JP6519281B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
車両の操舵機構にモータの動力を付与することにより、運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置(EPS)が知られている。このようなEPSでは、ラックエンド当てやモータが高出力で駆動する状態が継続することによって、モータの高負荷状態が継続し、モータなどに過熱が生じてしまうおそれがある。このため、たとえば特許文献1のEPSでは、過熱を防止するためにモータの電流指令値が制限される。
特開2010−126081号公報
特許文献1のEPSにおいて、電流指令値を制限しているときには、運転者が切り戻しをしても適切なアシスト制御ができないため、運転者が引っかかりを感じてしまう。この引っかかり感は、電流指令値を制限することにより、実際のアシスト力と目標のアシスト力が乖離してしまうために発生する。すなわち、実際のアシスト力が目標のアシスト力に追従するのが遅れてしまうために、運転者は操舵フィーリングの急激な変化を感じてしまう。
本発明の目的は、実際のアシスト力が目標のアシスト力により早く追従する電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成しうる電動パワーステアリング装置は、モータを駆動源として、操舵機構にアシスト力を付与するアシスト機構と、操舵に連動して回転するシャフトに設けられたトルクセンサにより検出される操舵トルクに基づいて前記モータに対する電流指令値を演算して、前記モータが高負荷状態にあるときのモータ電流値を基準として設定される電流制限値よりも前記電流指令値の絶対値が大きい場合に前記電流指令値を制限する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記操舵トルクを位相補償することにより位相補償後の補正トルクである補償値を演算して前記電流指令値を補償する位相補償部を有し、前記電流指令値が制限される場合に、前記位相補償を制限する。
この構成によれば、電流指令値が制限された場合に電流指令値への位相補償を制限することによって、電流指令値の追従性は高められる。このため、モータが実際に付与するアシスト力と目標のアシスト力をより短時間で一致できるようになる。
上記の電動パワーステアリング装置において、前記位相補償部は、位相遅れ補償部を含み、前記位相遅れ補償部は、操舵トルクの位相を遅らせることにより位相遅れ補償後の補正トルクである第1の補償値を演算することが好ましい。
上記の電動パワーステアリング装置において、前記位相補償部は、位相進み補償部を含み、前記位相進み補償部は、操舵トルクの位相を進ませることにより位相進み補償後の補正トルクである第2の補償値を演算することが好ましい。
これらの構成によれば、位相遅れ補償制御部または位相進み補償部で位相補償が行われた場合には、第1の補償値および第2の補償値は入力された操舵トルクとは異なる位相を有するため、操舵トルクを変化させたときには第1の補償値および第2の補償値は異なるタイミングで追従することとなる。このため、位相遅れ補償または位相進み補償を制限することにより、第1の補償値および第2の補償値の追従性は高められる。
上記の電動パワーステアリング装置において、前記制御装置は、前記電流制限値よりも前記電流指令値の絶対値が大きい場合、かつ前記電流制限値よりも前記電流指令値の基本成分である基本制御量の絶対値が大きい場合に前記電流指令値を制限することが好ましい。
この構成によれば、これら2つの条件を満たした場合に電流指令値を制限することで、より確実に電流指令値を制限することができる。たとえば、電流制限値よりも電流指令値の絶対値が大きいか否かという判定のみでは、ノイズ等や様々な制御により電流指令値が変動する場合には、位相補償の制限と再開が繰り返されてしまうおそれがある。
上記の電動パワーステアリング装置において、前記制御装置が前記位相補償を制限している場合、前記操舵トルクの絶対値が前記位相補償部により演算された補償値の絶対値よりも大きいという条件を満たしたとき、前記位相補償の制限を解除することが好ましい。
この構成によれば、一定の条件を満たした場合に位相補償を実行することにより、位相補償の制限と実行が繰り返されることを抑制できる。
上記の電動パワーステアリング装置において、前記制御装置が前記位相補償を制限している場合、前記電流指令値と前記位相補償部により演算された補償値との差の絶対値が前記電流制限値よりも大きいという条件を満たしたとき、前記位相補償の制限を解除することが好ましい。
この構成によれば、一定の条件を満たした場合に位相補償を実行することにより、基本制御量が急変することや、電流指令値が変動することを抑制できる。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、実際のアシスト力と目標のアシスト力をより早く追従できる。
