JP5195153B2 - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録媒体及びその製造方法に関し、より詳しくは、磁性層の表面平滑性及び電磁変換特性に優れる磁気記録媒体及びその製造方法に関する。
近年、記録データ量の増大に対応すべく、磁気記録媒体の高密度記録化が求められている。特に、コンピュータのデータ記録に用いられるLTOR (登録商標:Linear Tape Open)、DLTR (登録商標:Digital Linear Tape)と称される磁気テープ等の磁気記録媒体の高密度記録化が求められている。高密度記録化のために記録波長が短波長化され、磁性層が薄膜化されている。また、記録波長の短波長化に伴い、スペーシングロスの観点から、磁性層表面はより平滑であることが要求される。
磁性層が薄膜化されると、磁性層表面に支持体の表面粗さが反映して磁性層表面の平滑性が損なわれ、電磁変換特性が悪化する。このため、支持体表面に下塗り層としての非磁性層を設け、これを介して磁性層が設けられる。従って、非磁性層表面(磁性層と接する非磁性層表面)もより平滑であることが要求される。
特開2005−149623号公報には、平均粒子径80nm以下の非磁性無機粉末を下層非磁性層に用いた磁気記録媒体が開示されている(請求項1)。
特開2004−67941号公報には、ポリエステルポリオールの酸成分、グリコール成分のそれぞれの合計量を100モル%としたとき、その酸成分が脂肪族及び/又は脂環族二塩基酸50〜80モル%、スルホン酸金属塩基を有する芳香族二塩基酸20〜50モル%であり、かつ数平均分子量が300〜800であるポリエステルポリオール(A)と、芳香族系ポリイソシアナート(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂であって、そのポリウレタン樹脂全体に対するスルホン酸金属塩基濃度が200〜500eq/tであるポリウレタン樹脂が開示されている(請求項1)。また、同号公報には、長軸長100nm以下の強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性塗料を用いて形成された磁気記録媒体において、結合剤成分として前記ポリウレタン樹脂を用いることが開示されている(請求項3)。
特開2005−149623号公報 特開2004−67941号公報
特開2005−149623号公報によれば、平均粒子径80nm以下の非磁性無機粉末を非磁性層塗料成分として用いて最適の分散条件で処理することにより、良好な表面平滑性を有する下層非磁性層が得られ、その結果、上層磁性層の良好な表面平滑性が実現される。非磁性無機粉末の微細化は比表面積の増加を伴い、そのため、非磁性層塗料作製の際に適切な分散条件で処理しなければ、微細粒子の凝集や、塗料粘度の増加が起こり、すなわち非磁性層塗料の経時安定性は悪くなる。経時安定性の悪い非磁性層塗料を用いたのでは、下層非磁性層の良好な表面平滑性は得られにくく、上層磁性層の良好な表面平滑性は実現されない(同号公報の比較例4)。
特開2004−67941号公報によれば、スルホン酸金属塩基濃度が200〜500eq/tである特定構造のポリウレタン樹脂を結合剤として用いることにより、長軸長100nm以下の超微粒子強磁性粉末を結合剤中に分散させることができることが開示されている(段落[0026]、[0035])。同号公報には、非磁性無機粉末の分散や、非磁性層については開示はない。
スルホン酸金属塩基のような極性基の濃度を高めた結合剤樹脂を用いて微細化された非磁性無機粉末を分散すると、得られた非磁性塗料では、極性基間の相互作用や、表面エネルギーの大きい非磁性微細無機粉末間の相互作用により微細粒子が再凝集しやすく、塗料粘度の上昇が起こる。非磁性塗料の粘度が上昇すると、非磁性塗料を非磁性支持体上に塗布した際に塗料のレベリングが十分とはならず、平滑な非磁性層表面は得られない。そのため、上層磁性層の良好な表面平滑性は実現されない。さらに、非磁性塗料の粘度が上昇すると、非磁性塗料をフィルタリングする際にフィルターの目詰まりが発生しやすくなり、頻繁にフィルター交換が必要になり、フィルターコストが上昇したり、塗布ラインの稼働率低下を招く。フィルター交換中に停滞した塗料は、停滞により更に塗料粘度が上昇するという悪循環になる。
本発明の目的は、微細な非磁性無機粉末を用いて下層非磁性層の表面平滑性を向上させ、上層磁性層の表面平滑性及び電磁変換特性に優れる磁気記録媒体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、下層非磁性層用の微細な非磁性無機粉末の分散性を向上させ、非磁性層塗料の安定性を向上させるために、非磁性層塗料の結合剤樹脂の極性基の量と、還元粘度に着目した。
本発明には、以下の発明が含まれる。
(1) 非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面上の下層非磁性層と、下層非磁性層上の上層磁性層とを少なくとも有する磁気記録媒体であって、
前記上層磁性層は、強磁性粉末、及び結合剤を少なくとも含み、
前記下層非磁性層は、カーボンブラック、カーボンブラック以外の非磁性無機粉末、及び結合剤を少なくとも含み、
前記下層非磁性層に含まれる結合剤として、スルホン酸金属塩基及び硫酸金属塩基から選ばれる極性基を200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、次の条件:
測定溶媒:トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=40/40/20(重量比)
測定溶液濃度:4g/L
測定温度:30℃
で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下であるポリウレタン樹脂の硬化物を含み、
前記カーボンブラック以外の非磁性無機粉末は、平均長軸長が40nm以上95nm以下であり且つBET法による比表面積が80m 2 /g以上100m 2 /g以下である酸化鉄、及び平均長軸長が40nm以上95nm以下であり且つBET法による比表面積が80m 2 /g以上100m 2 /g以下であるオキシ水酸化鉄の少なくとも一方を含んでいる、磁気記録媒体。
) 前記ポリウレタン樹脂は、放射線官能基を有する、上記(1)に記載の磁気記録媒体。
) 前記上層磁性層は、0.03μm以上0.30μm以下の厚さを有する、上記(1)又は(2)に記載の磁気記録媒体。
) 前記下層非磁性層は、0.3μm以上1.3μm以下の厚さを有する、上記(1)〜()のうちのいずれかに記載の磁気記録媒体。
) 非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面上の下層非磁性層と、下層非磁性層上の上層磁性層とを少なくとも有する磁気記録媒体の製造方法であって、
カーボンブラック、カーボンブラック以外の非磁性無機粉末、及び結合剤を少なくとも含む非磁性層用塗料であって、
前記カーボンブラック以外の非磁性無機粉末は、平均長軸長が40nm以上95nm以下であり且つBET法による比表面積が80m 2 /g以上100m 2 /g以下である酸化鉄、及び平均長軸長が40nm以上95nm以下であり且つBET法による比表面積が80m 2 /g以上100m 2 /g以下であるオキシ水酸化鉄の少なくとも一方を含んでおり、
前記結合剤として、スルホン酸金属塩基及び硫酸金属塩基から選ばれる極性基を200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、次の条件:
測定溶媒:トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=40/40/20(重量比)
測定溶液濃度:4g/L
測定温度:30℃
で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下であるポリウレタン樹脂を含む非磁性層用塗料を調製する工程と、
非磁性支持体の一方の面上に、調製された非磁性層用塗料を塗布して下層非磁性層を形成する工程と、
前記下層非磁性層上に、強磁性粉末、及び結合剤を少なくとも含む磁性層用塗料を塗布、乾燥して上層磁性層を形成する工程と
を含む磁気記録媒体の製造方法。
(6) 前記ポリウレタン樹脂は、放射線官能基を有する、上記(5)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(7) 前記上層磁性層は、0.03μm以上0.30μm以下の厚さを有する、上記(5)又は(6)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(8) 前記下層非磁性層は、0.3μm以上1.3μm以下の厚さを有する、上記(5)〜(6)のうちのいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
本発明によれば、上記のように、下層非磁性層用の結合剤として、スルホン酸金属塩基及び硫酸金属塩基から選ばれる極性基を200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、上記の条件で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下であるポリウレタン樹脂を用いる。このような特定範囲の数の極性基と特定範囲の還元粘度を有するポリウレタン樹脂を用いることにより、非磁性層塗料中において微細な非磁性無機粉末を良好に分散することができ、均一分散され安定性に優れた非磁性層塗料が作製される。そのため、下層非磁性層の良好な表面平滑性が得られ、上層磁性層の良好な表面平滑性が実現される。その結果、電磁変換特性に優れる磁気記録媒体が得られる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面上の下層非磁性層と、下層非磁性層上の上層磁性層とを少なくとも有し、非磁性支持体の他方の面上のバックコート層を通常有する。下層非磁性層は例えば厚さ0.3〜2.5μmであり、好ましくは0.3〜1.3μmであり、上層磁性層は例えば厚さ0.30μm以下、好ましくは0.03〜0.30μmであり、バックコート層は例えば厚さ0.3〜0.8μmであり、磁気記録媒体の全厚さは好ましくは4.0〜10.0μmである。なお、上層磁性層上に潤滑剤塗膜や磁性層保護用の各種塗膜などが必要に応じて設けられてもよい。また、非磁性支持体の磁性層が設けられる前記一方の面には、下層非磁性層と非磁性支持体との接着性の向上等を目的として、下塗り層(易接着層)が設けられてもよい。その際、下塗り層の厚さは0.05〜0.30μmが好ましい。接着性向上等の効果が発現するために下塗り層の厚さは0.05μm以上が好ましく、0.05μm以上0.30μm以下の厚さで十分な効果が得られる。
