明するためのベクトル図である。 上記第1の実施形態における目標値補正部の第2の構成例による弱め磁束制御処理を示すフローチャートである。 上記第2の構成例による弱め磁束制御処理に基づくd軸およびq軸電流指令値の求め方を説明するためのベクトル図である。 上記第1の実施形態における目標値補正部の第3の構成例による弱め磁束制御処理を示すフローチャートである。 上記第3の構成例による弱め磁束制御処理に基づくd軸およびq軸電流指令値の求め方を説明するためのベクトル図である。 本発明の第2の実施形態における目標値補正処理およびトルク低下補償処理を示すフローチャートである。 上記第2の実施形態におけるトルク低下補償処理を説明するためのベクトル図である。 上記第2の実施形態におけるトルク低下補償処理を説明するための特性図である。 従来のモータ制御装置において弱め磁束制御を行わない場合(a)と弱め磁束制御を行う場合(b)におけるモータ回転数とモータトルクとの関係を示す特性図である。
6…ロータ、10…ECU、13…モータ駆動回路、14…電流センサ、20…マイコン、22…d軸電流設定部、25…指令電流設定部。

Claims (6)

  1. ブラシレスモータを駆動する弱め磁束制御可能なモータ制御装置であって、
    前記ブラシレスモータに供給すべき電流を示すd軸電流指令値i d およびq軸電流指令値 q に基づき前記ブラシレスモータに印加すべき電圧を示すd軸電圧指令値 d およびq軸電圧指令値 q を求める制御演算手段と、
    前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を、予め決められた電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q と前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q とが
    √(v d 2 +v q 2 )≦Vlim …(A1)、
    √(i d 2 +i q 2 )≦Ilim …(A2)、
    を満たすように決定する指令電流設定手段と、
    前記制御演算手段により求められたd軸電圧指令値v d およびq軸電圧指令値 q に基づき前記ブラシレスモータを駆動する駆動手段とを備え、
    前記指令電流設定手段は、
    前記ブラシレスモータに供給すべき電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、
    前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を越える場合に、前記電圧制限値Vlimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q が次式(A3)を満たすように前記目標値のd軸およびq軸成分を補正することにより前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を求める目標値補正手段とを含み、
    √(v d 2 +v q 2 )=Vlim …(A3)、
    前記目標値補正手段は、前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を超える場合に、
    前記式(A1)を満たすように前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を変化させたときに前記q軸電流指令値i q が最大となる前記d軸電流指令値i d を最大d軸電流値i dm として求め、
    前記制御演算手段により前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q を求めるときに用いられる前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を、1よりも小さい正数として予め定められた係数Gdに対し前記式(A3)および次式(A4)を満たすように決定することを特徴とする、モータ制御装置。
    d =Gd・i dm …(A4)
  2. ブラシレスモータを駆動する弱め磁束制御可能なモータ制御装置であって、
    前記ブラシレスモータに供給すべき電流を示すd軸電流指令値i d およびq軸電流指令値 q に基づき前記ブラシレスモータに印加すべき電圧を示すd軸電圧指令値 d およびq軸電圧指令値 q を求める制御演算手段と、
    前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を、予め決められた電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q と前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q とが
    √(v d 2 +v q 2 )≦Vlim …(A1)、
    √(i d 2 +i q 2 )≦Ilim …(A2)、
    を満たすように決定する指令電流設定手段と、
    前記制御演算手段により求められたd軸電圧指令値v d およびq軸電圧指令値 q に基づき前記ブラシレスモータを駆動する駆動手段とを備え、
    前記指令電流設定手段は、
    前記ブラシレスモータに供給すべき電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、
    前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を越える場合に、前記電圧制限値Vlimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q が次式(A3)を満たすように前記目標値のd軸およびq軸成分を補正することにより前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を求める目標値補正手段とを含み、
    √(v d 2 +v q 2 )=Vlim …(A3)、
    前記目標値補正手段は、前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を超える場合に、
    前記式(A1)を満たすように前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を変化させたときの前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q のうち前記q軸電流指令値i q が最大となる前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q をそれぞれ第1のd軸電圧値v d1 および第1のq軸電圧値v q1 として求め、