電動パワーステアリング装置の構成を示す構成図。 電動パワーステアリング装置について、その制御ブロックの概略構成を示すブロック図。 電動パワーステアリング装置について、その位相遅れ補償制御部の概略構成を示すブロック図。 アシスト勾配に基づく位相遅れ補償制御の態様を示す説明図。 基本アシスト制御量とアシスト勾配との関係を示す説明図。 電動パワーステアリング装置について、その位相進み補償制御部の概略構成を示すブロック図。 位相補償OFFフラグが入力されたときの、アシスト勾配ゲイン演算部のアシスト勾配ゲインの演算手順を示すフローチャート。 アシスト勾配とアシスト勾配ゲインとの関係を示す説明図。 位相補償OFFフラグが入力されたときの、トルク微分制御部のシフトトルク微分値の演算手順を示すフローチャート。 位相補償OFFフラグのONとOFFを判定する手順を示すフローチャート。
以下、電動パワーステアリング装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、EPS1は運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる操舵機構2、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3、およびアシスト機構3を制御するECU(電子制御装置)30を備えている。
操舵機構2は、ステアリングホイール10およびステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11を備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11a、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11b、およびインターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cを有している。ピニオンシャフト11cの下端部はラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12に連結されている。したがって、操舵機構2では、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11cの先端に設けられたピニオンギヤと、ラックシャフト12に形成されたラックからなるラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動は、ラックシャフト12の両端にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して左右の転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変化する。
アシスト機構3は、アシスト力の発生源であるモータ20を備えている。モータ20の回転軸21は、減速機構22を介してコラムシャフト11aに連結されている。減速機構22はモータ20の回転を減速し、当該減速した回転力をコラムシャフト11aに伝達する。すなわち、ステアリングシャフト11にモータ20の回転力(トルク)がアシスト力として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。モータ20としては、たとえば、3相(U,V,W)の駆動電力に基づいて回転する3相ブラシレスモータが採用されている。
ECU30は、車両に設けられる各種のセンサの検出結果に基づいてモータ20を制御する。各種のセンサとしては、たとえばトルクセンサ40、回転角センサ41、および車速センサ42がある。トルクセンサ40はコラムシャフト11aに設けられ、回転角センサ41はモータ20に設けられている。トルクセンサ40は、運転者のステアリング操作に伴いステアリングシャフト11に付与される操舵トルクTh0を検出する。回転角センサ41は、回転軸21の回転角θmを検出する。車速センサ42は、車両の走行速度である車速Vを検出する。ECU30は各センサの出力に基づいて、目標のアシスト力を設定し、実際のアシスト力が目標のアシスト力となるように、モータ20に供給される電流を制御する。
次に、ECUの構成を詳細に説明する。
図2に示すように、ECU30は、モータ制御信号を駆動回路32に出力するマイコン(マイクロコンピュータ)31と、そのモータ制御信号に基づいてモータ20に駆動電力を供給する駆動回路32とを備えている。