[下層非磁性層]
下層非磁性層は、カーボンブラック、カーボンブラック以外の非磁性無機粉末、及び結合剤を少なくとも含む。
下層非磁性層に含まれるカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。比表面積は5〜600m2 /g、DBP吸油量は30〜400ml/100g、粒子径は10〜100nmが好ましい。使用できるカーボンブラックは具体的には「カーボンブラック便覧」、カーボンブラック協会編を参考にすることができる。
カーボンブラックの配合量は、下層非磁性層において5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%である。
下層非磁性層は、カーボンブラック以外の非磁性無機粉末として、酸化鉄、及びオキシ水酸化鉄の少なくとも一方を含んでいる。下層非磁性層に含まれる非磁性無機粉末として酸化鉄及び/又はオキシ水酸化鉄を用いることは、磁気記録媒体の走行耐久性の観点から重要である。
下層非磁性層に含まれる酸化鉄は、針状のα−Fe2 3 であり、平均長軸長が40〜95nm、BET法による比表面積が80〜100m2 /gであることが好ましい。
酸化鉄の平均長軸長が95nmを超えると、非磁性層塗料中における分散性は良くなるが、非磁性層表面の平滑性は低下しやすい。一方、平均長軸長が40nm未満では、微細すぎて分散性が悪く非磁性層塗料の安定性が低下しやすく、そのため、均一な塗膜形成が困難となり、やはり非磁性層表面の平滑性が低下する。酸化鉄が微細化されるほど一般にBET法による比表面積は大きくなるが、本発明においては、酸化鉄のBET法比表面積は80〜100m2 /gの範囲が好ましい。平均長軸長が40nmの酸化鉄の場合、そのBET法比表面積は100m2 /g程度が適切であり、100m2 /gを超えると、粉末の表面に凹凸が多く存在する形状となり、塗料中における分散性が悪くなる傾向にある。一方、平均長軸長が95nmの酸化鉄の場合、そのBET法比表面積は80m2 /g程度が適切であり、80m2 /g未満では、粉末の凝集が起こりやすく、やはり塗料中における分散性が悪くなる傾向にある。
酸化鉄の平均長軸長は、さらに好ましくは45〜80nmの範囲、より好ましくは45〜70nmの範囲である。また、酸化鉄のBET法比表面積は、さらに好ましくは80〜90m2 /gの範囲である。
下層非磁性層に含まれるオキシ水酸化鉄は、針状のα−FeO(OH)であり、平均長軸長が40〜95nm、BET法による比表面積が80〜100m2 /gであることが好ましい。
オキシ水酸化鉄の平均長軸長が95nmを超えると、非磁性層塗料中における分散性は良くなるが、非磁性層表面の平滑性は低下しやすい。一方、平均長軸長が40nm未満では、微細すぎて分散性が悪く非磁性層塗料の安定性が低下しやすく、そのため、均一な塗膜形成が困難となり、やはり非磁性層表面の平滑性が低下する。オキシ水酸化鉄が微細化されるほど一般にBET法による比表面積は大きくなるが、本発明においては、オキシ水酸化鉄のBET法比表面積は80〜100m2 /gの範囲が好ましい。平均長軸長が40nmのオキシ水酸化鉄の場合、そのBET法比表面積は100m2 /g程度が適切であり、100m2 /gを超えると、粉末の表面に凹凸が多く存在する形状となり、塗料中における分散性が悪くなる傾向にある。一方、平均長軸長が95nmのオキシ水酸化鉄の場合、そのBET法比表面積は80m2 /g程度が適切であり、80m2 /g未満では、粉末の凝集が起こりやすく、やはり塗料中における分散性が悪くなる傾向にある。
オキシ水酸化鉄の平均長軸長は、さらに好ましくは45〜80nmの範囲、より好ましくは45〜70nmの範囲である。また、オキシ水酸化鉄のBET法比表面積は、さらに好ましくは80〜90m2 /gの範囲である。
針状の酸化鉄α−Fe2 3 は、針状のオキシ水酸化鉄α−FeOOHを高温で脱水処理することにより生成される。
前記酸化鉄及び/又はオキシ水酸化鉄の配合量は、それらの合計量として、下層非磁性層において50〜80質量%、好ましくは50〜70質量%である。
下層非磁性層には、カーボンブラック、前記酸化鉄及び前記オキシ水酸化鉄以外の非磁性無機粉末、例えば、CaCO3 、酸化チタン、硫酸バリウム、α−Al2 3 等の無機粉末が含まれていてもよい。
カーボンブラックと、カーボンブラック以外の非磁性無機粉末(前記酸化鉄+前記オキシ水酸化鉄+前記それら以外の非磁性無機粉末の合計)の配合比率は、質量比(カーボンブラック/カーボンブラック以外の非磁性無機粉末)で95/5〜5/95が好ましい。カーボンブラックの配合比率が5質量部を下回ると、表面電気抵抗に問題が生じることがある。カーボンブラック以外の非磁性無機粉末の配合比率が5質量部を下回ると、下層非磁性層の表面平滑性の悪化及び機械的強度の低下の可能性がある。下層非磁性層の表面平滑性の悪化は、上層磁性層の表面平滑性の悪化の原因となる。
下層非磁性層の結合剤として、特定範囲の数の極性基と特定範囲の還元粘度を有するポリウレタン樹脂を用いる。すなわち、ポリウレタン樹脂は、スルホン酸金属塩基及び硫酸金属塩基から選ばれるS含有極性基を、該ポリウレタン樹脂の質量を基準として200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、次の条件:
測定溶媒:トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=40/40/20(重量比)
測定溶液濃度:4g/L
測定温度:30℃
で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下である。
ポリウレタン樹脂とは、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオール等のヒドロキシ基含有樹脂とポリイソシアナート含有化合物との反応により得られる樹脂である。通常、数平均分子量5,000 〜200,000 程度で、Q値(質量平均分子量/数平均分子量)1.5〜4程度のものである。
ポリウレタン樹脂における極性基は、スルホン酸金属塩基(−SO3 M)及び硫酸金属塩基(−OSO3 M)から選ばれる。ここで、Mは、Li、Na、K等のアルカリ金属を示す。前記S含有極性基は非磁性無機粉末の表面と親和性を有するために、非磁性無機粉末の分散性向上に寄与する。ポリウレタン樹脂は、前記S含有極性基のうちいずれか一方のみを含有していてもよく、両者を含有していてもよく、両者を含むときにはその含有比は任意である。前記S含有極性基は、該極性基を有しているポリウレタン樹脂の質量を基準として、200〜250eq/tの割合で含まれている。1t=1000kg。これら極性基は骨格樹脂の主鎖中に存在しても、分枝中に存在してもよい。
このようなポリウレタン樹脂は公知の方法により、特定の極性基含有化合物及び/又は特定の極性基含有化合物と反応させた原料樹脂等を含む原料を、溶剤中又は無溶剤中で反応させることにより得られる。ポリウレタン樹脂を合成するに際して、極性基含有化合物の使用割合を調整することによって、ポリウレタン樹脂に含まれる極性基の割合を適宜変化させることができる。
ポリウレタン樹脂中に含まれる前記S含有極性基の数(濃度)が200〜250eq/tであると、前記極性基と非磁性無機粉末の表面との親和性のために、非磁性無機粉末が良好に分散される。前記S含有極性基の数(濃度)が200eq/t未満であると、非磁性無機粉末の分散が不十分となる。一方、前記S含有極性基の数(濃度)が250eq/tを超えると、過剰な極性基同士の相互作用によってポリウレタン樹脂が凝集しやすく、非磁性無機粉末の分散に供される極性基の数が減少し、非磁性無機粉末の分散が不十分となり、非磁性無機粉末が凝集する。
ポリウレタン樹脂は、上記の条件で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下である。還元粘度は、単位濃度の溶質の粘度増加に対する貢献度を表す量であり、すなわち、還元粘度が大きいほど、その溶液の粘度増加も大きい。還元粘度が大きいほど、非磁性塗料中で該ポリウレタン樹脂が十分溶媒和されており、分子サイズが拡張された状態になると考えられる。
一般的に、ポリマー溶液の還元粘度は、測定溶媒中でのポリマー分子のサイズを示しており、数値が大きいほど分子サイズが大きいことを意味する。還元粘度は [ηsp/c] であり、無限大希釈における還元粘度が固有粘度 [η] であり、下記のHouwink−Mark−櫻田式として表される。
Figure 0005195153
c:濃度(g/cm3
ηsp=(η−η0 )/η0
ηsp:比粘度
η0 :溶媒の粘性率
η:溶液の粘性率
K:比例定数
M:分子量
a: ポリマーの種類、重合度、溶媒によって変化するパラメータ
ポリマー溶液において、還元粘度、及び無限大希釈における還元粘度である固有粘度に生じる差は、ポリマーのM(分子量)だけではなく、a値(ポリマーの種類、重合度、溶媒によって変化するパラメータ)にも依存している。例えば、無限大希釈状態で、すなわち分子鎖1本のみが存在する理想状態で固有粘度に生じる差には、例えば、ポリマー中の極性基濃度、ポリマー骨格中の脂肪族セグメント(フレキシブルなセグメント)/芳香族セグメント(リジッドなセグメント)の比率、ポリマー側鎖の種類等の要素が影響している。極性基濃度が高い程、骨格中の脂肪族セグメントの比率が高い程、側鎖が屈曲性で極性基を有している程、固有粘度は大きくなる。同様に、還元粘度も大きくなる。
このように、還元粘度は分子量以外にa値にも依存しており、本発明においては、還元粘度の重要性に着目した。