    前記式(A1)および次式(A4)を満たすように前記q軸電流指令値i q を変化させたときの前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q のうち前記q軸電流指令値i q が最大となる前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q をそれぞれ第2のd軸電圧値v d2 および第2のq軸電圧値v q2 として求め、
    d =0 …(A4)、
    電圧を示すd軸とq軸とにより規定される平面上において点(v d1 ,v q1 )および点(v d2 ,v q2 )を通る直線と予め定められた正の定数Kdに対し次式(A5)を満たす円との交点を示すd軸およびq軸電圧値をそれぞれ第3のd軸電圧値v d3 および第3のq軸電圧値v q3 として求め、
    √(i d 2 +i q 2 )=Ilim−Kd …(A5)、
    前記第3のd軸電圧値v d3 および前記第3のq軸電圧値v q3 が示す電圧を前記ブラシレスモータに印加したときのd軸電流の値を第3のd軸電流値i d3 として求め、
    前記制御演算手段により前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q を求めるときに用いられる前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を前記式(A3)および次式(A6)を満たすように決定することを特徴とする、モータ制御装置。
    d =i d3 …(A6)
  3. 前記指令電流設定手段は、前記d軸電流指令値 d による前記ブラシレスモータの出力トルクの低下が補償され且つ前記式(A1),(A2)を満たすように前記q軸電流指令値 q を修正するトルク低下補償手段を含み、
    前記制御演算手段は、前記d軸電流指令値 d と前記トルク低下補償手段による修正後のq軸電流指令値とを用いて前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値 q を求めることを特徴とする、請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. ブラシレスモータを駆動する弱め磁束制御可能なモータ制御装置であって、
    前記ブラシレスモータに供給すべき電流を示すd軸電流指令値i d およびq軸電流指令値i q を決定する指令電流設定手段と、
    前記指令電流設定手段により決定されたd軸電流指令値i d およびq軸電流指令値i q に基づき前記ブラシレスモータに印加すべき電圧を示すd軸電圧指令値v d およびq軸電圧指令値v q を求める制御演算手段と、
    前記制御演算手段により求められたd軸電圧指令値v d およびq軸電圧指令値v q に基づき前記ブラシレスモータを駆動する駆動手段とを備え、
    前記指令電流設定手段は、
    予め決められた電圧制限値Vlimおよび電流制限値Ilimに対し、前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q と前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q とが次式(A1),(A2)を満たすように前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値i q を決定し、
    √(v d 2 +v q 2 )≦Vlim …(A1)、
    √(i d 2 +i q 2 )≦Ilim …(A2)、
    前記d軸電流指令値i d による前記ブラシレスモータの出力トルクの低下が補償され且つ前記式(A1),(A2)を満たすように前記q軸電流指令値i q を修正するトルク低下補償手段を含み、
    前記トルク低下補償手段は、
    前記式(A1)を満たすように前記q軸電流指令値iqを変化させた場合に前記q軸電流指令値iqがとりうる最大値を第1最大値として求める第1最大値決定手段と、
    前記式(A2)を満たすように前記q軸電流指令値iqを変化させた場合に前記q軸電流指令値iqがとりうる最大値を第2最大値として求める第2最大値決定手段と、
    前記d軸電流指令値 d による前記ブラシレスモータの出力トルクの低下が補償されるように前記q軸電流指令値 q を補正する補正手段と、
    前記補正手段による補正後のq軸電流指令値 q 、前記第1最大値、および前記第2最大値のうち最も小さい値を前記修正後のq軸電流指令値として選定する選定手段とを含み、
    前記制御演算手段は、前記d軸電流指令値i d と前記トルク低下補償手段による修正後のq軸電流指令値とを用いて前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値v q を求めることを特徴とする、モータ制御装置。
  5. 前記指令電流設定手段は、
    前記ブラシレスモータに供給すべき電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、
    前記ブラシレスモータに前記目標値の電流を供給するために前記ブラシレスモータに印加すべき電圧が前記電圧制限値Vlimによる制限を越える場合に、前記電圧制限値Vlimに対し前記d軸電圧指令値v d および前記q軸電圧指令値 q 次式(A3)を満たすように前記目標値のd軸およびq軸成分を補正することにより前記d軸電流指令値i d および前記q軸電流指令値 q を求める目標値補正手段とを含むことを特徴とする、請求項4に記載のモータ制御装置。
    √(vd 2+vq 2)=Vlim …(A3)
  6. 車両のステアリング機構にブラシレスモータによって操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ制御装置を備え、
    前記モータ制御装置は、前記ステアリング機構に操舵補助力を与えるブラシレスモータを駆動することを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
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