マイコン31は、アシスト指令値演算部33と、電流指令値演算部34と、電流制限制御部35と、モータ制御信号生成部36と、判定部38と、電流制限値出力部39とを備えている。アシスト指令値演算部33は、トルクセンサ40および車速センサ42から得られる操舵トルクTh0および車速Vに基づいてモータ20に付与すべきアシストトルクに対応した基本アシスト制御量Tas*およびシステム安定化制御量Tdt*を演算する。電流指令値演算部34は、基本アシスト制御量Tas*およびシステム安定化制御量Tdt*に基づき電流指令値Ia*を演算する。電流制限制御部35は、電流指令値Ia*が一定時間、ある閾値(高負荷継続時の電流制限値Ilim)よりも大きい場合に電流指令値Ia*を制限して、その制限された電流指令値I*を出力する。電流制限値出力部39は、予め記憶している電流制限値Ilimを、電流制限制御部35および判定部38に出力する。モータ制御信号生成部36は、駆動回路32とアシスト機構3との間の給電経路に設けられた電流センサ37により検出される実電流値I、および回転角センサ41により検出される回転角θmに基づいて、電流指令値I*に実電流値Iを追従させるように、モータ制御信号を生成する。なお、電流制限値Ilimは、モータ20が高負荷状態にあるときの実電流値Iを基準として設定される。
つぎに、アシスト指令値演算部33について具体的に説明する。アシスト指令値演算部33は、トルクシフト制御部50と、位相遅れ補償制御部51と、基本アシスト制御部52と、位相進み補償制御部53とを備えている。
トルクシフト制御部50は、操舵フィーリングを向上させるため、トルクセンサ40により検出される操舵トルクTh0をステアリングホイール10の操舵状態に基づいて補正することにより補正トルクThを演算する。具体的には、トルクシフト制御部50は、ステアリングホイール10が保舵状態や切り戻し状態の場合には操舵トルクTh0が増大するように補正し、切り込み状態の場合には操舵トルクTh0に対する補正量を「0」とすることで、補正トルクThを演算する。
位相遅れ補償制御部51は、トルクシフト制御部50から出力される補正トルクThの位相を遅らせる。基本アシスト制御部52は、位相遅れ補償制御部51による位相遅れ補償後の操舵トルクTh’および車速Vに基づいて、電流指令値Ia*に対応したアシスト指令値の基礎成分として基本アシスト制御量Tas*を演算する。位相進み補償制御部53は、補正トルクThの微分値(補正トルク微分値dTh)に基づく補償成分として、その位相を進ませることによりシステム安定化制御量Tdt*を演算する。
図3に示すように、位相遅れ補償制御部51は、後述の位相補償OFFフラグおよびアシスト勾配Ragに基づいて、アシスト勾配ゲインKagを演算するアシスト勾配ゲイン演算部51aと、アシスト勾配Ragに基づいて位相遅れ補償の特性(フィルタの係数など)を変更するアシスト勾配感応フィルタ51bを有している。位相遅れ補償制御部51は、基本アシスト制御部52から取り込まれるアシスト勾配Ragの値の絶対値が大きいほど、より小さなアシスト勾配ゲインKagを演算する。アシスト勾配ゲインKagは、0〜1.0の範囲で設定される値である。
また、図4のグラフに示すように、アシスト勾配感応フィルタ51bは、アシスト勾配Rag(アシスト勾配ゲインKag)に応じて選択された周波数fごとにゲインGの異なるフィルタを選択して位相遅れ補償を行う。ゲインGとは、アシスト勾配感応フィルタ51bの入力と出力の比、すなわち、位相遅れ補償前の補正トルクThと位相遅れ補償後の補正トルクTh’の比のことである。位相遅れ補償制御部51は、アシスト勾配Ragの上昇に応じて(アシスト勾配ゲインKagの低下に応じて)、位相遅れ補償後の補正トルクTh’(第1の補償値)の位相が遅れるように(ゲインを低減するように)、その位相遅れ補償の特性(ゲインGなど)を変更する。
図5のグラフに示すように、基本アシスト制御部52は、位相遅れ補償後の操舵トルクTh’の絶対値が大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな絶対値を有する基本アシスト制御量Tas*を演算する。位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値が大きいほど、アシスト勾配Ragの絶対値が大きくなるように設計されている。なお、アシスト勾配Ragとは、位相遅れ補償後の操舵トルクTh’の変化に対する基本アシスト制御量Tas*の変化の割合である。たとえば、アシスト勾配Ragは、図5で示される接線Lの傾きである。
図6に示すように、位相進み補償制御部53は、トルク微分値演算部53aと、ローパスフィルタ53bと、システム安定化制御部53cとを有している。トルク微分値演算部53aは、入力される位相補償OFFフラグおよび補正トルクThに基づいて、補正トルク微分値dThを演算する。ローパスフィルタ53bは、入力された補正トルク微分値dThをローパスフィルタ処理してフィルタ後の補正トルク微分値dTh’(位相進み補償後の補正トルクである第2の補償値)を出力する。システム安定化制御部53cは、フィルタ後の補正トルク微分値dTh’およびアシスト勾配Ragに基づいて、システム安定化制御量Tdt*を演算する。システム安定化制御部53cは、補正トルク微分値dTh’の絶対値が大きいほど、より絶対値の大きなシステム安定化制御量Tdt*を演算する。