本発明においては、上述のように、非磁性無機粉末を良好に分散させるために、ポリウレタン樹脂中に含まれる前記S含有極性基の数(濃度)は200〜250eq/tと高く設定される。このように極性基濃度が高いと、極性基同士が相互作用してポリウレタン樹脂が凝集しやすい状態になる。そこで、200〜250eq/tと高い極性基濃度を有するポリウレタン樹脂について、還元粘度を0.42以上0.55以下の範囲の小さい値とすることで、ポリウレタン樹脂同士の相互作用を抑制することができる。さらに、200〜250eq/tという範囲内において、前記S含有極性基濃度の高いポリウレタン樹脂ほど、非磁性塗料中の固形分濃度が高い状態でも非磁性無機粉末の分散が良好に進行する。前記S含有極性基濃度の特定範囲と還元粘度の特定範囲とを組み合わせることで、例えば平均長軸長40nm以上95nm以下の微粒子化された酸化鉄及び/又はオキシ水酸化鉄を分散した非磁性塗料の経時安定性を著しく向上させることができる。例えば、本発明に用いる非磁性塗料は、1週間停滞しても粘度上昇が少なく、平滑な表面性を有する非磁性層を形成することができる。
ポリウレタン樹脂の還元粘度が0.42未満であると、ポリウレタン樹脂の溶媒和が小さすぎ、非磁性塗料中の非磁性無機粉末が沈降しやすい。一方、還元粘度が0.55を超えると、ポリウレタン樹脂の溶媒和が大きすぎ、ポリウレタン樹脂が凝集しやすく、その結果、分散がうまくいかず、非磁性無機粉末も凝集する。
ポリウレタン樹脂の前記S含有極性基の数は200〜250eq/tの範囲内とするが、この範囲内において前記S含有極性基の数が大きくなるほど、還元粘度を0.42以上0.55以下の範囲内で小さくすることが好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂の前記S含有極性基の数が200eq/tであれば、還元粘度を0.45以上0.55以下の範囲とすることがよく、ポリウレタン樹脂の前記S含有極性基の数が250eq/tであれば、還元粘度を0.42以上0.50以下の範囲とすることがよい。
ポリウレタン樹脂の還元粘度の調整は、例えば、ポリウレタン樹脂の合成成分のポリイソシアナート含有化合物の使用割合の変更によって行うことができる。
下層非磁性層用のポリウレタン樹脂の例についてさらに説明する。
下層非磁性層用のポリウレタン樹脂の例は、
ポリエステルポリオール(A)と、
芳香族ポリイソシアナート化合物(B)と、
を反応させて得られるものであり、前記S含有極性基を200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、前記条件での還元粘度が0.42以上0.55以下であるものである。
前記ポリエステルポリオール(A)は、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを重縮合して得られるものであり、酸成分として脂肪族ジカルボン酸を90〜100モル%含むポリエステルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオール(A)に用いられる脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデシニルコハク酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、3−ヘキセンジカルボン酸が挙げられる。これらの中で、アジピン酸、セバシン酸、ドデシニルコハク酸、イタコン酸が非磁性無機粉末の分散性の点で好ましい。また酸成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸等のスルホン酸金属塩含有芳香族ジカルボン酸を共重合してもよい。
ポリエステルポリオール(A)に用いられるグリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族系グリコール;
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパンビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカンジメタノール等の脂環族系グリコールが挙げられる。
これらの中では特に、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンが好ましい。
また、ポリエステルポリオール(A)の原料の一部として、無水トリメリット酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三官能以上の化合物をポリエステル樹脂の有機溶剤溶解性、塗布作業性等の特性を損なわない範囲で使用してもよい。
前記芳香族ポリイソシアナート化合物(B)としては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、m−フェニレンジイソシアナート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、2,6−ナフタレンジイソシアナート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニレンジイソシアナート、4,4’−ジイソシアナートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアナート、m−キシレンジイソシアナート等が挙げられる。これらのうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートが特に好ましい。
前記芳香族ポリイソシアナート化合物(B)の使用割合の変更によって、ポリウレタン樹脂の還元粘度の調整を行うことができる。すなわち、前記化合物(B)の使用割合を多くすると、ポリウレタン樹脂の還元粘度は大きくなる。
ポリウレタン樹脂を放射線硬化性とする場合には、ポリウレタン樹脂の合成成分として、さらに、放射線官能性の不飽和結合とイソシアナートと反応する官能基とを有する化合物(C)を用いるとよい。
前記化合物(C)としては、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。例えば、グリセリンモノメタクリレート、グリセリンモノアクリレート等が挙げられる。あるいはヒドロキシル基を1個有する化合物として、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチレングリコールメタクリレート、ブトキシヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。これらの中で、優れた電子線硬化性を発揮する点で、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートを用いることが好ましい。前記化合物(C)は、分子量500以下のものであることが好ましい。前記化合物(C)の分子量が500を超えると、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が下がり、下層非磁性層の塗膜強度が低下しやすく、また、極性基を含有しない巨大な側鎖又は末端部が存在することになり、非磁性無機粉末の分散性が低下しやすい。下層非磁性層の塗膜強度の低下は、磁気記録媒体の耐久性の低下につながる。
さらに、ポリウレタン樹脂の合成成分として、下記一般式(1)で表される分岐状化合物(D)を用いてもよい。
Figure 0005195153
一般式(1)において、R1 、R2 、R3 は、同一又は異なっていてもよく、エチレン基、又は1,2−プロピレン基を表し、m、n、oは繰り返し単位数を表し、m、n、及びoの総和は、2≦m+n+o≦8である。m+n+oが2未満であると、前記化合物(C)を用いた場合の放射線硬化性を低下させる傾向がある。一方、m+n+oが8を超えると、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が下がり、下層非磁性層の塗膜強度が低下しやすく、また、Q値(質量平均分子量/数平均分子量)が4よりも大きくなり、非磁性無機粉末の分散性が低下しやすい。具体的な化合物としては、グリセリンへのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキシド付加物が挙げられる。
さらに、ポリウレタン樹脂の合成成分として、イソシアナート基と反応する官能基を2個以上有する分子量800以下の化合物(E)を用いてもよい。
前記化合物(E)としては、例えば、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらの中で、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが非磁性無機粉末の分散性の点で特に好ましい。前記化合物(E)の分子量が800を超えると、ポリウレタン樹脂中のウレタン基濃度が低下し、ポリウレタン樹脂の力学的特性が低下し、下層非磁性層の塗膜強度が低下しやすい。下層非磁性層の塗膜強度の低下は、テープ媒体の耐久性の低下につながる。また、分子量800以下であればポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール等でも良い。
化合物(E)の中でも、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の側鎖を有する化合物は、ポリウレタン樹脂の溶解性向上に寄与し、前記ポリエステルポリオール(A)及び前記芳香族ポリイソシアナート(B)の組み合わせに対して高い比率で共重合することが可能である。化合物(E)成分の共重合比率の増加はウレタン結合基濃度の増加につながり、ウレタン樹脂をより強靱なものにする。すなわち、これらの量比を調節することにより、汎用溶剤に対する高い溶解性と強靱な力学物性を合わせ持ったポリウレタン樹脂が得られる。これらウレタン樹脂としての特性は、磁気テープ用バインダー樹脂としての高い分散能力とテープ耐久性の向上に寄与するものである。
前記ポリウレタン樹脂は公知の方法により、各成分を共重合反応させることにより得られる。反応触媒として、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウリレート、トリエチルアミン等を用いてもよい。また、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤などをポリウレタン樹脂の製造前、製造中あるいは製造後に添加してもよい。
ポリウレタン樹脂の数平均分子量は10,000〜80,000程度の範囲が好ましく、また、ガラス転移温度Tgは−20℃≦Tg≦80℃の範囲が好ましい。ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が下がると、ポリウレタン樹脂の力学的特性が低下し、その結果、下層非磁性層の塗膜強度が低下しやすい。
本発明において、下層非磁性層用の結合剤の全量を基準として、上記ポリウレタン樹脂を30質量%以上70質量%以下の量で用いることが好ましく、40質量%以上60質量%以下の量で用いることがより好ましい。上記ポリウレタン樹脂と併用する結合剤としては、剛性を保つために塩化ビニル系共重合体が好ましい。上記ポリウレタン樹脂が熱硬化性の場合には、熱硬化性塩化ビニル系共重合体を用い、上記ポリウレタン樹脂が放射線(電子線又は紫外線)硬化性の場合には、放射線硬化性塩化ビニル系共重合体を用いる。
このような範囲で前記ポリウレタン樹脂を用いることにより、前記ポリウレタン樹脂による微細な非磁性無機粉末の分散性向上効果、及び非磁性層塗料の安定性向上効果が得られる。ポリウレタン樹脂の量が30質量%未満であると、非磁性塗膜が硬く脆くなりやすい。非磁性層が硬く脆くなると、磁気テープの幅に切断(スリット)する際に、そのエッジ部分が盛り上がりやすく、いわゆるハイエッジになりやすい。一方、ポリウレタン樹脂の量が70質量%を超えると、非磁性塗膜の剛性が低下し、磁気テープの耐久性が低下しやすい。
塩化ビニル系共重合体としては、塩化ビニル含有量50〜95質量%、特に55〜90質量%のものが好ましく、その平均重合度は100〜500程度であることが好ましい。特に塩化ビニルとエポキシ(グリシジル)基を含有する単量体との共重合体が好ましい。塩化ビニル系共重合体は、公知の手法により(メタ)アクリル系二重結合等を導入して電子線感応変性を行うことができる。
塩化ビニル系共重合体において、前記非磁性無機粉末の分散性向上のために、極性基が含まれていることが好ましい。極性基としては、−OSO3 M、−SO3 M、−SR等のS含有極性基、−POM、−PO2 M、−PO3 M等のP含有極性基、−COOM(Mは水素又はアルカリ金属)、−NR2 、−N+ 3 - (Rは水素又は炭化水素基、Xはハロゲン原子)、ホスホベタイン、スルホベタイン、ホスファミン、スルファミン等が挙げられる。
上記ポリウレタン樹脂及び塩化ビニル系共重合体が熱硬化性の場合には、これらの結合剤を硬化させる架橋剤を用いる。架橋剤としては、各種ポリイソシアナート、特にジイソシアナートを用いることができ、特に、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジイソシアナートの1種以上を用いることが好ましい。これらの架橋剤は、トリメチロールプロパン等の水酸基を複数有するもので変性した架橋剤又はジイソシアネート化合物3分子が結合したイソシアヌレート型の架橋剤として用いることが特に好ましく、結合剤樹脂に含有される官能基等と結合して樹脂を架橋する。架橋剤の含有量は、結合剤樹脂100質量部に対し、10〜30質量部とすることが好ましい。このような熱硬化性樹脂を硬化するには、一般に加熱オーブン中で50〜70℃にて12〜48時間加熱すればよい。
塩化ビニル系共重合体及びポリウレタン樹脂に加えて、非磁性層において全結合剤の20質量%以下の範囲で、公知の各種樹脂が含有されてもよい。
下層非磁性層に用いる結合剤樹脂の含有量は、下層非磁性層中のカーボンブラックとカーボンブラック以外の前記非磁性無機粉末の合計100質量部に対し、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは12〜30質量部である。結合剤の含有量が少なすぎると、下層非磁性層における結合剤樹脂の比率が低下し、十分な塗膜強度が得られない。結合剤の含有量が多すぎると、テープ媒体の場合にテープ幅方向の湾曲が強く起きやすく、ヘッドとの接触が悪くなる傾向にある。
下層非磁性層には必要に応じて潤滑剤を含有することが好ましい。潤滑剤としては、飽和、不飽和に関わらず、ステアリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸、ブチルステアレート、ブチルパルミテート等の脂肪酸エステル、糖類など公知のものを、単独であるいは2種以上混合して用いることができ、融点の異なる脂肪酸を2種以上混合し用いることや、融点の異なる脂肪酸エステルを2種以上混合し用いることも好ましい。これは、磁気記録媒体の使用される、あらゆる温度環境に応じた潤滑剤を、媒体表面に持続して供給する必要があるからである。
下層非磁性層の潤滑剤の含有量は、目的に応じ適宜調整すればよいが、下層非磁性層中のカーボンブラックとカーボンブラック以外の前記非磁性無機粉末の合計質量に対し、1〜20質量%が好ましい。
下層非磁性層形成用の塗料は、公知の方法で、上記各成分に有機溶剤を加えて、混合、攪拌、混練、分散等を行い調製する。用いる有機溶剤は特に制限はなく、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤や、トルエン等の芳香族系溶剤などの各種溶媒の1種又は2種以上を、適宜選択して用いればよい。有機溶剤の添加量は、カーボンブラック、カーボンブラック以外の各種無機粉末等、及び結合剤樹脂の合計量100質量部に対し100〜900質量部程度とすればよい。
本発明においては、前記特定のポリウレタン樹脂を用いているので、塗料調製の際に酸化鉄粉末及び/又はオキシ水酸化鉄粉末の凝集の発生が起こらず、塗料の粘度の増加も起こらない。均一分散され安定性に優れた非磁性層塗料が調製される。
下層非磁性層の厚さは、通常0.3〜2.5μm、好ましくは0.3〜2.0μm、より好ましくは0.3〜1.3μmである。非磁性層が薄すぎると、非磁性支持体の表面粗さの影響を受けやすくなり、その結果、非磁性層の表面平滑性が悪化して磁性層の表面平滑性も悪化しやすくなり、電磁変換特性が低下する傾向にある。また、光透過率が高くなるので、媒体端を光透過率の変化により検出する場合に問題となる。一方、非磁性層をある程度以上厚くしても性能は向上しない。
[上層磁性層]
上層磁性層は、少なくとも強磁性粉末、及び結合剤を含有する。
本発明において、強磁性粉末としては、金属磁性粉末又は六方晶形板状微粉末を用いることが好ましい。金属磁性粉末としては、保磁力Hcが118.5〜278.5kA/m(1500〜3500Oe)、飽和磁化σsが70〜160Am2/kg(emu/g)、平均長軸長が0.02〜0.1μm、平均短軸長が5〜20nm、アスペクト比が1.2〜20であることが好ましい。また、金属磁性粉末を用いて作製した媒体のHcは118.5〜278.5kA/m(1500〜3500Oe)が好ましい。六方晶形板状微粉末としては、保磁力Hcが79.6〜278.5kA/m(1000〜3500Oe)、飽和磁化σsが40〜70Am2/kg(emu/g)、平均板粒径が15〜80nm、板比が2〜7であることが好ましい。また、六方晶形板状微粉末を用いて作製した媒体のHcは94.8〜318.3kA/m(1200〜4000Oe)が好ましい。
強磁性粉末は、磁性層を基準として70〜90質量%程度含まれていればよい。強磁性粉末の含有量が多すぎると、結合剤の含有量が減少するためカレンダー加工による表面平滑性が悪化しやすくなり、一方、強磁性粉末の含有量が少なすぎると、高い再生出力を得られない。
上層磁性層の結合剤樹脂材料として、特に制限なく、熱可塑性樹脂、熱硬化性ないし反応型樹脂、放射線(電子線又は紫外線)硬化性樹脂等が、媒体の特性、工程条件に合わせて適宜組み合わせて選択されて使用される。
上層磁性層に用いる結合剤樹脂の含有量は、強磁性粉末100質量部に対し、好ましくは5〜40質量部、特に好ましくは10〜30質量部である。結合剤の含有量が少なすぎると、磁性層の強度が低下し、走行耐久性が悪化しやすくなる。一方、結合剤の含有量が多すぎると、強磁性粉末の含有量が低下するため、電磁変換特性が低下する傾向にある。
さらに上層磁性層中には、磁性層の機械的強度を高めるためと、磁気ヘッドの目詰まりを防ぐために、例えばα−アルミナ(モース硬度9)等のモース硬度6以上の研磨材を含有させる。このような研磨材は通常、不定形状であり、磁気ヘッドの目詰まりを防ぎ、塗膜の強度を向上させる。
研磨材の平均粒径は、例えば0.01〜0.2μmであり、0.05〜0.2μmであることが好ましい。平均粒径が大きすぎると、磁性層表面からの突出量が大きくなって、電磁変換特性の低下、ドロップアウトの増加、ヘッド摩耗量の増大等を招く。平均粒径が小さすぎると、磁性層表面からの突出量が小さくなって、ヘッド目詰まりの防止効果が不十分となる。
平均粒径は、通常、透過型電子顕微鏡により測定する。研磨材の含有量は、強磁性粉末100質量部に対し、3〜25質量部、好ましくは5〜20質量部含有すればよい。
また、磁性層中には、必要に応じ、界面活性剤等の分散剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコンオイル等の潤滑剤、その他の各種添加物を添加してもよい。
上層磁性層形成用の塗料は、公知の方法で、上記各成分に有機溶剤を加えて、混合、攪拌、混練、分散等を行い調製する。用いる有機溶剤は特に制限はなく、下層非磁性層に使用するものと同様のものが使用可能である。
上層磁性層の厚さは0.03〜0.30μm、更に好ましくは0.05〜0.25μmとする。磁性層が厚すぎると、自己減磁損失や厚み損失が大きくなる。
上層磁性層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、好ましくは1.0〜5.0nm、より好ましくは1.0〜4.0nmとする。Raが1.0nm未満では表面が平滑すぎて、走行安定性が悪化して走行中のトラブルが生じやすくなる。一方、5.0nmを越えると、磁性層表面が粗くなり、MR型ヘッドを用いた再生システムでは、再生出力等の電磁変換特性が劣化する。
[バックコート層]
バックコート層は、走行安定性の改善や磁性層の帯電防止等のために必要に応じて設けられ、特に構造や組成は限定されないが、例えば、カーボンブラック、カーボンブラック以外の非磁性無機粉末、及び結合剤樹脂を含むものを用いることができる。
バックコート層は、バックコート層を基準として30〜80重量%のカーボンブラックを含有することが好ましい。