判定部38は、位相遅れ補償制御部51による位相遅れ補償および位相進み補償制御部53による位相進み補償が実行されている場合に、電流指令値Ia*に基づきモータ20が高負荷継続状態にあるか否かを判定する。判定部38は、モータ20の高負荷継続状態などに応じて位相補償OFFフラグを出力する。すなわち、判定部38は、電流指令値Ia*と電流制限値Ilimとを比較すること、および基本アシスト制御量Tas*と電流制限値Ilimと比較することにより、モータ20が高負荷継続状態にあるか否かを判定する。なお、電流制限値Ilimが電流値であることに対応して、基本アシスト制御量Tas*を電流表示した状態で電流制限値Ilimと比較する。判定部38は、電流指令値Ia*が電流制限制御部35によって制限されている場合、位相補償OFFフラグを位相遅れ補償制御部51、および位相進み補償制御部53に出力する。なお、位相遅れ補償制御部51および位相進み補償制御部53は、位相補償OFFフラグが「ON」を示すものである場合には位相補償(位相遅れ補償、位相進み補償)を制限し、「OFF」を示すものである場合には位相補償を継続する。
また、判定部38は、特殊条件下において、運転者の違和感を低減することやトルクの変動を抑制するためにも設けられている。たとえば、電流指令値Ia*を制限しているときに、位相遅れ補償制御部51へと位相補償OFFフラグが出力されることによって、位相遅れ補償後の補正トルクTh’が急激に変化するおそれがある。この場合、基本アシスト制御量Tas*も急激に変化する。また、電流指令値Ia*を制限しているときに、位相進み補償制御部53へ出力される位相補償OFFフラグが「ON」と「OFF」を繰り返すことによって、位相進み補償後のシステム安定化制御量Tdt*が変動するおそれもある。これらの位相遅れ補償制御部51および位相進み補償制御部53で発生しうる状況は、具体的には、電流指令値Ia*が電流制限値Ilimと近い値であるときである。
つぎに、アシスト勾配ゲイン演算部51aの動作を説明する。
図7のフローチャートに示すように、アシスト勾配ゲイン演算部51aは、まず入力された位相補償OFFフラグがONか否かを判定する(ステップS11)。位相補償OFFフラグがOFFの場合には、通常通りのアシスト勾配ゲインKag(通常値)を出力し(ステップS12)、処理を終了する。通常通りのアシスト勾配ゲインKagは、入力されるアシスト勾配Ragの絶対値に応じて、変化する値である。これに対して、位相補償OFFフラグがONの場合には、アシスト勾配ゲイン演算部51aはアシスト勾配ゲインKagを「1」として出力し(ステップS13)、処理を終了する。
ところで、アシスト勾配ゲインKagとアシスト勾配Ragとの間には、図8のグラフに示されるような関係がある。すなわち、アシスト勾配ゲインKagはアシスト勾配Ragに対して反比例するように、0〜1.0の範囲で設定される値である。また、アシスト勾配ゲインKagが「1」のとき、アシスト勾配Ragは「0」である。このため、図4に示すように、アシスト勾配Ragが「0」に近づくほど(アシスト勾配ゲインKagが「1」に近づくほど)、アシスト勾配感応フィルタ51bは、周波数fによらずにゲインGがほとんど「1」になるようなフィルタを用いて位相遅れ補償を行う。このため、アシスト勾配Ragが「0」のとき(アシスト勾配ゲインKagが「1」のとき)、アシスト勾配感応フィルタ51bに入力される補正トルクThと、出力される補正トルクTh’は変わらない。このため、アシスト勾配ゲインKagを「1」にしてアシスト勾配感応フィルタ51bを実行する制御は、位相遅れ補償を行わないことに等しい。位相遅れ補償後の補正トルクTh’の位相が遅れることが抑制されるため、補正トルクTh’の追従性が高められる。
つぎに、トルク微分値演算部53aの動作を説明する。
図9に示すように、トルク微分値演算部53aは、まず入力された位相補償OFFフラグがONか否かを判定する(ステップS21)。位相補償OFFフラグがOFFの場合には、通常通りのフィルタ後の補正トルク微分値dTh’を出力し(ステップS22)、処理を終了する。これに対して、位相補償OFFフラグがONの場合には、フィルタ後の補正トルク微分値dTh’を「0」として出力し(ステップS23)、処理を終了する。
ところで、トルク微分値演算部53aにおいて、補正トルク微分値dTh’を「0」とすると、ローパスフィルタ53bにおける処理は実質的には行われなくなる。すなわち、補正トルク微分値dThが「0」の場合、フィルタ後の補正トルク微分値dTh’も「0」となる。ローパスフィルタ53bは、入力値の低周波成分についてはほとんどその周波数特性を変えることなく、入力値のまま出力するためである。このため、ローパスフィルタ53bの処理を経ても補正トルク微分値dThの位相などの周波数特性は変わらず、電流指令値Ia*の実電流値Iに対する追従に応じて、アシスト勾配感応フィルタ51bの補正トルク微分値dThの追従性は高められる。
つぎに、位相補償OFFフラグのONおよびOFFの判定方法について説明する。
図10のフローチャートに示す手順で、判定部38は位相補償OFFフラグのONおよびOFFを判定する。なお、判定部38は、基本アシスト制御量Tas*、補正トルクTh、補正トルクTh’、システム安定化制御量Tdt*を、いずれも電流値へ変換された状態で位相補償OFFフラグの判定に用いる。