バックコート層には、前記カーボンブラック以外に、機械的強度をコントロールするために、各種非磁性無機粉末を用いることができ、無機粉末として例えば、α−Fe2 3 、CaCO3 、酸化チタン、硫酸バリウム、α−Al2 3 等を挙げることができる。
バックコート層形成用の塗料は、公知の方法で、上記各成分に有機溶剤を加えて、混合、攪拌、混練、分散等を行い調製する。用いる有機溶剤は特に制限はなく、上層磁性層や下層非磁性層に使用するものと同様のものが使用可能である。
バックコート層の厚さ(カレンダー加工後)は、1.0μm以下、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μmである。
[非磁性支持体]
非磁性支持体として用いる材料には特に制限はなく、目的に応じて各種可撓性材料、各種剛性材料から選択し、各種規格に応じてテープ状、シート状、カード状、ディスク状などの所定形状及び寸法とすればよい。例えば、可撓性材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリカーボネートなどの各種樹脂が挙げられる。非磁性支持体として、PEN、PA、PI、及びPAIから選ばれる樹脂製のフィルムが好ましい。非磁性支持体の厚さは、例えば3.0〜15.0μmであり、2.0〜6.0μmであることが好ましい。
[磁気記録媒体の製造]
本発明において、調製された各非磁性層形成用塗料、磁性層形成用塗料、バックコート層形成用塗料を用いて、塗布、乾燥、カレンダー、硬化等により、それぞれの塗膜(塗層)を形成し、磁気記録媒体を製造する。
本発明において、下層非磁性層及び上層磁性層は、いわゆるウェット・オン・ドライ塗布方式によって形成することが好ましい。しかしながら、ウェット・オン・ウェット塗布方式によって形成してもよい。ウェット・オン・ドライ塗布方式の場合には、まず、非磁性支持体の一方の面上に、非磁性層用塗料を塗布、乾燥し、必要に応じてカレンダー処理を行い、未硬化の下層非磁性層を得る。その後、未硬化の下層非磁性層を硬化させる。下層非磁性層の結合剤樹脂として放射線(電子線)硬化性樹脂を用いた場合には、放射線(電子線)照射を行い下層非磁性層を硬化させる。次に、硬化された下層非磁性層上に磁性層用塗料を塗布、配向、乾燥して、上層磁性層を形成する。バックコート層の形成の順序は任意であり、すなわち、下層非磁性層の形成前、下層非磁性層の形成後であり上層磁性層の形成前、上層磁性層の形成後のいずれであってもよい。
磁気記録媒体において、前記下層非磁性層に含まれる結合剤、及び前記上層磁性層に含まれる結合剤は共に硬化させられている。
塗布方法としては、グラビアコート、リバースロールコート、ダイノズルコート、バーコート等の公知の種々の塗布手段を用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[粉体特性の測定方法]
(平均長軸長の測定)
測定対象の粉体の100,000倍の透過型電子顕微鏡(TEM; Transmission Electron Microscope) 写真を撮影し、写真から不作為に抽出した100個の粒子について、長軸長を測定した。これらの値の平均値を平均長軸長とした。
(BET法比表面積の測定)
Quantachrome社製 NOVA2000seriesを使用し、BET法により比表面積を求めた。BET測定は、例えば、試料粉体を脱気し、吸着占有面積の判っている分子を吸着させ、その後の脱離量から、試料の比表面積を求める方法である。
[樹脂特性の測定方法]
(数平均分子量)
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。なお、数平均分子量300未満の低分子のピークは分析時には削除し、300以上の高分子のピークをデータ処理して、数平均分子量Mnとした。
(ポリウレタン樹脂の組成分析)
ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、重クロロホルム溶媒中で 1H−NMR分析を行って、その積分比より決定した。
(スルホン酸ナトリウム塩基濃度)
試料0.1gを炭化し、酸に溶解した後、原子吸光分析により求めた。下記式により極性基(スルホン酸ナトリウム塩基)濃度とした。Na原子量を23とした。
極性基濃度(eq/t)=Na濃度(重量ppm)/23
(還元粘度測定方法)
還元粘度は、Ubbelohde(ウベローテ)粘度計を使用して溶液粘度測定法によって測定した。
測定条件は以下のとおりとした。
測定溶媒:トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=40/40/20(重量比)
測定溶液濃度:4g/L
測定温度:30℃
還元粘度は以下の計算値で求めた。
還元粘度(dl/g)=((t1/t2)−1)/0.4
ここで、
t1:測定溶液の平均流下時間(sec)
t2:溶媒の流下時間(sec)
である。
[粘度測定方法]
非磁性層用塗料の粘度(単位cp;センチポイズ)は、東京計器製B型粘度計にて、2号あるいは4号を使用して20rpmで測定した。
塗料の粘度が1000cp以下の場合には2号ローターを使用し、1000cpよりも大きい場合には4号ローターを使用した。
実施例で用いる略号は以下のとおりである。
AA:アジピン酸
SA:セバシン酸
IA:イタコン酸
DMS:5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル
EG:エチレングリコール
HD:1,6−ヘキサンジオール
DMH:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
NPG:2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール
HPN:2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート
GP−400:グリセリンのプロピレンオキサイド付加物(三洋化成(株)製、分子量400)
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート
PETA:モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレート(1分子中の二重結合3個)
701A:2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキジプロピルメタクリレート(新中村化学(株)製、1分子中の二重結合2個)
MR110:塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製)
まず、ポリウレタン樹脂(I)〜(XI)の製造例を示す。ポリウレタン樹脂(I)〜(XI)は電子線硬化性である。なお、実施例において、特に断りがなければ、「部」とは「質量部」を示す。
ポリウレタン樹脂(I)〜(XI)の製造に用いたスルホン酸金属塩基含有ポリエステルポリオール(a)〜(d)の構成成分を表1に示す。
Figure 0005195153
[製造例1:実施例1のポリウレタン樹脂(III) の製造例]
(ポリエステルポリオール(b)の合成)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に、アジピン酸117部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル58部、1,6−ヘキサンジオール71部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール94部、及びテトラブチルチタネート0.2部を仕込み、180〜220℃で180分間加熱し、エステル化反応を行った。その後、反応系を20分で5mmHgまで減圧し、この間に240℃まで昇温した。さらに、反応系内を徐々に減圧し、10分後に0.3mmHg以下とし、240℃で30分間重縮合反応を行った。このようにして、ポリエステルポリオール(b)を合成した。
(ポリウレタン樹脂(III) の合成)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に、上記ポリエステルポリオール(b)100部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール20部、及びモノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレート30部を仕込み、これにメチルエチルケトン73部、及びトルエン73部を加え、溶解した。フェノチアジン0.05部を加え、攪拌後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート45部を加え、触媒としてジブチルチンジラウレート0.05部を添加し、80℃で2時間反応させ、その後、メチルエチルケトン272部、トルエン272部、GP−400 13部を加え、さらに80℃で4時間反応させてポリウレタン樹脂(III) を得た。
[製造例2:実施例2のポリウレタン樹脂(IV)の製造例]
上記ポリエステルポリオール(b)を用いて、製造例1と同様の方法によりポリウレタン樹脂(IV)を得た。
[製造例3:実施例3のポリウレタン樹脂(V)の製造例]
(ポリエステルポリオール(c)の合成)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に、セバシン酸160部、イタコン酸7部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル47部、エチレングリコール4部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール47部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパナート105部、及びテトラブチルチタネート0.2部を仕込み、180〜220℃で180分間加熱し、エステル化反応を行った。その後、反応系を20分で5mmHgまで減圧し、この間に240℃まで昇温した。さらに、反応系内を徐々に減圧し、10分後に0.3mmHg以下とし、240℃で30分間重縮合反応を行った。このようにして、ポリエステルポリオール(c)を合成した。
(ポリウレタン樹脂(V)の合成)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に、ポリエステルポリオール(c)100部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパナート14部、及び2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキジプロピルメタクリレート27部を仕込み、これにメチルエチルケトン73部、及びトルエン73部を加え、溶解した。フェノチアジン0.05部を加え、攪拌後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート45部を加え、触媒としてジブチルチンジラウレート0.05部を添加し、80℃で2時間反応させ、その後、メチルエチルケトン272部、トルエン272部、GP−400 11部を加え、さらに80℃で4時間反応させてポリウレタン樹脂(V)を得た。
[製造例4:実施例4のポリウレタン樹脂(VIII)の製造例]
(ポリエステルポリオール(d)の合成)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に、アジピン酸102部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル89部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを156部、及びテトラブチルチタネート0.2部を仕込み、180〜220℃で180分間加熱し、エステル化反応を行った。その後、反応系を20分で5mmHgまで減圧し、この間に240℃まで昇温した。さらに、反応系内を徐々に減圧し、10分後に0.3mmHg以下とし、240℃で重縮合反応を30分行った。このようにして、ポリエステルポリオール(d)を合成した。
(ポリウレタン樹脂(VIII)の合成)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に、ポリエステルポリオール(d)100部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール20部、及びモノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレート30部を仕込み、これにメチルエチルケトン73部、及びトルエン73部を加え、溶解した。フェノチアジン0.05部を加え、攪拌後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート38部を加え、触媒としてジブチルチンジラウレート0.05部を添加し、80℃で2時間反応させ、その後、メチルエチルケトン272部、トルエン272部、GP−400 13部を加え、さらに80℃で4時間反応させてポリウレタン樹脂(VIII)を得た。
[製造例5:実施例5のポリウレタン樹脂(IX)の製造例]
上記ポリエステルポリオール(d)を用いて、製造例4と同様の方法によりポリウレタン樹脂(IX)を得た。
[製造例6:実施例6のポリウレタン樹脂(X)の製造例]
(ポリエステルジオール(e)の合成)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル888部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート1836部、及びテトラブトキシチタン0.2部を仕込み、240℃で5時間エステル交換した。温度を100℃まで低下させ、トルエン633部で希釈し、ポリエステルジオール(e)溶液(固形分濃度80重量%)を得た。
(ポリウレタン樹脂(X)の合成)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に、上記ポリエステルポリオール(b)100部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール20部、上記ポリエステルポリオール(e)10部(固形分として)、及び2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキジプロピルメタクリレート27部を添加し、これにメチルエチルケトン73部、及びトルエン73部を加え、溶解した。フェノチアジン0.05部を加え、攪拌後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート38部を加え、触媒としてジブチルチンジラウレート0.05部を添加し、80℃で2時間反応させ、その後、メチルエチルケトン272部、トルエン272部、GP−400 13部を加え、さらに80℃で4時間反応させてポリウレタン樹脂(X)を得た。
各比較例で用いるポリウレタン樹脂を表2に示す樹脂組成でそれぞれ同様の方法により合成した。
比較例1のポリウレタン樹脂(I)
比較例2のポリウレタン樹脂(II)
比較例3のポリウレタン樹脂(VI)
比較例4のポリウレタン樹脂 (VII)
比較例5のポリウレタン樹脂(XI)
ポリウレタン樹脂(I)〜(XI)の樹脂組成、数平均分子量、極性基濃度(スルホン酸ナトリウム塩基の濃度)、及び還元粘度を表2に示す。
Figure 0005195153
次に、ポリウレタン樹脂(i)〜(xi)の製造例を示す。ポリウレタン樹脂(i)〜(xi)は熱硬化性である。
[製造例7:実施例7のポリウレタン樹脂(iii) の製造例]
製造例1のポリウレタン樹脂(III) の合成において、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートを添加せず、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートの添加量を38部とした以外は製造例1と同様の方法により、ポリウレタン樹脂(iii) を合成した。
[製造例8:実施例8のポリウレタン樹脂(iv)の製造例]
製造例2のポリウレタン樹脂(IV)の合成において、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートを添加せず、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートの添加量を46部とした以外は製造例2と同様の方法により、ポリウレタン樹脂(iv)を得た。
[製造例9:実施例9のポリウレタン樹脂(v)の製造例]
製造例3のポリウレタン樹脂(V)の合成において、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートを添加せず、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートの添加量を38部とした以外は製造例3と同様の方法により、ポリウレタン樹脂(v)を得た。
[製造例10:実施例10のポリウレタン樹脂(viii)の製造例]
製造例4のポリウレタン樹脂(VIII)の合成において、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートを添加せず、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートの添加量を32部とした以外は製造例4と同様の方法により、ポリウレタン樹脂(viii)を合成した。
[製造例11:実施例11のポリウレタン樹脂(ix)の製造例]
製造例5のポリウレタン樹脂(IX)の合成において、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートを添加せず、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートの添加量を38部とした以外は製造例5と同様の方法により、ポリウレタン樹脂(ix)を得た。
[製造例12:実施例12のポリウレタン樹脂(x)の製造例]
製造例6のポリウレタン樹脂(X)の合成において、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートを添加せず、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートの添加量を32部とした以外は製造例6と同様の方法により、ポリウレタン樹脂(x)を得た。
各比較例で用いるポリウレタン樹脂を表3に示す樹脂組成でそれぞれ同様の方法により合成した。
比較例6のポリウレタン樹脂(i)
比較例7のポリウレタン樹脂(ii)
比較例8のポリウレタン樹脂(vi)
比較例9のポリウレタン樹脂 (vii)
比較例10のポリウレタン樹脂(xi)
ポリウレタン樹脂(i)〜(xi)の樹脂組成、数平均分子量、極性基濃度(スルホン酸ナトリウム塩基の濃度)、及び還元粘度を表3に示す。
Figure 0005195153
[電子線(EB)硬化型塩化ビニル樹脂の合成例]
温度計、攪拌機、コンデンサーを具備した反応容器に、塩化ビニル樹脂MR110(日本ゼオン(株)製、極性基濃度63eq/t)100部を仕込み、メチルエチルケトン245部に溶解させた。次いで、フェノチアジン、ハイドロキノンをそれぞれ下記アクリル化合物(MOI)に対して200ppm(質量)混合した。その後、2−イソシアナートエチルメタクリレート(MOI)5部、及びウレタン化触媒のジ−n−ブチルチンジラウレートを上記イソシアナート化合物(MOI)に対して1000ppm(質量)混合し、反応温度60℃で8時間攪拌を行った。このようにして、EB硬化型塩化ビニル樹脂を得た。得られたEB硬化型塩化ビニル樹脂の分子量、ガラス転移温度を測定したところ、数平均分子量:25000、ガラス転移温度:60℃であった。
[実施例1〜6、比較例1〜5]
(非磁性層用塗料の調製)
針状α−酸化鉄 80.0質量部
(平均粒径:65nm、BET比表面積:85m2 /g)
カーボンブラック 20.0質量部
(三菱化学(株)製 商品名:#950B、平均粒径:17nm、BET比表面積:250m2 /g、DBP吸油量:70ml/100g、pH:8)
結合剤 電子線硬化性塩化ビニル樹脂 12.0質量部
(上記で合成したもの、MR110のMOI変性品)
結合剤 表4に示す各電子線硬化性ポリウレタン樹脂 10.0質量部
(上記で合成したもの)
分散剤 リン酸系界面活性剤 3.2質量部
(東邦化学工業(株)製 商品名:RE−610)
研磨材 α−アルミナ 5.0質量部
(住友化学(株)製 商品名:HIT60A、平均粒径:0.18μm)