まず、電流指令値Ia*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否か、および基本アシスト制御量Tas*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップS31)。
電流指令値Ia*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」以下、および基本アシスト制御量Tas*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」以下の場合(ステップS31でNO)には、位相補償OFFフラグをOFFに設定し、処理を終了する(ステップS32)。このとき、位相遅れ補償および位相進み補償は継続される。すなわち、ステップS31の第1条件および第2条件を満たさない場合には、電流指令値Ia*は高負荷な状態にない。このため、位相遅れ補償および位相進み補償を制限しなくても、モータ20が実際に付与するアシスト力と目標のアシスト力が乖離しにくいため、ひいては電流指令値Ia*の実電流値Iに対する追従性を高める必要性は低い。
これに対して、電流指令値Ia*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいときには、電流指令値Ia*が電流制限値Ilimよりも大きい状態、すなわち高負荷な状態である。また、基本アシスト制御量Tas*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいとき、ノイズや様々な補償制御により電流指令値Ia*が変動するために、位相補償OFFフラグがONとOFFを繰り返してしまう。このため、電流指令値Ia*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」より大きい、かつ基本アシスト制御量Tas*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きい場合(ステップS31でYES)には、ステップS33へ移行する。このステップS33では、前回(1周期前)の位相補償OFFフラグがONであったか否かを判定する。なお、初期状態の位相補償OFFフラグは、通常OFFと設定されている。前回の位相補償OFFフラグがOFFのとき(ステップS33でNO)、位相補償OFFフラグをONに設定し(ステップS34)、処理を終了する。すなわち、位相補償OFFフラグをONに設定することにより、位相遅れ補償および位相進み補償を制限する。このため、実電流値Iの電流指令値Ia*に対する追従性が高められる。
先のステップS33において、前回の位相補償OFFフラグがONの場合(ステップS33でYES)には、ステップS35へ処理を移行する。
ステップS35では、補正トルクThの絶対値と位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値の差が「0」よりも大きいか否か、および電流指令値Ia*とシステム安定化制御量Tdt*の差の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否かを判定する。補正トルクThの絶対値と位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値の差が「0」よりも大きいか否かという判定条件は、位相遅れ補償を制限することによって基本アシスト制御量Tas*が急変することを抑制するために設けられている。電流指令値Ia*とシステム安定化制御量Tdt*の差の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否かという判定条件は、位相進み補償を制限することによって、位相補償OFFフラグがONとOFFを繰り返して、モータ20が実際に付与するアシスト力の変動を抑制するために設けられている。
たとえば、補正トルクThの絶対値と位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値の差が「0」以下の場合には、位相遅れ補償を制限することによって、補正トルクThが急変していると考えられる。すなわち、位相遅れ補償によってアシスト勾配感応フィルタ51bを通したにも関わらず、位相遅れ補償後の補正トルクTh’より補正トルクThの絶対値のほうが大きい場合は正常な動作と考えられないからである。これは、前回の位相補償OFFフラグがONであるため、前回行った位相遅れ補償および位相進み補償によって、生じた動作と考えられる。具体的には、電流制限値Ilimと電流指令値Ia*がほぼ同じ値の状況が生じていると想定される。この状況は、たとえば、電流指令値Ia*を制限している状況から制限していない状況に切り替わるときに生じやすい。特に、電流制限値Ilimを漸減しているような状況で生じやすい。