NV(固形分濃度)=70%(質量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2/2/1(質量比)
上記の材料をニーダーで混練した後、混練物をNV(固形分濃度)=30重量%又は35重量%(表4に「分散前NV [%] 」として示す)になるように、上記と同じ混合比率の溶剤を用いて希釈し、希釈物を得た。この希釈物の粘度を測定し、「分散前粘度 [cp] 」として表4に示す。
この希釈物を0.8mmのジルコニアビーズを充填率80%(空隙率50vol%)で充填した横型のピンミルによって滞留時間60分にて分散した。分散途中においてサンプリングを行い、適宜、粘度を測定した。測定した粘度のうち最も高い粘度の値を「分散中粘度 [cp] 」として表4に示す。
その後、さらに、下記潤滑剤材料:
潤滑剤 脂肪酸 0.5質量部
(日本油脂(株)製 商品名:NAA180)
潤滑剤 脂肪酸アマイド 0.5質量部
(花王(株)製 商品名:脂肪酸アマイドS)
潤滑剤 脂肪酸エステル 1.0質量部
(日光ケミカルズ(株)製 商品名:NIKKOLBS)
を添加して、
NV(固形分濃度)=24%(質量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2/2/1(質量比)
となるように希釈した後、分散を行いタンクに出筒した。出筒時点における塗料の粘度を測定した。この粘度を「分散後希釈後粘度 [cp] 」として表4に示す。
続いて、得られた塗料をさらに絶対濾過精度1.0μmのフィルターで濾過して、各非磁性塗料を作製した。これを磁気テープの製造に供した。
さらに、塗料の安定性を評価するために、得られた塗料をタンク内に1週間静置し、1週間静置時点における塗料の粘度を測定した。この粘度の値を「1週間後粘度 [cp] 」として表4に示す。
また、塗料の安定性を評価するために、得られた塗料をタンク内に1日間静置したときに、塗料中に沈殿が生じているか否かを目視にて観察した。この結果を表4に示す。
(磁性層用塗料の調製)
強磁性粉末 Fe系針状強磁性粉末 100.0質量部
(Fe/Co/Al/Y=100/24/5/12(原子比)、Hc:188kA/m、σs:140Am2 /kg、BET比表面積値:60m2 /g、平均長軸長:0.45μm)
熱硬化型塩化ビニル樹脂 塩化ビニル共重合体 10.0質量部
(日本ゼオン(株)製 商品名:MR110)
熱硬化型ポリウレタン樹脂 ポリエステルポリウレタン 6.0質量部
(東洋紡績(株)製 商品名:UR8300)
分散剤 リン酸系界面活性剤 3.0質量部
(東邦化学工業(株)製、商品名:RE610)
研磨材 α−アルミナ 10.0質量部
(住友化学(株)製 商品名:HIT60A、平均粒径:0.18μm)
NV(固形分濃度)=70%(質量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=4/4/2(質量比)
上記の材料をニーダーで混練した後、混練物をNV(固形分濃度)=30%になるように上記と同じ混合比率の溶剤を用いて希釈し、この希釈物を前分散として、0.8mmのジルコニアビーズを充填率80%(空隙率50vol%)で充填した横型のピンミルによって分散した。
その後、さらに、前分散された塗料を、
NV(固形分濃度)=15%(質量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=22.5/22.5/55(質量比)
となるように希釈してから、仕上げ分散を行った。続いて、得られた塗料に熱硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 コロネートL)4質量部を添加混合した後、さらに絶対濾過精度0.5μmのフィルターで濾過して、磁性層用塗料を作製した。
(バックコート層用塗料の調製)
カーボンブラック 75.0質量部
(キャボット社製 商品名:BP−800、平均粒径17nm、DBP吸油量68ml/100g、BET比表面積210m2 /g)
カーボンブラック 15.0質量部
(キャボット社製 商品名:BP−130、平均粒径75nm、DBP吸油量69ml/100g、BET比表面積25m2 /g)
炭酸カルシウム
(白石工業(株)製 商品名:白艶華0、平均粒径30nm) 10.0質量部
ニトロセルロース 65.0質量部
(旭化成工業(株)製 商品名:BTH1/2)
ポリウレタン樹脂 35.0質量部
(脂肪族ポリエステルジオール/芳香族ポリエステルジオール=43/57)
NV(固形分濃度)=30%(質量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=1/1/1(質量比)
上記の材料のうち有機溶剤の一部を除いた状態で、上記材料をニーダーにて高粘度状態で十分に混練処理した。次いで、混練処理された材料に除いておいた有機溶剤を添加して、ディゾルバにて十分に攪拌し、その後、上記材料をニーダーにて混練処理した。その後、前分散として、0.8mmのジルコニアビーズを充填率80%(空隙率50vol%)で充填した横型のピンミルによって分散した。
その後、さらに、前分散された材料を、
NV(固形分濃度)=10%(質量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=50.0/40.0/10.0(質量比)となるように希釈してから、仕上げ分散を行った。続いて、得られた塗料に熱硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 コロネートL)10質量部を添加混合した後、さらに絶対濾過精度0.5μmのフィルターで濾過して、バックコート層用塗料を作製した。
(非磁性層形成工程)
厚さ5.0μmのベースフィルム(ポリエチレンナフタレートフィルム)の一方の面上に、カレンダー加工後の厚さが1.1μmになるように、上記の非磁性層用塗料をノズルにより押し出し塗布法で塗布して、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーによって、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、さらに、照射量4.0Mrad、加速電圧200kVにて電子線照射を行い、下層非磁性層を形成した。
(磁性層形成工程)
上記のようにして形成した下層非磁性層上に、上記の磁性層用塗料を、加工後の厚さが0.1μmになるようにノズルにより押し出し塗布法で塗布して、配向を行い、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーによって、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、上層磁性層を形成した。
(バックコート形成工程)
ベースフィルムの他方の面上に、上記のバックコート層用塗料を、加工後の厚さが0.4μmになるようにノズルにより押し出し塗布法で塗布して、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーによって、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、バックコート層を形成した。
以上のようにして得られた磁気記録テープ原反を、60℃で48時間熱硬化させて、次いで、1/2inch(=12.650mm)幅にスリット(裁断)し、実施例1〜6、及び比較例1〜5の磁気記録テープサンプルとしてのデータ用テープをそれぞれ作製した。
[磁気テープの評価]
各磁気記録テープサンプルについて、次の評価を行った。
(表面粗さ(中心線平均粗さ:Ra))
「TALYSTEPシステム」(テーラーホブソン社製)を用い、JIS B0601−1982に基づいて、テープの磁性層表面の中心線平均粗さRaの測定を行った。
測定の条件は、フィルター0.18〜9Hz、触針0.1×2.5μmスタイラス、触針圧2mg、測定スピード0.03mm/sec、測定長さ500μmとした。なお、磁性層表面のRaの測定は、最終的なカレンダー処理及び硬化処理後に行った。
(ビットエラーレートb−ERTの測定)
カートリッジに組み込んだ各磁気テープサンプルについて、磁気記録ヘッドで記録波長0.25μmの単一記録波長を記録し、信号のP−P値(振幅)に対して50%以下のP−P値(振幅)の信号をミッシングパルスとし、4個以上連続したミッシングパルスを欠陥Long Defectとして検出した。基準テープとしての比較例1の磁気テープサンプルの1m当たりのLong Defectの個数をNとし、各磁気テープサンプルの1m当たりのLong Defectの個数をXとし、各磁気テープサンプルについてLog10(X/N)をビットエラーレートとしてそれぞれ算出した。算出した各ビットエラーレートの比較を行った。なお、再生ヘッドとしては、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)を用いた。
以上の結果を表4に示す。
表4から分かるように、実施例1〜6において、下層非磁性層の結合剤として、スルホン酸金属塩基を200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、前記条件で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下であるポリウレタン樹脂を用いると、非磁性層塗料中において微細な非磁性無機粉末の分散性が向上し、粘度上昇が見られず安定性に優れた非磁性層塗料が作製された。これら非磁性層塗料を用いると、塗布した際のレベリングが良好であり、平滑な非磁性層を形成することができ、そのため、表面平滑性に優れた上層磁性層が得られた。その結果、実施例1〜6の磁気記録媒体はいずれも、電磁変換特性に優れていた。
実施例1〜6において、非磁性層塗料は、粘度上昇が見られず安定性に優れており、非磁性層塗料をフィルタリングする際のフィルターの目詰まりの発生もなかった。このように、製造工程上においても利点があった。
Figure 0005195153
[実施例7〜12、比較例6〜10]
(非磁性層用塗料の調製)
針状α−酸化鉄 80.0質量部
(平均粒径:65nm、BET比表面積:85m2 /g)
カーボンブラック 20.0質量部
(三菱化学(株)製 商品名:#950B、平均粒径:17nm、BET比表面積:250m2 /g、DBP吸油量:70ml/100g、pH:8)
結合剤 熱硬化性塩化ビニル樹脂 12.0質量部
(MR110)
結合剤 表5に示す各熱硬化性ポリウレタン樹脂 10.0質量部
(上記で合成したもの)
分散剤 リン酸系界面活性剤 3.2質量部
(東邦化学工業(株)製 商品名:RE−610)
研磨材 α−アルミナ 5.0質量部
(住友化学(株)製 商品名:HIT60A、平均粒径:0.18μm)
NV(固形分濃度)=70%(質量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2/2/1(質量比)
上記の材料をニーダーで混練した後、混練物をNV(固形分濃度)=30重量%又は35重量%(表5に「分散前NV [%] 」として示す)になるように、上記と同じ混合比率の溶剤を用いて希釈し、希釈物を得た。この希釈物の粘度を測定し、「分散前粘度 [cp] 」として表5に示す。
この希釈物を0.8mmのジルコニアビーズを充填率80%(空隙率50vol%)で充填した横型のピンミルによって滞留時間60分にて分散した。分散途中においてサンプリングを行い、適宜、粘度を測定した。測定した粘度のうち最も高い粘度の値を「分散中粘度 [cp] 」として表5に示す。
その後、さらに、下記潤滑剤材料:
潤滑剤 脂肪酸 0.5質量部
(日本油脂(株)製 商品名:NAA180)
潤滑剤 脂肪酸アマイド 0.5質量部
(花王(株)製 商品名:脂肪酸アマイドS)
潤滑剤 脂肪酸エステル 1.0質量部
(日光ケミカルズ(株)製 商品名:NIKKOLBS)
を添加して、
NV(固形分濃度)=24%(質量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2/2/1(質量比)
となるように希釈した後、分散を行いタンクに出筒した。出筒時点における塗料の粘度を測定した。この粘度を「分散後希釈後粘度 [cp] 」として表5に示す。
続いて、得られた塗料に熱硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 コロネートL)4質量部を添加混合した後、さらに絶対濾過精度1.0μmのフィルターで濾過して、各非磁性塗料を作製した。これを磁気テープの製造に供した。
さらに、塗料の安定性を評価するために、得られた塗料をタンク内に1週間静置し、1週間静置時点における塗料の粘度を測定した。この粘度の値を「1週間後粘度 [cp] 」として表5に示す。
また、塗料の安定性を評価するために、得られた塗料をタンク内に1日間静置したときに、塗料中に沈殿が生じているか否かを目視にて観察した。この結果を表5に示す。
(磁性層用塗料の調製)
実施例1と全く同様にして磁性層用塗料を作製した。
(バックコート層用塗料の調製)
実施例1と全く同様にしてバックコート層用塗料を作製した。
(非磁性層形成工程)
厚さ5.0μmのベースフィルム(ポリエチレンナフタレートフィルム)の一方の面上に、カレンダー加工後の厚さが1.1μmになるように、上記の非磁性層用塗料をノズルにより押し出し塗布法で塗布して、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーによって、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、さらに、60℃、24時間の熱硬化を行い、下層非磁性層を形成した。
(磁性層形成工程)
上記のようにして形成した下層非磁性層上に、上記の磁性層用塗料を、加工後の厚さが0.1μmになるようにノズルにより押し出し塗布法で塗布して、配向を行い、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーによって、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、上層磁性層を形成した。
(バックコート形成工程)
ベースフィルムの他方の面上に、上記のバックコート層用塗料を、加工後の厚さが0.4μmになるようにノズルにより押し出し塗布法で塗布して、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーによって、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、バックコート層を形成した。
以上のようにして得られた磁気記録テープ原反を、60℃で48時間熱硬化させて、次いで、1/2inch(=12.650mm)幅にスリット(裁断)し、実施例7〜12、及び比較例6〜10の磁気記録テープサンプルとしてのデータ用テープをそれぞれ作製した。
[磁気テープの評価]
各磁気記録テープサンプルについて、実施例1におけるのと同様の評価を行った。ビットエラーレートb−ERTの測定においては、比較例6の磁気テープサンプルを基準テープとした。
以上の結果を表5に示す。
表5から分かるように、実施例7〜12において、下層非磁性層の結合剤として、スルホン酸金属塩基を200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、前記条件で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下であるポリウレタン樹脂を用いると、非磁性層塗料中において微細な非磁性無機粉末の分散性が向上し、粘度上昇が見られず安定性に優れた非磁性層塗料が作製された。これら非磁性層塗料を用いると、塗布した際のレベリングが良好であり、平滑な非磁性層を形成することができ、そのため、表面平滑性に優れた上層磁性層が得られた。その結果、実施例7〜12の磁気記録媒体はいずれも、電磁変換特性に優れていた。
実施例7〜12において、非磁性層塗料は、粘度上昇が見られず安定性に優れており、非磁性層塗料をフィルタリングする際のフィルターの目詰まりの発生もなかった。このように、製造工程上においても利点があった。
Figure 0005195153

Claims (8)

  1. 非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面上の下層非磁性層と、下層非磁性層上の上層磁性層とを少なくとも有する磁気記録媒体であって、
    前記上層磁性層は、強磁性粉末、及び結合剤を少なくとも含み、
    前記下層非磁性層は、カーボンブラック、カーボンブラック以外の非磁性無機粉末、及び結合剤を少なくとも含み、
    前記下層非磁性層に含まれる結合剤として、スルホン酸金属塩基及び硫酸金属塩基から選ばれる極性基を200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、次の条件:
    測定溶媒:トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=40/40/20(重量比)
    測定溶液濃度:4g/L
    測定温度:30℃
    で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下であるポリウレタン樹脂の硬化物を含み、
    前記カーボンブラック以外の非磁性無機粉末は、平均長軸長が40nm以上95nm以下であり且つBET法による比表面積が80m 2 /g以上100m 2 /g以下である酸化鉄、及び平均長軸長が40nm以上95nm以下であり且つBET法による比表面積が80m 2 /g以上100m 2 /g以下であるオキシ水酸化鉄の少なくとも一方を含んでいる、磁気記録媒体。
  2. 前記ポリウレタン樹脂は、放射線官能基を有する、請求項に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記上層磁性層は、0.03μm以上0.30μm以下の厚さを有する、請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記下層非磁性層は、0.3μm以上1.3μm以下の厚さを有する、請求項1〜のうちのいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面上の下層非磁性層と、下層非磁性層上の上層磁性層とを少なくとも有する磁気記録媒体の製造方法であって、
    カーボンブラック、カーボンブラック以外の非磁性無機粉末、及び結合剤を少なくとも含む非磁性層用塗料であって、
    前記カーボンブラック以外の非磁性無機粉末は、平均長軸長が40nm以上95nm以下であり且つBET法による比表面積が80m 2 /g以上100m 2 /g以下である酸化鉄、及び平均長軸長が40nm以上95nm以下であり且つBET法による比表面積が80m 2 /g以上100m 2 /g以下であるオキシ水酸化鉄の少なくとも一方を含んでおり、
    前記結合剤として、スルホン酸金属塩基及び硫酸金属塩基から選ばれる極性基を200eq/t以上250eq/t以下の範囲で有し、且つ、次の条件:
    測定溶媒:トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=40/40/20(重量比)
    測定溶液濃度:4g/L
    測定温度:30℃
    で測定された還元粘度が0.42以上0.55以下であるポリウレタン樹脂を含む非磁性層用塗料を調製する工程と、
    非磁性支持体の一方の面上に、調製された非磁性層用塗料を塗布して下層非磁性層を形成する工程と、
    前記下層非磁性層上に、強磁性粉末、及び結合剤を少なくとも含む磁性層用塗料を塗布、乾燥して上層磁性層を形成する工程と
    を含む磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記ポリウレタン樹脂は、放射線官能基を有する、請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記上層磁性層は、0.03μm以上0.30μm以下の厚さを有する、請求項5又は6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記下層非磁性層は、0.3μm以上1.3μm以下の厚さを有する、請求項5〜7のうちのいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
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