また、電流指令値Ia*とシステム安定化制御量Tdt*の差の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」以下の場合には、位相進み補償を制限することによって、電流指令値Ia*が変動していると考えられる。具体的には、位相進み補償の制限と位相進み補償の再開を繰り返しているような状況が生じていると想定される。この状況は、たとえば、電流指令値Ia*を制限している状況から制限していない状況に切り替わるときに生じやすい。
このため、補正トルクThの絶対値と位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値の差が「0」よりも大きい、かつ電流指令値Ia*とシステム安定化制御量Tdt*の差の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きい場合(ステップS35でYES)には、位相補償OFFフラグはONのまま維持し(ステップS36)、処理を終了する。このため、位相遅れ補償および位相進み補償は引き続き制限される。これに対し、補正トルクThの絶対値と位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値の差が「0」以下、および電流指令値Ia*とシステム安定化制御量Tdt*の差の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」以下の場合(ステップS35でNO)には、位相補償OFFフラグをOFFにして(ステップ37)、処理を終了する。このため、位相遅れ補償および位相進み補償が実行される。これにより、基本アシスト制御量Tas*が急変することや、電流指令値Ia*が変動することを抑制できる。
つぎに、位相補償を行うことによるモータ20に実際に付与されるアシスト力と目標のアシスト力の乖離について詳しく説明する。運転者がいわゆるラックエンド当て等を継続して行うと、電流指令値Ia*が高負荷な状態になるために電流指令値Ia*が制限されてしまい、ステアリングホイール10の切り戻しをする場合に運転者が引っかかり感を感じてしまう。この引っかかり感は、電流制限制御部35により電流指令値Ia*が制限されることにより、モータ20が実際に付与するアシスト力と目標のアシスト力が乖離してしまうために生じる。このような乖離が生じてしまった場合には、実際に付与されるアシスト力を目標のアシスト力に短時間で追従させたい。しかし、位相遅れ補償および位相進み補償を行うことによって、電流指令値Ia*の追従性は低くなってしまう。たとえば、位相遅れ補償制御部51で位相遅れ補償が行われた場合には、位相補償後の補正トルクTh’は補正トルクThよりも位相が遅れているため、補正トルクThを変化させても、位相補償後の補正トルクTh’は遅れて追従することとなる。このため、位相遅れ補償を制限することにより、位相補償後の補正トルクTh’の追従性は高められ、モータ20が実際に付与するアシスト力と目標のアシスト力をより短時間で一致できるようになる。
また、位相遅れ補償制御部51および位相進み補償制御部53で行われる位相遅れ補償および位相進み補償の制限について説明する。まず、位相遅れ補償制御部51では、位相補償OFFフラグのONを示す信号が位相遅れ補償制御部51に入力されることにより、アシスト勾配ゲイン演算部51aは図7に示すような判定を行う。そして、位相補償OFFフラグがONの場合には、アシスト勾配ゲインKagを「1」と設定することにより、実質的に位相遅れ補償が制限される。また、位相進み補償制御部53では、位相補償OFFフラグのONを示す信号が位相進み補償制御部53に入力されることにより、トルク微分値演算部53aは図8に示すような判定を行う。そして、位相補償OFFフラグがONの場合には、トルク微分値dTh’を「0」と出力するため、実質的に位相進み補償が制限される。
本実施形態の効果を説明する。
(1)電流指令値Ia*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きくて、前回の位相補償OFFフラグがOFFのときには、位相補償OFFフラグをONにすることで、位相遅れ補償および位相進み補償を制限する。位相遅れ補償および位相進み補償を制限することによって、補正トルクTh、位相補償後の補正トルクTh’、およびシステム安定化制御量Tdt*の追従性は高められ、ひいては電流指令値Ia*の追従性は高められる。このため、モータ20が実際に付与するアシスト力と目標のアシスト力をより短時間で一致できるようになる。よって、位相遅れ補償および位相進み補償を制限することにより、運転者が感じる引っかかり感を抑制することができる。
(2)基本アシスト制御量Tas*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きい場合にも、前回の位相補償OFFフラグがOFFのとき、位相補償OFFフラグがONにされる。このため、位相補償OFFフラグがONとOFFを繰り返すことを抑制することができる。
(3)補正トルクThの絶対値と位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値の差が「0」よりも大きいか否か、および電流指令値Ia*とシステム安定化制御量Tdt*の差の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否かを判定して、位相補償OFFフラグを出力する。このため、制御の安定性の観点から望ましくない場合に位相補償を再度実行してしまうことで、基本アシスト制御量Tas*が急変することや、電流指令値Ia*が変動することを抑制できる。
(4)位相補償OFFフラグが位相遅れ補償制御部51および位相進み補償制御部53に入力されることにより、図7および図9に示されるような簡単な処理で位相遅れ補償および位相進み補償が制限される。このような簡単な処理により、位相遅れ補償および位相進み補償を制限することができる。
なお、本実施形態は次のように変更してもよい。
・本実施形態では、基本アシスト制御量Tas*に対して補償制御を行うために、位相遅れ補償制御部51および位相進み補償制御部53が設けられたが、いずれか一方のみを設けるようにしてもよい。また、位相遅れ補償制御部51および位相進み補償制御部53に限らず、ダンピング制御部などの他の補償制御部を設けてもよい。
・本実施形態では、トルクシフト制御部50から出力される補正トルクThが、位相遅れ補償制御部51および位相進み補償制御部53に入力されたが、これに限らない。たとえば、位相進み補償制御部53に操舵トルクTh0が入力されて、操舵トルクTh0に基づいてシステム安定化制御量Tdt*を演算してもよい。また、トルクシフト制御部50を設けず、操舵トルクTh0を用いて位相遅れ補償および位相進み補償をしてもよい。
・本実施形態では、位相進み補償制御部53においてトルク微分値演算部53aを設けて、補正トルク微分値を用いて位相進み補償を行ったが、これに限らない。たとえば、補正トルクの差分値を用いて位相進み補償を行ってもよい。
・本実施形態では、位相進み補償制御部53にローパスフィルタ53bが設けられたが、これに限らない。たとえば、必要に応じて、補正トルク微分値dThの低周波成分を除去するためのハイパスフィルタを設けてもよい。
・本実施形態では、電流制限値出力部39は、その内部で記憶された電流制限値Ilimを電流指令値演算部34および判定部38に出力したが、これに限らない。たとえば、電流制限値Ilimは、操舵トルクTh0などに応じて変化してもよい。なお、電流制限値Ilimが変化する場合、位相進み補償の制限と位相進み補償の再開を繰り返しているような状況が、電流制限値Ilimが漸減しているときに発生しやすい。
・本実施形態では、回転角センサ41はモータ20の回転軸21から、回転角θmを検出したが、これに限らない。たとえば、ピニオン角を検出するようにしてもよい。
・本実施形態では、位相補償OFFフラグのONとOFFを位相遅れ補償制御部51および位相進み補償制御部53に入力して、図7および図9の手順で実質的には位相補償を行わないようにしたが、これに限らない。たとえば、位相補償OFFフラグがONである場合には、位相進み補償制御部53には電力が供給されず、駆動しないようにしてもよい。また、たとえば、位相進み補償制御部53から出力されるシステム安定化制御量Tdt*の値を小さくすることによって、実質的に位相補償を行わないようにしてもよい。
・本実施形態では、電流指令値Ia*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否か、および基本アシスト制御量Tas*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否かを判定したが、これに限らない。たとえば、「0」ではなく、閾値よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。閾値を用いる場合、たとえば電流指令値Ia*などの変化をある程度許容できるようになる。また、補正トルクThの絶対値と位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値の差が「0」よりも大きいか否か、および電流指令値Ia*とシステム安定化制御量Tdt*の差の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否か、という判定についても同様である。
・本実施形態では、基本アシスト制御量Tas*の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否かを判定して、位相補償OFFフラグをONにするか否かを判定したが、この判定(図10中のステップS31の第2条件)は設けられなくてよい。この場合でも、電流指令値I*が高負荷な場合に、位相遅れ補償および位相進み補償を制限することにより、電流指令値I*の追従性を高めることができる。また、補正トルクThの絶対値と位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値の差が「0」よりも大きいか否か、および電流指令値Ia*とシステム安定化制御量Tdt*の差の絶対値と電流制限値Ilimの差が「0」よりも大きいか否かを判定したが、この判定(図10中のステップS35の第2条件)は設けられなくてよい。この場合でも、電流指令値I*が高負荷な場合に、位相遅れ補償および位相進み補償を制限することにより、電流指令値I*の追従性を高めることができる。
・本実施形態では、モータ20として、ブラシレスモータを用いたが、ブラシ付きのモータを用いてもよい。
・本実施形態では、コラム型の電動パワーステアリング装置に具体化して示したが、これに限らない。たとえば、ラックパラレル型の電動パワーステアリング装置であってもよい。
1…EPS、2…操舵機構、3…アシスト機構、10…ステアリングホイール、11…ステアリングシャフト(シャフト)、11a…コラムシャフト、11b…インターミディエイトシャフト、11c…ピニオンシャフト、12…ラックシャフト、12a…ねじ溝、13…ラックアンドピニオン機構、14…タイロッド、15…転舵輪、20…モータ、21…回転軸、22…減速機構、30…ECU(制御装置)、31…マイコン、32…駆動回路、33…アシスト指令値演算部、34…電流指令値演算部、35…電流制限制御部、36…モータ制御信号生成部、37…電流センサ、38…判定部、39…アシスト変動抑制制御部、40…トルクセンサ、41…回転角センサ、42…車速センサ、50…トルクシフト制御部、51…位相遅れ補償制御部(位相補償部)、51a…アシスト勾配ゲイン演算部、51b…アシスト勾配感応フィルタ、52…基本アシスト制御部、53…位相進み補償制御部(位相補償部)、53a…トルク微分値演算部、53b…ローパスフィルタ、53c…システム安定化制御部、54…加算器、Th0…操舵トルク、Th…補正トルク、Th’…位相遅れ補償後の補正トルク(第1の補償値)、Rag…アシスト勾配、Kag…アシスト勾配ゲイン、G…ゲイン、dTh…補正トルク微分値、dTh’…フィルタ後の補正トルク微分値(第2の補償値)、Tas*…基本アシスト制御量(基本制御量)、Tdt*…システム安定化制御量、I*…電流指令値、Ilim…電流制限値、Ia*…電流指令値、V…車速、I…実電流値(電流値)、θm…回転角。

Claims (6)

  1. モータを駆動源として、操舵機構にアシスト力を付与するアシスト機構と、
    操舵に連動して回転するシャフトに設けられたトルクセンサにより検出される操舵トルクに基づいて前記モータに対する電流指令値を演算して、前記モータが高負荷状態にあるときのモータの電流値を基準として設定される電流制限値よりも前記電流指令値の絶対値が大きい場合に前記電流指令値を制限する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記操舵トルクを位相補償することにより位相補償後の補正トルクである補償値を演算して前記電流指令値を補償する位相補償部を有し、
    前記電流指令値が制限される場合に、前記位相補償を制限する電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記位相補償部は、位相遅れ補償部を含み、
    前記位相遅れ補償部は、操舵トルクの位相を遅らせることにより位相遅れ補償後の補正トルクである第1の補償値を演算する電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記位相補償部は、位相進み補償部を含み、
    前記位相進み補償部は、操舵トルクの位相を進ませることにより位相進み補償後の補正トルクである第2の補償値を演算する電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御装置は、前記電流制限値よりも前記電流指令値の絶対値が大きい場合、
    かつ前記電流制限値よりも前記電流指令値の基本成分である基本制御量の絶対値が大きい場合に前記電流指令値を制限する電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御装置が前記位相補償を制限している場合
    前記操舵トルクの絶対値が前記位相補償部により演算された補償値の絶対値よりも大きいという条件を満たしたとき、前記位相補償の制限を解除する電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御装置が前記位相補償を制限している場合
    前記電流指令値と前記位相補償部により演算された補償値との差の絶対値が前記電流制限値よりも大きいという条件を満たしたとき、前記位相補償の制限を解除する電動パワーステアリング装置。
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